有価証券報告書(内国投資証券)-第42期(2022/07/01-2022/12/31)

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2023/03/27 15:06
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53項目
a. リスク要因
以下には、本投資証券又は本投資法人が発行する投資法人債券への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。ただし、以下は本投資証券又は本投資法人債券への投資に関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。また、本投資法人が保有する不動産を信託する信託の受益権に係る信託不動産及び不動産に特有のリスクについては、後記「5 運用状況 (2)投資資産 ③ その他投資資産の主要なもの」を併せてご参照下さい。
なお、以下に記載の事項には、将来に関する事項が含まれますが、別段の記載のない限り、当該事項は本書の日付現在において本投資法人が判断したものです。
本項に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
(イ) 本投資証券又は本投資法人債券の商品性に関するリスク
① 本投資証券の市場価格の変動に関するリスク
② 金銭の分配に関するリスク
③ 収入及び費用並びにキャッシュフローの変動に関するリスク
④ 募集投資口の発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
⑤ 本投資法人債券の償還・利払等に関するリスク
⑥ 本投資証券の市場での取引に関するリスク
(ロ) 本投資法人の運用方針に関するリスク
① 地域的な偏在に関するリスク
② 不動産を取得又は処分できないリスク
③ テナント集中に関するリスク
④ 新投資口の発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
⑤ スポンサーサポートを活用した本投資法人の外部成長戦略が想定どおり進展しないリスク
⑥ ホテルに関するリスク
(ハ) 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
① 本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
② スポンサーへの依存、利益相反に関するリスク
③ インサイダー取引に関するリスク
④ 本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
⑤ 本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
⑥ 敷金及び保証金に関するリスク
(ニ) 不動産及び信託の受益権に関するリスク
① 不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク
② 賃貸借契約に関するリスク
③ 災害等による不動産の毀損、滅失及び劣化のリスク
④ 不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
⑤ 不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
⑥ 法令の制定・変更に関するリスク
⑦ 売主の倒産等の影響を受けるリスク
⑧ マスターリースに関するリスク
⑨ 転貸に関するリスク
⑩ 賃借人等による不動産の利用・管理状況に関するリスク
⑪ 共有物件に関するリスク
⑫ 区分所有建物に関するリスク
⑬ 借地物件に関するリスク
⑭ 借家物件に関するリスク
⑮ 底地物件に関するリスク
⑯ 仮換地に関するリスク
⑰ 開発物件に関するリスク
⑱ 有害物質に関するリスク
⑲ 不動産等を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
⑳ 信託の受益権の準共有等に関するリスク
㉑ フォワード・コミットメント等に係るリスク
㉒ 伝染病・疫病等の影響を受けるリスク
(ホ) 税制に関するリスク
① 導管性要件に関するリスク
② 税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
③ 不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
④ 一般的な税制の変更に関するリスク
(ヘ) その他
① 専門家報告書等に関するリスク
② 固定資産の減損に係る会計基準の適用に伴うリスク
③ 特定目的会社の優先出資証券への投資に係るリスク
④ 取得予定資産の取得ができないリスク及び譲渡予定資産の譲渡ができないリスク
(イ) 本投資証券又は本投資法人債券の商品性に関するリスク
① 本投資証券の市場価格の変動に関するリスク
本投資法人は、投資主からの請求による投資口の払戻しを行わないクローズド・エンド型であるため、投資主が本投資証券を換価する手段は、原則として、第三者に対する売却その他の方法による処分に限定されます。
本投資証券の市場価格は、取引所における需給バランスにより影響を受けるほか、金利情勢、経済情勢、不動産市況その他市場を取り巻く様々な要因の影響を受けて変動します。
そのため、投資主は、本投資証券を取得した価格で売却ができない可能性があります。
② 金銭の分配に関するリスク
本投資法人は、その分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無及びその金額は、いかなる場合においても保証されるものではありません。本投資法人が保有する不動産及び不動産を裏付けとする資産の当該裏付け不動産(以下、本「a.リスク要因」の項において「不動産」と総称します。)の賃貸状況、売却に伴う損益や建替えに伴う除却損等により、期間損益が変動し、投資主への分配金が増減することがあります。
③ 収入及び費用並びにキャッシュフローの変動に関するリスク
本投資法人の収入は、不動産の賃料収入に主として依存しています。不動産に係る賃料収入は、不動産の稼働率の低下等により、大きく減少する可能性があるほか、賃借人との協議や賃借人からの請求等により賃料が減額されたり、契約どおりの増額改定を行えない可能性もあります(なお、これら不動産に係る賃料収入に関するリスクについては、後記「(ニ) 不動産及び信託の受益権に関するリスク ② 賃貸借契約に関するリスク」をご参照下さい。)。個別の資産の過去の収支の状況や賃料総額は、当該資産の今後の収支の状況や賃料総額を必ずしも予測させ又は保証するものではありません。また、当該不動産に関して締結される賃貸借契約に基づく賃料が、一般的な賃料水準に比して適正な水準にあるとは限りません。
一方、収入の減少だけでなく、退去するテナントへの預り敷金及び保証金の返還、大規模修繕等に要する費用支出、多額の資本的支出、本投資法人が保有する不動産等及び不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券の取得等に要する費用、その他不動産に関する支出が状況により増大し、キャッシュフローを減ずる要因となる可能性があります。
また、不動産に関する費用としては、建物減価償却費、不動産に関して課される公租公課、不動産に関して付保された保険の保険料、水道光熱費、設備管理委託費用、警備委託費用、清掃委託費用、造作買取費用、修繕費用等があります。かかる費用の額は状況により増大する可能性があります。
このように、不動産からの収入が減少する可能性があるとともに、不動産に関する支出又は費用は増大する可能性があり、これら双方又はいずれか一方の事由が生じた場合、投資主への分配金額が減少したり、本投資証券の市場価格が下落することがあります。
④ 募集投資口の発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
本投資法人は、募集投資口を随時発行する予定ですが、かかる発行により既存の投資主の保有する投資口の持分割合が減少します。また、本投資法人の計算期間中に発行された募集投資口に対して、当該計算期間の期初から存在する投資口と同額の金銭の分配が行われる場合には、既存の投資主は、募集投資口の発行がなかった場合に比して、悪影響を受ける可能性があります。
更に、募集投資口の発行の結果、本投資法人の投資口1口当たりの純資産価格や市場における需給バランスが影響を受ける可能性があります。
⑤ 本投資法人債券の償還・利払等に関するリスク
本投資法人の信用状況の悪化その他の事由により、本投資法人債券について元本や利子の支払が滞ったり、支払不能が生じるリスクがあります。また、本投資法人の財務状態、金利情勢、経済情勢、不動産市況その他の要因により、本投資法人債の市場価格が下落する可能性もあります。
⑥ 本投資証券の市場での取引に関するリスク
本投資証券は、東京証券取引所に上場していますが、本投資法人の資産総額の減少、投資口の売買高の減少その他の東京証券取引所の有価証券上場規程に定める上場廃止基準に抵触する場合には、本投資証券の上場が廃止されます。本投資証券の上場が廃止される場合、投資主は、保有する本投資証券を相対で譲渡するほかに換金の手段がないため、本投資法人の純資産額に比して相当に廉価で譲渡せざるを得ない場合や本投資証券の譲渡自体が事実上不可能となる場合があり、損失を被る可能性があります。
(ロ) 本投資法人の運用方針に関するリスク
① 地域的な偏在に関するリスク
本投資法人が不動産等又は不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券の取得を行っていく過程で、本投資法人が保有する不動産が地域的に偏在する可能性があります。かかる場合には、当該地域における地域経済や不動産マーケットの変動、地震・台風等の災害、人口変動等、当該地域に特有な事象によって、本投資法人の収益に悪影響が生じる可能性があります。
② 不動産を取得又は処分できないリスク
不動産は、一般的にそれぞれの物件の個別性が強く流動性が低いため、希望する時期に希望する不動産等又は不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券を取得又は処分できない可能性があります。また、本書の日付以後、経済環境等が著しく変わった場合又は売買契約等において定められた一定の条件が成就しない場合等においては、不動産等又は不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券を予定どおり取得又は処分することができない可能性があります。取得が可能であったとしても、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。更に、取得した後にこれらを処分する場合にも、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。
以上の結果、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオの構築又は組替えが適時に行えない可能性があります。
③ テナント集中に関するリスク
本投資法人が保有する不動産に係るテナントに占める特定のテナントの割合が大きくなればなるほど、かかる特定のテナントの新規業務提携又はその解消等事業戦略の変更や財務状況の変化等に伴う支払能力の変化、当該不動産からの退去、賃貸条件の変更その他の事情が、本投資法人の収益等に及ぼす影響は大きくなります。特に、本投資法人が投資対象とする商業施設においては、テナントが単独となる場合が多く、そのようにテナントが単独である不動産においては、本投資法人の収益等は、当該単独テナントの事情に大きく左右されます。
また、そのように本投資法人が保有する不動産に係るテナントに占める割合が大きい特定のテナントが退去した際には、大きな空室率が生じるので、他のテナントを探しその空室率を回復させるのに時間を要することがあり、場合によっては賃貸条件を緩和することを求められ、その期間が長期になればなるほど、又は賃貸条件の緩和の度合いが大きいほど、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性が高くなります。
④ 新投資口の発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
新投資口の発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行並びにそれらの条件は、本投資法人の経済的信用力、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、今後本投資法人の希望する時期及び条件で新投資口の発行、借入れ及び投資法人債の発行を行うことができる保証はなく、その結果、予定した資産を取得できなかったり、予定しない資産の売却を余儀なくされたり、更には資金繰りがつかなくなる可能性があります。
また、本投資法人が金銭の借入れ又は投資法人債の発行を行う場合において、当該借入れ又は投資法人債の発行の条件として、資産・負債等に基づく一定の財務指標上の数値を維持する、本投資法人の信用状態に関する評価を一定の水準に維持する、投資主への金銭の分配を制約する等の財務制限条項が設けられたり、運用資産に担保を設定することとなったり、規約の変更が制限される等の可能性があります。このような制約が本投資法人の運営に支障をきたし、又は投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、これらの制限に違反した場合には、追加の担保設定や費用負担等を求められ、又は当該借入契約に係る借入金若しくは投資法人債の元利金について期限の利益を喪失するなどの可能性があり、その結果、本投資法人の運営に重大な悪影響が生じる可能性があります。
更に、借入れ及び投資法人債の金利は、金銭の借入時及び投資法人債発行時の市場動向に左右され、変動金利の場合には、その後の市場動向にも左右されます。金銭の借入れ及び投資法人債の金利が上昇し、又は、本投資法人の借入額及び投資法人債発行額が増加した場合には、本投資法人の利払額は増加します。このような利払額の増加により、投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ スポンサーサポートを活用した本投資法人の外部成長戦略が想定どおり進展しないリスク
本投資法人は、当面はスポンサーからのサポートを活用した東京エリアのオフィスへの重点投資を外部成長の主軸として位置づけていますが、本投資法人及び本資産運用会社は、これらのスポンサーとの間で、優先権の付与等、物件の供給に関する一般的な合意を行っているわけではなく、このような外部成長戦略が想定どおり進展するとは限りません。
⑥ ホテルに関するリスク
本投資法人は、規約に定める投資対象に従って、ホテルへの投資を行うことがあります。
ホテルからの賃料収入はテナント(オペレーター)が行うホテルの営業収益に依拠しており、その運営能力による影響を受けることがあるほか、賃料の支払の安定性に関し、特にホテルの収益等に応じた変動賃料を設定した賃貸借契約の場合には、その変動賃料部分については、ホテルの収益に大きく左右されます。
また、予想した収益を上げられない場合に、構造の特殊性から他の用途への転用可能性が低いなどの事情により改善策を講じることが困難となり、さらにテナント(オペレーター)がホテルの営業から撤退し、退去した場合には代替テナント(オペレーター)となり得る者が少なく、その結果、代替テナントが入居するまでの空室期間が長期化し、不動産の稼働率が低下し、又は代替テナントを確保するために賃料水準を下げざるを得なくなる可能性があります。
当該ホテルの売却を行おうとする場合にも、用途が限定されることで購入先が限られ、想定した価格で売却できない可能性があります。
さらに、施設及び設備の陳腐化による競争力低下を避けるために、相当程度の設備投資や資本的支出等が必要となる場合がありますが、かかる支出等に対応してホテル収益が増加するとの保証はありません。
また、ホテルに係る所有者責任に関するリスクについては、後記「(ニ) 不動産及び信託の受益権に関するリスク ④ 不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク」をご参照下さい。
これらの諸要因により、本投資法人の収益に悪影響が生じる可能性があります。
(ハ) 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
① 本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、全ての執行役員及び監督役員から構成される役員会において重要な意思決定を行い、会計監査人において監査を行い、資産の運用を本資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に、それぞれ委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等を維持できない場合、本投資法人の運営に悪影響をもたらす可能性があります。
また、投信法は、投資法人の執行役員及び監督役員並びに投資法人関係者に関する義務及び責任を定めていますが、これらの本投資法人の関係者が投信法その他の法令に反し、又は、法定の措置をとらないときは、投資主や投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。
例えば、本投資法人の執行役員及び監督役員が、法令上又は契約上負っている善良な管理者としての注意義務(以下「善管注意義務」といいます。)、本投資法人のために忠実に職務を遂行する義務(以下「忠実義務」といいます。)、その他の義務に違反した場合や、本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者が、法令上又は契約上負っている善管注意義務、忠実義務、利益相反状況にある場合に本投資法人の利益を害してはならない義務、その他の義務に違反した場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼし、投資主や投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。
② スポンサーへの依存、利益相反に関するリスク
本資産運用会社の全発行済株式は、本書の日付現在、スポンサーにより保有されており、また、スポンサーは、本投資法人の執行役員及び本資産運用会社の主要な役職員の出向元となっています。本投資法人は、今後もスポンサー各社と連携を図る予定であり、スポンサー各社の強みを活用する方針です。また、本投資法人は、運用資産の相当部分につきスポンサーにプロパティ・マネジメント業務を委託しています。
これらの点に鑑みると、本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーと密接な関連性を有しており、本投資法人による安定した収益の確保と成長性に対するスポンサーの影響は相当程度高いということができます。
したがって、本投資法人及び本資産運用会社がスポンサーと本書の日付現在と同様の関係を維持できなくなった場合には、本投資法人に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、スポンサーの利益が本投資法人又は本投資法人の他の投資主の利益と異なる場合、利益相反の問題が生じる可能性があります。スポンサーは、本投資法人がスポンサー又はその関連会社から資産を取得し、又は物件の賃貸若しくはその他の業務を行う場合に、本投資法人に対して影響力を行使する可能性があり、また、本投資法人が、スポンサー又はその関連会社と資産の取得等に関し直接競合した場合に、本投資法人に影響力を行使する可能性があります。かかる場合、本投資法人の業務、財政状態又は経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ インサイダー取引に関するリスク
投資法人の発行する特定有価証券等(金商法第163条第1項に定める特定有価証券等をいいます。)についても、インサイダー取引規制の対象となっています。
本投資法人及び本資産運用会社は、本投資法人の執行役員及び監督役員並びに本資産運用会社の役職員が本投資法人の特定有価証券等の売買等を行うこと及び未公表の重要事実(本資産運用会社又は本投資法人に関する情報であって、金商法第166条第2項に定める業務等に関する重要事実、並びに金商法第167条第2項に定める公開買付け等の実施に関する事実及び公開買付け等の中止に関する事実(それぞれの軽微基準を満たすものを除きます。)をいいます。)の伝達を原則禁止とし、一定の場合に限り、事前の承認を得た上で売買等を行うことができるとする社内規程を定めています。しかし、本投資法人の執行役員及び監督役員並びに本資産運用会社の役職員が金商法で定めるインサイダー取引規制に違反する場合には、本投資法人及び本資産運用会社に係る情報の管理に対する信頼が揺らぎ、その結果、本投資法人の投資主に悪影響が及ぶ可能性があります。
④ 本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
本投資法人の規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会又は本資産運用会社の取締役会が定めたより詳細な投資方針等については、投資主総会の承認を経ることなく、変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、これらが変更される可能性があります。
⑤ 本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
本投資法人は、破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。)(以下「破産法」といいます。)上の破産手続、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。)(以下「民事再生法」といいます。)上の再生手続及び投信法上の特別清算手続(投信法第164条)に服する可能性があります。
本投資法人は、投信法に基づいて投資法人としての登録を受けていますが、一定の事由が発生した場合に投信法に従ってその登録が取り消される可能性があります(投信法第216条)。その場合には、本投資証券の上場が廃止され、本投資法人は解散し、清算手続に入ります。
本投資法人が清算される場合、投資主は、全ての債権者への弁済(投資法人債の償還を含みます。)後の残余財産の分配からしか投資金額を回収することができません。このため、投資主は、投資金額の全部又は一部について回収できない可能性があります。
⑥ 敷金及び保証金に関するリスク
本投資法人は、不動産の賃借人が賃貸人に対し無利息又は低利で預託した敷金又は保証金を不動産等又は不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券の取得資金の一部として利用する場合があります。しかし、賃貸市場の動向、賃借人との交渉等により、本投資法人の想定よりも賃借人からの敷金及び保証金の預託額が少なくなり、又は預託期間が短くなる可能性があり、この場合、必要な資金を借入れ等により調達せざるを得なくなり、その結果、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
(ニ) 不動産及び信託の受益権に関するリスク
本投資法人の主たる運用資産は、前記「2 投資方針 (2)投資対象 a. 投資対象とする資産の種類」に記載のとおり、不動産等資産であり、また不動産等資産以外の不動産等及び不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等にも投資します。不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産の所有者は、その信託財産である不動産又は裏付けとなる不動産を直接所有する場合と、経済的には、ほぼ同様の利益状況に置かれます。したがって、以下に記載する不動産に関するリスクは、不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産についても、ほぼ同様にあてはまります。
なお、信託の受益権特有のリスクについては、後記「⑲ 不動産等を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク」をご参照下さい。
① 不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク
不動産には権利、地盤、地質、構造等に関して欠陥、瑕疵等(工事における施工の不具合や施工報告書の施工データの転用・加筆及び性能検査記録データの書き換え等がなされているものを含みますが、これらに限りません。)が存在している可能性があり、また、かかる欠陥、瑕疵等が取得後に判明する可能性もあります。建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。)(以下「建築基準法」といいます。)等の行政法規が求める所定の手続を経由した不動産についても、一般的に、建物の施工を請負った建築会社又はその下請け業者において、建物が適正に施工されない場合がありうるほか、建築基準関係規定の求める安全性や構造耐力等を有することが保証されるわけではありません。本投資法人は、かかる場合に備えて、原則として前所有者に対し一定の事項につき表明及び保証を要求し、かつ、一定の瑕疵担保責任又は契約不適合責任を負担させることとしていますが、たとえかかる表明及び保証が真実でなかったことを理由とする損害賠償責任や瑕疵担保責任又は契約不適合責任を追及できたとしても、これらの責任の期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例であり、また、前所有者が解散したり無資力になっているために実効性がない場合もあります。
これらの場合には、当該欠陥、瑕疵等の程度によっては当該不動産の資産価値が低下することを防ぐために買主である本投資法人が当該欠陥、瑕疵等の修補、建替えその他に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなることがあります。
また、本投資法人又は信託受託者が不動産を売却する場合、本投資法人又は信託受託者たる宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。その後の改正を含みます。)(以下「宅地建物取引業法」といいます。)上の登録をした信託会社は、宅地建物取引業法上、宅地建物取引業者とみなされるため、売却の相手方が宅地建物取引業者である場合を除いて、不動産の売買契約において、瑕疵担保責任又は契約不適合責任に関し、買主に不利となる特約をすることが制限されています。したがって、本投資法人又は信託受託者が不動産を売却する場合は、売却した不動産の欠陥、瑕疵等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなることがあります。
加えて、不動産をめぐる権利義務関係の複雑さゆえに、不動産に関する権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受けたり、第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。
また、不動産登記簿の記載を信じて取引した場合にも、買主は不動産に係る権利を取得できないことがあります。更に、権利に関する事項のみならず、不動産登記簿中の不動産の表示に関する事項が現況と一致していない場合もあります。このような場合、上記と同じく、本投資法人は売主等に対して法律上又は契約上可能な範囲で責任を追及することとなりますが、その実効性があるとの保証はありません。
② 賃貸借契約に関するリスク
a. 賃貸借契約の解約及び更新に関するリスク
賃貸借契約上、賃借人の解約権が排除されている場合等を除き、契約期間中であっても賃貸借契約が終了したり、また、賃貸借契約の期間満了時に契約の更新がなされない場合もあるため、稼働率が低下し、不動産に係る賃料収入が減少することがあります。また、解約禁止条項、解約ペナルティ条項等を置いて期間中の解約権を制限している場合や更新料を定めている場合でも、裁判所によって所定の金額から減額されたり、かかる条項の効力が否定される可能性があります。
b. 賃料不払に関するリスク
賃借人の財務状況が悪化した場合又は破産手続、再生手続若しくは会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。)(以下「会社更生法」といいます。)上の更生手続その他の倒産手続(以下、「倒産等手続」と総称します。)の対象となった場合、賃貸借契約に基づく賃料支払が滞る可能性があり、この延滞賃料等の債務の合計額が敷金及び保証金で担保される範囲を超える場合があります。
c. 賃料改定に係るリスク
賃貸借契約の期間が比較的長期間である場合には、多くの場合、賃料等の賃貸借契約の内容について、定期的に見直しを行うこととされています。
したがって、本書の日付現在の賃料が今後も維持される保証はありません。
また、定期的に賃料等を増額する旨の規定が賃貸借契約にある場合でも、賃借人との交渉いかんによっては、必ずしも、規定どおりに賃料を増額できるとは限りません。
d. 賃借人による賃料減額請求権行使のリスク
建物の賃借人は、定期建物賃貸借契約において借地借家法第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約を設けた場合を除いて、同条に基づく賃料減額請求をすることができます。請求が認められた場合、当該不動産から得られる賃料収入が減少します。
③ 災害等による不動産の毀損、滅失及び劣化のリスク
火災、地震、地震に伴う液状化、津波、暴風雨、洪水、落雷、竜巻、火山の噴火、高潮、戦争、暴動、騒乱、テロのほか原子力発電所における事故等(以下「災害等」といいます。)により不動産が毀損、滅失若しくは劣化、又は不動産の正常な運営が妨げられ、それにより、当該不動産に係る収益が減少し若しくは費用が増加し、又はその価値が影響を受ける可能性があります。例えば、災害等により、毀損、滅失又は劣化した個所を修復するため一定期間建物の不稼働を余儀なくされることにより、賃料収入が減少し、又は当該不動産の価値が下落する可能性があります。
また、これらのリスクを回避又は低減する目的で当該不動産に対して保険契約の締結を図ったとしても不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、保険契約を締結しても保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない災害等が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払が他の何らかの理由により行われず、減額され若しくは遅れる場合があります。
④ 不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
不動産を原因として、第三者の生命、身体又は財産等を侵害した場合に、損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損害を被る可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、民法(明治29年法律第89号。その後の改正を含みます。)(以下「民法」といいます。)上無過失責任を負うこととされています。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合には、上記③と同様、本投資法人は悪影響を受ける可能性があります。
特にホテルは、人を宿泊させるという特質から、第三者、特に宿泊客の生命、身体又は財産等を侵害する危険性も想定されます。
また、不動産につき毀損、滅失又は劣化等が生じ、修繕が必要となる場合には、かかる修繕に関連して多額の費用を要する可能性があります。また、かかる修繕が困難又は不可能な場合には、不動産から得られる賃料収入が減少し、又は当該不動産の価格が下落する可能性があります。
⑤ 不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の際、原則としてこれらの規定に適合しない現に存する建物(現に建築中のものを含みます。)又はその敷地については、当該規定が適用されない扱いとされています(いわゆる既存不適格)。しかし、かかる既存不適格の建物の建替え等を行う場合には、現行の規定が適用されるので、現行の規定に合致するよう手直しをする必要があり、追加的な費用負担が必要となる可能性があり、また、現状と同規模の建物を建築できない可能性があります。
また、様々な行政法規や各地の条例による規制が不動産に適用される可能性があります。例えば、都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)(以下「都市計画法」といいます。)、土地区画整理法(昭和29年法律第119号。その後の改正を含みます。)(以下「土地区画整理法」といいます。)に基づく土地区画整理事業施行区域内の土地における土地の形質の変更及び建築物建築等の制限、地方公共団体の条例による風致地区内における建築等の規制、河川法(昭和39年法律第167号。その後の改正を含みます。)による河川保全区域における工作物の新築等の制限、文化財保護法(昭和25年法律第214号。その後の改正を含みます。)に基づく試掘調査義務、一定割合において住宅を付置する義務や、駐車場設置義務、福祉配慮設備設置義務、緑化推進義務及び雨水流出抑制施設設置義務等が挙げられます。このような義務が課せられている場合、当該不動産の処分及び建替え等に際して、事実上の困難が生じたり、これらの義務を遵守するための追加的な費用負担が生じる可能性があります。その他、地球温暖化対策として、一定の要件を満たす不動産の所有者等に温室効果ガス排出に関する報告や排出制限の義務が課されることがあり、排出量削減のための義務等を履行できない場合には、排出権に関する支出等を余儀なくされる可能性があります。
更に、不動産が含まれる地域が道路設置等の都市計画の対象となる場合には、当該都市計画対象部分に建築制限が付される可能性や、建物の敷地とされる面積が減少する可能性、当該不動産に関して建替え等を行う場合に、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。
⑥ 法令の制定・変更に関するリスク
土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改正を含みます。)(以下「土壌汚染対策法」といいます。)のほか、将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。エネルギーや温室効果ガス削減を目的とした法令、条例等の制定、運用、改正によっても追加的な費用負担が発生する可能性があります。
また、消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)その他不動産の管理に影響する関係法令の改正により、不動産の管理費用等が増加する可能性があります。更に、建築基準法、都市計画法の改正、新たな立法、収用、再開発、区画整理等の行政行為等により不動産に関する権利が制限される可能性があります。
⑦ 売主の倒産等の影響を受けるリスク
本投資法人は、債務超過の状況にある等財務状態が実質的危機時期にあると認められる又はその疑義がある者を売主として不動産を取得する場合には、管財人等により売買が否認されるリスク等について諸般の事情を慎重に検討し、実務的に可能な限り管財人等により売買が否認されるリスク等を回避するよう努めますが、このリスクを完全に排除することは困難です。
万一債務超過の状況にある等財務状態が実質的危機時期にある状況を認識できずに不動産を取得した場合には、当該不動産の売買が売主の債権者により取消される(詐害行為取消)可能性があります。また、不動産を取得した後、売主について倒産等手続が開始した場合には、当該不動産の売買が破産管財人、監督委員又は管財人により否認される可能性が生じます。
また、本投資法人が、ある売主から不動産を取得した別の者(以下、本項において「買主」といいます。)から更に当該不動産を取得した場合において、本投資法人が、当該不動産の取得時において、売主と買主間の当該不動産の売買が詐害行為として取消され又は否認される根拠となりうる事実関係を知っていた場合には、本投資法人に対しても、売主・買主間の売買が否認され、その効果を主張される可能性があります。
更に、取引の態様如何によっては売主との間の不動産の売買が、担保取引であると判断され、当該不動産は破産者である売主の破産財団の一部を構成し、又は更生会社若しくは再生債務者である売主の財産に属するとみなされる可能性(いわゆる真正譲渡でないとみなされるリスク)もあります。
⑧ マスターリースに関するリスク
運用資産である特定の不動産には、マスターレッシーが当該不動産の所有者である信託受託者又は本投資法人との間でマスターリース契約を締結した上で、各エンドテナントに対して転貸する形式をとるものがあり、また、今後もこのようなマスターリースの形態が利用されることがあります。この場合、マスターレッシーの財務状態の悪化により、エンドテナントからマスターレッシーに対して賃料が支払われたにもかかわらず、マスターレッシーから信託受託者又は本投資法人への賃料の支払が滞る可能性があります。
⑨ 転貸に関するリスク
賃借人(以下、転借人を含みます。)に、不動産の一部又は全部を転貸する権限を与えた場合、本投資法人は、不動産に入居するテナントを自己の意思により選択できなくなったり、退去させられなくなる可能性があるほか、賃借人の賃料が、転借人の賃借人に対する賃料に連動する場合、転借人の信用状態等が悪化することにより、賃借人からの賃料の支払が滞る可能性があります。
また、賃貸借契約が合意解約された場合、又は債務不履行を理由に解除された場合であっても、賃貸借契約上、賃貸借契約終了の場合に転貸人の転借人に対する敷金等の返還義務が賃貸人に承継される旨規定されている場合には、かかる敷金等の返還義務が、賃貸人に承継される可能性があります。このような場合、敷金等の返還原資は賃貸人の負担となる可能性があります。
⑩ 賃借人等による不動産の利用・管理状況に関するリスク
賃借人等による不動産の利用・管理状況により、当該不動産の資産価値や、本投資法人の収益に悪影響が及ぶ可能性があります。また、賃借人や賃借権の譲受人の属性によっては、不動産のテナント属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料収入が低下する可能性があります。
⑪ 共有物件に関するリスク
不動産が第三者との間で共有されている場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々のリスクが存在します。
まず、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の過半数で行うものとされているため(民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、第三者との間で共有されている不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、第三者との間で共有されている不動産の保有又は利用が妨げられるおそれがあります。
更に、共有の場合、他の共有者からの共有物全体に対する分割請求権行使を受ける可能性(民法第256条)、及び裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性(民法第258条第2項)があり、ある共有者の意図に反して他の共有者からの分割請求権行使によって共有物全体が処分されるリスクがあります。
この分割請求権を行使しないという共有者間の特約は有効ですが、かかる特約は5年を超えては効力を有しません。また、登記済みの不分割特約がある場合でも、特約をした者について倒産等手続の対象となった場合には、管財人等はその換価処分権を確保するために分割請求ができるとされています。ただし、共有者は、倒産手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、会社更生法第60条、民事再生法第48条)。
他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、共有されていた物件全体について当該共有者(抵当権設定者)の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶことになると考えられています。したがって、運用資産である共有持分には抵当権が設定されていなくても、他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、分割後の運用資産についても、他の共有者の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶこととなるリスクがあります。
共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されていますが、共有不動産については、共有者間で共有持分の優先的購入権の合意をすることにより、共有者がその共有持分を第三者に売却する場合に他の共有者が優先的に購入できる機会を与えるようにする義務を負う場合があります。
不動産の共有者が賃貸人となる場合には、賃料債権は不可分債権となり敷金返還債務は不可分債務になると一般的には解されており、共有者は他の賃貸人である共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。
共有不動産については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
⑫ 区分所有建物に関するリスク
区分所有建物とは区分所有法の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分(居室等)と共有となる共用部分(エントランス部分等)及び建物の敷地部分から構成されます。区分所有建物の場合には、区分所有法上、法定の管理方法及び管理規約(管理規約の定めがある場合)によって管理方法が定められます。建替決議等をする場合には集会において区分所有者及び議決権(管理規約に別段の定めのない限り、その有する専有部分の床面積の割合)の各5分の4以上の多数の建替決議が必要とされる等(区分所有法第62条)、区分所有法の適用を受けない単独所有物件と異なり管理方法に制限があります。
区分所有建物の専有部分の処分は自由に行うことができますが、区分所有者間で優先的購入権の合意をすることがあることは、共有物件の場合と同じです。
区分所有建物と敷地の関係については以下のようなリスクがあります。
区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利を敷地利用権といいます。区分所有建物では、専有部分と敷地利用権の一体性を保持するために、法律で、専有部分とそれに係る敷地利用権を分離して処分することが原則として禁止されています(区分所有法第22条)。ただし、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の禁止を善意の第三者に対抗することができず、分離処分が有効となります(区分所有法第23条)。また、区分所有建物の敷地が数筆に分かれ、区分所有者が、それぞれ、その敷地のうちの一筆又は数筆の土地について、単独で、所有権、賃借権等を敷地利用権(いわゆる分有形式の敷地利用権)として有している場合には、分離して処分することが可能とされています。このように専有部分とそれに係る敷地利用権が分離して処分された場合、敷地利用権を有しない区分所有者が出現する可能性があります。
また、敷地利用権が使用借権及びそれに類似した権利である場合には、当該敷地が売却、競売等により第三者に移転された場合に、区分所有者が当該第三者に対して従前の敷地利用権を対抗できなくなる可能性があります。
このような区分所有建物と敷地の関係を反映して、区分所有建物の場合には、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
⑬ 借地物件に関するリスク
借地権とその借地上に存在する建物については、自らが所有権を有する土地上に存在する建物と比べて特有のリスクがあります。借地権は、所有権と異なり永久に存続するものではなく、期限の到来により当然に消滅し(定期借地権の場合)又は期限到来時に借地権設定者が更新を拒絶し、かつ、更新を拒絶する正当事由がある場合に消滅します(普通借地権の場合)。また、借地権が地代の不払その他により解除その他の理由により消滅してしまう可能性もあります。借地権が消滅すれば、時価での建物買取りを請求できる場合(借地借家法第13条、借地法第4条)を除き、借地上に存在する建物を取り壊した上で、土地を返還しなければなりません。普通借地権の場合、借地権の期限到来時の更新拒絶につき上記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、仮に建物の買取請求権を有する場合でも、買取価格が本投資法人が希望する価格以上である保証はありません。
また、本投資法人が借地権を有している土地の所有権が、他に転売されたり、借地権設定時に既に存在する土地上の抵当権等の実行により第三者に移ってしまう可能性があります。この場合、借地権について適用のある法令に従い第三者対抗要件が具備されていないときは、本投資法人は、借地権を当該土地の新所有者に対して対抗できず、当該土地の明渡義務を負う可能性があります。
更に、借地権が賃借権である場合、借地権を譲渡するには、原則として、借地権設定者の承諾が必要となるほか、借地上の建物の新築、改築又は増築等に借地権設定者の承諾が必要となる場合があります。借地上の建物の所有権を譲渡する場合には、当該借地に係る借地権も一緒に譲渡することになるので、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。かかる借地権設定者の承諾に関しては、借地権設定者への承諾料の支払が予め約束されていたり、約束されていなくても慣行を理由として借地権設定者が承諾料を承諾の条件として請求してくる場合があります(なお、法律上借地権設定者に当然に承諾料請求権が認められているものではありません。)。
加えて、借地権設定者の資力の悪化や倒産等により、借地権設定者に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があります。借地権設定者に対する敷金及び保証金等の返還請求権について担保設定や保証はなされないのが通例です。
借地権と借地上に建てられている建物については、敷地と建物を一括して所有している場合と比べて、上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
⑭ 借家物件に関するリスク
本投資法人は、建物(共有持分、区分所有権等を含みます。)を第三者から賃借の上又は信託受託者に賃借させた上、当該賃借部分を直接若しくは信託受託者を通じて保有する建物と一体的に又は当該賃借部分を単独で、テナントへ転貸することがあります。
この場合、建物の賃貸人の資力の悪化や倒産等により、建物の賃貸人に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があることは、前記の借地物件の場合と同じです。
加えて、民法上、本投資法人が第三者との間で直接又は信託受託者を通じて締結した賃貸借契約が何らかの理由により終了した場合、原則として、本投資法人又は当該受託者とテナントの間の転貸借契約も終了するとされていますので、テナントから、転貸借契約の終了に基づく損害賠償請求等がなされる可能性があります。
⑮ 底地物件に関するリスク
本投資法人は、第三者が賃借してその上に建物を所有している土地、いわゆる底地を取得することがあります。底地物件の場合は特有のリスクがあります。借地権は、定期借地権の場合は借地契約に定める期限の到来により当然に消滅し、普通借地権の場合には期限到来時に本投資法人が更新を拒絶し、かつ、本投資法人に更新を拒絶する正当事由がある場合に限り消滅します。借地権が消滅する場合、本投資法人は借地権者より時価での建物買取を請求される場合があります(借地借家法第13条、借地法第4条)。普通借地権の場合、借地権の期限到来時に更新拒絶につき上記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、借地権者より時価での建物買取を請求される場合においても、買取価格が本投資法人が希望する価格以下である保証はありません。
また、借地権者の財務状況が悪化した場合又は破産手続、再生手続若しくは更生手続その他の倒産手続の対象となった場合、借地契約に基づく土地の賃料の支払が滞る可能性があり、この延滞賃料の合計額が敷金及び保証金等で担保される範囲を超える場合は投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。借地契約では、多くの場合、賃料等の借地契約の内容について、定期的に見直しを行うこととされています。賃料の改定により賃料が減額された場合、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。借地権者は借地借家法第11条に基づく土地の借賃の減額請求をすることができ、これにより、当該底地から得られる賃料収入が減少し、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
⑯ 仮換地に関するリスク
本投資法人は、土地区画整理法に基づく土地区画整理事業において仮換地として指定されている土地を敷地とする建物又はこれを信託する信託の受益権を取得する場合があります。仮換地は将来の換地処分において換地と一致するとは限らないため、換地として当初想定していた土地と物理的に同一の土地に係る権利を最終的に取得できるという保証はありません。また、当該換地が従前地より狭いこともあるため、換地の使用価値又は資産価値が従前地のそれよりも小さいこともあります。
更に、仮換地には従前地の権利関係の影響が及ぶため、仮換地を対象とした売買契約又は賃貸借契約等を締結しても、売主が従前地について実際には所有権を有しておらず、あるいは担保権を設定している等の事情があると、仮換地に係る権利取得に支障が生じることになります。同様に、従前地が共有状態にあった場合には、これを単独所有のものとして取得できる保証はないことになります。更に、仮換地の取得時に従前地の権利関係に関する十分な情報を入手できないことも少なくありません。
また、換地処分の公告の日の翌日以降でなければ、仮換地に係る権利についての登記をすることができないため、相当期間かかる権利の取得について第三者に対する対抗要件を具備することができない可能性があります。
⑰ 開発物件に関するリスク
本投資法人は、規約に定める投資方針に従って、竣工後の物件を取得するために予め開発段階で売買契約を締結することがあります。かかる場合、既に完成した物件につき売買契約を締結して取得する場合とは異なり、様々な事由により、開発が遅延し、変更され、又は中止されることにより、売買契約どおりの引渡しを受けられない可能性があります。また、テナントが集まらず、予定された収益を上げられない可能性があります。これらの結果、開発物件からの収益等が本投資法人の予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、又は予定されていない費用、損害若しくは損失を本投資法人が負担し若しくは被る可能性があります。
⑱ 有害物質に関するリスク
本投資法人が土地又は土地の賃借権若しくは地上権又はこれらを信託する信託の受益権を取得する場合において、当該土地について産業廃棄物等の有害物質が埋蔵されている可能性があり、その場合には当該土地の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替えや洗浄が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務を負う可能性があります。
なお、土壌汚染対策法によれば、土地の所有者、管理者又は占有者は、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の特定有害物質による土地の土壌の汚染の状況について、都道府県知事により調査・報告を命ぜられることがあり、また、土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、都道府県知事によりその被害を防止するため必要な汚染の除去等の措置を命ぜられることがあります。この場合、本投資法人に多額の負担が生じる可能性があり、また、本投資法人は、支出を余儀なくされた費用について、その原因となった者やその他の者から常に償還を受けられるとは限りません。
また、本投資法人が建物又は建物を信託する信託の受益権を取得する場合において、当該建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材が使用されているか若しくは使用されている可能性がある場合やPCBが保管されている場合等には、当該建物の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために建材の全面的若しくは部分的交換が必要となる場合又は有害物質の処分若しくは保管が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務を負う可能性があります。
⑲ 不動産等を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
信託受託者が信託財産としての不動産、不動産の賃借権又は地上権を所有し管理するのは受益者のためであり、その経済的利益と損失は、最終的には全て受益者に帰属することになります。したがって、本投資法人は、不動産、不動産の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権の保有に伴い、前記①から⑱に記載されたリスクを、信託受託者を介して、不動産、不動産の賃借権又は地上権を直接所有する場合と実質的にほぼ同様に負担することになります。
信託契約上信託の受益権を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾を要求されるのが通常です。更に、不動産、不動産の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権については受益証券発行信託の受益証券でない限り私法上有価証券としての性格を有していませんので、債権譲渡と同様の譲渡方法によって譲渡することになり、有価証券のような流動性がありません。
信託法(大正11年法律第62号。その後の改正を含みますが、信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)による改正前のもの。)及び信託法(平成18年法律第108号。その後の改正を含みます。)上、信託受託者が倒産手続の対象となった場合に、信託の受益権の目的となっている不動産が信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託設定登記をする必要があり、仮にかかる登記が具備されていない場合には、本投資法人は、信託財産である不動産が当該信託の受益権の目的となっていることを第三者に対抗できない可能性があります。
また、信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、又は信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負うことにより、当該不動産を信託する信託の受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。
更に、信託契約上、信託開始時において既に存在していた信託財産としての不動産の欠陥、瑕疵等につき、当初委託者が信託財産の受託者に対し一定の瑕疵担保責任又は契約不適合責任を負担する場合に、信託財産の受託者が、かかる瑕疵担保責任又は契約不適合責任を適切に追及しない、又はできない結果、本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。
⑳ 信託の受益権の準共有等に関するリスク
不動産信託受益権が準共有されている場合、単独で保有する場合には存在しない種々の問題が生じる可能性があります。
準共有者は、原則として、他の準共有者の同意を得ることなく自己の準共有持分を処分することができ、したがって、本投資法人の意向に関わりなく他の準共有者が変更される可能性があります。これに対し、準共有者間の協定書等において、準共有者が準共有持分を処分する場合に他の準共有者に先買権若しくは優先交渉権を与え、又は一定の手続の履践義務等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人の知らない間に他の準共有者が変動するリスクは減少しますが、本投資法人がその準共有持分を処分する際に制約を受けることになります。
また、準共有者間で別段の定めをした場合を除き、準共有されている不動産信託受益権の変更にあたる行為には準共有者全員の合意を要し(民法第264条、第251条)、変更にあたらない管理は、準共有者の準共有持分の過半数で決定する(民法第264条、第252条)ものと考えられます。したがって、特に本投資法人が準共有持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営についての信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
更に、不動産信託受益権の準共有者が不動産信託受託者に対して有する信託交付金の請求権及び不動産信託受託者に対して負担する信託費用等の支払義務は、別段の合意のない限り、準共有される財産に関する債権債務として不可分債権及び不可分債務であると一般的には解されています。したがって、他の準共有者の債権者が当該準共有者の準共有持分の割合を超えて信託交付金請求権全部を差し押さえる可能性があり、また、他の準共有者が不動産信託受託者からの信託費用等の請求をその準共有持分の割合に応じて履行しない場合に本投資法人が請求された全額を支払わざるを得なくなる可能性があります。これらの場合、本投資法人は、差し押さえられた信託交付金請求権のうち自己の準共有持分に応じた金額の支払や支払った信託費用等のうち他の準共有者の準共有持分に応じた金額の償還を当該他の準共有者に請求することができますが、当該他の準共有者の資力の如何によっては、支払又は償還を受けることができない可能性があります。
㉑ フォワード・コミットメント等に係るリスク
本投資法人は、不動産又は不動産信託受益権を取得又は売却するにあたり、フォワード・コミットメント等を行うことがあります。フォワード・コミットメント等の場合には、契約締結後、決済・物件引渡しまでに一定の期間があることから、その間に市場環境等が変化し、当初の想定と異なる事情が生ずる可能性があります。
不動産売買契約が、不動産取得資金を調達できない場合等、買主の事情により解約された場合には、買主は債務不履行による損害賠償義務を負担することとなります。また、損害額等の立証にかかわらず、不動産又は不動産を信託する信託の受益権の売買価格に対して一定の割合の違約金が発生する旨の合意がなされることも少なくありません。また、本投資法人が売却を希望する不動産又は不動産を信託する信託の受益権を希望どおりの時期・条件で売却できない可能性があります。
これらの結果、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金等の支払により、本投資法人の財務状況が悪影響を受ける可能性があります。
㉒ 伝染病・疫病等の影響を受けるリスク
SARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)及びCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)による肺炎などの伝染病・疫病等の国内外における流行等の外的要因により、不動産の正常な運営、管理等が妨げられたり、来訪者の減少等により不動産の収益性が低下し、その結果、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
特に、昨今新型コロナウイルス感染症が世界的に蔓延していることにより様々な影響が生じています。新型コロナウイルス感染症等が本投資法人の不動産関連資産において発生した場合、当該不動産関連資産の運営を一時的に停止せざるを得なくなるほか、テナントの収益悪化により賃料支払が滞ったり、賃料減額請求を受ける可能性や、テナント退去による空室リスクが顕在化する可能性があります。また、長期的にはオフィススペース需要の低下等に伴う資産価値の下落が生じる可能性があります。
加えて、本投資法人の不動産関連資産の修繕に必要な資材の調達や修繕工事に時間を要し、本投資法人が必要と考える修繕等が適時に行えない可能性があります。
(ホ) 税制に関するリスク
① 導管性要件に関するリスク
税法上、投資法人に係る課税の特例規定により、一定の要件(導管性要件)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、利益の配当等を投資法人の損金に算入することが認められています。
投資法人の主な導管性要件
支払配当要件配当等の額が配当可能利益の額の90%超であること
(利益を超えた金銭の分配を行った場合には、金銭の分配の額が配当可能額の90%超であること)
国内50%超募集要件投資法人規約において、投資口の発行価額の総額のうちに国内において募集される投資口の発行価額の占める割合が50%を超える旨の記載又は記録があること
借入先要件機関投資家(租税特別措置法第67条の15第1項第1号ロ(2)に規定するものをいいます。次の所有先要件において同じです。)以外の者から借入れを行っていないこと
所有先要件事業年度の終了のときにおいて、発行済投資口が50人以上の者によって所有されていること又は機関投資家のみによって所有されていること
非同族会社要件事業年度の終了のときにおいて、投資主の1人及びその特殊関係者により発行済投資口総数あるいは議決権総数の50%超を保有されている同族会社に該当していないこと
会社支配禁止要件他の法人の株式又は出資の50%以上を有していないこと(匿名組合出資を含み、一定の海外子会社の株式又は出資を除く。)

本投資法人は、導管性要件を満たすよう努める予定ですが、今後、更正処分等による多額の過年度法人税等の発生、本投資法人の投資主の異動、分配金支払原資の制限・不足、資金の調達先、借入金等の定義の不明確性、税務当局と本投資法人との見解の相違、法律の改正、その他の要因により導管性要件を満たすことができない可能性があります。本投資法人が導管性要件を満たすことができなかった場合、利益の配当等を損金算入することができなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、導管性要件に関する取扱いに関して、税務当局との見解の相違により更正処分を受け、過年度における導管性要件が事後的に満たされなくなる可能性があります。このような場合には、本投資法人が過年度において行った利益の配当等の損金算入が否認される結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、規約における投資方針において、その有する特定資産の価額の合計額に占める特定不動産の価額の合計額の割合を75%以上とすること(規約別紙1「資産運用の対象及び方針 3. 投資態度 (6)」)としています。本投資法人は、上記内容の投資方針を規約に定めること、及びその他の税法上の要件を充足することを前提として、直接に不動産を取得する場合の不動産流通税(登録免許税及び不動産取得税)の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更された場合には、軽減措置の適用を受けることができない可能性があります。
④ 一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、不動産信託受益権その他本投資法人の資産に関する税制若しくは本投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資口に係る利益の配当、資本の払戻し、譲渡等に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資口の保有又は売却による投資主の手取金の額が減少し、又は税務申告等の税務上の手続面での負担が投資主に生じる可能性があります。
(ヘ) その他
① 専門家報告書等に関するリスク
不動産の鑑定評価額及び不動産の価格調査による調査価格は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正な不動産の価格と一致するとは限りません。同じ物件について鑑定、調査等を行った場合でも、不動産鑑定士等、評価方法又は調査の方法若しくは時期によって鑑定評価額、調査価格の内容が異なる可能性があります。また、かかる鑑定等の結果は、現在及び将来において当該鑑定評価額や調査価格による売買の可能性を保証又は約束するものではありません。
建物状況調査レポート及び地震リスク分析レポート等は、建物の評価に関する専門家が、設計図書等の確認、現況の目視調査及び施設管理者への聞き取り等を行うことにより、現在又は将来発生することが予想される建物の不具合、必要と考えられる修繕又は更新工事の抽出及びそれらに要する概算費用並びに再調達価格の算出、並びに建物の耐震性能及び地震による損失リスク等を検討した結果を記載したものであり、不動産に欠陥、瑕疵等が存在しないことを保証又は約束するものではありません。
また、不動産に関して算出されるPML値も個々の専門家の分析に基づく予想値にすぎません。PML値は、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる可能性があります。
② 固定資産の減損に係る会計基準の適用に伴うリスク
固定資産の減損に係る会計基準の適用により、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、一定の条件の下で回収可能額を反映させるように固定資産の帳簿価額を減額する会計処理(減損処理)を行うこととなっており、今後、本投資法人の保有する不動産等の市場価格及び収益状況によっては減損処理を行う可能性があり、会計上減損損失が発生し、本投資法人の損益に影響を及ぼす可能性があります。
③ 特定目的会社の優先出資証券への投資に係るリスク
本投資法人はその規約に基づき、資産流動化法に基づく特定目的会社がその資産の2分の1を超える額を不動産等に投資することを目的とする場合、その優先出資証券への投資を行うことがあります。かかる優先出資証券への投資を行う場合にも、本投資法人は、税法上の導管性要件に抵触することなく保有する意向です。また、規約に基づき中長期の安定運用を図ることを目標として運用を行うため、取得した優先出資証券につき短期間でその売却を行うことは意図していません。ただし、売却する方が本投資法人にとってより経済的な合理性があると判断される場合、その売却を行うことがあります。しかしながら、優先出資証券については確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、したがって売却を意図してもその売却が困難な場合があり、又は、予定より低い価額での売買を余儀なくされる可能性があります。また、特定目的会社の投資する不動産に係る収益が悪化した場合や当該不動産の価値が下落した場合又は特定目的会社の開発する不動産が予想した価格で売却できない場合、更には導管体である特定目的会社において意図されない課税が生じた場合等には、当該特定目的会社の発行する優先出資証券に投資した本投資法人が当該優先出資証券より得られる運用益や分配される残余財産の減少等により損害を被る可能性があります。
④ 取得予定資産の取得ができないリスク及び譲渡予定資産の譲渡ができないリスク
本投資法人は、前記「1投資法人の概況(1)主要な経営指標等の推移 b.事業の状況(ニ)決算後に生じた重要な事実 <参考情報>資産の取得について」に記載の取得予定資産の取得を予定しています。
しかし、本書の日付以後、取得予定資産に係る売買契約において定められた前提条件が成就しない場合等においては、取得予定資産を取得することができない可能性があります。この場合、本投資法人は、代替資産を取得するための努力を行う予定ですが、短期間に投資に適した資産を取得できる保証はなく、短期間に資産を取得できず、かつ、かかる資金を有利に運用できない場合には、投資主に損害を与える可能性があります。
また、本投資法人は、前記「1投資法人の概況(1)主要な経営指標等の推移 b.事業の状況(ニ)決算後に生じた重要な事実 資産の譲渡について」に記載の譲渡予定資産の譲渡を予定していますが、譲渡予定資産について締結された売買契約書において定められた条件が成就しない場合等においては、譲渡予定資産を譲渡できない可能性や予定していた時期に譲渡できない可能性があります。この場合、本投資法人が企図していた譲渡代金による借入金の返済や将来の資産の取得等ができない場合には、投資主に損害を与える可能性があります。
b. 投資リスクに対する管理体制
本投資法人は、以上のようなリスクが投資リスクであることを認識しており、その上でこのようなリスクに最大限対応できるよう以下のリスク管理体制を整備しています。
しかしながら、当該リスク管理体制については、十分な効果があがることを保証されているものではなく、リスク管理体制が適切に機能しない場合、投資主に損害が及ぶ可能性があります。
リスク管理体制
本投資法人は、投信法に基づき適法に設立されており、本書の日付現在においては執行役員1名及び監督役員3名から構成される役員会により運営されています。これらの役員は欠格事由にあたらないほか、監督役員はいずれも本資産運用会社又はその利害関係者から独立した地位にあり、投信法の規定する水準以上の透明性の高い運営を行うよう努め、同時にリスク管理に努めています。
本投資法人は、業務執行の意思決定及び執行役員に対する監督機関としての役員会が十分に機能し、執行役員が本投資法人のために忠実にその職務を遂行するよう努めています。役員会においては、本資産運用会社が執行する資産運用に係る重要な事項は、本資産運用会社からの報告事項とし、更に利害関係者との取引については、投信法第201条の2の規定に基づき本投資法人の役員会による承認及び本投資法人の同意が必要な取引に加え、同規定に該当しなくとも資産の取得・売却及びその媒介又は代理、不動産管理委託、1,000万円超の工事の発注、物件の賃貸に関しては、役員会の承認事項とすることにより利益相反取引に関して、本資産運用会社への一定の牽制体制を構築しています。
一方、本資産運用会社は、リスク管理規程により本投資法人を取り巻くリスクを認識して、各部門における日常業務遂行上のリスク管理のほかに取締役会における運用リスク管理状況報告等を通じてリスク管理体制の構築を図っています。また、このリスク管理体制を補完してリスク管理の実効性を高めるために、リスク管理に関する審議機関としてリスク管理委員会を設置しています。
原則として資産の取得や資産の運用に係る一定の重要事項については、代表取締役社長、議案を立案した本部長、財務経営本部長、特別委員にて構成される投資政策委員会(デューデリジェンス小委員会を含みます。)にて意思決定する旨定めています。なお、特別委員(特別委員が指名する代理権者を含みます。)は本資産運用会社及び本投資法人と利害関係のない第三者に委託するものとしており、現在は外部の不動産鑑定士を選定しています。
また、本資産運用会社に設置しているコンプライアンス委員会においては、現在は外部の弁護士を特別委員として選任して、上記に記載の本投資法人と利害関係者間の取引に当たっては、事前にその妥当性や合理性の検証を行った上で本投資法人の役員会の承認を得ることとしています。なお、特別委員は独立した社外の有識経験者等としています。また、各委員会の内容については、前記「1 投資法人の概況 (4)投資法人の機構 c. 投資運用の意思決定機構」をご参照下さい。
上記のとおり、本投資法人及び本資産運用会社においては、投信法に定める利害関係人等に関連した行為準則の水準を越える厳格な利益相反の防止体制を整え、リスク管理体制を徹底しています。
このように、投資リスクに対しては、本投資法人及び本資産運用会社の重層的かつ相互牽制的な検証システムを通じ、実効性のあるリスク管理体制を整備し、最大限の効果の発揮に努めています。なお、個別のリスクに関する管理体制については、前記「a. リスク要因」の各記載も適宜ご参照下さい。

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