有価証券報告書(内国投資証券)-第5期(平成27年9月1日-平成28年2月29日)
(1)【投資方針】
① 本投資法人の基本戦略
本投資法人は、資産を、主として不動産等資産に対する投資として運用することを目的として、継続的な投資を通じて、中長期にわたる安定した収益の確保と運用資産の着実な成長を目指して運用を行います。
具体的には、以下の戦略による収益性及び安定性の追求を通じ、投資主利益の最大化を目指します。
◆Aクラス及びBクラスのオフィスビルと都市型商業施設を中心としたポートフォリオの構築
・Aクラス及びBクラスのオフィスビルはマーケット規模が大きく、Sクラスのオフィスビルよりも相対的に高い利回り水準での取得機会が見込めるとともに、テナント層が厚く相対的に安定した賃貸需要及び賃料水準が見込めると考えています。
・都市型商業施設は、オフィスビルよりも長期の契約であることが多く、また、郊外型商業施設よりも相対的にテナント層が厚く、テナント分散等を通じた収益の安定性が見込めると考えています。
◆中長期的に安定した賃貸需要が見込め、マーケット規模が相対的に大きい東京経済圏への投資を中心としつつ、東京経済圏よりも相対的に高い利回りが見込める地方政令指定都市等へも厳選投資
◆本邦不動産マーケットの有力プレイヤーでありスポンサーたるみずほ信託銀行株式会社のノウハウ及び経営資源の提供等のサポートの活用、並びにSIAグループが有する上記の投資対象資産における豊富な不動産私募ファンド組成・運用ノウハウ等の活用
(注)「オフィスビル」、「Sクラス」、「Aクラス」、「Bクラス」、「商業施設」、「都市型商業施設」、「郊外型商業施設」、「東京経済圏」、「地方政令指定都市等」、「SIAグループ」等の定義については、後記「② 本投資法人の基本方針」をご参照下さい。
② 本投資法人の基本方針
(ア)収益性と安定性を兼ね備えたポートフォリオの構築
本投資法人は、規約に定める投資方針に従い、主としてオフィスビル(注1)及び商業施設(注2)に対して投資を行います。また、中長期にわたる安定的な収益の確保を重視しつつも、収益の向上も併せて追求するポートフォリオの構築を目指します。
具体的には、オフィスビルについては、Aクラス(注3)及びBクラス(注3)のオフィスビルを中心的な投資対象資産とします。本投資法人は、Aクラス及びBクラスのオフィスビルはマーケット規模が大きく、Sクラス(注3)のオフィスビルよりも相対的に高い利回り水準での取得機会が見込めるとともに、テナント層が厚く相対的に安定した賃貸需要及び賃料水準が見込めると考えています。
また、商業施設については、都市型商業施設(注4)を中心的な投資対象資産とします。本投資法人は、都市型商業施設について、オフィスビルよりも相対的に長期の契約であることが多く、また、郊外型商業施設(注5)よりも相対的にテナント層が厚く、テナント分散等を通じた収益の安定性が見込めると考えています。
なお、オフィスビル及び商業施設は、景気好調期においては賃料の増額を通じた収益の向上が見込めるという特性や、特に都市型商業施設については売上歩合賃料部分の増額を通じた収益の向上が見込まれるといった特性を有しているものと考えています。
また、投資対象地域については、中長期的に安定的な賃貸需要が見込め、マーケット規模が相対的に大きい東京経済圏(注6)を中心としつつ、東京経済圏よりも相対的に高い利回りが見込める地方政令指定都市(注7)及び地方政令指定都市に準じた地方中核都市(注8)(以下、併せて「地方政令指定都市等」と総称します。)へも厳選投資することとします。
なお、ポートフォリオ構築方針及び投資基準に関する詳細は、後記「③ ポートフォリオ構築方針」及び「⑤ 投資基準」をご参照下さい。
(注1)「オフィスビル」は、オフィスの利用に供される関連施設及び付属設備の他、それらの敷地(土地)所有権等を含みます。
(注2)「商業施設」は、その主たる用途において、小売業を含む物品販売業、飲食業、企業ショールーム、展示場等を含む多様な業種・業態による商業利用が可能な施設、その全部又は一部が商業施設の利用者や従業員の利用に供され得る駐車場及び付属設備の他、それらの敷地(土地)所有権等を含みます。
(注3)「Sクラス」とは、都心3区(千代田区、中央区及び港区をいいます。)に所在する基準階面積200坪以上のオフィスビルをいい、「Aクラス」とは、都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区及び渋谷区をいいます。)に所在する基準階面積100坪以上200坪未満のオフィスビル並びに都心3区を除く東京経済圏、大阪市、名古屋市、札幌市及び福岡市に所在する基準階面積200坪以上のオフィスビルをいい、「Bクラス」とは、都心5区に所在する基準階面積50坪以上100坪未満のオフィスビル、都心5区を除く東京経済圏、大阪市、名古屋市、札幌市及び福岡市に所在する基準階面積100坪以上200坪未満のオフィスビル、並びに大阪市、名古屋市、札幌市及び福岡市以外の地方政令指定都市等に所在する基準階面積100坪以上のオフィスビルをいいます。
(注4)「都市型商業施設」とは、東京経済圏及び地方政令指定都市等のターミナル駅に隣接するエリア又は旧来から商業施設や行政サービス施設等が集積している繁華性が高いエリアに所在する商業施設をいいます。
(注5)「郊外型商業施設」とは、主に車でアクセスすることが想定される郊外に立地する商業施設をいいます。
(注6)「東京経済圏」とは、東京都、神奈川県、埼玉県及び千葉県をいいます。
(注7)「地方政令指定都市」とは、東京経済圏以外に所在する政令指定都市をいいます。
(注8)「地方中核都市」とは、東京経済圏以外に所在する地方政令指定都市以外の県庁所在地又はそれに準ずる都市をいいます。
(イ)スポンサーによるサポート
a.スポンサーにおける不動産ビジネス
スポンサーであるみずほ信託銀行株式会社は、個人・事業法人・金融法人・公共法人を主要なお客さまとし、信託業務を中心に、銀行業務その他金融サービスを提供する中で、不動産仲介業務と不動産流動化業務を主たる柱とする不動産ビジネスを営んでいます。不動産仲介業務では、スポンサーの属するみずほフィナンシャルグループの広大な顧客基盤を背景に、豊富な情報ネットワークとノウハウを駆使して実績を積み重ねており、また不動産流動化業務では、不動産アセット・マネジメント業務や不動産管理処分信託業務に加え、不動産の流動化や収益不動産投資におけるフィナンシャル・アドバイザリー業務や不動産ノンリコースローン業務等の多様なソリューションを提供している本邦不動産マーケットにおける有力なプレイヤーです。
本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーが持つ情報力、案件創出力を本投資法人の外部成長と内部成長の両面において活用するとともに、スポンサーの高い信用力を背景として本投資法人の財務基盤の安定性を向上させ、本投資法人の投資主利益の最大化を目指します。
b.スポンサーによるサポート体制
本投資法人は、スポンサーにおける豊富な情報ネットワークと多様なソリューションに係るノウハウを活かして、持続的かつ安定的な成長を目指すべく、スポンサーであるみずほ信託銀行株式会社との間でスポンサー・サポート契約を締結しています。
以下は、本投資法人及び本資産運用会社がスポンサーとの間で締結したスポンサー・サポート契約における各種サポートの概要です。
(ⅰ)物件売却情報の提供
スポンサーは、本投資法人の投資基準に適合すると判断する不動産の売却情報を収集し、当該情報を速やかに本資産運用会社に対して提供するように努めます。但し、スポンサーは、法令等や契約、スポンサーが負う善管注意義務に照らして当該情報の提供が困難と判断する場合は、かかる努力義務を負いません。
(ⅱ)ブリッジファンド等に関するノウハウ提供等
本資産運用会社は、スポンサーに対し、ブリッジファンドに関するノウハウの提供又はアドバイスを求めることができます。
(ⅲ)テナント情報の提供
スポンサーは、本資産運用会社からの要請があり、テナント候補に関する情報がある場合は、法令等及び契約上の制約がある場合を除き、本資産運用会社に速やかにその情報を提供します。
(ⅳ)物件取得及び運用に関するアドバイザリー業務
スポンサーは、本資産運用会社からの要請があり、業務の受託に関する諸条件を本資産運用会社と合意した場合は、法令等及び契約に反しない範囲で、本投資法人の資産の運用に関連する業務を自ら受託し、又はその子会社をして行わせるよう努めます。
(ⅴ)ファイナンスに関するアドバイス
本資産運用会社は、スポンサーに対し、本投資法人の資金の借入れや融資団組成等のファイナンスストラクチャーの構築等に関するアドバイスを求めることができます。
(ⅵ)財務戦略に関するアドバイザリー業務
スポンサーは、本資産運用会社からの要請があった場合、必要に応じて諸条件を本資産運用会社と合意の上、法令等及び契約に反しない範囲で、本投資法人の資金の調達に関連する業務に関しアドバイス及び補助業務の受託を行うものとします。
(ⅶ)マーケット情報の提供
スポンサーは、本資産運用会社に対し、法令等及び契約に反しない範囲で、不動産の売買や賃貸のマーケットに関する情報や金融マーケットに関する情報等を提供し、本資産運用会社はスポンサーとの間でかかる情報に関する意見交換を行うことができます。
(ⅷ)本投資法人へのセイムボート出資
スポンサーは、その子会社に本投資法人の投資口を保有させ、継続して保有させるように努めます。但し、スポンサーは法的義務を負うものではなく、必要と判断した場合にはその裁量によりその子会社をして投資口を売却させることができます。
(ⅸ)人材の確保に関する協力
スポンサーは、本資産運用会社からの要請があり、スポンサーが必要と判断した場合は、人材の確保又は派遣(スポンサーからの転籍・出向を含みます。)に協力します。
c.スポンサーによる本投資法人の投資口の保有
本書の提出日現在、スポンサーは、完全子会社である株式会社シンプレクス・インベストメント・アドバイザーズを通じて、本投資法人の投資口11,265口(発行済投資口の総口数の15.0%)を保有しており、スポンサー・サポート契約において、かかる投資口の取得後、株式会社シンプレクス・インベストメント・アドバイザーズに継続して保有させるように努めることに合意しています。本投資法人及び本資産運用会社は、かかる当該投資口の保有継続は、本投資法人の投資主とスポンサーとの利益の共通化を図り、スポンサーからの実効性ある各種サポートの提供につながるものと考えています。
d.本資産運用会社におけるスポンサーからの役職員の受け入れ
本資産運用会社は、スポンサーから役職員の派遣を受け入れ、スポンサーにおける不動産ビジネスのノウハウの提供を受けるとともに、スポンサーとの連携を密にしてスポンサーによる各種サポートの実効性を高めることで、本資産運用会社の運用体制を更に強化しています。
(ウ)SIAグループにおけるシナジー効果の発現
a.SIAグループの概要
スポンサーは、完全子会社である株式会社シンプレクス・インベストメント・アドバイザーズ(以下「SIA」といいます。)を通じて、本資産運用会社の発行済株式の全てを保有するとともに、SIAを通じてシンプレクス不動産投資顧問株式会社(以下「SRM」といいます。)の発行済株式の全てを保有しています。SIAは、SIAグループ(注1)の子会社の経営管理を行う他、独自の工事実績データベースを活用したファシリティ・マネジメント機能(注2)を有しており、また、SRMは投資運用業者として国内外の投資家に対して不動産私募ファンドの組成・運用(注3)を通じたアセット・マネジメント及びファンド・マネジメント業務並びにリーシング業務の提供等、SIAグループ以外の投資家の出資により取得した不動産等の管理及び運用等を行っており、単一のアセットタイプに投資するファンドだけでなく、オフィスビル、商業施設、ホテル等の組入資産の用途が多岐にわたるマルチ・アセット・ファンドの運用実績を有します。
本投資法人及び本資産運用会社は、SIAグループの運用ノウハウ並びに多様な資格、経験及び能力を有する人材、独自の工事実績データベースなどの経営資源等を活用して、質の高い投資対象資産の継続的な取得と取得した運用資産の価値の維持・向上を図り、本投資法人の投資主価値の向上を目指します。
(注1)SIAグループは、本資産運用会社の他、SIA及びSRMにより構成されます。
(注2)SIAグループにおけるファシリティ・マネジメント機能には、中長期修繕計画策定やリニューアル工事等の企画立案、工事実績データに基づく各種修繕工事の内容の妥当性確認及び費用査定、その他、省エネ化や遵法性の維持・治癒等、建物の品質に関する様々な対応が含まれます。
(注3)SIAグループにおける不動産私募ファンドの組成・運用業務には、投資家のニーズにあった物件のソーシング、有利な条件でローンを提供するレンダーの招聘、社債発行等によるデット・ファイナンス、監督官庁や行政機関等との調整、特定目的会社を含むSPCの設立、税務法務アドバイザーとの調整等が含まれます。
b.SRMによるサポート体制
SRMの運用物件の売却及びSIAグループが把握する物件売却情報に基づく取得機会を活用し、本投資法人の資産規模の拡大を図るべく、本資産運用会社はSRMとの間でスポンサー・サポート契約を締結しています。以下は、SRMとの間で締結したスポンサー・サポート契約における各種サポートの概要です。
(ⅰ)不動産等の売却情報提供
SRMが、第三者から相対又は市場でソーシングする物件に関する売却情報は、当該物件が本投資法人の投資基準に合致するとSRMが合理的に判断した場合には、別途本資産運用会社による指定がない限り、やむを得ない場合を除き優先的に(第三者に先立ち)本資産運用会社に提供されます。ここでやむを得ない場合とは、(a)SRMがアセット・マネジメント業務を提供しているSPC等若しくはSRMが不動産等の取得判断権限の全部の委託を受けている資産保有ビークルが売主に対して守秘義務を負っているとき、(b)売却先若しくはその範囲を限定されたとき、(c)本資産運用会社に通知することが売主との約束若しくはSRMに当該不動産等が売却されるとの情報を提供した第三者との約束に反し又は売主若しくは当該第三者に対する背信的行為にあたるとき、又は(d)売主より売却先の指定と共に売却の依頼を受けたとき、その他やむを得ない事情のあるときをいいます。
また、SRMがアセット・マネジメント業務を提供しているSPC等が保有する物件の売却情報についても、当該物件が本投資法人の投資基準に合致するとSRMが合理的に判断した場合には、別途本資産運用会社による指定がない限り、情報提供に関してやむを得ない事由がある物件の売却情報を除き、第三者に対する売却活動の開始に後れることなく本資産運用会社に提供し、又は当該SPC等をして提供させるよう合理的な努力をすることとされています。ここでやむを得ない場合とは、(a)SPC等が第三者と共有する不動産等、(b)SPC等が第三者を共同発注者として建物を建築する不動産等、(c)SPC等が当該不動産を取得する前からその売却について第三者との協議を開始している不動産等、(d)SPC等が開発を目的として保有する不動産等のうち建築確認取得前にその売却について第三者と協議を開始している不動産等、(e)SPC等の実質的な意思決定権限者による売却先の指定・制限等に関する意向があった不動産等、その他やむを得ない事情がある場合をいいます。
(ⅱ)アドバイザリー業務
SRMは、本資産運用会社から、本投資法人の資産の運用に関連して、以下に掲げるアドバイザリー業務を受託します。
・本投資法人が既に保有し又は取得を検討している不動産等の管理、賃貸、コンバージョン、リニューアル、開発等に係る補助業務及び助言業務
・その他上記に関連する業務
(ⅲ)ウェアハウジング機能
本投資法人が、本資産運用会社を通じて、SRMに対して、本投資法人への譲渡を前提として一時的にSRMの組成するファンド等において不動産等を保有することの申入れを行った場合、SRMは、当該ファンド等の出資者に対する忠実義務、善管注意義務並びにその他の適用のある契約及び法令を遵守することを前提に、これを受諾すべく合理的な範囲で努力を実施します。
(ⅳ)物件取得アレンジメント業務
SRMは、SRMがソーシングした物件等について、法令に反しない範囲において、本投資法人が物件を取得するに際し、本投資法人をサポートする目的で本投資法人の投資対象不動産等につき、必要なデュー・ディリジェンスを行い、本投資法人の取得プロセスにおける調整を行う等、本投資法人が取得できるよう、本資産運用会社を補助するため、物件取得アレンジメント業務を行います。
(ⅴ)情報交換
SRMは、本資産運用会社に対し、不動産等の売買・開発に関するマーケット情報及び不動産等の賃貸マーケットに係る事項、その他これらに関連する事項について、情報を提供し、本資産運用会社は、かかる情報提供を受け、意見及び情報を交換します。
c.SIAによるファシリティ・マネジメントに関するノウハウの提供
SIAは、1万件を超える独自の工事実績データを活用したファシリティ・マネジメント(中長期修繕計画策定やリニューアル工事等の企画立案、工事実績データに基づく各種修繕工事の内容の妥当性確認及び費用査定、その他、省エネ化や遵法性の維持・治癒等、建物の品質に関する様々な対応等)に関するノウハウを有しており、技術面から資産価値を最大化する施策を立案します。本資産運用会社は、かかるノウハウの提供を受けるべく、SIAとの間でファシリティ・マネジメントに関する業務委託契約を締結し、以下に掲げる業務の提供を受けています。
(ⅰ)指図権の行使、指示等に関する業務
本投資法人が既に保有し又は取得を検討している不動産等の管理(建物の修繕、資本的支出及び緊急事態の対応等を含む。)に関するプロパティ・マネージャーへの指図権の代理行使又は代理指示に関する本資産運用会社への助言業務又は補助業務
(ⅱ)修繕工事等に関する業務
本投資法人が既に保有し又は取得を検討している不動産等に関する修繕工事及び資本的支出工事(以下「修繕工事等」といいます。)の検討・査定に関する助言業務及び補助業務、並びにプロパティ・マネージャーによる修繕工事等の代行発注又は対象不動産の所有者(信託受託者を含みます。)による修繕工事等の発注に関する本資産運用会社の承認に対する助言業務
(ⅲ)工事計画の策定に関する業務
修繕工事等に関する本資産運用会社の中長期修繕計画策定についての助言業務又は補助業務
(ⅳ)デュー・ディリジェンスに関する業務
本投資法人が既に保有し又は取得を検討している不動産等に対する調査・分析等のデュー・ディリジェンスに関する助言業務又は補助業務
(ⅴ)その他上記に付随関連する業務
③ ポートフォリオ構築方針
本投資法人は、以下の方針に従い、前記「① 本投資法人の基本戦略」に記載のとおり、主にオフィスビル及び商業施設に対して投資を行います(注)。
オフィスビルについては、Aクラス及びBクラスのオフィスビルを中心とし、商業施設については、都市型商業施設を中心としてポートフォリオを構築する方針です。
また、本投資法人は、投資対象地域については、中長期的に安定的な賃貸需要が見込め、マーケット規模が相対的に大きい東京経済圏への投資を中心としつつ、東京経済圏よりも相対的に高い利回りが見込める地方政令指定都市等へも厳選投資することを通じて、地域分散により収益の安定性を重視しつつ収益の向上にも配慮したポートフォリオの構築を図ります。
(注)なお、本投資法人は、社会経済的な利用形態において一体的に利用される一又は複数の不動産から構成される施設に係る不動産等又は当該不動産等を裏付けとする不動産関連資産(以下「複合資産」といいます。なお、「不動産関連資産」とは、不動産等及び不動産対応証券(後記「2投資方針/(2)投資対象/① 投資対象とする資産の種類/(ア)」に定義します。)を併せたものをいいます。)の全部又は一部を取得する場合、当該複合資産の賃貸可能面積の過半の利用目的又は実際の利用形態が主としてオフィスビル又は商業施設であるときは、当該複合資産の全部又は一部を取得することができるものとします。
(ア)用途毎のポートフォリオ構築方針
a.オフィスビル
本投資法人は、オフィスビルのうち、Aクラス及びBクラスのオフィスビルを中心的な投資対象資産とします。本投資法人は、Aクラス及びBクラスのオフィスビルは、マーケット規模が大きく、Sクラスのオフィスビルよりも相対的に高い利回り水準での取得機会が見込めるとともに、テナント層が厚く相対的に安定した賃貸需要及び賃料水準が見込めるという特性を有していると考えています。また、本投資法人は、これらのオフィスビルについては、景気変動時においても相対的に賃料水準は安定しており、また、景気好調時における賃料増額改定等を通じた収益の向上が他の用途の不動産に比べて相対的に見込みやすいという特性も有していると考えています。
b.商業施設
本投資法人は、商業施設については、オフィスビルと比較して長期の契約を通じた収益の安定性が見込めるとともに、景気好調期においては、商業施設内のテナント売上連動型賃料の導入やその影響等により収益性が高まるものと考えています。
また、商業施設の中でも、都市型商業施設は、郊外型商業施設と比較して、厚いテナント需要層及びテナント分散等を通じた収益の安定性を有するとともに、景気好調期においては売上歩合賃料部分の賃料増額や賃料改定時期等の賃料増額等により賃料の上昇が見込める特性を有していると考えています。本投資法人は、これらの特性を考慮し、商業施設については都市型商業施設を中心的な投資対象とします。
駅に隣接するエリア又は繁華性の高いエリアに所在する都市型商業施設については、主に車でアクセスすることを想定した郊外型商業施設と比較して、①大都市における人口流入及び中心市街地における多種多様な商業施設や行政サービス施設、オフィスビル等の集積によって生じる集客力の高さ、②多種多様な消費者ニーズに対応した豊富なテナントの出店需要、③不動産マーケットにおける供給量が限定的であることによる希少性といった特性を有していると考えています。
c.用途別投資割合
上記の方針のもと、本投資法人は、本投資法人の運用資産全体(ポートフォリオ)の投資割合(以下「投資割合」といいます。)において、オフィスビルへの投資割合を70%以上、商業施設への投資割合を30%以下とすることを基本方針としています(注1)(注2)。
以下の表は、オフィスビル及び商業施設につき、中心的な投資対象及び投資割合を示したものです。
(注1)取得価格ベースとし、消費税その他の取得に係る諸費用を除きます。なお、不動産関連資産の取得又は売却の結果、一時的に上記の割合から乖離する可能性があります。
(注2)本投資法人は、複合資産の全部又は一部を取得する場合、当該複合資産の賃貸可能面積の過半の利用目的又は実際の利用形態が主としてオフィスビル又は商業施設であるときは、当該複合資産の全部又は一部を取得することができるものとします。なお、オフィスビルと都市型商業施設の複合資産については、当該複合資産全体について、賃貸可能面積が大きい方の用途に属するものとして上記の投資割合を適用します。
(イ)地域別のポートフォリオ構築方針
本投資法人は、用途分散の観点に加え、安定性の見込める東京経済圏への投資を中心としつつも、高い利回りが期待できる地方政令指定都市等も投資対象として、地域分散に配慮したポートフォリオの構築を図ります。
a.東京経済圏
東京経済圏は、地方政令指定都市等と比較して、安定した賃貸需要が見込まれ、また、マーケット規模が相対的に大きいため、本投資法人は、東京経済圏での投資を中心としたポートフォリオを構築する方針です。
加えて、一般にオフィスビル及び商業施設のマーケットにおける賃料は、上昇と下降を繰り返す傾向が見られるところ、本投資法人では、東京経済圏のオフィスビル及び都市型商業施設の賃料は底打ち感があるものと考えています。このため、東京経済圏における賃料は回復に向かうものと考えられ、かかる東京経済圏での投資により、本投資法人の収益性の向上につなげることができるものと考えています。
b.地方政令指定都市等
地方政令指定都市等は、東京経済圏と比較して高い利回りが期待できるとともに、東京経済圏以外の地域にも投資することにより地域分散に配慮したポートフォリオの構築を図ることができると本投資法人は考えています。
c.地域別投資割合
本投資法人は、安定性の見込める東京経済圏への投資を中心としつつも、高い利回りが期待できる地方政令指定都市等を投資対象として、地域分散に配慮したポートフォリオの構築を図る観点から、本投資法人の運用資産全体(ポートフォリオ)の投資対象地域別投資割合において、以下を基本方針としています。
(注)取得価格ベースとし、消費税その他の取得に係る諸費用を除きます。なお、不動産関連資産の取得又は売却の結果、一時的に上記の割合から乖離する可能性があります。
④ 成長戦略
本投資法人は、中長期的な安定成長を実現するため、競争力の高い資産を取得し資産規模の拡大(外部成長)を図るとともに、運用資産の競争力を最大限に引き出す運営・管理により資産価値の維持・向上(内部成長)を目指します。
かかる外部成長及び内部成長の両側面における成長戦略を実現するため、本投資法人は、以下に記載のとおり、本資産運用会社の独自の運用ノウハウと経営資源等を用いることに加えて、スポンサーであるみずほ信託銀行株式会社のサポートのもとでSIAグループの運用ノウハウ及び経営資源等を活用するとともに、スポンサーの信用力、情報力、案件創出力等を活用していく方針です。
(ア)外部成長
本投資法人は、Aクラス及びBクラスのオフィスビル並びに都市型商業施設を中心とするポートフォリオ構築方針のもと、個別物件の立地や建物仕様、テナント特性等を見極めた投資を行うことで、ポートフォリオの質の維持・向上を図りつつ、資産規模の拡大を目指します。
本資産運用会社は、オフィスビル及び都市型商業施設の取得・投資・運営・管理やファンドの組成・運営等を長年にわたり経験したメンバーを中心に構成されています。本資産運用会社は、かかるメンバーが培った、資産取得に関する独自のノウハウと情報収集ネットワークを活用するとともに、スポンサーとのスポンサー・サポート契約に基づき提供される物件売却情報、ブリッジファンド等に関するノウハウ等、及びSRMとのスポンサー・サポート契約に基づき提供される不動産等の売却情報、ウェアハウジング機能、物件取得アレンジメント業務等を活用して本投資法人の外部成長を目指します。
また、中長期的には本資産運用会社独自の不動産情報ルートのさらなる拡大を図り、資産取得のタイミングを機動的に捉え、競争力の高い資産の取得に努めます。
(イ)内部成長
本投資法人は、中心的な投資対象資産とするAクラス及びBクラスのオフィスビル及び都市型商業施設については、相対的にテナント層が厚いと考えられることから、景気好調期においては、テナント需要が高まりやすく、賃料の増額を通じた収益の向上が見込める特性、また都市型商業施設については売上歩合賃料部分の賃料増額を通じた収益の向上が見込めるといった特性を有していると考えています。適切な投資戦略に基づき、賃料の安定性を追及する一方で、アセットの特性としての賃料上昇機会を捉えることにより着実な内部成長が期待できるものと、本投資法人は考えています。
本資産運用会社は、独自のノウハウに加え、スポンサーとのスポンサー・サポート契約に基づき提供されるテナント情報、マーケット情報等、及びSRMとのスポンサー・サポート契約に基づき提供される不動産等の賃貸マーケット情報、不動産等の管理、賃貸、コンバージョン、リニューアル、開発等に係るアドバイザリー等により、ポートフォリオ全体及び運用資産毎の特性を十分に理解し、施設競争力の維持・向上のための運営・管理、リニューアル、コンバージョン等を実施します。また、不動産の運営・管理経験が豊富なプロパティ・マネジメント会社(以下「PM会社」といいます。)を選定し、定期・不定期の検証を通じ、本投資法人の運用資産の個別特性に合わせた適切な運営・管理体制を構築することにより、ポートフォリオの安定的な運用及び収益力の強化を目指します。
(ウ)インセンティブ報酬体系の導入及び公正な運用体制
a.インセンティブ報酬体系の導入
本投資法人は、規約及び資産運用委託契約に基づいて、本資産運用会社に支払う報酬のうち、運用報酬については、総資産額及び賃貸NOIに加え、1口当たり分配可能金額の増加率に連動した運用報酬体系を採用しています。これにより、本資産運用会社は、本投資法人の投資主価値を最大化することへのインセンティブを持つことが可能となります。本資産運用会社への支払報酬の詳細につきましては、後記「4手数料等及び税金/(3)管理報酬等/② 本資産運用会社への支払報酬」をご参照下さい。
また、投資口価格を意識した運用を行うインセンティブを持つよう本資産運用会社の主要な役職員の賞与の一部について、投資口価格の東証REIT指数に対する相対パフォーマンスに連動する、投資口価格連動型賞与を導入しています。これにより、本資産運用会社は、個々人レベルにおいても、本投資法人の投資主価値を最大化することへのインセンティブを持つことが可能となります。
b.投資主利益に配慮した運用体制
運用資産の取得又は売却に関する計画案は、投資運用部による起案、コンプライアンス・オフィサーによる承認、コンプライアンス委員会による決議及び投資政策委員会による決議により、本資産運用会社で決定されることになります。但し、当該計画案に基づく運用資産の取得又は売却が利害関係者取引に該当する場合には、これらの手続に加え本投資法人の役員会の同意を得る必要があります。また、投資政策委員会における決議は、議決権を行使することのできる投資政策委員会の委員の3分の2以上(但し、外部委員及びコンプライアンス・オフィサーの出席を必要とします。)が出席し、出席した議決権を行使することのできる委員のうち3分の2以上の賛成を必要としている他、コンプライアンス委員会における決議は、コンプライアンス委員の3分の2以上が出席し(但し、外部委員の出席を必要とします。)、出席した委員のうち外部委員の賛成を含む3分の2以上の賛成が必要とされています。また、本投資法人は、利害関係者取引における利益相反対策を含め、投資主の利益保護の観点から適切な価格・条件での資産取得を行えるよう体制を構築しています。具体的には、投資主利益保護の観点から適切な価格・条件での資産取得となるよう担保するため、本投資法人のために取得された鑑定評価額(但し、利害関係者以外の第三者から資産を取得するために利害関係者がウェアハウジングを行った場合には、鑑定評価額を著しく超過する場合を除き、ウェアハウジングによる取得価額に当該利害関係者がウェアハウジングを行うにあたり負担した費用(仲介手数料等各種手数料、登録免許税、専門家報酬、信託報酬等)を加えた額とします。)を上限とする等、客観的基準を社内規程として整備しています。
これらの社内規程は、コンプライアンスを維持するとともに、パイプライン・サポート及びその他のサポートを活用するに際して問題となり得る利害関係者取引について、第三者性を担保する体制を採用するものであり、サポートの提供を受ける場合における公正な運用体制の整備・充実を図っています。
投資対象資産の取得に関する社内体制の詳細については、前記「1投資法人の概況/(4)投資法人の機構/② 投資法人の運用体制/(カ)資産運用会社の意思決定手続/b.運用資産の取得及び売却を行う社内組織に関する事項」をご参照下さい。また、利害関係人等との取引制限については後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3管理及び運営/2利害関係人との取引制限」をご参照下さい。
⑤ 投資基準
本投資法人が取得する不動産関連資産の選定においては、資産運用委託契約、本投資法人の規約及び本資産運用会社の内規に従う他、原則として、下表の各選定基準に従うものとします。
(注1)「新耐震基準」とは、昭和56年に改正された建築基準法及び建築基準法施行令(昭和25年政令第338号。その後の改正を含みます。)に基づく建物等の耐震基準をいいます。
(注2)「PML値」とは、想定した予定使用期間中(50年=一般的建物の耐用年数)での超過確率10%の損失を生じる地震により、どの程度の被害を受けるかを、90%非超過確率(損失の大きさがその値を超えない確率が90%の損失で、損失の90%信頼性水準、90パーセンタイルともいいます。すなわち、地震PMLが例えば15%ということは、「損失額が建物価格の15%を超えない可能性は90%(超える可能性は10%)である」ということになります。)に相当する予想損失額の再調達価格に対する割合(%)で示したものを意味します。但し、予想損失額は、地震動による建物(構造体、仕上げ、建築設備)のみの直接損失に関するものだけであり、機器、家具、什器等の被害や地震後の水又は火災による損失、被災者に対する補償、営業中断による営業損失等の二次的被害は含まれていません。
⑥ デュー・ディリジェンス基準
(ア)投資対象とする不動産関連資産の選定に当たっては、現地実査及び取引関係者等から入手した資料並びに独自調査の結果を精査するとともに、弁護士、公認会計士、不動産鑑定士、エンジニア、マーケット・リサーチャー等の外部専門家によって作成された不動産鑑定評価書、エンジニアリング・レポート、マーケット調査レポート及び各種レポート等を精査するものとします。
(イ)不動産関連資産に係る調査(デュー・ディリジェンス)の主要な調査項目は、投資対象とする不動産関連資産の用途等に応じ、原則として以下のとおりとします。
(注1)対象都市の人口1人当たりの小売販売額をその属する都道府県の1人当たりの小売販売額で除した数値をいいます。
(注2)対象都市の人口に小売吸引力を乗じたものをいいます。
⑦ 投資判断基準
不動産関連資産の取得に際しては、前記「⑤ 投資基準」及び「⑥ デュー・ディリジェンス基準」の結果を踏まえ、対象不動産関連資産について多面的な分析を行った上で投資判断を行います。
なお、投資判断における主要な分析項目は以下のとおりです。
(注)「キャップ・レート」とは、安定的な賃貸収支の想定に基づくNOIに対する恒久的な還元利回り(永久還元利回り)をいいます。
⑧ フォワード・コミットメントに関する方針
フォワード・コミットメント(先日付での売買契約であって、契約締結日から1ヶ月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているもの及びその他これに類する契約をいいます。)を行う場合には、以下の点に留意します。
(ア)解約違約金の設定に関する留意点
契約不履行に関する解約違約金に関して、当該解約違約金の水準が、ポートフォリオ全体の収支及び配当水準等に与える影響(東京証券取引所の定める上場廃止基準を含みます。)を十分検証の上、慎重な投資判断を行うものとします。
(イ)期間の上限・決済資金の調達方法等
売買契約締結から物件引渡しまでの期間については、個別物件毎に、開発型案件等における取り組みと比較して妥当な期間を上限とし、当該期間中における金融環境及び不動産市場等の変動リスクがあることを十分認識の上、慎重な検討を行うこととします。決済資金の調達方法については、取得を決定する時点においては、コミットメントライン等の融資枠の利用等、取得額に応じた決済時の取得資金の調達方法及びその実現性を検証し、決済時においては、金融市場、取引先金融機関との関係、投資法人債(短期投資法人債を含みます。)市場等の資金調達環境の変化に応じて最適な資金調達方法を選択することとします。
(ウ)資産価値変動に関する留意点
売買契約締結から物件引渡しまでの期間に、経済情勢の変化等により鑑定評価額が大幅な変動がある可能性がある場合においては、鑑定評価を再取得の上、鑑定評価額を見直すこととします。また、鑑定評価額が取得価額を下回った場合においては、違約金の支払いによる契約解除又は売買価格の再協議の必要性等について判断の上、適切な対応を行うものとします。
(エ)現状変更
売買契約締結から物件引渡しまでの期間に、売主が現状変更を行う場合及び未収テナントが発生し、賃貸借契約の解除事由に該当する場合等には、その対応につき買主の事前承諾を得ることを条件とし、売買価格やポートフォリオ全体に与える影響を十分検証の上、慎重に判断します。
⑨ ポートフォリオ運営・管理方針
中長期的な観点から、安定した収益の確保と運用資産の着実な成長を目指し、以下の方針に基づいて、ポートフォリオの運営・管理を行います。
(ア)基本方針
本投資法人は、成長性及び潜在的価値の把握及び実現を訴求し、運用資産毎に、内部成長要素(リースアップ、各種運営・管理コストの削減、賃料収入の安定的成長、運用資産の適切な運営管理、修繕による資産価値の維持・向上等)を勘案し、さらにテナント満足度の向上も併せて勘案しながら、これらの諸要素から見出される戦略的課題に対処するために最適かつ実効性のある管理スペック(管理水準・管理仕様)、テナントミックス、資本的支出計画その他の諸施策を資産運用計画の一環として立案し、これを実践することを基本としています。
(イ)資産運用計画等
本資産運用会社は、本投資法人の営業期間毎に個々の運用資産及びポートフォリオ全体についての資産運用計画を策定し、計画的な運営・管理を実施します。
資産運用計画は、ポートフォリオ全体の収支予算、運用資産毎の収支予算、運用管理計画、リーシング計画、修繕計画及び資本的支出計画を含むものとします。
(ウ)リーシング・マネジメント
テナントに対するリーシングに当たっては、運用資産毎にその不動産特性を勘案しながら最適なテナントミックスを実現するとともに、ポートフォリオ全体における最適なテナントミックスの実現も勘案しながら、リーシング活動を展開します。
新規テナントについては、原則として、以下の審査項目を考慮し、かつ、ポートフォリオ全体への影響度及び当該運用資産の他のテナントへの影響度等を総合的に判断し、選定するものとします。
既存テナントは、運用資産の所有者である本投資法人にとってパートナーであるとの考え方に基づき、十分なコミュニケーションを図り、良好なリレーションを構築することに努めるとともに、既存テナントのニーズを把握し、適切かつ迅速な対応を講じるものとします。
ポートフォリオ全体の賃貸収益への影響度の大きい主要テナントについては、一時的に高水準な空室が同時発生するリスクを軽減するため、契約期間の長期化、解約予告期間の長期化及び契約期間満了日の分散化等を検討の上、空室リスクがポートフォリオに与える影響を可能な限り抑えるべく対処するものとします。
(エ)プロパティ・マネジメント
各運用資産のプロパティ・マネジメントについては、以下の点に留意して運営管理の効率化に努めます。
各運用資産の運営管理業務の実施内容と運営管理コスト及び運営管理業務の品質について、資産運用計画の一部としての各運用資産の収支予算、運用管理計画、リーシング計画、修繕計画及び資本的支出計画を作成の上、実績値、実施状況、現況等に基づき、費用対効果の評価及び分析を行います。
上記の評価及び分析の結果、運営管理コストに削減の余地があると判断される場合には、運営管理業務を構成する設備管理業務・保守点検業務、清掃衛生業務、保安警備業務等には受託業者の変更や、複数の運用資産の一括委託等によるコスト・コントロールを実施します。
コスト削減は、一方で運用資産の管理スペック(管理水準・管理仕様)の品質、既存テナントの満足度、運用資産の市場競争力への悪影響も考えられることから、実施の意思決定においては、これらに留意して慎重に検討するものとします。
各運用資産のプロパティ・マネジメントの実行は、原則として外部の独立した専門会社へ委託することを基本とします。PM会社の選定においては、運用資産の特性及び以下の審査項目を考慮して行います。
PM会社による業務が、各運用資産の運用計画に基づき適切に遂行されているか否かをモニタリングするため、書面による報告書のみならず、定期的なミーティングを開催し、必要に応じて現地実査、指示、協議、助言及び指導等を行い、運用計画に則した業務の実行を確実なものとします。
プロパティ・マネジメント業務委託契約の期間は1年ないし2年を基本とし、契約期間満了時までに、定期的に運営管理実績を、運用計画の達成度、プロパティ・マネジメント業務の質、テナント満足度等の観点等から、査定し評価します。評価の結果によっては、PM会社の変更を検討します。
(オ)修繕計画及び資本的支出計画
中長期にわたり、運用資産の市場競争力及びテナント満足度の維持向上を図るため、運用資産毎に資産運用計画の一部としての修繕計画及び資本的支出計画を立案し、必要な修理、修繕、更新、改修を行います。取得に際して、運用資産の同一需給圏に属する他の不動産との差別化を図り、競争力を高めるための中期的な資本的支出計画を立案します。
取得後、営業期間毎に機能維持を目的とした効率的な修繕計画及び資本的支出計画を立案します。
資本的支出計画については、ポートフォリオ全体の減価償却費の範囲で効率的・計画的に実施するものとします。
(カ)付保方針
本投資法人は、運用資産に内在するリスク等を考慮し、火災等の災害や事故等による建物の損害、第三者からの損害賠償請求等のリスクを軽減するため、運用資産の特性に応じた適切な損害保険(火災保険、賠償責任保険、利益保険等)の付保等の措置を講じます。
地震保険の付保については、各運用資産につき地震PML値が20%以上の場合又は当該運用資産が加わることによりポートフォリオ全体の地震PML値が10%を超過する場合、かかる保険料による運用資産の収益性への影響等を考慮しつつ、付保の検討及び判断を行うものとします。
⑩ 売却方針
運用資産については、原則として中長期にわたって保有し、短期的な売却は行わないこととします。但し、ポートフォリオ全体の最適化の観点から、特定の運用資産について、現在から将来にわたる収益性、マーケットの動向、資産価値の見通し、立地するエリアの将来性、劣化又は陳腐化に対する修繕コストの見通し等、当該運用資産の競争優位性を考慮した上で、入替えが望ましいと判断した場合、運用資産の売却を検討します。
⑪ 財務方針
(ア)エクイティ・ファイナンス
資産の取得、工事金の支払い、敷金・保証金の返済、本投資法人の運営に係る費用の支払い又は債務の返済等を目的として、投資口の追加発行を行うことができます。投資口の追加発行は、LTV水準及びマーケット環境を考慮し、投資口の希薄化(新投資口の発行による投資口1口当たりの議決権割合の低下及び投資口1口当たりの純資産額又は分配金の減少)に配慮しつつ機動的に行います。
(イ)デット・ファイナンス
運用資産の着実な成長並びに効率的な運用及び運用の安定性に資するため、資産の取得、修繕費若しくは分配金の支払い、本投資法人の運営に要する資金、若しくは債務の返済(敷金・保証金並びに借入金及び投資法人債(短期投資法人債を含みます。以下本⑪において同じです。)の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを目的として、資金を借入れ(コール市場を通じる場合を含みます。)又は投資法人債を発行することができます。但し、短期投資法人債の発行により調達した資金の使途又は目的については、法令に定める範囲に限るものとします。なお、資金を借り入れる場合には、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)(以下「金融商品取引法」といいます。)に規定する適格機関投資家(但し、租税特別措置法(昭和32年法律第26号。その後の改正を含みます。)(以下「租税特別措置法」といいます。)第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)からの借入れに限るものとします。また、本投資法人の借入金及び投資法人債発行の限度額はそれぞれ1兆円とし、かつ、その合計額が1兆円を超えないものとします。なお、本投資法人は、原則として無担保無保証での資金調達を行うものの、資金の借入れ及び投資法人債の発行において、運用資産を担保として提供することができます。また、メガバンクを含む国内有力金融機関を中心としたバンク・フォーメーションを構築します。さらに、資金の借入れは、長期比率及び固定比率のバランスに配慮するとともに、返済期限や借入先の分散を図り、安定的な運営を行います。
(ウ)LTV
財務健全性確保のため、本投資法人の資産総額のうち有利子負債(投資法人債を含む借入金)残高の占める割合(以下「LTV」といいます。)は、60%を上限とします。但し、新たな資産の取得等に伴い、一時的に60%を超えることがあります。
(エ)デリバティブ取引
借入れ及びその他の本投資法人に係る負債から生じる金利変動リスクのヘッジを主たる目的として、経済状況及び金利の動向を考慮し、デリバティブ取引に係る権利への投資を行うことがあります。
(オ)キャッシュ・マネジメント
テナントから預かった敷金・保証金を資金として活用することがあります。
また、諸々の資金ニーズ(修繕及び資本的支出、分配金の支払い、小口債務の返済、本投資法人の運営に関わる運転資金、敷金等の返還、又は不動産関連資産の新規購入等)に対応するため、融資枠等の設定状況も勘案した上で、妥当と考えられる金額を現預金として保有するものとします。
(カ)減価償却費の活用方法について
本投資法人は、減価償却による内部留保について成長戦略又は財務方針等のために有効活用することで、1口当たり分配金の最大化を目指します。
具体的には、①設備更新、コンバージョン等の資本的支出の活用を通じた保有施設の競争力の強化や物件の取得原資の確保といった本投資法人の成長戦略に寄与する手段として利用することを検討するとともに、②借入金の返済資金の一部への充当を通じた金利コストの削減や一時的な利益超過分配原資の確保といった本投資法人の財務方針に寄与する手段として利用することを検討します。
⑫ 情報開示方針
(ア)本投資法人は、投資主に対し透明性を確保し、投資主の投資判断に必要な情報を適時かつ適切に開示するものとします。また、情報の透明性及び解りやすさに配慮し、法定開示以外の情報開示についても、投資主のニーズに応えるべく自ら内容を検討し、適時かつ適切な情報の開示に努める方針とします。
(イ)投資主に公平な情報取得機会を提供できるよう、正確かつ有用な情報を集約できる体制を構築し、速やかに開示できるように努めます。
(ウ)専門的な見解を積極的に取り入れ、より一層、開示情報の正確さを追求します。
(エ)投信法、金融商品取引法、東京証券取引所、投資信託協会等にて定められている開示情報は、各々の所定様式に基づき適切に開示を行うものとします。
① 本投資法人の基本戦略
本投資法人は、資産を、主として不動産等資産に対する投資として運用することを目的として、継続的な投資を通じて、中長期にわたる安定した収益の確保と運用資産の着実な成長を目指して運用を行います。
具体的には、以下の戦略による収益性及び安定性の追求を通じ、投資主利益の最大化を目指します。
◆Aクラス及びBクラスのオフィスビルと都市型商業施設を中心としたポートフォリオの構築
・Aクラス及びBクラスのオフィスビルはマーケット規模が大きく、Sクラスのオフィスビルよりも相対的に高い利回り水準での取得機会が見込めるとともに、テナント層が厚く相対的に安定した賃貸需要及び賃料水準が見込めると考えています。
・都市型商業施設は、オフィスビルよりも長期の契約であることが多く、また、郊外型商業施設よりも相対的にテナント層が厚く、テナント分散等を通じた収益の安定性が見込めると考えています。
◆中長期的に安定した賃貸需要が見込め、マーケット規模が相対的に大きい東京経済圏への投資を中心としつつ、東京経済圏よりも相対的に高い利回りが見込める地方政令指定都市等へも厳選投資
◆本邦不動産マーケットの有力プレイヤーでありスポンサーたるみずほ信託銀行株式会社のノウハウ及び経営資源の提供等のサポートの活用、並びにSIAグループが有する上記の投資対象資産における豊富な不動産私募ファンド組成・運用ノウハウ等の活用
(注)「オフィスビル」、「Sクラス」、「Aクラス」、「Bクラス」、「商業施設」、「都市型商業施設」、「郊外型商業施設」、「東京経済圏」、「地方政令指定都市等」、「SIAグループ」等の定義については、後記「② 本投資法人の基本方針」をご参照下さい。
② 本投資法人の基本方針
(ア)収益性と安定性を兼ね備えたポートフォリオの構築
本投資法人は、規約に定める投資方針に従い、主としてオフィスビル(注1)及び商業施設(注2)に対して投資を行います。また、中長期にわたる安定的な収益の確保を重視しつつも、収益の向上も併せて追求するポートフォリオの構築を目指します。
具体的には、オフィスビルについては、Aクラス(注3)及びBクラス(注3)のオフィスビルを中心的な投資対象資産とします。本投資法人は、Aクラス及びBクラスのオフィスビルはマーケット規模が大きく、Sクラス(注3)のオフィスビルよりも相対的に高い利回り水準での取得機会が見込めるとともに、テナント層が厚く相対的に安定した賃貸需要及び賃料水準が見込めると考えています。
また、商業施設については、都市型商業施設(注4)を中心的な投資対象資産とします。本投資法人は、都市型商業施設について、オフィスビルよりも相対的に長期の契約であることが多く、また、郊外型商業施設(注5)よりも相対的にテナント層が厚く、テナント分散等を通じた収益の安定性が見込めると考えています。
なお、オフィスビル及び商業施設は、景気好調期においては賃料の増額を通じた収益の向上が見込めるという特性や、特に都市型商業施設については売上歩合賃料部分の増額を通じた収益の向上が見込まれるといった特性を有しているものと考えています。
また、投資対象地域については、中長期的に安定的な賃貸需要が見込め、マーケット規模が相対的に大きい東京経済圏(注6)を中心としつつ、東京経済圏よりも相対的に高い利回りが見込める地方政令指定都市(注7)及び地方政令指定都市に準じた地方中核都市(注8)(以下、併せて「地方政令指定都市等」と総称します。)へも厳選投資することとします。
なお、ポートフォリオ構築方針及び投資基準に関する詳細は、後記「③ ポートフォリオ構築方針」及び「⑤ 投資基準」をご参照下さい。
(注1)「オフィスビル」は、オフィスの利用に供される関連施設及び付属設備の他、それらの敷地(土地)所有権等を含みます。
(注2)「商業施設」は、その主たる用途において、小売業を含む物品販売業、飲食業、企業ショールーム、展示場等を含む多様な業種・業態による商業利用が可能な施設、その全部又は一部が商業施設の利用者や従業員の利用に供され得る駐車場及び付属設備の他、それらの敷地(土地)所有権等を含みます。
(注3)「Sクラス」とは、都心3区(千代田区、中央区及び港区をいいます。)に所在する基準階面積200坪以上のオフィスビルをいい、「Aクラス」とは、都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区及び渋谷区をいいます。)に所在する基準階面積100坪以上200坪未満のオフィスビル並びに都心3区を除く東京経済圏、大阪市、名古屋市、札幌市及び福岡市に所在する基準階面積200坪以上のオフィスビルをいい、「Bクラス」とは、都心5区に所在する基準階面積50坪以上100坪未満のオフィスビル、都心5区を除く東京経済圏、大阪市、名古屋市、札幌市及び福岡市に所在する基準階面積100坪以上200坪未満のオフィスビル、並びに大阪市、名古屋市、札幌市及び福岡市以外の地方政令指定都市等に所在する基準階面積100坪以上のオフィスビルをいいます。
(注4)「都市型商業施設」とは、東京経済圏及び地方政令指定都市等のターミナル駅に隣接するエリア又は旧来から商業施設や行政サービス施設等が集積している繁華性が高いエリアに所在する商業施設をいいます。
(注5)「郊外型商業施設」とは、主に車でアクセスすることが想定される郊外に立地する商業施設をいいます。
(注6)「東京経済圏」とは、東京都、神奈川県、埼玉県及び千葉県をいいます。
(注7)「地方政令指定都市」とは、東京経済圏以外に所在する政令指定都市をいいます。
(注8)「地方中核都市」とは、東京経済圏以外に所在する地方政令指定都市以外の県庁所在地又はそれに準ずる都市をいいます。
(イ)スポンサーによるサポート
a.スポンサーにおける不動産ビジネス
スポンサーであるみずほ信託銀行株式会社は、個人・事業法人・金融法人・公共法人を主要なお客さまとし、信託業務を中心に、銀行業務その他金融サービスを提供する中で、不動産仲介業務と不動産流動化業務を主たる柱とする不動産ビジネスを営んでいます。不動産仲介業務では、スポンサーの属するみずほフィナンシャルグループの広大な顧客基盤を背景に、豊富な情報ネットワークとノウハウを駆使して実績を積み重ねており、また不動産流動化業務では、不動産アセット・マネジメント業務や不動産管理処分信託業務に加え、不動産の流動化や収益不動産投資におけるフィナンシャル・アドバイザリー業務や不動産ノンリコースローン業務等の多様なソリューションを提供している本邦不動産マーケットにおける有力なプレイヤーです。
本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーが持つ情報力、案件創出力を本投資法人の外部成長と内部成長の両面において活用するとともに、スポンサーの高い信用力を背景として本投資法人の財務基盤の安定性を向上させ、本投資法人の投資主利益の最大化を目指します。
b.スポンサーによるサポート体制
本投資法人は、スポンサーにおける豊富な情報ネットワークと多様なソリューションに係るノウハウを活かして、持続的かつ安定的な成長を目指すべく、スポンサーであるみずほ信託銀行株式会社との間でスポンサー・サポート契約を締結しています。
以下は、本投資法人及び本資産運用会社がスポンサーとの間で締結したスポンサー・サポート契約における各種サポートの概要です。
(ⅰ)物件売却情報の提供
スポンサーは、本投資法人の投資基準に適合すると判断する不動産の売却情報を収集し、当該情報を速やかに本資産運用会社に対して提供するように努めます。但し、スポンサーは、法令等や契約、スポンサーが負う善管注意義務に照らして当該情報の提供が困難と判断する場合は、かかる努力義務を負いません。
(ⅱ)ブリッジファンド等に関するノウハウ提供等
本資産運用会社は、スポンサーに対し、ブリッジファンドに関するノウハウの提供又はアドバイスを求めることができます。
(ⅲ)テナント情報の提供
スポンサーは、本資産運用会社からの要請があり、テナント候補に関する情報がある場合は、法令等及び契約上の制約がある場合を除き、本資産運用会社に速やかにその情報を提供します。
(ⅳ)物件取得及び運用に関するアドバイザリー業務
スポンサーは、本資産運用会社からの要請があり、業務の受託に関する諸条件を本資産運用会社と合意した場合は、法令等及び契約に反しない範囲で、本投資法人の資産の運用に関連する業務を自ら受託し、又はその子会社をして行わせるよう努めます。
(ⅴ)ファイナンスに関するアドバイス
本資産運用会社は、スポンサーに対し、本投資法人の資金の借入れや融資団組成等のファイナンスストラクチャーの構築等に関するアドバイスを求めることができます。
(ⅵ)財務戦略に関するアドバイザリー業務
スポンサーは、本資産運用会社からの要請があった場合、必要に応じて諸条件を本資産運用会社と合意の上、法令等及び契約に反しない範囲で、本投資法人の資金の調達に関連する業務に関しアドバイス及び補助業務の受託を行うものとします。
(ⅶ)マーケット情報の提供
スポンサーは、本資産運用会社に対し、法令等及び契約に反しない範囲で、不動産の売買や賃貸のマーケットに関する情報や金融マーケットに関する情報等を提供し、本資産運用会社はスポンサーとの間でかかる情報に関する意見交換を行うことができます。
(ⅷ)本投資法人へのセイムボート出資
スポンサーは、その子会社に本投資法人の投資口を保有させ、継続して保有させるように努めます。但し、スポンサーは法的義務を負うものではなく、必要と判断した場合にはその裁量によりその子会社をして投資口を売却させることができます。
(ⅸ)人材の確保に関する協力
スポンサーは、本資産運用会社からの要請があり、スポンサーが必要と判断した場合は、人材の確保又は派遣(スポンサーからの転籍・出向を含みます。)に協力します。
c.スポンサーによる本投資法人の投資口の保有
本書の提出日現在、スポンサーは、完全子会社である株式会社シンプレクス・インベストメント・アドバイザーズを通じて、本投資法人の投資口11,265口(発行済投資口の総口数の15.0%)を保有しており、スポンサー・サポート契約において、かかる投資口の取得後、株式会社シンプレクス・インベストメント・アドバイザーズに継続して保有させるように努めることに合意しています。本投資法人及び本資産運用会社は、かかる当該投資口の保有継続は、本投資法人の投資主とスポンサーとの利益の共通化を図り、スポンサーからの実効性ある各種サポートの提供につながるものと考えています。
d.本資産運用会社におけるスポンサーからの役職員の受け入れ
本資産運用会社は、スポンサーから役職員の派遣を受け入れ、スポンサーにおける不動産ビジネスのノウハウの提供を受けるとともに、スポンサーとの連携を密にしてスポンサーによる各種サポートの実効性を高めることで、本資産運用会社の運用体制を更に強化しています。
(ウ)SIAグループにおけるシナジー効果の発現
a.SIAグループの概要
スポンサーは、完全子会社である株式会社シンプレクス・インベストメント・アドバイザーズ(以下「SIA」といいます。)を通じて、本資産運用会社の発行済株式の全てを保有するとともに、SIAを通じてシンプレクス不動産投資顧問株式会社(以下「SRM」といいます。)の発行済株式の全てを保有しています。SIAは、SIAグループ(注1)の子会社の経営管理を行う他、独自の工事実績データベースを活用したファシリティ・マネジメント機能(注2)を有しており、また、SRMは投資運用業者として国内外の投資家に対して不動産私募ファンドの組成・運用(注3)を通じたアセット・マネジメント及びファンド・マネジメント業務並びにリーシング業務の提供等、SIAグループ以外の投資家の出資により取得した不動産等の管理及び運用等を行っており、単一のアセットタイプに投資するファンドだけでなく、オフィスビル、商業施設、ホテル等の組入資産の用途が多岐にわたるマルチ・アセット・ファンドの運用実績を有します。
本投資法人及び本資産運用会社は、SIAグループの運用ノウハウ並びに多様な資格、経験及び能力を有する人材、独自の工事実績データベースなどの経営資源等を活用して、質の高い投資対象資産の継続的な取得と取得した運用資産の価値の維持・向上を図り、本投資法人の投資主価値の向上を目指します。
(注1)SIAグループは、本資産運用会社の他、SIA及びSRMにより構成されます。
(注2)SIAグループにおけるファシリティ・マネジメント機能には、中長期修繕計画策定やリニューアル工事等の企画立案、工事実績データに基づく各種修繕工事の内容の妥当性確認及び費用査定、その他、省エネ化や遵法性の維持・治癒等、建物の品質に関する様々な対応が含まれます。
(注3)SIAグループにおける不動産私募ファンドの組成・運用業務には、投資家のニーズにあった物件のソーシング、有利な条件でローンを提供するレンダーの招聘、社債発行等によるデット・ファイナンス、監督官庁や行政機関等との調整、特定目的会社を含むSPCの設立、税務法務アドバイザーとの調整等が含まれます。
b.SRMによるサポート体制
SRMの運用物件の売却及びSIAグループが把握する物件売却情報に基づく取得機会を活用し、本投資法人の資産規模の拡大を図るべく、本資産運用会社はSRMとの間でスポンサー・サポート契約を締結しています。以下は、SRMとの間で締結したスポンサー・サポート契約における各種サポートの概要です。
(ⅰ)不動産等の売却情報提供
SRMが、第三者から相対又は市場でソーシングする物件に関する売却情報は、当該物件が本投資法人の投資基準に合致するとSRMが合理的に判断した場合には、別途本資産運用会社による指定がない限り、やむを得ない場合を除き優先的に(第三者に先立ち)本資産運用会社に提供されます。ここでやむを得ない場合とは、(a)SRMがアセット・マネジメント業務を提供しているSPC等若しくはSRMが不動産等の取得判断権限の全部の委託を受けている資産保有ビークルが売主に対して守秘義務を負っているとき、(b)売却先若しくはその範囲を限定されたとき、(c)本資産運用会社に通知することが売主との約束若しくはSRMに当該不動産等が売却されるとの情報を提供した第三者との約束に反し又は売主若しくは当該第三者に対する背信的行為にあたるとき、又は(d)売主より売却先の指定と共に売却の依頼を受けたとき、その他やむを得ない事情のあるときをいいます。
また、SRMがアセット・マネジメント業務を提供しているSPC等が保有する物件の売却情報についても、当該物件が本投資法人の投資基準に合致するとSRMが合理的に判断した場合には、別途本資産運用会社による指定がない限り、情報提供に関してやむを得ない事由がある物件の売却情報を除き、第三者に対する売却活動の開始に後れることなく本資産運用会社に提供し、又は当該SPC等をして提供させるよう合理的な努力をすることとされています。ここでやむを得ない場合とは、(a)SPC等が第三者と共有する不動産等、(b)SPC等が第三者を共同発注者として建物を建築する不動産等、(c)SPC等が当該不動産を取得する前からその売却について第三者との協議を開始している不動産等、(d)SPC等が開発を目的として保有する不動産等のうち建築確認取得前にその売却について第三者と協議を開始している不動産等、(e)SPC等の実質的な意思決定権限者による売却先の指定・制限等に関する意向があった不動産等、その他やむを得ない事情がある場合をいいます。
(ⅱ)アドバイザリー業務
SRMは、本資産運用会社から、本投資法人の資産の運用に関連して、以下に掲げるアドバイザリー業務を受託します。
・本投資法人が既に保有し又は取得を検討している不動産等の管理、賃貸、コンバージョン、リニューアル、開発等に係る補助業務及び助言業務
・その他上記に関連する業務
(ⅲ)ウェアハウジング機能
本投資法人が、本資産運用会社を通じて、SRMに対して、本投資法人への譲渡を前提として一時的にSRMの組成するファンド等において不動産等を保有することの申入れを行った場合、SRMは、当該ファンド等の出資者に対する忠実義務、善管注意義務並びにその他の適用のある契約及び法令を遵守することを前提に、これを受諾すべく合理的な範囲で努力を実施します。
(ⅳ)物件取得アレンジメント業務
SRMは、SRMがソーシングした物件等について、法令に反しない範囲において、本投資法人が物件を取得するに際し、本投資法人をサポートする目的で本投資法人の投資対象不動産等につき、必要なデュー・ディリジェンスを行い、本投資法人の取得プロセスにおける調整を行う等、本投資法人が取得できるよう、本資産運用会社を補助するため、物件取得アレンジメント業務を行います。
(ⅴ)情報交換
SRMは、本資産運用会社に対し、不動産等の売買・開発に関するマーケット情報及び不動産等の賃貸マーケットに係る事項、その他これらに関連する事項について、情報を提供し、本資産運用会社は、かかる情報提供を受け、意見及び情報を交換します。
c.SIAによるファシリティ・マネジメントに関するノウハウの提供
SIAは、1万件を超える独自の工事実績データを活用したファシリティ・マネジメント(中長期修繕計画策定やリニューアル工事等の企画立案、工事実績データに基づく各種修繕工事の内容の妥当性確認及び費用査定、その他、省エネ化や遵法性の維持・治癒等、建物の品質に関する様々な対応等)に関するノウハウを有しており、技術面から資産価値を最大化する施策を立案します。本資産運用会社は、かかるノウハウの提供を受けるべく、SIAとの間でファシリティ・マネジメントに関する業務委託契約を締結し、以下に掲げる業務の提供を受けています。
(ⅰ)指図権の行使、指示等に関する業務
本投資法人が既に保有し又は取得を検討している不動産等の管理(建物の修繕、資本的支出及び緊急事態の対応等を含む。)に関するプロパティ・マネージャーへの指図権の代理行使又は代理指示に関する本資産運用会社への助言業務又は補助業務
(ⅱ)修繕工事等に関する業務
本投資法人が既に保有し又は取得を検討している不動産等に関する修繕工事及び資本的支出工事(以下「修繕工事等」といいます。)の検討・査定に関する助言業務及び補助業務、並びにプロパティ・マネージャーによる修繕工事等の代行発注又は対象不動産の所有者(信託受託者を含みます。)による修繕工事等の発注に関する本資産運用会社の承認に対する助言業務
(ⅲ)工事計画の策定に関する業務
修繕工事等に関する本資産運用会社の中長期修繕計画策定についての助言業務又は補助業務
(ⅳ)デュー・ディリジェンスに関する業務
本投資法人が既に保有し又は取得を検討している不動産等に対する調査・分析等のデュー・ディリジェンスに関する助言業務又は補助業務
(ⅴ)その他上記に付随関連する業務
③ ポートフォリオ構築方針
本投資法人は、以下の方針に従い、前記「① 本投資法人の基本戦略」に記載のとおり、主にオフィスビル及び商業施設に対して投資を行います(注)。
オフィスビルについては、Aクラス及びBクラスのオフィスビルを中心とし、商業施設については、都市型商業施設を中心としてポートフォリオを構築する方針です。
また、本投資法人は、投資対象地域については、中長期的に安定的な賃貸需要が見込め、マーケット規模が相対的に大きい東京経済圏への投資を中心としつつ、東京経済圏よりも相対的に高い利回りが見込める地方政令指定都市等へも厳選投資することを通じて、地域分散により収益の安定性を重視しつつ収益の向上にも配慮したポートフォリオの構築を図ります。
(注)なお、本投資法人は、社会経済的な利用形態において一体的に利用される一又は複数の不動産から構成される施設に係る不動産等又は当該不動産等を裏付けとする不動産関連資産(以下「複合資産」といいます。なお、「不動産関連資産」とは、不動産等及び不動産対応証券(後記「2投資方針/(2)投資対象/① 投資対象とする資産の種類/(ア)」に定義します。)を併せたものをいいます。)の全部又は一部を取得する場合、当該複合資産の賃貸可能面積の過半の利用目的又は実際の利用形態が主としてオフィスビル又は商業施設であるときは、当該複合資産の全部又は一部を取得することができるものとします。
(ア)用途毎のポートフォリオ構築方針
a.オフィスビル
本投資法人は、オフィスビルのうち、Aクラス及びBクラスのオフィスビルを中心的な投資対象資産とします。本投資法人は、Aクラス及びBクラスのオフィスビルは、マーケット規模が大きく、Sクラスのオフィスビルよりも相対的に高い利回り水準での取得機会が見込めるとともに、テナント層が厚く相対的に安定した賃貸需要及び賃料水準が見込めるという特性を有していると考えています。また、本投資法人は、これらのオフィスビルについては、景気変動時においても相対的に賃料水準は安定しており、また、景気好調時における賃料増額改定等を通じた収益の向上が他の用途の不動産に比べて相対的に見込みやすいという特性も有していると考えています。
b.商業施設
本投資法人は、商業施設については、オフィスビルと比較して長期の契約を通じた収益の安定性が見込めるとともに、景気好調期においては、商業施設内のテナント売上連動型賃料の導入やその影響等により収益性が高まるものと考えています。
また、商業施設の中でも、都市型商業施設は、郊外型商業施設と比較して、厚いテナント需要層及びテナント分散等を通じた収益の安定性を有するとともに、景気好調期においては売上歩合賃料部分の賃料増額や賃料改定時期等の賃料増額等により賃料の上昇が見込める特性を有していると考えています。本投資法人は、これらの特性を考慮し、商業施設については都市型商業施設を中心的な投資対象とします。
駅に隣接するエリア又は繁華性の高いエリアに所在する都市型商業施設については、主に車でアクセスすることを想定した郊外型商業施設と比較して、①大都市における人口流入及び中心市街地における多種多様な商業施設や行政サービス施設、オフィスビル等の集積によって生じる集客力の高さ、②多種多様な消費者ニーズに対応した豊富なテナントの出店需要、③不動産マーケットにおける供給量が限定的であることによる希少性といった特性を有していると考えています。
c.用途別投資割合
上記の方針のもと、本投資法人は、本投資法人の運用資産全体(ポートフォリオ)の投資割合(以下「投資割合」といいます。)において、オフィスビルへの投資割合を70%以上、商業施設への投資割合を30%以下とすることを基本方針としています(注1)(注2)。
以下の表は、オフィスビル及び商業施設につき、中心的な投資対象及び投資割合を示したものです。
| 投資対象 | オフィスビル | 商業施設 |
| 中心的な投資対象 | Aクラス及びBクラスのオフィスビル | 都市型商業施設 |
| 投資割合 (注1) | 投資金額の70%以上 | 投資金額の30%以下 |
(注1)取得価格ベースとし、消費税その他の取得に係る諸費用を除きます。なお、不動産関連資産の取得又は売却の結果、一時的に上記の割合から乖離する可能性があります。
(注2)本投資法人は、複合資産の全部又は一部を取得する場合、当該複合資産の賃貸可能面積の過半の利用目的又は実際の利用形態が主としてオフィスビル又は商業施設であるときは、当該複合資産の全部又は一部を取得することができるものとします。なお、オフィスビルと都市型商業施設の複合資産については、当該複合資産全体について、賃貸可能面積が大きい方の用途に属するものとして上記の投資割合を適用します。
(イ)地域別のポートフォリオ構築方針
本投資法人は、用途分散の観点に加え、安定性の見込める東京経済圏への投資を中心としつつも、高い利回りが期待できる地方政令指定都市等も投資対象として、地域分散に配慮したポートフォリオの構築を図ります。
a.東京経済圏
東京経済圏は、地方政令指定都市等と比較して、安定した賃貸需要が見込まれ、また、マーケット規模が相対的に大きいため、本投資法人は、東京経済圏での投資を中心としたポートフォリオを構築する方針です。
加えて、一般にオフィスビル及び商業施設のマーケットにおける賃料は、上昇と下降を繰り返す傾向が見られるところ、本投資法人では、東京経済圏のオフィスビル及び都市型商業施設の賃料は底打ち感があるものと考えています。このため、東京経済圏における賃料は回復に向かうものと考えられ、かかる東京経済圏での投資により、本投資法人の収益性の向上につなげることができるものと考えています。
b.地方政令指定都市等
地方政令指定都市等は、東京経済圏と比較して高い利回りが期待できるとともに、東京経済圏以外の地域にも投資することにより地域分散に配慮したポートフォリオの構築を図ることができると本投資法人は考えています。
c.地域別投資割合
本投資法人は、安定性の見込める東京経済圏への投資を中心としつつも、高い利回りが期待できる地方政令指定都市等を投資対象として、地域分散に配慮したポートフォリオの構築を図る観点から、本投資法人の運用資産全体(ポートフォリオ)の投資対象地域別投資割合において、以下を基本方針としています。
| 投資対象地域 | 投資割合(注) |
| 東京経済圏 | 投資金額の70%以上 |
| 地方政令指定都市等 | 投資金額の30%以下 |
(注)取得価格ベースとし、消費税その他の取得に係る諸費用を除きます。なお、不動産関連資産の取得又は売却の結果、一時的に上記の割合から乖離する可能性があります。
④ 成長戦略
本投資法人は、中長期的な安定成長を実現するため、競争力の高い資産を取得し資産規模の拡大(外部成長)を図るとともに、運用資産の競争力を最大限に引き出す運営・管理により資産価値の維持・向上(内部成長)を目指します。
かかる外部成長及び内部成長の両側面における成長戦略を実現するため、本投資法人は、以下に記載のとおり、本資産運用会社の独自の運用ノウハウと経営資源等を用いることに加えて、スポンサーであるみずほ信託銀行株式会社のサポートのもとでSIAグループの運用ノウハウ及び経営資源等を活用するとともに、スポンサーの信用力、情報力、案件創出力等を活用していく方針です。
(ア)外部成長
本投資法人は、Aクラス及びBクラスのオフィスビル並びに都市型商業施設を中心とするポートフォリオ構築方針のもと、個別物件の立地や建物仕様、テナント特性等を見極めた投資を行うことで、ポートフォリオの質の維持・向上を図りつつ、資産規模の拡大を目指します。
本資産運用会社は、オフィスビル及び都市型商業施設の取得・投資・運営・管理やファンドの組成・運営等を長年にわたり経験したメンバーを中心に構成されています。本資産運用会社は、かかるメンバーが培った、資産取得に関する独自のノウハウと情報収集ネットワークを活用するとともに、スポンサーとのスポンサー・サポート契約に基づき提供される物件売却情報、ブリッジファンド等に関するノウハウ等、及びSRMとのスポンサー・サポート契約に基づき提供される不動産等の売却情報、ウェアハウジング機能、物件取得アレンジメント業務等を活用して本投資法人の外部成長を目指します。
また、中長期的には本資産運用会社独自の不動産情報ルートのさらなる拡大を図り、資産取得のタイミングを機動的に捉え、競争力の高い資産の取得に努めます。
(イ)内部成長
本投資法人は、中心的な投資対象資産とするAクラス及びBクラスのオフィスビル及び都市型商業施設については、相対的にテナント層が厚いと考えられることから、景気好調期においては、テナント需要が高まりやすく、賃料の増額を通じた収益の向上が見込める特性、また都市型商業施設については売上歩合賃料部分の賃料増額を通じた収益の向上が見込めるといった特性を有していると考えています。適切な投資戦略に基づき、賃料の安定性を追及する一方で、アセットの特性としての賃料上昇機会を捉えることにより着実な内部成長が期待できるものと、本投資法人は考えています。
本資産運用会社は、独自のノウハウに加え、スポンサーとのスポンサー・サポート契約に基づき提供されるテナント情報、マーケット情報等、及びSRMとのスポンサー・サポート契約に基づき提供される不動産等の賃貸マーケット情報、不動産等の管理、賃貸、コンバージョン、リニューアル、開発等に係るアドバイザリー等により、ポートフォリオ全体及び運用資産毎の特性を十分に理解し、施設競争力の維持・向上のための運営・管理、リニューアル、コンバージョン等を実施します。また、不動産の運営・管理経験が豊富なプロパティ・マネジメント会社(以下「PM会社」といいます。)を選定し、定期・不定期の検証を通じ、本投資法人の運用資産の個別特性に合わせた適切な運営・管理体制を構築することにより、ポートフォリオの安定的な運用及び収益力の強化を目指します。
(ウ)インセンティブ報酬体系の導入及び公正な運用体制
a.インセンティブ報酬体系の導入
本投資法人は、規約及び資産運用委託契約に基づいて、本資産運用会社に支払う報酬のうち、運用報酬については、総資産額及び賃貸NOIに加え、1口当たり分配可能金額の増加率に連動した運用報酬体系を採用しています。これにより、本資産運用会社は、本投資法人の投資主価値を最大化することへのインセンティブを持つことが可能となります。本資産運用会社への支払報酬の詳細につきましては、後記「4手数料等及び税金/(3)管理報酬等/② 本資産運用会社への支払報酬」をご参照下さい。
また、投資口価格を意識した運用を行うインセンティブを持つよう本資産運用会社の主要な役職員の賞与の一部について、投資口価格の東証REIT指数に対する相対パフォーマンスに連動する、投資口価格連動型賞与を導入しています。これにより、本資産運用会社は、個々人レベルにおいても、本投資法人の投資主価値を最大化することへのインセンティブを持つことが可能となります。
b.投資主利益に配慮した運用体制
運用資産の取得又は売却に関する計画案は、投資運用部による起案、コンプライアンス・オフィサーによる承認、コンプライアンス委員会による決議及び投資政策委員会による決議により、本資産運用会社で決定されることになります。但し、当該計画案に基づく運用資産の取得又は売却が利害関係者取引に該当する場合には、これらの手続に加え本投資法人の役員会の同意を得る必要があります。また、投資政策委員会における決議は、議決権を行使することのできる投資政策委員会の委員の3分の2以上(但し、外部委員及びコンプライアンス・オフィサーの出席を必要とします。)が出席し、出席した議決権を行使することのできる委員のうち3分の2以上の賛成を必要としている他、コンプライアンス委員会における決議は、コンプライアンス委員の3分の2以上が出席し(但し、外部委員の出席を必要とします。)、出席した委員のうち外部委員の賛成を含む3分の2以上の賛成が必要とされています。また、本投資法人は、利害関係者取引における利益相反対策を含め、投資主の利益保護の観点から適切な価格・条件での資産取得を行えるよう体制を構築しています。具体的には、投資主利益保護の観点から適切な価格・条件での資産取得となるよう担保するため、本投資法人のために取得された鑑定評価額(但し、利害関係者以外の第三者から資産を取得するために利害関係者がウェアハウジングを行った場合には、鑑定評価額を著しく超過する場合を除き、ウェアハウジングによる取得価額に当該利害関係者がウェアハウジングを行うにあたり負担した費用(仲介手数料等各種手数料、登録免許税、専門家報酬、信託報酬等)を加えた額とします。)を上限とする等、客観的基準を社内規程として整備しています。
これらの社内規程は、コンプライアンスを維持するとともに、パイプライン・サポート及びその他のサポートを活用するに際して問題となり得る利害関係者取引について、第三者性を担保する体制を採用するものであり、サポートの提供を受ける場合における公正な運用体制の整備・充実を図っています。
投資対象資産の取得に関する社内体制の詳細については、前記「1投資法人の概況/(4)投資法人の機構/② 投資法人の運用体制/(カ)資産運用会社の意思決定手続/b.運用資産の取得及び売却を行う社内組織に関する事項」をご参照下さい。また、利害関係人等との取引制限については後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3管理及び運営/2利害関係人との取引制限」をご参照下さい。
⑤ 投資基準
本投資法人が取得する不動産関連資産の選定においては、資産運用委託契約、本投資法人の規約及び本資産運用会社の内規に従う他、原則として、下表の各選定基準に従うものとします。
| 項 目 | 選 定 基 準 |
| 収益性 | 過去の稼働率及び賃料収入等を勘案し、安定した収益が見込めること。 |
| 設備・仕様 | 地域における標準的水準以上と判断されるか、又は標準的水準以上に変更可能であること。 |
| 建物構造 | 鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄骨造であること。 |
| 耐震性 | 新耐震基準(注1)適合又はそれと同程度の耐震性能を有し、原則として地震PML(予想最大損失率)値(注2)は20%未満。 |
| 項 目 | 選 定 基 準 | |
| 遵法性 | 都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含む。)(以下「都市計画法」という。)、建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含む。)(以下「建築基準法」という。)等の関連法令を遵守している不動産(既存不適格を含む。)とする。但し、取得時点において遵法性を満たさない不動産のうち、取得後、治癒可能な不動産に関して は、投資することがある。 | |
| 環境有害物質 | 外部専門家が作成したエンジニアリング・レポート(地歴調査・環境調査を含む。)等において、アスベスト、PCB等の有害物質が内在する可能性が低く、又は内在するが当該物質に関連する全ての法令に基づき適法に保管、若しくは処理等がなされている旨の記載がなさ れ、運用上の支障の可能性が低いと判断されていること。 | |
| 土壌汚染 | 不動産の敷地が土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改正を含む。)(以下「土壌汚染対策法」という。)第6条第4項で定義する要措置区域又は同法第11条第2項で定義する形質変更時要届出区域に該当する場合、かかる不動産への投資は原則として行わない。 土壌環境調査から土壌汚染の存在が確認され、これに対応するための費用が発生すると想定される場合、かかる費用及び売却する場合の価格等を考慮し取得価格を調整するものとす る。 | |
| 権利関係 | 区分所有建物 | 運営管理の自由度、支配権の確保を考慮し、区分所有議決権割合の過半数を確保する不動産等に投資を行うことを原則とするが、他の区分所有者の属性や信用力、不動産特性等を総合的に判断した結果、過半数に満たない不動産に対しても投資を行うことができる。 |
| 共有不動産 | 運営管理の自由度、支配権の確保を考慮し、共有持分割合の過半数を確保する不動産等に投資を行うことを原則とするが、他の共有者の属性や信用力、不動産特性等を総合的に判断した結果、過半数に満たない不動産に対しても投資を行うことができる。 | |
| 借地権付建物 | 旧借地法(大正10年法律第49号)又は借地借家法(平成3年法律第90 号。その後の改正を含む。)(以下「借地借家法」という。)に基づく借地権に対して投資を行うこともできる。なお、借地借家法第22条ないし第24条に定める定期借地権、建物譲渡特約付借地権及び事業用借地権が設定された建物への投資は、本投資法人の運用資産で構成するポートフォリオへの影響度を慎重に検討し、かかる影響が軽微であると判断した場合に限り、投資を行うことができる。 | |
| 底地 | 借地権者の属性や信用力、不動産特性等を総合的に判断し、底地に対して投資を行うことができる。 | |
| 境界 | 隣接地との境界確認が未了の不動産については、隣接地の所有者及び属性、経緯、現地の状況等を考慮し、取得する不動産の収益性及び権利保全等の影響を考慮した上で投資を行うものとする。 | |
| 賃貸借関係 | テナントの属性、信用力及び使用目的が適正であること。 | |
| 取得形態 | 不動産の取得にあたり、その取得形態(現物不動産又は信託受益権等)の判断は、現所有者の意向、取得時の取得経費及び保有時の管理経費等を総合的に考慮した上で行うものとす る。 | |
| 項 目 | 選 定 基 準 |
| 未稼働不動産 開発不動産 | 未稼働不動産(大規模修繕工事の実施等により未稼働(全室空室)である不動産)又は開発不動産(現況建設工事中の不動産)を取得する場合、これらに係る各種リスク要因(工事完成・リーシング・引渡に関するリスク等)を軽減するための停止条件等を付し、かつ、かかるリスクを反映して取得価格を決定する等を条件として、売買予約契約又は停止条件付売買契約等を締結するものとする。 未稼働不動産又は開発不動産の取得価格(取得後に未稼働不動産及び開発不動産のいずれにも該当しなくなった不動産を除く。)の総額が、本投資法人のポートフォリオ全体の資産総額の20%以下であることを条件として、本投資法人の投資方針を満たすと判断される場合に限り、取得を検討するものとする。 |
(注1)「新耐震基準」とは、昭和56年に改正された建築基準法及び建築基準法施行令(昭和25年政令第338号。その後の改正を含みます。)に基づく建物等の耐震基準をいいます。
(注2)「PML値」とは、想定した予定使用期間中(50年=一般的建物の耐用年数)での超過確率10%の損失を生じる地震により、どの程度の被害を受けるかを、90%非超過確率(損失の大きさがその値を超えない確率が90%の損失で、損失の90%信頼性水準、90パーセンタイルともいいます。すなわち、地震PMLが例えば15%ということは、「損失額が建物価格の15%を超えない可能性は90%(超える可能性は10%)である」ということになります。)に相当する予想損失額の再調達価格に対する割合(%)で示したものを意味します。但し、予想損失額は、地震動による建物(構造体、仕上げ、建築設備)のみの直接損失に関するものだけであり、機器、家具、什器等の被害や地震後の水又は火災による損失、被災者に対する補償、営業中断による営業損失等の二次的被害は含まれていません。
⑥ デュー・ディリジェンス基準
(ア)投資対象とする不動産関連資産の選定に当たっては、現地実査及び取引関係者等から入手した資料並びに独自調査の結果を精査するとともに、弁護士、公認会計士、不動産鑑定士、エンジニア、マーケット・リサーチャー等の外部専門家によって作成された不動産鑑定評価書、エンジニアリング・レポート、マーケット調査レポート及び各種レポート等を精査するものとします。
(イ)不動産関連資産に係る調査(デュー・ディリジェンス)の主要な調査項目は、投資対象とする不動産関連資産の用途等に応じ、原則として以下のとおりとします。
| 要 件 | 主要な調査項目 |
| 経済的 要 件 | a 不動産関連資産の取得価格の適正性(不動産鑑定評価を含む。) b 不動産関連資産の収益及び費用の適正性並びにこれらの過去実績 c 不動産関連資産の敷金・保証金等の適正性 d テナントミックスの適正性 e テナントの属性・信用力 f テナントのレントロール g 不動産関連資産の稼働率の推移、賃料水準の動向 h 不動産関連資産のPM会社及びビルメンテナンス会社の実績・信用力 i 管理スペック(管理水準・管理仕様)の適正性 j 管理コストの適正性 k 修繕履歴・修繕コストの金額及び推移 |
| 要 件 | 主要な調査項目 |
| 物理的 要 件 | a 不動産関連資産の立地特性 ・立地環境・街路状況・人口集積度合い・賑わい状況 ・交通利便性(鉄道等の公共交通機関のアクセス状況・主要幹線道路へのアクセス状況等) ・業務利便性(周辺利便施設・官公署施設等への近接性等) b 建物主要構造・規模・築年数・施工者・設計者・構造設計者・建築確認機関 c 延床面積・賃貸可能面積・基準階床面積 d 意匠・建築仕様・フロア形状・天井高・床荷重・OAフロア等のスペック e 電気容量等の電気設備・空調方式等の換気設備・給排水衛生設備・防犯防災設備・駐車場設備・昇降機設備等のスペック f 耐震性能(新耐震基準又は同等の耐震性能確保の有無) g 地震PML値 h 建物再調達価格の検証 i 短期及び長期修繕計画の検証 j 有害物質(アスベスト・PCB等)の使用・保管状況 k 土壌汚染状況等の環境関連 |
| 法 的 要 件 | a 不動産関連資産の遵法性 b 建築基準法及び都市計画法その他関連法令に対する適合状況 c 不動産関連資産の権利関係 (ⅰ)区分所有建物の場合 ・ 区分所有議決権割合 ・ 他の区分所有者の属性・信用力 ・ 他の区分所有者との係争・調停・裁判等の状況 ・ 区分所有者間の優先買取交渉権・譲渡制限等の有無 ・ 管理組合の運営状況 ・ 管理規約等の内容 (ⅱ)共有持分の場合 ・ 共有持分割合 ・ 他の共有者の属性・信用力 ・ 他の共有者との係争・調停・裁判等の状況 ・ 共有者間の優先買取交渉権・譲渡制限等の有無 ・ 共有物不分割特約及び登記の有無 ・ 共有者間協定等の内容 (ⅲ)借地権付建物の場合 ・ 借地権設定者(底地権者)の属性・信用力 ・ 借地権の対抗要件具備(地上権や賃借権の設定登記等) ・ 借地権設定者(底地権者)との係争・調停・裁判等の状況 ・ 借地権設定契約等の内容 (ⅳ)底地の場合 ・ 借地権者の属性・信用力 ・ 借地権の対抗要件具備(地上権や賃借権の設定登記等) ・ 借地権者との係争・調停・裁判等の状況 ・ 借地権設定契約等の内容 d 不動産関連資産の隣地所有者との係争・調停・裁判等の状況 e 土地境界確定又は越境等の状況・境界紛争の有無 f 不動産関連資産に係る賃貸借契約等の賃貸借関係 g テナントとの係争・調停・裁判等の状況 h 不動産関連資産又はその関係者との優先買取交渉権等の有無 i 前所有者の状況(否認権・詐害行為取消権等の確認) |
| 要 件 | 主要な調査項目 |
| 市場性 要 件 | a 需給動向 ・不動産関連資産が属する市場の供給動向、成約動向 ・特定需要の有無 ・将来の開発計画の動向等 b 賃貸相場 ・賃料(募集賃料、成約賃料)の水準・推移の把握及び将来の予測等 ・空室率の水準・推移の把握及び将来の予測等 c 競合不動産の想定及び分析 ・不動産関連資産に係る想定競合不動産の抽出及び比較検討等 d 同一需給圏の想定及び分析 e 人口動態 ・人口、人口の推移、将来予測 ・昼間人口及び夜間人口の推移、将来予測 f 最寄駅乗降客数の推移 g 業務集積度・商業集積度 ・就業人口及び商圏人口等の推移、将来予測 ・売場面積 ・小売業販売額、小売吸引力(注1)及び小売吸引人口(注2)等 |
(注1)対象都市の人口1人当たりの小売販売額をその属する都道府県の1人当たりの小売販売額で除した数値をいいます。
(注2)対象都市の人口に小売吸引力を乗じたものをいいます。
⑦ 投資判断基準
不動産関連資産の取得に際しては、前記「⑤ 投資基準」及び「⑥ デュー・ディリジェンス基準」の結果を踏まえ、対象不動産関連資産について多面的な分析を行った上で投資判断を行います。
なお、投資判断における主要な分析項目は以下のとおりです。
| 分析項目 | 目 的 |
| 取引概要 | ・ 不動産関連資産の選定基準への適合性の確認 ・ 取引条件及びスケジュールの確認 ・ 取引関係者に起因するリスクの確認 |
| 投資分析 | ・ 不動産関連資産の収益・費用の過去実績、適正性及び将来予測 ・ 想定収支に基づく対象不動産関連資産の将来収支の検証 ・ 不動産特性を踏まえた成長戦略の策定 ・ 取得価格算出におけるキャップ・レート(注)の検証(取引事例等を参考に対象不動産関連資産の地域性・個別性等を考慮して設定) ・ 不動産関連資産のポートフォリオ寄与度の検証 ・ 中長期的な資本的支出の見込み及び計画 |
| リスク分析 | ・ 不動産関連資産におけるデュー・ディリジェンス等の結果、抽出されたリスクの把握とその対応策を検討及び受容可能なリスクの検討 |
| ストラクチャー 概要 | ・ 取引関係者(PM会社、不動産信託受託者(対象不動産が不動産信託受益権の場合)を含む。)の選定 ・ 不動産関連資産の取引に係るストラクチャー及び各取引関係者との間で締結する契約内容等の確認 |
| ファイナンス | ・ 必要資金額の算出(初期修繕を伴う不動産関連資産の場合はその金額を含む。)及び資金調達方法の検討並びにそのポートフォリオ収支への影響の分析(上記ファイナンスの検討は、本投資法人の財務方針との整合性に留意しつつ実施) |
(注)「キャップ・レート」とは、安定的な賃貸収支の想定に基づくNOIに対する恒久的な還元利回り(永久還元利回り)をいいます。
⑧ フォワード・コミットメントに関する方針
フォワード・コミットメント(先日付での売買契約であって、契約締結日から1ヶ月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているもの及びその他これに類する契約をいいます。)を行う場合には、以下の点に留意します。
(ア)解約違約金の設定に関する留意点
契約不履行に関する解約違約金に関して、当該解約違約金の水準が、ポートフォリオ全体の収支及び配当水準等に与える影響(東京証券取引所の定める上場廃止基準を含みます。)を十分検証の上、慎重な投資判断を行うものとします。
(イ)期間の上限・決済資金の調達方法等
売買契約締結から物件引渡しまでの期間については、個別物件毎に、開発型案件等における取り組みと比較して妥当な期間を上限とし、当該期間中における金融環境及び不動産市場等の変動リスクがあることを十分認識の上、慎重な検討を行うこととします。決済資金の調達方法については、取得を決定する時点においては、コミットメントライン等の融資枠の利用等、取得額に応じた決済時の取得資金の調達方法及びその実現性を検証し、決済時においては、金融市場、取引先金融機関との関係、投資法人債(短期投資法人債を含みます。)市場等の資金調達環境の変化に応じて最適な資金調達方法を選択することとします。
(ウ)資産価値変動に関する留意点
売買契約締結から物件引渡しまでの期間に、経済情勢の変化等により鑑定評価額が大幅な変動がある可能性がある場合においては、鑑定評価を再取得の上、鑑定評価額を見直すこととします。また、鑑定評価額が取得価額を下回った場合においては、違約金の支払いによる契約解除又は売買価格の再協議の必要性等について判断の上、適切な対応を行うものとします。
(エ)現状変更
売買契約締結から物件引渡しまでの期間に、売主が現状変更を行う場合及び未収テナントが発生し、賃貸借契約の解除事由に該当する場合等には、その対応につき買主の事前承諾を得ることを条件とし、売買価格やポートフォリオ全体に与える影響を十分検証の上、慎重に判断します。
⑨ ポートフォリオ運営・管理方針
中長期的な観点から、安定した収益の確保と運用資産の着実な成長を目指し、以下の方針に基づいて、ポートフォリオの運営・管理を行います。
(ア)基本方針
本投資法人は、成長性及び潜在的価値の把握及び実現を訴求し、運用資産毎に、内部成長要素(リースアップ、各種運営・管理コストの削減、賃料収入の安定的成長、運用資産の適切な運営管理、修繕による資産価値の維持・向上等)を勘案し、さらにテナント満足度の向上も併せて勘案しながら、これらの諸要素から見出される戦略的課題に対処するために最適かつ実効性のある管理スペック(管理水準・管理仕様)、テナントミックス、資本的支出計画その他の諸施策を資産運用計画の一環として立案し、これを実践することを基本としています。
(イ)資産運用計画等
本資産運用会社は、本投資法人の営業期間毎に個々の運用資産及びポートフォリオ全体についての資産運用計画を策定し、計画的な運営・管理を実施します。
資産運用計画は、ポートフォリオ全体の収支予算、運用資産毎の収支予算、運用管理計画、リーシング計画、修繕計画及び資本的支出計画を含むものとします。
(ウ)リーシング・マネジメント
テナントに対するリーシングに当たっては、運用資産毎にその不動産特性を勘案しながら最適なテナントミックスを実現するとともに、ポートフォリオ全体における最適なテナントミックスの実現も勘案しながら、リーシング活動を展開します。
新規テナントについては、原則として、以下の審査項目を考慮し、かつ、ポートフォリオ全体への影響度及び当該運用資産の他のテナントへの影響度等を総合的に判断し、選定するものとします。
| 審査項目 | 審査内容 |
| 業種 | 業界の動向、必要に応じて役職員等との面談を実施 |
| 業歴 | 事業継続年数、上場の有無、役員異動及びその頻度 |
| 財務健全性 | 貸借対照表及び損益計算書等の財務諸表の内容、上場会社であれば株価動向 |
| 信用力 | 資本関係、国内外の格付機関による長期又は短期格付、特に非上場会社は信用調査会社による信用調査評価 |
| 賃貸借内容 | 賃借の目的、契約形態、契約期間、賃料及び敷金、賃借規模、内装工事内容等、上記各審査項目の内容との相応性 |
既存テナントは、運用資産の所有者である本投資法人にとってパートナーであるとの考え方に基づき、十分なコミュニケーションを図り、良好なリレーションを構築することに努めるとともに、既存テナントのニーズを把握し、適切かつ迅速な対応を講じるものとします。
ポートフォリオ全体の賃貸収益への影響度の大きい主要テナントについては、一時的に高水準な空室が同時発生するリスクを軽減するため、契約期間の長期化、解約予告期間の長期化及び契約期間満了日の分散化等を検討の上、空室リスクがポートフォリオに与える影響を可能な限り抑えるべく対処するものとします。
(エ)プロパティ・マネジメント
各運用資産のプロパティ・マネジメントについては、以下の点に留意して運営管理の効率化に努めます。
各運用資産の運営管理業務の実施内容と運営管理コスト及び運営管理業務の品質について、資産運用計画の一部としての各運用資産の収支予算、運用管理計画、リーシング計画、修繕計画及び資本的支出計画を作成の上、実績値、実施状況、現況等に基づき、費用対効果の評価及び分析を行います。
上記の評価及び分析の結果、運営管理コストに削減の余地があると判断される場合には、運営管理業務を構成する設備管理業務・保守点検業務、清掃衛生業務、保安警備業務等には受託業者の変更や、複数の運用資産の一括委託等によるコスト・コントロールを実施します。
コスト削減は、一方で運用資産の管理スペック(管理水準・管理仕様)の品質、既存テナントの満足度、運用資産の市場競争力への悪影響も考えられることから、実施の意思決定においては、これらに留意して慎重に検討するものとします。
各運用資産のプロパティ・マネジメントの実行は、原則として外部の独立した専門会社へ委託することを基本とします。PM会社の選定においては、運用資産の特性及び以下の審査項目を考慮して行います。
| 会社概要 | 事業概要、人員・組織体制、事業エリア等 |
| 業務実績 | 用途別又は地域別の管理棟数、証券化不動産の管理実績等 |
| 財務健全性 | 貸借対照表及び損益計算書等の財務諸表の内容、信用力等 |
| 業務内容 | 施設運営管理、賃貸営業管理及び工事・営繕管理の内容、これに伴うレポーティング能力、企画提案能力及び渉外折衝能力等、プロパティ・マネジメント業務の体制・質・スピード等 |
| 業務報酬 | プロパティ・マネジメント業務の内容との相応性 |
| その他 | 近隣競合建物の受託状況 |
PM会社による業務が、各運用資産の運用計画に基づき適切に遂行されているか否かをモニタリングするため、書面による報告書のみならず、定期的なミーティングを開催し、必要に応じて現地実査、指示、協議、助言及び指導等を行い、運用計画に則した業務の実行を確実なものとします。
プロパティ・マネジメント業務委託契約の期間は1年ないし2年を基本とし、契約期間満了時までに、定期的に運営管理実績を、運用計画の達成度、プロパティ・マネジメント業務の質、テナント満足度等の観点等から、査定し評価します。評価の結果によっては、PM会社の変更を検討します。
(オ)修繕計画及び資本的支出計画
中長期にわたり、運用資産の市場競争力及びテナント満足度の維持向上を図るため、運用資産毎に資産運用計画の一部としての修繕計画及び資本的支出計画を立案し、必要な修理、修繕、更新、改修を行います。取得に際して、運用資産の同一需給圏に属する他の不動産との差別化を図り、競争力を高めるための中期的な資本的支出計画を立案します。
取得後、営業期間毎に機能維持を目的とした効率的な修繕計画及び資本的支出計画を立案します。
資本的支出計画については、ポートフォリオ全体の減価償却費の範囲で効率的・計画的に実施するものとします。
(カ)付保方針
本投資法人は、運用資産に内在するリスク等を考慮し、火災等の災害や事故等による建物の損害、第三者からの損害賠償請求等のリスクを軽減するため、運用資産の特性に応じた適切な損害保険(火災保険、賠償責任保険、利益保険等)の付保等の措置を講じます。
地震保険の付保については、各運用資産につき地震PML値が20%以上の場合又は当該運用資産が加わることによりポートフォリオ全体の地震PML値が10%を超過する場合、かかる保険料による運用資産の収益性への影響等を考慮しつつ、付保の検討及び判断を行うものとします。
⑩ 売却方針
運用資産については、原則として中長期にわたって保有し、短期的な売却は行わないこととします。但し、ポートフォリオ全体の最適化の観点から、特定の運用資産について、現在から将来にわたる収益性、マーケットの動向、資産価値の見通し、立地するエリアの将来性、劣化又は陳腐化に対する修繕コストの見通し等、当該運用資産の競争優位性を考慮した上で、入替えが望ましいと判断した場合、運用資産の売却を検討します。
⑪ 財務方針
(ア)エクイティ・ファイナンス
資産の取得、工事金の支払い、敷金・保証金の返済、本投資法人の運営に係る費用の支払い又は債務の返済等を目的として、投資口の追加発行を行うことができます。投資口の追加発行は、LTV水準及びマーケット環境を考慮し、投資口の希薄化(新投資口の発行による投資口1口当たりの議決権割合の低下及び投資口1口当たりの純資産額又は分配金の減少)に配慮しつつ機動的に行います。
(イ)デット・ファイナンス
運用資産の着実な成長並びに効率的な運用及び運用の安定性に資するため、資産の取得、修繕費若しくは分配金の支払い、本投資法人の運営に要する資金、若しくは債務の返済(敷金・保証金並びに借入金及び投資法人債(短期投資法人債を含みます。以下本⑪において同じです。)の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを目的として、資金を借入れ(コール市場を通じる場合を含みます。)又は投資法人債を発行することができます。但し、短期投資法人債の発行により調達した資金の使途又は目的については、法令に定める範囲に限るものとします。なお、資金を借り入れる場合には、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)(以下「金融商品取引法」といいます。)に規定する適格機関投資家(但し、租税特別措置法(昭和32年法律第26号。その後の改正を含みます。)(以下「租税特別措置法」といいます。)第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)からの借入れに限るものとします。また、本投資法人の借入金及び投資法人債発行の限度額はそれぞれ1兆円とし、かつ、その合計額が1兆円を超えないものとします。なお、本投資法人は、原則として無担保無保証での資金調達を行うものの、資金の借入れ及び投資法人債の発行において、運用資産を担保として提供することができます。また、メガバンクを含む国内有力金融機関を中心としたバンク・フォーメーションを構築します。さらに、資金の借入れは、長期比率及び固定比率のバランスに配慮するとともに、返済期限や借入先の分散を図り、安定的な運営を行います。
(ウ)LTV
財務健全性確保のため、本投資法人の資産総額のうち有利子負債(投資法人債を含む借入金)残高の占める割合(以下「LTV」といいます。)は、60%を上限とします。但し、新たな資産の取得等に伴い、一時的に60%を超えることがあります。
(エ)デリバティブ取引
借入れ及びその他の本投資法人に係る負債から生じる金利変動リスクのヘッジを主たる目的として、経済状況及び金利の動向を考慮し、デリバティブ取引に係る権利への投資を行うことがあります。
(オ)キャッシュ・マネジメント
テナントから預かった敷金・保証金を資金として活用することがあります。
また、諸々の資金ニーズ(修繕及び資本的支出、分配金の支払い、小口債務の返済、本投資法人の運営に関わる運転資金、敷金等の返還、又は不動産関連資産の新規購入等)に対応するため、融資枠等の設定状況も勘案した上で、妥当と考えられる金額を現預金として保有するものとします。
(カ)減価償却費の活用方法について
本投資法人は、減価償却による内部留保について成長戦略又は財務方針等のために有効活用することで、1口当たり分配金の最大化を目指します。
具体的には、①設備更新、コンバージョン等の資本的支出の活用を通じた保有施設の競争力の強化や物件の取得原資の確保といった本投資法人の成長戦略に寄与する手段として利用することを検討するとともに、②借入金の返済資金の一部への充当を通じた金利コストの削減や一時的な利益超過分配原資の確保といった本投資法人の財務方針に寄与する手段として利用することを検討します。
⑫ 情報開示方針
(ア)本投資法人は、投資主に対し透明性を確保し、投資主の投資判断に必要な情報を適時かつ適切に開示するものとします。また、情報の透明性及び解りやすさに配慮し、法定開示以外の情報開示についても、投資主のニーズに応えるべく自ら内容を検討し、適時かつ適切な情報の開示に努める方針とします。
(イ)投資主に公平な情報取得機会を提供できるよう、正確かつ有用な情報を集約できる体制を構築し、速やかに開示できるように努めます。
(ウ)専門的な見解を積極的に取り入れ、より一層、開示情報の正確さを追求します。
(エ)投信法、金融商品取引法、東京証券取引所、投資信託協会等にて定められている開示情報は、各々の所定様式に基づき適切に開示を行うものとします。