有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2026/05/14 15:30
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【項目】
151項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは「移動で人を幸せに。」をミッションとして、「日本を動かす、社会インフラへ。」をビジョンに掲げ、モビリティとテクノロジーを掛け合わせたサービスを提供することにより、交通の利便性、快適性をますます高め人々の暮らしをより良いものに変えていきたいと考えております。また、便利さ、快適さのみならず、都心部の交通渋滞、地方部の交通過疎化、交通事故、環境汚染・温暖化等、さまざまな交通課題、社会課題を解決していきたいと志しております。
上記当社グループのミッションを実現するために、下記8つのバリューを設定しております。
1.次の時代をつくる。
いつも「次の時代をつくる」という意志を持とう。交通インフラを支える者として、描いた夢が実装可能か、安全・安心か、長く続くかまで考えを尽くそう。
2.全方よし。
三方よしをこえて、ユーザー・業界・社会・環境・社員など関わるすべてに「よし」かを考えよう。関わるすべての接点に真摯に向き合い、細やかに気を配ろう。
3.コトに向かう。
ミッション達成のための目的、つまり「コト」に向かいつづけよう。事情や忖度のためにヒトに向かうのではなく、つねに何のためにやるかを問い、本質を目指そう。
4.違いを力に。
立場をこえて協力しよう。部署の違い、思想の違い、古さと新しさ、そんな違いをこえて、感謝と尊敬の気持ちをもって、互いに高めあおう。
5.Bad News Fast.
悪いニュースは早く、一番最初に伝えよう。ミスや失敗も、「お皿を割る人は、お皿を洗っている人だ」の精神でどんどん表に出し、挑戦は讃えよう。
6.無いから挑む。
私たちは今までに無かったことを生み出す会社。前例やデータが無いことも多い。無いから諦める、ではなく、無いからこそ挑もう。新たな時代の先駆者になろう。
7.当事者たれ。
「会社で起きることは全て自分に関わる」という意識を常にもとう。自分の担当、職域をこえてでも、関わったことはやろう。やる人を助けよう。
8.明るくGO!
新たな移動の未来を叶えるには、多くの困難にも直面する。そんな時こそ、ワクワクする未来へのプロセスと捉えて、明るく、情熱をもって進もう。
(2)経営環境と当社の競争優位性
我が国のタクシー業界は、規制業種であるがゆえに収益性が低く、設備投資費用が低廉にならざるを得ない状況があることに加え、比較的規模の小さい事業者が多く、自社でのサービス開発が困難であること等を背景として、業界全体のデジタル化の遅れが大きな課題になっていると認識しております。また近年では、タクシードライバーの高齢化や人材不足もあり、厳しい事業環境が続いていると認識しております。
このような環境下、当社グループは、2011年に日本初のタクシーアプリ『日本交通タクシー配車』を開始し、株式会社ディー・エヌ・エーのタクシーアプリ関連事業との統合を経て、2020年にタクシーアプリ『GO』の提供を開始いたしました。2021年には法人向けサービスである『GO BUSINESS』を開始し、以降、日本国内におけるタクシー配車のプラットフォーマーとしての地位を確立してまいりました。
当社は東京本社に加え、大阪、札幌、名古屋、広島、福岡、沖縄に拠点を有しています(2026年3月現在)。タクシー事業者とのネットワークを全国的に構築しており、2025年12月時点で、『GO』が利用可能なタクシー台数は約85,000台(注1)まで拡大しております。足元では、『GO』の2018年4月からの累計ダウンロード数が3,500万(2026年2月時点)(注2)、『GO BUSINESS』の契約件数が15,000件を超える(2026年3月時点)等堅調に拡大しております。
(図表1)累計アプリダウンロード数の推移(注2)
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(3)中長期的な会社の経営戦略
現在、当社は国内において「GO事業」のセグメントに区分される各種サービスとその他のモビリティ関連サービスを展開しております。
「アプリ配車」については、実車数(注3)と1実車当たり平均売上高(注4)の双方の成長を目指します。現在タクシーアプリ『GO』は2018年4月からの累計ダウンロード数3,500万(2026年2月時点)、2025年6月から2026年2月の間の月間アクティブユーザー(以下「MAU」という。)の平均が312万人(注5)に至る等と順調に成長しており、2025年5月期の実車数は年間9,631万回に達しています。一方で、日本における配車アプリの浸透率はいまだ限定的であり、今後も、強力なブランド力と広範なサービス提供を活かしたマーケティング施策による継続的なユーザー獲得、アプリのUI/UXの向上や、ステータス特典等のユーザーロイヤルティープログラムの拡充による利用頻度の向上、タクシー事業者及び乗務員側のアプリ利用を促進する仕組みの実装による必要十分な供給量の確保を図り、アプリ配車浸透率を中長期的に高めることを目指します。一方、1実車当たり平均売上高については、これまでユーザーの満足度向上と併せて段階的に単価向上施策を行ってまいりました。今後もユーザーのタクシー利用の需要バランスに合わせた料金変動等を通じて、単価上昇に向けた取り組みを継続し、収益拡大を図ってまいります。
(図表2)平均MAUの推移及び利用継続率
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(図表3)1実車当たり平均売上高及び実車数
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「タクシー関連サービス」は決済手数料、広告収入等により当社の安定的なキャッシュ・フローの源泉となっており、今後もタクシー事業者及びユーザーのニーズに沿った付帯サービスの提供を行うことで、着実な成長を目指します。
以上の取り組みを通じ、タクシー業界全体に対するDX(Digital Transformation)を推進してまいります。
(図表4)タクシー関連サービスの概要
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(図表5)日本のタクシー事業者の規模
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<その他>当社は「GO事業」以外に、タクシー業界のみならず、モビリティに関連する様々な新規事業、研究開発を行っております。強固なタクシー事業者との関係性を活かしながら、GX関連サービス(EVタクシー導入に向けた車両や充電サービスの提供、エネルギー需給のバランス調整に関するサービス等)にも取り組んでおります。
また、モビリティに関する様々な課題解決に向けて、タクシー相乗りサービスや自動運転タクシーの実装に向けた実証実験、物流業界向けのソリューション提供等に向けた新規事業開発等に取り組むことで、GO独自の強みを活かした事業ドメインの拡大を中長期的に目指してまいります。
(注)
1. タクシーアプリ『GO』を用いて配車依頼をすることができるタクシーの台数。
2. 出所:Sensor Tower。2018年4月以降のApp Store及びGoogle Playでのダウンロード数の累計値。タクシーアプリ『GO』の提供開始(2020年9月)以前は、前身である『MOV』アプリ及び『JapanTaxi』アプリの数値を合算しています。
3. 実車数とは、ユーザーがタクシーアプリ『GO』を通じて配車注文したタクシーに乗車した回数を指します。
4. 1実車当たり平均売上高はアプリ配車サービスの売上高÷実車数で算出。1円未満は四捨五入。
5. MAUとは、Monthly Active Usersの略であり、月1回以上GOアプリを起動したユーザー数をいいます(配車サービスを利用したか否かは問いません。)。平均MAU=集計期間各月のMAUの合計÷対象期間月数
6. 利用継続率(2018年4月~2021年3月に利用を開始したユーザー)は、2018年4月~2021年3月の各月に利用を開始したユーザーについて、初回利用から61か月後のMAUを初回利用翌月のMAUで除すことにより算出した数値を、単純平均することにより算出(初月のクーポン発行による利用増加の影響を取り除くため初回利用翌月のMAUを使用)しています。
7. 2023年5月期から2025年5月期の年平均成長率を指します。
8. 出所:全国ハイヤー・タクシー連合会「2章 ハイヤー・タクシーの輸送実績等」『ハイヤー・タクシー年鑑2025』 2024年3月末時点で各カテゴリーに属する企業数の比率
9. 出所:アーサー・ディ・リトル・ジャパン「モビリティサービスの事業性分析」(2019年4月時点)
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(1)及び(3)に記載の、経営方針及び中期経営戦略を実行していく上で、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
① 安定したキャッシュ・フローの確保
当社グループは「移動で人を幸せに。」をミッションに掲げ、モビリティとテクノロジーを掛け合わせたサービスの提供を目指しております。そのためには、中長期的な企業価値の向上に資する安定的なキャッシュ・フローが必要であります。現在の成長戦略の軸であり、主力である「GO事業」セグメントの中でも特に収益貢献、成長余地の大きい「アプリ配車」サービスのさらなる拡大に注力することを最優先の事業上の課題としております。
② 新規事業の確立
主力である「GO事業」セグメントが堅調に事業拡大する中、長期的な企業価値の向上を見据えた新規事業の確立は当社グループの重要な成長戦略の一つと考えております。当社グループは、モビリティ業界やインターネット業界において幅広い人脈や豊富な知見を有する経営陣、M&A及びファイナンスに関して豊富な経験を有する役職員及びDXやテクノロジーに精通したエンジニアチームを擁しており、さまざまな可能性について積極的に検討してまいります。なお、新規事業に取り組む際には既存事業との親和性や費用対効果を十分に検討した上で実行してまいります。
③ 人材・組織の強化
当社グループの持続的な成長のためには、優秀な人材の採用及び育成、また、営業体制や開発体制、管理体制等を整備していくことが重要であると考えております。当社グループのミッションや事業内容に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用するために、積極的な採用活動を推進するとともに、高い意欲を持って働ける環境や仕組みの構築に取り組んでまいります。
④ サービス開発体制の強化
サービス開発における技術力は当社グループの競争力の源泉であり、継続的な改善及び強化が必要であると考えております。新技術への投資やモニタリングを通じ、サービス開発体制のさらなる強化に努めてまいります。
⑤ 環境保全への取り組み
当社グループは、GX関連サービス(EVタクシー導入に向けた車両や充電サービスの提供、エネルギーマネジメント等)を通じ、公共交通機関であるタクシー業界のEV化促進、カーボンニュートラルに向けての二酸化炭素削減を目指した取り組みを強化しております。また、CO2排出量をアプリ上で可視化することにより、一般ユーザーにおける環境意識の向上を促すことにも取り組んでおります。
⑥ 財務上の課題
当社グループは、タクシー利用料金の決済サービスを提供しているため、当社グループが収受した決済代金をタクシー事業者に円滑に支払うべく、手許資金の流動性を十分に確保する必要があります。当社グループは営業活動によるキャッシュ・フローを源泉として安定的な財務基盤を築いているため、現時点において優先的に対処すべき財務上の課題はないと認識しておりますが、更なる内部留保の確保と営業キャッシュ・フローの改善等により財務基盤の強化を図ってまいります。
不測の事態に備え、2026年3月末時点において株式会社三菱UFJ銀行をアレンジャーとするシンジケート方式のコミットメントライン契約を締結しております。資本コストの最適化を図り、複数の調達オプションをその時々の状況を鑑み有効に活用するため、金融機関との一層の関係強化や資金調達の多様化を目指してまいります。
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