有価証券報告書-第10期(2024/10/01-2025/09/30)
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
なお、当社はExpert AI事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
① 経営成績の状況
当事業年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が完全に薄らぎ、経済活動の正常化が一層進んだことに加え、各種政策の効果や企業の堅調な設備投資意欲に支えられ、緩やかな回復基調が継続いたしました。一方で、世界的な金融引き締めの影響が残る中で、資源価格の高騰を背景とした物価上昇が続き、個人消費への影響が懸念される状況で推移いたしました。また、労働市場においては人手不足が構造的な問題として深刻化しており、企業の生産活動におけるボトルネックとなっております。さらに、国際的な地政学リスクや、主要貿易相手国による関税政策の変更などの影響により、国内外における経済的な見通しは依然として不透明な状況が続きました。
当社が属するAIシステム関連市場は、企業経営における最優先課題である生産性の抜本的な向上、競争力強化、および喫緊の課題である人手不足の解消を目的とした投資が継続的に行われた結果、市場全体として高い成長を遂げました。この成長を裏付けるように、国内AIシステム市場においては、2024年の1兆3,412億円から2029年には4兆1,873億円への大幅な拡大が見込まれており(出典:IDC Japan 株式会社「国内AIシステム市場予測、2024年~2029年」)、企業のAIに対する投資意欲の高さと、市場の強固なポテンシャルを示しております。特に、生成AI(Generative AI)は、単なる技術トレンドに留まらず、企業の業務プロセスやビジネスモデルそのものを変革するツールとして浸透し、新規事業の創出および既存業務の効率化に向けたAIソリューションの導入が急速に拡大いたしました。このトレンドの根底には、長年課題とされてきた熟練者の知恵やノウハウといった「暗黙知」を、AIを活用して「形式知」へ変換・継承し、企業全体の競争力として活用しようとするニーズの高まり見受けられました。
このような環境下、当社は「ひとを科学し、寄り添いをつくる」のミッションの下、AI技術やその他の先端技術を活用して、Expert AI事業として独自のAIソリューション・AIプロダクトを提供しております。AIソリューションにおいては既存取引先との継続的な取り組みや更なる拡大、各種アルゴリズムや生成AIを用いた新規案件獲得に注力しております。AIプロダクトにおいては「シセイカルテ」「マルチカルテ」といった既存サービスに加えて、AIソリューションで実績のあるAIロープレをSaaS型のサービスとした「カルティロープレ」をリリースし拡販を進めております。また、今後の事業拡大に向けた戦略的投資を実行しており、例えば急拡大しているAIエージェントを含む生成AI活用領域への投資、新たなAIプロダクト創出等があります。また、成長市場における認知度向上のためのマーケティング及び今後の事業拡大の源泉となる人材獲得等に注力いたしました。
これらの結果、当期における当社の経営成績は以下のとおりとなりました。
売上高については、AIソリューションにおいては既存プロジェクトの進捗・拡大や生成AIやAIエージェント関連の新規プロジェクト獲得、AIプロダクトにおける「シセイカルテ」「マルチカルテ」のアカウント数の増加や「カルティロープレ」のサービス提供開始等により996,301千円(前期比56.9%増)となりました。特にAIソリューションにおいては、東京証券取引所グロース市場への上場による認知度向上及び信用力の向上や、AIシステム関連市場の拡大等も追い風となり高い成長となりました。
売上原価については、個別案件を通じた戦略的投資やAIソリューションの急激な拡大によるリソース確保のための労務費及び外注費の増加等により495,275千円(前期比96.1%増)となりました。なお、AIソリューションにおいては、今後の取引拡大が想定できるような案件や、AIエージェントを中心とした当社の注力領域の案件については戦略的な提案を行っており、労務費及び外注費の増加の一因となっております。
売上総利益については、上記のとおり、売上増加、外注費といった各増加や戦略的投資等により501,026千円(前期比31.0%増)となりました。
販売費及び一般管理費については、引続き事業拡大のための先行投資として研究開発や人材・マーケティングへの投資や、新規上場関連のスポット的な費用増加により445,860千円(前期比11.1%増)となりました。
営業利益については、上記のように様々な投資を継続しながらも、売上高の増加により固定費が吸収され、55,166千円(前年同期は19,068千円の営業損失)となりました。
経常利益については、営業外費用に東京証券取引所グロース市場への上場に伴い2024年10月に実施した公募増資及び2024年11月に実施した第三者割当増資による株式交付費2,821千円、上場関連費用7,430千円といったスポット的な費用を計上したこと等により45,255千円(同28,542千円の経常損失)となりました。
当期純利益については、特別損失として今後の利用見込みや収益獲得見込みが低いソフトウエアを保守的に除却したことによる固定資産除却損3,011千円を計上したこと、当事業年度の黒字化及び今後の業績見通し等を踏まえて繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、法人税等調整額(△は利益)を△28,830千円を計上したこと等により、70,543千円(同29,057千円の当期純損失)となりました。
上記のように、先行投資を継続しながらも、固定費が吸収されたこと等により損益分岐点を上回り、各段階利益は黒字転換しております。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産合計は597,708千円となり、前事業年度末に比べ145,687千円増加いたしました。
内訳として、流動資産については、売上高の増加により売掛金が10,871千円、契約資産が37,565千円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産については、AIプロダクト開発の進捗によるソフトウエアの資産計上により無形固定資産が64,915千円増加したこと、当事業年度の黒字化及び今後の業績見通し等を踏まえて繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、繰延税金資産28,830千円を計上したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は99,420千円となり、前事業年度末に比べ184,847千円減少いたしました。これは主に、2024年10月に実施した公募増資資金の一部及び自己資金を原資として借入金の返済を行ったことにより、短期借入金が200,000千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は498,288千円となり、前事業年度末に比べ330,535千円増加いたしました。これは、株式の発行及び減資並びに当期純利益70,543千円によるものであります。株式の発行については、2024年10月に実施した公募増資及び2024年11月に実施した第三者割当増資により資本金が129,996千円、資本剰余金が129,996千円それぞれ増加しております。また、2025年1月に実施した減資については、資本金の資本剰余金への振り替えにより、資本金が352,852千円減少し、資本剰余金が352,852千円増加しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は213,327千円となり、前事業年度末に比べ6,900千円減少いたしました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金は45,896千円の増加(前期は31,907千円減少)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金は102,536千円の減少(前期は99,664千円の減少)となりました。これは主に、ソフトウエアの取得(自社開発)に伴う支出93,810千円及びオフィスの備品及び業務で使用するPCの取得に伴う支出8,725千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金は49,739千円の増加(前期は195,448千円の増加)となりました。これは主に、株式の発行による収入257,170千円及び金融機関からの短期借入金の返済200,000千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社は生産活動を行っておらず、該当事項はありません。
b 受注実績
当社が提供するサービスは、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.当社はExpert AI事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当事業年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要とされております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。しかしながら実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表を作成するにあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、Expert AI事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
売上高については、AIソリューションにおける既存プロジェクトの進捗やコミュニケーションアルゴリズムを中心とした新規プロジェクト獲得、AIプロダクトにおけるメインプロダクトである「シセイカルテ」「マルチカルテ」のアカウント数の増加等により996,301千円(前期比56.9%増)となりました。AIソリューションにおいては生成AI技術を用いたコミュニケーションアルゴリズムの提案を、AIプロダクトにおいては「シセイカルテ」だけでなく「マルチカルテ」も合わせて積極的な拡販を行っており、両プロダクトの導入が期待できるフィットネス・パーソナルトレーニングといった業界に向けた積極的な営業活動をいたしました。
売上総利益については、売上高の増加及び当期よりソフトウエア資産を計上したこと等により501,026千円(前年同期比31.0%増)となりました。
販売費及び一般管理費については、2023年11月に実施した本社移転、事業拡大のための先行投資として研究開発や人材・マーケティングへの投資を行った結果、445,860千円(前期比11.1%増)となりました。なお、販売費及び一般管理費が前年同期比増加した理由としては、前年同期において研究開発費に計上されていたような費用の一部が、ソフトウエア資産として計上されるようになったことによるものであります。
営業利益以下の各段階利益について、主に先行投資の結果、営業利益は55,166千円(前期比は19,068千円の営業損失)となり、加えて2024年4月に実施した第三者割当増資に伴う株式交付費及び東京証券取引所グロース市場への上場のための費用といったスポット的な営業外費用の計上等により、経常利益は45,255千円(同28,542千円の経常損失)、当期純利益は70,543千円(同29,057千円の当期純損失)となり、いずれも黒字となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の主な資金需要は、サービス提供や会社運営のための人材やリソースに関するもの、マーケティングを目的とした広告宣伝費及びその他の経費等の販売費及び一般管理費等となっております。当社において一過性かつ多額の資金需要は多くなく、少なくとも3か月程度の資金需要は把握できております。
足元の運転資金は自己資金及び新規上場時における公募増資及び第三者割当増資により調達しており、月次キャッシュ・フローに対して十分な水準を確保できております。加えて、売上規模拡大による固定費の吸収や、ストック収益の積み上がりやにより、自己資金でカバーできる範囲が拡大しております。一過性かつ多額の資金需要が発生する場合に備えて、金融機関と更なる関係強化により、機動的な資金調達ができるよう進めてまいります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 財政状態の分析
財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載しております。
⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
なお、当社はExpert AI事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
① 経営成績の状況
当事業年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が完全に薄らぎ、経済活動の正常化が一層進んだことに加え、各種政策の効果や企業の堅調な設備投資意欲に支えられ、緩やかな回復基調が継続いたしました。一方で、世界的な金融引き締めの影響が残る中で、資源価格の高騰を背景とした物価上昇が続き、個人消費への影響が懸念される状況で推移いたしました。また、労働市場においては人手不足が構造的な問題として深刻化しており、企業の生産活動におけるボトルネックとなっております。さらに、国際的な地政学リスクや、主要貿易相手国による関税政策の変更などの影響により、国内外における経済的な見通しは依然として不透明な状況が続きました。
当社が属するAIシステム関連市場は、企業経営における最優先課題である生産性の抜本的な向上、競争力強化、および喫緊の課題である人手不足の解消を目的とした投資が継続的に行われた結果、市場全体として高い成長を遂げました。この成長を裏付けるように、国内AIシステム市場においては、2024年の1兆3,412億円から2029年には4兆1,873億円への大幅な拡大が見込まれており(出典:IDC Japan 株式会社「国内AIシステム市場予測、2024年~2029年」)、企業のAIに対する投資意欲の高さと、市場の強固なポテンシャルを示しております。特に、生成AI(Generative AI)は、単なる技術トレンドに留まらず、企業の業務プロセスやビジネスモデルそのものを変革するツールとして浸透し、新規事業の創出および既存業務の効率化に向けたAIソリューションの導入が急速に拡大いたしました。このトレンドの根底には、長年課題とされてきた熟練者の知恵やノウハウといった「暗黙知」を、AIを活用して「形式知」へ変換・継承し、企業全体の競争力として活用しようとするニーズの高まり見受けられました。
このような環境下、当社は「ひとを科学し、寄り添いをつくる」のミッションの下、AI技術やその他の先端技術を活用して、Expert AI事業として独自のAIソリューション・AIプロダクトを提供しております。AIソリューションにおいては既存取引先との継続的な取り組みや更なる拡大、各種アルゴリズムや生成AIを用いた新規案件獲得に注力しております。AIプロダクトにおいては「シセイカルテ」「マルチカルテ」といった既存サービスに加えて、AIソリューションで実績のあるAIロープレをSaaS型のサービスとした「カルティロープレ」をリリースし拡販を進めております。また、今後の事業拡大に向けた戦略的投資を実行しており、例えば急拡大しているAIエージェントを含む生成AI活用領域への投資、新たなAIプロダクト創出等があります。また、成長市場における認知度向上のためのマーケティング及び今後の事業拡大の源泉となる人材獲得等に注力いたしました。
これらの結果、当期における当社の経営成績は以下のとおりとなりました。
売上高については、AIソリューションにおいては既存プロジェクトの進捗・拡大や生成AIやAIエージェント関連の新規プロジェクト獲得、AIプロダクトにおける「シセイカルテ」「マルチカルテ」のアカウント数の増加や「カルティロープレ」のサービス提供開始等により996,301千円(前期比56.9%増)となりました。特にAIソリューションにおいては、東京証券取引所グロース市場への上場による認知度向上及び信用力の向上や、AIシステム関連市場の拡大等も追い風となり高い成長となりました。
売上原価については、個別案件を通じた戦略的投資やAIソリューションの急激な拡大によるリソース確保のための労務費及び外注費の増加等により495,275千円(前期比96.1%増)となりました。なお、AIソリューションにおいては、今後の取引拡大が想定できるような案件や、AIエージェントを中心とした当社の注力領域の案件については戦略的な提案を行っており、労務費及び外注費の増加の一因となっております。
売上総利益については、上記のとおり、売上増加、外注費といった各増加や戦略的投資等により501,026千円(前期比31.0%増)となりました。
販売費及び一般管理費については、引続き事業拡大のための先行投資として研究開発や人材・マーケティングへの投資や、新規上場関連のスポット的な費用増加により445,860千円(前期比11.1%増)となりました。
営業利益については、上記のように様々な投資を継続しながらも、売上高の増加により固定費が吸収され、55,166千円(前年同期は19,068千円の営業損失)となりました。
経常利益については、営業外費用に東京証券取引所グロース市場への上場に伴い2024年10月に実施した公募増資及び2024年11月に実施した第三者割当増資による株式交付費2,821千円、上場関連費用7,430千円といったスポット的な費用を計上したこと等により45,255千円(同28,542千円の経常損失)となりました。
当期純利益については、特別損失として今後の利用見込みや収益獲得見込みが低いソフトウエアを保守的に除却したことによる固定資産除却損3,011千円を計上したこと、当事業年度の黒字化及び今後の業績見通し等を踏まえて繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、法人税等調整額(△は利益)を△28,830千円を計上したこと等により、70,543千円(同29,057千円の当期純損失)となりました。
上記のように、先行投資を継続しながらも、固定費が吸収されたこと等により損益分岐点を上回り、各段階利益は黒字転換しております。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産合計は597,708千円となり、前事業年度末に比べ145,687千円増加いたしました。
内訳として、流動資産については、売上高の増加により売掛金が10,871千円、契約資産が37,565千円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産については、AIプロダクト開発の進捗によるソフトウエアの資産計上により無形固定資産が64,915千円増加したこと、当事業年度の黒字化及び今後の業績見通し等を踏まえて繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、繰延税金資産28,830千円を計上したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は99,420千円となり、前事業年度末に比べ184,847千円減少いたしました。これは主に、2024年10月に実施した公募増資資金の一部及び自己資金を原資として借入金の返済を行ったことにより、短期借入金が200,000千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は498,288千円となり、前事業年度末に比べ330,535千円増加いたしました。これは、株式の発行及び減資並びに当期純利益70,543千円によるものであります。株式の発行については、2024年10月に実施した公募増資及び2024年11月に実施した第三者割当増資により資本金が129,996千円、資本剰余金が129,996千円それぞれ増加しております。また、2025年1月に実施した減資については、資本金の資本剰余金への振り替えにより、資本金が352,852千円減少し、資本剰余金が352,852千円増加しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は213,327千円となり、前事業年度末に比べ6,900千円減少いたしました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金は45,896千円の増加(前期は31,907千円減少)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金は102,536千円の減少(前期は99,664千円の減少)となりました。これは主に、ソフトウエアの取得(自社開発)に伴う支出93,810千円及びオフィスの備品及び業務で使用するPCの取得に伴う支出8,725千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金は49,739千円の増加(前期は195,448千円の増加)となりました。これは主に、株式の発行による収入257,170千円及び金融機関からの短期借入金の返済200,000千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社は生産活動を行っておらず、該当事項はありません。
b 受注実績
当社が提供するサービスは、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前事業年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) | 当事業年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) | ||
| 売上高(千円) | 前期比(%) | 売上高(千円) | 前期比(%) | |
| Expert AI事業 | 634,946 | 50.8 | 996,301 | 56.9 |
| 合計 | 634,946 | 50.8 | 996,301 | 56.9 |
(注) 1.当社はExpert AI事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) | 当事業年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) | ||
| 売上高(千円) | 割合(%) | 売上高(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社Innovation Studio | 33,550 | 5.28 | 114,367 | 11.48 |
| 株式会社PKSHA Technology | 74,300 | 11.70 | 37,700 | 3.78 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当事業年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要とされております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。しかしながら実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表を作成するにあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、Expert AI事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
売上高については、AIソリューションにおける既存プロジェクトの進捗やコミュニケーションアルゴリズムを中心とした新規プロジェクト獲得、AIプロダクトにおけるメインプロダクトである「シセイカルテ」「マルチカルテ」のアカウント数の増加等により996,301千円(前期比56.9%増)となりました。AIソリューションにおいては生成AI技術を用いたコミュニケーションアルゴリズムの提案を、AIプロダクトにおいては「シセイカルテ」だけでなく「マルチカルテ」も合わせて積極的な拡販を行っており、両プロダクトの導入が期待できるフィットネス・パーソナルトレーニングといった業界に向けた積極的な営業活動をいたしました。
売上総利益については、売上高の増加及び当期よりソフトウエア資産を計上したこと等により501,026千円(前年同期比31.0%増)となりました。
販売費及び一般管理費については、2023年11月に実施した本社移転、事業拡大のための先行投資として研究開発や人材・マーケティングへの投資を行った結果、445,860千円(前期比11.1%増)となりました。なお、販売費及び一般管理費が前年同期比増加した理由としては、前年同期において研究開発費に計上されていたような費用の一部が、ソフトウエア資産として計上されるようになったことによるものであります。
営業利益以下の各段階利益について、主に先行投資の結果、営業利益は55,166千円(前期比は19,068千円の営業損失)となり、加えて2024年4月に実施した第三者割当増資に伴う株式交付費及び東京証券取引所グロース市場への上場のための費用といったスポット的な営業外費用の計上等により、経常利益は45,255千円(同28,542千円の経常損失)、当期純利益は70,543千円(同29,057千円の当期純損失)となり、いずれも黒字となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の主な資金需要は、サービス提供や会社運営のための人材やリソースに関するもの、マーケティングを目的とした広告宣伝費及びその他の経費等の販売費及び一般管理費等となっております。当社において一過性かつ多額の資金需要は多くなく、少なくとも3か月程度の資金需要は把握できております。
足元の運転資金は自己資金及び新規上場時における公募増資及び第三者割当増資により調達しており、月次キャッシュ・フローに対して十分な水準を確保できております。加えて、売上規模拡大による固定費の吸収や、ストック収益の積み上がりやにより、自己資金でカバーできる範囲が拡大しております。一過性かつ多額の資金需要が発生する場合に備えて、金融機関と更なる関係強化により、機動的な資金調達ができるよう進めてまいります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 財政状態の分析
財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載しております。
⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。