訂正有価証券報告書(内国投資証券)-第29期(令和2年7月1日-令和2年12月31日)
(1)【投資方針】
① 基本方針
本投資法人は、投信法に基づき、その規約において、資産を主として不動産等資産に対する投資として運用
することを目的とし、中長期的な観点から、安定した収益の確保と着実な運用資産の成長を目指し、資産の運
用を行うものとします(規約第25条)。
かかる規約記載の目的の達成にあたり、本投資法人は、不動産に強みを持つスポンサー企業及び金融に強み
を持つスポンサー企業の総合力を活用し、収益の安定と拡大を追求することにより、投資主価値の最大化を目
指します。
(イ)スポンサー企業の総合力の活用・結集
本資産運用会社は、開発・投資から仲介・運用・賃貸管理まで不動産に関連する業務を広く手掛けるスポンサー企業と、金融に関連する幅広いノウハウを持つスポンサー企業を持ち、それらの総合力を組み合わせ、本投資法人の資産運用に活用・結集し、投資主価値の最大化を目指すことができます。
以下の概念図は、本投資法人の貸借対照表の構造をもとに、不動産市場、金融市場のそれぞれにいずれのスポンサー企業群が主として関与するかを図示したものです。
⦅概念図⦆

A.不動産及び金融それぞれに強みを持つスポンサー企業が本資産運用会社へ物件、人材、ノウハウ及び資金等の各面で強力なサポートを継続
日鉄興和不動産及び第一生命保険株式会社(以下「第一生命」といいます。)の2社は、「REIT事業に係る協定書」において、本投資法人による資産運用に向けた協力と本資産運用会社への役職員の出向等を含む協力体制の構築等につき合意しています。かかる合意を基礎として、本資産運用会社は、不動産と金融それぞれに強みを持つスポンサー企業より出資を受けるとともに、スポンサー企業の業務・ノウハウ等に応じて様々なバックアップを受ける体制となっています。かかるバックアップ体制には、上記の出資の他、本資産運用会社への人材供給、スポンサー企業との協働又は関係活用による物件の取得、パイプラインサポート機能及びウェアハウジング機能の提供、金融系スポンサー企業のノウハウを活用したファイナンス並びに、経済・金利・為替動向等のマクロ経済等のリサーチ機能の提供を含みます。
B.オフィスビルの開発・投資・運用等に実績を持つコアスポンサー
本資産運用会社は、スポンサー企業の一部より経営陣及び主要なスタッフの出向等を受けており、また、不動産及び金融のノウハウの提供も受けています。スポンサー企業のうち、日鉄興和不動産及び第一生命の2社をコア(中核的)スポンサーと位置づけ、上記の人材の供給に加えて、各社の持つ不動産開発力、運用力、リスク管理能力等のノウハウの提供を受け、投資機会の拡大や資産価値向上を目指した運用に向けたサポートを受けることができます。本資産運用会社は、これらのコアスポンサー2社に加えて株式会社第一ビルディング、株式会社みずほ銀行及びみずほ信託銀行株式会社からも人材の出向等を受けています。
当期末現在、本資産運用会社の役職員総勢34名のうち、役員及びコンプライアンス・オフィサーを含む23名が、これらのスポンサー企業の出身者です。このように、不動産と金融それぞれの分野に精通するスタッフ等の経験・ノウハウの提供をスポンサー企業から受け、これらを融合し、十分に活用することにより、本投資法人の中長期にわたる安定収益の確保と運用資産の着実な成長を図って参ります。
コアスポンサーのうち日鉄興和不動産は、株式会社みずほ銀行の親密な不動産会社であり、東京都心部を中心にオフィスビル、高級賃貸住宅等を開発・運用しています。第一生命は、わが国有数の生命保険会社である一方、2020年3月31日現在、日本全国でオフィスビルを中心に284棟の投資用不動産を運用しています。
C.スポンサー企業との協働又は関係活用
本投資法人は、設立以降、本資産運用会社のスポンサー企業との協働及びその関係の活用により、ポートフォリオの拡大と充実を図ってまいりました。本書の日付現在における本投資法人の保有資産(不動産及び不動産を信託する信託の受益権)は、34物件、取得価格総額で272,344百万円となります。
また、本投資法人は、本書の日付現在、スポンサー企業である株式会社みずほ銀行、みずほ信託銀行株式会社、第一生命からそれぞれ17,785百万円、7,807.5百万円、6,000百万円を借り入れています。
(ロ)大都市圏のオフィスビル中心に収益の安定と拡大を追求したポートフォリオ運用
本投資法人は、以下に記載のとおり、その中心的な投資対象を大都市圏(注)のオフィスビルとし(オフィスビル中心型)、かつ、常にその時々における不動産市場全体を見渡した厳選投資を基本とし、収益の安定と拡大を追求したポートフォリオの運用を目指します。
(注)大都市圏とは東京都及び東京周辺地域(神奈川県、埼玉県及び千葉県)並びに政令指定都市等を指します。詳細は後記「B.投資対象地域」をご参照ください。
A.用途
本投資法人は、主としてオフィスビルの用に供される不動産が本体又は裏付けとなっている不動産等資産を主たる投資対象としますが、その他(商業施設・住宅等)の用に供される不動産が本体又は裏付けとなっている不動産等資産に対しても投資を行うものとします(規約第26条第1項)。
用途別投資比率に関しては、原則として、主たる用途がオフィスビルである不動産等及び不動産対応証券をポートフォリオ全体の90%以上に、その他の用途の不動産等及び不動産対応証券等を10%以下とする方針です。
(注1)各不動産等及び不動産対応証券の賃貸可能面積の過半を占める用途に基づき、いずれの用途に属するかを決定するものとし、当該不動産等及び不動産対応証券の取得価格の全額をもって、決定された用途別の取得価格に算入するものとします。
(注2)ポートフォリオ全体の取得価格の総額に占めるそれぞれの用途に属する不動産等及び不動産対応証券の取得価格の総額の割合をいいます。但し、経済情勢、不動産市況及び固有の物件に係る諸要因等により、本投資法人が保有する不動産等及び不動産対応証券に係る用途別投資比率が短期的に上記の比率と整合しない場合があります。
(ⅰ)オフィスビル
オフィスビルは、市場の規模が大きく相対的に流動性が高いことから、投資機会の絶対数が多く、今後の開発事業等による安定した供給も期待できます。また、立地及び建物を厳選し、適切な維持管理を行うこと等により、他の用途の不動産に比べて中長期にわたる安定した収益力を維持し得ることから、収益の安定と拡大をバランスさせることにより、投資主価値の最大化を目指す本投資法人の投資方針に最も適合する投資対象と考えています。
他方、オフィスビルの収益は、相対的に景気変動の影響を受けやすく、景気上昇局面では賃料及び稼働率の上昇による収益の向上を期待できますが、景気下降局面においては収益が下落するおそれがないとはいえません。これに対し、本資産運用会社は、本投資法人の運用資産に関し、景気変動に左右されにくい資産を厳選し、かつ常にテナント満足度の高いプロパティ・マネジメント・サービスの維持を図るといった日々の資産運営面の工夫をこらすことにより、仮に中長期的には景気下降局面に遭遇する場合にも、賃料及び稼働率の下落リスクを最大限軽減することを目指します。
また、以下の諸点を重視しつつ、最適なポートフォリオの構築を目指します。
a.地域バランス
東京都心6区を最重要エリアと位置づけつつ、これに加えて大阪市・名古屋市・福岡市の各中心部、並びに東京都心6区を除く東京都及び東京周辺地域(神奈川県、埼玉県及び千葉県)へも積極的に投資することにより、各大都市圏での経済情勢の変動や大規模開発の集中等による市場の変化に対応します。詳細は、後記「B.投資対象地域」をご参照ください。
b.物件規模バランス
不動産市場における優位性・競争力が高いと思われる大型ビル(注)と、流動性や賃料の安定性が高いと思われる中型ビル(注)とのバランスを考慮し、最適な組み合わせとなることを目指します。
(注)本投資法人では、東京23区においては延床面積10,000坪以上を大型ビル、延床面積1,000坪以上10,000坪未満を中型ビルと、東京23区以外においては延床面積4,000坪以上を大型ビル、延床面積1,000坪以上4,000坪未満を中型ビルと定義しています。
c.テナントバランス
退去リスク等テナントに関わる様々なリスクを可能な限りコントロールするため、ポートフォリオ全体における同一テナント、特定業種への集中を避ける等、テナントのバランスに配慮しリスク分散を図ります。
(ⅱ)その他(商業施設・住宅等)
オフィスビル以外の用途の不動産についても、それぞれの用途特性に応じて収益性、安定性及び流動性等を勘案し、本投資法人の基本方針に合致すると考えられる不動産に対し、オフィスビルと同等の投資価値があるものについて厳選して投資することとします。具体的には、全国的な知名度を有する商業地区に所在する都市型商業施設等や、東京都内に所在する住居用不動産等を考えています。
B.投資対象地域
本投資法人の投資対象地域は、規約第26条第2項において、東京都及び東京周辺地域(神奈川県、埼玉県及び千葉県)並びに政令指定都市、県庁所在地及びそれらに準ずる都市とされていますが、資産運用ガイドラインにおいてより詳細な選別基準を設定し、下表のとおりとしています。特に、下表のエリアⅠ、エリアⅡ及びエリアⅢを併せて「コアエリア」とし、コアエリアへの投資比率にウエイトを置くことにより、オフィス中心型かつ東京都心6区重点配分型のポートフォリオの構築を目指します。
(ⅰ)オフィスビル
本資産運用会社は、オフィスビルについて、地域毎の投資特性を勘案して以下の投資対象地域区分に応じたポートフォリオを構築します。
(注)「大阪市中心部」とは大阪駅(JR)、大阪梅田駅(阪急電鉄、阪神電鉄)、梅田駅(Osaka Metro)、淀屋橋駅(Osaka Metro)、本町駅(Osaka Metro)から各々概ね徒歩10分圏内に位置する地区を、「名古屋市中心部」とは名古屋駅(JR、名古屋市営地下鉄、名古屋鉄道)、伏見駅(名古屋市営地下鉄)、栄駅(名古屋市営地下鉄、名古屋鉄道)から各々概ね徒歩10分圏内に位置する地区を、「福岡市中心部」とは博多駅(JR、福岡市営地下鉄)、天神駅(福岡市営地下鉄)、西鉄福岡駅(西日本鉄道)から各々概ね徒歩10分圏内に位置する地区を、それぞれ指すものとします。但し、これらは行政区画とは必ずしも一致するものではありません。
オフィスビルの市場規模が大きく、稼働率も高い東京都心6区(エリアⅠ)を主たる投資対象地域とします。エリアⅠ、大都市圏でオフィスビル集積度・賃料水準が他の都市に比べて高い大阪市・名古屋市・福岡市の各中心部(エリアⅡ)並びにエリアⅠを除く東京都及び東京周辺地域(神奈川県、埼玉県及び千葉県)(エリアⅢ)をあわせてコアエリアとし、重点的に投資していきます。
(注)ポートフォリオ全体の取得価格の総額に占めるそれぞれのエリアに属する不動産等及び不動産対応証券の取得価格の総額の割合をいいます。なお、経済情勢、不動産市況及び固有の物件に係る諸要因等により、本投資法人が保有する不動産等及び不動産対応証券に係る投資対象地域が短期的に上記の比率と整合しない場合があり得ます。
(ⅱ)その他
その他の不動産の投資対象地域については、それぞれの不動産の用途特性に応じて厳選して投資していきます。具体的には、商業施設であれば、投資判断時点において人口100万人以上の都市の中心街にある不動産を主な投資対象とし、住居であれば、東京都内に所在する不動産を主な投資対象とします。
(ハ)具体的投資基準
立地特性及び関連する不動産市場動向等を十分に把握し、投資対象不動産の規模、仕様、収益性や、保有リスク等を総合的に分析・検討した上で投資判断を行います。
また、取得後は、資産価値及び競争力の維持・向上のための、継続的かつ効果的な設備投資、収益拡大のための諸施策及びコスト削減策を実施し、競争力の強化を図っていきます。
A.属性
個別の運用不動産の選定にあたっては、下表の各項目を基準とします。
(注)「新耐震基準」とは、建築基準法(昭和25年法律第201号、その後の改正を含みます。以下「建築基準法」といいます。)及び昭和56年に改正された建築基準法施行令(昭和25年政令第338号、その後の改正を含みます。)に基づく建物等の耐震基準をいいます。
B.築年数
本投資法人は、オフィスビルにつき取得を検討する場合、築年数に関しては、原則として、立地との関係で下表のマトリックスに該当するオフィスビルにつき投資するものとします。但し、いわゆる新耐震基準に準じた耐震性能を備えた物件については、下表の築年数を超える場合であっても投資対象とすることがあります。
なお、その他の用途の不動産(商業施設・住宅等)についても、オフィスビルの基準に準じて取得を検討します。
C.投資額
物件の取得にあたっては、ポートフォリオ全体の構成とバランスとを考慮します。過度の集中投資を避けるため、1案件当たりの投資額は当該物件投資後のポートフォリオ全体の30%以下となるよう配慮します。但し、短期的にこの比率を超えることがあります。
(ニ)保有期間及び売却方針
中長期的な保有を基本方針とします。個々の運用資産の売却は、ポートフォリオの構成、中長期的な不動産市況、将来における収益予想、資産価値の増減及びその予測、立地エリアの将来性・安定性並びに不動産の劣化又は陳腐化に対する資本的支出額等の見込みを考慮の上、業績に与える影響等も勘案しつつ、総合的に判断します。
(ホ)開発案件への取組
本投資法人は、既に稼働中の物件に限らず、投資機会を厳選し、開発案件も取り組むものとします。
但し、開発案件は、竣工後のテナント確保が十分可能と判断されることを確認するなどリスクを極小化するとともに、完工・引渡しリスク、開発リスク等の低減を図った上で、取得することとします。そのため、必要に応じ、金融・不動産に精通するスポンサー企業のノウハウを用い、不動産市場で利用可能な様々な金融手法・最新の投資技術を活用することも併せて検討します。
(ヘ)物件調査(デューディリジェンス)基準
本資産運用会社は、本投資法人の投資方針及び前記「(ハ)具体的投資基準 A.属性」に記載の選別基準に適合する不動産等及び不動産対応証券を選定するにあたり、現地実査及び取引関係者等から本資産運用会社が入手した資料並びに独自調査の結果を精査するとともに、不動産鑑定士、建設会社、設計会社、保険会社、マーケット・リサーチャー、弁護士、公認会計士等の外部専門家によって作成された不動産鑑定評価書、価格調査書、建物状況調査報告書、地震リスク調査報告書、マーケット・レポートその他の各種レポート等を精査した上で、その投資方針及び物件選定基準への適合性を判断します。さらに当該不動産等に法令違反等の重大な問題がないかを把握することとします。
また、耐震性能と地震リスクの診断・調査を全ての物件取得の際に実施することとします。具体的には、耐震性能・地震リスクの審査能力を有する第三者機関により、設計書・構造計算書・建築確認書等につき審査を行い、これらに問題がないとの判断が書面で確認された場合にのみ取得することとします。
耐震性能を含め、当該不動産等に法令違反等の重大な問題がないかとの判断において考慮する主要な調査項目は以下のとおりです。
(注)PMLとは、想定した予定使用期間中(50年=一般的建物の耐用年数)での超過確率10%の損失を生じる地震により、どの程度の被害を受けるかを、90%非超過確率に相当する予想損失額の再調達価格に対する割合(%)で示したものを意味します。但し、予想損失額は、地震動による建物(構造体、仕上げ、建築設備)のみの直接損失に関するものだけであり、機器、家具、什器等の被害や地震後の水又は火災による損失、被災者に対する補償、営業中断による営業損失等の二次的被害は含まれていません。
(ト)運営管理方針
本資産運用会社は、本投資法人の営業期間毎に運用資産全体について、経済環境見通しに基づき、ポートフォリオ規模・資産運用状況を踏まえた運営管理方針、プロパティ・マネジメント方針、リーシング方針及び付保方針を策定し、それらの進捗を管理します。
A.運営管理方針の策定及び進捗状況の管理
本投資法人の営業期間毎に運用資産全体について以下のような「運営管理方針」を策定し、計画的な資産の運用を行います。
また、運営管理方針のうち、年間取得・売却計画、年間賃貸・管理計画、年間修繕計画及び年間資金調達計画(併せて以下「年間運用計画」といいます。)については、本投資法人の営業期間に合わせ6ヶ月毎に向こう1年間の計画の策定及び見直しを実施します。
(ⅰ)新規取得・売却計画
a.年間取得・売却計画
当該年度における新規取得の予定時期・予定金額、及び売却を予定する物件・予定時期、売却目標額を策定します。
b.中期取得・売却計画
今後の経済環境、投資対象地域の開発動向、将来にわたる収益見通し、今後の投資額の見込み等を勘案し、中期的な取得・売却の目標を策定します。
(ⅱ)賃貸・管理計画
a.年間賃貸・管理計画
本資産運用会社は、各物件につき同一エリア内の賃貸不動産の供給動向、業種別テナント動向及び他物件成約事例等を反映し、新規募集賃料の設定、既存テナントの定期的な賃料の見直しを行うとともに、既存テナントの満足度の向上、新規テナント候補への継続営業等の方針を定め、プロパティ・マネジメント会社及びテナント仲介業者と連携し機動的なリーシングを行います。
b.年間修繕計画及び中長期修繕計画
本資産運用会社は、運用不動産の収益の安定化と競争力及び資産価値の維持・向上を図るため、修繕及び資本的支出に関する中長期修繕計画及びそれに基づく年間修繕計画を策定します。
修繕・資本的支出の実施にあたっては、各運用不動産の減価償却費の範囲内で行うことを原則とし、これを超える場合であっても、総額ではポートフォリオ全体の減価償却費の範囲内で実施することを基本とします。
(ⅲ)年間資金調達計画
本資産運用会社は、資金の借入及び返済に係る年間資金調達計画(投資法人債の発行及び償還に係る計画を含みます。)を策定します。
本資産運用会社は、上記の各計画について、運用不動産毎及びポートフォリオ全体で月次単位の収支実績を検証し、見直しを行いつつ、進捗状況を管理していきます。
また、期中又は営業期間終了時において、計画に乖離が生じた場合は、それを踏まえて、収益向上のための必要な措置を講じます。
B.プロパティ・マネジメント方針
(ⅰ)プロパティ・マネジメント会社の選定方針
プロパティ・マネジメント会社の選定にあたっては、候補となる会社の経験・実績、信用力、組織・体制、報酬水準、リーシング能力、テナント満足度向上への取組等を総合的に検討した上で、最適と思われる業者を選定します。なお、上記に加え、取得後の運営の継続性(入居中のテナントとの良好な関係の維持等)についても十分に考慮します。
なお、プロパティ・マネジメント会社への業務委託期間は、1年を基本とします。契約期間満了時における契約更新については、考課査定の内容により本資産運用会社が判断するものとします。
(ⅱ)プロパティ・マネジメント会社の管理方針
本資産運用会社は、プロパティ・マネジメント会社に対して、各運用不動産の特徴に合わせた運営体制を構築するよう指導し、定期的(原則として毎月)に、プロパティ・マネジメント会社に対し、以下のような事項の状況を確認し、協議の上、適正な運営を行うよう管理していきます。
・前月までの収支状況
・運用不動産の稼働状況
・既存テナントの動向
・新規テナントの営業活動の状況
・テナントからのクレーム、対応状況
・施設管理上のクレーム、対応方針等
・修繕工事の予定と実績
・各種品質向上施策の提案
(ⅲ)プロパティ・マネジメント会社の評価
本資産運用会社は、定期的(原則として一年毎)に、各運用不動産のプロパティ・マネジメント会社の運営実績を評価します。その結果が、本資産運用会社の期待する水準に満たない場合には、当該プロパティ・マネジメント会社に対して、業務内容の変更及び改善の指示を行うこととし、場合によっては、プロパティ・マネジメント会社の変更を行うことがあります。
C.リーシング方針
(ⅰ)テナント選定基準
テナントの選定にあたっては、テナントの信用力・賃料負担能力の他、反社会的勢力・団体又はその構成員に該当する事実の有無等を把握した上で、本資産運用会社が定めるテナント選定基準に基づき、選定するものとします。
(ⅱ)マスターリース契約
本投資法人の運用不動産の賃貸に係る契約形態については、可能な限り本投資法人又は信託受託者と実際に建物を使用収益するテナントとの間にプロパティ・マネジメント会社を賃借人(マスターリース会社)として介在させ、運用不動産をマスターリース会社に賃貸する形態(マスターリース契約)を基本とします。これは、運用不動産のプロパティ・マネジメント会社を原則的にマスターリース会社とすることにより、当該不動産が一元的に管理・運営される体制となり、またプロパティ・マネジメント会社が本投資法人と実際に建物を使用収益するテナントとの間の当事者として位置づけられ、テナントリーシング業務、建物運営管理業務遂行にあたり、プロパティ・マネジメント会社が、より主体的、能動的に機能することが可能になると期待されるためです。
D.付保方針
(ⅰ)損害保険
災害及び事故等による建物の損害又は対人対物事故による第三者への損害賠償を担保するため、個別の運用不動産毎に適切な損害保険(火災保険及び賠償責任保険等)の付保を検討します。なお、保険内容は定期的に見直すこととし、常に最適な保険を付保します。
(ⅱ)地震保険
地震保険の付保に関しては、ポートフォリオ全体のPMLを基準に災害による影響と保険料を比較検討して判断します。個別不動産のPMLが20%を超過する運用不動産については、個々に地震保険の付保を検討します(PMLについては前記「(ヘ)物件調査(デューディリジェンス)基準」をご参照ください。)。
(チ)成長性の確保
A.内部成長
本資産運用会社は、計画的かつ適切な運用資産の維持管理を実行することにより、テナントの満足度を高め、賃料収入の安定的成長を図り競争力の向上を目指します。また同時に、計画的かつ適切な維持管理を行い、より低廉なコストで実施することを目指します。
(ⅰ)賃料収入の安定的成長
中長期にわたり安定的な収益を確保するため、物件毎に年間賃貸・管理計画を策定し、かかる計画に基づき、戦略的なリーシング活動を行っていきます。リーシング活動はプロパティ・マネジメント会社と常日頃連携を取り、新規テナント募集活動に加え、増収政策も視野に入れながら、既存テナントの増床ニーズを的確に捉えていきます。経済情勢、不動産賃貸市場、地域動向を見据えながら、プロパティ・マネジメント会社と常日頃連携を取り、年間運用計画に沿った運営を行い、稼働率、賃料水準の向上に努めます。
(ⅱ)計画的な維持管理
建物を維持する上で必要とされる支出のうち、建物保守、清掃、警備といった日常の運営管理費については、その支出単価を物件毎に検証し、適正な品質をより低廉な費用で管理できるよう検討していきます。恒常的な管理品質向上及び支出の削減に寄与すると判断できる場合は、建物保守、清掃、警備等各種業務の一括委託や、複数物件をまとめて一社に委託する等管理の効率化を図ります。
また、建物維持管理については、中長期修繕計画に基づき実施して参ります。毎年実施する現地調査に基づき、この中長期修繕計画を常に更新し見直しを図りつつ、中長期の資本的支出を把握し計画的実施を図ります。
資本的支出は、本投資法人の運用状況等を考慮しつつ、中長期修繕計画に基づき、毎期策定する年間修繕計画に則り実施します。修繕、更新、改修といった資本的支出は原則としてポートフォリオ全体の減価償却費と中長期修繕計画とを考慮して判断します。
また、恒常的な支出削減に寄与する省エネシステムの導入等、重要設備の更新を効果的に行うことにより、外部委託費・水道光熱費の削減・効率化を図ります。
B.外部成長
本投資法人は、リスク分散、収益拡大、スケールメリットの享受等の観点から、運用不動産の拡大に前向きに取り組む方針です。具体的には、スポンサー企業からの拠出物件を軸に安定収益を確保しながら成長を目指しますが、同時にスポンサー企業からの出向等による高い専門性をもつ人材を中心に、あらゆるチャネルを駆使しながら広く投資機会を求め、かつ、かかる専門性を活用し競争力ある運用不動産の取得活動を展開します。なお、詳細については、前記「(イ)スポンサー企業の総合力の活用・結集 A.不動産及び金融それぞれに強みを持つスポンサー企業が本資産運用会社へ物件、人材、ノウハウ及び資金等の各面で強力なサポートを継続」及び「C.スポンサー企業との協働又は関係活用」をご参照ください。
(リ)財務方針
本投資法人は、中長期的な観点から、安定収益の実現と運用資産の着実な成長のために、以下に掲げる方針に従い、金融の専門家集団による機動的かつきめ細かな財務戦略を立案、実行します。
A.人員体制
本資産運用会社には、金融・証券市場で豊富な経験を有する人材が配置されており、金融の専門家集団として機動的かつきめ細かなオペレーションによる財務戦略の立案及び実行が可能な体制を構築しています。
B.リサーチ力の活用
本資産運用会社は、上記の人員体制に加え、みずほ総合研究所株式会社との業務提携関係(詳細については、前記「1 投資法人の概況 (3)投資法人の仕組み ③ 上記以外の本投資法人の主な関係法人等の運営上の役割、名称及び業務の内容」をご参照ください。)を活用し、経済・金利・為替動向等マクロ経済等調査報告及びそれらに基づく将来見通しを踏まえた財務戦略を立案、実行します。
C.エクイティ・ファイナンス
投資口の追加発行は、金融環境を的確に把握するとともに、投資口の希薄化(新規投資口の追加発行による投資口1口当たりの純資産額又は分配金の減少)、新たに取得する不動産等の取得時期、総資産に対する有利子負債の比率に配慮した上で機動的に行います。
D.デット・ファイナンス
機動性と安定性に配慮し、短期資金調達と長期資金調達とのバランスを効率よく組み合わせるものとします。
また、機動性、安定性を確保するためコミットメントラインの設定等を行うことがあります。なお、デット・ファイナンスにあたっては、以下の諸点に留意します。
・金利の固定・変動
資本市場及び金利の動向に鑑み、金利の固定・変動等の諸条件を決定します。また、借入金等の金利変動リスクをヘッジすることを目的として、デリバティブ取引を行うことがあります。
・返済期限の分散
資金の借入及び投資法人債についての返済及び償還期限の分散を図るものとします。
・投資法人債
資金調達手段の多様化を目的として、投資法人債を発行することがあります。投資法人債の発行に際して、財務の健全性の一つの指標等とするため、信用格付業者より格付を取得することがあります。
・LTV水準
LTVは60%を上限とします。但し、物件の取得及び評価額の変動等に伴い、一時的にかかる基準を満たさないことがあります。LTV水準については、保守的な運用に努め、また、適時適切なタイミングで、バランスに配慮したエクイティ・ファイナンスを実施することを検討し、外部成長力の確保を図ります。なお、LTV水準は35%から50%を目安に運用しています。
・調達限度額
本投資法人の借入金及び投資法人債発行額を合わせた限度額は1兆円とします。
・借入先
資金の借入を行う場合、借入先は機関投資家(租税特別措置法第67条の15に定める機関投資家をいいます。以下同じです。)に限るものとします。
借入の実施に際しては、借入条件等につき複数の機関投資家と交渉の上、比較し決定するものとします。但し、安定的な資金調達ルート確保のため、特定の機関投資家に集中することなく、資産規模の拡大に伴い、資金調達先の分散、拡大を検討します。
・担保設定方針
本投資法人は、金融環境の変化に留意し、安定的かつ効率的な資金調達を行うために、運用資産を担保として提供することがあります。
E.キャッシュマネジメント
資金調達手段としてテナントから預かった敷金及び保証金を活用することがあります。また、資金運用については、安全性、換金性等を考慮し、金利の動向及び資金繰りを十分に鑑みて行います。
F.格付取得
財務の健全性の一つの指標等とするため、信用格付業者より格付を取得することがあります。本投資法人はかかる格付に裏付けられた信用力を活用して、有利かつ戦略的な資金調達を行うことを検討しています。
G.適切なバランスシートコントロール
スポンサー企業によるウェアハウジング機能の活用、柔軟なポートフォリオの構築等により、資産残高、資産取得時期等(資産面)とLTV(負債面)の両面のコントロールを適切に行っていきます。ウェアハウジング機能の詳細については、前記「1 投資法人の概況 (3)投資法人の仕組み ③ 上記以外の本投資法人の主な関係法人等の運営上の役割、名称及び業務の内容」をご参照ください。
(ヌ)情報開示方針
A.本投資法人は、透明性確保の観点から、法定開示に加え、投資家に対して正確で偏りのない情報を適時にかつ分かり易く開示することに努めるとともに、投資家にとって重要又は有用と判断した情報について可能な限り自主開示を行うものとします。
B.投信法、金融商品取引法、東京証券取引所、投資信託協会等がそれぞれ要請する内容及び様式に従って、適切に開示を行います。
C.本資産運用会社のスポンサー関係者との取引規程に定める利害関係人等との一定の取引については、透明性確保の観点から、適用ある法令、規則及び同規程等に従って、適切な方法により速やかに開示するものとします。
D.上記A.ないしC.を遵守するための体制を整備し、維持することに努めるものとします。
(ル)その他
本投資法人は、特定不動産(本投資法人が取得する特定資産のうち不動産、不動産の賃借権若しくは地上
権又は不動産の所有権、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権をいいます。)の価額の合計
額の本投資法人が有する特定資産の価額の合計額に占める割合を100分の75以上とします。
① 基本方針
本投資法人は、投信法に基づき、その規約において、資産を主として不動産等資産に対する投資として運用
することを目的とし、中長期的な観点から、安定した収益の確保と着実な運用資産の成長を目指し、資産の運
用を行うものとします(規約第25条)。
かかる規約記載の目的の達成にあたり、本投資法人は、不動産に強みを持つスポンサー企業及び金融に強み
を持つスポンサー企業の総合力を活用し、収益の安定と拡大を追求することにより、投資主価値の最大化を目
指します。
(イ)スポンサー企業の総合力の活用・結集
本資産運用会社は、開発・投資から仲介・運用・賃貸管理まで不動産に関連する業務を広く手掛けるスポンサー企業と、金融に関連する幅広いノウハウを持つスポンサー企業を持ち、それらの総合力を組み合わせ、本投資法人の資産運用に活用・結集し、投資主価値の最大化を目指すことができます。
以下の概念図は、本投資法人の貸借対照表の構造をもとに、不動産市場、金融市場のそれぞれにいずれのスポンサー企業群が主として関与するかを図示したものです。
⦅概念図⦆

A.不動産及び金融それぞれに強みを持つスポンサー企業が本資産運用会社へ物件、人材、ノウハウ及び資金等の各面で強力なサポートを継続
日鉄興和不動産及び第一生命保険株式会社(以下「第一生命」といいます。)の2社は、「REIT事業に係る協定書」において、本投資法人による資産運用に向けた協力と本資産運用会社への役職員の出向等を含む協力体制の構築等につき合意しています。かかる合意を基礎として、本資産運用会社は、不動産と金融それぞれに強みを持つスポンサー企業より出資を受けるとともに、スポンサー企業の業務・ノウハウ等に応じて様々なバックアップを受ける体制となっています。かかるバックアップ体制には、上記の出資の他、本資産運用会社への人材供給、スポンサー企業との協働又は関係活用による物件の取得、パイプラインサポート機能及びウェアハウジング機能の提供、金融系スポンサー企業のノウハウを活用したファイナンス並びに、経済・金利・為替動向等のマクロ経済等のリサーチ機能の提供を含みます。
B.オフィスビルの開発・投資・運用等に実績を持つコアスポンサー
本資産運用会社は、スポンサー企業の一部より経営陣及び主要なスタッフの出向等を受けており、また、不動産及び金融のノウハウの提供も受けています。スポンサー企業のうち、日鉄興和不動産及び第一生命の2社をコア(中核的)スポンサーと位置づけ、上記の人材の供給に加えて、各社の持つ不動産開発力、運用力、リスク管理能力等のノウハウの提供を受け、投資機会の拡大や資産価値向上を目指した運用に向けたサポートを受けることができます。本資産運用会社は、これらのコアスポンサー2社に加えて株式会社第一ビルディング、株式会社みずほ銀行及びみずほ信託銀行株式会社からも人材の出向等を受けています。
当期末現在、本資産運用会社の役職員総勢34名のうち、役員及びコンプライアンス・オフィサーを含む23名が、これらのスポンサー企業の出身者です。このように、不動産と金融それぞれの分野に精通するスタッフ等の経験・ノウハウの提供をスポンサー企業から受け、これらを融合し、十分に活用することにより、本投資法人の中長期にわたる安定収益の確保と運用資産の着実な成長を図って参ります。
コアスポンサーのうち日鉄興和不動産は、株式会社みずほ銀行の親密な不動産会社であり、東京都心部を中心にオフィスビル、高級賃貸住宅等を開発・運用しています。第一生命は、わが国有数の生命保険会社である一方、2020年3月31日現在、日本全国でオフィスビルを中心に284棟の投資用不動産を運用しています。
C.スポンサー企業との協働又は関係活用
本投資法人は、設立以降、本資産運用会社のスポンサー企業との協働及びその関係の活用により、ポートフォリオの拡大と充実を図ってまいりました。本書の日付現在における本投資法人の保有資産(不動産及び不動産を信託する信託の受益権)は、34物件、取得価格総額で272,344百万円となります。
また、本投資法人は、本書の日付現在、スポンサー企業である株式会社みずほ銀行、みずほ信託銀行株式会社、第一生命からそれぞれ17,785百万円、7,807.5百万円、6,000百万円を借り入れています。
(ロ)大都市圏のオフィスビル中心に収益の安定と拡大を追求したポートフォリオ運用
本投資法人は、以下に記載のとおり、その中心的な投資対象を大都市圏(注)のオフィスビルとし(オフィスビル中心型)、かつ、常にその時々における不動産市場全体を見渡した厳選投資を基本とし、収益の安定と拡大を追求したポートフォリオの運用を目指します。
(注)大都市圏とは東京都及び東京周辺地域(神奈川県、埼玉県及び千葉県)並びに政令指定都市等を指します。詳細は後記「B.投資対象地域」をご参照ください。
A.用途
本投資法人は、主としてオフィスビルの用に供される不動産が本体又は裏付けとなっている不動産等資産を主たる投資対象としますが、その他(商業施設・住宅等)の用に供される不動産が本体又は裏付けとなっている不動産等資産に対しても投資を行うものとします(規約第26条第1項)。
用途別投資比率に関しては、原則として、主たる用途がオフィスビルである不動産等及び不動産対応証券をポートフォリオ全体の90%以上に、その他の用途の不動産等及び不動産対応証券等を10%以下とする方針です。
| <用途別投資比率> |
| 用途(注1) | ポートフォリオに占める投資比率(注2) |
| オフィスビル | 90%以上 |
| その他(商業施設・住宅等) | 10%以下 |
(注1)各不動産等及び不動産対応証券の賃貸可能面積の過半を占める用途に基づき、いずれの用途に属するかを決定するものとし、当該不動産等及び不動産対応証券の取得価格の全額をもって、決定された用途別の取得価格に算入するものとします。
(注2)ポートフォリオ全体の取得価格の総額に占めるそれぞれの用途に属する不動産等及び不動産対応証券の取得価格の総額の割合をいいます。但し、経済情勢、不動産市況及び固有の物件に係る諸要因等により、本投資法人が保有する不動産等及び不動産対応証券に係る用途別投資比率が短期的に上記の比率と整合しない場合があります。
(ⅰ)オフィスビル
オフィスビルは、市場の規模が大きく相対的に流動性が高いことから、投資機会の絶対数が多く、今後の開発事業等による安定した供給も期待できます。また、立地及び建物を厳選し、適切な維持管理を行うこと等により、他の用途の不動産に比べて中長期にわたる安定した収益力を維持し得ることから、収益の安定と拡大をバランスさせることにより、投資主価値の最大化を目指す本投資法人の投資方針に最も適合する投資対象と考えています。
他方、オフィスビルの収益は、相対的に景気変動の影響を受けやすく、景気上昇局面では賃料及び稼働率の上昇による収益の向上を期待できますが、景気下降局面においては収益が下落するおそれがないとはいえません。これに対し、本資産運用会社は、本投資法人の運用資産に関し、景気変動に左右されにくい資産を厳選し、かつ常にテナント満足度の高いプロパティ・マネジメント・サービスの維持を図るといった日々の資産運営面の工夫をこらすことにより、仮に中長期的には景気下降局面に遭遇する場合にも、賃料及び稼働率の下落リスクを最大限軽減することを目指します。
また、以下の諸点を重視しつつ、最適なポートフォリオの構築を目指します。
a.地域バランス
東京都心6区を最重要エリアと位置づけつつ、これに加えて大阪市・名古屋市・福岡市の各中心部、並びに東京都心6区を除く東京都及び東京周辺地域(神奈川県、埼玉県及び千葉県)へも積極的に投資することにより、各大都市圏での経済情勢の変動や大規模開発の集中等による市場の変化に対応します。詳細は、後記「B.投資対象地域」をご参照ください。
b.物件規模バランス
不動産市場における優位性・競争力が高いと思われる大型ビル(注)と、流動性や賃料の安定性が高いと思われる中型ビル(注)とのバランスを考慮し、最適な組み合わせとなることを目指します。
(注)本投資法人では、東京23区においては延床面積10,000坪以上を大型ビル、延床面積1,000坪以上10,000坪未満を中型ビルと、東京23区以外においては延床面積4,000坪以上を大型ビル、延床面積1,000坪以上4,000坪未満を中型ビルと定義しています。
c.テナントバランス
退去リスク等テナントに関わる様々なリスクを可能な限りコントロールするため、ポートフォリオ全体における同一テナント、特定業種への集中を避ける等、テナントのバランスに配慮しリスク分散を図ります。
(ⅱ)その他(商業施設・住宅等)
オフィスビル以外の用途の不動産についても、それぞれの用途特性に応じて収益性、安定性及び流動性等を勘案し、本投資法人の基本方針に合致すると考えられる不動産に対し、オフィスビルと同等の投資価値があるものについて厳選して投資することとします。具体的には、全国的な知名度を有する商業地区に所在する都市型商業施設等や、東京都内に所在する住居用不動産等を考えています。
B.投資対象地域
本投資法人の投資対象地域は、規約第26条第2項において、東京都及び東京周辺地域(神奈川県、埼玉県及び千葉県)並びに政令指定都市、県庁所在地及びそれらに準ずる都市とされていますが、資産運用ガイドラインにおいてより詳細な選別基準を設定し、下表のとおりとしています。特に、下表のエリアⅠ、エリアⅡ及びエリアⅢを併せて「コアエリア」とし、コアエリアへの投資比率にウエイトを置くことにより、オフィス中心型かつ東京都心6区重点配分型のポートフォリオの構築を目指します。
(ⅰ)オフィスビル
本資産運用会社は、オフィスビルについて、地域毎の投資特性を勘案して以下の投資対象地域区分に応じたポートフォリオを構築します。
| <投資対象地域> |
| 投資対象地域 | ||
| コアエリア | エリアⅠ | 東京都心6区(千代田区、中央区、港区、新宿区、品川区及び渋谷区) |
| エリアⅡ | 大阪市中心部(梅田、堂島・中之島、淀屋橋、本町地区等)、名古屋市中心部(名駅、伏見、栄地区等)、福岡市中心部(天神、博多駅前地区等)(注) | |
| エリアⅢ | エリアⅠを除く東京都及び東京周辺地域(神奈川県、埼玉県及び千葉県) | |
| エリアⅣ | エリアⅡを除く大阪市、名古屋市、福岡市並びにその他の政令指定都市等 | |
(注)「大阪市中心部」とは大阪駅(JR)、大阪梅田駅(阪急電鉄、阪神電鉄)、梅田駅(Osaka Metro)、淀屋橋駅(Osaka Metro)、本町駅(Osaka Metro)から各々概ね徒歩10分圏内に位置する地区を、「名古屋市中心部」とは名古屋駅(JR、名古屋市営地下鉄、名古屋鉄道)、伏見駅(名古屋市営地下鉄)、栄駅(名古屋市営地下鉄、名古屋鉄道)から各々概ね徒歩10分圏内に位置する地区を、「福岡市中心部」とは博多駅(JR、福岡市営地下鉄)、天神駅(福岡市営地下鉄)、西鉄福岡駅(西日本鉄道)から各々概ね徒歩10分圏内に位置する地区を、それぞれ指すものとします。但し、これらは行政区画とは必ずしも一致するものではありません。
オフィスビルの市場規模が大きく、稼働率も高い東京都心6区(エリアⅠ)を主たる投資対象地域とします。エリアⅠ、大都市圏でオフィスビル集積度・賃料水準が他の都市に比べて高い大阪市・名古屋市・福岡市の各中心部(エリアⅡ)並びにエリアⅠを除く東京都及び東京周辺地域(神奈川県、埼玉県及び千葉県)(エリアⅢ)をあわせてコアエリアとし、重点的に投資していきます。
| <投資対象地域別投資比率> | ||
| 投資対象地域 | ポートフォリオに占める投資比率(注) | |
| コアエリア | 80%以上 | |
| エリアⅠ | コアエリアの50%以上 | |
| エリアⅡ | コアエリアの50%以下 | |
| エリアⅢ | コアエリアの50%以下 | |
| エリアⅣ | 20%以下 | |
(注)ポートフォリオ全体の取得価格の総額に占めるそれぞれのエリアに属する不動産等及び不動産対応証券の取得価格の総額の割合をいいます。なお、経済情勢、不動産市況及び固有の物件に係る諸要因等により、本投資法人が保有する不動産等及び不動産対応証券に係る投資対象地域が短期的に上記の比率と整合しない場合があり得ます。
(ⅱ)その他
その他の不動産の投資対象地域については、それぞれの不動産の用途特性に応じて厳選して投資していきます。具体的には、商業施設であれば、投資判断時点において人口100万人以上の都市の中心街にある不動産を主な投資対象とし、住居であれば、東京都内に所在する不動産を主な投資対象とします。
(ハ)具体的投資基準
立地特性及び関連する不動産市場動向等を十分に把握し、投資対象不動産の規模、仕様、収益性や、保有リスク等を総合的に分析・検討した上で投資判断を行います。
また、取得後は、資産価値及び競争力の維持・向上のための、継続的かつ効果的な設備投資、収益拡大のための諸施策及びコスト削減策を実施し、競争力の強化を図っていきます。
A.属性
個別の運用不動産の選定にあたっては、下表の各項目を基準とします。
| 項目 | 選定基準 |
| 規模 | オフィスビルについては、原則として延床面積3,300㎡(約1,000坪)以上、かつ基準階の専有面積330㎡(約100坪)以上の建物であることとします。 なお、その他の用途の不動産(商業施設、住居等)については、各用途に鑑み、商圏の規模や、地域の将来性を考慮の上、規模について基準を設けず個別に判断することとします。 |
| 耐震性 | 新耐震基準(注)又はそれと同等水準以上の耐震性能を有していることとします。 新耐震基準で設計されていない物件については、耐震診断の内容を調査し、必要とされる強度が確保されているか否かを確認するものとします。加えて、取得を検討する全ての物件につき、専門的能力のある第三者機関による耐震性評価を事前に行うこととします。特に設計書・構造計算書・建築確認書等の書類の内容につき当該第三者機関による独立独自の見地での精査を経た上で報告書を取り付けることとします。 |
| 収益性 | 取得時点までの稼働率及び賃料収入等を勘案し、将来にわたり安定した収益が見込めることを条件とします。 |
| テナント構成 | テナントの信用力、賃貸借契約の条件、代替性等を考慮し総合的に勘案するものとします。 |
| 環境関係 | 以下の内容を検討して決定することとします。 ・アスベスト、フロン及びPCB等の有害物質の有無及び管理状況 ・地質状況、土地利用履歴、土壌汚染状況等 なお、吹付アスベストに関しては、除去することを基本とします。 また、調査結果に関しては必要に応じて開示することとします。 |
(注)「新耐震基準」とは、建築基準法(昭和25年法律第201号、その後の改正を含みます。以下「建築基準法」といいます。)及び昭和56年に改正された建築基準法施行令(昭和25年政令第338号、その後の改正を含みます。)に基づく建物等の耐震基準をいいます。
B.築年数
本投資法人は、オフィスビルにつき取得を検討する場合、築年数に関しては、原則として、立地との関係で下表のマトリックスに該当するオフィスビルにつき投資するものとします。但し、いわゆる新耐震基準に準じた耐震性能を備えた物件については、下表の築年数を超える場合であっても投資対象とすることがあります。
| 投資エリア | 投資エリア別築年数 |
| コアエリア (エリアⅠ、Ⅱ及びⅢ) | 30年未満 |
| エリアⅣ | 15年未満 |
なお、その他の用途の不動産(商業施設・住宅等)についても、オフィスビルの基準に準じて取得を検討します。
C.投資額
物件の取得にあたっては、ポートフォリオ全体の構成とバランスとを考慮します。過度の集中投資を避けるため、1案件当たりの投資額は当該物件投資後のポートフォリオ全体の30%以下となるよう配慮します。但し、短期的にこの比率を超えることがあります。
(ニ)保有期間及び売却方針
中長期的な保有を基本方針とします。個々の運用資産の売却は、ポートフォリオの構成、中長期的な不動産市況、将来における収益予想、資産価値の増減及びその予測、立地エリアの将来性・安定性並びに不動産の劣化又は陳腐化に対する資本的支出額等の見込みを考慮の上、業績に与える影響等も勘案しつつ、総合的に判断します。
(ホ)開発案件への取組
本投資法人は、既に稼働中の物件に限らず、投資機会を厳選し、開発案件も取り組むものとします。
但し、開発案件は、竣工後のテナント確保が十分可能と判断されることを確認するなどリスクを極小化するとともに、完工・引渡しリスク、開発リスク等の低減を図った上で、取得することとします。そのため、必要に応じ、金融・不動産に精通するスポンサー企業のノウハウを用い、不動産市場で利用可能な様々な金融手法・最新の投資技術を活用することも併せて検討します。
(ヘ)物件調査(デューディリジェンス)基準
本資産運用会社は、本投資法人の投資方針及び前記「(ハ)具体的投資基準 A.属性」に記載の選別基準に適合する不動産等及び不動産対応証券を選定するにあたり、現地実査及び取引関係者等から本資産運用会社が入手した資料並びに独自調査の結果を精査するとともに、不動産鑑定士、建設会社、設計会社、保険会社、マーケット・リサーチャー、弁護士、公認会計士等の外部専門家によって作成された不動産鑑定評価書、価格調査書、建物状況調査報告書、地震リスク調査報告書、マーケット・レポートその他の各種レポート等を精査した上で、その投資方針及び物件選定基準への適合性を判断します。さらに当該不動産等に法令違反等の重大な問題がないかを把握することとします。
また、耐震性能と地震リスクの診断・調査を全ての物件取得の際に実施することとします。具体的には、耐震性能・地震リスクの審査能力を有する第三者機関により、設計書・構造計算書・建築確認書等につき審査を行い、これらに問題がないとの判断が書面で確認された場合にのみ取得することとします。
耐震性能を含め、当該不動産等に法令違反等の重大な問題がないかとの判断において考慮する主要な調査項目は以下のとおりです。
| 調査内容 | 分析事項(概要) | 主な参考資料 |
| 経済的調査 | ①当該地域・競合地域でのオフィスの需給動向、当該物件向けの需要動向の調査・検討 ②当該物件の予定収入と将来見通し(賃料・共益費等)、固定費・変動費予想(管理費・水光熱費・修繕費等)、敷金・保証金等を含む賃貸条件・相場との乖離率 ③立地条件・地域特性・周辺環境(交通利便性・周辺施設等を含みます。) ④物件収益力、キャップレート水準 ⑤鑑定評価額・収益力・収益予想等に基づく取得価額の妥当性 ⑥テナントの信用力及びテナント構成 ⑦物件管理状況(プロパティ・マネジメント会社の管理能力・テナント獲得能力・提案力・契約条件等) ⑧市場評価予想を含めた将来の売却可能性 ⑨物理的調査、法的調査、運営状況調査を踏まえた総合的な経済的調査結果の検討 | ・不動産鑑定評価書 ・マーケット・レポート ・現地調査 |
| 物理的調査 | ①土地の形状・越境の有無・境界確定の状況 ②建物・設備の現況調査・診断(過去修繕状況・劣化状態の確認等) ③建物現況を踏まえた予想修繕費・設備等更新費(年間修繕計画及び中長期修繕計画の内容確認) ④設計者・施工者・建築主・建築確認機関の信用性等の審査 ⑤建物耐震調査(耐震性・PML他)(注) ⑥建物の構造・規模・築年数、建物仕様の確認(基準階賃貸面積、フロア形状、天井高、空調・電気容量・OAフロア等設備スペックの確認) ⑦環境調査・有害物質(アスベスト・PCB等)調査・土壌汚染調査 | ・売主からの開示資料 ・建物状況調査報告書(PML評価報告書を含むことがあります。) ・現地調査 ・第三者専門機関の報告書 |
| 法的調査 | ①所有権・抵当権等(共有・準共有、区分所有、借地権、担保物権・用益権その他の権利)の権利関係調査 ②賃貸借(テナント)契約の内容調査 ③土地の境界確認書・越境覚書等の近隣関係書類の確認 ④建物の現況、管理状態等の関連法令遵守状況 ⑤管理規約・共有者間協定書・借地契約・公開空地管理等の権利関係書類の確認 ⑥共有者、テナント、近隣関係者等との紛争の有無の確認 ⑦電波障害対策等、近隣関係者との取決め内容の確認 ⑧前所有者等の状況(否認・詐害行為取消権のリスク調査) | ・売主からの開示資料 ・建物状況調査報告書 ・現地調査 ・法務監査報告書 |
(注)PMLとは、想定した予定使用期間中(50年=一般的建物の耐用年数)での超過確率10%の損失を生じる地震により、どの程度の被害を受けるかを、90%非超過確率に相当する予想損失額の再調達価格に対する割合(%)で示したものを意味します。但し、予想損失額は、地震動による建物(構造体、仕上げ、建築設備)のみの直接損失に関するものだけであり、機器、家具、什器等の被害や地震後の水又は火災による損失、被災者に対する補償、営業中断による営業損失等の二次的被害は含まれていません。
(ト)運営管理方針
本資産運用会社は、本投資法人の営業期間毎に運用資産全体について、経済環境見通しに基づき、ポートフォリオ規模・資産運用状況を踏まえた運営管理方針、プロパティ・マネジメント方針、リーシング方針及び付保方針を策定し、それらの進捗を管理します。
A.運営管理方針の策定及び進捗状況の管理
本投資法人の営業期間毎に運用資産全体について以下のような「運営管理方針」を策定し、計画的な資産の運用を行います。
また、運営管理方針のうち、年間取得・売却計画、年間賃貸・管理計画、年間修繕計画及び年間資金調達計画(併せて以下「年間運用計画」といいます。)については、本投資法人の営業期間に合わせ6ヶ月毎に向こう1年間の計画の策定及び見直しを実施します。
| <運営管理方針> |
| 大項目 | 中項目 |
| (ⅰ)新規取得・売却計画 | a.年間取得・売却計画 b.中期取得・売却計画 |
| (ⅱ)賃貸・管理計画 | a.年間賃貸・管理計画 b.年間修繕計画及び中長期修繕計画 |
| (ⅲ)年間資金調達計画 | - |
(ⅰ)新規取得・売却計画
a.年間取得・売却計画
当該年度における新規取得の予定時期・予定金額、及び売却を予定する物件・予定時期、売却目標額を策定します。
b.中期取得・売却計画
今後の経済環境、投資対象地域の開発動向、将来にわたる収益見通し、今後の投資額の見込み等を勘案し、中期的な取得・売却の目標を策定します。
(ⅱ)賃貸・管理計画
a.年間賃貸・管理計画
本資産運用会社は、各物件につき同一エリア内の賃貸不動産の供給動向、業種別テナント動向及び他物件成約事例等を反映し、新規募集賃料の設定、既存テナントの定期的な賃料の見直しを行うとともに、既存テナントの満足度の向上、新規テナント候補への継続営業等の方針を定め、プロパティ・マネジメント会社及びテナント仲介業者と連携し機動的なリーシングを行います。
b.年間修繕計画及び中長期修繕計画
本資産運用会社は、運用不動産の収益の安定化と競争力及び資産価値の維持・向上を図るため、修繕及び資本的支出に関する中長期修繕計画及びそれに基づく年間修繕計画を策定します。
修繕・資本的支出の実施にあたっては、各運用不動産の減価償却費の範囲内で行うことを原則とし、これを超える場合であっても、総額ではポートフォリオ全体の減価償却費の範囲内で実施することを基本とします。
(ⅲ)年間資金調達計画
本資産運用会社は、資金の借入及び返済に係る年間資金調達計画(投資法人債の発行及び償還に係る計画を含みます。)を策定します。
本資産運用会社は、上記の各計画について、運用不動産毎及びポートフォリオ全体で月次単位の収支実績を検証し、見直しを行いつつ、進捗状況を管理していきます。
また、期中又は営業期間終了時において、計画に乖離が生じた場合は、それを踏まえて、収益向上のための必要な措置を講じます。
B.プロパティ・マネジメント方針
(ⅰ)プロパティ・マネジメント会社の選定方針
プロパティ・マネジメント会社の選定にあたっては、候補となる会社の経験・実績、信用力、組織・体制、報酬水準、リーシング能力、テナント満足度向上への取組等を総合的に検討した上で、最適と思われる業者を選定します。なお、上記に加え、取得後の運営の継続性(入居中のテナントとの良好な関係の維持等)についても十分に考慮します。
なお、プロパティ・マネジメント会社への業務委託期間は、1年を基本とします。契約期間満了時における契約更新については、考課査定の内容により本資産運用会社が判断するものとします。
(ⅱ)プロパティ・マネジメント会社の管理方針
本資産運用会社は、プロパティ・マネジメント会社に対して、各運用不動産の特徴に合わせた運営体制を構築するよう指導し、定期的(原則として毎月)に、プロパティ・マネジメント会社に対し、以下のような事項の状況を確認し、協議の上、適正な運営を行うよう管理していきます。
・前月までの収支状況
・運用不動産の稼働状況
・既存テナントの動向
・新規テナントの営業活動の状況
・テナントからのクレーム、対応状況
・施設管理上のクレーム、対応方針等
・修繕工事の予定と実績
・各種品質向上施策の提案
(ⅲ)プロパティ・マネジメント会社の評価
本資産運用会社は、定期的(原則として一年毎)に、各運用不動産のプロパティ・マネジメント会社の運営実績を評価します。その結果が、本資産運用会社の期待する水準に満たない場合には、当該プロパティ・マネジメント会社に対して、業務内容の変更及び改善の指示を行うこととし、場合によっては、プロパティ・マネジメント会社の変更を行うことがあります。
C.リーシング方針
(ⅰ)テナント選定基準
テナントの選定にあたっては、テナントの信用力・賃料負担能力の他、反社会的勢力・団体又はその構成員に該当する事実の有無等を把握した上で、本資産運用会社が定めるテナント選定基準に基づき、選定するものとします。
(ⅱ)マスターリース契約
本投資法人の運用不動産の賃貸に係る契約形態については、可能な限り本投資法人又は信託受託者と実際に建物を使用収益するテナントとの間にプロパティ・マネジメント会社を賃借人(マスターリース会社)として介在させ、運用不動産をマスターリース会社に賃貸する形態(マスターリース契約)を基本とします。これは、運用不動産のプロパティ・マネジメント会社を原則的にマスターリース会社とすることにより、当該不動産が一元的に管理・運営される体制となり、またプロパティ・マネジメント会社が本投資法人と実際に建物を使用収益するテナントとの間の当事者として位置づけられ、テナントリーシング業務、建物運営管理業務遂行にあたり、プロパティ・マネジメント会社が、より主体的、能動的に機能することが可能になると期待されるためです。
D.付保方針
(ⅰ)損害保険
災害及び事故等による建物の損害又は対人対物事故による第三者への損害賠償を担保するため、個別の運用不動産毎に適切な損害保険(火災保険及び賠償責任保険等)の付保を検討します。なお、保険内容は定期的に見直すこととし、常に最適な保険を付保します。
(ⅱ)地震保険
地震保険の付保に関しては、ポートフォリオ全体のPMLを基準に災害による影響と保険料を比較検討して判断します。個別不動産のPMLが20%を超過する運用不動産については、個々に地震保険の付保を検討します(PMLについては前記「(ヘ)物件調査(デューディリジェンス)基準」をご参照ください。)。
(チ)成長性の確保
A.内部成長
本資産運用会社は、計画的かつ適切な運用資産の維持管理を実行することにより、テナントの満足度を高め、賃料収入の安定的成長を図り競争力の向上を目指します。また同時に、計画的かつ適切な維持管理を行い、より低廉なコストで実施することを目指します。
(ⅰ)賃料収入の安定的成長
中長期にわたり安定的な収益を確保するため、物件毎に年間賃貸・管理計画を策定し、かかる計画に基づき、戦略的なリーシング活動を行っていきます。リーシング活動はプロパティ・マネジメント会社と常日頃連携を取り、新規テナント募集活動に加え、増収政策も視野に入れながら、既存テナントの増床ニーズを的確に捉えていきます。経済情勢、不動産賃貸市場、地域動向を見据えながら、プロパティ・マネジメント会社と常日頃連携を取り、年間運用計画に沿った運営を行い、稼働率、賃料水準の向上に努めます。
(ⅱ)計画的な維持管理
建物を維持する上で必要とされる支出のうち、建物保守、清掃、警備といった日常の運営管理費については、その支出単価を物件毎に検証し、適正な品質をより低廉な費用で管理できるよう検討していきます。恒常的な管理品質向上及び支出の削減に寄与すると判断できる場合は、建物保守、清掃、警備等各種業務の一括委託や、複数物件をまとめて一社に委託する等管理の効率化を図ります。
また、建物維持管理については、中長期修繕計画に基づき実施して参ります。毎年実施する現地調査に基づき、この中長期修繕計画を常に更新し見直しを図りつつ、中長期の資本的支出を把握し計画的実施を図ります。
資本的支出は、本投資法人の運用状況等を考慮しつつ、中長期修繕計画に基づき、毎期策定する年間修繕計画に則り実施します。修繕、更新、改修といった資本的支出は原則としてポートフォリオ全体の減価償却費と中長期修繕計画とを考慮して判断します。
また、恒常的な支出削減に寄与する省エネシステムの導入等、重要設備の更新を効果的に行うことにより、外部委託費・水道光熱費の削減・効率化を図ります。
B.外部成長
本投資法人は、リスク分散、収益拡大、スケールメリットの享受等の観点から、運用不動産の拡大に前向きに取り組む方針です。具体的には、スポンサー企業からの拠出物件を軸に安定収益を確保しながら成長を目指しますが、同時にスポンサー企業からの出向等による高い専門性をもつ人材を中心に、あらゆるチャネルを駆使しながら広く投資機会を求め、かつ、かかる専門性を活用し競争力ある運用不動産の取得活動を展開します。なお、詳細については、前記「(イ)スポンサー企業の総合力の活用・結集 A.不動産及び金融それぞれに強みを持つスポンサー企業が本資産運用会社へ物件、人材、ノウハウ及び資金等の各面で強力なサポートを継続」及び「C.スポンサー企業との協働又は関係活用」をご参照ください。
(リ)財務方針
本投資法人は、中長期的な観点から、安定収益の実現と運用資産の着実な成長のために、以下に掲げる方針に従い、金融の専門家集団による機動的かつきめ細かな財務戦略を立案、実行します。
A.人員体制
本資産運用会社には、金融・証券市場で豊富な経験を有する人材が配置されており、金融の専門家集団として機動的かつきめ細かなオペレーションによる財務戦略の立案及び実行が可能な体制を構築しています。
B.リサーチ力の活用
本資産運用会社は、上記の人員体制に加え、みずほ総合研究所株式会社との業務提携関係(詳細については、前記「1 投資法人の概況 (3)投資法人の仕組み ③ 上記以外の本投資法人の主な関係法人等の運営上の役割、名称及び業務の内容」をご参照ください。)を活用し、経済・金利・為替動向等マクロ経済等調査報告及びそれらに基づく将来見通しを踏まえた財務戦略を立案、実行します。
C.エクイティ・ファイナンス
投資口の追加発行は、金融環境を的確に把握するとともに、投資口の希薄化(新規投資口の追加発行による投資口1口当たりの純資産額又は分配金の減少)、新たに取得する不動産等の取得時期、総資産に対する有利子負債の比率に配慮した上で機動的に行います。
D.デット・ファイナンス
機動性と安定性に配慮し、短期資金調達と長期資金調達とのバランスを効率よく組み合わせるものとします。
また、機動性、安定性を確保するためコミットメントラインの設定等を行うことがあります。なお、デット・ファイナンスにあたっては、以下の諸点に留意します。
・金利の固定・変動
資本市場及び金利の動向に鑑み、金利の固定・変動等の諸条件を決定します。また、借入金等の金利変動リスクをヘッジすることを目的として、デリバティブ取引を行うことがあります。
・返済期限の分散
資金の借入及び投資法人債についての返済及び償還期限の分散を図るものとします。
・投資法人債
資金調達手段の多様化を目的として、投資法人債を発行することがあります。投資法人債の発行に際して、財務の健全性の一つの指標等とするため、信用格付業者より格付を取得することがあります。
・LTV水準
LTVは60%を上限とします。但し、物件の取得及び評価額の変動等に伴い、一時的にかかる基準を満たさないことがあります。LTV水準については、保守的な運用に努め、また、適時適切なタイミングで、バランスに配慮したエクイティ・ファイナンスを実施することを検討し、外部成長力の確保を図ります。なお、LTV水準は35%から50%を目安に運用しています。
・調達限度額
本投資法人の借入金及び投資法人債発行額を合わせた限度額は1兆円とします。
・借入先
資金の借入を行う場合、借入先は機関投資家(租税特別措置法第67条の15に定める機関投資家をいいます。以下同じです。)に限るものとします。
借入の実施に際しては、借入条件等につき複数の機関投資家と交渉の上、比較し決定するものとします。但し、安定的な資金調達ルート確保のため、特定の機関投資家に集中することなく、資産規模の拡大に伴い、資金調達先の分散、拡大を検討します。
・担保設定方針
本投資法人は、金融環境の変化に留意し、安定的かつ効率的な資金調達を行うために、運用資産を担保として提供することがあります。
E.キャッシュマネジメント
資金調達手段としてテナントから預かった敷金及び保証金を活用することがあります。また、資金運用については、安全性、換金性等を考慮し、金利の動向及び資金繰りを十分に鑑みて行います。
F.格付取得
財務の健全性の一つの指標等とするため、信用格付業者より格付を取得することがあります。本投資法人はかかる格付に裏付けられた信用力を活用して、有利かつ戦略的な資金調達を行うことを検討しています。
G.適切なバランスシートコントロール
スポンサー企業によるウェアハウジング機能の活用、柔軟なポートフォリオの構築等により、資産残高、資産取得時期等(資産面)とLTV(負債面)の両面のコントロールを適切に行っていきます。ウェアハウジング機能の詳細については、前記「1 投資法人の概況 (3)投資法人の仕組み ③ 上記以外の本投資法人の主な関係法人等の運営上の役割、名称及び業務の内容」をご参照ください。
(ヌ)情報開示方針
A.本投資法人は、透明性確保の観点から、法定開示に加え、投資家に対して正確で偏りのない情報を適時にかつ分かり易く開示することに努めるとともに、投資家にとって重要又は有用と判断した情報について可能な限り自主開示を行うものとします。
B.投信法、金融商品取引法、東京証券取引所、投資信託協会等がそれぞれ要請する内容及び様式に従って、適切に開示を行います。
C.本資産運用会社のスポンサー関係者との取引規程に定める利害関係人等との一定の取引については、透明性確保の観点から、適用ある法令、規則及び同規程等に従って、適切な方法により速やかに開示するものとします。
D.上記A.ないしC.を遵守するための体制を整備し、維持することに努めるものとします。
(ル)その他
本投資法人は、特定不動産(本投資法人が取得する特定資産のうち不動産、不動産の賃借権若しくは地上
権又は不動産の所有権、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権をいいます。)の価額の合計
額の本投資法人が有する特定資産の価額の合計額に占める割合を100分の75以上とします。