有価証券報告書(内国投資証券)-第28期(平成27年7月1日-平成27年12月31日)
(1)【投資方針】
a. 基本方針
本投資法人は、「都市型商業不動産への投資」を基本コンセプトとし、主として優良なオフィス(都市型業務施設)、繁華性の高い立地に位置する商業施設及び複合施設の建物及びその敷地から構成される不動産等資産に投資し、また不動産等資産以外の不動産等及びこれらの不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等(注)を投資対象とします。また、投資対象のリターンとリスクを考慮した上で、東京だけではなく地方都市への分散投資を図り、ポートフォリオ運用のメリットを発揮することを基本方針とします(規約 別紙1 「資産運用の対象及び方針 1. 資産運用の基本方針」)。なお、複合施設のうち、主たる用途が優良なオフィス(都市型業務施設)である施設はオフィスとみなし、繁華性の高い立地に位置する主たる用途が商業施設である施設は商業施設とみなして、後記「b.投資態度」に記載される基準を適用します。
更に、一物件に対する投資金額にも留意しつつ、テナント及び物件単位での分散投資を行い、ファンドの中長期的な安定成長を目指すものとします。それぞれにおける投資比率としては、当面の目標として下記「b. 投資態度 (イ) ポートフォリオ運用基準」に定めるとおりとします。
(注)不動産等及び不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等の定義については、後記「(2)投資対象 a. 投資対象とする資産の種類」をご参照下さい。
b. 投資態度
(イ) ポートフォリオ運用基準
ポートフォリオ運用の基準となる種類別、地域別、用途別等による投資割合の大要は、下表のとおりです。
① 保有期間
原則として、中長期保有を目的とし、短期売買目的の資産取得は行わないものとします(ここでいう短期とは1年未満の期間、中期とは1年以上5年以下の期間、長期とは5年超の期間をいうものとします。)。
② 用途
ⅰ)本投資法人は、主として優良なオフィス(都市型業務施設)、繁華性の高い立地に位置する商業施設及び複合施設(当該オフィス、商業施設又は複合施設の建物の賃借権、それらが立地する土地の賃借権及び地上権、並びにこれらの資産のみを信託する信託の受益権を含みます。)を投資対象とします。それらの組入比率については、その時々の経済状況、不動産市況動向等を十分に考慮した上で設定します(規約 別紙1「資産運用の対象及び方針 3. 投資態度 (1)」)。
ⅱ) オフィスと商業施設の組入比率については、オフィスは投資金額の概ね70%以上90%以下、商業施設は投資金額の概ね10%以上30%以下になるよう運用します。
③ 地域
ⅰ) 本投資法人は、主として地震リスク、個別市況リスク等を考慮し、また、キャッシュフローの増大を図るために、東京だけではなく地方都市への分散投資を図るものとします。地域別の組入比率については、各地域の経済状況、不動産市況動向等を十分に考慮した上で設定します(規約 別紙1「資産運用の対象及び方針 3. 投資態度 (2)」)。
ⅱ) 「東京」(下表に定義する「東京都心」及び「東京周辺部」を総称します。)と「地方」の組入比率については、「東京」は投資金額の概ね80%以上90%以下、「地方」は投資金額の概ね10%以上20%以下になるよう運用します。ただし、ここでは用途別区分は行いません。地域区分の定義は、下表のとおりとします。
④ テナント
個別のテナントからの賃料収入合計(複数物件に入居している場合はその総額)の全賃料収入に占める比率は、原則として10%未満とします (「賃料収入」には、共益費、駐車料、倉庫使用料等を含みますが、時間外空調費用などの付加使用料等は含みません。)。ただし、テナント入替の可能性及びテナントの信用力等を総合的に勘案して、上記数値を超過する場合もありうるものとします。
⑤ 不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等
ⅰ) 当該投資後における不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等の購入価格の合計金額の本投資法人の純資産額に占める比率は、原則として10%未満とします。
ⅱ) 投資判断に当たっては、投資期間満了時における当該資産対応証券等の投資対象となっている不動産等の取得機会が確保できることを前提とします。
⑥ 開発案件への投資方針
本投資法人は、安定的賃貸事業収入又はこれに類する収入が現に生じている又は生じる見込みがある不動産を取得することを原則とします(規約 別紙1 「資産運用の対象及び方針 3. 投資態度 (7)」)。
ⅰ) 開発投資
開発投資(投資法人自ら土地を造成し又は建物を建築することをいいます。)は、行わないものとしますが、本投資法人が自ら建物の建築に係る請負契約の注文者になることはできるものとします。ただし、本投資法人が建物の建築に係る請負契約の注文者になることがふさわしくない場合(以下の場合を含みますがこれらに限られません。)は、本投資法人はこれを行わないものとします。
・ 大規模修繕・改修工事等を行う際に、一定期間テナントの退去が必要になり、これによるキャッシュフローの変動が本投資法人のポートフォリオ全体に過大な影響を与える場合。
・ 本投資法人が更地を購入し、新たな建物を建築する投資が、本投資法人のポートフォリオ全体に過大な影響を与える場合。なお、本投資法人のポートフォリオ全体への影響の程度については、不動産の開発に係る各種リスク(開発リスク、許認可リスク、完工リスク、テナントリスク、価格変動リスク、開発中の金利変動リスク及び大規模な自然災害発生リスク等)及びキュッシュフローを生じるまでに要する時間等を考慮の上判断します。
ⅱ)建替
既に取得している物件の建替については、建替後のテナント確保が十分可能と判断されること及び開発投資にあたらないものであることを確認の上、実施します。
ⅲ)開発中物件
第三者が建築中の物件については、竣工後のテナント確保が十分可能と判断され、完工・引渡しリスクが極小化されている場合には、当該建物竣工前においても売買契約を締結することができます。
⑦ 設備投資の方針
中長期的な視野から物件の競争力維持・向上につながる効率的な修繕計画を物件ごとに作成の上、設備投資を行います。設備投資の実施に際しては、原則として、ポートフォリオ全体の減価償却費の範囲内で行うものとします。また、共用部分の改修工事については、投資法人としてのテナント営業政策上の観点から早期に実施することとし、耐震補強が必要なビルについては、テナントの営業状況に配慮しつつ、補強工事を速やかに実施します。
⑧ 付保方針
ⅰ) 引受保険会社選定基準
・ 適当と認められるブローカーを通じて公正な引受保険会社の選定を行います。
・ 引受保険会社の保険財務に係る長期格付は、原則としてA3(ムーディーズ・ジャパン株式会社(以下「Moody's」といいます。))又はA-(スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社)以上とします。
ⅱ) 地震保険付保基準
地震保険の付保に関しては、ポートフォリオPMLを基準に、災害による影響と損害保険料とを比較検討して付保の判断を行います。なお、PMLが高い物件については、個々に地震保険を付保します。
(注)PML(Probable Maximum Loss)とは、地震リスク分析における予想最大損失率を意味します。PMLには、個別建築物に関するものと、ポートフォリオに関するものがあります。PMLについての統一された定義はありませんが、本書においては、想定した予定使用期間(50年=一般的建物の耐用年数)の間に、想定される最大規模の地震(475年に一度起こる大地震=50年間に起こる可能性が10%の大地震)によりどの程度の被害を被るかを、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率(%)で示したものを意味します。
⑨ 売却方針
ⅰ) 本投資法人の保有する不動産等又は不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等のうち、売却対象資産の選定については、当該売却対象資産の現状、将来の収益、資産価値の増減等についての予測及びポートフォリオ全体の資産構成等を考慮して、総合的に判断します(規約 別紙1 「資産運用の対象及び方針 3. 投資態度 (3)」)。
ⅱ) 各決算期に行う資産の評価の結果、その評価額が各決算期末の帳簿価額の20%を超えて下回った物件については、投資政策委員会において継続保有するか売却するかの検討を行います。また、市場環境等を勘案し、それ以外の物件についても適宜売却検討を行うものとします。売却については、主に以下の観点から検討を行うものとします。
・ 今後の市況見通し
・ 周辺の開発予測
・ 将来にわたる収益見通し
・ 今後の投資額予測(修繕費・資本的支出)
・ 今後の資産価値の増減見通し
・ ポートフォリオ全体での検討(地域・テナント・用途等の分散の観点及び分配金に与える影響等の観点からの検討)
⑩ バリューアップ不動産
バリューアップ不動産とは、収益性の向上と資産価値増大が見込める物件で、取得時の収益性が確保されており、かつ、以下のいずれかに該当する物件をいいます。
・ 取得時の稼働率が概ね80%以下の物件
・ 修繕等の投資効果が十分に見込める物件
なお、バリューアップ不動産のポートフォリオ全体に占める割合は原則として15%を上限とし(投資金額基準)、バリューアップ不動産の追加取得に当たっては、物件組入れ後のポートフォリオ全体の稼働率が90%を下回らないように留意します。
バリューアップ不動産の運用においては、以下の戦略を重点的に実施します。
・ リーシングの強化による稼働率の向上
・ 効果的なリニューアルの実施によるマーケット競争力の強化
・ 管理体制の効率化によるコストダウンの実施
また、バリューアップが達成できたと投資政策委員会が判断する場合には、以下に定義されるコア不動産に移行します。
更に、不動産価値向上の実現益を享受する手段として、バリューアップ不動産の売却も選択肢の一つとして検討します。
⑪ コア不動産
コア不動産とは、バリューアップ不動産以外の物件(ただし、オフィスのみとします。)をいいます。コア不動産は、ポートフォリオ全体の収益の安定化に寄与する物件として位置付けられています。
(ロ) 投資基準
本投資法人は、個別の不動産等又は不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等に投資を行う際、当該不動産(不動産等又は不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等の裏付けとなる不動産を含みます。)の現状、将来にわたる収益性、リスク等について、立地、建物及び設備の保守管理状況、劣化又は陳腐化への対応、耐震性、権利関係、入居テナントとの契約内容、環境、地質等を考慮し総合的に判断した上で、投資を行います。
また、不動産等又は不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等の取得後も、資産価値及び競争力の維持・向上のために、継続的かつ効果的な設備投資を行うとともに、収入の拡大とコストの削減を行うことにより、収益の安定化と拡大を目指します(規約 別紙1 「資産運用の対象及び方針 3. 投資態度 (3)」)。
本投資法人の主な具体的投資基準は、以下のとおりです。
① 地域
投資対象とするのは、以下の都市です。
ⅰ) 3大都市圏:東京都、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、名古屋市、大阪市、京都市、神戸市の中心業務地区
ⅱ) 3大都市圏を除く政令指定都市:札幌市、仙台市、広島市、福岡市、北九州市等の政令指定都市の中心業務地区
ⅲ) その他:原則として人口30万人以上の県庁所在地等の中核都市
なお、商業施設への投資決定に際しては、商圏の範囲を適正に認識・設定した上で、当該商圏の人口、人口動態、世帯数、平均所得等多岐にわたる商圏分析を行い、当該商圏が有する潜在購買力、成長性等を的確に把握するとともに、テナント及び当該業態と商圏の適合性についての判定を行います。また、競争力の観点からは、現在の競合状況、近隣地域における今後の競合店出店計画及び将来的な開発余地等を含め、多方面にわたり調査分析を行います。
② 規模
ⅰ) オフィス
原則として、延床面積約3,300㎡(約1,000坪)以上、かつ、2階以上の標準的なフロア面積が約330㎡(約100坪)以上の建物とします。
ⅱ) 商業施設
物件ごとに個別の立地特性による地域性・商圏の規模及び業態ごとの標準的な規模、並びに地域の将来性を考慮の上、適正規模を判断します。
③ 設備施設
ⅰ) オフィス
貸付床の形状・分割対応、天井高、床仕様、電気容量、空調方式等のスペックを十分に確認し、地域性あるいは取得後における変更の可能性などを総合的に考慮した上で、物件ごとに個別に判断します。
ⅱ) 商業施設
業態別の標準仕様をベースとして、個別の立地特性による地域性及び商業施設としての汎用性、転用可能性等あるいは来店者の交通手段等の個別要素を総合的に考慮した上で、物件ごとに個別に判断します。
④ 耐震性(築年数)
新耐震基準適合、耐震補強工事実施済(ただし、取得時点で耐震補強工事が未実施の場合でも、取得後に耐震補強工事実施が可能な場合を含みます。)の建物であることとします。
⑤ テナント
ⅰ) オフィス
1物件における同一テナント(親子会社の場合は同一とみなします。)の占有率は、50%以下を原則とします。なお、50%を超過する場合は、テナント信用力、適合性、代替性等を総合的に勘案した上で取得をすることができます。
ⅱ) 商業施設
1物件における同一テナントの占有率の制限は設けませんが、テナント選定に当たっては、テナント信用力、個別店舗の収益力、代替性等を総合的に勘案して判断し、対象となる商圏及び競合状況を分析しつつ、テナント集客力の高い物件を選別するべく厳しい物件精査を行い、取得後はテナントに対するモニターを続けます。
⑥ 権利形態
ⅰ) 共有の場合
・ 「管理」(賃貸、改良行為等)の自由度を確保するため、持分割合は、原則として50%超としますが、他の共有者の属性、信用力、当該物件の特性等を総合的に考慮した上で個別に判断し、持分割合が50%以下であっても当該物件を取得することができます。
・ 処分の自由度を確保するため、共有者間特約等により、共有者間での優先買取権、譲渡の制限等の制約条件の有無やその内容を確認します。
・ 収益の安定性を確保するため、他の共有者の属性・信用力を十分確認の上、可能な限りの仕組上の手当てを行います(共有物不分割特約の締結、登記の具備及び敷地の相互利用に関する取決めを含みますが、これらに限られません。)。
ⅱ) 区分所有の場合
・ 改良行為の自由度を確保するため、原則として75%以上の区分所有者の集会における議決権(建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。)(以下「区分所有法」といいます。)第38条)を確保しますが、他の区分所有者の属性、信用力等を総合的に考慮し、個別に判断します。
・ 処分の自由度を確保するため、区分所有者間特約等により、区分所有者間での優先買取権、譲渡の制限等の制約条件の有無やその内容を確認します。
・ 収益の安定性を確保するため、管理組合の運営状況(積立金、負債比率、付保状況等)を確認し、必要に応じ独自の手当て(投資法人内の積立額増額、管理組合とは別途の共用部付保や敷地権の登記の具備を含みますが、これらに限られません。)を講じます。
ⅲ) 借地の場合
・ 原則として、旧借地法(大正10年法律第49号。その後の改正を含みます。)(以下「借地法」といいます。)又は借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。)(以下「借地借家法」といいます。)に基づく借地権を対象とします。
・ 底地権者の属性については、慎重に考慮し、地代の改定、借地契約更新時の更新料、建替時の承諾料又は売却の際の承諾料等が収益性に与える影響を考慮の上判断します。
ⅳ) 底地の場合
・ 原則として、借地法又は借地借家法に基づく借地権の設定された土地を対象とします。
・ 借地権者の属性については、慎重に考慮し、地代の改定、借地契約更新時の更新料、建替時の承諾料又は売却の際の承諾料等の収益性に与える影響等を考慮の上判断します。
ⅴ) 担保権・用益権について
・ 売主の抵当権等の担保権設定の有無・購入時の設定解除を確認します。
・ 第三者による地上権・地役権等の用益権設定の有無やその内容を確認し、収益性に与える影響を考慮の上判断します。
⑦ 投資金額
ⅰ) 1物件当たりの最低投資額
1物件当たりの最低投資額(購入金額のみとし、税金及び取得費用等は含みません。)は、原則10億円以上としますが、次の場合には10億円未満であっても取得することができます。
・ 1棟全体の評価額が10億円以上の物件の一部を取得する場合。
・ 鑑定評価額は10億円以上であって、交渉によって10億円未満で取得する場合。
・ 複数の物件を一括で取得する場合に、当該物件が従たる資産である場合。
ⅱ) 1物件当たりの最高投資額
1物件当たりの投資金額の「当該投資後における本投資法人が保有する不動産等及び資産対応証券等の価格の合計額」に対する割合の上限は、原則として1/3とします。ただし、総合的に勘案して妥当と判断される場合には、この割合を超える物件を取得することができます。ここで、「当該投資後における本投資法人が保有する不動産等及び資産対応証券等の価格の合計額」とは、前期までの投資不動産等及び資産対応証券等の評価額合計額、当期における不動産等及び資産対応証券等の購入額(取得費用等は含みません。)並びに当該投資に係る投資金額(取得費用等は含みません。)の総額をいいます。
ⅲ) 取得価格の制限
不動産等又は資産対応証券等に投資する際の取得価格については、原則として鑑定評価額を上限とします。ただし、次の場合には当該資産の取得によりファンド全体の当期における基準となるNOI利回りを下回らないことを前提として、上記取得価格の上限である鑑定評価額を上回ることができるものとします。
・ 長期固定の賃貸借契約によりキャッシュフローの安定的な推移が予測される物件で、かつ、中長期的に安定して分配金の創出に資することが見込まれる物件。
・ 物件の規模・立地等総合的な観点からファンド全体のクオリティ向上に寄与されると判断され、かつ、中長期的に安定して分配金の創出に資することが見込まれる物件。
⑧ 不動産の所有形態の選択基準
投資対象不動産等について、本投資法人が直接所有する不動産として取得するのか、信託設定を行った上でその受益権として取得する(信託不動産)のかについては、現所有者の意向及び権利の移転コスト等を総合的に勘案して判断します。
⑨ フォワード・コミットメントに対する方針
フォワード・コミットメントを行う場合には、価格変動リスク等に鑑み、フォワード・コミットメントを履行できない場合に要する解約違約金額が財務上過大でないかを含め、慎重かつ十分に検討を行うこととします。また、契約締結から決済までの間は、当該物件の不動産鑑定評価額及び事業収支見込みの動向等について、定期的にモニタリングを行うこととします。
(ハ) 物件関連業務運用基準
物件関連業務とは、PM業務、テナント一般媒介業務(募集業務)、LM/CM業務、物件移管業務をいいます。
上記業務は、主として本投資法人の内部成長を実現させるために必要かつ有効なものであり、以下の基本方針に基づき効果的に運用されます。
① AM/PMの重要性
ファンドの成長を実現するためには、AM(資産運用会社)による統一的なマネジメントと、個別物件ごとの施設管理・賃貸管理・工事管理を統括するPM(不動産管理会社)による専門的運用が重要です。
AMは同社の助言を参考にしつつ、統一的マネジメントを行うために、個別の投資対象である不動産に関する賃貸営業管理及び工事計画に関する助言を、第三者から受けることができるものとします。当該助言を与える者として、東京建物株式会社(賃貸営業管理・工事計画助言業務受託者)を選任しています。
また、AMは、運営ノウハウの高いPMを選定し、同一地域におけるPMの集約を進めながら、ポートフォリオ全体での均一化された管理を徹底させ、投資主の利益を最大化する運用を行うものとします。
PM選定に当たっては、賃貸営業管理・工事計画助言業務受託者である東京建物株式会社及び他のPM(テナントとの関係を含めて現場を熟知している取得以前からの既存管理会社、若しくは既に本投資法人の他物件の管理受託をしている者等)を比較検討して選定します。比較検討に当たっては、運営ノウハウ、当該地域におけるPMの集約化の状況等を考慮しながら、総合的に判断するものとします。
② テナント一般媒介業務受託者の活用
テナント一般媒介業務については、PMを通じて仲介業務を取り扱う会社に対して情報を提供します。また、テナント一般媒介業務委託契約を東京建物株式会社、安田不動産株式会社及び大成建設株式会社(テナント一般媒介業務受託者)と締結し、テナント一般媒介業務を委託します。
③ 物件売買時の円滑な取引執行
物件売買時の円滑な取引執行のために、必要に応じて、不動産、不動産の賃借権及び地上権の場合のみならず不動産信託受益権の場合においても、賃貸状況の確認、建物・施設維持管理状況の確認、権利関係の整理・確認、引渡の準備・確認等に関する物件移管業務委託契約を東京建物株式会社と締結し、必要に応じて物件移管業務を委託します。
(ニ) 財務方針
① 資金運用方針
ⅰ) 敷金・保証金
・ 不動産信託受益権の場合
テナントから預かった敷金・保証金は、原則として全額信託勘定内に積み立てますが、ヒストリカルデータの蓄積や、コミットメントラインの導入等の手当てを前提として、積立額を減額することもできます。
・ 不動産、不動産の賃借権、地上権の場合
テナントから預かった敷金・保証金は、原則として全額銀行普通預金口座内又は定期預金口座内に積み立てますが、ヒストリカルデータの蓄積や、コミットメントラインの導入等の手当てを前提として、安全性を確保しつつ資金の効率的運用を目指し積立額を減額することもできます。
ⅱ) 信託勘定内現預金(不動産信託受益権の場合)
Moody'sの短期格付P-2以上の銀行の普通預金口座又は定期預金口座に預け入れます。
ⅲ) 投資法人勘定内現預金
投資法人勘定内現預金についてⅱ)と同様とします。ただし、金融機関からの融資実行に関連して実行時又は利払時に使用するために開設する普通預金口座はこれに含まれないものとします。
なお、余裕資金については原則として以下の優先順位で支出を行い、残金については上記と同様の運用を行うものとします。
・ 再投資(物件購入又は資本的支出をいいます。)
・ 投資主への分配
・ 借入金の一部返済(ただし、金銭消費貸借契約上の返済期限が到来している場合には、この順位にかかわらず、最優先されるものとします。)
ⅳ) デリバティブ取引
デリバティブ取引に係る権利は、本投資法人に係る負債から生じる金利変動リスクその他のリスクをヘッジすることを目的とした運用に限るものとします(規約 別紙1「資産運用の対象及び方針 3.投資態度
(8)」)。
② 投資口の追加発行
本投資法人は、資産の長期的かつ安定的な成長を目指し、市況を的確に把握し、かつ、投資口の希薄化(新規投資口の追加発行による投資口の持分割合の低下、本投資口の1口当たりの純資産額又は分配金の減少)に配慮した上で、機動的な投資口の追加発行を行うものとします(規約 別紙1「資産運用の対象及び方針 3. 投資態度 (4)」)。
③ 借入れ及び投資法人債発行
ⅰ) 基本方針
本投資法人は、長期の安定的な資金調達と、機動性を重視した短期資金調達を効率的に組み合わせることにより、資産規模の積極的な拡大と、投資主への安定的な金銭の分配の維持を目指します(規約 別紙1「資産運用の対象及び方針 3. 投資態度 (5)」)。
ⅱ) LTV(Loan to Value)
LTVとは以下の式により算出された比率をいい、本投資法人の資産総額に対する負債の割合を表します。
(借入金+投資法人債)÷資産総額(注)
(注)投資法人債には短期投資法人債を含みます。
資産総額とは、LTV計算時点における直近の決算期末貸借対照表における資産の部の金額をいいますが、そのうち本投資法人が保有する特定資産(投信法第2条第1項で定義されるものをいいます。)について鑑定評価額又は価格意見書による評価額と期末帳簿価額との差額を当該特定資産の期末帳簿価額に加減して求めた金額とします。
LTVは55%までの運用を原則としますが、資産の取得及び評価額の変動等に伴い、一時的に上記数値を超えることがあります。
(ホ) その他
① 本投資法人は、その有する特定資産の価額の合計額に占める、特定不動産(不動産、不動産の賃借権若しくは地上権又は不動産の所有権、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権をいいます。)の価額の合計額の割合を75%以上とします(規約 別紙1「資産運用の対象及び方針 3. 投資態度 (6)」)。
② 資金動向、市況動向、一般経済情勢、不動産市場動向、法令の変更等により、上記の比率を変更することがあります(規約 別紙1「資産運用の対象及び方針 3. 投資態度 (9)」)。
③ 組入資産の貸付け(規約 別紙1「資産運用の対象及び方針 5.組入資産の貸付け」)
ⅰ) 資産の効率的運用を図り、高い運用成果の獲得を目指すため、後記「(2)投資対象 a.投資対象とする資産の種類」に定める資産のうち、不動産、不動産の賃借権及び地上権について、貸付け(駐車場、看板等の設置を含みます。)を行うことができるものとします。
ⅱ) 上記ⅰ)の不動産の賃貸に際しては、敷金又は保証金等これらに類する金銭を受け入れ又は差し入れることがあり、それらの金銭を受け入れた場合には、前記「(ニ) 財務方針 ① 資金運用方針 ⅰ) 敷金・保証金」に記載の方針に基づき運用します。
ⅲ) 資産に属する不動産、不動産の賃借権及び地上権以外の資産の貸付けは行いません。
a. 基本方針
本投資法人は、「都市型商業不動産への投資」を基本コンセプトとし、主として優良なオフィス(都市型業務施設)、繁華性の高い立地に位置する商業施設及び複合施設の建物及びその敷地から構成される不動産等資産に投資し、また不動産等資産以外の不動産等及びこれらの不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等(注)を投資対象とします。また、投資対象のリターンとリスクを考慮した上で、東京だけではなく地方都市への分散投資を図り、ポートフォリオ運用のメリットを発揮することを基本方針とします(規約 別紙1 「資産運用の対象及び方針 1. 資産運用の基本方針」)。なお、複合施設のうち、主たる用途が優良なオフィス(都市型業務施設)である施設はオフィスとみなし、繁華性の高い立地に位置する主たる用途が商業施設である施設は商業施設とみなして、後記「b.投資態度」に記載される基準を適用します。
更に、一物件に対する投資金額にも留意しつつ、テナント及び物件単位での分散投資を行い、ファンドの中長期的な安定成長を目指すものとします。それぞれにおける投資比率としては、当面の目標として下記「b. 投資態度 (イ) ポートフォリオ運用基準」に定めるとおりとします。
(注)不動産等及び不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等の定義については、後記「(2)投資対象 a. 投資対象とする資産の種類」をご参照下さい。
b. 投資態度
(イ) ポートフォリオ運用基準
ポートフォリオ運用の基準となる種類別、地域別、用途別等による投資割合の大要は、下表のとおりです。
| 投資対象とする資産の種類 | 投資割合 | |
| 不動産等 | 用途別 | オフィスと商業施設の組入比率については、オフィスは投資金額の概ね70%以上90%以下、商業施設は投資金額の概ね10%以上30%以下になるよう運用します。 |
| 地域別 | 「東京」と「地方」の組入比率については、「東京」は投資金額の概ね80%以上90%以下、「地方」は投資金額の概ね10%以上20%以下になるよう運用します。 | |
| 個別のテナントからの賃料収入合計(複数物件に入居している場合はその総額)の全賃料収入に占める比率は、原則として10%未満とします。 | ||
| 資産対応証券等 | 当該投資後における資産対応証券等の購入価格の合計金額の本投資法人の純資産額に占める比率は、原則として10%未満とします。 | |
① 保有期間
原則として、中長期保有を目的とし、短期売買目的の資産取得は行わないものとします(ここでいう短期とは1年未満の期間、中期とは1年以上5年以下の期間、長期とは5年超の期間をいうものとします。)。
② 用途
ⅰ)本投資法人は、主として優良なオフィス(都市型業務施設)、繁華性の高い立地に位置する商業施設及び複合施設(当該オフィス、商業施設又は複合施設の建物の賃借権、それらが立地する土地の賃借権及び地上権、並びにこれらの資産のみを信託する信託の受益権を含みます。)を投資対象とします。それらの組入比率については、その時々の経済状況、不動産市況動向等を十分に考慮した上で設定します(規約 別紙1「資産運用の対象及び方針 3. 投資態度 (1)」)。
ⅱ) オフィスと商業施設の組入比率については、オフィスは投資金額の概ね70%以上90%以下、商業施設は投資金額の概ね10%以上30%以下になるよう運用します。
③ 地域
ⅰ) 本投資法人は、主として地震リスク、個別市況リスク等を考慮し、また、キャッシュフローの増大を図るために、東京だけではなく地方都市への分散投資を図るものとします。地域別の組入比率については、各地域の経済状況、不動産市況動向等を十分に考慮した上で設定します(規約 別紙1「資産運用の対象及び方針 3. 投資態度 (2)」)。
ⅱ) 「東京」(下表に定義する「東京都心」及び「東京周辺部」を総称します。)と「地方」の組入比率については、「東京」は投資金額の概ね80%以上90%以下、「地方」は投資金額の概ね10%以上20%以下になるよう運用します。ただし、ここでは用途別区分は行いません。地域区分の定義は、下表のとおりとします。
| 地域区分 | 地域 |
| 「東京都心」 | 千代田区、中央区、港区、新宿区、品川区、渋谷区 |
| 「東京周辺部」 | 東京都のうち「東京都心」以外、千葉県、神奈川県、埼玉県 |
| 「地方」 | その他の地域 |
④ テナント
個別のテナントからの賃料収入合計(複数物件に入居している場合はその総額)の全賃料収入に占める比率は、原則として10%未満とします (「賃料収入」には、共益費、駐車料、倉庫使用料等を含みますが、時間外空調費用などの付加使用料等は含みません。)。ただし、テナント入替の可能性及びテナントの信用力等を総合的に勘案して、上記数値を超過する場合もありうるものとします。
⑤ 不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等
ⅰ) 当該投資後における不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等の購入価格の合計金額の本投資法人の純資産額に占める比率は、原則として10%未満とします。
ⅱ) 投資判断に当たっては、投資期間満了時における当該資産対応証券等の投資対象となっている不動産等の取得機会が確保できることを前提とします。
⑥ 開発案件への投資方針
本投資法人は、安定的賃貸事業収入又はこれに類する収入が現に生じている又は生じる見込みがある不動産を取得することを原則とします(規約 別紙1 「資産運用の対象及び方針 3. 投資態度 (7)」)。
ⅰ) 開発投資
開発投資(投資法人自ら土地を造成し又は建物を建築することをいいます。)は、行わないものとしますが、本投資法人が自ら建物の建築に係る請負契約の注文者になることはできるものとします。ただし、本投資法人が建物の建築に係る請負契約の注文者になることがふさわしくない場合(以下の場合を含みますがこれらに限られません。)は、本投資法人はこれを行わないものとします。
・ 大規模修繕・改修工事等を行う際に、一定期間テナントの退去が必要になり、これによるキャッシュフローの変動が本投資法人のポートフォリオ全体に過大な影響を与える場合。
・ 本投資法人が更地を購入し、新たな建物を建築する投資が、本投資法人のポートフォリオ全体に過大な影響を与える場合。なお、本投資法人のポートフォリオ全体への影響の程度については、不動産の開発に係る各種リスク(開発リスク、許認可リスク、完工リスク、テナントリスク、価格変動リスク、開発中の金利変動リスク及び大規模な自然災害発生リスク等)及びキュッシュフローを生じるまでに要する時間等を考慮の上判断します。
ⅱ)建替
既に取得している物件の建替については、建替後のテナント確保が十分可能と判断されること及び開発投資にあたらないものであることを確認の上、実施します。
ⅲ)開発中物件
第三者が建築中の物件については、竣工後のテナント確保が十分可能と判断され、完工・引渡しリスクが極小化されている場合には、当該建物竣工前においても売買契約を締結することができます。
⑦ 設備投資の方針
中長期的な視野から物件の競争力維持・向上につながる効率的な修繕計画を物件ごとに作成の上、設備投資を行います。設備投資の実施に際しては、原則として、ポートフォリオ全体の減価償却費の範囲内で行うものとします。また、共用部分の改修工事については、投資法人としてのテナント営業政策上の観点から早期に実施することとし、耐震補強が必要なビルについては、テナントの営業状況に配慮しつつ、補強工事を速やかに実施します。
⑧ 付保方針
ⅰ) 引受保険会社選定基準
・ 適当と認められるブローカーを通じて公正な引受保険会社の選定を行います。
・ 引受保険会社の保険財務に係る長期格付は、原則としてA3(ムーディーズ・ジャパン株式会社(以下「Moody's」といいます。))又はA-(スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社)以上とします。
ⅱ) 地震保険付保基準
地震保険の付保に関しては、ポートフォリオPMLを基準に、災害による影響と損害保険料とを比較検討して付保の判断を行います。なお、PMLが高い物件については、個々に地震保険を付保します。
(注)PML(Probable Maximum Loss)とは、地震リスク分析における予想最大損失率を意味します。PMLには、個別建築物に関するものと、ポートフォリオに関するものがあります。PMLについての統一された定義はありませんが、本書においては、想定した予定使用期間(50年=一般的建物の耐用年数)の間に、想定される最大規模の地震(475年に一度起こる大地震=50年間に起こる可能性が10%の大地震)によりどの程度の被害を被るかを、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率(%)で示したものを意味します。
⑨ 売却方針
ⅰ) 本投資法人の保有する不動産等又は不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等のうち、売却対象資産の選定については、当該売却対象資産の現状、将来の収益、資産価値の増減等についての予測及びポートフォリオ全体の資産構成等を考慮して、総合的に判断します(規約 別紙1 「資産運用の対象及び方針 3. 投資態度 (3)」)。
ⅱ) 各決算期に行う資産の評価の結果、その評価額が各決算期末の帳簿価額の20%を超えて下回った物件については、投資政策委員会において継続保有するか売却するかの検討を行います。また、市場環境等を勘案し、それ以外の物件についても適宜売却検討を行うものとします。売却については、主に以下の観点から検討を行うものとします。
・ 今後の市況見通し
・ 周辺の開発予測
・ 将来にわたる収益見通し
・ 今後の投資額予測(修繕費・資本的支出)
・ 今後の資産価値の増減見通し
・ ポートフォリオ全体での検討(地域・テナント・用途等の分散の観点及び分配金に与える影響等の観点からの検討)
⑩ バリューアップ不動産
バリューアップ不動産とは、収益性の向上と資産価値増大が見込める物件で、取得時の収益性が確保されており、かつ、以下のいずれかに該当する物件をいいます。
・ 取得時の稼働率が概ね80%以下の物件
・ 修繕等の投資効果が十分に見込める物件
なお、バリューアップ不動産のポートフォリオ全体に占める割合は原則として15%を上限とし(投資金額基準)、バリューアップ不動産の追加取得に当たっては、物件組入れ後のポートフォリオ全体の稼働率が90%を下回らないように留意します。
バリューアップ不動産の運用においては、以下の戦略を重点的に実施します。
・ リーシングの強化による稼働率の向上
・ 効果的なリニューアルの実施によるマーケット競争力の強化
・ 管理体制の効率化によるコストダウンの実施
また、バリューアップが達成できたと投資政策委員会が判断する場合には、以下に定義されるコア不動産に移行します。
更に、不動産価値向上の実現益を享受する手段として、バリューアップ不動産の売却も選択肢の一つとして検討します。
⑪ コア不動産
コア不動産とは、バリューアップ不動産以外の物件(ただし、オフィスのみとします。)をいいます。コア不動産は、ポートフォリオ全体の収益の安定化に寄与する物件として位置付けられています。
(ロ) 投資基準
本投資法人は、個別の不動産等又は不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等に投資を行う際、当該不動産(不動産等又は不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等の裏付けとなる不動産を含みます。)の現状、将来にわたる収益性、リスク等について、立地、建物及び設備の保守管理状況、劣化又は陳腐化への対応、耐震性、権利関係、入居テナントとの契約内容、環境、地質等を考慮し総合的に判断した上で、投資を行います。
また、不動産等又は不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等の取得後も、資産価値及び競争力の維持・向上のために、継続的かつ効果的な設備投資を行うとともに、収入の拡大とコストの削減を行うことにより、収益の安定化と拡大を目指します(規約 別紙1 「資産運用の対象及び方針 3. 投資態度 (3)」)。
本投資法人の主な具体的投資基準は、以下のとおりです。
① 地域
投資対象とするのは、以下の都市です。
ⅰ) 3大都市圏:東京都、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、名古屋市、大阪市、京都市、神戸市の中心業務地区
ⅱ) 3大都市圏を除く政令指定都市:札幌市、仙台市、広島市、福岡市、北九州市等の政令指定都市の中心業務地区
ⅲ) その他:原則として人口30万人以上の県庁所在地等の中核都市
なお、商業施設への投資決定に際しては、商圏の範囲を適正に認識・設定した上で、当該商圏の人口、人口動態、世帯数、平均所得等多岐にわたる商圏分析を行い、当該商圏が有する潜在購買力、成長性等を的確に把握するとともに、テナント及び当該業態と商圏の適合性についての判定を行います。また、競争力の観点からは、現在の競合状況、近隣地域における今後の競合店出店計画及び将来的な開発余地等を含め、多方面にわたり調査分析を行います。
② 規模
ⅰ) オフィス
原則として、延床面積約3,300㎡(約1,000坪)以上、かつ、2階以上の標準的なフロア面積が約330㎡(約100坪)以上の建物とします。
ⅱ) 商業施設
物件ごとに個別の立地特性による地域性・商圏の規模及び業態ごとの標準的な規模、並びに地域の将来性を考慮の上、適正規模を判断します。
③ 設備施設
ⅰ) オフィス
貸付床の形状・分割対応、天井高、床仕様、電気容量、空調方式等のスペックを十分に確認し、地域性あるいは取得後における変更の可能性などを総合的に考慮した上で、物件ごとに個別に判断します。
ⅱ) 商業施設
業態別の標準仕様をベースとして、個別の立地特性による地域性及び商業施設としての汎用性、転用可能性等あるいは来店者の交通手段等の個別要素を総合的に考慮した上で、物件ごとに個別に判断します。
④ 耐震性(築年数)
新耐震基準適合、耐震補強工事実施済(ただし、取得時点で耐震補強工事が未実施の場合でも、取得後に耐震補強工事実施が可能な場合を含みます。)の建物であることとします。
⑤ テナント
ⅰ) オフィス
1物件における同一テナント(親子会社の場合は同一とみなします。)の占有率は、50%以下を原則とします。なお、50%を超過する場合は、テナント信用力、適合性、代替性等を総合的に勘案した上で取得をすることができます。
ⅱ) 商業施設
1物件における同一テナントの占有率の制限は設けませんが、テナント選定に当たっては、テナント信用力、個別店舗の収益力、代替性等を総合的に勘案して判断し、対象となる商圏及び競合状況を分析しつつ、テナント集客力の高い物件を選別するべく厳しい物件精査を行い、取得後はテナントに対するモニターを続けます。
⑥ 権利形態
ⅰ) 共有の場合
・ 「管理」(賃貸、改良行為等)の自由度を確保するため、持分割合は、原則として50%超としますが、他の共有者の属性、信用力、当該物件の特性等を総合的に考慮した上で個別に判断し、持分割合が50%以下であっても当該物件を取得することができます。
・ 処分の自由度を確保するため、共有者間特約等により、共有者間での優先買取権、譲渡の制限等の制約条件の有無やその内容を確認します。
・ 収益の安定性を確保するため、他の共有者の属性・信用力を十分確認の上、可能な限りの仕組上の手当てを行います(共有物不分割特約の締結、登記の具備及び敷地の相互利用に関する取決めを含みますが、これらに限られません。)。
ⅱ) 区分所有の場合
・ 改良行為の自由度を確保するため、原則として75%以上の区分所有者の集会における議決権(建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。)(以下「区分所有法」といいます。)第38条)を確保しますが、他の区分所有者の属性、信用力等を総合的に考慮し、個別に判断します。
・ 処分の自由度を確保するため、区分所有者間特約等により、区分所有者間での優先買取権、譲渡の制限等の制約条件の有無やその内容を確認します。
・ 収益の安定性を確保するため、管理組合の運営状況(積立金、負債比率、付保状況等)を確認し、必要に応じ独自の手当て(投資法人内の積立額増額、管理組合とは別途の共用部付保や敷地権の登記の具備を含みますが、これらに限られません。)を講じます。
ⅲ) 借地の場合
・ 原則として、旧借地法(大正10年法律第49号。その後の改正を含みます。)(以下「借地法」といいます。)又は借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。)(以下「借地借家法」といいます。)に基づく借地権を対象とします。
・ 底地権者の属性については、慎重に考慮し、地代の改定、借地契約更新時の更新料、建替時の承諾料又は売却の際の承諾料等が収益性に与える影響を考慮の上判断します。
ⅳ) 底地の場合
・ 原則として、借地法又は借地借家法に基づく借地権の設定された土地を対象とします。
・ 借地権者の属性については、慎重に考慮し、地代の改定、借地契約更新時の更新料、建替時の承諾料又は売却の際の承諾料等の収益性に与える影響等を考慮の上判断します。
ⅴ) 担保権・用益権について
・ 売主の抵当権等の担保権設定の有無・購入時の設定解除を確認します。
・ 第三者による地上権・地役権等の用益権設定の有無やその内容を確認し、収益性に与える影響を考慮の上判断します。
⑦ 投資金額
ⅰ) 1物件当たりの最低投資額
1物件当たりの最低投資額(購入金額のみとし、税金及び取得費用等は含みません。)は、原則10億円以上としますが、次の場合には10億円未満であっても取得することができます。
・ 1棟全体の評価額が10億円以上の物件の一部を取得する場合。
・ 鑑定評価額は10億円以上であって、交渉によって10億円未満で取得する場合。
・ 複数の物件を一括で取得する場合に、当該物件が従たる資産である場合。
ⅱ) 1物件当たりの最高投資額
1物件当たりの投資金額の「当該投資後における本投資法人が保有する不動産等及び資産対応証券等の価格の合計額」に対する割合の上限は、原則として1/3とします。ただし、総合的に勘案して妥当と判断される場合には、この割合を超える物件を取得することができます。ここで、「当該投資後における本投資法人が保有する不動産等及び資産対応証券等の価格の合計額」とは、前期までの投資不動産等及び資産対応証券等の評価額合計額、当期における不動産等及び資産対応証券等の購入額(取得費用等は含みません。)並びに当該投資に係る投資金額(取得費用等は含みません。)の総額をいいます。
ⅲ) 取得価格の制限
不動産等又は資産対応証券等に投資する際の取得価格については、原則として鑑定評価額を上限とします。ただし、次の場合には当該資産の取得によりファンド全体の当期における基準となるNOI利回りを下回らないことを前提として、上記取得価格の上限である鑑定評価額を上回ることができるものとします。
・ 長期固定の賃貸借契約によりキャッシュフローの安定的な推移が予測される物件で、かつ、中長期的に安定して分配金の創出に資することが見込まれる物件。
・ 物件の規模・立地等総合的な観点からファンド全体のクオリティ向上に寄与されると判断され、かつ、中長期的に安定して分配金の創出に資することが見込まれる物件。
⑧ 不動産の所有形態の選択基準
投資対象不動産等について、本投資法人が直接所有する不動産として取得するのか、信託設定を行った上でその受益権として取得する(信託不動産)のかについては、現所有者の意向及び権利の移転コスト等を総合的に勘案して判断します。
⑨ フォワード・コミットメントに対する方針
フォワード・コミットメントを行う場合には、価格変動リスク等に鑑み、フォワード・コミットメントを履行できない場合に要する解約違約金額が財務上過大でないかを含め、慎重かつ十分に検討を行うこととします。また、契約締結から決済までの間は、当該物件の不動産鑑定評価額及び事業収支見込みの動向等について、定期的にモニタリングを行うこととします。
(ハ) 物件関連業務運用基準
物件関連業務とは、PM業務、テナント一般媒介業務(募集業務)、LM/CM業務、物件移管業務をいいます。
上記業務は、主として本投資法人の内部成長を実現させるために必要かつ有効なものであり、以下の基本方針に基づき効果的に運用されます。
① AM/PMの重要性
ファンドの成長を実現するためには、AM(資産運用会社)による統一的なマネジメントと、個別物件ごとの施設管理・賃貸管理・工事管理を統括するPM(不動産管理会社)による専門的運用が重要です。
AMは同社の助言を参考にしつつ、統一的マネジメントを行うために、個別の投資対象である不動産に関する賃貸営業管理及び工事計画に関する助言を、第三者から受けることができるものとします。当該助言を与える者として、東京建物株式会社(賃貸営業管理・工事計画助言業務受託者)を選任しています。
また、AMは、運営ノウハウの高いPMを選定し、同一地域におけるPMの集約を進めながら、ポートフォリオ全体での均一化された管理を徹底させ、投資主の利益を最大化する運用を行うものとします。
PM選定に当たっては、賃貸営業管理・工事計画助言業務受託者である東京建物株式会社及び他のPM(テナントとの関係を含めて現場を熟知している取得以前からの既存管理会社、若しくは既に本投資法人の他物件の管理受託をしている者等)を比較検討して選定します。比較検討に当たっては、運営ノウハウ、当該地域におけるPMの集約化の状況等を考慮しながら、総合的に判断するものとします。
② テナント一般媒介業務受託者の活用
テナント一般媒介業務については、PMを通じて仲介業務を取り扱う会社に対して情報を提供します。また、テナント一般媒介業務委託契約を東京建物株式会社、安田不動産株式会社及び大成建設株式会社(テナント一般媒介業務受託者)と締結し、テナント一般媒介業務を委託します。
③ 物件売買時の円滑な取引執行
物件売買時の円滑な取引執行のために、必要に応じて、不動産、不動産の賃借権及び地上権の場合のみならず不動産信託受益権の場合においても、賃貸状況の確認、建物・施設維持管理状況の確認、権利関係の整理・確認、引渡の準備・確認等に関する物件移管業務委託契約を東京建物株式会社と締結し、必要に応じて物件移管業務を委託します。
(ニ) 財務方針
① 資金運用方針
ⅰ) 敷金・保証金
・ 不動産信託受益権の場合
テナントから預かった敷金・保証金は、原則として全額信託勘定内に積み立てますが、ヒストリカルデータの蓄積や、コミットメントラインの導入等の手当てを前提として、積立額を減額することもできます。
・ 不動産、不動産の賃借権、地上権の場合
テナントから預かった敷金・保証金は、原則として全額銀行普通預金口座内又は定期預金口座内に積み立てますが、ヒストリカルデータの蓄積や、コミットメントラインの導入等の手当てを前提として、安全性を確保しつつ資金の効率的運用を目指し積立額を減額することもできます。
ⅱ) 信託勘定内現預金(不動産信託受益権の場合)
Moody'sの短期格付P-2以上の銀行の普通預金口座又は定期預金口座に預け入れます。
ⅲ) 投資法人勘定内現預金
投資法人勘定内現預金についてⅱ)と同様とします。ただし、金融機関からの融資実行に関連して実行時又は利払時に使用するために開設する普通預金口座はこれに含まれないものとします。
なお、余裕資金については原則として以下の優先順位で支出を行い、残金については上記と同様の運用を行うものとします。
・ 再投資(物件購入又は資本的支出をいいます。)
・ 投資主への分配
・ 借入金の一部返済(ただし、金銭消費貸借契約上の返済期限が到来している場合には、この順位にかかわらず、最優先されるものとします。)
ⅳ) デリバティブ取引
デリバティブ取引に係る権利は、本投資法人に係る負債から生じる金利変動リスクその他のリスクをヘッジすることを目的とした運用に限るものとします(規約 別紙1「資産運用の対象及び方針 3.投資態度
(8)」)。
② 投資口の追加発行
本投資法人は、資産の長期的かつ安定的な成長を目指し、市況を的確に把握し、かつ、投資口の希薄化(新規投資口の追加発行による投資口の持分割合の低下、本投資口の1口当たりの純資産額又は分配金の減少)に配慮した上で、機動的な投資口の追加発行を行うものとします(規約 別紙1「資産運用の対象及び方針 3. 投資態度 (4)」)。
③ 借入れ及び投資法人債発行
ⅰ) 基本方針
本投資法人は、長期の安定的な資金調達と、機動性を重視した短期資金調達を効率的に組み合わせることにより、資産規模の積極的な拡大と、投資主への安定的な金銭の分配の維持を目指します(規約 別紙1「資産運用の対象及び方針 3. 投資態度 (5)」)。
ⅱ) LTV(Loan to Value)
LTVとは以下の式により算出された比率をいい、本投資法人の資産総額に対する負債の割合を表します。
(借入金+投資法人債)÷資産総額(注)
(注)投資法人債には短期投資法人債を含みます。
資産総額とは、LTV計算時点における直近の決算期末貸借対照表における資産の部の金額をいいますが、そのうち本投資法人が保有する特定資産(投信法第2条第1項で定義されるものをいいます。)について鑑定評価額又は価格意見書による評価額と期末帳簿価額との差額を当該特定資産の期末帳簿価額に加減して求めた金額とします。
LTVは55%までの運用を原則としますが、資産の取得及び評価額の変動等に伴い、一時的に上記数値を超えることがあります。
(ホ) その他
① 本投資法人は、その有する特定資産の価額の合計額に占める、特定不動産(不動産、不動産の賃借権若しくは地上権又は不動産の所有権、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権をいいます。)の価額の合計額の割合を75%以上とします(規約 別紙1「資産運用の対象及び方針 3. 投資態度 (6)」)。
② 資金動向、市況動向、一般経済情勢、不動産市場動向、法令の変更等により、上記の比率を変更することがあります(規約 別紙1「資産運用の対象及び方針 3. 投資態度 (9)」)。
③ 組入資産の貸付け(規約 別紙1「資産運用の対象及び方針 5.組入資産の貸付け」)
ⅰ) 資産の効率的運用を図り、高い運用成果の獲得を目指すため、後記「(2)投資対象 a.投資対象とする資産の種類」に定める資産のうち、不動産、不動産の賃借権及び地上権について、貸付け(駐車場、看板等の設置を含みます。)を行うことができるものとします。
ⅱ) 上記ⅰ)の不動産の賃貸に際しては、敷金又は保証金等これらに類する金銭を受け入れ又は差し入れることがあり、それらの金銭を受け入れた場合には、前記「(ニ) 財務方針 ① 資金運用方針 ⅰ) 敷金・保証金」に記載の方針に基づき運用します。
ⅲ) 資産に属する不動産、不動産の賃借権及び地上権以外の資産の貸付けは行いません。