有価証券報告書(内国投資証券)-第1期(平成26年12月9日-平成27年7月31日)
(1)【投資方針】
① 本投資法人の投資理念
我が国は、国民の約4人に1人が65歳以上の高齢者であるという、先進国の中でも最も高齢化が進展している国であり、総人口に占める高齢者の割合も絶対数も当面増加すると見込まれています。そうした介護を必要とする世代が増える一方で、高齢者の介護を担う世代の人口は減少の一途をたどると見込まれています(注1)。高齢者の増加は、高齢者世帯(注2)の増加も意味しており、少子化及び核家族化の流れの中、単独高齢者世帯(注2)も増加すると想定されます。このような高齢社会においては、かつて我が国に存在した、三世代・四世代が同居する大家族を前提とする家族間の介護を期待することは容易でなく、必然的に、高齢者のうち一定割合の人口に対しては、社会インフラともいえる外部のヘルスケア施設(注3)を通じた介護・医療サービスを提供することが求められることになります。また、現状では、特に単身の高齢者が安心して必要な介護・医療サービスを受けながら生活できる環境整備は不十分である等の認識が、政府においても示されています(注4)。そのため、介護・医療サービス及びそれらサービスを提供する施設の供給をさらに拡大する必要性があると本投資法人は考えています。
こうした我が国の高齢社会における介護・医療サービスへの需要の増大に対応するため、現在、ヘルスケア施設の供給促進が求められており、またヘルスケア施設の建設・運営に向けた資金調達ニーズの拡大に応えるべく、「ヘルスケアREITの組成に向けた環境整備」が推進されています(注5)。
本投資法人は、上記の環境認識のもと、社会的なニーズの増大が見込まれ、かつ拡大が期待される介護・医療業界と資本市場をつなぐパイプの役割を担うことを目指します。すなわち「介護」「医療」「健康」をキーワードとするヘルスケア施設への安定的な投資・保有を通じて、ヘルスケア施設の適切な維持管理及び新たな供給を促進させることで、国民一人ひとりが安心して生き生きと生活できる社会の実現を目指すとともに、本投資法人における安定した収益の確保と運用資産の着実な成長を目指します。
(注1)平成27年9月20日付総務省統計局発表の「統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)-「敬老の日」にちなんで-」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数将来推計(全国推計)(平成25年1月推計)」参照。
(注2)ここに、「高齢者世帯」とは、世帯主が65歳以上の世帯をいい、「単独高齢者世帯」とは、世帯人員が一人で、65歳以上の世帯をいいます。以下同じです。
(注3)本投資法人においては、高齢者向け施設・住宅及び医療関連施設等を併せて「ヘルスケア施設」といいます。「高齢者向け施設・住宅」とは、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(以下「サ高住」といいます。)、認知症高齢者グループホーム(グループホーム)及びその他高齢者向け施設・住宅をいい、それらの詳細については、後記「④ 本投資法人の投資対象/(イ)投資対象物件/b.高齢者向け施設・住宅」をご参照ください。また、「医療関連施設等」とは、病院・診療所、及び複数の診療科目の診療所や薬局等が集積された「医療モール」等をいい、それら詳細については、後記「④ 本投資法人の投資対象/(イ)投資対象物件/c.医療関連施設等」をご参照ください。
(注4)閣議決定により設置された日本経済再生本部(以下「日本経済再生本部」といいます。)による平成25年6月14日付「日本再興戦略~JAPAN is BACK~」参照。
(注5)日本経済再生本部による平成26年6月24日付「『日本再興戦略』改訂2014-未来への挑戦-」参照。
② 本投資法人の特徴・投資方針
本投資法人は、上記の本投資法人の投資理念に従い、ヘルスケア施設、具体的には「高齢者向け施設・住宅」及び「医療関連施設等」に特化したポートフォリオの構築を図ります。本投資法人は、スポンサー(注1)の有する専門性と広範なネットワークを活用し、社会的ニーズの増大が見込まれるヘルスケア施設への重点投資により、安定的な収益を享受し、中長期的な投資主価値の最大化を目指します。
また、本投資法人がヘルスケア施設を保有し、かつ運用資産の適切な維持管理を行うことで、オペレーター(注2)はヘルスケア施設の運営に専念できる態勢を構築することが可能となります。すなわち、オペレーターはこれまでヘルスケア施設自体の保有に投下していた資本を、今後は従業員の確保や施設の設備投資等に充当することができ、さらには、新たなヘルスケア施設の開発へ資金を振り向けることも可能となります。このように、本投資法人によるヘルスケア施設への投資は、ヘルスケア施設の質の向上及びオペレーターの資金調達の選択肢の拡大を通じ、ひいてはその施設利用者の満足度の向上へとつながる好循環を我が国の高齢社会に生み出すことになるものと考えています。言葉を換えれば、ヘルスケア施設の整備・拡充と介護・医療サービスの向上は、施設利用者やその親族に対し満足感・安心感を提供し、施設を利用する高齢者にとっては安定的な住まいの確保に資することとなり、それらの結果、投資主のみならずオペレーター、施設利用者や施設利用者の親族らにとって、それぞれの「安心」と「安全」と「便益」と「利益の実現」が同時に図られるものと考えています。
以上のとおり、本投資法人は、「介護」「医療」「健康」をキーワードとするヘルスケア施設への重点投資を行うことで、高齢社会への貢献を果たしつつ、本投資法人の成長に繋げ、最終的には本投資法人の中長期的な投資主価値の向上を図る方針です。
(注1)本書において「スポンサー」とは、本資産運用会社の株主をいいます。本書の日付現在、スポンサーは合計で9社あり、SMBC、シップヘルスケア、NECAP、SMFL、SMBCフレンド証券、銀泉、陽栄、室町建物及び神戸土地建物です。
(注2)本書において「オペレーター」とは、本投資法人の保有するヘルスケア施設の賃借人であり、かつ、当該施設で事業の運営等を行う者をいいます。オペレーターの選定基準及び保有する信託不動産におけるオペレーターの詳細については、後記「⑦ 優良なオペレーターとの長期固定の賃貸借契約に基づく安定的なキャッシュフロー/(ア) オペレーターの選定基準」をご参照ください。
(ア)さらなる需要の拡大が見込まれるヘルスケア施設への重点投資
本投資法人は、ヘルスケア施設に対して、さらなる需要の拡大が見込まれるとの認識のもと、重点的に投資を行います。本投資法人が投資対象とするヘルスケア施設の概要については、後記「④ 本投資法人の投資対象」をご参照ください。
a.ヘルスケア施設へのニーズの高まりとその成長性
我が国では、高齢者世帯、特に単独高齢者世帯が増加する一方、介護を担う世代の人口は減少しています。すなわち、高齢者世帯の一定割合に対して、外部の介護・医療サービスの提供が必然的に求められる社会情勢といえます。このような介護・医療サービスへの需要増大に呼応して、ヘルスケア施設、とりわけ高齢者向け施設・住宅の供給自体は増加しつつありますが、需要は供給を上回る速度でさらに増大しており、ヘルスケア施設のさらなる整備・拡充が喫緊の課題とされています。
本投資法人は、このような我が国における高齢社会においては、ヘルスケア施設を取り巻く市場は今後も拡大していくものと考えています。我が国社会の高齢化の進展と高齢者向け施設・住宅の供給量の拡大の詳細については、後記「③ ヘルスケア施設を取り巻く事業環境/(ア)高齢者向け施設・住宅について」をご参照ください。
b.政府を挙げた高齢者対策の推進
このような我が国の高齢社会が抱える多くの課題に対応するため、平成23年3月15日付の閣議決定による「住生活基本計画(全国計画)」(以下「住生活基本計画」といいます。)において、医療・介護・住宅が連携し高齢者が安心できる住まいを確保するため、サービス付きの高齢者向け住宅の供給を促進するとの基本的な施策が公表されています(注)。
また、日本経済再生本部は、平成25年6月14日付「日本再興戦略~JAPAN is BACK~」の中で、高齢者等が安心して歩いて暮らせるまちづくりの一環として、「民間資金の活用を図るため、ヘルスケアリートの活用に向け、高齢者向け住宅等の取得・運用に関するガイドラインの整備」を行うとの方針を打ち出しています(注)。
その後、平成25年12月5日付閣議決定による「好循環実現のための経済対策」においては、ヘルスケア施設向けの資金供給を強化するための環境整備を行う施策として、「ヘルスケアリートの上場推進等を通じたヘルスケア施設向けの資金供給の促進」を掲げる等、国を挙げた高齢化対策が推進されています。
(注)上記の住生活基本計画及び「日本再興戦略~JAPAN is BACK~」に関しては、後記「③ ヘルスケア施設を取り巻く事業環境/(ア)高齢者向け施設・住宅について」及び同「(ウ)ヘルスケアリートの活用をめぐる我が国政府の一連の取組について」も併せてご参照ください。
(イ)主要スポンサーの有する「介護・医療」「ファンド運営」「金融」の機能やノウハウの活用
本投資法人は、「介護・医療」「ファンド運営」「金融」の各分野で専門的な機能やノウハウを有する主要スポンサーの強みを積極的に活用することで、安定的な資産運用と中長期的な運用資産の拡充を図ります。
本投資法人の「主要スポンサー」とは、以下の3社をいいます。
・株式会社三井住友銀行(SMBC)
・シップヘルスケアホールディングス株式会社(シップヘルスケア)
・NECキャピタルソリューション株式会社(NECAP)
主要スポンサーの強み及びサポートの概要は以下のとおりです。それらの内容の詳細は、後記「⑤ サポート契約を活用した投資運用」及び「第二部 投資法人の詳細情報/第3管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/(5)利害関係人等との取引状況等/③ サポート契約」をご参照ください。
a.SMBC
SMBCは、社会に大きな影響を与える「震災復興」「環境」「少子・高齢化」「グローバル」の4つの課題を金融機関として取り組むべき優先課題として位置づけており、重要な社会インフラであるヘルスケア施設の供給促進を金融面で支援するために、本投資法人の立ち上げに参画しています。
SMBCは国内メガバンクの一角を占める金融機関であり、ヘルスケア施設の所有者やオペレーターを含む、幅広い顧客基盤を有しています。今後SMBCの顧客が資金調達の選択肢の一つとしてヘルスケア施設の流動化等を検討する場合に、本投資法人は、当該顧客の紹介を受けることができます。また、SMBCは上場不動産投資法人(以下「J-REIT」といいます。)に対するファイナンスの分野でも、国内トップクラスの実績を有しています(注)。
本投資法人は、SMBCからのサポートを最大限活用し、円滑な資金調達と安定的な資産規模の拡大を目指します。
(注)SMBCのJ-REITに対するファイナンスの実績については、後記「⑤ サポート契約を活用した投資運用/(イ)主要スポンサーの概要/a.SMBC」をご参照ください。
b.シップヘルスケア
シップヘルスケアは、「医療」「保健」「福祉」「介護」の4分野に特化した企業で、医療機関とのパートナーシップを核に、病院等の建替えや整備等に関するコンサルティングをはじめ、有料老人ホームや調剤薬局の運営に至るまで、幅広い事業展開を行っています。
本投資法人は、シップヘルスケアの有する介護・医療業界における専門性とネットワークを活用し、また同社又は同社子会社より介護・医療業界に精通した役職員を受け入れることで、専門性の高い安定的な資産運用を行います。
c.NECAP
NECAPはNECグループ(注)の総合金融会社で、幅広い顧客層に対してリースや割賦などのファイナンスサービスを提供しています。また、企業、債権、資産の事業領域において、ファンド等を通じた投融資や各種アドバイザリー業務を子会社の株式会社リサ・パートナーズ(以下「リサ・パートナーズ」といいます。)を中心に展開しています。NECAPはこれら多様な機能を活用し、急速に進む我が国の高齢社会という社会的課題に取り組んでいく方針です。
本投資法人は、NECAPグループ(注)が有するこれら機能や専門的ノウハウを活用することで、良質なポートフォリオの構築と安定的な運営を行います。
(注)「NECグループ」とは、日本電気株式会社並びにその子会社及び関連会社により構成される企業集団を意味し、「NECAPグループ」とは、日本電気株式会社の子会社であるNECAP並びにその子会社及び関連会社により構成される企業集団を意味します。以下同じです。
(ウ)多様なネットワークと優先交渉権を活用した取得機会の確保
本資産運用会社は、本書の日付現在、主要スポンサーを含む計8社のスポンサーとの間で、スポンサーサポート契約(以下「スポンサーサポート契約」といいます。)を締結し、また、5社のサポート会社(注)との間で、パイプラインサポート契約(以下「パイプラインサポート契約」といい、スポンサーサポート契約と併せて以下「サポート契約」といいます。)を締結しています。
(注)「サポート会社」とは、本資産運用会社との間で、本投資法人への物件譲渡につき、優先交渉権等を規定するパイプラインサポート契約を締結している法人をいい、本書の日付現在、株式会社SMBC信託銀行(以下「SMBC信託銀行」といいます。)、リサ・パートナーズ、オライオン・パートナーズ・ジャパン合同会社(以下「オライオン」といいます。)、合同会社HCベガ(以下「HCベガ」といいます。)及び合同会社HCアルタイル(以下「HCアルタイル」といいます。)の5社がこれに該当します。このうち、HCベガ及びHCアルタイルは、NECAP等の意向を受けて専ら有料老人ホーム、サ高住等を取得するために設立された特別目的会社であり、併せて以下「サポートSPC」といいます。
本投資法人は、このサポート契約を通じて、各スポンサー又はサポート会社から、保有する物件について、本投資法人が優先的にその取得について交渉を行うことのできる権利(以下「優先交渉権」といいます。)の提供、本投資法人が購入するまでスポンサー又はサポート会社が物件を一時的に保有すること(以下「ウェアハウジング」といいます。)等の様々なサポートを得ることができます。
本投資法人は、本書の日付現在、16物件の信託不動産を保有しており、そのうち14物件はスポンサーのネットワークを活用して取得しており、残り2物件は、本資産運用会社の独自のネットワークを用いて取得しております。
サポートSPCは、本書の日付現在において、ヘルスケア施設を保有しており、本投資法人は、サポートSPCと本資産運用会社との間で締結されたパイプラインサポート契約を通じ、将来において、サポートSPCが保有する物件のいずれかを売却しようとする場合には、優先交渉権を行使することが可能です。これらSPCが保有する物件の詳細については、後記「⑥ 外部成長戦略~多様なネットワークと優先交渉権を活用した取得機会の確保と投資主価値の最大化/(イ)サポートSPCによるウェアハウジング」をご参照ください。
また、本投資法人は、稼働中のヘルスケア施設だけでなく、開発中のヘルスケア施設についても、スポンサー及びサポート会社のウェアハウジング機能を活用し、開発後に優先交渉権を用いて取得すること等を検討します。
これらのサポート契約の内容の詳細については、後記「⑤ サポート契約を活用した投資運用」及び「第二部 投資法人の詳細情報/第3管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/(5)利害関係人等との取引状況等/③ サポート契約」をご参照ください。
(エ)優良なオペレーターとの長期賃貸借契約に基づく安定的なキャッシュフロー
ヘルスケア施設は、需要が景気に左右されにくく、景気による収益の変動がオフィス等の他のアセットと比べて小さいという物件特性を有しています。また、ヘルスケア施設の保有者(以下「ヘルスケア施設保有者」といいます。)は、施設の運用形態として、オペレーターを賃借人とし、その者との間で賃料固定長期の賃貸借契約(注)を締結することが一般的となっています。ヘルスケア施設保有者が収受するキャッシュフローは、オペレーターが支払う賃料であり、またこの賃料は一般に長期の固定賃料となっていることが多いため、ヘルスケア施設については、収益の変動が小さく、安定したキャッシュフローが期待できると考えられます。
本投資法人は、このような特性を持つヘルスケア施設を取得し、またその運用に際しては、ヘルスケア施設の運営を担うオペレーターとの間で、オペレーターを賃借人とし、原則として賃料固定長期の賃貸借契約を締結することで、中長期的に安定した収益の確保を目指します。
(注)本書において、「賃料固定長期の賃貸借契約」とは、原則として、本投資法人による取得時点での賃貸借期間の残存期間が10年以上であり、本投資法人が取得した時点から、中途解約が少なくとも5年間は禁止され、収益その他に賃料額が連動する規定を含まない賃貸借契約を指します。なお、信託不動産については、「賃料固定長期の賃貸借契約」が締結されない物件が含まれています。各信託不動産に係る賃貸借契約の概要は、後記「5 運用状況/(2)投資資産/③ その他投資資産の主要なもの/(イ)保有資産の個別不動産の概要」をご参照ください。
また、本資産運用会社は、スポンサーサポート契約に基づき、主要スポンサーから、ヘルスケア施設の運営及び管理に専門性と知見を有する人材の提供を受けており、また、ヘルスケア施設に関する各種の助言(例:市場情勢や情報提供等)を受けられる態勢にあります。本資産運用会社は、このようなスポンサー及びスポンサー出身の人材の持つノウハウを最大限活用して、ヘルスケア施設の取得の際には、オペレーターを厳選し、かつ、取得後もオペレーターの運営状況及び財務状況について継続的なモニタリングを実施することで、安定的なヘルスケア施設の運営及び管理を実現することを目指しています。なお、本投資法人は、保有している信託不動産16物件のオペレーターについては、いずれもヘルスケア施設の運営能力と、財務面の信用力を有しているものと考えています。これらオペレーターの詳細については、後記「⑦ 優良なオペレーターとの長期固定の賃貸借契約に基づく安定的なキャッシュフロー/(ア)オペレーターの選定基準」をご参照ください。
(オ)安定した財務基盤と財務戦略
本投資法人は、主要スポンサーであるSMBCを中心とした複数の金融機関との間で強固かつ安定的な取引関係を築くことで、運用資産の着実な成長を達成する最適な財務基盤を構築することを目指します。
また、本投資法人は、保有するポートフォリオにおける資金ニーズを常にモニタリングし、その時々において最も効率的かつ適切なキャッシュ・マネジメントを行います。詳細については、後記「⑮ 財務戦略/(エ)余資運用等」をご参照ください。
(カ)内部留保の有効活用(利益超過分配等)
本投資法人が対象とするヘルスケア施設は、オペレーターとの賃貸借契約上、建物価値の維持に必要な設備投資額(資本的支出)が、他のアセットクラスと比較して、低く抑えられる傾向にあります。本投資法人は、減価償却費相当額の内部留保を以下のように有効活用することで、1口当たりの分配金の最大化を目指します。
③ ヘルスケア施設を取り巻く事業環境
我が国社会は、以下のとおり、高齢化の進展に直面しています。本投資法人は、その主たる投資対象であるヘルスケア施設については、このような社会環境を背景として、将来にわたりより大きな需要が見込まれると考えています。
(ア)高齢者向け施設・住宅について
下表「日本の人口推移と高齢化率の推移の見通し」によれば、日本の総人口は減少傾向にありますが、その内訳をみると、総人口に占める高齢者の割合及び高齢者の絶対数は当面増加するものとされ、他方、高齢者の介護を担う世代の人口は減少の一途をたどると見込まれています。平成22年10月1日時点において、65歳以上の割合は23.0%であったものが、平成37年では30.3%となる予想であり、平成47年では33.4%と予想されています。
<日本の人口推移と高齢化率の推移の見通し>出所:上記グラフ中、昭和60年ないし平成22年(各年10月1日時点人口)(実績値)につき、総務省統計局「平成22年国勢調査」に基づいており、平成27年ないし平成72年における日本の将来推計人口(推計値)につき、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」中の「表1-2 総人口,年齢4区分(0~19歳,20~64歳,75歳以上)別人口及び年齢構造係数:出生中位(死亡中位)推計」に基づきます。
(注)平成22年の値は、総務省統計局「平成22年国勢調査」に含まれる国籍及び年齢不詳人口を按分した平成22年国勢調査基準人口を記載しています。
また、下記グラフによれば、単独高齢者世帯は今後も増加するものと想定されています。平成22年において、単独高齢者世帯は498万世帯であり、高齢者世帯に対する単独高齢者世帯の割合は30.7%であったものが、平成37年ではそれぞれ701万世帯、34.8%となる予想であり、平成47年ではそれぞれ762万世帯、37.7%と予想されています。したがって、これらの単独高齢者世帯を支える外部の介護・医療サービスの需要も増加していくことが見込まれます。
<高齢者世帯に対する単独高齢者世帯の割合>出所:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)(平成25年1月推計)」
(注1)上記グラフのうち各類型の世帯数は単位未満を、世帯主65歳以上における単独高齢者世帯割合は小数第2位を、それぞれ四捨五入して表示しています。
(注2)世帯数については、一般世帯の数値を記載しています。「一般世帯」とは、①住居と生計を共にしている人々の集まり若しくは一戸を構えて住んでいる単身者(但し、これらの世帯と住居を共にする単身の住み込みの雇人については、人数に関係なく雇主の世帯に含めています。)、②①の世帯と住居を共にし、別に生計を維持している間借りの単身者若しくは下宿屋などに下宿している単身者、又は③会社・団体・商店・官公庁などの寄宿舎、独身寮などに居住している単身者、のいずれかに該当する世帯をいいます。なお、家族類型不詳の一般世帯数はいずれの分類にも含まれていません。
こうした中、住生活基本計画では、「安全・安心で豊かな住生活を支える生活環境の構築」との目的のもと、サービス付きの高齢者向け住宅の供給促進を図り、具体的には、高齢者人口に対する高齢者向け住宅の充足率を、平成17年において0.9%であったものを、平成32年には3%から5%に引き上げるとの政策目標を提示しています。
平成32年において、65歳以上の人口は約3,612万人と推計されており(注1)、上記政策目標の達成は、3%を前提とすれば約108万人、5%を前提とすれば約180万人が入居できる高齢者向け住宅が必要とされることになります。しかしながら、下記グラフのとおり、有料老人ホームの定員数は、平成17年において約9万5000人であったものが、平成25年においても約35万人に留まっています。また、平成23年10月より、法改正の結果として登録制度が発足したサービス付き高齢者向け住宅は平成25年において約13万戸でした。今後、平成32年において上記3%の目標を達成するには、少なくとも、サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホーム等を合計で約48万人分の供給が必要とされ、上記5%の目標を達成する場合には、約120万人分の供給が必要とされることになります(注2)(注3)。
(注1)前記「日本の人口推移と高齢化率の推移の見通し」における平成32年の我が国人口推計参照。
(注2)「サービス付き高齢者向け住宅」の定員数の算出に際しては、1戸あたり1人で計算しています。
(注3)下記グラフにおける「その他施設」の定員数が増加する場合も含みます。「その他施設」の定員数は、「軽費老人ホーム」、「シルバーハウジング」及び「地域優良賃貸住宅(高齢者型)」の定員数をいいます。
<高齢者人口に対する高齢者向け住宅の充足率>出所:「有料老人ホーム」:厚生労働省公表の「介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについてー住まいとサービスの関係性―」(厚生労働省老健局高齢者支援課・振興課(高齢者居住福祉担当)による平成26年7月25日開催市町村セミナー資料)参照。
「サービス付き高齢者向け住宅」:国土交通省ホームページ経由「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」掲載「サービス付き高齢者向け住宅の登録状況(平成26年10月末時点)」参照。
「軽費老人ホーム」:厚生労働省公表の「社会福祉施設等調査」参照。なお、「軽費老人ホーム」の詳細については、後記「④ 本投資法人の投資対象/(イ)投資対象物件/b.高齢者向け施設・住宅」をご参照ください。
「シルバーハウジング」:一般財団法人高齢者住宅財団「シルバーハウジング・プロジェクト実績」参照。
「地域優良賃貸住宅(高齢者型)」:内閣府公表の「平成26年度版高齢社会白書(全体版)」掲載の「公営住宅等の高齢者向け住宅建設戸数」参照。
(注1)上記グラフ中の「有料老人ホーム」の定員数は、厚生労働省老健局の調査結果に基づく、施設の定員数を示しています。
(注2)「サービス付き高齢者向け住宅」の定員数は、上記サービス付き高齢者向け住宅情報提供システムに記載の各年10月末日時点での登録戸数について、1戸当たりの定員数を1人と仮定して記載しています。
(注3)「その他施設」の定員数は、「軽費老人ホーム」「シルバーハウジング」及び「地域優良賃貸住宅(高齢者型)」の定員数の合計をいい、以下のように定員数を算出しています。
・「軽費老人ホーム」の平成25年の定員数は、平成24年の定員数に、平成23年から平成24年までの定員数の増加率を乗じた数値を使用しています。
・「シルバーハウジング」の定員数は、「シルバーハウジング・プロジェクト実績」に記載された承認年度毎の登録戸数の合計について、1戸当たりの定員数を1人と仮定して記載しています。なお、平成21年度以降は、同数としています。
・「地域優良賃貸住宅(高齢者型)」の定員数は、平成23年度までの各年の管理開始戸数の合計について、1戸当たりの定員数を1人と仮定して記載しています。
(注4)充足率は、各年の「有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」及び「その他施設」の合計定員数を、平成17年については総務省統計局が作成した「平成22年国勢調査」の65歳以上人口で、平成23年から平成32年までについては、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」の65歳以上人口で除した数値を、それぞれ百分率化した上で、小数第3位を四捨五入して記載しています。
以上のとおり、高齢者向け施設・住宅の供給自体は増加していますが、一方で需要は供給を上回る速度で増大しています。本投資法人は、今後のさらなる需要増大に対応すべく、新たな供給促進が行われ、マーケットが拡大していくものと考えています。
(イ)医療関連施設等について
我が国において、高齢者人口の増加に伴い、患者ニーズに応じた病院・病床機能の役割分担や、医療と介護の連携強化を通じ、より効果的かつ効率的な医療・介護サービスを提供するという医療・介護機能の再編に関する将来像が示されています(注1)。これを担う国及び地方自治体が、財政規律の制約の下で入院医療の機能分化・強化と連携、地域包括ケアシステムの整備を求められる中、医療関連施設等を運営する医療法人その他の事業体も、自らの機能の強化と各種の転換を進めていくことを求められています。例えば、医療と介護の連携の強化の1つの形として、今後、病院や診療所と高齢者向け住宅を一体化した施設等の増加も見込まれています。
また、我が国の病院(注2)の数は、全国で約8,500施設とされています。病院は国民の健康に欠かせない社会インフラの1つでありながら、地震国である我が国における耐震化率は、平成26年度の調査で7割以下に留まっています(注3)。病院は、日常的に不特定多数の人が利用し、災害時には地域の拠点ともなり得る施設であり、国土強靭化の観点からも、病院の耐震化は喫緊の課題となっています。
上記の現状認識のもと、本投資法人は、医療関連施設等の機能強化や転換に係るリモデル(建替・再整備)への需要はもとより、耐震化の費用を調達するというニーズを満たす観点でも、ヘルスケアリートの活用への期待が高まりつつあると考えています。
(注1)厚生労働省公表の在宅医療・介護推進プロジェクトチームによる「在宅医療・介護推進」に記載の「医療・介護機能の再編(将来像)」において、医療・介護機能の再編(将来像)として「患者ニーズに応じた病院・病床機能の役割分担や、医療機関間、医療と介護の間の連携強化を通じて、より効果的・効率的な医療・介護サービス提供体制を構築します。」とされています。
(注2)「病院」とは、厚生労働省の「医療施設(動態)調査」(平成27年10月9日付)との公表資料における、全国の「精神科病院」及び「一般病院」をいいます。
(注3)厚生労働省の「病院の耐震改修状況調査の結果」(平成27年3月31日公表)によれば、病院の耐震化率は67.0%であり、このうち地震発生時の医療拠点となる災害拠点病院及び救命救急センターの耐震化率は82.2%と公表されています。なお、かかる厚生労働省の調査において、昭和56年以前(建築基準法改正前)に建築された病院で耐震診断していない建物がある場合は、耐震性が不明な病院として耐震化の算定がなされています。
(ウ)ヘルスケアリートの活用をめぐる我が国政府の一連の取組について
日本経済再生本部は、平成25年6月14日付「日本再興戦略~JAPAN is BACK~」の中で、「高齢者の増加に伴い社会復帰や在宅支援への潜在的需要は更に高まる」こと、しかし、現状では「特に単身の高齢者が安心して必要な医療・介護サービスを受けながら生活できる環境整備は不十分である」等の背景を踏まえ、「健康増進・予防や生活支援に関する市場・産業を創出することに加え、医療・介護提供体制の強化、高齢者向け住宅の整備等に取り組み、良質な医療やリハビリサービスへのアクセス等を実現し、高齢者、障害者等が、地域で安心して暮らせるようにする」との考え方を表明し、これを受けて、「安心して歩いて暮らせるまちづくり」の一環として、民間資金の活用を図るため、ヘルスケアリートの活用に向け、高齢者向け住宅等の取得・運用に関するガイドラインの整備を平成26年度中に行うとの方針を示しました。かかる政府方針を受け、国土交通省は、平成26年6月27日付にて「高齢者向け住宅等を対象とするヘルスケアリートの活用に係るガイドライン」を公表しています。
また、医療関連施設等については、日本経済再生本部内に設置された産業競争力会議における「医療・介護等分科会」が平成25年12月26日付にて公表した「産業競争力会議 医療・介護等分科会 中間整理」の中で、効率的で質の高いサービス提供体制の確立のため、<目指すべき姿>と<具体策>が記載されています。以下はその抜粋です。
<目指すべき姿>「国民が医療や介護が必要になっても、適切なケアが受けられ、安心して住み慣れた地域での暮らしを続けられるよう、医療・介護等の提供体制を「病院・施設完結型」から「地域完結型」へ転換することが喫緊の課題であり、このため、地域内の医療・介護サービス提供者の機能分化や連携の推進等に向けた制度改革を進める必要がある。」
<具体策>「今後、病床機能分化に対応するための施設改修費用、耐震化費用等病院の資金調達ニーズを満たすため、病院を対象とするヘルスケアリートの普及を視野に入れた取組を進める必要がある。このため、病院(自治体病院を含む)を対象とするヘルスケアリートの活用に関して、ガイドラインの策定等の環境整備を平成26年度中に行う。」
以上を受けて、「病院等を対象とするヘルスケアリートの活用に係るガイドライン検討委員会」が設置され、平成26年9月26日には、第一回会議が開催されています。
さらに、国土交通省は平成27年6月26日付で「病院不動産を対象とするリートに係るガイドライン」を公表しています。
このように政府も戦略として高齢者向け施設・住宅や病院等のヘルスケア施設の供給を後押しする施策を打ち出しており、中長期的に成長が期待されるマーケットであると本投資法人は考えています。
④ 本投資法人の投資対象
(ア)投資対象地域
本投資法人は、主として三大都市圏、すなわち首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)、近畿圏(大阪府、京都府、兵庫県)及び中部圏(愛知県)、並びに中核都市圏に立地する物件に投資します。なお、本書において「中核都市圏」とは、三大都市圏以外に所在する政令指定都市、県庁所在地及び地方中核市(注)をいいます。
三大都市圏は、国内の高齢者向け施設・住宅市場規模の面において既に過半を占めており、また将来における高齢者人口の伸びも他の地域を上回るものとされており、今後も市場成長の中心となることが見込まれると本投資法人は考えています。一方、ヘルスケア施設は社会のインフラであり、地方においても一定の需要が見込まれること、及びポートフォリオのリスク分散の観点等から、中核都市圏やその他の地域に立地する物件にも選別的に投資していきます。
(注)本書において「地方中核市」とは、人口20万人以上の市をいいます。
<地域組入比率>
(注)「組入比率」は、取得価格(取得に伴う諸費用及び税金を含みません。)を基準とします。
(イ)投資対象物件
a.ヘルスケア施設・その他の組入比率
本投資法人が投資対象とするヘルスケア施設及びその他の資産については、下表に記載の組入比率をもって運用を行うこととします。但し、運用に際し、短期的にこの比率と一致しないことがあります。
<ヘルスケア施設・その他の組入比率>
(注1)「組入比率」は、取得価格(取得に伴う諸費用及び税金を含みません。)を基準とします。
(注2)複合施設の場合には、当該複数施設が社会経済上一体的に利用され得る場合において、これを一体として評価した場合の主たる用途がヘルスケア施設の用に供され、又は供されることが予定されるものであると判断される場合には、これに関連して本投資法人が保有することとなる不動産等又は不動産対応証券の裏付けとなる不動産等の主たる用途がヘルスケア施設の用に供され、又は供されることが予定されるものであることを条件として、当該一体としての不動産の全部又は一部に係る不動産等又は不動産対応証券を取得することができます。
b.高齢者向け施設・住宅
本投資法人は、主として、①有料老人ホーム、②サービス付き高齢者向け住宅、及び③認知症高齢者グループホームに投資をします。これらはいずれも、平成26年6月に国土交通省が制定した「高齢者向け住宅等を対象とするヘルスケアリートの活用に係るガイドライン」の適用対象となっています。
<本投資法人の投資対象の高齢者向け施設・住宅>
(注1)「特定施設入居者生活介護」又は「介護予防特定施設入居者生活介護」の指定を受けた場合には、施設職員によるサービスに対して、介護保険が給付されます。「特定施設入居者生活介護」又は「介護予防特定施設入居者生活介護」については、後記「(i)有料老人ホーム/(a)介護付有料老人ホーム」ご参照ください。
(注2)高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成13年法律第26号。その後の改正を含みます。)であり、以下「高齢者住まい法」といいます。
(注3)本書の日付現在、本投資法人において、「③認知症高齢者グループホーム(グループホーム)」に分類される施設を取得しておりません。
また、本投資法人は、上記①ないし③以外の高齢者向け施設・住宅として、下表にある「④ その他高齢者向け施設・住宅」に分類される施設も、その投資対象としています。但し、本書の日付現在、本投資法人において、下表の「④ その他高齢者向け施設・住宅」に分類される施設を取得しておりません。
(ⅰ)有料老人ホーム
「有料老人ホーム」とは、老人福祉法に規定された高齢者向けの生活施設であり、高齢者を入居させ、入居者に対して、オペレーターが、直接に又は第三者に委託して、入浴、排せつ若しくは食事の介護、食事の提供又はその他の日常生活上必要な便宜を供与することを目的とする施設(老人福祉施設、認知症高齢者グループホーム等を除きます。)です。主として、株式会社や医療法人などがオペレーターとなり、運営しています。
有料老人ホームで提供を受けることができるサービスの類型には、主に、①食事サービス、②介護サービス、③生活支援サービス及び④健康管理サービス等があります。但し、サービスの内容は、施設毎に、オペレーターが入居者と合意して設定することになるため、施設毎の特性に応じた内容となります。本投資法人は、オペレーターが提供するサービス内容の質と利用料・賃料とのバランスも投資判断の1つのファクターとして勘案するほか、継続的に運営状況をモニタリングしていきます。
<有料老人ホームの一般的なサービス内容>(注)上記のイラストは、有料老人ホームにおける一般的なサービス内容の概要を示したものであり、保有する信託不動産又は今後取得する資産の全てにおいて、上記のサービス内容が全て提供されることや、将来においても保証されることを意味しません。
有料老人ホーム居住の権利形態においては、「利用権方式」が主流です。本投資法人における信託不動産のうち、有料老人ホームは、いずれも利用権方式を採用するヘルスケア施設です。
利用権方式とは、入居者が有料老人ホームの居室に居住し、そこで介護サービスや生活支援サービスを受け、有料老人ホーム内の共用施設を利用する権利をもち、入居する方式です。その際、入居者は有料老人ホームを利用する権利を取得しますが、その権利の帰属は入居する入居者本人に限定され、その入居する権利を譲渡・売却し、又は相続人が相続することはできません。
また、有料老人ホームは、一般に介護保険適用の有無、入居者の要介護度に応じて、以下の「介護付」「住宅型」「健康型」の3種類に分類されます。本投資法人は、本書の日付現在、有料老人ホームのうち、「介護付」「住宅型」を主な投資対象としています。
(a)介護付有料老人ホーム
「介護付有料老人ホーム」とは、介護保険法の「特定施設入居者生活介護」(注1)又は「介護予防特定施設入居者生活介護」(注2)の事業者指定を自治体から受けた有料老人ホームをいいます。この指定は、自治体が策定する高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画に基づきなされるため、現状新たに指定する枠を持たない自治体も散見されます。
各地方自治体の指針により、「特定施設入居者生活介護」又は「介護予防特定施設入居者生活介護」の事業者指定を受けた有料老人ホームのみが、広告やパンフレット等において「介護付」、「ケア付」等の表示を行うことが可能な施設とされています。
(注1)「特定施設入居者生活介護」とは、介護保険法に定められている特定施設(有料老人ホームその他厚生労働省令で定める施設であって、同法第8条第20項に規定する地域密着型特定施設でないもの)に入居している要介護者について当該特定施設が提供するサービスの内容、これを担当する者その他厚生労働省令で定める事項を定めた計画に基づき行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって厚生労働省令で定めるもの、機能訓練及び療養上の世話をいいます。
(注2)「介護予防特定施設入居者生活介護」とは、介護保険法に定められている特定施設(介護専用特定施設を除きます。)に入居している要支援者について、その介護予防を目的として、当該特定施設が提供するサービスの内容、これを担当する者その他厚生労働省令で定める事項を定めた計画に基づき行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の支援であって、厚生労働省令で定めるもの、機能訓練及び療養上の世話をいいます。
介護付有料老人ホームにおいては、介護保険法に基づく「特定施設入居者生活介護」又は「介護予防特定施設入居者生活介護」の制度が適用されるため、その適用を受ける高齢者が入居する場合、その事業者は入居者の要介護度に応じて一定の介護保険収入が安定的に見込めることとなります。そのため、オペレーターの中には、高齢者向け施設・住宅を開発するにあたり、介護付有料老人ホームを第一の選択肢とする場合も多く見受けられます。
(b)住宅型有料老人ホーム
「住宅型有料老人ホーム」とは、生活支援等のサービスが付された高齢者向けの居住施設です。介護付有料老人ホームの場合とは異なり、住宅型有料老人ホームでは、入居者が身体介護等の介護サービスの提供を必要とする場合には、入居者自身が外部の介護サービス事業者と個別に契約して、入居している施設内で在宅介護サービスを受けることができます。
(c)健康型有料老人ホーム
「健康型有料老人ホーム」とは、介護を必要としない健康な高齢者を対象とした施設です。したがって、入居者は、健康な方に限られており、施設数も多くありません。
(ⅱ)サービス付き高齢者向け住宅
「サービス付き高齢者向け住宅」(サ高住)とは、高齢者住まい法に基づき、高齢者の居住の安定を確保することを目的として、バリアフリー構造等を有し、介護・医療と連携し高齢者を支援するサービスを提供するために新たに創設されたヘルスケア施設です。サ高住制度は、国土交通省・厚生労働省の共管制度で、地方自治体への登録制となっており(注)、平成23年10月から登録が開始されています。サ高住制度の導入に際し、登録開始時点から10年間で60万戸の整備が目標とされ、現状、建設補助や税制、融資面での優遇措置が設けられています。
(注)登録基準としては、ハード面ではバリアフリー(一定の廊下幅、段差解消、手すり設置)構造で、1室当たりの床面積が原則25㎡以上であること、またソフト面では少なくとも安否確認・生活相談サービスを提供していること、が定められています。
<サービス付き高齢者向け住宅の一般的なサービス内容>(注)上記のイラストは、サ高住における、一般的なサービス内容の概要を示したものであり、保有する信託不動産又は今後取得する資産の全てにおいて、上記のサービス内容が全て提供されることや、将来においても保証されることを意味しません。
サ高住は、少なくとも、安否確認・生活相談サービスを提供する住宅という位置づけであり、入居者は、通常、オペレーターとの間で賃貸借契約を締結し、借地借家法に基づく借家権が保障されることになります。但し、介護サービスについては、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けていない限り、住宅型老人ホームと同様に入居者自身の選択により、外部の在宅介護サービスを利用することとなります。
(ⅲ)認知症高齢者グループホーム
「認知症高齢者グループホーム」(以下「グループホーム」といいます。)とは、介護保険法に定める「認知症対応型共同生活介護」(注)を主に行う施設で、認知症である為に日常生活を営むのに支障があり、やむを得ない事由(環境的、経済的理由等)により居宅にて養護を受けることが困難な高齢者等を対象としたものです。認知症進行緩和の為に少人数を単位とした共同生活が行われており、介護サービスやその他の日常生活上の世話及び機能訓練(リハビリ)が行われています。
(注)「認知症対応型共同生活介護」とは、介護保険法第8条第19項において、「要介護者であって認知症であるもの(その者の認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者を除く。)について、その共同生活を営むべき住居において、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことをいう。」と定められています。
グループホームの定員は現状1施設につき最大18人以下(1ユニット9人以下で最大2ユニットまで)とされています。入居者が食事や入浴などの生活上の支援や機能訓練などのサービスを受けながら、少人数で家庭的な環境で生活することによって、症状の改善又は重症化の抑制が期待されています。
(ⅳ)その他高齢者向け施設・住宅
本投資法人は、このほか、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設(介護療養病床)、軽費老人ホーム、養護老人ホームについても、将来においての投資の可能性を今後検討します。
c.医療関連施設等
本投資法人は、医療関連施設等もその投資対象としています。本書において、医療関連施設等とは、広く、病院・診療所(注)及び複数の診療科目の診療所や薬局等が集積された「医療モール」等をいいます。
(注)「病院」とは、医療法(昭和23年法律第205号。その後の改正を含みます。)(以下「医療法」といいます。)第1条の5第1項において、「医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であって、20人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。」と定められており、「診療所」とは、医療法第1条の5第2項において、「医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であって、患者を入院させるための施設を有しないもの又は19人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。」と定められています。
また、病院はその機能(一般病院、特定機能病院、地域医療支援病院、精神病院等)や開設主体(独立行政法人病院機構、国立大学法人、自治体、日本赤十字社、医療法人等)によっても分類されます。
なお、医療関連施設等の中には、病院やクリニックという名称が付されていないPETセンター(注)、健診センター、各種先進医療を行っている施設等が含まれます。
本投資法人は、医療関連施設等についても、高齢者向け施設・住宅と同様に、我が国の高齢社会を支える社会インフラとして位置づけており、関係機関との調整を踏まえて、投資環境が整い次第、資産として組み入れることを検討します。
(注)PETとは、陽電子放出断層撮影(Positron Emission Tomography)を意味し、放射性薬剤を体内に取り込ませ、放出される放射線を特殊なカメラでとらえて画像化する手法での、一つの核医学検査(PET検査)です。本書において、PET検査を行う機関を一般にPETセンターと呼んでいます。
d.その他
本投資法人は、厚生労働省が企図する「医療・介護機能の再編」の中で、在宅医療・介護サービスの充実に取り組む方向性が打ち出されている(注)流れを受けて、今後、通所介護サービス(デイサービス)や小規模多機能型居宅介護サービスを提供する事業所への投資も視野に入れます。
また、介護・医療サービスに携わる人材を養成する教育施設への投資や、フィットネスクラブ等の健康増進施設等への投資も検討します。
(注)厚生労働省公表の在宅医療・介護推進プロジェクトチームによる「在宅医療・介護推進」に記載の「医療・介護機能の再編(将来像)」において、医療・介護機能の再編(将来像)として「患者ニーズに応じた病院・病床機能の役割分担や、医療機関間、医療と介護の間の連携強化を通じて、より効果的・効率的な医療・介護サービス提供体制を構築します。」とされています。
⑤ サポート契約を活用した投資運用
(ア)サポートの内容
本資産運用会社は、スポンサー及びサポート会社との間で、本書の日付現在、スポンサーサポート契約又はパイプラインサポート契約(サポート契約)を締結しており、本投資法人は、下表に記載の各種のサポートの提供を受けます。
(注)HCベガとHCアルタイルが提供するサポート内容である「物件の優先交渉権」には、第三者保有物件の売却情報の提供は含みません。
上表の「主なサポート内容」の概略は以下のとおりであり、サポート契約の内容の詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/(5)利害関係人等との取引状況等/③サポート契約」をご参照ください。なお、以下のa.ないしi.では、サポートを提供する主体を単に「スポンサー」「サポート会社」と記載していますが、各スポンサー及び各サポート会社が行うサポートの内容については上表に従います。
a.物件の優先交渉権(外部成長サポート)
(i)保有物件の情報提供・優先交渉権の付与(ファーストルック)・最終売却条件の提示(ラストルック)
(a)スポンサー/サポート会社は、本資産運用会社に対し、自らが保有する対象不動産を売却しようとする場合には、当該対象不動産に関し必要な情報を第三者に先立ち提供するよう努力します。但し、一定の例外があります。
(b)かかる情報提供を受けた場合、本資産運用会社は、対象不動産毎に優先交渉権を付与され、優先交渉期間内にスポンサー/サポート会社に対し、本投資法人による購入のための準備手続開始の意思の有無を通知し、売買契約締結に向けた協議が継続する期間中、スポンサー/サポート会社は、第三者に対して当該対象不動産に関する情報の提供を行わず、また第三者と売買交渉を行いません。
(c)本資産運用会社がスポンサー/サポート会社に対して優先交渉期間内に通知を行わず、又は売却条件が合意されなかった場合でも、本投資法人は、原則として、第三者が提示する条件と同等以上の条件において、優先的にスポンサー/サポート会社より購入できるとされます。
(ⅱ)第三者保有物件の売却情報の提供
スポンサー/サポート会社は、第三者から対象不動産の売却に関する情報が提供された場合において、スポンサー/サポート会社が当該対象不動産を取得しない方向で検討しているときは、その裁量により、本資産運用会社に対し、当該対象不動産に関する情報を速やかに提供します。但し、一定の例外があります。
b.ウェアハウジング(外部成長サポート)
本資産運用会社は、不動産等の機動的な取得を目的として、スポンサー/サポート会社に対し、本投資法人への譲渡を前提としての一時保有(ウェアハウジング)を依頼でき、スポンサー/サポート会社は、その諸条件の検討に最大限の努力を行います。
c.投資戦略・物件取得に関するアドバイス(外部成長サポート)
スポンサー/サポート会社は、本資産運用会社の要請により、本資産運用会社が本投資法人から受託する資産運用業務に関し、本資産運用会社と協議し決定した上で、以下の業務(注)を行います。
(ⅰ)個別不動産に関する各種分析及びデュー・デリジェンス補助業務・助言業務等
(ⅱ)ヘルスケア事業に関する調査、不動産市場動向の調査、個別不動産の立地、競争環境に関するリサーチ関連業務又はその補助業務・助言業務等
(ⅲ)投資戦略に関する補助業務・助言業務等
(注)金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)(以下「金融商品取引法」といいます。)又は投信法等の法令に抵触しない範囲内とし、投資運用業又は投資助言・代理業務に該当し得る業務の提供は行いません。
d.顧客の紹介(外部成長サポート)
スポンサーは、スポンサーの顧客から、当該顧客が保有又は運営等する一定の不動産について、不動産等の証券化手法を活用した資金調達ニーズ等の情報を入手した場合には、法令等に反せず関係者の事前承諾を得ることを条件に、スポンサーの実務上可能な範囲内で、他の第三者に先立ち、本資産運用会社への速やかな情報提供に努めるものとします。
e.ファイナンスに関するアドバイス(外部成長サポート、運営・その他サポート)
スポンサーは、本資産運用会社から本投資法人の運営又は対象不動産等の取得に係る資金調達の要請があった場合には、可能な限り以下の事項を行うことに努めます。但し、スポンサーにおける銀行法その他関係法令に照らし以下の事項を行うことが合理的に困難と判断される場合を除きます。
(ⅰ)資金の借入れに関する相談への対応及び融資の提案
(ⅱ)融資団の組成等ファイナンスストラクチャーの構築及び構築のための活動
(ⅲ)その他資金の借入れを行うために必要な手続に関するアドバイス
f.人材サポート(運営・その他サポート)
スポンサー/サポート会社は、法令等に反しない限度において、必要とされる人材の確保(スポンサー/サポート会社より人材の出向等を行うことを含みます。)に合理的な範囲で協力を行うものとします。
g.オペレーターに関するアドバイス及びマーケット情報の提供(運営・その他サポート)
スポンサーは、本資産運用会社の要請があれば、本資産運用会社に対し、スポンサーの保有する以下の情報を合理的に提供可能な範囲において提供します。
(ⅰ)対象不動産の開発、売買取引、賃貸借、事業内容、法令・制度改正に関する動向、その他対象不動産の取得・運営・売却に関するマーケット情報
(ⅱ)オペレーター及び管理者並びに生活及び介護サービスの提供に関する各種の情報
h.再開発サポート(運営・その他サポート)
本投資法人の保有する不動産等について、再開発が必要な場合には、本資産運用会社は、スポンサー/サポート会社に対して、再開発計画の検討及び提案を要請することができ、スポンサー/サポート会社は、再開発計画の真摯な検討及び再開発計画案の提示を行います。
i.投資口の継続保有(運営・その他サポート)
スポンサーは、本投資法人が新たに投資口を発行する際に、その取得の検討依頼を受けた新投資口の一部取得について真摯に検討を行うものとされ、新規に投資口を取得した場合は、当該投資口を継続して保有するよう努めます。但し、スポンサーの裁量により、これを売却することは可能です。
(イ)主要スポンサーの概要
a.SMBC
SMBCは、三井住友フィナンシャルグループの中核会社であり、国内有数の営業基盤、戦略実行のスピード、さらには有力グループ会社群による金融サービス提供力に強みを持っています。
SMBCの日本国内における店舗(平成27年6月末時点。被振込専用支店、店舗外現金自動設備は除きます。)は519ヶ所に上り、そのネットワークを通じて国内でも有数の顧客を抱えています。本投資法人は、SMBCより、同行の幅広い顧客基盤の中からヘルスケア施設を保有あるいは運営を行っている顧客の紹介を受け、当該顧客が有する施設の流動化や新規出店のニーズ等の情報を活用していくことで資産規模の拡大等を図っていきます。
また、不動産ファイナンスの分野においても国内トップクラスの実績を有し、平成27年3月末時点のJ-REIT向け与信残高(注)は約8,532億円に上っています。本投資法人は、SMBCより、ファイナンスに関してかかる実績に基づいたアドバイスの提供を受けながら、安定的かつ円滑な資金調達を行います。
(注)ここに「J-REIT向け与信残高」とは、J-REITを借り主とする長期及び短期の借入金の融資残高の合計をいいます。また、平成27年3月末時点のJ-REIT向け与信残高とは、平27年3月31日又はその直近に公表されたJ-REITの有価証券報告書に記載の直近計算期間末日の貸借対照表上の長期及び短期の借入金の融資残高の合計をいいます。したがって、それぞれの有価証券報告書に掲載された直近計算期間末日の翌日以降の融資残高の変更は考慮に入れていません。
b.シップヘルスケア
(ⅰ)シップヘルスケアの概要
シップヘルスケアは、「医療」「保健」「福祉」「介護」の4分野に特化した企業として平成4年に設立して以来、「生命を守る人の環境づくり」を使命に掲げ、医療機関との関係を「協業の重要なパートナー」と位置づけ、医療機関の抱えるあらゆる課題に対してファシリティコンサルティングを核としたワンストップソリューションをプロデュースするという独自のビジネスモデルを構築してきました。
本書の日付現在、シップヘルスケアは計39社の連結子会社を有し、有料老人ホーム等を運営する「ヘルスケア事業(HC)」、医療機関の新設・移転・増改築のニーズに一括して最適なソリューションサービスをプロデュースする「トータルパックプロデュース事業(TPP)」、医療用消耗品等を販売する「メディカルサプライ事業(MSP)」、及び「調剤薬局事業(PH)」の4事業を柱としています。平成19年に東京証券取引市場第一部に上場し、平成27年3月期の連結売上高は約2,733億円となっています。
(ⅱ)シップヘルスケアの展開する事業領域
(a)ヘルスケア事業(HC)
有料老人ホーム、サ高住、グループホーム等のヘルスケア施設を日本全国で展開し、病院づくりのノウハウを生かして高品質かつ高付加価値の介護サービスを提供しています。
「医療と介護のコラボレーション」という戦略のもと、平成16年に兵庫県尼崎市で介護付有料老人ホームを開設したのを皮切りに、医療法人との連携による大型施設の自社開発とM&Aを通じて事業を拡大し、平成27年3月末時点で66施設(定員4,254人)を運営する等、ヘルスケア施設の豊富な運営実績を有しています。また、デイサービス事業所の運営、医療機関や介護施設等への食事提供サービスも行っています。ヘルスケア事業全体の売上高(平成27年3月期)は約199億円で、グループ連結売上高の約7.3%を占めています。
(b)トータルパックプロデュース事業(TPP)
シップヘルスケアの主力事業で、医療機関のあらゆるニーズに応える機能を包括的にプロデュースしています。
具体的には、医療機関等の新設、移転新築及び増改築、医療機器の購入等のニーズに対して、企画運営・ファシリティコンサルティング、医療機器・医療設備等の販売及びリース、その他の業務を一括受注することにより、総合的なサービスを提供する事業展開を行っています。
また、手術用照明器(無影灯)や医療ガス供給設備、手術室・ICU・病室等の設備等の製造及び保守、医療情報システムの開発販売及び保守、介護用浴槽やリハビリ機器の製造・販売まで手掛けており、病院作りに必要な機能・サービスを包括的にプロデュースできる体制を整えています。
(c)メディカルサプライ事業(MSP)
医療機関に対する診療材料・医療品消耗品などの販売を行っており、医療機関の業務負担・在庫リスク等の軽減に資するSPDシステム(院内物流代行システム)を扱う会社や循環器関連等の高額診療材料を専門に扱うグループ会社等によって構成されています。
(d)調剤薬局事業(PH)、その他事業
トータルパックプロデュース事業やメディカルサプライ事業を通じて関係構築が成された医療機関の周辺で、調剤薬局を86店舗運営(平成27年3月末時点)しています。その他、動物病院の経営や理化学機器・研究機器の販売等多岐に渡った事業を展開しています。
(ⅲ)大型プロジェクト事例
シップヘルスケアは、医療・介護の分野において多数蓄積した専門的なノウハウを生かし、大型病院のリモデル(建替・再整備)や医療・介護の複合型施設の開発等に取り組んでいます。
本投資法人は、グループ全体で介護・医療関連ビジネスを幅広く展開しているシップヘルスケアと本資産運用会社の間で締結されたスポンサーサポート契約に基づき、同社からの専門的、実践的なアドバイスや人材派遣、物件の紹介をはじめ多面的なサポートを活用して、安定的な資産運用と中長期的な資産規模の拡充を図っていきます。
c.NECAP
NECAPはNECグループの総合金融会社で、幅広い顧客層に対してリースや割賦などのファイナンスサービスや同社の強みを生かしたICT(注1)関連のサービスを提供しています。また既存事業に加え、新たな成長分野として、リサ事業や海外事業を通じたビジネス機会の拡大を図っています。
さらに、これまでのCSR経営から一歩進めたCSV経営(注2)の推進を掲げ、メガトレンドから生じてくる各種社会課題の解決に取り組んでいます。
本投資法人への主要スポンサーとしての関与は、急速に進む我が国の高齢社会という社会的課題について、同社グループの持つ機能を活用したCSV経営推進の一環と位置づけています。
(注1)「ICT」とは、Information and Communication Technologyの略で情報通信技術のことをいいます。
(注2)「CSV経営」におけるCSVとは、米国の経営学者マイケル・ポーターが提唱したもので、Creating Shared Valueの頭文字をとったものです。企業にとっての価値(経済価値)と社会課題の解決(社会価値)を両立させた事業活動を推進し、企業の事業活動を通じて社会的な課題を解決していく経営理念です。NECAPでは、事業継続・サスティナビリティの観点から、獲得した利益を社会貢献活動に還元するCSR(Corporate Social Responsibility)ではなく、事業活動そのものが社会貢献となる経営を目指しています。
(リサ事業)
NECAPグループに属するリサ・パートナーズは平成10年の設立以来、「企業」「債権」「資産」の事業領域において、ファンド等を通じた投融資から各種アドバイザリー業務まで横断的かつ多様なビジネスを展開しています。
「資産」の事業領域においては、海外大手不動産投資家との提携により大型不動産投資を全国規模で行ってきた実績を有し、その経験及び培った専門的ノウハウ並びにネットワークを用いて不動産鑑定・評価業務はもとより、不動産の流動化に関するアドバイザリー及びアレンジメントや企業のCRE戦略(注)の立案・実行支援まで幅広く展開しています。
本投資法人は、上記のとおり、ファンド事業等で実績を有するリサ・パートナーズのノウハウをはじめ、NECAPグループが保有する知見と幅広い機能を活用して、良質なポートフォリオの構築と安定的な資産運用を図っていきます。
(注)「CRE戦略」とは、Corporate Real Estate戦略の略で、不動産の有効活用に関する戦略をいいます。
⑥ 外部成長戦略~多様なネットワークと優先交渉権を活用した取得機会の確保と投資主価値の最大化
(ア)多様なネットワークを活用した取得機会の確保
本投資法人は、本資産運用会社がスポンサー及びサポート会社との間で締結したサポート契約に基づき、スポンサーやサポート会社が有する専門性や顧客基盤を含む総合力を活用すること、また、サポート契約に規定された優先交渉権を活用することで、将来におけるヘルスケア施設の取得機会を確保します。これに加えて、本資産運用会社の独自のルートを通じて、マーケットからの直接の資産取得を行います。
また、本投資法人は、スポンサー及びサポート会社のウェアハウジング機能を活用し、稼働中のヘルスケア施設だけでなく、開発中のヘルスケア施設についても、高稼働が見込まれる可能性を慎重に見極めた上、取得することとします。本書の日付現在、スポンサー及びサポート会社のウェアハウジング機能を活用し、14物件について取得機会を確保しています。
このように、本投資法人は、スポンサー及びサポート会社からのネットワークと、本資産運用会社の独自のネットワークを活用し、ポートフォリオの持続的な成長を図り、中長期的な投資主価値の最大化を目指します。
なお、保有する信託不動産16物件のうち、スポンサーのネットワークを活用して取得した物件は14物件であり、本資産運用会社の独自のネットワークを活用して取得した物件は2物件です。スポンサーのネットワークを活用した14物件のうち13物件については、主要スポンサーの意向を受けて設立された特別目的会社からの取得になります。取得先の詳細は、後記「5 運用状況/(2)投資資産/③ その他投資資産の主要なもの/(ア)信託不動産の概要」をご参照ください。
<多様なネットワークの活用>(イ)サポートSPCによるウェアハウジング
本書の日付現在、保有する信託不動産以外でサポートSPCが保有する物件には以下の14物件があります。本投資法人は、サポートSPCと本資産運用会社との間で締結されたパイプラインサポート契約を通じ、将来において、サポートSPCが当該物件のいずれかを売却しようとする場合には、本投資法人がその取得について優先交渉権を有しています(以下「優先交渉権確保物件」といいます。)。
なお、本投資法人は、優先交渉権確保物件の取得について、パイプラインサポート契約を通じた優先交渉権を確保したに留まり、本投資法人において既に取得の判断を行ったものではなく、また、サポートSPCは、本投資法人への売却義務を負担していません。したがって、本投資法人は、売却情報の提供を受けた場合に、当該物件が本投資法人の投資基準に適合するとして、取得するとの判断を行った上で、サポートSPCと本投資法人との間で信託受益権の売買契約を締結して、当該物件を取得することになります。
<優先交渉権確保物件の一覧>
(注1)運営事業者名は、各物件の重要事項説明書に表示された内容を記載しています。
(注2)延床面積は、主たる建物についての登記簿上の面積を記載しています。なお、主たる建物が複数ある場合は、番号を付した上で、それぞれの登記簿上の面積を記載しています。また、当該建物が区分所有建物である場合については、サポートSPCが保有する信託受益権に係る信託の信託受託者が保有している専有部分の面積を記載しています。
(注3)「シップ千里ビルディング」の居室数のうち、病院部分に係る記載はベッド数を記載しています。
(注4)上記各物件は、本書の日付現在、本投資法人が取得を予定している資産ではなく、今後取得できる保証もありません。
⑦ 優良なオペレーターとの長期固定の賃貸借契約に基づく安定的なキャッシュフロー
ヘルスケア施設は、立地や建物の仕様だけでなくオペレーターの事業運営能力及び経営の安定性が、その不動産としての価値に影響を及ぼすという物件特性を有しています。
したがって、本投資法人は、以下に記載の方針に基づき、スポンサー及びスポンサー出身の人材の持つノウハウを最大限活かして、ヘルスケア施設取得時にはオペレーターの運営状況や財務状況の分析を含む当該施設の事業性に関わるデュー・デリジェンスを実施し、また取得後も継続的なモニタリングを実施することで、安定的なヘルスケア施設の運営及び管理を実現することを目指します。
(ア)オペレーターの選定基準
ヘルスケア施設のオペレーターの選定基準として、入居者/施設利用者が安心・安全に生活できるサービスが提供されていること及びその事業の継続可能性を重視しています。そのため、企業規模や管理施設数など一定の定量的な基準を一律に設けることは必ずしも適当ではないと考えています。
本投資法人は、サポート契約に基づいて、ヘルスケア施設に関する各種の助言(例:市場情勢や情報提供等)を受けられる態勢にあり、また、主要スポンサーから、それぞれが得意とする分野に精通した人材サポートを得ています。SMBCからは、事業法人への与信業務を通じて財務分析や事業分析の経験を有する人材、シップヘルスケア又はシップヘルスケアの子会社からは介護事業やヘルスケア業界全般の事業特性を十分に理解した人材の派遣を受けています。
本投資法人は、オペレーターの選定に際して、これらの人材の知見を活かして、オペレーターの業績や財務内容などの事業面の評価及びヘルスケア施設の運営状況や法令遵守体制等の評価を総合的に勘案し、選定を行っています。
オペレーター選定に際しての具体的な検討事項につきましては、後記「⑩ デュー・デリジェンス基準 /(イ)事業デュー・デリジェンス」をご参照ください。
また、下表は保有する信託不動産のオペレーターを示したものであり、本投資法人は、これらのオペレーターがいずれもヘルスケア施設の運営実績及び信用力の面において高い信頼性を有しているものと考えています。
(注1)「オペレーターの名称」、「設立年月」は、平成27年7月末時点の登記簿上の表示に基づいて記載しています。
(注2)「売上高」に関しては、各社より入手した情報及びホームページ記載の情報を基に、単位未満を切捨てて記載しています。
(注3)「運営施設数」に関しては、株式会社メッセージについては決算説明資料(平成27年3月期)より、株式会社ベネッセスタイルケア、ワタミの介護株式会社、グリーンライフ株式会社、株式会社さわやか倶楽部、株式会社アズパートナーズ、株式会社JAPANライフデザインについては各社ホームページ(平成27年9月末時点)より取得しています。
(注4)「定員数」に関しては、株式会社メッセージについては決算説明資料(平成27年3月期)より、株式会社ベネッセスタイルケア、ワタミの介護株式会社、グリーンライフ株式会社、株式会社さわやか倶楽部、株式会社アズパートナーズ、株式会社JAPANライフデザインについては各社ホームページ(平成27年9月末時点)より取得しています。
(イ)オペレーターとの長期固定の賃貸借契約
本投資法人は、上記基準に基づいて選定したオペレーターとの間で、原則として賃料固定長期の賃貸借契約を締結します。したがって、当該施設の稼働状況にかかわらず、オペレーターは賃貸借契約に定める賃料を負担することになるため、本投資法人にとって、長期的に安定した収益を確保することが可能となります。
(注)賃貸借契約残存期間比率は、本投資法人が信託不動産を取得した時点において締結されている各信託不動産に係る建物の賃貸借契約について、10年以上~15年以内/15年超~20年以内/20年超に分類し、それぞれの分類に属する割合を、取得価格ベースで算出し、小数第2位を四捨五入して記載しています。
(ウ)オペレーターの管理と対応
本投資法人はヘルスケア施設への投資に際し、上記オペレーターの選定基準に基づき対応するとともに、取得後も当該施設の運営状況、当該オペレーターの事業及び財務の状況について経常的にモニタリングを行うことで、運営リスクの管理に努めます。本投資法人は、日ごろから各オペレーターとの強固な関係構築に努め、定期的なコミュニケーションとモニタリングを通じた効率的なポートフォリオ管理を行ってまいります。
仮に、将来において当該オペレーターの事業継続性に懸念が生じた場合には、ヘルスケア業界で幅広い知見とネットワークを有するシップヘルスケア等からの助言も参考にしながら、運営を引き継ぐバックアップオペレーターの確保や第三者への事業譲渡等、実効性のある対応を検討します。
(エ)信託不動産におけるオペレーターと賃貸借契約の概要
(注1)各信託不動産の本書の日付現在における賃貸借契約残存年数は、1年未満を切捨てて記載しています。
(注2)賃貸借契約平均残存年数は、本投資法人が信託不動産を取得した時点において締結されている各信託不動産に係る建物の賃貸借契約の残存年数の平均について、小数第2位を切捨てて記載しています。
⑧ 安定した財務基盤
本投資法人は、主要スポンサーであるSMBCをアレンジャーとする融資団から無担保・無保証での借入れを行っています。SMBCは前記「⑤ サポート契約を活用した投資運用 (イ)主要スポンサーの概要」のとおり、平成27年3月末時点のJ-REIT向け与信残高は約8,532億円に上り、レンダーとして国内トップクラスの実績を有しています。
本投資法人は、上記のとおりJ-REIT市場において豊富な実績を有するSMBCと本資産運用会社の間で締結されたスポンサーサポート契約に基づき、物件の新規購入等の際に同行よりファイナンスに関するアドバイスを受けることができます。本投資法人は、これにより、より柔軟且つ円滑な資金調達を行うことが可能になると考えています。
本投資法人は、このように、SMBCからのファイナンスサポートを活用して、安定した財務基盤の構築を目指します。
⑨ 投資基準
本投資法人は、投資対象資産の取得に際し、投資対象資産の特性及び市場環境等を十分に勘案し、当該物件の中長期にわたる収益の安定性の観点から投資の適格性の是非を十分に検証します。
投資対象資産の選定に際しては、本資産運用会社は予め物件の詳細な調査(デュー・デリジェンス)を実施した上で、以下に掲げる投資基準に照らして、地域及びタイプの分散状況についても十分考慮しつつ、取得について妥当性の判断を行います。
なお、以下に掲げる基準は、選定の視点に留まり、総合的な検討の結果、すべての基準を充足していない場合でも投資を行うことがあります。
(ア)投資規模
本投資法人は、原則として1物件当たりの取得価格(消費税及び仲介手数料を含みません。)5億円以上の物件を投資対象とします。但し、グループホーム等、上記に満たない小規模の物件についても、対象物件の収益性、オペレーター及び地域性等を勘案の上、厳選して投資することがあります。
(イ)立地
本投資法人は、原則として以下に掲げる事項を総合的に検討した上で、優位性の高い物件を投資対象とします。
・ 交通アクセス
・ 周辺施設の優位性
・ 周辺環境の適格性
・ 周辺地域の将来性(高齢者人口・高齢化率の推移、ヘルスケア施設の需給等)
・ 法規制、公的助成制度の状況
(ウ)ヘルスケア施設の契約形態及び期間
本投資法人は、原則として、賃料固定長期の賃貸借契約をオペレーターと締結している物件を投資対象とします。但し、賃貸借契約の残存期間が10年未満の物件についても、賃貸借契約が更改される可能性等を勘案の上、厳選して投資することがあります。
(エ)耐震性
本投資法人は、原則として、新耐震基準(注1)に基づく建築物に相当する耐震性能を有し、且つ単体でのPML(注2)値が20%以下の物件を投資対象とします。但し、PML値が20%を超える物件についても、ポートフォリオPML値を算出し、ポートフォリオPML値が15%を超える場合には、火災保険及び利益保険の特約として地震保険を付保した上で対象物件の収益性等を勘案の上、投資することがあります。
(注1)「新耐震基準」とは、昭和56年に改正された建築基準法に基づく建物等の耐震基準(昭和56年6月1日施行)をいいます。以下同じです。
(注2)「PML(Probable Maximum Loss)」は、予想最大損失率と訳されます。これは、「対象施設あるいは施設群に対し最大の損失をもたらす地震が発生し、その場合の90%信頼性水準に相当する物的損失額」と定義されています。実際には、PMLとして再現期間475年の地震を用いることが多く、この地震が発生した場合の物的損害額(90%信頼水準)の再調達価格に対する割合で表されます。以下同じです。
(オ)環境・地質
本投資法人は、原則として環境有害物質が検出されず、又は土壌汚染調査基準値(注)を超えない物件を投資対象とします。但し、土壌汚染において当該基準値を超える投資物件であっても、対処方法を含め専門家意見を踏まえた上で、周辺環境に与える影響、人的な影響、経済的な影響等が極めて低いと判断され、かつポートフォリオの収益の安定に寄与すると判断されれば、当該物件の取得を検討する場合があります。
(注)「土壌汚染調査基準値」とは、土壌汚染対策法施行規則(平成14年環境省令第29号。その後の改正を含みます。)に定める数値をいいます。
(カ)権利形態
本投資法人は、原則として完全所有権の物件を投資対象とします。但し、区分所有物件、共有物件等についても、物件の処分及び運営管理における意思決定権が確保できていることを前提とし、収益の安定性、物件特性、市場環境等を総合的に勘案の上、投資を行う場合があります。
また、旧借地法(大正10年法律第49号。その後の改正を含みます。)(以下「借地法」といいます。)又は借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。)(以下「借地借家法」といいます。)に基づく借地権に対する投資を可能とします。
⑩ デュー・デリジェンス基準
(ア)デュー・デリジェンス
本投資法人が投資対象不動産を取得する際は、本資産運用会社は予め物件の詳細な調査(デュー・デリジェンス)を実施するものとします。
なお、検討にあたり、専門的かつ客観的なデュー・デリジェンスを確保するため、エンジニアリング・レポート及び市場調査レポート等を独立した第三者の調査会社等から取得し、不動産鑑定評価書を独立した第三者の不動産鑑定会社から取得します。また、その他必要に応じて専門業者を利用する場合があります。
(イ)事業デュー・デリジェンス
本投資法人が投資対象不動産を取得する際は、一般社団法人投資信託協会による平成26年5月15日制定「ヘルスケア施設供給促進のためのREITの活用に関するガイドライン」を参考として、本資産運用会社は投資対象物件のオペレーターの事業運営能力及び経営の安定性の確認を含む事業デュー・デリジェンスを行います。
さらに、本資産運用会社は、上記を踏まえた上での市場調査レポート等による第三者評価との比較・確認を行うこととしています。
⑪ 投資判断基準
⑫ フォワード・コミットメントに関する方針
本投資法人は、不動産等の取得にあたって、先日付での売買契約であって、契約締結日から1ヶ月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているもの及びその他これに類する契約(以下「フォワード・コミットメント」といいます。)を締結することがあります。
フォワード・コミットメントを行う場合には、以下の点に留意することとします。
・ 契約不履行に関する解約違約金の水準、ポートフォリオ全体の収支及び配当水準等に与える影響等(東京証券取引所の定める上場廃止基準を含みます。)
・ 売買契約締結から物件引渡しまでの期間、当該期間中における金融環境及び不動産市場等の変動リスクの可能性、決済資金の調達方法等
⑬ ポートフォリオ運営・管理方針
(ア)基本方針
本投資法人は、中長期にわたる安定した収益の確保と資産価値の維持・向上及びテナント満足度を高めることを目指し、以下の方法に基づき賃貸収入や稼働率の維持・向上、適切な管理・修繕の実施、管理コストの適正化・効率化に努めます。
(イ)資産管理計画の策定及び管理
本資産運用会社は、その社内規程である運用ガイドライン等に基づき、本投資法人の運用資産の運用に係る資産管理計画を策定し、資産管理計画に沿った運営・管理を行います。資産管理計画は、原則として本投資法人の決算期毎に見直し、必要に応じて変更します。また、それ以外の場合でも必要に応じて、その都度変更することとしています。
(ウ)リーシング方針
マーケット動向を調査・把握し、個別物件における適正な賃貸条件等の検討を行います。
オペレーターとの賃貸借契約に際しては、信用度、賃料水準、賃貸借契約形態、期間及び再契約の可能性等を総合的に判断し、また、本資産運用会社の社内規程に従い、反社会的勢力との関係をチェックします。
(エ)PM会社の選定方針、モニタリング
PM会社の選定にあたっては、「利害関係者取引規程」及び「外部委託・評価基準」に基づき、不動産運営・管理の経験や能力、対象となる運用資産における実績、運用計画に沿った業務遂行の実現性、コスト水準、運用の継続性及び手数料水準等を総合的に勘案し、本投資法人の総合的な収益向上に寄与する会社を選定します。上記業務委託を行った場合は、「外部委託・評価基準」に基づき、当該委託先の業務水準や報酬額等についての評価を定期的に行い、適正な業務遂行レベルが維持できていない場合は、契約の解除を行うこと又は契約の更新を行わないことを検討します。
また、PM会社を選定しない場合もあります。PM会社を選定しない場合は、オペレーターがその業務を兼務する場合があります。
(オ)オペレーター及びヘルスケア施設のデュー・デリジェンス、モニタリング
取得時において、オペレーター及びヘルスケア施設の事業性に係るデュー・デリジェンスを実施し、取得後においては、オペレーター及びヘルスケア施設の事業性について継続的なモニタリングを実施します。
(カ)修繕計画・資本的支出に関する方針
中長期的な運用資産の収益の維持向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性、ニーズ等を考慮した個別物件毎の修繕計画を、オペレーター及びPM会社と協議のうえ策定し、必要な修繕・資本的支出を行うものとします。
修繕及び設備投資は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費も勘案して判断するものとします。但し、オペレーター及び入居者/施設利用者の満足度向上に向けた政策上の観点から必要なものについては、早期に実施するものとします。
(キ)付保方針
火災・事故等に起因する建物への損害や、第三者からの損害賠償請求等のリスクに対処するため、必要な火災保険及び損害賠償保険等を運用資産に付保します。
また、地震保険の付保については、地震の発生時に予想されるポートフォリオ全体に対する影響及び保険の実効性を考慮し、ポートフォリオPML値が15%超の場合は、個別物件のPML値が20%超の物件について、20%を超えた部分に対し火災保険及び利益保険の特約として地震保険を付保することを検討します。
なお、引受保険会社の選定に際しては、保険代理店又は保険ブローカーを通じ、複数社から提示された条件等を基に選定します。
⑭ 売却方針
本投資法人は、中長期にわたって運用資産を保有し、安定収益を確保すること基本方針としており、運用資産の短期的な売却は原則として行わないものとします。但し、不動産マーケットの状況及び個別のヘルスケア施設の分析結果等を勘案し、最適なポートフォリオ維持のため必要と判断する場合には、運用資産の売却を検討することがあります。
売却にあたっては、不動産鑑定評価等の第三者意見を参考としつつ、主に以下の観点から総合的に判断します。
・不動産マーケットの見通し
・当該運用資産の周辺の開発予測
・収益の見通し
・劣化又は陳腐化への対応状況
・オペレーターの属性及び契約内容
・ポートフォリオの構成
⑮ 財務戦略
本投資法人は、安定的な財務運営を行うために、以下の基本方針を定めています。
(ア)エクイティ・ファイナンス
資産の取得、工事金の支払、敷金・保証金の返済、本投資法人の運営に係る費用の支払い又は債務の返済等を目的として、投資口の追加発行を行います。投資口の追加発行は、長期的かつ安定的な成長を目指し、既存投資主の権利の希薄化及びそれに伴う投資口の取引価格の低下等に配慮しつつ、新たに取得する不動産関連資産の取得時期及びスポンサーのウェアハウジング機能の活用可能性、総資産に対する有利子負債の比率(以下「LTV」といいます。)、有利子負債の返済時期及び返済までの残存期間並びに経済市況等を総合的に勘案し機動的に行います。
(イ)デット・ファイナンス
運用資産の着実な成長並びに効率的な運用及び運用の安定に資するため、資産の取得、修繕費若しくは分配金の支払い、本投資法人の運営に要する資金、若しくは債務の返済(敷金・保証金並びに借入金及び投資法人債(短期投資法人債を含みます。以下同じです。)の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを目的として、資金を借入れ(コール市場を通じる場合を含みます。)又は投資法人債を発行することを検討します。但し、短期投資法人債の発行により調達した資金の使途又は目的については、法令に定める範囲に限るものとします。なお、資金を借入れる場合は、金融商品取引法に規定する適格機関投資家(但し、租税特別措置法(昭和32年法律第26号。その後の改正を含みます。)(以下「租税特別措置法」といいます。)第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)からの借入れに限るものとします。
資金の借入れ及び投資法人債の発行に際しては、資金調達の機動性及び財務の安定性のバランスに配慮した資金調達を行います。具体的には長期比率、固定比率、返済期限の分散、調達方法(借入金・投資法人債)、コミットメントラインの設定等を検討します。
借入金及び投資法人債の発行の限度額は、それぞれ1兆円とし、かつ、その合計額が1兆円を超えないものとします(規約第36条第3項)。
原則として無担保・無保証での資金調達を行うものの、資金の借入れ及び投資法人債の発行において、運用資産を担保として提供することができます。
本投資法人は、SMBCを中心とする複数の金融機関との間で強固かつ安定的な取引関係を築きます。さらに、借入金の長期固定化とマチュリティ分散(返済期限の分散化)を図り、安定的かつ健全な運営を行います。
(ウ)LTV
LTVの水準は、資金余力の確保に留意しつつ、原則として65%を上限とします。但し、新規投資や資産評価の変動により、一時的に65%を超えることがあります。
(エ)余資運用等
a.デリバティブ取引
借入及びその他の投資法人に係る負債から生じる金利変動リスクのヘッジを主たる目的として、経済状況及び金利の動向を考慮し、デリバティブ取引に係る権利への投資を行うことがあります。
b.キャッシュ・マネジメント
本投資法人は、保有するポートフォリオにおける資金ニーズを常にモニタリングし、的確に把握した上で、最も効率的かつ適切なキャッシュ・マネジメントを行うものとします。
なお、本投資法人は、オペレーター等から預託された敷金・保証金の一部又は全部についても、必要に応じ、運用資金の一部に活用することがあります。また、諸々の資金ニーズ(修繕及び資本的支出、分配金の支払い、小口債務の返済、本投資法人の運営に関わる運転資金、敷金等の返還、又は不動産関連資産の新規購入等)に対し、機動的に対応するため、融資枠等の設定状況も勘案した上で、適切と考えられる金額を現預金として保有するものとします。
⑯ 情報開示方針
(ア)基本方針
本投資法人は、透明性確保の観点から、法定開示に加えて、有用かつ適切と判断される投資情報を、情報の透明性及び分りやすさに配慮し、正確かつ迅速に開示します。
(イ)開示方針
投信法及び金融商品取引法などの法令、諸規則及び東京証券取引所、一般社団法人投資信託協会等がそれぞれ要請する内容及び様式に従って、適切に開示を行います。また、投資主に対して重要かつ有用な情報をできる限り開示するよう努めます。
(ウ)利害関係者との取引に関する情報開示の方針
本資産運用会社の利害関係者取引規程に定める利害関係者との一定の取引については、透明性確保の観点から、適用ある法令、規則及び当該利害関係者取引規程等に従って、適切な方法により速やかに開示するものとします。
① 本投資法人の投資理念
我が国は、国民の約4人に1人が65歳以上の高齢者であるという、先進国の中でも最も高齢化が進展している国であり、総人口に占める高齢者の割合も絶対数も当面増加すると見込まれています。そうした介護を必要とする世代が増える一方で、高齢者の介護を担う世代の人口は減少の一途をたどると見込まれています(注1)。高齢者の増加は、高齢者世帯(注2)の増加も意味しており、少子化及び核家族化の流れの中、単独高齢者世帯(注2)も増加すると想定されます。このような高齢社会においては、かつて我が国に存在した、三世代・四世代が同居する大家族を前提とする家族間の介護を期待することは容易でなく、必然的に、高齢者のうち一定割合の人口に対しては、社会インフラともいえる外部のヘルスケア施設(注3)を通じた介護・医療サービスを提供することが求められることになります。また、現状では、特に単身の高齢者が安心して必要な介護・医療サービスを受けながら生活できる環境整備は不十分である等の認識が、政府においても示されています(注4)。そのため、介護・医療サービス及びそれらサービスを提供する施設の供給をさらに拡大する必要性があると本投資法人は考えています。
こうした我が国の高齢社会における介護・医療サービスへの需要の増大に対応するため、現在、ヘルスケア施設の供給促進が求められており、またヘルスケア施設の建設・運営に向けた資金調達ニーズの拡大に応えるべく、「ヘルスケアREITの組成に向けた環境整備」が推進されています(注5)。
本投資法人は、上記の環境認識のもと、社会的なニーズの増大が見込まれ、かつ拡大が期待される介護・医療業界と資本市場をつなぐパイプの役割を担うことを目指します。すなわち「介護」「医療」「健康」をキーワードとするヘルスケア施設への安定的な投資・保有を通じて、ヘルスケア施設の適切な維持管理及び新たな供給を促進させることで、国民一人ひとりが安心して生き生きと生活できる社会の実現を目指すとともに、本投資法人における安定した収益の確保と運用資産の着実な成長を目指します。
(注1)平成27年9月20日付総務省統計局発表の「統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)-「敬老の日」にちなんで-」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数将来推計(全国推計)(平成25年1月推計)」参照。
(注2)ここに、「高齢者世帯」とは、世帯主が65歳以上の世帯をいい、「単独高齢者世帯」とは、世帯人員が一人で、65歳以上の世帯をいいます。以下同じです。
(注3)本投資法人においては、高齢者向け施設・住宅及び医療関連施設等を併せて「ヘルスケア施設」といいます。「高齢者向け施設・住宅」とは、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(以下「サ高住」といいます。)、認知症高齢者グループホーム(グループホーム)及びその他高齢者向け施設・住宅をいい、それらの詳細については、後記「④ 本投資法人の投資対象/(イ)投資対象物件/b.高齢者向け施設・住宅」をご参照ください。また、「医療関連施設等」とは、病院・診療所、及び複数の診療科目の診療所や薬局等が集積された「医療モール」等をいい、それら詳細については、後記「④ 本投資法人の投資対象/(イ)投資対象物件/c.医療関連施設等」をご参照ください。
(注4)閣議決定により設置された日本経済再生本部(以下「日本経済再生本部」といいます。)による平成25年6月14日付「日本再興戦略~JAPAN is BACK~」参照。
(注5)日本経済再生本部による平成26年6月24日付「『日本再興戦略』改訂2014-未来への挑戦-」参照。
② 本投資法人の特徴・投資方針
本投資法人は、上記の本投資法人の投資理念に従い、ヘルスケア施設、具体的には「高齢者向け施設・住宅」及び「医療関連施設等」に特化したポートフォリオの構築を図ります。本投資法人は、スポンサー(注1)の有する専門性と広範なネットワークを活用し、社会的ニーズの増大が見込まれるヘルスケア施設への重点投資により、安定的な収益を享受し、中長期的な投資主価値の最大化を目指します。
また、本投資法人がヘルスケア施設を保有し、かつ運用資産の適切な維持管理を行うことで、オペレーター(注2)はヘルスケア施設の運営に専念できる態勢を構築することが可能となります。すなわち、オペレーターはこれまでヘルスケア施設自体の保有に投下していた資本を、今後は従業員の確保や施設の設備投資等に充当することができ、さらには、新たなヘルスケア施設の開発へ資金を振り向けることも可能となります。このように、本投資法人によるヘルスケア施設への投資は、ヘルスケア施設の質の向上及びオペレーターの資金調達の選択肢の拡大を通じ、ひいてはその施設利用者の満足度の向上へとつながる好循環を我が国の高齢社会に生み出すことになるものと考えています。言葉を換えれば、ヘルスケア施設の整備・拡充と介護・医療サービスの向上は、施設利用者やその親族に対し満足感・安心感を提供し、施設を利用する高齢者にとっては安定的な住まいの確保に資することとなり、それらの結果、投資主のみならずオペレーター、施設利用者や施設利用者の親族らにとって、それぞれの「安心」と「安全」と「便益」と「利益の実現」が同時に図られるものと考えています。
以上のとおり、本投資法人は、「介護」「医療」「健康」をキーワードとするヘルスケア施設への重点投資を行うことで、高齢社会への貢献を果たしつつ、本投資法人の成長に繋げ、最終的には本投資法人の中長期的な投資主価値の向上を図る方針です。
(注1)本書において「スポンサー」とは、本資産運用会社の株主をいいます。本書の日付現在、スポンサーは合計で9社あり、SMBC、シップヘルスケア、NECAP、SMFL、SMBCフレンド証券、銀泉、陽栄、室町建物及び神戸土地建物です。
(注2)本書において「オペレーター」とは、本投資法人の保有するヘルスケア施設の賃借人であり、かつ、当該施設で事業の運営等を行う者をいいます。オペレーターの選定基準及び保有する信託不動産におけるオペレーターの詳細については、後記「⑦ 優良なオペレーターとの長期固定の賃貸借契約に基づく安定的なキャッシュフロー/(ア) オペレーターの選定基準」をご参照ください。
(ア)さらなる需要の拡大が見込まれるヘルスケア施設への重点投資
本投資法人は、ヘルスケア施設に対して、さらなる需要の拡大が見込まれるとの認識のもと、重点的に投資を行います。本投資法人が投資対象とするヘルスケア施設の概要については、後記「④ 本投資法人の投資対象」をご参照ください。
a.ヘルスケア施設へのニーズの高まりとその成長性
我が国では、高齢者世帯、特に単独高齢者世帯が増加する一方、介護を担う世代の人口は減少しています。すなわち、高齢者世帯の一定割合に対して、外部の介護・医療サービスの提供が必然的に求められる社会情勢といえます。このような介護・医療サービスへの需要増大に呼応して、ヘルスケア施設、とりわけ高齢者向け施設・住宅の供給自体は増加しつつありますが、需要は供給を上回る速度でさらに増大しており、ヘルスケア施設のさらなる整備・拡充が喫緊の課題とされています。
本投資法人は、このような我が国における高齢社会においては、ヘルスケア施設を取り巻く市場は今後も拡大していくものと考えています。我が国社会の高齢化の進展と高齢者向け施設・住宅の供給量の拡大の詳細については、後記「③ ヘルスケア施設を取り巻く事業環境/(ア)高齢者向け施設・住宅について」をご参照ください。
b.政府を挙げた高齢者対策の推進
このような我が国の高齢社会が抱える多くの課題に対応するため、平成23年3月15日付の閣議決定による「住生活基本計画(全国計画)」(以下「住生活基本計画」といいます。)において、医療・介護・住宅が連携し高齢者が安心できる住まいを確保するため、サービス付きの高齢者向け住宅の供給を促進するとの基本的な施策が公表されています(注)。
また、日本経済再生本部は、平成25年6月14日付「日本再興戦略~JAPAN is BACK~」の中で、高齢者等が安心して歩いて暮らせるまちづくりの一環として、「民間資金の活用を図るため、ヘルスケアリートの活用に向け、高齢者向け住宅等の取得・運用に関するガイドラインの整備」を行うとの方針を打ち出しています(注)。
その後、平成25年12月5日付閣議決定による「好循環実現のための経済対策」においては、ヘルスケア施設向けの資金供給を強化するための環境整備を行う施策として、「ヘルスケアリートの上場推進等を通じたヘルスケア施設向けの資金供給の促進」を掲げる等、国を挙げた高齢化対策が推進されています。
(注)上記の住生活基本計画及び「日本再興戦略~JAPAN is BACK~」に関しては、後記「③ ヘルスケア施設を取り巻く事業環境/(ア)高齢者向け施設・住宅について」及び同「(ウ)ヘルスケアリートの活用をめぐる我が国政府の一連の取組について」も併せてご参照ください。
(イ)主要スポンサーの有する「介護・医療」「ファンド運営」「金融」の機能やノウハウの活用
本投資法人は、「介護・医療」「ファンド運営」「金融」の各分野で専門的な機能やノウハウを有する主要スポンサーの強みを積極的に活用することで、安定的な資産運用と中長期的な運用資産の拡充を図ります。
本投資法人の「主要スポンサー」とは、以下の3社をいいます。
・株式会社三井住友銀行(SMBC)
・シップヘルスケアホールディングス株式会社(シップヘルスケア)
・NECキャピタルソリューション株式会社(NECAP)
主要スポンサーの強み及びサポートの概要は以下のとおりです。それらの内容の詳細は、後記「⑤ サポート契約を活用した投資運用」及び「第二部 投資法人の詳細情報/第3管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/(5)利害関係人等との取引状況等/③ サポート契約」をご参照ください。
a.SMBC
SMBCは、社会に大きな影響を与える「震災復興」「環境」「少子・高齢化」「グローバル」の4つの課題を金融機関として取り組むべき優先課題として位置づけており、重要な社会インフラであるヘルスケア施設の供給促進を金融面で支援するために、本投資法人の立ち上げに参画しています。
SMBCは国内メガバンクの一角を占める金融機関であり、ヘルスケア施設の所有者やオペレーターを含む、幅広い顧客基盤を有しています。今後SMBCの顧客が資金調達の選択肢の一つとしてヘルスケア施設の流動化等を検討する場合に、本投資法人は、当該顧客の紹介を受けることができます。また、SMBCは上場不動産投資法人(以下「J-REIT」といいます。)に対するファイナンスの分野でも、国内トップクラスの実績を有しています(注)。
本投資法人は、SMBCからのサポートを最大限活用し、円滑な資金調達と安定的な資産規模の拡大を目指します。
(注)SMBCのJ-REITに対するファイナンスの実績については、後記「⑤ サポート契約を活用した投資運用/(イ)主要スポンサーの概要/a.SMBC」をご参照ください。
| <本投資法人が活用を想定するSMBCの主な機能・ノウハウ> | |
| ファイナンスサポート:ファイナンスに関するアドバイス | |
| 顧客ネットワーク:ヘルスケア施設の流動化ニーズ等を有する顧客の紹介 | |
b.シップヘルスケア
シップヘルスケアは、「医療」「保健」「福祉」「介護」の4分野に特化した企業で、医療機関とのパートナーシップを核に、病院等の建替えや整備等に関するコンサルティングをはじめ、有料老人ホームや調剤薬局の運営に至るまで、幅広い事業展開を行っています。
本投資法人は、シップヘルスケアの有する介護・医療業界における専門性とネットワークを活用し、また同社又は同社子会社より介護・医療業界に精通した役職員を受け入れることで、専門性の高い安定的な資産運用を行います。
| <本投資法人が活用を想定するシップヘルスケアの主な機能・ノウハウ> | |
| 事業デュー・デリジェンス:ヘルスケア施設の競争力及び事業の安定性・継続性の分析、並びにオペレーターの選定に関する知見 | |
| 人材サポート:介護・医療業界に精通した人材の提供 | |
c.NECAP
NECAPはNECグループ(注)の総合金融会社で、幅広い顧客層に対してリースや割賦などのファイナンスサービスを提供しています。また、企業、債権、資産の事業領域において、ファンド等を通じた投融資や各種アドバイザリー業務を子会社の株式会社リサ・パートナーズ(以下「リサ・パートナーズ」といいます。)を中心に展開しています。NECAPはこれら多様な機能を活用し、急速に進む我が国の高齢社会という社会的課題に取り組んでいく方針です。
本投資法人は、NECAPグループ(注)が有するこれら機能や専門的ノウハウを活用することで、良質なポートフォリオの構築と安定的な運営を行います。
(注)「NECグループ」とは、日本電気株式会社並びにその子会社及び関連会社により構成される企業集団を意味し、「NECAPグループ」とは、日本電気株式会社の子会社であるNECAP並びにその子会社及び関連会社により構成される企業集団を意味します。以下同じです。
| <本投資法人が活用を想定するNECAPグループの主な機能・ノウハウ> | |
| ファンドマネジメント:ファンド事業の運営に関わるノウハウ | |
| ウェアハウジング:ファンド等を通じた投融資やリースを活用した、物件の一時的な保有に関するサポート | |
(ウ)多様なネットワークと優先交渉権を活用した取得機会の確保
本資産運用会社は、本書の日付現在、主要スポンサーを含む計8社のスポンサーとの間で、スポンサーサポート契約(以下「スポンサーサポート契約」といいます。)を締結し、また、5社のサポート会社(注)との間で、パイプラインサポート契約(以下「パイプラインサポート契約」といい、スポンサーサポート契約と併せて以下「サポート契約」といいます。)を締結しています。
(注)「サポート会社」とは、本資産運用会社との間で、本投資法人への物件譲渡につき、優先交渉権等を規定するパイプラインサポート契約を締結している法人をいい、本書の日付現在、株式会社SMBC信託銀行(以下「SMBC信託銀行」といいます。)、リサ・パートナーズ、オライオン・パートナーズ・ジャパン合同会社(以下「オライオン」といいます。)、合同会社HCベガ(以下「HCベガ」といいます。)及び合同会社HCアルタイル(以下「HCアルタイル」といいます。)の5社がこれに該当します。このうち、HCベガ及びHCアルタイルは、NECAP等の意向を受けて専ら有料老人ホーム、サ高住等を取得するために設立された特別目的会社であり、併せて以下「サポートSPC」といいます。
本投資法人は、このサポート契約を通じて、各スポンサー又はサポート会社から、保有する物件について、本投資法人が優先的にその取得について交渉を行うことのできる権利(以下「優先交渉権」といいます。)の提供、本投資法人が購入するまでスポンサー又はサポート会社が物件を一時的に保有すること(以下「ウェアハウジング」といいます。)等の様々なサポートを得ることができます。
本投資法人は、本書の日付現在、16物件の信託不動産を保有しており、そのうち14物件はスポンサーのネットワークを活用して取得しており、残り2物件は、本資産運用会社の独自のネットワークを用いて取得しております。
サポートSPCは、本書の日付現在において、ヘルスケア施設を保有しており、本投資法人は、サポートSPCと本資産運用会社との間で締結されたパイプラインサポート契約を通じ、将来において、サポートSPCが保有する物件のいずれかを売却しようとする場合には、優先交渉権を行使することが可能です。これらSPCが保有する物件の詳細については、後記「⑥ 外部成長戦略~多様なネットワークと優先交渉権を活用した取得機会の確保と投資主価値の最大化/(イ)サポートSPCによるウェアハウジング」をご参照ください。
また、本投資法人は、稼働中のヘルスケア施設だけでなく、開発中のヘルスケア施設についても、スポンサー及びサポート会社のウェアハウジング機能を活用し、開発後に優先交渉権を用いて取得すること等を検討します。
これらのサポート契約の内容の詳細については、後記「⑤ サポート契約を活用した投資運用」及び「第二部 投資法人の詳細情報/第3管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/(5)利害関係人等との取引状況等/③ サポート契約」をご参照ください。
(エ)優良なオペレーターとの長期賃貸借契約に基づく安定的なキャッシュフロー
ヘルスケア施設は、需要が景気に左右されにくく、景気による収益の変動がオフィス等の他のアセットと比べて小さいという物件特性を有しています。また、ヘルスケア施設の保有者(以下「ヘルスケア施設保有者」といいます。)は、施設の運用形態として、オペレーターを賃借人とし、その者との間で賃料固定長期の賃貸借契約(注)を締結することが一般的となっています。ヘルスケア施設保有者が収受するキャッシュフローは、オペレーターが支払う賃料であり、またこの賃料は一般に長期の固定賃料となっていることが多いため、ヘルスケア施設については、収益の変動が小さく、安定したキャッシュフローが期待できると考えられます。
本投資法人は、このような特性を持つヘルスケア施設を取得し、またその運用に際しては、ヘルスケア施設の運営を担うオペレーターとの間で、オペレーターを賃借人とし、原則として賃料固定長期の賃貸借契約を締結することで、中長期的に安定した収益の確保を目指します。
(注)本書において、「賃料固定長期の賃貸借契約」とは、原則として、本投資法人による取得時点での賃貸借期間の残存期間が10年以上であり、本投資法人が取得した時点から、中途解約が少なくとも5年間は禁止され、収益その他に賃料額が連動する規定を含まない賃貸借契約を指します。なお、信託不動産については、「賃料固定長期の賃貸借契約」が締結されない物件が含まれています。各信託不動産に係る賃貸借契約の概要は、後記「5 運用状況/(2)投資資産/③ その他投資資産の主要なもの/(イ)保有資産の個別不動産の概要」をご参照ください。
また、本資産運用会社は、スポンサーサポート契約に基づき、主要スポンサーから、ヘルスケア施設の運営及び管理に専門性と知見を有する人材の提供を受けており、また、ヘルスケア施設に関する各種の助言(例:市場情勢や情報提供等)を受けられる態勢にあります。本資産運用会社は、このようなスポンサー及びスポンサー出身の人材の持つノウハウを最大限活用して、ヘルスケア施設の取得の際には、オペレーターを厳選し、かつ、取得後もオペレーターの運営状況及び財務状況について継続的なモニタリングを実施することで、安定的なヘルスケア施設の運営及び管理を実現することを目指しています。なお、本投資法人は、保有している信託不動産16物件のオペレーターについては、いずれもヘルスケア施設の運営能力と、財務面の信用力を有しているものと考えています。これらオペレーターの詳細については、後記「⑦ 優良なオペレーターとの長期固定の賃貸借契約に基づく安定的なキャッシュフロー/(ア)オペレーターの選定基準」をご参照ください。
(オ)安定した財務基盤と財務戦略
本投資法人は、主要スポンサーであるSMBCを中心とした複数の金融機関との間で強固かつ安定的な取引関係を築くことで、運用資産の着実な成長を達成する最適な財務基盤を構築することを目指します。
また、本投資法人は、保有するポートフォリオにおける資金ニーズを常にモニタリングし、その時々において最も効率的かつ適切なキャッシュ・マネジメントを行います。詳細については、後記「⑮ 財務戦略/(エ)余資運用等」をご参照ください。
(カ)内部留保の有効活用(利益超過分配等)
本投資法人が対象とするヘルスケア施設は、オペレーターとの賃貸借契約上、建物価値の維持に必要な設備投資額(資本的支出)が、他のアセットクラスと比較して、低く抑えられる傾向にあります。本投資法人は、減価償却費相当額の内部留保を以下のように有効活用することで、1口当たりの分配金の最大化を目指します。
③ ヘルスケア施設を取り巻く事業環境
我が国社会は、以下のとおり、高齢化の進展に直面しています。本投資法人は、その主たる投資対象であるヘルスケア施設については、このような社会環境を背景として、将来にわたりより大きな需要が見込まれると考えています。
(ア)高齢者向け施設・住宅について
下表「日本の人口推移と高齢化率の推移の見通し」によれば、日本の総人口は減少傾向にありますが、その内訳をみると、総人口に占める高齢者の割合及び高齢者の絶対数は当面増加するものとされ、他方、高齢者の介護を担う世代の人口は減少の一途をたどると見込まれています。平成22年10月1日時点において、65歳以上の割合は23.0%であったものが、平成37年では30.3%となる予想であり、平成47年では33.4%と予想されています。
<日本の人口推移と高齢化率の推移の見通し>出所:上記グラフ中、昭和60年ないし平成22年(各年10月1日時点人口)(実績値)につき、総務省統計局「平成22年国勢調査」に基づいており、平成27年ないし平成72年における日本の将来推計人口(推計値)につき、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」中の「表1-2 総人口,年齢4区分(0~19歳,20~64歳,75歳以上)別人口及び年齢構造係数:出生中位(死亡中位)推計」に基づきます。
(注)平成22年の値は、総務省統計局「平成22年国勢調査」に含まれる国籍及び年齢不詳人口を按分した平成22年国勢調査基準人口を記載しています。
また、下記グラフによれば、単独高齢者世帯は今後も増加するものと想定されています。平成22年において、単独高齢者世帯は498万世帯であり、高齢者世帯に対する単独高齢者世帯の割合は30.7%であったものが、平成37年ではそれぞれ701万世帯、34.8%となる予想であり、平成47年ではそれぞれ762万世帯、37.7%と予想されています。したがって、これらの単独高齢者世帯を支える外部の介護・医療サービスの需要も増加していくことが見込まれます。
<高齢者世帯に対する単独高齢者世帯の割合>出所:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)(平成25年1月推計)」
(注1)上記グラフのうち各類型の世帯数は単位未満を、世帯主65歳以上における単独高齢者世帯割合は小数第2位を、それぞれ四捨五入して表示しています。
(注2)世帯数については、一般世帯の数値を記載しています。「一般世帯」とは、①住居と生計を共にしている人々の集まり若しくは一戸を構えて住んでいる単身者(但し、これらの世帯と住居を共にする単身の住み込みの雇人については、人数に関係なく雇主の世帯に含めています。)、②①の世帯と住居を共にし、別に生計を維持している間借りの単身者若しくは下宿屋などに下宿している単身者、又は③会社・団体・商店・官公庁などの寄宿舎、独身寮などに居住している単身者、のいずれかに該当する世帯をいいます。なお、家族類型不詳の一般世帯数はいずれの分類にも含まれていません。
こうした中、住生活基本計画では、「安全・安心で豊かな住生活を支える生活環境の構築」との目的のもと、サービス付きの高齢者向け住宅の供給促進を図り、具体的には、高齢者人口に対する高齢者向け住宅の充足率を、平成17年において0.9%であったものを、平成32年には3%から5%に引き上げるとの政策目標を提示しています。
平成32年において、65歳以上の人口は約3,612万人と推計されており(注1)、上記政策目標の達成は、3%を前提とすれば約108万人、5%を前提とすれば約180万人が入居できる高齢者向け住宅が必要とされることになります。しかしながら、下記グラフのとおり、有料老人ホームの定員数は、平成17年において約9万5000人であったものが、平成25年においても約35万人に留まっています。また、平成23年10月より、法改正の結果として登録制度が発足したサービス付き高齢者向け住宅は平成25年において約13万戸でした。今後、平成32年において上記3%の目標を達成するには、少なくとも、サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホーム等を合計で約48万人分の供給が必要とされ、上記5%の目標を達成する場合には、約120万人分の供給が必要とされることになります(注2)(注3)。
(注1)前記「日本の人口推移と高齢化率の推移の見通し」における平成32年の我が国人口推計参照。
(注2)「サービス付き高齢者向け住宅」の定員数の算出に際しては、1戸あたり1人で計算しています。
(注3)下記グラフにおける「その他施設」の定員数が増加する場合も含みます。「その他施設」の定員数は、「軽費老人ホーム」、「シルバーハウジング」及び「地域優良賃貸住宅(高齢者型)」の定員数をいいます。
<高齢者人口に対する高齢者向け住宅の充足率>出所:「有料老人ホーム」:厚生労働省公表の「介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについてー住まいとサービスの関係性―」(厚生労働省老健局高齢者支援課・振興課(高齢者居住福祉担当)による平成26年7月25日開催市町村セミナー資料)参照。
「サービス付き高齢者向け住宅」:国土交通省ホームページ経由「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」掲載「サービス付き高齢者向け住宅の登録状況(平成26年10月末時点)」参照。
「軽費老人ホーム」:厚生労働省公表の「社会福祉施設等調査」参照。なお、「軽費老人ホーム」の詳細については、後記「④ 本投資法人の投資対象/(イ)投資対象物件/b.高齢者向け施設・住宅」をご参照ください。
「シルバーハウジング」:一般財団法人高齢者住宅財団「シルバーハウジング・プロジェクト実績」参照。
「地域優良賃貸住宅(高齢者型)」:内閣府公表の「平成26年度版高齢社会白書(全体版)」掲載の「公営住宅等の高齢者向け住宅建設戸数」参照。
(注1)上記グラフ中の「有料老人ホーム」の定員数は、厚生労働省老健局の調査結果に基づく、施設の定員数を示しています。
(注2)「サービス付き高齢者向け住宅」の定員数は、上記サービス付き高齢者向け住宅情報提供システムに記載の各年10月末日時点での登録戸数について、1戸当たりの定員数を1人と仮定して記載しています。
(注3)「その他施設」の定員数は、「軽費老人ホーム」「シルバーハウジング」及び「地域優良賃貸住宅(高齢者型)」の定員数の合計をいい、以下のように定員数を算出しています。
・「軽費老人ホーム」の平成25年の定員数は、平成24年の定員数に、平成23年から平成24年までの定員数の増加率を乗じた数値を使用しています。
・「シルバーハウジング」の定員数は、「シルバーハウジング・プロジェクト実績」に記載された承認年度毎の登録戸数の合計について、1戸当たりの定員数を1人と仮定して記載しています。なお、平成21年度以降は、同数としています。
・「地域優良賃貸住宅(高齢者型)」の定員数は、平成23年度までの各年の管理開始戸数の合計について、1戸当たりの定員数を1人と仮定して記載しています。
(注4)充足率は、各年の「有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」及び「その他施設」の合計定員数を、平成17年については総務省統計局が作成した「平成22年国勢調査」の65歳以上人口で、平成23年から平成32年までについては、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」の65歳以上人口で除した数値を、それぞれ百分率化した上で、小数第3位を四捨五入して記載しています。
以上のとおり、高齢者向け施設・住宅の供給自体は増加していますが、一方で需要は供給を上回る速度で増大しています。本投資法人は、今後のさらなる需要増大に対応すべく、新たな供給促進が行われ、マーケットが拡大していくものと考えています。
(イ)医療関連施設等について
我が国において、高齢者人口の増加に伴い、患者ニーズに応じた病院・病床機能の役割分担や、医療と介護の連携強化を通じ、より効果的かつ効率的な医療・介護サービスを提供するという医療・介護機能の再編に関する将来像が示されています(注1)。これを担う国及び地方自治体が、財政規律の制約の下で入院医療の機能分化・強化と連携、地域包括ケアシステムの整備を求められる中、医療関連施設等を運営する医療法人その他の事業体も、自らの機能の強化と各種の転換を進めていくことを求められています。例えば、医療と介護の連携の強化の1つの形として、今後、病院や診療所と高齢者向け住宅を一体化した施設等の増加も見込まれています。
また、我が国の病院(注2)の数は、全国で約8,500施設とされています。病院は国民の健康に欠かせない社会インフラの1つでありながら、地震国である我が国における耐震化率は、平成26年度の調査で7割以下に留まっています(注3)。病院は、日常的に不特定多数の人が利用し、災害時には地域の拠点ともなり得る施設であり、国土強靭化の観点からも、病院の耐震化は喫緊の課題となっています。
上記の現状認識のもと、本投資法人は、医療関連施設等の機能強化や転換に係るリモデル(建替・再整備)への需要はもとより、耐震化の費用を調達するというニーズを満たす観点でも、ヘルスケアリートの活用への期待が高まりつつあると考えています。
(注1)厚生労働省公表の在宅医療・介護推進プロジェクトチームによる「在宅医療・介護推進」に記載の「医療・介護機能の再編(将来像)」において、医療・介護機能の再編(将来像)として「患者ニーズに応じた病院・病床機能の役割分担や、医療機関間、医療と介護の間の連携強化を通じて、より効果的・効率的な医療・介護サービス提供体制を構築します。」とされています。
(注2)「病院」とは、厚生労働省の「医療施設(動態)調査」(平成27年10月9日付)との公表資料における、全国の「精神科病院」及び「一般病院」をいいます。
(注3)厚生労働省の「病院の耐震改修状況調査の結果」(平成27年3月31日公表)によれば、病院の耐震化率は67.0%であり、このうち地震発生時の医療拠点となる災害拠点病院及び救命救急センターの耐震化率は82.2%と公表されています。なお、かかる厚生労働省の調査において、昭和56年以前(建築基準法改正前)に建築された病院で耐震診断していない建物がある場合は、耐震性が不明な病院として耐震化の算定がなされています。
(ウ)ヘルスケアリートの活用をめぐる我が国政府の一連の取組について
日本経済再生本部は、平成25年6月14日付「日本再興戦略~JAPAN is BACK~」の中で、「高齢者の増加に伴い社会復帰や在宅支援への潜在的需要は更に高まる」こと、しかし、現状では「特に単身の高齢者が安心して必要な医療・介護サービスを受けながら生活できる環境整備は不十分である」等の背景を踏まえ、「健康増進・予防や生活支援に関する市場・産業を創出することに加え、医療・介護提供体制の強化、高齢者向け住宅の整備等に取り組み、良質な医療やリハビリサービスへのアクセス等を実現し、高齢者、障害者等が、地域で安心して暮らせるようにする」との考え方を表明し、これを受けて、「安心して歩いて暮らせるまちづくり」の一環として、民間資金の活用を図るため、ヘルスケアリートの活用に向け、高齢者向け住宅等の取得・運用に関するガイドラインの整備を平成26年度中に行うとの方針を示しました。かかる政府方針を受け、国土交通省は、平成26年6月27日付にて「高齢者向け住宅等を対象とするヘルスケアリートの活用に係るガイドライン」を公表しています。
また、医療関連施設等については、日本経済再生本部内に設置された産業競争力会議における「医療・介護等分科会」が平成25年12月26日付にて公表した「産業競争力会議 医療・介護等分科会 中間整理」の中で、効率的で質の高いサービス提供体制の確立のため、<目指すべき姿>と<具体策>が記載されています。以下はその抜粋です。
<目指すべき姿>「国民が医療や介護が必要になっても、適切なケアが受けられ、安心して住み慣れた地域での暮らしを続けられるよう、医療・介護等の提供体制を「病院・施設完結型」から「地域完結型」へ転換することが喫緊の課題であり、このため、地域内の医療・介護サービス提供者の機能分化や連携の推進等に向けた制度改革を進める必要がある。」
<具体策>「今後、病床機能分化に対応するための施設改修費用、耐震化費用等病院の資金調達ニーズを満たすため、病院を対象とするヘルスケアリートの普及を視野に入れた取組を進める必要がある。このため、病院(自治体病院を含む)を対象とするヘルスケアリートの活用に関して、ガイドラインの策定等の環境整備を平成26年度中に行う。」
以上を受けて、「病院等を対象とするヘルスケアリートの活用に係るガイドライン検討委員会」が設置され、平成26年9月26日には、第一回会議が開催されています。
さらに、国土交通省は平成27年6月26日付で「病院不動産を対象とするリートに係るガイドライン」を公表しています。
このように政府も戦略として高齢者向け施設・住宅や病院等のヘルスケア施設の供給を後押しする施策を打ち出しており、中長期的に成長が期待されるマーケットであると本投資法人は考えています。
④ 本投資法人の投資対象
(ア)投資対象地域
本投資法人は、主として三大都市圏、すなわち首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)、近畿圏(大阪府、京都府、兵庫県)及び中部圏(愛知県)、並びに中核都市圏に立地する物件に投資します。なお、本書において「中核都市圏」とは、三大都市圏以外に所在する政令指定都市、県庁所在地及び地方中核市(注)をいいます。
三大都市圏は、国内の高齢者向け施設・住宅市場規模の面において既に過半を占めており、また将来における高齢者人口の伸びも他の地域を上回るものとされており、今後も市場成長の中心となることが見込まれると本投資法人は考えています。一方、ヘルスケア施設は社会のインフラであり、地方においても一定の需要が見込まれること、及びポートフォリオのリスク分散の観点等から、中核都市圏やその他の地域に立地する物件にも選別的に投資していきます。
(注)本書において「地方中核市」とは、人口20万人以上の市をいいます。
<地域組入比率>
| 地域区分 | 定義 | 組入比率(注) |
| 三大都市圏 | 首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県) | 80%以上 |
| 近畿圏(大阪府、京都府、兵庫県) | ||
| 中部圏(愛知県) | ||
| 中核都市圏 | 三大都市圏以外の政令指定都市、県庁所在地及び地方中核市 | |
| その他 | 三大都市圏及び中核都市圏を除いた地域 | 20%以下 |
(注)「組入比率」は、取得価格(取得に伴う諸費用及び税金を含みません。)を基準とします。
(イ)投資対象物件
a.ヘルスケア施設・その他の組入比率
本投資法人が投資対象とするヘルスケア施設及びその他の資産については、下表に記載の組入比率をもって運用を行うこととします。但し、運用に際し、短期的にこの比率と一致しないことがあります。
<ヘルスケア施設・その他の組入比率>
| 組入施設 | 組入比率(注1) | |||
| ヘルスケア施設 | 80%以上 | |||
| 高齢者向け施設・住宅 | ①有料老人ホーム | |||
| (ⅰ)介護付 | ||||
| (ⅱ)住宅型 | ||||
| (ⅲ)健康型 | ||||
| ②サービス付き高齢者向け住宅 | ||||
| ③認知症高齢者グループホーム | ||||
| ④その他高齢者向け施設・住宅 | ||||
| 医療関連施設等 | ||||
| その他 | 20%以下 | |||
(注1)「組入比率」は、取得価格(取得に伴う諸費用及び税金を含みません。)を基準とします。
(注2)複合施設の場合には、当該複数施設が社会経済上一体的に利用され得る場合において、これを一体として評価した場合の主たる用途がヘルスケア施設の用に供され、又は供されることが予定されるものであると判断される場合には、これに関連して本投資法人が保有することとなる不動産等又は不動産対応証券の裏付けとなる不動産等の主たる用途がヘルスケア施設の用に供され、又は供されることが予定されるものであることを条件として、当該一体としての不動産の全部又は一部に係る不動産等又は不動産対応証券を取得することができます。
b.高齢者向け施設・住宅
本投資法人は、主として、①有料老人ホーム、②サービス付き高齢者向け住宅、及び③認知症高齢者グループホームに投資をします。これらはいずれも、平成26年6月に国土交通省が制定した「高齢者向け住宅等を対象とするヘルスケアリートの活用に係るガイドライン」の適用対象となっています。
<本投資法人の投資対象の高齢者向け施設・住宅>
| タイプ区分 | 概要 |
| ①有料老人ホーム | 老人福祉法(昭和38年法律第133号。その後の改正を含みます。)(以下「老人福祉法」といいます。)に規定された高齢者向けの生活施設(老人福祉施設、グループホーム等を除きます。)。 ①食事サービス、②介護サービス(入浴、排せつ若しくは食事の介助)、③生活支援サービス(洗濯・掃除等)、④健康管理サービス(健康管理やその他日常生活に必要な便宜)(注1)等が提供されています。 |
| ②サービス付き高齢者向け住宅 (サ高住) | 高齢者住まい法(注2)に規定された基準に基づき登録を受けた賃貸住宅等で、高齢者を対象とした住居。施設・仕様が高齢者向けに配慮され、少なくとも安否確認・生活相談サービスが提供されています(介護サービスについては、入居者は原則として外部の在宅介護サービスを利用します。) |
| ③認知症高齢者グループホーム (グループホーム)(注3) | 介護保険法(平成9年法律第123号。その後の改正を含みます。)(以下「介護保険法」といいます。)に定める「認知症対応型共同生活介護」を主に行う施設で、認知症進行緩和のために少人数を単位とした共同生活が行われており、介護サービスやその他の日常生活上の世話及び機能訓練(リハビリ)が行われている施設です。 |
(注1)「特定施設入居者生活介護」又は「介護予防特定施設入居者生活介護」の指定を受けた場合には、施設職員によるサービスに対して、介護保険が給付されます。「特定施設入居者生活介護」又は「介護予防特定施設入居者生活介護」については、後記「(i)有料老人ホーム/(a)介護付有料老人ホーム」ご参照ください。
(注2)高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成13年法律第26号。その後の改正を含みます。)であり、以下「高齢者住まい法」といいます。
(注3)本書の日付現在、本投資法人において、「③認知症高齢者グループホーム(グループホーム)」に分類される施設を取得しておりません。
また、本投資法人は、上記①ないし③以外の高齢者向け施設・住宅として、下表にある「④ その他高齢者向け施設・住宅」に分類される施設も、その投資対象としています。但し、本書の日付現在、本投資法人において、下表の「④ その他高齢者向け施設・住宅」に分類される施設を取得しておりません。
| タイプ区分 | 概要 | |
| ④ そ の 他 高 齢 者 向 け 施 設 ・ 住 宅 | 介護老人福祉施設 (特別養護老人ホーム) | 老人福祉法、介護保険法に規定された施設で、常時介護が必要且つ居宅においてこれを受けることが困難な高齢者等を対象とした施設。 |
| 介護老人保健施設 (老健) | 介護保険法に規定された施設で、病状が安定し機能訓練(リハビリ)等に重点をおいた介護が必要な高齢者を対象とした施設。 | |
| 介護療養型医療施設 (介護療養病床) | 急性期の治療が終わり病状が安定したものの、長期間の治療が必要な高齢者を対象とした施設(療養病床を有する病院又は診療所)。 | |
| 軽費老人ホーム | 老人福祉法に規定された施設で、身寄りがない、又は家族との同居が困難な低所得高齢者を対象とした施設。 | |
| 養護老人ホーム | 老人福祉法に規定された施設で、環境的、経済的に困窮した高齢者を対象とした施設。 | |
(ⅰ)有料老人ホーム
「有料老人ホーム」とは、老人福祉法に規定された高齢者向けの生活施設であり、高齢者を入居させ、入居者に対して、オペレーターが、直接に又は第三者に委託して、入浴、排せつ若しくは食事の介護、食事の提供又はその他の日常生活上必要な便宜を供与することを目的とする施設(老人福祉施設、認知症高齢者グループホーム等を除きます。)です。主として、株式会社や医療法人などがオペレーターとなり、運営しています。
有料老人ホームで提供を受けることができるサービスの類型には、主に、①食事サービス、②介護サービス、③生活支援サービス及び④健康管理サービス等があります。但し、サービスの内容は、施設毎に、オペレーターが入居者と合意して設定することになるため、施設毎の特性に応じた内容となります。本投資法人は、オペレーターが提供するサービス内容の質と利用料・賃料とのバランスも投資判断の1つのファクターとして勘案するほか、継続的に運営状況をモニタリングしていきます。
<有料老人ホームの一般的なサービス内容>(注)上記のイラストは、有料老人ホームにおける一般的なサービス内容の概要を示したものであり、保有する信託不動産又は今後取得する資産の全てにおいて、上記のサービス内容が全て提供されることや、将来においても保証されることを意味しません。
有料老人ホーム居住の権利形態においては、「利用権方式」が主流です。本投資法人における信託不動産のうち、有料老人ホームは、いずれも利用権方式を採用するヘルスケア施設です。
利用権方式とは、入居者が有料老人ホームの居室に居住し、そこで介護サービスや生活支援サービスを受け、有料老人ホーム内の共用施設を利用する権利をもち、入居する方式です。その際、入居者は有料老人ホームを利用する権利を取得しますが、その権利の帰属は入居する入居者本人に限定され、その入居する権利を譲渡・売却し、又は相続人が相続することはできません。
また、有料老人ホームは、一般に介護保険適用の有無、入居者の要介護度に応じて、以下の「介護付」「住宅型」「健康型」の3種類に分類されます。本投資法人は、本書の日付現在、有料老人ホームのうち、「介護付」「住宅型」を主な投資対象としています。
(a)介護付有料老人ホーム
「介護付有料老人ホーム」とは、介護保険法の「特定施設入居者生活介護」(注1)又は「介護予防特定施設入居者生活介護」(注2)の事業者指定を自治体から受けた有料老人ホームをいいます。この指定は、自治体が策定する高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画に基づきなされるため、現状新たに指定する枠を持たない自治体も散見されます。
各地方自治体の指針により、「特定施設入居者生活介護」又は「介護予防特定施設入居者生活介護」の事業者指定を受けた有料老人ホームのみが、広告やパンフレット等において「介護付」、「ケア付」等の表示を行うことが可能な施設とされています。
(注1)「特定施設入居者生活介護」とは、介護保険法に定められている特定施設(有料老人ホームその他厚生労働省令で定める施設であって、同法第8条第20項に規定する地域密着型特定施設でないもの)に入居している要介護者について当該特定施設が提供するサービスの内容、これを担当する者その他厚生労働省令で定める事項を定めた計画に基づき行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって厚生労働省令で定めるもの、機能訓練及び療養上の世話をいいます。
(注2)「介護予防特定施設入居者生活介護」とは、介護保険法に定められている特定施設(介護専用特定施設を除きます。)に入居している要支援者について、その介護予防を目的として、当該特定施設が提供するサービスの内容、これを担当する者その他厚生労働省令で定める事項を定めた計画に基づき行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の支援であって、厚生労働省令で定めるもの、機能訓練及び療養上の世話をいいます。
介護付有料老人ホームにおいては、介護保険法に基づく「特定施設入居者生活介護」又は「介護予防特定施設入居者生活介護」の制度が適用されるため、その適用を受ける高齢者が入居する場合、その事業者は入居者の要介護度に応じて一定の介護保険収入が安定的に見込めることとなります。そのため、オペレーターの中には、高齢者向け施設・住宅を開発するにあたり、介護付有料老人ホームを第一の選択肢とする場合も多く見受けられます。
(b)住宅型有料老人ホーム
「住宅型有料老人ホーム」とは、生活支援等のサービスが付された高齢者向けの居住施設です。介護付有料老人ホームの場合とは異なり、住宅型有料老人ホームでは、入居者が身体介護等の介護サービスの提供を必要とする場合には、入居者自身が外部の介護サービス事業者と個別に契約して、入居している施設内で在宅介護サービスを受けることができます。
(c)健康型有料老人ホーム
「健康型有料老人ホーム」とは、介護を必要としない健康な高齢者を対象とした施設です。したがって、入居者は、健康な方に限られており、施設数も多くありません。
(ⅱ)サービス付き高齢者向け住宅
「サービス付き高齢者向け住宅」(サ高住)とは、高齢者住まい法に基づき、高齢者の居住の安定を確保することを目的として、バリアフリー構造等を有し、介護・医療と連携し高齢者を支援するサービスを提供するために新たに創設されたヘルスケア施設です。サ高住制度は、国土交通省・厚生労働省の共管制度で、地方自治体への登録制となっており(注)、平成23年10月から登録が開始されています。サ高住制度の導入に際し、登録開始時点から10年間で60万戸の整備が目標とされ、現状、建設補助や税制、融資面での優遇措置が設けられています。
(注)登録基準としては、ハード面ではバリアフリー(一定の廊下幅、段差解消、手すり設置)構造で、1室当たりの床面積が原則25㎡以上であること、またソフト面では少なくとも安否確認・生活相談サービスを提供していること、が定められています。
<サービス付き高齢者向け住宅の一般的なサービス内容>(注)上記のイラストは、サ高住における、一般的なサービス内容の概要を示したものであり、保有する信託不動産又は今後取得する資産の全てにおいて、上記のサービス内容が全て提供されることや、将来においても保証されることを意味しません。
サ高住は、少なくとも、安否確認・生活相談サービスを提供する住宅という位置づけであり、入居者は、通常、オペレーターとの間で賃貸借契約を締結し、借地借家法に基づく借家権が保障されることになります。但し、介護サービスについては、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けていない限り、住宅型老人ホームと同様に入居者自身の選択により、外部の在宅介護サービスを利用することとなります。
(ⅲ)認知症高齢者グループホーム
「認知症高齢者グループホーム」(以下「グループホーム」といいます。)とは、介護保険法に定める「認知症対応型共同生活介護」(注)を主に行う施設で、認知症である為に日常生活を営むのに支障があり、やむを得ない事由(環境的、経済的理由等)により居宅にて養護を受けることが困難な高齢者等を対象としたものです。認知症進行緩和の為に少人数を単位とした共同生活が行われており、介護サービスやその他の日常生活上の世話及び機能訓練(リハビリ)が行われています。
(注)「認知症対応型共同生活介護」とは、介護保険法第8条第19項において、「要介護者であって認知症であるもの(その者の認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者を除く。)について、その共同生活を営むべき住居において、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことをいう。」と定められています。
グループホームの定員は現状1施設につき最大18人以下(1ユニット9人以下で最大2ユニットまで)とされています。入居者が食事や入浴などの生活上の支援や機能訓練などのサービスを受けながら、少人数で家庭的な環境で生活することによって、症状の改善又は重症化の抑制が期待されています。
(ⅳ)その他高齢者向け施設・住宅
本投資法人は、このほか、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設(介護療養病床)、軽費老人ホーム、養護老人ホームについても、将来においての投資の可能性を今後検討します。
c.医療関連施設等
本投資法人は、医療関連施設等もその投資対象としています。本書において、医療関連施設等とは、広く、病院・診療所(注)及び複数の診療科目の診療所や薬局等が集積された「医療モール」等をいいます。
(注)「病院」とは、医療法(昭和23年法律第205号。その後の改正を含みます。)(以下「医療法」といいます。)第1条の5第1項において、「医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であって、20人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。」と定められており、「診療所」とは、医療法第1条の5第2項において、「医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であって、患者を入院させるための施設を有しないもの又は19人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。」と定められています。
また、病院はその機能(一般病院、特定機能病院、地域医療支援病院、精神病院等)や開設主体(独立行政法人病院機構、国立大学法人、自治体、日本赤十字社、医療法人等)によっても分類されます。
なお、医療関連施設等の中には、病院やクリニックという名称が付されていないPETセンター(注)、健診センター、各種先進医療を行っている施設等が含まれます。
本投資法人は、医療関連施設等についても、高齢者向け施設・住宅と同様に、我が国の高齢社会を支える社会インフラとして位置づけており、関係機関との調整を踏まえて、投資環境が整い次第、資産として組み入れることを検討します。
(注)PETとは、陽電子放出断層撮影(Positron Emission Tomography)を意味し、放射性薬剤を体内に取り込ませ、放出される放射線を特殊なカメラでとらえて画像化する手法での、一つの核医学検査(PET検査)です。本書において、PET検査を行う機関を一般にPETセンターと呼んでいます。
d.その他
本投資法人は、厚生労働省が企図する「医療・介護機能の再編」の中で、在宅医療・介護サービスの充実に取り組む方向性が打ち出されている(注)流れを受けて、今後、通所介護サービス(デイサービス)や小規模多機能型居宅介護サービスを提供する事業所への投資も視野に入れます。
また、介護・医療サービスに携わる人材を養成する教育施設への投資や、フィットネスクラブ等の健康増進施設等への投資も検討します。
(注)厚生労働省公表の在宅医療・介護推進プロジェクトチームによる「在宅医療・介護推進」に記載の「医療・介護機能の再編(将来像)」において、医療・介護機能の再編(将来像)として「患者ニーズに応じた病院・病床機能の役割分担や、医療機関間、医療と介護の間の連携強化を通じて、より効果的・効率的な医療・介護サービス提供体制を構築します。」とされています。
⑤ サポート契約を活用した投資運用
(ア)サポートの内容
本資産運用会社は、スポンサー及びサポート会社との間で、本書の日付現在、スポンサーサポート契約又はパイプラインサポート契約(サポート契約)を締結しており、本投資法人は、下表に記載の各種のサポートの提供を受けます。
| 会社名 | 主なサポート内容 | |||||||||||
| (a)外部成長サポート | (b)運営・その他サポート | |||||||||||
| 物件の 優先 交渉権 | ウェア ハウジング | 投資戦略・物件取得に関するアドバイス | 顧客の 紹介 | ファイナンスに関するアドバイス | 人材 サポート | オペレーターに関するアドバイス及びマーケット情報の提供 | 再開発 サポート | 投資口の 継続保有 | ||||
| ス ポ ン サ | サ ポ | ト 契 約 | SMBC | |||||||||||
| シップヘルスケア | ||||||||||||
| NECAP | ||||||||||||
| SMFL | ||||||||||||
| 銀泉 | ||||||||||||
| 陽栄 | ||||||||||||
| 室町建物 | ||||||||||||
| 神戸土地建物 | ||||||||||||
| パ イ プ ラ イ ン サ ポ | ト 契 約 | SMBC 信託銀行 | |||||||||||
| リサ・パートナーズ | ||||||||||||
| オライオン | ||||||||||||
| HCベガ |
| |||||||||||
| HCアルタイル |
| |||||||||||
(注)HCベガとHCアルタイルが提供するサポート内容である「物件の優先交渉権」には、第三者保有物件の売却情報の提供は含みません。
上表の「主なサポート内容」の概略は以下のとおりであり、サポート契約の内容の詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/(5)利害関係人等との取引状況等/③サポート契約」をご参照ください。なお、以下のa.ないしi.では、サポートを提供する主体を単に「スポンサー」「サポート会社」と記載していますが、各スポンサー及び各サポート会社が行うサポートの内容については上表に従います。
a.物件の優先交渉権(外部成長サポート)
(i)保有物件の情報提供・優先交渉権の付与(ファーストルック)・最終売却条件の提示(ラストルック)
(a)スポンサー/サポート会社は、本資産運用会社に対し、自らが保有する対象不動産を売却しようとする場合には、当該対象不動産に関し必要な情報を第三者に先立ち提供するよう努力します。但し、一定の例外があります。
(b)かかる情報提供を受けた場合、本資産運用会社は、対象不動産毎に優先交渉権を付与され、優先交渉期間内にスポンサー/サポート会社に対し、本投資法人による購入のための準備手続開始の意思の有無を通知し、売買契約締結に向けた協議が継続する期間中、スポンサー/サポート会社は、第三者に対して当該対象不動産に関する情報の提供を行わず、また第三者と売買交渉を行いません。
(c)本資産運用会社がスポンサー/サポート会社に対して優先交渉期間内に通知を行わず、又は売却条件が合意されなかった場合でも、本投資法人は、原則として、第三者が提示する条件と同等以上の条件において、優先的にスポンサー/サポート会社より購入できるとされます。
(ⅱ)第三者保有物件の売却情報の提供
スポンサー/サポート会社は、第三者から対象不動産の売却に関する情報が提供された場合において、スポンサー/サポート会社が当該対象不動産を取得しない方向で検討しているときは、その裁量により、本資産運用会社に対し、当該対象不動産に関する情報を速やかに提供します。但し、一定の例外があります。
b.ウェアハウジング(外部成長サポート)
本資産運用会社は、不動産等の機動的な取得を目的として、スポンサー/サポート会社に対し、本投資法人への譲渡を前提としての一時保有(ウェアハウジング)を依頼でき、スポンサー/サポート会社は、その諸条件の検討に最大限の努力を行います。
c.投資戦略・物件取得に関するアドバイス(外部成長サポート)
スポンサー/サポート会社は、本資産運用会社の要請により、本資産運用会社が本投資法人から受託する資産運用業務に関し、本資産運用会社と協議し決定した上で、以下の業務(注)を行います。
(ⅰ)個別不動産に関する各種分析及びデュー・デリジェンス補助業務・助言業務等
(ⅱ)ヘルスケア事業に関する調査、不動産市場動向の調査、個別不動産の立地、競争環境に関するリサーチ関連業務又はその補助業務・助言業務等
(ⅲ)投資戦略に関する補助業務・助言業務等
(注)金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)(以下「金融商品取引法」といいます。)又は投信法等の法令に抵触しない範囲内とし、投資運用業又は投資助言・代理業務に該当し得る業務の提供は行いません。
d.顧客の紹介(外部成長サポート)
スポンサーは、スポンサーの顧客から、当該顧客が保有又は運営等する一定の不動産について、不動産等の証券化手法を活用した資金調達ニーズ等の情報を入手した場合には、法令等に反せず関係者の事前承諾を得ることを条件に、スポンサーの実務上可能な範囲内で、他の第三者に先立ち、本資産運用会社への速やかな情報提供に努めるものとします。
e.ファイナンスに関するアドバイス(外部成長サポート、運営・その他サポート)
スポンサーは、本資産運用会社から本投資法人の運営又は対象不動産等の取得に係る資金調達の要請があった場合には、可能な限り以下の事項を行うことに努めます。但し、スポンサーにおける銀行法その他関係法令に照らし以下の事項を行うことが合理的に困難と判断される場合を除きます。
(ⅰ)資金の借入れに関する相談への対応及び融資の提案
(ⅱ)融資団の組成等ファイナンスストラクチャーの構築及び構築のための活動
(ⅲ)その他資金の借入れを行うために必要な手続に関するアドバイス
f.人材サポート(運営・その他サポート)
スポンサー/サポート会社は、法令等に反しない限度において、必要とされる人材の確保(スポンサー/サポート会社より人材の出向等を行うことを含みます。)に合理的な範囲で協力を行うものとします。
g.オペレーターに関するアドバイス及びマーケット情報の提供(運営・その他サポート)
スポンサーは、本資産運用会社の要請があれば、本資産運用会社に対し、スポンサーの保有する以下の情報を合理的に提供可能な範囲において提供します。
(ⅰ)対象不動産の開発、売買取引、賃貸借、事業内容、法令・制度改正に関する動向、その他対象不動産の取得・運営・売却に関するマーケット情報
(ⅱ)オペレーター及び管理者並びに生活及び介護サービスの提供に関する各種の情報
h.再開発サポート(運営・その他サポート)
本投資法人の保有する不動産等について、再開発が必要な場合には、本資産運用会社は、スポンサー/サポート会社に対して、再開発計画の検討及び提案を要請することができ、スポンサー/サポート会社は、再開発計画の真摯な検討及び再開発計画案の提示を行います。
i.投資口の継続保有(運営・その他サポート)
スポンサーは、本投資法人が新たに投資口を発行する際に、その取得の検討依頼を受けた新投資口の一部取得について真摯に検討を行うものとされ、新規に投資口を取得した場合は、当該投資口を継続して保有するよう努めます。但し、スポンサーの裁量により、これを売却することは可能です。
(イ)主要スポンサーの概要
a.SMBC
SMBCは、三井住友フィナンシャルグループの中核会社であり、国内有数の営業基盤、戦略実行のスピード、さらには有力グループ会社群による金融サービス提供力に強みを持っています。
SMBCの日本国内における店舗(平成27年6月末時点。被振込専用支店、店舗外現金自動設備は除きます。)は519ヶ所に上り、そのネットワークを通じて国内でも有数の顧客を抱えています。本投資法人は、SMBCより、同行の幅広い顧客基盤の中からヘルスケア施設を保有あるいは運営を行っている顧客の紹介を受け、当該顧客が有する施設の流動化や新規出店のニーズ等の情報を活用していくことで資産規模の拡大等を図っていきます。
また、不動産ファイナンスの分野においても国内トップクラスの実績を有し、平成27年3月末時点のJ-REIT向け与信残高(注)は約8,532億円に上っています。本投資法人は、SMBCより、ファイナンスに関してかかる実績に基づいたアドバイスの提供を受けながら、安定的かつ円滑な資金調達を行います。
(注)ここに「J-REIT向け与信残高」とは、J-REITを借り主とする長期及び短期の借入金の融資残高の合計をいいます。また、平成27年3月末時点のJ-REIT向け与信残高とは、平27年3月31日又はその直近に公表されたJ-REITの有価証券報告書に記載の直近計算期間末日の貸借対照表上の長期及び短期の借入金の融資残高の合計をいいます。したがって、それぞれの有価証券報告書に掲載された直近計算期間末日の翌日以降の融資残高の変更は考慮に入れていません。
b.シップヘルスケア
(ⅰ)シップヘルスケアの概要
シップヘルスケアは、「医療」「保健」「福祉」「介護」の4分野に特化した企業として平成4年に設立して以来、「生命を守る人の環境づくり」を使命に掲げ、医療機関との関係を「協業の重要なパートナー」と位置づけ、医療機関の抱えるあらゆる課題に対してファシリティコンサルティングを核としたワンストップソリューションをプロデュースするという独自のビジネスモデルを構築してきました。
本書の日付現在、シップヘルスケアは計39社の連結子会社を有し、有料老人ホーム等を運営する「ヘルスケア事業(HC)」、医療機関の新設・移転・増改築のニーズに一括して最適なソリューションサービスをプロデュースする「トータルパックプロデュース事業(TPP)」、医療用消耗品等を販売する「メディカルサプライ事業(MSP)」、及び「調剤薬局事業(PH)」の4事業を柱としています。平成19年に東京証券取引市場第一部に上場し、平成27年3月期の連結売上高は約2,733億円となっています。
(ⅱ)シップヘルスケアの展開する事業領域
(a)ヘルスケア事業(HC)
有料老人ホーム、サ高住、グループホーム等のヘルスケア施設を日本全国で展開し、病院づくりのノウハウを生かして高品質かつ高付加価値の介護サービスを提供しています。
「医療と介護のコラボレーション」という戦略のもと、平成16年に兵庫県尼崎市で介護付有料老人ホームを開設したのを皮切りに、医療法人との連携による大型施設の自社開発とM&Aを通じて事業を拡大し、平成27年3月末時点で66施設(定員4,254人)を運営する等、ヘルスケア施設の豊富な運営実績を有しています。また、デイサービス事業所の運営、医療機関や介護施設等への食事提供サービスも行っています。ヘルスケア事業全体の売上高(平成27年3月期)は約199億円で、グループ連結売上高の約7.3%を占めています。
(b)トータルパックプロデュース事業(TPP)
シップヘルスケアの主力事業で、医療機関のあらゆるニーズに応える機能を包括的にプロデュースしています。
具体的には、医療機関等の新設、移転新築及び増改築、医療機器の購入等のニーズに対して、企画運営・ファシリティコンサルティング、医療機器・医療設備等の販売及びリース、その他の業務を一括受注することにより、総合的なサービスを提供する事業展開を行っています。
また、手術用照明器(無影灯)や医療ガス供給設備、手術室・ICU・病室等の設備等の製造及び保守、医療情報システムの開発販売及び保守、介護用浴槽やリハビリ機器の製造・販売まで手掛けており、病院作りに必要な機能・サービスを包括的にプロデュースできる体制を整えています。
(c)メディカルサプライ事業(MSP)
医療機関に対する診療材料・医療品消耗品などの販売を行っており、医療機関の業務負担・在庫リスク等の軽減に資するSPDシステム(院内物流代行システム)を扱う会社や循環器関連等の高額診療材料を専門に扱うグループ会社等によって構成されています。
(d)調剤薬局事業(PH)、その他事業
トータルパックプロデュース事業やメディカルサプライ事業を通じて関係構築が成された医療機関の周辺で、調剤薬局を86店舗運営(平成27年3月末時点)しています。その他、動物病院の経営や理化学機器・研究機器の販売等多岐に渡った事業を展開しています。
(ⅲ)大型プロジェクト事例
シップヘルスケアは、医療・介護の分野において多数蓄積した専門的なノウハウを生かし、大型病院のリモデル(建替・再整備)や医療・介護の複合型施設の開発等に取り組んでいます。
本投資法人は、グループ全体で介護・医療関連ビジネスを幅広く展開しているシップヘルスケアと本資産運用会社の間で締結されたスポンサーサポート契約に基づき、同社からの専門的、実践的なアドバイスや人材派遣、物件の紹介をはじめ多面的なサポートを活用して、安定的な資産運用と中長期的な資産規模の拡充を図っていきます。
c.NECAP
NECAPはNECグループの総合金融会社で、幅広い顧客層に対してリースや割賦などのファイナンスサービスや同社の強みを生かしたICT(注1)関連のサービスを提供しています。また既存事業に加え、新たな成長分野として、リサ事業や海外事業を通じたビジネス機会の拡大を図っています。
本投資法人への主要スポンサーとしての関与は、急速に進む我が国の高齢社会という社会的課題について、同社グループの持つ機能を活用したCSV経営推進の一環と位置づけています。
(注1)「ICT」とは、Information and Communication Technologyの略で情報通信技術のことをいいます。
(注2)「CSV経営」におけるCSVとは、米国の経営学者マイケル・ポーターが提唱したもので、Creating Shared Valueの頭文字をとったものです。企業にとっての価値(経済価値)と社会課題の解決(社会価値)を両立させた事業活動を推進し、企業の事業活動を通じて社会的な課題を解決していく経営理念です。NECAPでは、事業継続・サスティナビリティの観点から、獲得した利益を社会貢献活動に還元するCSR(Corporate Social Responsibility)ではなく、事業活動そのものが社会貢献となる経営を目指しています。
(リサ事業)
NECAPグループに属するリサ・パートナーズは平成10年の設立以来、「企業」「債権」「資産」の事業領域において、ファンド等を通じた投融資から各種アドバイザリー業務まで横断的かつ多様なビジネスを展開しています。
「資産」の事業領域においては、海外大手不動産投資家との提携により大型不動産投資を全国規模で行ってきた実績を有し、その経験及び培った専門的ノウハウ並びにネットワークを用いて不動産鑑定・評価業務はもとより、不動産の流動化に関するアドバイザリー及びアレンジメントや企業のCRE戦略(注)の立案・実行支援まで幅広く展開しています。
本投資法人は、上記のとおり、ファンド事業等で実績を有するリサ・パートナーズのノウハウをはじめ、NECAPグループが保有する知見と幅広い機能を活用して、良質なポートフォリオの構築と安定的な資産運用を図っていきます。
(注)「CRE戦略」とは、Corporate Real Estate戦略の略で、不動産の有効活用に関する戦略をいいます。
⑥ 外部成長戦略~多様なネットワークと優先交渉権を活用した取得機会の確保と投資主価値の最大化
(ア)多様なネットワークを活用した取得機会の確保
本投資法人は、本資産運用会社がスポンサー及びサポート会社との間で締結したサポート契約に基づき、スポンサーやサポート会社が有する専門性や顧客基盤を含む総合力を活用すること、また、サポート契約に規定された優先交渉権を活用することで、将来におけるヘルスケア施設の取得機会を確保します。これに加えて、本資産運用会社の独自のルートを通じて、マーケットからの直接の資産取得を行います。
また、本投資法人は、スポンサー及びサポート会社のウェアハウジング機能を活用し、稼働中のヘルスケア施設だけでなく、開発中のヘルスケア施設についても、高稼働が見込まれる可能性を慎重に見極めた上、取得することとします。本書の日付現在、スポンサー及びサポート会社のウェアハウジング機能を活用し、14物件について取得機会を確保しています。
このように、本投資法人は、スポンサー及びサポート会社からのネットワークと、本資産運用会社の独自のネットワークを活用し、ポートフォリオの持続的な成長を図り、中長期的な投資主価値の最大化を目指します。
なお、保有する信託不動産16物件のうち、スポンサーのネットワークを活用して取得した物件は14物件であり、本資産運用会社の独自のネットワークを活用して取得した物件は2物件です。スポンサーのネットワークを活用した14物件のうち13物件については、主要スポンサーの意向を受けて設立された特別目的会社からの取得になります。取得先の詳細は、後記「5 運用状況/(2)投資資産/③ その他投資資産の主要なもの/(ア)信託不動産の概要」をご参照ください。
<多様なネットワークの活用>(イ)サポートSPCによるウェアハウジング
本書の日付現在、保有する信託不動産以外でサポートSPCが保有する物件には以下の14物件があります。本投資法人は、サポートSPCと本資産運用会社との間で締結されたパイプラインサポート契約を通じ、将来において、サポートSPCが当該物件のいずれかを売却しようとする場合には、本投資法人がその取得について優先交渉権を有しています(以下「優先交渉権確保物件」といいます。)。
なお、本投資法人は、優先交渉権確保物件の取得について、パイプラインサポート契約を通じた優先交渉権を確保したに留まり、本投資法人において既に取得の判断を行ったものではなく、また、サポートSPCは、本投資法人への売却義務を負担していません。したがって、本投資法人は、売却情報の提供を受けた場合に、当該物件が本投資法人の投資基準に適合するとして、取得するとの判断を行った上で、サポートSPCと本投資法人との間で信託受益権の売買契約を締結して、当該物件を取得することになります。
<優先交渉権確保物件の一覧>
| 物件名 | 住所 | 運営事業者名 (注1) | 分類 | 延床面積 (注2) | 居室数 |
| シップ千里 ビルディング | 大阪府 豊中市 | グリーンライフ 株式会社 | 有料老人ホーム 病院 等 | 24,813.85㎡ | 180(有老) 400(病院) (注3) |
| 守口佐太 ラガール | 大阪府 守口市 | グリーンライフ 株式会社 | 有料老人ホーム | 8,356.85㎡ | 155 |
| はぴね 神戸学園都市 | 兵庫県 神戸市 | グリーンライフ 株式会社 | 有料老人ホーム | 12,636.48㎡ | 128 |
| はぴね 神戸魚崎弐番館 | 兵庫県 神戸市 | グリーンライフ 株式会社 | 有料老人ホーム | 1,772.89㎡ | 47 |
| レストヴィラ 浜川崎 | 神奈川県 川崎市 | ワタミの介護 株式会社 | 有料老人ホーム | 5,945.44㎡ | 58 |
| グランダ 鶴間・大和 | 神奈川県 大和市 | 株式会社ベネッセ スタイルケア | 有料老人ホーム | 3,427.08㎡ | 73 |
| ベルジ箕輪 | 群馬県 高崎市 | ベルジ株式会社 | 有料老人ホーム | ①8,288.67㎡ ②2,762.82㎡ | 174 |
| ベルジ武尊 | 群馬県 利根郡 | ベルジ株式会社 | 有料老人ホーム | ①5,605.06㎡ ② 704.68㎡ | 121 |
| はなことば 新横浜 | 神奈川県 横浜市 | 株式会社ゆうあい | 有料老人ホーム | 5,230.23㎡ | 140 |
| はなことば 新横浜2号館 | 神奈川県 横浜市 | 株式会社ゆうあい | 有料老人ホーム | 1,837.29㎡ | 21 |
| はなことば三浦 | 神奈川県 三浦市 | 株式会社ゆうあい メディカルサポート | 有料老人ホーム | 1,959.64㎡ | 54 |
| はなことば 小田原 | 神奈川県 小田原市 | 株式会社まんよう | 有料老人ホーム | 2,203.42㎡ | 60 |
| はなことば南 | 神奈川県 横浜市 | 株式会社ゆうあい メディカルサポート | 有料老人ホーム | 1,710.68㎡ | 51 |
| ロングライフ 神戸青谷 | 兵庫県 神戸市 | 日本ロングライフ 株式会社 | 有料老人ホーム | 5,361.71㎡ | 77 |
(注1)運営事業者名は、各物件の重要事項説明書に表示された内容を記載しています。
(注2)延床面積は、主たる建物についての登記簿上の面積を記載しています。なお、主たる建物が複数ある場合は、番号を付した上で、それぞれの登記簿上の面積を記載しています。また、当該建物が区分所有建物である場合については、サポートSPCが保有する信託受益権に係る信託の信託受託者が保有している専有部分の面積を記載しています。
(注3)「シップ千里ビルディング」の居室数のうち、病院部分に係る記載はベッド数を記載しています。
(注4)上記各物件は、本書の日付現在、本投資法人が取得を予定している資産ではなく、今後取得できる保証もありません。
⑦ 優良なオペレーターとの長期固定の賃貸借契約に基づく安定的なキャッシュフロー
ヘルスケア施設は、立地や建物の仕様だけでなくオペレーターの事業運営能力及び経営の安定性が、その不動産としての価値に影響を及ぼすという物件特性を有しています。
したがって、本投資法人は、以下に記載の方針に基づき、スポンサー及びスポンサー出身の人材の持つノウハウを最大限活かして、ヘルスケア施設取得時にはオペレーターの運営状況や財務状況の分析を含む当該施設の事業性に関わるデュー・デリジェンスを実施し、また取得後も継続的なモニタリングを実施することで、安定的なヘルスケア施設の運営及び管理を実現することを目指します。
(ア)オペレーターの選定基準
ヘルスケア施設のオペレーターの選定基準として、入居者/施設利用者が安心・安全に生活できるサービスが提供されていること及びその事業の継続可能性を重視しています。そのため、企業規模や管理施設数など一定の定量的な基準を一律に設けることは必ずしも適当ではないと考えています。
本投資法人は、サポート契約に基づいて、ヘルスケア施設に関する各種の助言(例:市場情勢や情報提供等)を受けられる態勢にあり、また、主要スポンサーから、それぞれが得意とする分野に精通した人材サポートを得ています。SMBCからは、事業法人への与信業務を通じて財務分析や事業分析の経験を有する人材、シップヘルスケア又はシップヘルスケアの子会社からは介護事業やヘルスケア業界全般の事業特性を十分に理解した人材の派遣を受けています。
本投資法人は、オペレーターの選定に際して、これらの人材の知見を活かして、オペレーターの業績や財務内容などの事業面の評価及びヘルスケア施設の運営状況や法令遵守体制等の評価を総合的に勘案し、選定を行っています。
オペレーター選定に際しての具体的な検討事項につきましては、後記「⑩ デュー・デリジェンス基準 /(イ)事業デュー・デリジェンス」をご参照ください。
また、下表は保有する信託不動産のオペレーターを示したものであり、本投資法人は、これらのオペレーターがいずれもヘルスケア施設の運営実績及び信用力の面において高い信頼性を有しているものと考えています。
| オペレーターの名称 (注1) | 設立年月 (注1) | 売上高 (億円) (注2) | 運営施設数 (施設) (注3) | 定員数(人) (注4) | 備考 (議決権に対する所有割合) |
| 株式会社メッセージ | 平成9年 5月 | 422 | 331 | 17,555 | 東京証券取引所JASDAQ市場上場会社 |
| 株式会社 ベネッセスタイルケア | 平成7年 9月 | 866 | 281 | 15,626 | 東京証券取引所市場第一部上場の株式会社ベネッセホールディングスの連結子会社(100.0%) |
| ワタミの介護株式会社 | 平成4年 11月 | 354 | 115 | 8,725 | 東京証券取引所市場第一部上場のワタミ株式会社の連結子会社(100.0%) |
| グリーンライフ株式会社 | 平成6年 5月 | 98 | 23 | 2,033 | 東京証券取引所市場第一部上場のシップヘルスケアホールディングス株式会社の連結子会社(100.0%) |
| 株式会社さわやか倶楽部 | 平成16年 12月 | 124 | 65 | 3,901 | 東京証券取引所市場第一部上場の株式会社ウチヤマホールディングスの連結子会社(100.0%) |
| 株式会社アズパートナーズ | 平成16年 11月 | 50 | 13 | 852 | 東京証券取引所市場第一部上場の株式会社タカラレーベンの持分法適用関連会社(30.0%) |
| 株式会社 JAPANライフデザイン | 平成16年 4月 | 11 | 3 | 195 | 非上場会社 |
(注1)「オペレーターの名称」、「設立年月」は、平成27年7月末時点の登記簿上の表示に基づいて記載しています。
(注2)「売上高」に関しては、各社より入手した情報及びホームページ記載の情報を基に、単位未満を切捨てて記載しています。
(注3)「運営施設数」に関しては、株式会社メッセージについては決算説明資料(平成27年3月期)より、株式会社ベネッセスタイルケア、ワタミの介護株式会社、グリーンライフ株式会社、株式会社さわやか倶楽部、株式会社アズパートナーズ、株式会社JAPANライフデザインについては各社ホームページ(平成27年9月末時点)より取得しています。
(注4)「定員数」に関しては、株式会社メッセージについては決算説明資料(平成27年3月期)より、株式会社ベネッセスタイルケア、ワタミの介護株式会社、グリーンライフ株式会社、株式会社さわやか倶楽部、株式会社アズパートナーズ、株式会社JAPANライフデザインについては各社ホームページ(平成27年9月末時点)より取得しています。
(イ)オペレーターとの長期固定の賃貸借契約
本投資法人は、上記基準に基づいて選定したオペレーターとの間で、原則として賃料固定長期の賃貸借契約を締結します。したがって、当該施設の稼働状況にかかわらず、オペレーターは賃貸借契約に定める賃料を負担することになるため、本投資法人にとって、長期的に安定した収益を確保することが可能となります。
(注)賃貸借契約残存期間比率は、本投資法人が信託不動産を取得した時点において締結されている各信託不動産に係る建物の賃貸借契約について、10年以上~15年以内/15年超~20年以内/20年超に分類し、それぞれの分類に属する割合を、取得価格ベースで算出し、小数第2位を四捨五入して記載しています。
(ウ)オペレーターの管理と対応
本投資法人はヘルスケア施設への投資に際し、上記オペレーターの選定基準に基づき対応するとともに、取得後も当該施設の運営状況、当該オペレーターの事業及び財務の状況について経常的にモニタリングを行うことで、運営リスクの管理に努めます。本投資法人は、日ごろから各オペレーターとの強固な関係構築に努め、定期的なコミュニケーションとモニタリングを通じた効率的なポートフォリオ管理を行ってまいります。
仮に、将来において当該オペレーターの事業継続性に懸念が生じた場合には、ヘルスケア業界で幅広い知見とネットワークを有するシップヘルスケア等からの助言も参考にしながら、運営を引き継ぐバックアップオペレーターの確保や第三者への事業譲渡等、実効性のある対応を検討します。
(エ)信託不動産におけるオペレーターと賃貸借契約の概要
| 物件名 | オペレーター名 | 賃貸借形態 | 賃貸借期間 | 賃貸借契約 残存年数 (注1) | 賃料 固定/変動 |
| アクアマリーン 西宮浜 | グリーンライフ 株式会社 | 普通借 | 平成19年6月1日~ 平成49年5月31日 | 21年 | 固定 |
| ボンセジュール 千歳船橋 | 株式会社ベネッセ スタイルケア | 普通借 | 平成18年1月6日~ 平成38年5月24日 | 10年 | 固定 |
| ボンセジュール日野 | 普通借 | 平成18年1月6日~ 平成38年5月24日 | 10年 | 固定 | |
| ボンセジュール 武蔵新城 | 普通借 | 平成18年11月24日~ 平成38年11月23日 | 11年 | 固定 | |
| ボンセジュール 秦野渋沢 | 普通借 | 平成19年5月22日~ 平成39年5月21日 | 11年 | 固定 | |
| メディカルホーム ボンセジュール小牧 | 普通借 | 平成19年5月22日~ 平成39年5月21日 | 11年 | 固定 | |
| アズハイム光が丘 | 株式会社 アズパートナーズ | 普通借 | 平成26年3月28日~ 平成46年3月27日 | 18年 | 固定 |
| アズハイム文京白山 | 普通借 | 平成19年3月29日~ 平成39年3月28日 | 11年 | 固定 | |
| レストヴィラ 町田小野路 | ワタミの介護 株式会社 | 普通借 | 平成19年11月1日~ 平成39年10月31日 | 12年 | 固定 |
| レストヴィラ あざみ野 | 普通借 | 平成19年6月28日~ 平成39年6月27日 | 11年 | 固定 | |
| さわやか立花館 | 株式会社 さわやか倶楽部 | 普通借 | 平成20年1月30日~ 平成40年1月29日 | 12年 | 固定 |
| さわやか和布刈館 | 普通借 | 平成20年1月30日~ 平成40年1月29日 | 12年 | 固定 | |
| さわやか田川館 | 普通借 | 平成20年1月30日~ 平成40年1月29日 | 12年 | 固定 | |
| グッドタイムホーム不動前 | 株式会社JAPAN ライフデザイン | 普通借 | 平成18年11月30日~ 平成38年11月29日 | 11年 | 固定 |
| Cアミーユ淡路駅前 | 株式会社メッセージ | 普通借 | 平成21年8月1日~ 平成46年7月31日 | 19年 | 固定 |
| Cアミーユ神戸上沢 | 普通借 | 平成21年8月1日~ 平成46年7月31日 | 19年 | 固定 | |
| 賃貸借契約平均残存年数(注2) | 13.7年 | - | |||
| 固定賃料比率 | - | 100% | |||
(注1)各信託不動産の本書の日付現在における賃貸借契約残存年数は、1年未満を切捨てて記載しています。
(注2)賃貸借契約平均残存年数は、本投資法人が信託不動産を取得した時点において締結されている各信託不動産に係る建物の賃貸借契約の残存年数の平均について、小数第2位を切捨てて記載しています。
⑧ 安定した財務基盤
本投資法人は、主要スポンサーであるSMBCをアレンジャーとする融資団から無担保・無保証での借入れを行っています。SMBCは前記「⑤ サポート契約を活用した投資運用 (イ)主要スポンサーの概要」のとおり、平成27年3月末時点のJ-REIT向け与信残高は約8,532億円に上り、レンダーとして国内トップクラスの実績を有しています。
本投資法人は、上記のとおりJ-REIT市場において豊富な実績を有するSMBCと本資産運用会社の間で締結されたスポンサーサポート契約に基づき、物件の新規購入等の際に同行よりファイナンスに関するアドバイスを受けることができます。本投資法人は、これにより、より柔軟且つ円滑な資金調達を行うことが可能になると考えています。
本投資法人は、このように、SMBCからのファイナンスサポートを活用して、安定した財務基盤の構築を目指します。
⑨ 投資基準
本投資法人は、投資対象資産の取得に際し、投資対象資産の特性及び市場環境等を十分に勘案し、当該物件の中長期にわたる収益の安定性の観点から投資の適格性の是非を十分に検証します。
投資対象資産の選定に際しては、本資産運用会社は予め物件の詳細な調査(デュー・デリジェンス)を実施した上で、以下に掲げる投資基準に照らして、地域及びタイプの分散状況についても十分考慮しつつ、取得について妥当性の判断を行います。
なお、以下に掲げる基準は、選定の視点に留まり、総合的な検討の結果、すべての基準を充足していない場合でも投資を行うことがあります。
(ア)投資規模
本投資法人は、原則として1物件当たりの取得価格(消費税及び仲介手数料を含みません。)5億円以上の物件を投資対象とします。但し、グループホーム等、上記に満たない小規模の物件についても、対象物件の収益性、オペレーター及び地域性等を勘案の上、厳選して投資することがあります。
(イ)立地
本投資法人は、原則として以下に掲げる事項を総合的に検討した上で、優位性の高い物件を投資対象とします。
・ 交通アクセス
・ 周辺施設の優位性
・ 周辺環境の適格性
・ 周辺地域の将来性(高齢者人口・高齢化率の推移、ヘルスケア施設の需給等)
・ 法規制、公的助成制度の状況
(ウ)ヘルスケア施設の契約形態及び期間
本投資法人は、原則として、賃料固定長期の賃貸借契約をオペレーターと締結している物件を投資対象とします。但し、賃貸借契約の残存期間が10年未満の物件についても、賃貸借契約が更改される可能性等を勘案の上、厳選して投資することがあります。
(エ)耐震性
本投資法人は、原則として、新耐震基準(注1)に基づく建築物に相当する耐震性能を有し、且つ単体でのPML(注2)値が20%以下の物件を投資対象とします。但し、PML値が20%を超える物件についても、ポートフォリオPML値を算出し、ポートフォリオPML値が15%を超える場合には、火災保険及び利益保険の特約として地震保険を付保した上で対象物件の収益性等を勘案の上、投資することがあります。
(注1)「新耐震基準」とは、昭和56年に改正された建築基準法に基づく建物等の耐震基準(昭和56年6月1日施行)をいいます。以下同じです。
(注2)「PML(Probable Maximum Loss)」は、予想最大損失率と訳されます。これは、「対象施設あるいは施設群に対し最大の損失をもたらす地震が発生し、その場合の90%信頼性水準に相当する物的損失額」と定義されています。実際には、PMLとして再現期間475年の地震を用いることが多く、この地震が発生した場合の物的損害額(90%信頼水準)の再調達価格に対する割合で表されます。以下同じです。
(オ)環境・地質
本投資法人は、原則として環境有害物質が検出されず、又は土壌汚染調査基準値(注)を超えない物件を投資対象とします。但し、土壌汚染において当該基準値を超える投資物件であっても、対処方法を含め専門家意見を踏まえた上で、周辺環境に与える影響、人的な影響、経済的な影響等が極めて低いと判断され、かつポートフォリオの収益の安定に寄与すると判断されれば、当該物件の取得を検討する場合があります。
(注)「土壌汚染調査基準値」とは、土壌汚染対策法施行規則(平成14年環境省令第29号。その後の改正を含みます。)に定める数値をいいます。
(カ)権利形態
本投資法人は、原則として完全所有権の物件を投資対象とします。但し、区分所有物件、共有物件等についても、物件の処分及び運営管理における意思決定権が確保できていることを前提とし、収益の安定性、物件特性、市場環境等を総合的に勘案の上、投資を行う場合があります。
また、旧借地法(大正10年法律第49号。その後の改正を含みます。)(以下「借地法」といいます。)又は借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。)(以下「借地借家法」といいます。)に基づく借地権に対する投資を可能とします。
⑩ デュー・デリジェンス基準
(ア)デュー・デリジェンス
本投資法人が投資対象不動産を取得する際は、本資産運用会社は予め物件の詳細な調査(デュー・デリジェンス)を実施するものとします。
なお、検討にあたり、専門的かつ客観的なデュー・デリジェンスを確保するため、エンジニアリング・レポート及び市場調査レポート等を独立した第三者の調査会社等から取得し、不動産鑑定評価書を独立した第三者の不動産鑑定会社から取得します。また、その他必要に応じて専門業者を利用する場合があります。
| 項目 | 内容 | |
| 経済的調査 | 価格調査 | ・ 購入価格の妥当性(鑑定評価書等) |
| オペレーター及びテナント調査 | ・ オペレーター及びテナントの信用状況(決算内容、財務状況、運営状況等) ・ オペレーター及びテナントの賃料支払状況、紛争及び破産等の有無 ・ オペレーター及びテナントの賃借目的、契約形態、契約内容及びその継承、転貸等の有無 | |
| 市場調査 | ・ 周辺市場の状況(周辺人口、高齢者人口、世帯数、市場賃料及び稼働率等) ・ 周辺の競合物件の状況 ・ 周辺の新規開発計画の動向 ・ オペレーター及びテナントの誘致の可能性 | |
| 収入関係 | ・ 過去の稼働率、賃料推移 ・ 賃貸借契約の形態と賃料の安定性 ・ 賃料増額・減額の見込等の有無 ・ 保険制度の現状と将来の見通し | |
| 費用関係 | ・ 公租公課の変動可能性(軽減措置期間の終了、再開発進行等による評価額の上昇等) ・ プロパティ・マネジメント業務委託契約の形態と管理水準、報酬の適正性 ・ 建物管理業務委託契約の形態と管理体制、管理水準、管理コストの適正性 ・ 水道光熱費等の水準とオペレーター及びテナントからの戻入状況 ・ 修繕履歴と修繕計画、現行の劣化状況を踏まえた予想修繕費、設備等の更新費等の負担及びその妥当性 ・ 修繕積立の状況と積立金額の妥当性 ・ 信託報酬・損害保険料等の状況 | |
| 物理的調査 | 建築及び設備・仕様 | ・ 意匠、主要構造、築年数、設計者、確認検査機関、施工業者等 ・ 賃貸可能面積、貸室数、天井高、電気容量、空調方式、床荷重、防災設備、給排水設備、昇降機設備、駐車場その他共用設備の状況 ・ 瑕疵、要修繕箇所の有無 |
| 建物診断 | ・ 設計図書、建築確認通知書、検査済証、構造計算書、地積測量図等の書類調査 ・ 外構、屋上、外装、設備等の現地調査 ・ エンジニアリング・レポートにおける長期修繕計画の内容 ・ 建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。)(以下「建築基準法」といいます。)、都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)(以下「都市計画法」といいます。)等関連法令の遵守状況等 ・ 耐震性能 ・ PML(予想最大損失率) ・ 建物耐用年数 | |
| 建物管理関係 | ・ 管理委託契約の内容(形態、仕様水準等)及び建物管理状況の良否、建物管理会社等へのヒアリング ・ 管理細則等の有無及びその内容、管理会社の質と信用力 | |
| 環境調査 | ・ アスベスト、PCB等の有害物質の使用履歴、使用状況及び保管状況 ・ 地質状況、土地利用履歴、土壌汚染状況等 | |
| 項目 | 内容 | |
| 法的調査 | 法令上の制限 | ・ 遵法性、既存不適格の有無 ・ 建築基準法及び都市計画法等の建築関連法規、条例、協定等による建築制限、消防関連法規への適合性、用途制限、使用制限等の有無 |
| 境界調査 | ・ 境界確定の状況、越境物の有無とその状況 ・ 実測面積の確定状況 ・ 境界紛争の有無 | |
| 契約等 | ・ 賃貸借契約、転貸借契約、使用契約等の状況 ・ 駐車場契約、看板設置契約、アンテナ設置契約、自動販売機設置契約等の状況 ・ オペレーター及びテナントとの紛争の有無及び可能性等 | |
| 権利関係の確認 | ・ 土地及び建物について、その権利関係(完全所有権、地上権、借地権、共有、分有、区分所有、区分所有の共有等)の把握、権利関係に付随する各種契約等(管理規約、共有者間の取り決め等)の確認、登記事項証明書及び公図の確認、道路の状況(公道、私道)、所有権等を制約する権利の付着の有無 ・ 隣接地権者等との紛争の有無 ・ 信託契約の内容 | |
(イ)事業デュー・デリジェンス
本投資法人が投資対象不動産を取得する際は、一般社団法人投資信託協会による平成26年5月15日制定「ヘルスケア施設供給促進のためのREITの活用に関するガイドライン」を参考として、本資産運用会社は投資対象物件のオペレーターの事業運営能力及び経営の安定性の確認を含む事業デュー・デリジェンスを行います。
| 項目 | 内容 |
| 遵法性の確認 | ・ コンプライアンス体制の整備状況(ケアプラン、ケア記録作成の有無、チェック体制等) ・ 行政監査(検査)の状況 ・ 反社会的勢力への対応状況 |
| 事業性の確認(オペレーター) | ・ 経営体制 ・ 業歴、業容 ・ 法人全体の業績(他事業がある場合は各事業部門の業績) ・ 当該事業の業況 ・ 信用情報(決算内容、財務状況等) |
| 事業性の確認(ヘルスケア施設) | ・ 施設の収支構造・状況 ・ 商品性(利用料・賃料とサービス内容のバランス、競合状況) ・ 入退去の状況 ・ 立地条件 ・ 運営体制(営業体制、職員の状況等) |
さらに、本資産運用会社は、上記を踏まえた上での市場調査レポート等による第三者評価との比較・確認を行うこととしています。
⑪ 投資判断基準
| 項 目 | 目 的 |
| 取引概要 | ・ 売主の状況確認 ・ オペレーターの状況確認 ・ 取引条件及びスケジュールの確認 |
| 投資分析 | ・ 不動産関連資産の投資基準への適合性の確認 ・ 不動産関連資産の収益、費用の過去実績、適正及び将来予測 ・ 想定収支に基づく将来収支の検証 ・ 賃貸借契約の履行確実性 |
| ポートフォリオ分析 | ・ ポートフォリオに与える影響の検証(築年数、地理的分散、NOI、資本的支出、修繕費用等) |
| リスク分析 | ・ デュー・デリジェンス等の結果、抽出されたリスクの把握とその対応策の検討 ・ オペレーターに起因するリスクの確認 ・ 取引関係者に起因するリスクの確認 |
| ストラクチャー概要 | ・ 物件取得に係るストラクチャー及び締結する契約内容等の確認 |
| ファイナンス | ・ 必要資金額の算出及び資金調達方法の検討 ・ 本投資法人の財務方針との整合性確認 ・ 本投資法人の配当金への影響の分析 |
⑫ フォワード・コミットメントに関する方針
本投資法人は、不動産等の取得にあたって、先日付での売買契約であって、契約締結日から1ヶ月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているもの及びその他これに類する契約(以下「フォワード・コミットメント」といいます。)を締結することがあります。
フォワード・コミットメントを行う場合には、以下の点に留意することとします。
・ 契約不履行に関する解約違約金の水準、ポートフォリオ全体の収支及び配当水準等に与える影響等(東京証券取引所の定める上場廃止基準を含みます。)
・ 売買契約締結から物件引渡しまでの期間、当該期間中における金融環境及び不動産市場等の変動リスクの可能性、決済資金の調達方法等
⑬ ポートフォリオ運営・管理方針
(ア)基本方針
本投資法人は、中長期にわたる安定した収益の確保と資産価値の維持・向上及びテナント満足度を高めることを目指し、以下の方法に基づき賃貸収入や稼働率の維持・向上、適切な管理・修繕の実施、管理コストの適正化・効率化に努めます。
(イ)資産管理計画の策定及び管理
本資産運用会社は、その社内規程である運用ガイドライン等に基づき、本投資法人の運用資産の運用に係る資産管理計画を策定し、資産管理計画に沿った運営・管理を行います。資産管理計画は、原則として本投資法人の決算期毎に見直し、必要に応じて変更します。また、それ以外の場合でも必要に応じて、その都度変更することとしています。
(ウ)リーシング方針
マーケット動向を調査・把握し、個別物件における適正な賃貸条件等の検討を行います。
オペレーターとの賃貸借契約に際しては、信用度、賃料水準、賃貸借契約形態、期間及び再契約の可能性等を総合的に判断し、また、本資産運用会社の社内規程に従い、反社会的勢力との関係をチェックします。
(エ)PM会社の選定方針、モニタリング
PM会社の選定にあたっては、「利害関係者取引規程」及び「外部委託・評価基準」に基づき、不動産運営・管理の経験や能力、対象となる運用資産における実績、運用計画に沿った業務遂行の実現性、コスト水準、運用の継続性及び手数料水準等を総合的に勘案し、本投資法人の総合的な収益向上に寄与する会社を選定します。上記業務委託を行った場合は、「外部委託・評価基準」に基づき、当該委託先の業務水準や報酬額等についての評価を定期的に行い、適正な業務遂行レベルが維持できていない場合は、契約の解除を行うこと又は契約の更新を行わないことを検討します。
また、PM会社を選定しない場合もあります。PM会社を選定しない場合は、オペレーターがその業務を兼務する場合があります。
(オ)オペレーター及びヘルスケア施設のデュー・デリジェンス、モニタリング
取得時において、オペレーター及びヘルスケア施設の事業性に係るデュー・デリジェンスを実施し、取得後においては、オペレーター及びヘルスケア施設の事業性について継続的なモニタリングを実施します。
(カ)修繕計画・資本的支出に関する方針
中長期的な運用資産の収益の維持向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性、ニーズ等を考慮した個別物件毎の修繕計画を、オペレーター及びPM会社と協議のうえ策定し、必要な修繕・資本的支出を行うものとします。
修繕及び設備投資は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費も勘案して判断するものとします。但し、オペレーター及び入居者/施設利用者の満足度向上に向けた政策上の観点から必要なものについては、早期に実施するものとします。
(キ)付保方針
火災・事故等に起因する建物への損害や、第三者からの損害賠償請求等のリスクに対処するため、必要な火災保険及び損害賠償保険等を運用資産に付保します。
また、地震保険の付保については、地震の発生時に予想されるポートフォリオ全体に対する影響及び保険の実効性を考慮し、ポートフォリオPML値が15%超の場合は、個別物件のPML値が20%超の物件について、20%を超えた部分に対し火災保険及び利益保険の特約として地震保険を付保することを検討します。
なお、引受保険会社の選定に際しては、保険代理店又は保険ブローカーを通じ、複数社から提示された条件等を基に選定します。
⑭ 売却方針
本投資法人は、中長期にわたって運用資産を保有し、安定収益を確保すること基本方針としており、運用資産の短期的な売却は原則として行わないものとします。但し、不動産マーケットの状況及び個別のヘルスケア施設の分析結果等を勘案し、最適なポートフォリオ維持のため必要と判断する場合には、運用資産の売却を検討することがあります。
売却にあたっては、不動産鑑定評価等の第三者意見を参考としつつ、主に以下の観点から総合的に判断します。
・不動産マーケットの見通し
・当該運用資産の周辺の開発予測
・収益の見通し
・劣化又は陳腐化への対応状況
・オペレーターの属性及び契約内容
・ポートフォリオの構成
⑮ 財務戦略
本投資法人は、安定的な財務運営を行うために、以下の基本方針を定めています。
(ア)エクイティ・ファイナンス
資産の取得、工事金の支払、敷金・保証金の返済、本投資法人の運営に係る費用の支払い又は債務の返済等を目的として、投資口の追加発行を行います。投資口の追加発行は、長期的かつ安定的な成長を目指し、既存投資主の権利の希薄化及びそれに伴う投資口の取引価格の低下等に配慮しつつ、新たに取得する不動産関連資産の取得時期及びスポンサーのウェアハウジング機能の活用可能性、総資産に対する有利子負債の比率(以下「LTV」といいます。)、有利子負債の返済時期及び返済までの残存期間並びに経済市況等を総合的に勘案し機動的に行います。
(イ)デット・ファイナンス
運用資産の着実な成長並びに効率的な運用及び運用の安定に資するため、資産の取得、修繕費若しくは分配金の支払い、本投資法人の運営に要する資金、若しくは債務の返済(敷金・保証金並びに借入金及び投資法人債(短期投資法人債を含みます。以下同じです。)の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを目的として、資金を借入れ(コール市場を通じる場合を含みます。)又は投資法人債を発行することを検討します。但し、短期投資法人債の発行により調達した資金の使途又は目的については、法令に定める範囲に限るものとします。なお、資金を借入れる場合は、金融商品取引法に規定する適格機関投資家(但し、租税特別措置法(昭和32年法律第26号。その後の改正を含みます。)(以下「租税特別措置法」といいます。)第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)からの借入れに限るものとします。
資金の借入れ及び投資法人債の発行に際しては、資金調達の機動性及び財務の安定性のバランスに配慮した資金調達を行います。具体的には長期比率、固定比率、返済期限の分散、調達方法(借入金・投資法人債)、コミットメントラインの設定等を検討します。
借入金及び投資法人債の発行の限度額は、それぞれ1兆円とし、かつ、その合計額が1兆円を超えないものとします(規約第36条第3項)。
原則として無担保・無保証での資金調達を行うものの、資金の借入れ及び投資法人債の発行において、運用資産を担保として提供することができます。
本投資法人は、SMBCを中心とする複数の金融機関との間で強固かつ安定的な取引関係を築きます。さらに、借入金の長期固定化とマチュリティ分散(返済期限の分散化)を図り、安定的かつ健全な運営を行います。
(ウ)LTV
LTVの水準は、資金余力の確保に留意しつつ、原則として65%を上限とします。但し、新規投資や資産評価の変動により、一時的に65%を超えることがあります。
(エ)余資運用等
a.デリバティブ取引
借入及びその他の投資法人に係る負債から生じる金利変動リスクのヘッジを主たる目的として、経済状況及び金利の動向を考慮し、デリバティブ取引に係る権利への投資を行うことがあります。
b.キャッシュ・マネジメント
本投資法人は、保有するポートフォリオにおける資金ニーズを常にモニタリングし、的確に把握した上で、最も効率的かつ適切なキャッシュ・マネジメントを行うものとします。
なお、本投資法人は、オペレーター等から預託された敷金・保証金の一部又は全部についても、必要に応じ、運用資金の一部に活用することがあります。また、諸々の資金ニーズ(修繕及び資本的支出、分配金の支払い、小口債務の返済、本投資法人の運営に関わる運転資金、敷金等の返還、又は不動産関連資産の新規購入等)に対し、機動的に対応するため、融資枠等の設定状況も勘案した上で、適切と考えられる金額を現預金として保有するものとします。
⑯ 情報開示方針
(ア)基本方針
本投資法人は、透明性確保の観点から、法定開示に加えて、有用かつ適切と判断される投資情報を、情報の透明性及び分りやすさに配慮し、正確かつ迅速に開示します。
(イ)開示方針
投信法及び金融商品取引法などの法令、諸規則及び東京証券取引所、一般社団法人投資信託協会等がそれぞれ要請する内容及び様式に従って、適切に開示を行います。また、投資主に対して重要かつ有用な情報をできる限り開示するよう努めます。
(ウ)利害関係者との取引に関する情報開示の方針
本資産運用会社の利害関係者取引規程に定める利害関係者との一定の取引については、透明性確保の観点から、適用ある法令、規則及び当該利害関係者取引規程等に従って、適切な方法により速やかに開示するものとします。