有価証券報告書(内国投資証券)-第25期(平成28年9月1日-平成29年2月28日)
(1)【投資方針】
① 基本理念
(イ)原則として、福岡・九州地域を投資対象エリアとします。
(ロ)不動産業の特徴である地域性(ローカル性)を強みとして、上記投資対象エリアの賃貸不動産に投資を行い、中長期的に安定した収益を投資主に提供し、投資主利益の最大化を目指します(Our Mission)。
(ハ)九州、とりわけ福岡都市圏に重点を置いて、福岡・九州地域の個別事情に精通した本資産運用会社の情報力とノウハウを活かして運用を行います(Act Local)。
この結果、本投資法人は、a.情報の早さ・厚み
b.地元マーケット感覚(物件情報、土地の特性、テナント情報等の素早いキャッチ)
c.行政・経済界等との強力な地元ネットワーク
d.地元に長期コミットした不動産管理体制(迅速な意思決定に基づくリスク対応)
等の強みを発揮することができ、中長期的に安定的な収益を確保しつつ投資主の利益の最大化を図ります。
(ニ)不動産や金融市場について常に日本全体、そして世界全体の動きを見極め、グローバルな発想で資本市場の論理を徹底して資産運用に反映していきます。また、常に投資家との対話を心がけ、説明責任を果たすことに重点をおき、厳しいコンプライアンス遵守の下、投資家のために本資産運用会社のファンドマネジメントスキルを活用していきます(Think Global)。
② 投資対象とその取得方法
本投資法人は、「成長余力の高いマーケット」と「競争優位を発揮できる得意分野」の重なる領域を投資対象とするという基本的な考え方に基づいて投資を行います。
(イ)投資対象エリア
原則として、福岡・九州地域に投資を行いますが、その中でも特に福岡都市圏に過半を投資します。
(注1)福岡都市圏とは、福岡市及び総務省統計局平成22年国勢調査「常住地による従業・通学市区町村,男女別15歳以上就業者数及び15歳以上通学者数(15歳未満通学者を含む通学者-特掲)」に基づき、福岡市に10%以上の人口が通勤通学している市町村をいいます。
(注2)その他九州地域とは、福岡都市圏を除く福岡・九州地域をいいます。
(ロ)投資タイプ
投資対象エリアを限定していることから、本投資法人は、投資タイプについては柔軟にあらゆる物件を対象とします(総合型)。これにより、オフィスビルと商業施設ではリスク・リターンが異なるため、分散を図ることができますが、本投資法人は、特に商業施設に重点的に投資を行います。
商業施設は、その生み出す収益性が消費に支えられており、必ずしも地価動向と連動しないという特性を有し、また、福岡地所グループの開発力及び運営力を最も活用することができる投資対象です。
a.商業施設
本投資法人は、(ⅰ)アーバン(都心型)、(ⅱ)リージョナル(郊外広域型)及び(ⅲ)コミュニティ(生活圏型)の3つのカテゴリーに商業施設を分類し、当該カテゴリーを中心に投資を行います。
(注)徒歩、自動車、バス、鉄道等、各種交通機関を活用した対象物件までのアクセス時間をいいます。
本投資法人は、アーバン、リージョナル、コミュニティのいずれの商業施設についても、来場者に買い物プラスアルファを提供できるエンターテイメント性、デザイン性に優れているエンターテイメント型商業施設を投資の中心に据えていきます。
消費者のライフスタイルの変化と共にショッピングセンターの役割も単に「モノを売る場」から、レジャー施設として「時間を提供する場」として着目されるようになっています。デザインに凝ったユニークな外観を有し、テナントとしてシネマコンプレックスやゲームアミューズメント施設、話題性のあるレストランやカフェを積極的に導入し、レジャー性や非日常的な感覚を重視した商業施設がエンターテイメント型商業施設と称されています。エンターテイメント型商業施設においては、店舗内に子どもの遊び場が設置され、図書館の要素を兼ね備える書店などエンターテイメント性が高いテナントが集められ、商業施設に出かけること自体が家族にとって一つのレジャーとなる工夫が施されています。
とりわけエンターテイメント型商業施設においては、モールディベロッパー(商業施設開発者)兼モールオペレーター(商業施設運営者)の役割として、①エンターテイメント性を強く持つテナントを核としたテナントリーシング、②絶え間ないイベント開催、③アメニティ性の高い空間デザイン・建築デザイン、④インターネット・ポイントカードを活用した顧客とのコミュニケーションツールの開発等が重視されます。一般的にモールディベロッパーの成否を計る判断基準として「売上」が挙げられますが、エンターテイメント型商業施設にとっては「集客力」がモールディベロッパーの力量を表す主要指標といえ、集客力向上のための有効な施策をいかに持続できるかが評価に直結します。
本投資法人は、エンターテイメント性を競合施設に対抗する差別化要因として中心に据えることで、顧客満足度の向上、高い集客数の維持、テナントの売上向上、賃料の安定性へ繋がる好循環を目指した施設を投資対象とします。
また、多様なテナントや機能を集積し、ワンストップ・ショッピングを実現させた日常・利便性を備えたコミュニティショッピングセンターのニーズが九州において高まっていることも考慮し、本投資法人は、既存大規模商業施設で築年が経過している物件(リニューアル等による物件の競争力強化策等も視野に入れます。)や中小規模のコミュニティショッピングセンターについては、物件の競争力とキャッシュ・フローの中長期的な安定性を勘案し投資を行います。
b.オフィスビル
投資対象は、(ⅰ)Aクラス(立地・規模・スペック・築年数等の各要素について本投資法人独自の取得基準を満たす優良物件をいいます。)、及び(ⅱ)セール・アンド・リースバックに大別されます。
(ⅰ)Aクラス
投資対象エリアのオフィスビル市場における立地・規模・スペック・築年数等でカテゴリー分けしたAクラスと中小ビルを比較すると、Aクラスビルは総じて、十分に安定した収益を生み出すことができると判断しています。本投資法人は、立地・規模・スペック・築年数等の各要素について設けた独自の取得基準(Aクラス基準)によって物件を選別し、中長期的にオフィスビルとしての競争優位性を発揮しうる優良物件に限定して投資を行います。
(ⅱ)セール・アンド・リースバック
地域内の優良企業の本支店(又は店舗)等の物件を本投資法人が購入し、中長期的な賃貸借契約を締結してオリジネーターの継続的利用を可能にする、いわゆるセール・アンド・リースバック案件についても取組みます。セール・アンド・リースバックについては、建物自体がAクラスではない場合でも、一棟貸しテナントのクレジットやテナントとの契約内容(期間・中途解約条項・賃料更改条件)によっては投資対象とします。
c.その他
(ⅰ)ホテル
ホテル市場は競争の激しいマーケットですが、投資対象エリアにおいては、近年では韓国、台湾、中国といったアジア諸国からの観光客数も増加しており、将来性のある市場です。
ホテル物件においては、ロケーションや建物の質の他に、ホテルオペレーターの力量がその価値に大きく影響します。ホテルは、物件の評価だけでなく、オペレーターの質並びに賃貸借契約及びマネジメント契約の仕組みをよく吟味し、長期的に安定したキャッシュ・フローを生み出せる物件に投資を行います。
(ⅱ)住居
福岡県の持家比率は全国平均を大幅に下回っている状況であり、さらに、福岡都市圏は若年層の人口流入を背景にして安定的に高い人口成長率を示しています。このような背景から福岡都市圏は、特にファミリー向け及び単身者向けの賃貸マンション市場の安定した需要に裏付けされた市場です。また、投資対象エリア内の県庁所在地やそれに準ずるエリアには賃貸住宅として安定収入を確保できる区域があります。このように、本投資法人は、住居についてロケーションを最も重要な要素として考え、その他規模、収益性等を総合的に判断の上個別に物件を選別し、優良物件に限定して投資を行います。なお、投資効率及び運用効率を勘案し、住戸単位での投資は行わないものとします。
(ⅲ)物流施設
大消費地周辺及び配送拠点として利便性の高いエリア等物流適地の物流施設に対する需要は底堅く、長期的に安定したキャッシュフローが期待できる状況にあります。物流施設においては、優良なロケーション又はテナントとの長期契約を基本とし、物流施設運営会社及び物流会社との良好なネットワークを構築し、中長期的に安定したキャッシュ・フローが見込まれる物件に投資を行います。
(ⅳ)公共施設等
公共施設、駐車場、ターミナル施設等についても、ロケーション、築年数、契約条件など総合的に勘案し、安定したキャッシュ・フローが見込まれる物件に対して投資を行います。
(ハ)投資対象の取得手法
a.本資産運用会社の出資企業(以下「スポンサー会社」といいます。)との広範な連携による物件取得
本投資法人は、スポンサー会社と広範な連携を行い、安定収益の確保及び運用資産の着実な成長を目指します。スポンサー会社とは、本投資法人の資産運用会社の出資企業を意味し、具体的には、福岡地所株式会社、九州電力株式会社、ロイヤルホールディングス株式会社、株式会社福岡銀行、株式会社西日本シティ銀行、西日本鉄道株式会社、西部瓦斯株式会社、株式会社九電工、九州旅客鉄道株式会社及び株式会社日本政策投資銀行をいいます。
本投資法人は、スポンサー会社が保有・開発する物件に関して、安定的かつ継続的な物件の取得機会を模索していきます。
このため、福岡地所株式会社とは、本投資法人及び本資産運用会社との間で、パイプライン・サポートに関する契約書を締結しています。
なお、利害関係者から不動産資産を取得する場合には、自主ルールとして策定した利益相反対策ルールを遵守します。
b.市場からの物件取得
本投資法人は、スポンサー会社の取引先等スポンサー会社のネットワークも活用し、更なる物件の取得機会を追求していきます。
即ち、本資産運用会社及びスポンサー会社の情報力、地域金融機関との連携並びに当該地域との近接性及び関係性等を活用し、市場における一般物件(地元事業会社の本支店、営業店舗、物流施設等)や地方公共団体、更には第三セクターが所有する不動産資産に関しても、関連情報の収集・分析や不動産資産を保有する事業者等への提案活動等を通じて、取得機会の積極的な確保に取り組みます。
c.福岡地所グループのサポートによる新規開発物件の取得
本投資法人は、九州全域における総合ディベロッパーとしての高い開発・運営力を有する福岡地所株式会社を中心とする福岡地所グループのサポートを受けて、新規開発物件の取得を進めます。福岡地所グループが投資対象地域内において商業施設等の新規開発を行い、着実な施設運営により早期に事業基盤を確立、安定的な賃貸事業収入の確保を実現させた時点で、未稼働不動産、建設予定、建設中の不動産であっても下記条件を満たしている場合には不動産売買契約を締結することができるものとします。
(ⅰ)竣工後の引渡しを条件とし、建物の完工・引渡しリスクを排除していること。
(ⅱ)開発用地のリスク(土壌汚染等)について対応済みであること。
(ⅲ)竣工後の建物の遵法性等のリスクを負わないこと。
具体的には、本投資法人が、福岡地所グループとの間で商業施設等の開発プログラムを組成し、新規に土地を選定、建物の企画・建設・テナントリーシング等、事業を組み立てて、投資対象となり得る優良物件を開発・取得していきます。
d.外部ディベロッパー等とのタイアップによる新規開発案件の取得
本投資法人は、以下の条件を満たしている場合には、未稼働不動産、建設予定、建設中の不動産であっても不動産売買契約を締結することができるものとします。
なお、当該契約の締結に関しては、解約条件、特に解約違約金の定めの有無及び額などを検討し、本投資法人の財務に対して重要な影響を与える可能性についても慎重に検討するものとします。
(ⅰ)稼働又は竣工後のテナントの入居が十分に見込まれ、安定的な収益の確保が見込まれること。
(ⅱ)竣工後の引渡しを条件とし、建物の完工・引渡しリスクを排除していること。
(ⅲ)開発用地のリスク(土壌汚染等)については対応済みであり、かつ、竣工後の建物の遵法性等のリスクを負わないこと。
③ ポートフォリオ構築方針
(イ)物件投資基準
個々の物件の選別にあたっては、下表に記載する投資基準に従い、十分に調査を実施し、総合的な検討を行った上で、投資を決定します。
(注)匿名組合出資持分や不動産対応証券等への投資においては、投資効率(費用対効果、配当効率、投資インパクト等)を勘案し適当と考えられる金額以上であれば、当該資産に投資を行います。この場合、出口リスク等これらの投資特有のリスクを十分考慮するものとします。
(ロ)物件運用基準
a.プロパティマネジメント(PM)業務
取得不動産の所在地、用途、物件売却主の状況等に鑑み、個別の物件の管理を行うに最適なPM会社を選択します。特にマルチテナントの商業施設のPM会社については、スポンサーである福岡地所グループからの選定を想定しています。マルチテナントの商業施設のPM業務には単なる物件管理を超えて、商業施設としての価値を持続するための販売促進の企画、イベントの実行、テナントミックスの企画、テナントの積極的入替えの実施、売上金管理、駐車場管理・運営など、多岐にわたる業務が含まれており、福岡地所グループはこれらの業務について極めて高い能力を保有しています。ただし、その報酬の設定方式については、インセンティブフィーの導入等により、投資主の利益のために努力する仕組みを設定しています。また、本資産運用会社は、PM会社のパフォーマンスチェックを定期的に行い、そのパフォーマンスが悪い場合はPM会社を入れ替える権利を確保しています。
その他のオフィスビル等については、物件売却主を中心に最も効率が良いPM会社を個別に選定しますが、いずれの場合でも、投資主の利益に繋がる物件管理やリーシングが実行可能な体制の構築に最大限努力しています。
b.賃貸借契約形態
商業施設のテナント賃貸借契約は、長期固定の賃貸借契約とすることを原則とします。ただし、アーバン、リージョナルのカテゴリーにおいては、賃貸期間に弾力性を持たせることや定期借家契約の導入等により、消費者のニーズを反映できるテナント入替えを行えるように運用します。また、売上歩合型の賃貸借契約を組み合わせることにより、景気拡大時の賃料収入増額も可能となる仕組みも取り入れています。
c.追加投資及びリニューアル
物件の価値の維持・向上に必要な追加投資やリニューアルは積極的に行います。特に商業施設については、施設の老朽化のみならず、消費者ニーズの変化に対応し、より魅力ある施設であり続けるためのリニューアルや追加投資を行います。また、商業施設の増築により資産価値向上の可能性がある場合には、追加投資を行います。
(ハ)デュー・ディリジェンスに基づく物件選定
本投資法人は、投資不動産の選定にあたり、個別物件毎に予想収益及び立地する地域の将来性等の経済的調査、建物状況及び耐震性能等の物理的調査並びに権利関係等の法的調査を詳細に実施し、当該物件の価値を見極めた上で、ポートフォリオ全体への影響や価値向上への寄与度等を総合的に判断し取得の可否を決定します。
デュー・ディリジェンスに際しては、弁護士、公認会計士、不動産鑑定士、一級建築士、商圏調査会社等の専門家に調査を依頼し、多面的な視点から精緻な調査を実施します。
また、地元の強みを活かして、過去及び将来の街の変遷等を考慮に入れた質の高い市場分析をはじめ、現地調査や建物管理担当者等へのヒアリング、物件や入居テナント等に関する草の根レベルでの情報収集等も独自に展開し、より的確な投資判断を行うことを目指します。
(ニ)付保方針
a.火災、事故等のリスク対応
火災等の災害や事故等により生じる建物の損害や収益の減少、第三者からの損害賠償請求等、物件の収支を悪化させる様々なリスクが物件に応じ存在します。本投資法人は、物件の特性を踏まえ、損害保険への加入によって回避することができるリスクは原則として損害保険に加入することによりリスクを回避します。付保にあたっては、保険料、免責額、キャッシュリザーブ等、費用対効果を総合的に吟味して判断を行います。
b.地震リスク対応
ポートフォリオPMLが10%を超えた場合、又は個別PMLが15%を超えている物件がある場合、地震保険の付保を検討します。本投資法人は、投資対象エリアの地震リスク、保険料、免責額、キャッシュリザーブ、費用対効果等を総合的に吟味し、地震保険への加入を検討します。
(ホ)売却方針
本投資法人は、運用資産の長期保有を前提としていますが、中長期的には、個別物件の将来性、市場動向、資本市場環境等を勘案したリスク・リターンを考え、物件を売却しポートフォリオを組み直す方がよいと考えられる場合には、個別に物件を売却することもあります。具体的には、下記の事象が発生した場合、売却の検討を行うこととします。
a.戦略的に売却を行うことが投資主の利益になると判断される場合
b.戦略的に物件を保有し続ける意義が薄れた場合
(へ)財務方針
a.借入れ及び投資法人債発行
(ⅰ)基本方針
資産の効率的な運用を図るため、資産の取得資金、工事代金、敷金・保証金の返済、分配金の支払、本投資法人の費用の支払、借入金及び投資法人債の債務の履行を含む債務の返済及び運転資金等を使途として、借入れ又は投資法人債(短期投資法人債を含みます。以下同じです。)の発行を行います。ただし、短期投資法人債の発行により調達した資金の使途又は目的については、法令に定める範囲に限られるものとし、借入金と投資法人債を合わせた限度額は、1兆円を超えないものとします。
また、安定した資金調達を実現するため金融機関との良好な関係を構築し、将来の金融環境変化による影響を軽減しつつ、低廉な資金調達コストを実現することで、財務体質の健全性を高めていきます。
(ⅱ)調達方針
基本方針に基づき、資金の借入れ及び投資法人債の発行を行う場合は、資本市場及び金融環境を総合的に考慮し、調達方法、調達期間及び固定・変動の金利形態、調達コストといった個別の条件を検討します。加えて、固定・変動金利の比率、返済期限の分散、調達コスト等本投資法人の有利子負債全体のバランスを勘案した上で効率的で有効的な資金調達を図ります。
(ⅲ)借入先
借入れを行う場合、借入先は金融商品取引法第2条第3項第1号に規定する適格機関投資家(租税特別措置法(昭和32年法律第26号。その後の改正を含みます。以下「租税特別措置法」といいます。)第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)に限るものとします。
(ⅳ)有利子負債比率
総資産に対する借入金及び投資法人債の合計額の残高の割合(以下「有利子負債比率」といいます。)は、原則として60%を上限の目処として運用します。ただし、資産の取得に伴い、一時的に60%を超えることがあります。
(ⅴ)デリバティブ取引
本投資法人は、本投資法人の負債から生じる金利変動リスクその他のリスクをヘッジするため、デリバティブ取引を行うことがあります。
(ⅵ)融資極度等
本投資法人は、運用資産の新規購入、テナント預り金等の返還又は運転資金等の資金需要への機動的な対応を目的として、コミットメントライン契約等の、事前の融資極度設定又は随時借入れの予約契約(以下、両者を併せて「融資極度等」と総称します。)を締結することがあります。
(ⅶ)担保差入れ
借入れ又は投資法人債の発行を行う場合、本投資法人は、運用資産を担保として提供することができます。
b.募集投資口の発行
(ⅰ)発行手続
本投資法人は、資金の手当を目的として、役員会の承認を得た上で、募集投資口の発行を行うことができます。
(ⅱ)発行額
募集投資口の発行は、有利子負債比率等の本投資法人の財務状態を考慮し、投資口の希薄化にも配慮の上行います。
c.現預金等の管理方針
(ⅰ)現預金の保有額
本投資法人は、諸々の資金需要(修繕及び資本的支出、分配金の支払、小口債務の返済、本投資法人の運営に関わる運転資金、テナント預り金等の返還又は運用不動産の新規購入等)に対応するため、融資極度等の設定状況も勘案した上で、資金の効率化を念頭において現預金を常時保有します。
(ⅱ)余資の運用方法
本投資法人は、余資の運用を目的として、有価証券又は金銭債権に投資することがあります。その場合、金利環境及び資金繰りを十分に考慮し、安全性と換金性を重視して投資対象を選定します。
① 基本理念
(イ)原則として、福岡・九州地域を投資対象エリアとします。
(ロ)不動産業の特徴である地域性(ローカル性)を強みとして、上記投資対象エリアの賃貸不動産に投資を行い、中長期的に安定した収益を投資主に提供し、投資主利益の最大化を目指します(Our Mission)。
(ハ)九州、とりわけ福岡都市圏に重点を置いて、福岡・九州地域の個別事情に精通した本資産運用会社の情報力とノウハウを活かして運用を行います(Act Local)。
この結果、本投資法人は、a.情報の早さ・厚み
b.地元マーケット感覚(物件情報、土地の特性、テナント情報等の素早いキャッチ)
c.行政・経済界等との強力な地元ネットワーク
d.地元に長期コミットした不動産管理体制(迅速な意思決定に基づくリスク対応)
等の強みを発揮することができ、中長期的に安定的な収益を確保しつつ投資主の利益の最大化を図ります。
(ニ)不動産や金融市場について常に日本全体、そして世界全体の動きを見極め、グローバルな発想で資本市場の論理を徹底して資産運用に反映していきます。また、常に投資家との対話を心がけ、説明責任を果たすことに重点をおき、厳しいコンプライアンス遵守の下、投資家のために本資産運用会社のファンドマネジメントスキルを活用していきます(Think Global)。
② 投資対象とその取得方法
本投資法人は、「成長余力の高いマーケット」と「競争優位を発揮できる得意分野」の重なる領域を投資対象とするという基本的な考え方に基づいて投資を行います。
(イ)投資対象エリア
原則として、福岡・九州地域に投資を行いますが、その中でも特に福岡都市圏に過半を投資します。
| 地域 | 投資比率 |
| 福岡都市圏(注1) | 60~90% |
| その他九州地域(注2) | 10~30% |
| その他 | 0~10% |
(注1)福岡都市圏とは、福岡市及び総務省統計局平成22年国勢調査「常住地による従業・通学市区町村,男女別15歳以上就業者数及び15歳以上通学者数(15歳未満通学者を含む通学者-特掲)」に基づき、福岡市に10%以上の人口が通勤通学している市町村をいいます。
(注2)その他九州地域とは、福岡都市圏を除く福岡・九州地域をいいます。
(ロ)投資タイプ
投資対象エリアを限定していることから、本投資法人は、投資タイプについては柔軟にあらゆる物件を対象とします(総合型)。これにより、オフィスビルと商業施設ではリスク・リターンが異なるため、分散を図ることができますが、本投資法人は、特に商業施設に重点的に投資を行います。
商業施設は、その生み出す収益性が消費に支えられており、必ずしも地価動向と連動しないという特性を有し、また、福岡地所グループの開発力及び運営力を最も活用することができる投資対象です。
| 用途 | 投資比率 | 主な投資対象 |
| 商業施設 | 60~80% | アーバン、リージョナル、コミュニティ |
| オフィスビル | 20~40% | Aクラス、セール・アンド・リースバック |
| その他 | 0~20% | ホテル、住居、物流施設、公共施設等 |
a.商業施設
本投資法人は、(ⅰ)アーバン(都心型)、(ⅱ)リージョナル(郊外広域型)及び(ⅲ)コミュニティ(生活圏型)の3つのカテゴリーに商業施設を分類し、当該カテゴリーを中心に投資を行います。
| カテゴリー | 定義(特徴) | 主な投資ポイント | 規模(延床面積)・ 商圏人口の目安 |
| アーバン (都心型) | ・都心繁華街に立地(福岡市天神・大名エリア等) ・ファッションストリート(路面店)、百貨店、大型専門店、情報発信型複合商業施設 | ・立地の繁華性・希少性の高さ及びその持続力 ・テナントのブランド力や独自集客力の強さ | ・8,000㎡以上(ただし、路面店は1,000㎡以上) ・商圏人口100万人規模(基本商圏は時間距離(注)30分程度) |
| リージョナル (郊外広域型) | ・郊外広域集客型ショッピングセンター(スーパーリージョナルモール)(100店規模の専門店モールとGMS(百貨店)等の核テナント、アミューズメント機能を有する。) | ・車でのアクセスが容易な幹線道路に近い立地 ・商圏において優位性を持つ規模の有無 ・魅力的でバリエーションに富む専門店テナントの顔ぶれ | ・40,000㎡以上 ・商圏人口20万人規模(基本商圏は5km程度) |
| コミュニティ (生活圏型) | ・生活密着型で最寄品主体の品揃えを持つショッピングセンター ・ロードサイドのカテゴリーキラー ・生鮮スーパーを核に書店・飲食・スポーツクラブを複合したネイバーフッドショッピングセンター | ・商圏住民のボリュームと質、隣接幹線道路の交通量と駐車場整備状況 ・生活密着型のテナントを複数配したショッピングセンター(ネイバーフッドショッピングセンター)の場合、生鮮スーパーの競争力 ・ロードサイドの場合、個々のテナントの競争力、信用力並びに賃貸借契約の内容 ・建物の汎用性、周辺競合状況も勘案したリテナントの可能性 | ・5,000㎡以上 ・商圏人口5万人規模(基本商圏は3km程度) |
(注)徒歩、自動車、バス、鉄道等、各種交通機関を活用した対象物件までのアクセス時間をいいます。
本投資法人は、アーバン、リージョナル、コミュニティのいずれの商業施設についても、来場者に買い物プラスアルファを提供できるエンターテイメント性、デザイン性に優れているエンターテイメント型商業施設を投資の中心に据えていきます。
消費者のライフスタイルの変化と共にショッピングセンターの役割も単に「モノを売る場」から、レジャー施設として「時間を提供する場」として着目されるようになっています。デザインに凝ったユニークな外観を有し、テナントとしてシネマコンプレックスやゲームアミューズメント施設、話題性のあるレストランやカフェを積極的に導入し、レジャー性や非日常的な感覚を重視した商業施設がエンターテイメント型商業施設と称されています。エンターテイメント型商業施設においては、店舗内に子どもの遊び場が設置され、図書館の要素を兼ね備える書店などエンターテイメント性が高いテナントが集められ、商業施設に出かけること自体が家族にとって一つのレジャーとなる工夫が施されています。
とりわけエンターテイメント型商業施設においては、モールディベロッパー(商業施設開発者)兼モールオペレーター(商業施設運営者)の役割として、①エンターテイメント性を強く持つテナントを核としたテナントリーシング、②絶え間ないイベント開催、③アメニティ性の高い空間デザイン・建築デザイン、④インターネット・ポイントカードを活用した顧客とのコミュニケーションツールの開発等が重視されます。一般的にモールディベロッパーの成否を計る判断基準として「売上」が挙げられますが、エンターテイメント型商業施設にとっては「集客力」がモールディベロッパーの力量を表す主要指標といえ、集客力向上のための有効な施策をいかに持続できるかが評価に直結します。
本投資法人は、エンターテイメント性を競合施設に対抗する差別化要因として中心に据えることで、顧客満足度の向上、高い集客数の維持、テナントの売上向上、賃料の安定性へ繋がる好循環を目指した施設を投資対象とします。
また、多様なテナントや機能を集積し、ワンストップ・ショッピングを実現させた日常・利便性を備えたコミュニティショッピングセンターのニーズが九州において高まっていることも考慮し、本投資法人は、既存大規模商業施設で築年が経過している物件(リニューアル等による物件の競争力強化策等も視野に入れます。)や中小規模のコミュニティショッピングセンターについては、物件の競争力とキャッシュ・フローの中長期的な安定性を勘案し投資を行います。
b.オフィスビル
投資対象は、(ⅰ)Aクラス(立地・規模・スペック・築年数等の各要素について本投資法人独自の取得基準を満たす優良物件をいいます。)、及び(ⅱ)セール・アンド・リースバックに大別されます。
(ⅰ)Aクラス
投資対象エリアのオフィスビル市場における立地・規模・スペック・築年数等でカテゴリー分けしたAクラスと中小ビルを比較すると、Aクラスビルは総じて、十分に安定した収益を生み出すことができると判断しています。本投資法人は、立地・規模・スペック・築年数等の各要素について設けた独自の取得基準(Aクラス基準)によって物件を選別し、中長期的にオフィスビルとしての競争優位性を発揮しうる優良物件に限定して投資を行います。
(ⅱ)セール・アンド・リースバック
地域内の優良企業の本支店(又は店舗)等の物件を本投資法人が購入し、中長期的な賃貸借契約を締結してオリジネーターの継続的利用を可能にする、いわゆるセール・アンド・リースバック案件についても取組みます。セール・アンド・リースバックについては、建物自体がAクラスではない場合でも、一棟貸しテナントのクレジットやテナントとの契約内容(期間・中途解約条項・賃料更改条件)によっては投資対象とします。
c.その他
(ⅰ)ホテル
ホテル市場は競争の激しいマーケットですが、投資対象エリアにおいては、近年では韓国、台湾、中国といったアジア諸国からの観光客数も増加しており、将来性のある市場です。
ホテル物件においては、ロケーションや建物の質の他に、ホテルオペレーターの力量がその価値に大きく影響します。ホテルは、物件の評価だけでなく、オペレーターの質並びに賃貸借契約及びマネジメント契約の仕組みをよく吟味し、長期的に安定したキャッシュ・フローを生み出せる物件に投資を行います。
(ⅱ)住居
福岡県の持家比率は全国平均を大幅に下回っている状況であり、さらに、福岡都市圏は若年層の人口流入を背景にして安定的に高い人口成長率を示しています。このような背景から福岡都市圏は、特にファミリー向け及び単身者向けの賃貸マンション市場の安定した需要に裏付けされた市場です。また、投資対象エリア内の県庁所在地やそれに準ずるエリアには賃貸住宅として安定収入を確保できる区域があります。このように、本投資法人は、住居についてロケーションを最も重要な要素として考え、その他規模、収益性等を総合的に判断の上個別に物件を選別し、優良物件に限定して投資を行います。なお、投資効率及び運用効率を勘案し、住戸単位での投資は行わないものとします。
(ⅲ)物流施設
大消費地周辺及び配送拠点として利便性の高いエリア等物流適地の物流施設に対する需要は底堅く、長期的に安定したキャッシュフローが期待できる状況にあります。物流施設においては、優良なロケーション又はテナントとの長期契約を基本とし、物流施設運営会社及び物流会社との良好なネットワークを構築し、中長期的に安定したキャッシュ・フローが見込まれる物件に投資を行います。
(ⅳ)公共施設等
公共施設、駐車場、ターミナル施設等についても、ロケーション、築年数、契約条件など総合的に勘案し、安定したキャッシュ・フローが見込まれる物件に対して投資を行います。
(ハ)投資対象の取得手法
a.本資産運用会社の出資企業(以下「スポンサー会社」といいます。)との広範な連携による物件取得
本投資法人は、スポンサー会社と広範な連携を行い、安定収益の確保及び運用資産の着実な成長を目指します。スポンサー会社とは、本投資法人の資産運用会社の出資企業を意味し、具体的には、福岡地所株式会社、九州電力株式会社、ロイヤルホールディングス株式会社、株式会社福岡銀行、株式会社西日本シティ銀行、西日本鉄道株式会社、西部瓦斯株式会社、株式会社九電工、九州旅客鉄道株式会社及び株式会社日本政策投資銀行をいいます。
本投資法人は、スポンサー会社が保有・開発する物件に関して、安定的かつ継続的な物件の取得機会を模索していきます。
このため、福岡地所株式会社とは、本投資法人及び本資産運用会社との間で、パイプライン・サポートに関する契約書を締結しています。
なお、利害関係者から不動産資産を取得する場合には、自主ルールとして策定した利益相反対策ルールを遵守します。
b.市場からの物件取得
本投資法人は、スポンサー会社の取引先等スポンサー会社のネットワークも活用し、更なる物件の取得機会を追求していきます。
即ち、本資産運用会社及びスポンサー会社の情報力、地域金融機関との連携並びに当該地域との近接性及び関係性等を活用し、市場における一般物件(地元事業会社の本支店、営業店舗、物流施設等)や地方公共団体、更には第三セクターが所有する不動産資産に関しても、関連情報の収集・分析や不動産資産を保有する事業者等への提案活動等を通じて、取得機会の積極的な確保に取り組みます。
c.福岡地所グループのサポートによる新規開発物件の取得
本投資法人は、九州全域における総合ディベロッパーとしての高い開発・運営力を有する福岡地所株式会社を中心とする福岡地所グループのサポートを受けて、新規開発物件の取得を進めます。福岡地所グループが投資対象地域内において商業施設等の新規開発を行い、着実な施設運営により早期に事業基盤を確立、安定的な賃貸事業収入の確保を実現させた時点で、未稼働不動産、建設予定、建設中の不動産であっても下記条件を満たしている場合には不動産売買契約を締結することができるものとします。
(ⅰ)竣工後の引渡しを条件とし、建物の完工・引渡しリスクを排除していること。
(ⅱ)開発用地のリスク(土壌汚染等)について対応済みであること。
(ⅲ)竣工後の建物の遵法性等のリスクを負わないこと。
具体的には、本投資法人が、福岡地所グループとの間で商業施設等の開発プログラムを組成し、新規に土地を選定、建物の企画・建設・テナントリーシング等、事業を組み立てて、投資対象となり得る優良物件を開発・取得していきます。
d.外部ディベロッパー等とのタイアップによる新規開発案件の取得
本投資法人は、以下の条件を満たしている場合には、未稼働不動産、建設予定、建設中の不動産であっても不動産売買契約を締結することができるものとします。
なお、当該契約の締結に関しては、解約条件、特に解約違約金の定めの有無及び額などを検討し、本投資法人の財務に対して重要な影響を与える可能性についても慎重に検討するものとします。
(ⅰ)稼働又は竣工後のテナントの入居が十分に見込まれ、安定的な収益の確保が見込まれること。
(ⅱ)竣工後の引渡しを条件とし、建物の完工・引渡しリスクを排除していること。
(ⅲ)開発用地のリスク(土壌汚染等)については対応済みであり、かつ、竣工後の建物の遵法性等のリスクを負わないこと。
③ ポートフォリオ構築方針
(イ)物件投資基準
個々の物件の選別にあたっては、下表に記載する投資基準に従い、十分に調査を実施し、総合的な検討を行った上で、投資を決定します。
| 商業施設 | オフィスビル | ホテル | 住居、物流施設他 | |
| 立地 | 地域基準に基づき、商圏の現状及び将来性を外部専門家に調査させ、経済性、収益性等を慎重に判断した上で投資を決定します。 | |||
| 規模 | 延床1,500㎡以上 | 延床3,000㎡以上 | - | - |
| 最低投資額 | 5億円 | 10億円 | 10億円 | 5億円 (住宅を除く) |
| 取得価格制限 | 利害関係者からの取得は鑑定評価額を上限とします(当該不動産等の取得に要する費用(売買媒介手数料、公租公課等)は含みません。)。 | |||
| 耐震性 | 新耐震基準又はそれと同水準以上の耐震性能を有している物件に投資します。 | |||
| 付保基準 | 本投資法人、投資主の損害軽減を基本に適切と判断される内容の火災保険等を付保します。地震保険は、ポートフォリオPML(予想最大損失率)が10%を超えた場合、又は個別にPMLが15%を超えている物件について付保を検討します。上記基準を超えない場合でも、保険料、免責金額等、費用対効果を総合的に吟味し、地震保険への加入について検討します。 | |||
| テナント | テナントの信用力、賃貸借契約の条件、代替性等を考慮し総合的に判断します。 | |||
| 開発案件投資 | 原則として自ら土地を取得して建物を建築することは予定していません。ただし、第三者が開発中の物件について、完工・引渡リスクを考慮した上で、建物竣工後の取得を条件として契約締結可能とします。保有する商業施設等の増築や拡張を自ら行うこともあります。 | |||
| 環境・地質等 | アスベスト、フロン、PCB、土壌汚染等、十分に調査、考慮した上で投資を決定します。 | |||
| その他 | 既に取得している物件の増築部分並びにポートフォリオとしての物件購入を行う場合等、1物件当たりの投資金額が最低投資額基準に満たないケースもあります。 | |||
(注)匿名組合出資持分や不動産対応証券等への投資においては、投資効率(費用対効果、配当効率、投資インパクト等)を勘案し適当と考えられる金額以上であれば、当該資産に投資を行います。この場合、出口リスク等これらの投資特有のリスクを十分考慮するものとします。
(ロ)物件運用基準
a.プロパティマネジメント(PM)業務
取得不動産の所在地、用途、物件売却主の状況等に鑑み、個別の物件の管理を行うに最適なPM会社を選択します。特にマルチテナントの商業施設のPM会社については、スポンサーである福岡地所グループからの選定を想定しています。マルチテナントの商業施設のPM業務には単なる物件管理を超えて、商業施設としての価値を持続するための販売促進の企画、イベントの実行、テナントミックスの企画、テナントの積極的入替えの実施、売上金管理、駐車場管理・運営など、多岐にわたる業務が含まれており、福岡地所グループはこれらの業務について極めて高い能力を保有しています。ただし、その報酬の設定方式については、インセンティブフィーの導入等により、投資主の利益のために努力する仕組みを設定しています。また、本資産運用会社は、PM会社のパフォーマンスチェックを定期的に行い、そのパフォーマンスが悪い場合はPM会社を入れ替える権利を確保しています。
その他のオフィスビル等については、物件売却主を中心に最も効率が良いPM会社を個別に選定しますが、いずれの場合でも、投資主の利益に繋がる物件管理やリーシングが実行可能な体制の構築に最大限努力しています。
b.賃貸借契約形態
商業施設のテナント賃貸借契約は、長期固定の賃貸借契約とすることを原則とします。ただし、アーバン、リージョナルのカテゴリーにおいては、賃貸期間に弾力性を持たせることや定期借家契約の導入等により、消費者のニーズを反映できるテナント入替えを行えるように運用します。また、売上歩合型の賃貸借契約を組み合わせることにより、景気拡大時の賃料収入増額も可能となる仕組みも取り入れています。
c.追加投資及びリニューアル
物件の価値の維持・向上に必要な追加投資やリニューアルは積極的に行います。特に商業施設については、施設の老朽化のみならず、消費者ニーズの変化に対応し、より魅力ある施設であり続けるためのリニューアルや追加投資を行います。また、商業施設の増築により資産価値向上の可能性がある場合には、追加投資を行います。
(ハ)デュー・ディリジェンスに基づく物件選定
本投資法人は、投資不動産の選定にあたり、個別物件毎に予想収益及び立地する地域の将来性等の経済的調査、建物状況及び耐震性能等の物理的調査並びに権利関係等の法的調査を詳細に実施し、当該物件の価値を見極めた上で、ポートフォリオ全体への影響や価値向上への寄与度等を総合的に判断し取得の可否を決定します。
デュー・ディリジェンスに際しては、弁護士、公認会計士、不動産鑑定士、一級建築士、商圏調査会社等の専門家に調査を依頼し、多面的な視点から精緻な調査を実施します。
また、地元の強みを活かして、過去及び将来の街の変遷等を考慮に入れた質の高い市場分析をはじめ、現地調査や建物管理担当者等へのヒアリング、物件や入居テナント等に関する草の根レベルでの情報収集等も独自に展開し、より的確な投資判断を行うことを目指します。
(ニ)付保方針
a.火災、事故等のリスク対応
火災等の災害や事故等により生じる建物の損害や収益の減少、第三者からの損害賠償請求等、物件の収支を悪化させる様々なリスクが物件に応じ存在します。本投資法人は、物件の特性を踏まえ、損害保険への加入によって回避することができるリスクは原則として損害保険に加入することによりリスクを回避します。付保にあたっては、保険料、免責額、キャッシュリザーブ等、費用対効果を総合的に吟味して判断を行います。
b.地震リスク対応
ポートフォリオPMLが10%を超えた場合、又は個別PMLが15%を超えている物件がある場合、地震保険の付保を検討します。本投資法人は、投資対象エリアの地震リスク、保険料、免責額、キャッシュリザーブ、費用対効果等を総合的に吟味し、地震保険への加入を検討します。
(ホ)売却方針
本投資法人は、運用資産の長期保有を前提としていますが、中長期的には、個別物件の将来性、市場動向、資本市場環境等を勘案したリスク・リターンを考え、物件を売却しポートフォリオを組み直す方がよいと考えられる場合には、個別に物件を売却することもあります。具体的には、下記の事象が発生した場合、売却の検討を行うこととします。
a.戦略的に売却を行うことが投資主の利益になると判断される場合
b.戦略的に物件を保有し続ける意義が薄れた場合
(へ)財務方針
a.借入れ及び投資法人債発行
(ⅰ)基本方針
資産の効率的な運用を図るため、資産の取得資金、工事代金、敷金・保証金の返済、分配金の支払、本投資法人の費用の支払、借入金及び投資法人債の債務の履行を含む債務の返済及び運転資金等を使途として、借入れ又は投資法人債(短期投資法人債を含みます。以下同じです。)の発行を行います。ただし、短期投資法人債の発行により調達した資金の使途又は目的については、法令に定める範囲に限られるものとし、借入金と投資法人債を合わせた限度額は、1兆円を超えないものとします。
また、安定した資金調達を実現するため金融機関との良好な関係を構築し、将来の金融環境変化による影響を軽減しつつ、低廉な資金調達コストを実現することで、財務体質の健全性を高めていきます。
(ⅱ)調達方針
基本方針に基づき、資金の借入れ及び投資法人債の発行を行う場合は、資本市場及び金融環境を総合的に考慮し、調達方法、調達期間及び固定・変動の金利形態、調達コストといった個別の条件を検討します。加えて、固定・変動金利の比率、返済期限の分散、調達コスト等本投資法人の有利子負債全体のバランスを勘案した上で効率的で有効的な資金調達を図ります。
(ⅲ)借入先
借入れを行う場合、借入先は金融商品取引法第2条第3項第1号に規定する適格機関投資家(租税特別措置法(昭和32年法律第26号。その後の改正を含みます。以下「租税特別措置法」といいます。)第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)に限るものとします。
(ⅳ)有利子負債比率
総資産に対する借入金及び投資法人債の合計額の残高の割合(以下「有利子負債比率」といいます。)は、原則として60%を上限の目処として運用します。ただし、資産の取得に伴い、一時的に60%を超えることがあります。
(ⅴ)デリバティブ取引
本投資法人は、本投資法人の負債から生じる金利変動リスクその他のリスクをヘッジするため、デリバティブ取引を行うことがあります。
(ⅵ)融資極度等
本投資法人は、運用資産の新規購入、テナント預り金等の返還又は運転資金等の資金需要への機動的な対応を目的として、コミットメントライン契約等の、事前の融資極度設定又は随時借入れの予約契約(以下、両者を併せて「融資極度等」と総称します。)を締結することがあります。
(ⅶ)担保差入れ
借入れ又は投資法人債の発行を行う場合、本投資法人は、運用資産を担保として提供することができます。
b.募集投資口の発行
(ⅰ)発行手続
本投資法人は、資金の手当を目的として、役員会の承認を得た上で、募集投資口の発行を行うことができます。
(ⅱ)発行額
募集投資口の発行は、有利子負債比率等の本投資法人の財務状態を考慮し、投資口の希薄化にも配慮の上行います。
c.現預金等の管理方針
(ⅰ)現預金の保有額
本投資法人は、諸々の資金需要(修繕及び資本的支出、分配金の支払、小口債務の返済、本投資法人の運営に関わる運転資金、テナント預り金等の返還又は運用不動産の新規購入等)に対応するため、融資極度等の設定状況も勘案した上で、資金の効率化を念頭において現預金を常時保有します。
(ⅱ)余資の運用方法
本投資法人は、余資の運用を目的として、有価証券又は金銭債権に投資することがあります。その場合、金利環境及び資金繰りを十分に考慮し、安全性と換金性を重視して投資対象を選定します。