有価証券報告書(内国投資証券)-第3期(平成28年9月1日-平成29年2月28日)

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2017/05/29 15:22
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(1)【投資方針】
① 基本方針
本投資法人は、資産を主として不動産等資産(投信法施行規則に定めるものをいいます。)のうち不動産、不動産の賃借権、地上権及びこれらの資産のみを信託する信託の受益権に対する投資として運用することを目的として、「中長期の安定した収益の確保」と「運用資産の着実な成長」を目指した運用を行うことを基本方針としています(規約第27条)。かかる基本方針のもと、物流施設、商業施設、オフィス、居住用施設その他様々な用途の施設への投資により、多様な投資機会を通じた着実な外部成長と、用途毎の収益特性等の違いを背景とした収益の安定化の両面を追求する「総合型戦略」、物件やテナントの分散効果を強化し、収益性と資産価値のボラティリティを抑制した安定的なポートフォリオ構築を目指す「大型化戦略」、更にスポンサーである野村不動産グループとともに、同グループの開発する賃貸収益不動産の取得を通じた外部成長と各用途の不動産の特徴を活かしたマネジメントによる内部成長を図るための枠組みである「賃貸バリューチェーンの活用」を組み合わせることで、「中長期の安定した収益の確保」と「運用資産の着実な成長」を実現し、投資主価値の向上を目指していきます。
また、本投資法人は、テナント需要に厚みのある東京圏(東京都、神奈川県、千葉県及び埼玉県)を中心に、三大都市圏及び政令指定都市等への地域分散にも留意した投資戦略を採用します。
(注)「三大都市圏」とは、次に掲げる首都圏、中京圏及び近畿圏をいいます。
首都圏:東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、栃木県、群馬県、茨城県、山梨県
中京圏:愛知県、岐阜県、三重県
近畿圏:大阪府、京都府、兵庫県、奈良県
また、「政令指定都市等」とは、東京圏、中京圏及び近畿圏以外の政令指定都市、県庁所在地及び人口10万人以上の都市並びにその周辺地域をいいます。
A.多様な不動産への投資を通じた安定した成長の実現(総合型戦略)
本投資法人は、総合型戦略を通じて、用途の分散効果による収益の安定性と成長性の両面の追求と、物件情報収集力の向上による優良物件への厳選投資及び投資機会の拡大を図ることを目指しています。
本投資法人のポートフォリオは、景気変動に左右されにくく収益の安定化が見込める物流施設、商業施設(居住地立地)及び居住用施設等と、景気変動による収益の上昇が期待できるオフィス及び商業施設(駅前立地)等で構成されており、契約期間や契約形態(普通借家・定期借家)といった賃貸借取引の慣行や用途毎の収益特性の違いに着目した投資によって、収益の安定化と成長性の両面を追求することが可能であると考えています。
また、J-REIT市場における投資対象は、当初のオフィス中心から、商業施設、居住用施設及び物流施設、更にはホテル、工場、インフラやヘルスケア施設にまで多様化が進んでおり、今後更なるJ-REIT市場の成長とともにその拡がりが期待されています。本投資法人は、この様なJ-REIT市場を取り巻く環境を踏まえ、総合型REITとしての特性を活かして投資対象の多様化に対応し、投資機会の拡大を実現することにより、更なる成長を追求していきます。
B.分散効果を活かしたポートフォリオ運用 (大型化戦略)
本投資法人は、ポートフォリオの分散効果を通じて、保有資産の収入減少リスクや偏在リスク及びテナント集中に係るリスク等を低減させることができるものと考えています。かかるリスクの低減を背景として、本投資法人は、ポートフォリオの価値向上に向けた様々な施策を積極的に推進します。具体的には、不動産等を長期保有する投資法人にとって、保有資産の経年劣化は避けられない課題であり、減価償却費を活用したバリューアップ工事の実施、物件入替え、スポンサーと協働した建替え等、ポートフォリオの価値向上に向けた施策を積極的に推進していきます。更に、大型化(スケールメリット)を活かして、物件運営の集約化と効率化を進め、各種経費の低減にも努めることで内部成長の充実を図ります。
これらに加え、資産規模や時価総額の拡大による金融コストの削減や資金調達手段の多様化を促進し、資金調達力の向上を裏付けとした財務安定性の向上を目指します。
C.野村不動産グループとの相互成長の推進(賃貸バリューチェーンの活用)
野村不動産グループは、野村不動産株式会社をはじめとする野村不動産ホールディングス株式会社の連結子会社等からなる企業集団であり、その事業セグメントは「住宅事業」「賃貸事業」「資産運用事業」「仲介・CRE事業」「運営管理事業」「その他の事業」に区分されており、総合不動産会社として多岐にわたる事業を展開しています。
本投資法人は、野村不動産株式会社からの不動産等の情報提供による「物件取得パイプライン」を通じた外部成長サポートに加え、野村不動産グループ各社との間で賃貸不動産に関して有する情報・ノウハウを相互に共有するとともに、ハード・ソフト両面におけるブランド価値と物件収益性の双方を高めるために必要な施策を共同して検討し、推進する双方向機能を有した「マネジメントパイプライン」を確立し、「PMO」、「PROUD FLAT」、「GEMS」及び「Landport」といったスポンサー開発物件のブランド力強化と本投資法人の保有資産の価値向上を積極的に推進していきます。また、これらにより、本投資法人と野村不動産グループ各社との間で相互成長の好循環サイクルを構築し、投資主価値の向上を目指します。
本投資法人は、野村不動産グループの各用途不動産に係る企画・開発・運営力を最大限に活用することで、最適なポートフォリオ運用と豊富なパイプラインに裏打ちされた資産規模の着実な成長を図り、中長期の安定した収益の確保を目指していきます。
② 投資方針
A.ポートフォリオ構築基準
本投資法人は、物流施設、商業施設、オフィス、居住用施設その他様々な用途の施設(不動産を除く不動産等及び不動産対応証券(いずれも規約第28条第1項に定める意味を有します。)の裏付けとなる不動産を含みます。)に投資します。不動産市場動向を踏まえた資産運用会社の判断に基づき、これらの資産にバランスよく分散投資していくことで中長期の安定した収益の確保を目指す方針です(なお、本投資法人においては、用途毎の投資比率に関する制限は設けないものとします。)。
また、本投資法人は、三大都市圏(首都圏、中京圏及び近畿圏)を中心として政令指定都市を含むその他主要都市又はその周辺地域を主たる投資対象地域とし、投資に際しては、地震リスク並びに地域経済及び賃貸市況の変動等のリスクを軽減することによりキャッシュ・フローの安定化を図ることを目的として、取得する運用資産の地域分散を図ることとしています。
本投資法人は、テナント需要の厚みを最重視しつつ、かかる地域分散にも留意し、以下の地理的構成を目安としてポートフォリオを構築します。
東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)75%以上
中京圏(愛知県、岐阜県、三重県)25%以下
近畿圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県)
その他の都市

(注1)比率は、取得価格(合併により承継した物件については承継時の資産計上額を意味します。)を基準とし、消費税その他の取得に係る費用は除きます。また、一時的に上記比率から乖離する可能性があります。
(注2)「その他の都市」とは、東京圏、中京圏及び近畿圏以外の政令指定都市、県庁所在地及び人口10万人以上の都市並びにその周辺地域をいいます。
B.投資基準
(イ)用途毎の物件選定基準
(ⅰ)物流施設
a)建物用途の判断基準
取得時点において、取得対象とする不動産の賃貸可能面積のうち、物流施設(注)として供される部分の面積が50%超であるものをいいます。
なお、建物の敷地又は当該敷地に係る地上権若しくは賃借権(建物の敷地又は当該敷地に係る地上権又は賃借権の本体をなす不動産を以下「敷地等」といいます。)のみに投資する場合には、敷地等上の建物の用途がかかる基準を満たすもの又は満たすことが見込まれるものをいいます(以下、他の用途についても同じです。)。
(注)その他、一般消費者向け倉庫(トランクルーム、レンタル収納スペースなど)にも投資を行うことができるものとし、この場合は後記b)の物件規模基準は適用しないものとします。
b)物件規模(注1)
原則として延床面積が10,000㎡以上(注2)であること。
土地に投資する場合は、原則として敷地面積が10,000㎡以上であること。
(注1)延床面積及び敷地面積が上記の選定基準に満たない物件であっても、当該物件の取得により既に保有する物件との相乗効果、物件取得機会の確保又は拡大への寄与その他のメリットが見込まれる場合(以下の場合を含みます。)には、投資を行うことができるものとします(以下、他の用途についても同じです。)。
・既に保有する物件に隣接する物件などで、既に保有する物件の増築や一体での建替え等によって、より高い価値の追求が見込まれると判断されるもの
・バルク取引に含まれる物件
・継続取引が見込まれるプロバイダーが開発する物件
(注2)延床面積(登記簿又は登記記録の記載)を基本とし、建築基準法に定める延床面積も考慮して判断します(以下、他の用途についても同じです。)。
(ⅱ)商業施設
a)建物用途の判断基準
取得時点において、取得対象とする不動産の賃貸可能面積のうち、商業施設(注)として供される部分の面積が50%超である状態をいいます。
(注)本投資法人は、商業施設を以下の2つのタイプに分類します。
分類駅前立地型居住地立地型
概要(ターミナル)駅の集客力に依拠した施設周辺居住者を後背人口に抱えた施設
主な
評価項目
・駅の乗降客数
・駅距離(アクセス性)
・商業集積状況(繁華性)
・視認性
・他の商業施設との相乗効果
・建物設備のスペック
・商圏人口
・交通アクセス性
・競合店動向
・テナント及び用途の代替性
・賃貸借契約期間
・テナントクレジット
主な
テナント層
・サービス系テナント
・物販店舗
・飲食店舗等
・食品スーパー
・総合スーパー
・家具量販店
・スポーツクラブ等

b)物件規模
分類駅前立地型居住地立地型
建物原則として、延床面積が1,000㎡以上であること原則として、延床面積が1,500㎡以上であること
土地土地に投資する場合は、敷地面積にかかわらず投資対象とする土地に投資する場合は、原則として敷地面積が1,500㎡以上であること

c)物件選定方針
商業施設への投資にあたっては、後記「(ロ)用途にかかわらず適用される物件選定基準」に加え、物件選定方針として収益性と安定性のバランスを考慮して投資を行うものとします。
商業施設については、商業集積状況(繁華性)や商圏人口に加え、消費者の選好の変化による収益性のボラティリティが高いことに留意し、アクセス、代替性、賃貸借契約条件やテナント信用力を重視した物件選定を行います。
(ⅲ)オフィス
a)建物用途の判断基準
取得時点において、取得対象とする不動産の賃貸可能面積のうち、オフィス(注)として供される部分の面積が50%超であるものをいいます。
(注)飲食・物販を目的としたテナントの入居部分は含まれないものとします。
b)物件規模
原則として、延床面積が3,300㎡以上であること。
(ⅳ)居住用施設
a)建物用途の判断基準
取得時点において、取得対象とする不動産の賃貸可能面積のうち、居住用施設(注)として供される部分の面積が50%超である状態をいいます。
(注)居住用施設とは以下の施設等をいいます。なお、賃貸住宅以外の居住用施設については、物件の運営形態に基づき、通常の賃貸方式に加え、施設運営を行う専門のオペレーターへの運営委託方式を検討します。
賃貸住宅
(社宅(法人へ一括賃貸されるもの)、学生マンション(入居者を学生に限定したもの)を含む。)
一般的な住居としての利用を目的として、原則として1年以上の期間を賃貸する居住用施設をいう。
短期滞在型マンション家具付きで、週から月単位(1年未満)の短期滞在を目的とした居住用施設をいう。
サービスアパートメント家具付きで、リネン(寝具)交換、フロントサービス、コンシェルジュサービス等の提供を伴う居住用施設をいう。
パブリックスペースの設置、食事の提供施設の設置等、所謂「寮」としての形態で利用される居住用施設をいう。
高齢者向け住宅介護サービスの提供を伴う居住用施設をいう。

(ⅴ)その他の用途
その他の投資対象不動産については様々な用途があり、用途によって投資基準が多様であることに鑑み、具体的な規模等の制限は設けないものとしますが、投資対象不動産毎に、個別の立地特性による地域性、代替テナント確保の容易性、設備の汎用性等を総合的に考慮した上で、投資を行います。
(ロ)用途にかかわらず適用される物件選定基準
その用途にかかわらず、全ての物件の取得に当たり以下の各項目につき検討します。
(ⅰ)立地について
いずれの用途に係る物件についても、投資対象地域は、三大都市圏を中心として、政令指定都市を含むその他主要都市又はその周辺地域とします。
上記に加え、物件の立地するミクロエリアについて、賃貸需要を勘案し十分な安定性が見込めることを原則とします。
(ⅱ)権利関係について
所有権であることを原則とします。共有されている不動産又は区分所有建物である不動産への投資を検討するに際しては、
① 共有の場合、共有物の分割請求や持分の売却を制限する措置の有無
② 他の共有者又は区分所有者の属性、持分割合
③ 他の区分所有者の負担部分も含めた修繕積立金及び敷金等の管理方法及び積立状況
④ 他の共有者の持分又は他の区分所有者の専有部分についての担保設定の有無及び時期等を総合的に勘案のうえ、物件毎に判断するものとします。
また、土地の権利が借地権である物件への投資を検討する際には、土地の賃貸借契約の条件を考慮します。
(ⅲ)土地(底地を含みます。)への投資について
敷地等のみに投資する際には、敷地等上の建物の所有者の信用力や属性、当該所有者との地上権設定契約又は土地の賃貸借契約の条件に加え、用途の転用可能性、開発可能性並びに売却時の流動性等を勘案のうえ、投資判断します。
底地は、一般的に保守管理費や修繕投資負担が少なく安定的な収入が期待できることに加え、減価償却費が不要であることにより賃料収入に対する配当割合を高めることが期待できるという特性を有することから、かかる底地の特性を踏まえ、投資を行います。
(ⅳ)築年数について
建物の築年数については、築年数に応じた経年劣化等に伴う資本的支出額(コスト)を予測し、ポートフォリオ全体での資本的支出の平準化に留意します。
(ⅴ)環境・地質等について
以下の基準を満たすことを原則とします。
・建物状況調査報告書(エンジニアリング・レポート)において、有害物質の使用状況、管理状態に関する問題が指摘されていないこと
・土壌汚染のおそれがないこと(但し、利用者、近隣に対する健康被害リスクが低いことが調査において確認できている場合を含みます。)
上記の基準を満たさない場合であっても、対応工事を行ってかかる基準を満たすことが可能であり、かつかかる工事の費用を加えた上でも十分な収益性が見込め、本投資法人のキャッシュ・フローへの影響が軽微である場合には、投資を行うことができるものとします。
(ⅵ)耐震性について
原則として新耐震基準適合又はそれと同水準以上の耐震性能を有し、PMLが20%未満であることを基準とします。
かかる基準を満たさない場合であっても、耐震補強工事を行ってかかる基準を満たすことが可能であり、かつ、かかる工事の費用を加えた上でも十分な収益性が見込め、本投資法人のキャッシュ・フローへの影響が軽微である場合には、投資を行うことができることとします。
(ⅶ)転用を前提とする投資について
既存の用途以外の用途への転用を前提として投資を検討する場合には、収益性及びテナント構成については現況及び転用後の状態を想定して判断します。また、転用のための工事及びテナントの変更に要する費用及び期間に照らして、転用が容易であるか否かを検討します。
(ⅷ)テナント構成について
テナントの信用力、使用目的が適正である物件に投資を行います。
なお、原則としてマルチテナントを対象とする物件に投資を行うものとし、単独又は少数のテナントに賃貸される物件については、賃貸借契約の内容、当該法人等の商業登記簿や企業調査会社による調査による当該法人等の信用力、退去後のテナント誘致の見込み、用途の特殊性等を総合的に勘案した上で、投資判断することとします。
(ⅸ)未稼動(開発中)不動産への投資について
本投資法人の安定収益の確保という基本方針に基づき、原則として、取得時点において既に賃貸され、収益を上げている不動産に投資を行います。
未稼働(開発中)の不動産への投資については、建物の完工・引渡し等のリスク及び稼働開始時期やテナント確保等の見通しに基づく稼働開始後の収益見込み等がポートフォリオ全体に与える影響、並びに後記「(ⅹ)フォワード・コミットメントを行う際の留意点について」記載の事項を考慮の上、慎重に投資判断を行います。
(ⅹ)フォワード・コミットメントを行う際の留意点について
フォワード・コミットメント(先日付での売買契約であって、契約締結日から1ヶ月以上経過した後に決済及び物件引渡しを行うこととしているもの及びその他これに類する契約をいいます。)を行う場合には、以下の点に留意することとします。
・解約違約金の設定に関する留意点
契約不履行に関する解約違約金に関して、当該解約違約金の水準が、ポートフォリオ全体の収支及び配当水準等に与える影響(株式会社東京証券取引所の定める上場廃止基準を含みます。)を十分検証のうえ、慎重な投資判断を行うものとします。
・期間の上限・決済資金の調達方法等
売買契約締結から物件引渡しまでの期間については、個別物件毎に、開発型案件等における取組みに比して妥当な期間を上限とし、当該期間中における金融環境及び不動産市場等の変動リスクがあることを十分認識のうえ、慎重な検討を行うこととします。決済資金の調達方法については、取得を決定する時点においては、コミットメントライン等の融資枠の利用等、取得額に応じた決済時の取得資金の調達方法及びその実現性を検証し、決済時においては、金融市場、取引先金融機関との関係、投資法人債(短期投資法人債を含みます。)市場等の資金調達環境の変化に応じて最適な資金調達方法を選択することとします。
・資産価値変動に関する留意点
売買契約締結から物件引渡しまでの期間に、経済情勢の変化等により鑑定評価額に大幅な変動がある可能性がある場合においては、鑑定評価を再取得の上、鑑定評価額を見直すこととします。また、鑑定評価額が取得価額を下回った場合においては、違約金の支払いによる契約解除又は売買価格の再協議の必要性等について判断の上、適切な対応を行います。
・現状変更
売買契約締結から物件引渡しまでの期間に、売主が現状変更を行う場合及び未収テナントが発生し賃貸借契約の解除事由に該当する場合等には、その対応につき買主の事前承諾を得ることを条件とし、売買価格やポートフォリオ全体に与える影響を十分検証のうえ、慎重に判断します。
C.物件調査(デューディリジェンス)基準
不動産関連資産への投資にあたっては、運用不動産の物件特性(立地の優位性、建物の性能及び規模、賃料水準、競合物件の有無等)の把握を目的として、物件調査(デューディリジェンス)を行います。デューディリジェンスの調査項目は、以下のとおりです。
<主なデューディリジェンス項目>
調査項目内容
物理的調査土地調査・地積、境界の確認
・周辺環境、地域特性、交通アクセス性
建物調査・建物状況調査報告書(エンジニアリング・レポート)による確認
・建物及び設備仕様、建物瑕疵、耐震性・地震リスク等
・修繕履歴、修繕計画(CAPEX)、管理契約、管理状況
環境調査・地質地盤・埋蔵物、土壌汚染
・有害物質(アスベスト、PCB等)の状況
法的調査権利関係・所有権、抵当権等の権利関係
・共有、区分所有等の所有形態
・訴訟の有無とその状況、紛争可能性
法令上の制限・法令(条例や協定を含む)等による制限
・遵法性、既存不適格の有無
契約関係・売主状況調査(売買否認リスク等)
・売買契約、賃貸借契約等各種契約書の内容
経済的調査テナント調査・契約内容(契約形態、賃料、契約期間等)
・未収金の有無、テナント信用力
マーケット調査・商圏、産業構造、テナント需要の分析
・競合物件動向(売上、賃料、稼働率等)
・周辺の開発計画
収益性調査・不動産鑑定士による鑑定評価(価格調査)
・物件の過去収支分析

D.保険付保基準
不動産関連資産への投資にあたっては、火災等の災害や事故等による建物の損害及び第三者からの損害賠償請求等に対応するため、必要に応じ火災保険、賠償責任保険等の付保等の措置を講じるものとします。また、地震保険の付保については、地震の発生時に予想されるポートフォリオ全体への影響を考慮し、ポートフォリオPML(注)が15%以上の場合には、個別物件のPMLが15%以上の物件について火災保険及び利益保険の特約として地震保険を付保することとします。
(注) ポートフォリオPMLとは、複数の建築物群を対象とし、被害の相関性を考慮して、建築物群の中の1ないし複数の建築物に影響を与える「超過確率0.211%(再現期間475年)に対する建物の予想損失額」/「再調達価格」(%)で示したものです。但し、予想損失は、地震動による建物(構造部材・非構造部材。建築設備)のみの直接損失に関するものであり、機器、家具、什器等の被害や地震後の水又は火災による損失、被災者に対する保証、営業中断による営業損失等の二次的被害は含まれていません。
③ 運用方針
資産運用会社は、投資の基本方針に基づき、中長期の安定収益とポートフォリオの着実な成長を実現するため、以下の方針に基づいて賃料収入の安定的成長、適切な管理・修繕による物件の資産価値維持及び向上並びに各種運営・管理コスト削減を目的とした運用を行います。
また、本投資法人は短中期的な運用不動産の売買によってキャピタルゲインを得ることを運用目標とはしませんが、地域性の変化に伴う用途変更、運用不動産の入れ替え(リバランス)、リニューアル・建て替え等により、ポートフォリオの資産価値の維持・向上を図ります。この中長期の運用方針を実行するにあたっては、総合不動産会社である野村不動産グループの強み(売買・リニューアル・デベロップメント等)を、本投資法人の運用に活用してまいります。
A.基本戦略
(イ)リーシング活動の展開
安定した収益を確保するため、運用不動産毎に次の諸点に留意してリーシング活動を展開します。
(ⅰ)共通(居住用施設を除きます。)
(a)周辺マーケット動向の把握
独自の調査、マーケットレポート及び不動産仲介業者等から収集した情報に基づき、各運用不動産の属する周辺マーケットのテナント需給の見通し、賃料相場、稼働率、競合物件動向等を分析します。なお、周辺マーケットに構造的変化(新規賃貸不動産の開発動向、新たな交通機関の開業・新駅の設置等)が見られる場合には、当該変化の影響を分析します。
(b)重点営業対象先の選定
周辺マーケットにおけるテナントの動き及びその理由(企業統合、事業転換、リストラクチャリング等)を調査及び分析し、リーシング活動の重点対象先とすべきテナント(又は業種)を選定します。
(c)最適な賃貸条件の検討
個別のテナントの賃貸条件の決定に当たっては、当該テナントの信用力、売上動向、賃料負担力、ポートフォリオ全体の賃料収入に対する当該テナントからの賃料収入の割合、契約形態(定期建物賃貸借であるか否か、契約期間の長短、変動賃料・固定賃料の別等)を総合的に判断します。
(d)入居テナントの選定基準
入居テナント(転貸を含みます。)の選定にあたっては、運用不動産毎に策定する年間リーシング計画に基づきこれを行うものとし、当該テナントの信用力及び使用目的が、当該物件及びポートフォリオ全体に及ぼす影響を考慮し、既存テナントに同業者がいる場合にはその業種にも留意の上、原則として業種及び属性、信用調査機関の評価等に関して総合的に判断します。
(e)既存テナント動向の把握
リーシング活動の展開に加え、既存テナントとのコミュニケーションを十分に図り、テナントの動向、不満や解約ニーズ、又は増床ニーズ等を早期に把握し、適切かつ迅速な対応策を講じます。
(ⅱ)居住用施設
上記(ⅰ)にかかわらず、居住用施設については以下の方針によりリーシングを行います。
居住用施設の賃貸に際しては、原則としてプロパティ・マネジメント会社(以下「PM会社」といいます。)に一括賃貸(マスターリース)することとし、PM会社は以下の方針に従い、テナントへのリーシング活動を行います。
(a)個別物件のリーシング計画の策定
PM会社と、周辺マーケット動向予測、リーシング実績の分析、ターゲットテナントの設定、募集条件・目標設定及び募集活動方針の策定について協議の上、運用不動産毎に年間リーシング計画を策定し、当該計画に基づきリーシング活動を行います。なお、物件運営及びリーシング活動において得られたマーケット情報等については、運用ノウハウとして蓄積するとともに、計画策定及びリーシング計画に十分に活用することとします。
(b)テナント選定基準
原則として、転貸人であるPM会社においてテナントの選定を行いますが、選定に際しては、法人の場合は、業種、業歴、業績、転借の目的等、個人の場合は、勤務先、勤続年数、収入及び収入に占める賃料総額の割合、連帯保証人の有無とその属性等を総合的に判断するよう指導するものとします。
(ロ)運用不動産の価値の維持・向上(大規模修繕及びリニューアル)
本投資法人の中長期的な安定収益を実現するため、運用不動産毎に適切な大規模修繕(機能維持を目的とした修繕投資)、リニューアル(機能向上を目的とした修繕投資)等の必要な修繕投資を行い、運用不動産の競争力、収益性の維持・向上を図ります。
(ⅰ)取得に際しての大規模修繕及びリニューアル方針の策定
運用不動産毎の築年数、過去の修繕履歴、設備水準等を勘案した上で、大規模修繕及びリニューアル方針を策定します。
また、機能維持を目的とした修繕工事に加え、周辺マーケット内の他の不動産との差別化を図り、競争力を高めるための機能向上を目的としたリニューアルについても十分な検討を行います。
(ⅱ)営業期間毎の大規模修繕・リニューアル計画の策定
上記の大規模修繕及びリニューアル方針に基づき、物件別事業計画の一部として、本投資法人の営業期間毎の大規模修繕・リニューアル計画を策定します。適切な大規模修繕・リニューアルを行うため、かかる計画の内容及び予算を、第三者によるエンジニアリング・レポートの内容のほか、消費者動向及び利用者ニーズを踏まえて検証します。
(ⅲ)ポートフォリオ全体での検証
大規模修繕・リニューアル計画の策定においては、内容が共通した工事を複数物件に実施することによって、ポートフォリオ全体の修繕費用の削減につながると判断した場合には、同時期に一括して実施することも検討します。
また、ポートフォリオ全体の収支の安定性を確保するため、本投資法人の営業期間毎の修繕費用と内部留保資金(減価償却等による)とのバランス及びポートフォリオ全体の大規模修繕・リニューアル工事費用の平準化に留意します。
(ⅳ)既存テナントへの配慮
工事の実施にあたっては、入居中のテナントに対する影響度に配慮し、また工事実施後のテナント満足度向上を勘案した上で、実施の適否を判断します。なお、工事の実施に際しては、既存テナントへ事前の告知、実施中の報告等を行うとともに、工事による既存テナントへの影響を最小限に留めるよう努めます。
(ⅴ)リザーブ基準
大規模修繕・リニューアルの実施に際しては、キャッシュバランスと実施時期に留意してポートフォリオ全体での収支及び資金バランスを考慮するものとし、必要に応じて修繕資金のリザーブを行います。
(ⅵ)建て替え基準
大規模修繕、リニューアル等の修繕投資以外に、建て替えを行うことが資産価値を最大化すると判断される場合は、再建築コスト、収益性の検証を行った上で、建て替えの実施も検討します。
なお、建て替えの手法に関しては、投信法、その他関係諸法令に照らし、適切な手法を検討します。
(ハ)売却方針
安定収益の確保という本投資法人の基本方針に基づき、原則として本投資法人の保有する不動産関連資産を短期間で売却することは企図しないこととしますが、必要に応じて運用資産の売却を検討する場合には、以下の基準に従うこととします。
(ⅰ)不動産関連資産又はその裏付けとなる不動産の売却については、以下の項目等を考慮の上、総合的に判断することとします。
・当該運用不動産の現在及び将来にわたる収益性
・周辺マーケットの将来性及び安定性
・当該運用不動産の劣化又は陳腐化に対する対応状況
・テナントの属性及び契約内容
・ポートフォリオ構成
(ⅱ)フォワード・コミットメントを行う場合は、契約不履行に関する解約違約金に関して、当該解約違約金の水準が、ポートフォリオ全体の収支及び配当水準等に与える影響を十分検証のうえ、慎重な判断を行うものとします。
B.プロパティ・マネジメント会社の選定・管理方針
上記基本戦略に基づき内部成長を実現し、安定収益を確保するためには、運用不動産毎に賃貸管理・会計管理・施設管理を統括するPM会社が重要な役割を担います。資産運用会社は、運用不動産毎に最適なPM会社を選定し、適切な管理を行うために、以下の諸点に留意します。
(イ)PM会社の選定方針
PM会社の選定にあたっては、企業内容・実績(企業内容の健全性、プロパティ・マネジメント業務(以下「PM業務」といいます。)受託者としての組織体制等)の確認に加え、PM業務内容、報酬体系その他を総合的に検討した上で、最適と思われる業者を選定します。
なお、同一の地域に運用不動産が複数存在する場合には、運営管理の効率化を目的として、同一のPM会社を選定することを検討します。
上記のほか、PM会社の選定に際しては、ポートフォリオとしての運営リスクの分散と運営効率化のバランスにも留意します。
(ロ)PM会社の管理方針
(ⅰ)PM会社との一体的な運営管理
各運用不動産のPM会社と定期的に以下の事項に関する状況及び対応についての協議を行います。
・前月の収支状況
・運用不動産の稼働状況
・既存テナントの動向
・新規テナント営業活動の状況
・今後必要な修繕工事と実行中の修繕工事の状況
・入居中のテナントからのクレーム
(ⅱ)物件の特徴に合わせた運営管理体制の構築
PM会社に対し、各運用不動産の特徴に合わせた運営管理体制を構築するよう求めることにより、適切な運営管理を実行させます。
(ⅲ)PM会社の評価(モニタリング)
PM会社の評価に関しては、上記(イ)に基づく継続的なモニタリングを行い、必要な指導を行います。
上記の指導にもかかわらず運営状況に改善が見られない場合は、PM会社の変更も検討します。
(ⅳ)報酬体系におけるインセンティブ制度の設定
PM会社への報酬体系において、当該物件の用途や物件特性を考慮し、必要に応じて賃料改定及び長期契約に対するインセンティブ制度を導入することにより、賃料増加及び収益の安定化を通じて効率的な内部成長を図ります。また、稼動状況等も考慮し、必要に応じて稼働率、支出削減等に対するインセンティブ制度の採用も検討します。
C.年度運用計画等の策定及び管理
本投資法人の中長期的な収益の安定とポートフォリオの着実な成長を実現するため、計画的な資産の運用を行うことを目的として、以下に従い、運用資産全体について「中長期基本計画」及び「年度運用計画」を、また各運用不動産について「物件別事業計画」をそれぞれ策定します。
(イ)中長期基本計画
本投資法人の保有するポートフォリオの運営管理について、一定期間(原則として1年)毎に、中長期(原則として3年とします。)を対象とした基本計画を投資委員会の決議により策定します。策定された基本計画の内容は、本投資法人の役員会に報告します。
(ロ)年度運用計画
本投資法人の保有するポートフォリオの運営管理について年度運用計画を策定し、同計画に基づいて適切な運営管理を実施します。
(ⅰ)年度運用計画の構成
年度運用計画は、当該計画の対象となる営業期間開始時点における、ポートフォリオ全体の収支予算及び物件別事業計画により構成します。
(ⅱ)対象期間及び策定時期
年度運用計画は、原則として各営業期間毎に1年分(2営業期間)を対象に策定します。各計画の策定時期は、計画の対象となる各営業期間の開始時までとし、投資委員会の決議(物件別事業計画の部分を除きます。)により決定したうえで、本投資法人の役員会に報告します。
(ハ)物件別事業計画
個別の運用不動産においての適切な運営管理を実施するため、NMF運用グループ統括部長の承認により物件別事業計画を策定し、同計画に基づいて、各PM会社と協働して運用不動産の運営管理を行います。
(ニ)年度運用計画の検証
年度運用計画の策定後は、PM会社からの月次報告(PMレポート)に基づき、物件毎及びポートフォリオ全体での検証を行うこととします。
検証の結果、計画と実績に乖離が見られる等、年度運用計画の見直しが必要と判断される場合(本投資法人の当期利益予想からの30%以上の増減及び分配金予想からの5%以上の増減等)には、速やかに修正年度運用計画(期中運用計画)を策定します。また、期中に不動産関連資産の取得・売却を行った場合にも同様とします。
また、検証を踏まえた運用資産の運用状況については、定期的に(3ヵ月に1回以上)本投資法人の役員会へ報告します。
④ 財務方針
本投資法人は、中長期の安定収益の確保と運用資産の着実な成長の実現のために、以下に掲げる方針に従い、計画的かつ機動的な財務戦略を策定、実行します。
A.エクイティ・ファイナンス
投資口の新規発行は、既存の投資主の権利の希薄化及びそれに伴う投資口の取引価格の低下等に配慮しつつ、新たに取得する不動産関連資産の取得時期、LTV、有利子負債の返済時期及び返済までの残存期間、経済市況等を総合的に勘案して決定します。
B.デット・ファイナンス
本投資法人の資金の借入れ及び投資法人債(短期投資法人債を含みます。)の発行に際しては、規約第37条の規定を遵守しつつ、資金調達の機動性と財務の安定性のバランスに配慮した資金調達を行います。具体的には短期借入れと長期借入れの比率、調達方法(借入金・投資法人債)、コミットメントラインの設定等を検討します。
また、LTVについては、資金余力の確保に留意した設定とします。なお、規約第37条第3項に従い、借入金及び投資法人債発行の限度額は、それぞれ2兆円とし、かつ、その合計額が2兆円を超えないものとします。
LTVは60%を上限とします(但し、新規投資や資産評価の変動等により、一時的に上限を超えることがあります。)。
長期借入比率(有利子負債残高に占める長期有利子負債残高の割合をいいます。)、固定比率(有利子負債残高に占める固定金利(デリバティブ取引による金利固定化を含みます。)での有利子負債残高の割合をいいます。)、返済期限までの残存期間等を含め、総合的に財務の安定性を確保するものとします。
なお、本投資法人は、(ⅰ)金利の固定化、(ⅱ)借入期間の長期化、(ⅲ)返済期日の分散、(ⅳ)無担保・無保証による調達の4点を財務戦略の主軸として位置付け、これらを実践していくことで財務の安定性に配慮した資金調達を実践していく予定です。
⑤ 情報開示方針
本投資法人は、法令・諸規則の要請する内容及び様式に従って、迅速かつ正確な開示を行います。また、情報の透明性及び分かり易さに配慮し、法定開示以外の情報の開示も積極的に実施する方針です。

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