有価証券報告書-第24期(2024/03/01-2025/02/28)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度(2024年3月1日~2025年2月28日)における我が国経済は、緩やかな景気回復の動きが見られたものの、依然として不安定な国際情勢やエネルギー価格の高止まり、急速な円安の進行、そして日銀による金融政策の転換などにより、企業活動や消費者マインドには慎重さが残る状況が続きました。加えて、生成AIなど新技術の社会実装が進む一方で、労働力不足や地方経済の停滞といった構造的課題も浮き彫りとなり、企業には一層の業務効率化やデジタル活用が求められています。
当社は、膨大かつ複雑なデータから必要な情報を的確に抽出する検索テクノロジーを基盤に、システム開発やサービス提供、コンサルティングを展開するデジタルビジネスプラットフォーム事業を手がけています。主に顧客企業のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)及びBtoB-EC(企業間電子商取引)の拡大をサポートし、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。近年、業種・業態を問わず、業務のデジタル化・効率化を図る動きが一層加速しており、IT投資の中でもDX分野への関心が特に高まっています。こうした背景から、当社が対象とする市場は、IT市場の中でもDX分野の成長を取り込む形で、今後さらなる拡大が見込まれます。当社の主要顧客である旅行・観光業界においても、コロナ禍からの回復が進み、訪日観光(インバウンド)需要の再拡大や、地方創生を目的とした観光資源の利活用、観光DXへの国や自治体の支援が追い風となり、業界全体の成長機運が高まっています。さらに、航空・鉄道料金を中心とした動的価格(ダイナミックプライシング)への対応や、スマートフォンを起点とした旅行商品販売の拡大を背景に、システム投資やデータ利活用に対するニーズも高まりを見せています。
当社は、創業当初から検索テクノロジーの研究を重ね、データを迅速かつ効率的に検索するための技術基盤「Spook」を産み出しました。この「Spook」を中核に、顧客が直面する特有の課題を解決する「ソリューション型サービス」と、複数顧客に共通する課題を汎用的に解決する「SaaS型サービス」という2つの軸で事業推進しています。ソリューション型サービスでは、大手旅行会社の予約サイトや専門商社のECサイトなど、複雑な商品データを扱う顧客に対して、高速・高精度な検索機能を提供し、ユーザー利便性の向上とシステムの拡張性確保を両立しています。SaaS型サービスでは、蓄積された知見を基に、共通課題に対する汎用的な解決策を提供しています。中でも、旅行・観光業界向けの商品販売プラットフォーム「webコネクト」は、当社事業の中核を担うサービスであり、事業成長を支える原動力となっています。本サービスは、素材登録、検索、予約管理、外部接続ゲートウェイなどを備えた統合的なEコマース基盤であり、旅行・観光業界を中心に導入が進んでいます。また、従来は紙で提供されていた旅行商品のバウチャーや特典引換券をスマートフォンで利用できる「電子クーポン」にも対応し、利用者の利便性向上に加え、発券・管理業務の効率化にも貢献しています。webコネクトの導入企業は大手・中堅旅行会社のみならず、鉄道事業者や会員制サービス事業者などにも広がっており、当事業年度においては、新規の会員制サービス事業者の獲得や既存大手旅行会社でのシェア拡大といった成果にもつながっています。
当事業年度の業績は、主にwebコネクトの顧客増に伴う月額収入の増加に加え、新規開発案件への対応による初期開発収入の増加により、売上高は2,310,220千円(前期比18.7%増)となりました。また、外注費の抑制や、販売費及び一般管理費の支出が想定を下回ったことなどから、営業利益は215,336千円(同54.7%増)となりました。一方、経常利益は上場関連費用等の発生により、198,305千円(同41.3%増)にとどまりました。資本金の増加に伴う税負担の増加により、当期純利益は131,697千円(同32.9%増)となりました。
当社はデジタルビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度末に比べて565,197千円増加し、2,191,637千円となりました。これは主に、現金及び預金が271,500千円、売掛金が139,725千円、契約資産が86,318千円、ソフトウェアが27,990千円及びソフトウェア仮勘定が43,177千円増加したためであります。
(負債)
当事業年度末における総負債の残高は、前事業年度末に比べて60,140千円増加し、252,476千円となりました。これは主に、買掛金が8,331千円、未払金が21,829千円及び未払法人税等が25,144千円増加したためであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べて505,056千円増加し、1,939,161千円となりました。これは、資本金が186,679千円、資本準備金が186,679千円及び利益剰余金が131,697千円増加したためであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度に比べ271,500千円増加し、当事業年度には1,230,480千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は、27,578千円(前期は519,512千円の資金の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上198,189千円(前期は140,334千円)、減価償却費の計上53,873千円(前期は44,406千円)、売上債権の増加額139,725千円(前期は売上債権の減少額314,460千円)及び契約資産の増加額86,318千円(前期は契約資産の減少額36,522千円)によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、111,318千円(前期は80,967千円の使用)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出105,236千円(前期は71,115千円の支出)によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果獲得した資金は、355,240千円(前期は該当事項なし)となりました。これは主に株式の発行による収入366,381千円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社の事業は提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b 受注実績
当社では、概ね受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。
c 販売実績
当社は、デジタルビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりませんが、第24期事業年度の販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.SaaS型サービス webコネクトにおける前期比増(36.4%)は初期設定費・月額費の売上増によるものとなります。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 経営成績の分析
a. 売上高
当事業年度の売上高は2,310,220千円(前期比18.7%増)となりました。webコネクトの顧客増に伴う月額収入の伸長に加え、新規開発案件の受注拡大による初期開発収入の増加が寄与し、増収を達成しました。
b. 売上原価、売上総利益
当事業年度の売上原価は1,075,259千円(前期比20.2%増)、売上総利益は1,234,960千円(前期比17.3%増)となりました。開発案件の増加及び利益増による社員向け賞与増加にともない売上原価が増加したものの、開発リソースの最適化と業務効率化により外注費を抑制した結果、売上総利益率は53.5%(前期54.1%)となり、率は0.6ポイント低下したものの、金額ベースでは大幅に拡大しました。
c. 販売費及び一般管理費、営業損益
当事業年度の販売費及び一般管理費は1,019,624千円(前期比11.6%増)、営業利益は215,336千円(前期比54.7%増)となりました。販促活動などのコスト管理の徹底によって利益構造が大幅改善し、営業利益率は9.3%(前期7.1%)となりました。
d. 営業外収益、営業外費用、経常利益
当事業年度の営業外収益は1,178千円(前期比±0%)となりました。一方、前期は発生しなかった営業外費用は上場関連費用等により18,208千円となり、経常利益は198,305千円(前期比41.3%増)となりました。
e. 特別利益、特別損失及び当期純利益
当事業年度は特別利益は発生せず、固定資産除却損115千円の特別損失が発生したため、税引前当期純利益は198,189千円となり、法人税、住民税及び事業税として64,999千円、法人税等調整額1,493千円を計上した結果、当期純利益は131,697千円(前期比32.9%増)となりました。
② 財政状態の分析
当社の財政状態の分析は「(1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社のキャッシュ・フローの状況分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、当社は、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、営業活動によるキャッシュ・フローにより調達しております。手許現預金の水準については、過去1年程度の最大月間支出額の2か月分程度の6億円以上が適正であるとの考えのもとに管理しております。なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,230,480千円となっており、当面事業を継続していく上で十分な流動性を確保しております。
当社の資金需要のうち主なものは、人件費、外注費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、継続的なソフトウェア開発であります。
④ 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
⑤ 経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の通り、当社は売上高、売上高営業利益率を重要な経営指標として設定するとともに、これらの目標達成実現のための重要なKPIとして当社の成長ドライバーであるwebコネクトの顧客数を設定しております。
各指標の推移は以下のとおりであります。

(注) 1.「webコネクト顧客数」は各期に売上が計上された顧客を累計したものとなります。なお、件数が減少している四半期については、開発終了のタイミングとサービス利用料請求開始のタイミングがずれたことによるものです。
2.旅行会社とは第1種ないしは第2種旅行業免許を持っている会社を指しております。
3.「大手旅行会社」とは令和6年5月31日に観光庁が発表した「2023年度(令和5年度)主要旅行業者の旅行取扱状況年度総計」における旅行取扱額(売上高)の上位10社を指しております。
4.「鉄道系旅行会社」とは鉄道を主業務とする会社の関係会社である旅行会社を指しております。
5.「中堅・中小旅行会社」とは大手旅行会社、鉄道系旅行会社以外の旅行会社を指しております。
6.「会員制サービス」とは福利厚生サービス等で宿泊施設等の予約サービスを会員に対して提供する会社を指しております。
第23期事業年度は、売上高は期初予算対比で上振れとなり、営業利益、売上高営業利益率は外注費を中心としたコストコントロールの強化が功を奏し、同じく予算対比で改善しております。第24期事業年度については、主にwebコネクトの売上増加により売上高及び営業利益共に予算比上振れとなっております。webコネクト顧客数については第23期から第24期にかけて予算線または予算を上回る実績となっており、継続的に伸長しております。
当社は前掲の経営方針・経営戦略に基づき、引き続き各経営指標の改善に努めてまいります。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りについては、過去の実績や取引の状況等を勘案し合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.受注制作のソフトウェア開発に係る見積総原価
一定の期間にわたり充足される履行義務に係る売上高及び受注損失引当金の算定に係る重要な見積りは見積総原価であり、その見積総原価における主要な仮定は、ソフトウェア開発の作業内容にともない発生が見込まれるソフトウェア開発人員の工数及び外注費等が挙げられます。
総原価の見積りはソフトウェア開発の進行に応じて適時、適切に見直しを行いますが、契約ごとに個別性が高く、顧客からの要請の高度化・複雑化や開発段階でのシステム要件の変更、納期の変更等により、見積総原価が変動することがあります。翌事業年度以降、当該見積総原価の見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する金額に影響を与える可能性があります。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度(2024年3月1日~2025年2月28日)における我が国経済は、緩やかな景気回復の動きが見られたものの、依然として不安定な国際情勢やエネルギー価格の高止まり、急速な円安の進行、そして日銀による金融政策の転換などにより、企業活動や消費者マインドには慎重さが残る状況が続きました。加えて、生成AIなど新技術の社会実装が進む一方で、労働力不足や地方経済の停滞といった構造的課題も浮き彫りとなり、企業には一層の業務効率化やデジタル活用が求められています。
当社は、膨大かつ複雑なデータから必要な情報を的確に抽出する検索テクノロジーを基盤に、システム開発やサービス提供、コンサルティングを展開するデジタルビジネスプラットフォーム事業を手がけています。主に顧客企業のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)及びBtoB-EC(企業間電子商取引)の拡大をサポートし、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。近年、業種・業態を問わず、業務のデジタル化・効率化を図る動きが一層加速しており、IT投資の中でもDX分野への関心が特に高まっています。こうした背景から、当社が対象とする市場は、IT市場の中でもDX分野の成長を取り込む形で、今後さらなる拡大が見込まれます。当社の主要顧客である旅行・観光業界においても、コロナ禍からの回復が進み、訪日観光(インバウンド)需要の再拡大や、地方創生を目的とした観光資源の利活用、観光DXへの国や自治体の支援が追い風となり、業界全体の成長機運が高まっています。さらに、航空・鉄道料金を中心とした動的価格(ダイナミックプライシング)への対応や、スマートフォンを起点とした旅行商品販売の拡大を背景に、システム投資やデータ利活用に対するニーズも高まりを見せています。
当社は、創業当初から検索テクノロジーの研究を重ね、データを迅速かつ効率的に検索するための技術基盤「Spook」を産み出しました。この「Spook」を中核に、顧客が直面する特有の課題を解決する「ソリューション型サービス」と、複数顧客に共通する課題を汎用的に解決する「SaaS型サービス」という2つの軸で事業推進しています。ソリューション型サービスでは、大手旅行会社の予約サイトや専門商社のECサイトなど、複雑な商品データを扱う顧客に対して、高速・高精度な検索機能を提供し、ユーザー利便性の向上とシステムの拡張性確保を両立しています。SaaS型サービスでは、蓄積された知見を基に、共通課題に対する汎用的な解決策を提供しています。中でも、旅行・観光業界向けの商品販売プラットフォーム「webコネクト」は、当社事業の中核を担うサービスであり、事業成長を支える原動力となっています。本サービスは、素材登録、検索、予約管理、外部接続ゲートウェイなどを備えた統合的なEコマース基盤であり、旅行・観光業界を中心に導入が進んでいます。また、従来は紙で提供されていた旅行商品のバウチャーや特典引換券をスマートフォンで利用できる「電子クーポン」にも対応し、利用者の利便性向上に加え、発券・管理業務の効率化にも貢献しています。webコネクトの導入企業は大手・中堅旅行会社のみならず、鉄道事業者や会員制サービス事業者などにも広がっており、当事業年度においては、新規の会員制サービス事業者の獲得や既存大手旅行会社でのシェア拡大といった成果にもつながっています。
当事業年度の業績は、主にwebコネクトの顧客増に伴う月額収入の増加に加え、新規開発案件への対応による初期開発収入の増加により、売上高は2,310,220千円(前期比18.7%増)となりました。また、外注費の抑制や、販売費及び一般管理費の支出が想定を下回ったことなどから、営業利益は215,336千円(同54.7%増)となりました。一方、経常利益は上場関連費用等の発生により、198,305千円(同41.3%増)にとどまりました。資本金の増加に伴う税負担の増加により、当期純利益は131,697千円(同32.9%増)となりました。
当社はデジタルビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度末に比べて565,197千円増加し、2,191,637千円となりました。これは主に、現金及び預金が271,500千円、売掛金が139,725千円、契約資産が86,318千円、ソフトウェアが27,990千円及びソフトウェア仮勘定が43,177千円増加したためであります。
(負債)
当事業年度末における総負債の残高は、前事業年度末に比べて60,140千円増加し、252,476千円となりました。これは主に、買掛金が8,331千円、未払金が21,829千円及び未払法人税等が25,144千円増加したためであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べて505,056千円増加し、1,939,161千円となりました。これは、資本金が186,679千円、資本準備金が186,679千円及び利益剰余金が131,697千円増加したためであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度に比べ271,500千円増加し、当事業年度には1,230,480千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は、27,578千円(前期は519,512千円の資金の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上198,189千円(前期は140,334千円)、減価償却費の計上53,873千円(前期は44,406千円)、売上債権の増加額139,725千円(前期は売上債権の減少額314,460千円)及び契約資産の増加額86,318千円(前期は契約資産の減少額36,522千円)によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、111,318千円(前期は80,967千円の使用)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出105,236千円(前期は71,115千円の支出)によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果獲得した資金は、355,240千円(前期は該当事項なし)となりました。これは主に株式の発行による収入366,381千円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社の事業は提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b 受注実績
当社では、概ね受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。
c 販売実績
当社は、デジタルビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりませんが、第24期事業年度の販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。
| サービス区分 | 第24期事業年度 (自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) | 前期比(%) |
| ソリューション型サービス | ||
| Spook(千円) | 764,835 | △1.6 |
| その他(千円) | 76,511 | 0.3 |
| SaaS型サービス | ||
| webコネクト(千円) | 1,415,301 | 36.4 |
| その他(千円) | 53,571 | △5.2 |
| 合計(千円) | 2,310,220 | 18.7 |
(注) 1.SaaS型サービス webコネクトにおける前期比増(36.4%)は初期設定費・月額費の売上増によるものとなります。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 第23期事業年度 | 第24期事業年度 | ||
| 販売高 (千円) | 割合(%) | 販売高 (千円) | 割合(%) | |
| クラブツーリズム株式会社 | - | - | 471,021 | 20.4 |
| 株式会社JTB | 319,111 | 16.4 | 264,411 | 11.4 |
| 株式会社日本旅行 | 151,334 | 7.8 | 231,280 | 10.0 |
| 株式会社NTTデータ | 217,630 | 11.2 | 170,877 | 7.4 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 経営成績の分析
a. 売上高
当事業年度の売上高は2,310,220千円(前期比18.7%増)となりました。webコネクトの顧客増に伴う月額収入の伸長に加え、新規開発案件の受注拡大による初期開発収入の増加が寄与し、増収を達成しました。
b. 売上原価、売上総利益
当事業年度の売上原価は1,075,259千円(前期比20.2%増)、売上総利益は1,234,960千円(前期比17.3%増)となりました。開発案件の増加及び利益増による社員向け賞与増加にともない売上原価が増加したものの、開発リソースの最適化と業務効率化により外注費を抑制した結果、売上総利益率は53.5%(前期54.1%)となり、率は0.6ポイント低下したものの、金額ベースでは大幅に拡大しました。
c. 販売費及び一般管理費、営業損益
当事業年度の販売費及び一般管理費は1,019,624千円(前期比11.6%増)、営業利益は215,336千円(前期比54.7%増)となりました。販促活動などのコスト管理の徹底によって利益構造が大幅改善し、営業利益率は9.3%(前期7.1%)となりました。
d. 営業外収益、営業外費用、経常利益
当事業年度の営業外収益は1,178千円(前期比±0%)となりました。一方、前期は発生しなかった営業外費用は上場関連費用等により18,208千円となり、経常利益は198,305千円(前期比41.3%増)となりました。
e. 特別利益、特別損失及び当期純利益
当事業年度は特別利益は発生せず、固定資産除却損115千円の特別損失が発生したため、税引前当期純利益は198,189千円となり、法人税、住民税及び事業税として64,999千円、法人税等調整額1,493千円を計上した結果、当期純利益は131,697千円(前期比32.9%増)となりました。
② 財政状態の分析
当社の財政状態の分析は「(1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社のキャッシュ・フローの状況分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、当社は、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、営業活動によるキャッシュ・フローにより調達しております。手許現預金の水準については、過去1年程度の最大月間支出額の2か月分程度の6億円以上が適正であるとの考えのもとに管理しております。なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,230,480千円となっており、当面事業を継続していく上で十分な流動性を確保しております。
当社の資金需要のうち主なものは、人件費、外注費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、継続的なソフトウェア開発であります。
④ 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
⑤ 経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の通り、当社は売上高、売上高営業利益率を重要な経営指標として設定するとともに、これらの目標達成実現のための重要なKPIとして当社の成長ドライバーであるwebコネクトの顧客数を設定しております。
各指標の推移は以下のとおりであります。
| 重要指標 | 第23期事業年度 | 第24期事業年度 | ||
| 期初予算 | 実績 | 期初予算 | 実績 | |
| 売上高(千円) | 1,931,645 | 1,946,946 | 2,199,687 | 2,310,220 |
| (営業利益(千円)) | (49,217) | (139,155) | (171,558) | (215,336) |
| 売上高営業利益率(%) | 2.5% | 7.1% | 7.8% | 9.3% |
| webコネクト顧客数(社) | 20 | 20 | 21 | 27 |

(注) 1.「webコネクト顧客数」は各期に売上が計上された顧客を累計したものとなります。なお、件数が減少している四半期については、開発終了のタイミングとサービス利用料請求開始のタイミングがずれたことによるものです。
2.旅行会社とは第1種ないしは第2種旅行業免許を持っている会社を指しております。
3.「大手旅行会社」とは令和6年5月31日に観光庁が発表した「2023年度(令和5年度)主要旅行業者の旅行取扱状況年度総計」における旅行取扱額(売上高)の上位10社を指しております。
4.「鉄道系旅行会社」とは鉄道を主業務とする会社の関係会社である旅行会社を指しております。
5.「中堅・中小旅行会社」とは大手旅行会社、鉄道系旅行会社以外の旅行会社を指しております。
6.「会員制サービス」とは福利厚生サービス等で宿泊施設等の予約サービスを会員に対して提供する会社を指しております。
第23期事業年度は、売上高は期初予算対比で上振れとなり、営業利益、売上高営業利益率は外注費を中心としたコストコントロールの強化が功を奏し、同じく予算対比で改善しております。第24期事業年度については、主にwebコネクトの売上増加により売上高及び営業利益共に予算比上振れとなっております。webコネクト顧客数については第23期から第24期にかけて予算線または予算を上回る実績となっており、継続的に伸長しております。
当社は前掲の経営方針・経営戦略に基づき、引き続き各経営指標の改善に努めてまいります。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りについては、過去の実績や取引の状況等を勘案し合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.受注制作のソフトウェア開発に係る見積総原価
一定の期間にわたり充足される履行義務に係る売上高及び受注損失引当金の算定に係る重要な見積りは見積総原価であり、その見積総原価における主要な仮定は、ソフトウェア開発の作業内容にともない発生が見込まれるソフトウェア開発人員の工数及び外注費等が挙げられます。
総原価の見積りはソフトウェア開発の進行に応じて適時、適切に見直しを行いますが、契約ごとに個別性が高く、顧客からの要請の高度化・複雑化や開発段階でのシステム要件の変更、納期の変更等により、見積総原価が変動することがあります。翌事業年度以降、当該見積総原価の見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する金額に影響を与える可能性があります。