有価証券報告書(内国投資証券)-第4期(平成29年9月1日-平成30年2月28日)
(1)【投資方針】
① 本投資法人の基本理念
本投資法人は、物流施設を投資対象とし、その中でも東京エリア・大阪エリア(注1)に所在する「プライム・ロジスティクス」(注2)への重点投資を通じて、質の高いポートフォリオを構築します。
世界有数の不動産投資顧問会社であるラサールグループに属するラサール不動産投資顧問をスポンサーとする本投資法人は、ラサールグループのグローバルな不動産投資の知見と日本の物流施設への豊富な開発・投資実績に支えられた運用力を活用することで、キャッシュ・フローと資産価値の長期安定的な成長を目指し、投資主価値の向上を図ります。
(注1)本書において、「東京エリア」とは、東京 60km 圏内(JR東京駅から60㎞圏内)の地域をいい、「大阪エリア」とは、大阪 45km 圏内(JR大阪駅から45㎞圏内)の地域をいいます。以下同じです。
(注2)本書において、「プライム・ロジスティクス」とは、物流適地に所在する大規模・高機能な物流施設をいいます。以下同じです。詳細につきましては、後記「② 本投資法人の基本方針 ~本投資法人の特徴~/(ア)東京エリア・大阪エリアに所在するプライム・ロジスティクスへの重点投資/b.投資対象施設~プライム・ロジスティクス~」をご参照ください。
② 本投資法人の基本方針 ~本投資法人の特徴~
(ア)東京エリア・大阪エリアに所在するプライム・ロジスティクスへの重点投資
a. 投資対象地域~東京エリア・大阪エリアへの重点投資~
本投資法人は、東京エリア・大阪エリアを重点的な投資対象地域としています。
具体的なエリア別投資比率の目途は以下のとおりです。
(注)投資比率は、取得価格ベースにて算出します。
上記エリアを内包する一都三県(東京都、神奈川県、埼玉県及び千葉県をいいます。以下同じです。)及び京阪神(大阪府、京都府及び兵庫県をいいます。以下同じです。)は、世界有数の人口、経済規模を有していることに加え、国際コンテナ戦略港湾である京浜港、阪神港や成田国際空港、関西国際空港等といった物流ハブ機能を擁し、その物流ハブ機能と日本の主要都市圏が高速道路網で繋がれている物流の結節点であるため、物流施設への大きな需要が見込まれる地域であると本投資法人は考えています。また、後記「c.プライム・ロジスティクスへの重点投資の背景(消費物流に着目した投資)」のとおり、本投資法人は、物流施設のなかでも「消費物流」に適した施設がより安定的な稼働を期待できると考えており、消費地(人口集積地)へのアクセスに優れていることは、物流施設への投資対象地域として重要な要素であると考えています。
具体的には、一都三県及び京阪神における消費額は我が国の消費額の約50%(注)を占め、消費物流における大きな潜在的需要を有するため、今後、本投資法人が投資対象とする物流施設への強い需要が見込まれる地域と本投資法人は考えています。
そこで、本投資法人は、その地理的な重要性を踏まえ、かつ、主要な消費地(人口集積地)を多く包含していることも勘案し、東京エリア・大阪エリアへの重点投資を行い、中長期にわたる収益の安定成長を目指します。
(注)2018年1月における数値です。以下同じです。詳細は下記「<経済圏別消費額の割合>」のグラフをご参照ください。
<経済圏別消費額の割合>出所:経済産業省「商業動態統計調査」を基に本資産運用会社にて作成
(注1)2018年1月の百貨店及びスーパーの販売額を一都三県、京阪神及びその他の区分ごとに集計して記載しています。各区分の割合は、各区分の消費額の合計に占める割合を、小数点以下を四捨五入して記載しています。したがって、各区分の割合の合計が100とならない場合があります。
(注2)当該調査の対象となった「百貨店」及び「スーパー」とは、従業者50人以上の小売事業所をいい、そのうち「百貨店」とは、日本標準産業分類の百貨店、総合スーパーのうち、後記の「スーパー」に該当しない事業所であって、かつ、売場面積が東京特別区及び政令指定都市で3,000㎡以上、その他の地域で1,500㎡以上の事業所をいいます。また、「スーパー」とは、売場面積の50%以上についてセルフサービス方式を採用している事業所であって、かつ、売場面積が1,500㎡以上の事業所をいいます。
b. 投資対象施設~プライム・ロジスティクス~
本投資法人は物流施設を投資対象としますが、その中でも、「物流適地」(後記「(i)物流適地へのこだわり」をご参照ください。)に所在する、「大規模・高機能」な物流施設を「プライム・ロジスティクス」と呼称し、中長期にわたり安定した収益を期待できる資産として重点投資を行います。
(注)上表は、「プライム・ロジスティクス」について本投資法人が考える一般的特徴を記載したものであり、上表のすべての要素を満たさない物流施設についても、個別物件の特性を精査し、これらの要素を総合的に勘案した上で、「プライム・ロジスティクス」ということがあります。
(i)物流適地へのこだわり
本投資法人は、「物流適地」に所在する物流施設の特徴として、①消費地(人口集積地)へのアクセスに優れていること、②幹線道路及び幹線道路の結節点に近接していること、③24時間物流施設の運営が可能な工業系用途地域に所在すること、及び④雇用確保の観点から公共交通機関から徒歩でのアクセスが容易であることが挙げられると考えており、「物流適地」へのこだわりをもって投資を行います(注)。
(注)本投資法人は、「物流適地」に所在している物流施設の特徴と考える上記①ないし④のすべての要素を満たさない物流施設についても、慎重に検討を重ねた上で、投資を行うことがあります。
本投資法人は、上記4点の特徴に着目した「物流適地」における厳選投資を行うことで、リーシング等における同一地域内での競争力の維持・向上を実現することができると考えています。
消費地への優れたアクセスは、「消費物流」の需要を取り込む上で、重要な立地要件であり、また、幹線道路との近接性は、最終配送先となる消費地への配送利便性のみならず、工場等の生産地及び港、空港といった物流ハブ機能を有する施設とのアクセスを支える、物流施設の根幹となる立地要件です。
加えて、「消費物流」における物流施設は、従来の保管中心の静的な役割に加えて、多頻度小口配送、配送スピードの向上等を求める荷主の要請に対応するため、一日複数回の配送や商品の仕分け作業等の大量の庫内作業といった動的な役割も求められています。テナントは、24時間運営可能な物流施設を利用することで、一日のうち複数回に分けて配送することや、道路の混雑を避けて深夜・早朝に配送を行うといったオペレーションの柔軟性、効率性を確保することができます。
また、従来店舗のバックヤードで行っていた業務や、多頻度小口配送に対応するための商品の仕分け作業等の大量の庫内作業を物流施設で行う必要性から、雇用確保の重要性が高まっており、公共交通機関へのアクセスが容易である物流施設を利用することで、テナントは充分な人数及び質の庫内作業員を、適正な人件費で確保できる可能性が高まります。
本投資法人の保有資産は、すべて東京エリアの消費地(人口集積地)及び幹線道路の結節点に近接した「物流適地」に所在する物件であり、中長期にわたり安定した収益の確保が可能であると本投資法人は考えています。
下図は、本投資法人の保有資産の所在地と主要な幹線道路との位置関係及び人口分布を示したものです。
<ポートフォリオマップと人口集積>出所:人口分布については、2010年10月1日時点で実施された2010年国勢調査の結果に基づく総務省統計局「2010年国勢調査に関する地域メッシュ統計」の「2分の1(500m)地域メッシュ別データ」を基に本資産運用会社にて作成
以下は、本書の日付現在の本投資法人の保有資産のポートフォリオについて、投資エリア比率及び1物件当たり平均延床面積(注)を示したものです。本投資法人は、上記投資方針の下、東京エリア・大阪エリアへの重点投資及び大規模な物流施設への投資を実践します。
<ポートフォリオの特色>(注)「平均延床面積」については、保有資産の延床面積の平均を算出し、小数点以下を切り捨てて記載しています。
(ⅱ)大規模・高機能へのこだわり
本投資法人は、大規模・高機能な物流施設は、テナントの物流機能の集約・統合ニーズや物流事業の効率化ニーズに対応可能であり、高い競争力を有するものと考えています。
本投資法人は、①物流拠点の集約・統合ニーズの受け皿となりうる規模(延床面積概ね16,500㎡以上)を有していること、②保管効率・作業効率の向上を可能とする有効天井高(概ね5.5m以上)、床荷重(概ね1.5t/㎡以上)、柱間隔(概ね10m × 10m)を有していること、③上層階にトラックが直接アクセス可能な大型ランプウェイ(注1)を有していること又は充分な搬送能力を備えた垂直搬送機能を有していること、④柔軟な区画割が可能な設計となっていること、⑤充分なオフィススペースを有していること、及び⑥免震性能又は高い耐震性能を有し、安全性が高いことを、大規模・高機能な物流施設の重要な特徴と考え、これらの要素に着目した投資を行います(注2)。
(注1)本書において「ランプウェイ」とは、多層階の物流施設において、車両が直接各階に乗り入れ、荷降ろし作業を行うことを可能とする傾斜路をいいます。
(注2)本投資法人は、大規模・高機能な物流施設の特徴と考える上記①ないし⑥のすべての要素を満たさない物流施設についても、慎重に検討を重ねた上で、投資を行うことがあります。
<大規模であることの優位性>本投資法人は、「大規模」であることをプライム・ロジスティクスの特徴の1つと考えており、具体的には延床面積が概ね16,500㎡以上であることをその基準としています。
物流施設が「大規模」であることの優位性は特に以下の点にあると本投資法人は考えています。
延床面積が大きい物流施設は、テナントに対し、「大規模」な物流施設への物流機能の集約・統合による効率的な物流事業運営の機会を提供することが可能となります。昨今の商品サイクルの短期化や取扱品目数の増加、多頻度小口配送への需要等の増加傾向を踏まえ、物流事業者や小売事業者等はさらなるサプライチェーンの効率化を求められており、小規模な物流施設が複数点在する場合にはそれらを1つの「大規模」な物流施設に統合し効率化を図るニーズが高まっていると本投資法人は考えています。具体的には、テナントが複数の小規模な物流施設から「大規模」な物流施設へ拠点を統合することにより、倉庫の合計使用面積の削減、庫内作業の効率化並びに物流拠点の集約に伴う在庫の削減及び運送費の削減といった効果を得ることが考えられます。
本投資法人は、物流事業者や小売事業者等がより効率的な物流事業運営を行うために複数の物流拠点の集約・統合を検討した場合、「大規模」な物流施設はそのニーズに応えやすいため、リーシング等において同一地域内における競争力を有していると考えています。
また、「大規模」な物流施設の場合、1フロア当たりの面積を広く確保することが可能なため、庫内作業の効率化、庫内レイアウトの柔軟性の確保、必要人員数の抑制、荷物の垂直移動時間の短縮化等の効果が期待でき、テナントに運営効率化の機会を提供することが可能となります。さらに、1フロア当たりの面積が広いことで、柔軟な区画割が可能となり、テナントの賃貸面積の増減やテナント数の増減に対応しやすくなるメリットがあると本投資法人は考えています。
<高機能であることの優位性>物流施設が「高機能」であること、すなわち、テナントが物流業務を行う上で利便性が高く効率的に保管・作業を行える施設であることや、災害時等の安全性・事業継続性が高いことは、リーシングの際の競争力確保において有益です。特に、多頻度小口配送や庫内での仕分け作業に適した設計となっている物流施設は「消費物流」に適しており、より安定的な需要が期待できます。また、上層階への直接アクセスや柔軟な区画割が可能で複数テナント(マルチテナント)に対する賃貸やテナントの賃借床の増床・減床に対応できる物流施設は、汎用性が高く、多様なテナントニーズに対応することができるため、テナントの入退去による収益への影響を抑制することができます。また、物流施設における作業員数の増加や、物流業務の高度化に伴い発生する事務作業・管理業務に対応するため、充分なオフィススペースを確保できることも重要であると本投資法人は考えています。これらの特徴に加え、免震性能又は高い耐震性能を有する安全性の高い物流施設は、安定稼働を期待できることから、投資を行う上で重要な要素になると本投資法人は考えています。
そこで、本投資法人は、原則として、「物流適地」に所在すること及び「大規模」であることに加えて、以下の機能的特徴を、プライム・ロジスティクスの特徴と考えています。
<プライム・ロジスティクスの機能的特徴>(注1)「アメニティ」とは、物流施設内の食堂、コンビニエンスストア、通勤用バス等の、テナントが雇用する庫内作業員等が快適に勤務するための設備等をいいます。
(注2)「CASBEE」とは、一般財団法人建築環境・省エネルギー機構(IBEC)による建築物の環境性能を評価し格付けする手法であり、環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価するシステムです。
c. プライム・ロジスティクスへの重点投資の背景(消費物流に着目した投資)
本投資法人では、製品や商品の出荷から物流施設・小売店を経由し又は小売店を経由せずに物流施設から直接に消費者へ運送する物流を、「消費物流」と呼びます。前述のとおり、本投資法人はプライム・ロジスティクスへ重点投資を行いますが、プライム・ロジスティクスを特徴付ける要素には、「消費物流」に携わるテナントの賃借ニーズに適合するための要素が多く含まれています。
<消費物流の需要の安定性>原材料の調達、製造工程に係る物流は、工場での生産活動と密接に連動するため、我が国における工業生産や工場に対する設備投資の動向、工場の海外移転による工場閉鎖等の影響を受けやすいのに比して、消費物流は、最終的な需要を担う消費者の急激な増減が起こりにくいため、相対的にニーズは安定的に推移すると本投資法人は捉えています。
すなわち、消費財(食料品、衣類、雑貨等)の販売個数の変動率は、(ⅰ)人口の急減が起こりにくく、かつ(ⅱ)食料品等の需要は、景気変動が生じても一人当たりの消費量が大きく変動しないことを踏まえると、小さいものと考えています。
また、今後、都市部の人口が我が国の総人口に占める割合は上昇すると考えられることから、本投資法人では、重点的な投資対象地域とする東京エリア及び大阪エリアにおける消費物流のニーズは相対的に安定して推移するものと捉えています。
<消費物流の需要の成長性>近年、消費物流への需要は、コンビニエンスストアへの配送に代表される多頻度小口配送へのニーズの高まりや、電子商取引や通信販売の普及に伴い着実に増加しています。
下記の図は、2005年から2017年までの日本における電子商取引の市場規模の推移を示したものです。当該図に示すとおり、日本における電子商取引の市場規模は毎年拡大しています。
本投資法人は、このような市場規模拡大に伴う消費物流の需要の増大を見据え、消費物流のニーズに適した物流施設を中心に投資していく方針です。
なお、本投資法人は、実際の投資判断にあたっては、個々の物流施設につき、機能的に消費物流に係るニーズに対応可能か否かという観点で検討を行います。その際、現況において消費物流の拠点として利用されていない等、入居テナントの取り扱い荷物による分類をもって投資判断を行うものではありません。具体的な投資基準については、後記「④ ポートフォリオ構築方針/(イ) 投資基準」をご参照ください。
<日本における電子商取引市場の規模の推移>出所:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」掲載の各年の「電子商取引に関する市場調査 報告書」
(注1)各年における電子商取引(注2)の市場規模は、出所記載の消費者向け電子商取引(BtoC-EC)の市場規模(注3)に基づくものです。
(注2)出所記載の電子商取引に関する市場調査では、「電子商取引(EC)」を、コンピューターネットワークシステムを介して商取引が行われ、かつ、その成約金額が捕捉されるものと定義しており、ここでの「商取引」とは、経済主体間で財の商業的移転に関わる受発注者間の物品、サービス、情報、金銭の交換をいうとされています。なお、出所記載のBtoC-EC取引には、家庭向けに敷設された公衆インターネット回線等を介し、PCやテレビモニターを通じて電子商取引が行われる形態のほか、携帯電話・PHS・スマートフォン、PDA、カーナビ、タブレット端末等によるモバイルコマースも含まれます。
(注3)「消費者向け電子商取引(BtoC-EC)の市場規模」とは、企業と消費者間での電子商取引による取引金額をいいます。ここでの消費者への販売とは、家計が費用を負担するものを指し、消費財であっても個人事業者の事業用途の物品購入は原則として含まれません。また、ネットオークション等、インターネットを用いて個人間で取引を行うCtoCや、電子申請、税の電子申告等、政府がサービスを提供し、個人が対価を支払うGtoCについても含まれません。なお、取引金額は、販売サイドの金額(販売額)を捕捉しています。
(イ)ラサールグループ及びJLLのサポートを活用した成長戦略
本投資法人は、ラサールグループの不動産投資に関する世界的実績及び国内における10年以上の先進的な物流施設(注)への開発・投資に係る経験と実績により培われた物流施設の開発・投資・運営のノウハウを、本資産運用会社がスポンサーと締結しているスポンサーサポート契約を通じ、外部成長及び内部成長の両面において活用します。
まず、外部成長において、本投資法人は、我が国において10年以上の賃貸用物流施設の開発・投資・賃貸・運用のトラックレコード(過去の実績)を有するラサールグループからの情報提供を含む多様な物件ソーシングルート(売却物件情報の入手ルート)を活用します。
また、内部成長においても、ラサールグループが賃貸用物流施設の保有・運営を通じて培ってきた、「アクティブアセットマネジメント」(後記「③ 本投資法人の成長戦略/(ウ)内部成長戦略」をご参照ください。)のノウハウを活用します。
これらのノウハウを有するラサールグループ及びその親会社であるJLLの概要は、以下のとおりです。
(注)プライム・ロジスティクス以外の物流施設も含みます。以下同じです。
a. ラサールグループ及びその親会社であるJLLの概要
本資産運用会社の全額出資親会社であるラサール不動産投資顧問株式会社(スポンサー)は、総合不動産サービス会社であるJLLの全額出資子会社であるLIMを中心とする企業グループであるラサールグループに属し、その日本拠点として、事業を展開しています。
(ⅰ)LIMの概要
LIMは、JLLの不動産投資顧問ビジネス部門として、2017年12月末日時点で、米国、欧州及びアジア太平洋地域の17か国24拠点において従業員700名以上の体制で年金基金等の機関投資家を中心とした400以上のプロ投資家(注)に不動産投資運用サービスを提供する世界有数の不動産投資顧問会社です。運用資産残高は約590億米ドル(2017年12月末日時点)の規模であり、そのうちアジア太平洋地域において77億米ドルの運用資産残高(2017年12月末日時点)を有しています。また、物流施設への運用資産残高は88億米ドル(2017年12月末日時点)であり、米国、英国、中国、オーストラリア等世界各国における物流施設の開発・投資実績と経験を有しています。
(注)世界25か国の政府基金、年金基金、保険会社及び事業会社等を含みます。
(ⅱ)JLLの概要
ラサールグループの親会社であるJLL(本社所在地:米国イリノイ州シカゴ、社長兼最高経営責任者:Christian Ulbrich)は、約230年の歴史を持ち、ニューヨーク証券取引所に上場する(上場コード:JLL、時価総額:約68億米ドル(2017年12月末日時点))、不動産ソリューションとサービスを包括的に提供する総合不動産サービス会社です。JLLは、北米を中心に不動産サービス事業を展開してきた米国企業であるラサールパートナーズインク(1968年創業)が、1997年7月にニューヨーク証券取引所に上場した後、欧州及びアジア太平洋地域で200年以上にわたり広範な不動産サービス事業を展開してきた英国企業であるジョーンズラングウートンと1999年3月に合併して、現在の社名になりました。この合併により、両社が保有する不動産サービスに関するノウハウ、商品ラインアップ、顧客基盤、情報ネットワーク及び事業プラットフォームの融合と拡大が図られました。JLLは、2017年12月末日時点において、従業員約8.2万人を擁し、約80か国に拠点を構える世界的ネットワークを構築し、不動産投資関連業務、プロパティ・マネジメント、不動産の売買及び賃貸仲介、不動産マーケットリサーチをはじめとする様々な不動産サービスを提供しており、2017年度の売上高は約67億米ドルです。日本においては、1985年に日本法人を設立して以降約30年間にわたり、グローバルな事業活動を通じて培った知識と経験を活かして包括的な不動産サービスを提供してきました。
(ⅲ)ラサール不動産投資顧問の物流施設への投資実績
ラサールグループの日本法人であるラサール不動産投資顧問は、日本において、2003年に物流施設への投資活動を開始し、それ以降、日本の物流施設に特化した私募ファンドとして、2004年に「JAPAN LOGISTICS FUND Ⅰ」と呼称するファンド、2007年に「JAPAN LOGISTICS FUND Ⅱ」と呼称するファンド、2013年に「JAPAN LOGISTICS FUND Ⅲ」と呼称するファンド、2017年に「JAPAN LOGISTICS FUND Ⅳ」と呼称するファンドの組成等を行い、それらを通じてプライム・ロジスティクスを中心とした物流施設の開発・投資を行ってきました。不動産投資顧問会社として、経済情勢や不動産マーケットの状況にかかわらず投資家から一定の投資リターンを求められてきた中で、継続して運用を行うことができたのは、投資家とのコミュニケーションにより強固な信頼関係を構築するとともに、ラサールグループにおいて長年にわたって培ってきたノウハウをラサール不動産投資顧問が活用してきたためであると本投資法人は考えています。具体的には、ラサール不動産投資顧問は、各種マーケットリサーチ、投資戦略立案及び投資実行(開発又は投資)、アセットマネジメント、リスク管理が包括的に統合された投資プロセスを徹底することに加えて、不動産市場・資本市場・マクロ経済を分析して環境に即した開発・投資戦略を立案する能力及びその戦略を具現化する開発力、外部取得能力、リーシング力を含む運営力、金融機関との強固なリレーションを有しています。ラサール不動産投資顧問は、日本における先進的な物流施設の開発・投資のフロントランナー(先駆者)として、2003年から2018年3月末日までの間に、約213万㎡(延床面積の合計)(注)のプライム・ロジスティクスを中心とした物流施設の開発(計画を含みます。)、及び約157万㎡(延床面積の合計)(注)の物流施設への投資を行ってきました。
(注)開発又は投資の対象となる土地・建物の取得に係る売買契約の締結時点を、開発又は投資の時点としています。したがって、開発又は投資の対象となる土地の取得に係る売買契約を締結済みで、今後開発を予定している物件を含みます。また、累計の開発又は投資の実績を示したものであり、既に売却した資産も含みます。
<日本における先進的な物流施設の開発・投資のフロントランナーとしての実績>b. ラサールグループの日本における物流施設投資戦略(日本の物流施設に着目する背景)
ラサールグループは、全世界で物流施設のみならず、オフィス・商業施設・住宅等の様々な種類の不動産への投資運用を行ってきました。その経験を踏まえて、グローバルな視点で世界の不動産市場・資本市場・マクロ経済を調査した結果、ラサールグループは、日本の先進的な物流施設、特に東京エリア・大阪エリアに所在するプライム・ロジスティクスへの投資は、今後中長期にわたる安定的な収益の成長に資する投資であると考えています。
一方で、下図のとおり、日本の物流施設に占める先進的物流施設(注)の比率は小さい状況です。前記「(ア)東京エリア・大阪エリアに所在するプライム・ロジスティクスへの重点投資/c.プライム・ロジスティクスへの重点投資の背景(消費物流に着目した投資)」記載の先進的物流施設に対するテナントのニーズの高さを踏まえると、日本の物流施設は、全体的に物流事業者や小売事業者等のニーズを吸収しきれておらず、先進的物流施設に対する高い潜在需要を今後も期待できるとラサールグループは考えています。
(注)本書において、日本における「先進的物流施設」とは、不動産投資会社及び不動産開発会社等により開発された延床面積10,000㎡以上で、原則として床荷重1.5t/㎡以上、天井高5.5m以上、柱スパン10m以上で機能的な設計を備えた賃貸用物流施設をいいます。
<日本の先進的物流施設の供給量>出所:CBRE「物流マーケットデータ (2017年Q4)」
(注)上記のグラフは、「固定資産の価格等の概要調査(総務省自治税務局固定資産税課)」及び「建築統計年報(国土交通省総合政策局)」を用いてCBREが推計したものです。2017年3月末日時点における自社所有分を含むすべての倉庫(物流施設以外を含む場合があります。)の総延床面積に対する先進的物流施設の延床面積の合計が占める割合を示しています。
そうした中で、首都圏及び近畿圏は、先進的物流施設の全物流施設に対する比率が低水準である一方で、我が国の消費額の約50%を占めており、ラサールグループでは、消費物流における大きな潜在的需要がある地域として重視しています。そして、上記のとおり、先進的物流施設については、今後さらなる需要が見込まれることから、ラサールグループは当該地域の先進的物流施設に重点的に投資を行っています。
<経済圏別の先進的物流施設の供給量>出所: CBRE「物流マーケットデータ (2017年Q4)」
(注)上記のグラフは、「固定資産の価格等の概要調査(総務省自治税務局固定資産税課)」及び「建築統計年報(国土交通省総合政策局)」を用いてCBREが推計したものです。首都圏及び近畿圏において、2017年3月末日時点における自社所有分を含むすべての倉庫(物流施設以外を含む場合があります。)の総延床面積に対する先進的物流施設の延床面積の合計が占める割合を示しています。上記の「首都圏」とは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県及び茨城県をいい、「近畿圏」とは、大阪府、京都府及び兵庫県をいいます。
c. 物流施設マーケット概況
物流施設のマーケットについては、国内の物流施設の大半が、先進的物流施設という概念が登場する以前に開発されたため、高度な流通加工業務に対応した物流施設は15~20年前までほとんど供給されておらず、先進的物流施設に更新する強い需要が存在しているものと、本投資法人は考えています。
<倉庫着工建築面積の推移>出所:国土交通省総合政策局「建築着工統計調査」を基に本資産運用会社にて作成
(注)上表は、「建築着工統計調査」における各年度の民間建築主による倉庫を使途とする着工建築物の床面積を集計した値を基に作成しています。
また、今後多くの物流施設が順次建替時期を迎え、毎年一定量の物流施設が建て替えられると想定されます。この建替需要により、物流施設の需給は安定し、先進的物流施設への需要も堅調に推移することが期待されます。
<建替時期を迎える物流施設の推移>出所:国土交通省総合政策局「建築着工統計調査」を基に本資産運用会社にて作成
(注)上表は、「建築着工統計調査」における民間建築主による倉庫を使途とする着工建築物について、その経済的耐用年数を50年と想定し、各年度において当該経済的耐用年数を迎える倉庫の床面積の合計を記載しています。
さらに、サードパーティロジスティクス(3PL)(注)市場は、事業会社による物流アウトソーシングに対するニーズの増加に伴い拡大傾向にあります。また、3PL事業者の多くは大量の荷主を適切に組み合わせ、プロセス改善を行う必要があるため、先進的物流施設を選好する傾向があり、今後も先進的物流施設のニーズは拡大するものと考えられます。
(注)「サードパーティロジスティクス(3PL)」とは、顧客企業からそのサプライチェーン管理機能の一部又は全部を請け負う物流サービスをいいます。
<日本の3PL市場規模の推移>出所:CBRE「物流マーケットデータ (2016年Q2)」及びライノス・パブリケーションズ「月刊ロジスティクス・ビジネス(2017年8月号)」を基に本資産運用会社にて作成
(注)上表における各年度の市場規模は、各年度において月刊ロジスティクス・ビジネスの調査対象となった事業者の、国内における3PL事業売上高の各年度合計額を示すものです。各年度における調査対象事業者数は異なります。
(ウ)強固な財務体質の構築
本投資法人は、中長期的な収益の維持・向上及び運用資産の規模の成長と投資主価値の向上を実現することを目的として、金融環境の変化に適応しうる、中長期的視野に立った強固な財務体質の構築を基本方針とします。具体的には、本投資法人の資産総額のうち有利子負債総額の占める割合(以下「LTV」といいます。)は、原則として60%を上限としますが(注)、50%前後を平常時の運用における上限の目途とします。また、ラサールグループの過去の日本における投資実績等を活用してメガバンクを中心とする複数の金融機関との強固かつ安定的な取引関係を構築し、有利子負債について、借入期間の長期化、返済期限の分散化、金利の固定化及びバンクフォーメーションの分散化を図ることによって、リファイナンスリスク及び金利変動リスクの低減を目指します。
(注)新規投資や資産評価の変動等により、一時的に60%を超えることがあります。
(エ)最適なキャッシュ・マネジメント
本投資法人は、減価償却費計上額に比して資本的支出必要額が少額に留まる傾向にあるという物流施設の特性を踏まえ、減価償却費相当額の手元資金をその時々の状況に応じて最適に配分する方針です。
具体的には、有利子負債返済による強固な財務体質の構築、新規物件取得資金への充当による成長力強化、修繕や資本的支出への活用による保有物件の競争力の維持・強化、利益を超える金銭の分配(出資の払戻し)の実施等が考えられます。
利益を超える金銭の分配(出資の払戻し)に関しては、保有資産価値及び財務の健全性が維持される範囲内で、当該分配を実施する計算期間の直前の計算期間の末日に計上する減価償却費の100分の30に相当する金額を目途として、原則として毎期継続的に実施する方針です。また、継続的利益超過分配に加え、一時的利益超過分配を実施できるものとしています。なお、一時的利益超過分配を実施する場合の継続的利益超過分配及び一時的利益超過分配の合計の分配金水準は、対象となる計算期間の減価償却費の100分の40に相当する額を上限の目途とします。
(オ)投資主利益と透明性を重視した運用体制
本投資法人は、その資産運用に際し、投資主の利益とラサールグループの利益の一体化を可能な限り図りつつ、利益相反対策と第三者性を確保した運用体制を採用することとし、以下の2つを中心的な枠組みとしたうえで、中立的かつ透明性の高いガバナンス(企業統治)体制の整備・充実を図る方針です。
a.利害関係者取引における本資産運用会社の意思決定フロー
利害関係者取引に係る意思決定においては、コンプライアンス委員会及び投資委員会における外部委員の賛成並びに投資法人役員会の承認を条件としています(注)。
<利害関係者取引における本資産運用会社の意思決定フロー>(注)上図は、投信法に基づき投資法人役員会の承認を要する利害関係人等との取引に該当する場合の意思決定フローです。本資産運用会社の意思決定フローの詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/(4)本資産運用会社の社内規程による利害関係者との取引制限」をご参照ください。
b.1口当たり利益に連動した運用報酬体系の採用
本投資法人は、本資産運用会社に支払う資産運用報酬の一部が本投資法人の1口当たり利益に連動する報酬体系を採用しています。かかる運用報酬体系の詳細は、後記「4 手数料等及び税金/(3)管理報酬等/③ 本資産運用会社への支払報酬」をご参照ください。
c. ラサールグループ及びJLLによる本投資法人への出資(セイムボート出資)
スポンサーは、スポンサーサポート契約に基づき、本投資法人が新たに投資口を発行する場合には、当該新投資口の一部を取得することについて真摯に検討を行い、又はJLLが直接的若しくは間接的に株式の過半数を保有する会社に対して、かかる検討を行うよう働きかけます。また、スポンサーは、本投資法人の発行する投資口を新規に取得した場合、当面の間、本投資法人の投資口を保有します。スポンサーは、JLLが直接的若しくは間接的に株式の過半数を保有する会社が本投資法人の発行する投資口を新規に取得した場合、当該会社に対して、当面の間、本投資法人の投資口を保有させるよう努めます。
③ 本投資法人の成長戦略
(ア)ラサールグループのスポンサーサポート体制
a. ラサールグループのノウハウの活用
ラサールグループは、物流施設の開発及び外部取得から運営までを内製化することにより、先進的な物流施設の開発・投資のフロントランナーとして、専門性を活用した付加価値を提供することができるノウハウを有しています。
具体的には、ラサールグループは下記のノウハウを有しています。
ⅰ)不動産市場・資本市場・マクロ経済をグローバルな視点から分析するリサーチプラットフォーム(組織化された調査部門)
ⅱ)物流施設の開発・投資に際し、不動産市場、資本市場、開発リスク、ファイナンス、リーシング(賃貸営業活動)、運営等様々な視点からの事業収支(ビジネスプラン)を構築するファンドマネジメントの能力
ⅲ)投資家・金融機関とのコミュニケーションを通じて培われた強固な信頼関係と、投資対象の特性・調達環境を勘案し、適切な資金調達を行う能力
ⅳ)10年以上の物流施設の開発及び投資の経験と実績に裏付けられた目利き力を活用した物流施設開発のための用地取得能力及び収益物件の外部取得能力
ⅴ)開発チームによる物流施設のプランニング、物流施設の仕様の作り込み及び建設コストマネジメントにおける能力
ⅵ)賃貸市場動向に係るマクロ要因と物件固有のミクロ要因を精査し、付加価値を創造するアセットマネジメント及びリーシングのノウハウ
<ラサールグループのノウハウ>本投資法人は、ラサールグループの先進的な物流施設の開発・投資のフロントランナーとしての高い専門性に基づく上記ノウハウを活用することにより、中長期にわたる安定した収益の確保と投資主価値の向上を図ることができると考えています。このノウハウの活用を企図して、本資産運用会社は、スポンサーとスポンサーサポート契約を締結し、本投資法人は、スポンサーと商標使用に関する覚書を締結しています。両契約を通じ、ラサールグループが培ってきたノウハウ、投資家・金融機関との信頼関係、リーシングネットワーク、ブランド力等を最大限に活用します。
b. 投資主価値の向上に資するラサールグループのサポート
本書の日付現在、本資産運用会社は、スポンサーとの間でスポンサーサポート契約を締結しており、本投資法人は、下記のサポートの提供を受けます。また、本投資法人は、スポンサーとの間で、本書の日付現在、商標使用に関する覚書を締結しています。本投資法人は、かかる契約に基づく以下に記載するラサールグループのサポートにより、投資主価値の向上を図ります。スポンサーサポート契約及び商標使用に関する覚書の内容の詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/(5)利害関係人等との取引状況等」をご参照ください。
(ⅰ)保有物件の売却情報の提供・優先交渉権の付与
ラサールファンドが日本において保有・運用する不動産等(用途が物流施設であるものに限ります。)につき、ラサールファンドが売却をしようとする場合、スポンサーが、当該不動産等のうち本投資法人に提供することが適当であると判断した場合に、不動産等に係る売却情報の提供を受けます。また、「JAPAN LOGISTICS FUND Ⅳ」については、当該ファンドが保有する一定の不動産等の売却時において、本投資法人(又は本資産運用会社が本投資法人のために指定する他の法人)に、優先交渉権が付与されます。
(ⅱ)第三者保有物件の売却情報の提供
スポンサーが、第三者が日本において保有・運用する不動産等(用途が物流施設であるものに限ります。)の売却情報のうち本投資法人に提供することが適当であると判断した売却情報を入手した場合に、当該情報を本資産運用会社に提供します。
(ⅲ)ウェアハウジング(注)機能の提供
本資産運用会社は、第三者が保有・運用する不動産等の一時的な保有のアレンジをスポンサーに依頼することができます。かかる一時的な保有は、本投資法人の将来における当該不動産等の取得に向けたウェアハウジングを行うことを主たる目的とします。
(注)本書において「ウェアハウジング」とは、本投資法人が取得を予定する資産について、収益の安定化や取得時期の調整を行うためにブリッジファンドに先行取得させることをいいます。
(ⅳ)人材供給
スポンサーは、本投資法人から受託する資産運用業務の遂行に必要な不動産運営管理の知識及びノウハウ等を本資産運用会社に可能な限り活用させることを目的として、人材の確保に合理的な範囲で協力を行います。
(ⅴ)投資口の継続保有
スポンサーは、本投資法人が新たに投資口を発行する場合には、当該新投資口の一部を取得することについて真摯に検討を行い、又はJLLが直接的若しくは間接的に株式の過半数を保有する会社に対して、かかる検討を行うよう働きかけます。また、スポンサーは、本投資法人の発行する投資口を新規に取得した場合、当面の間、本投資法人の投資口を保有します。スポンサーは、JLLが直接的若しくは間接的に株式の過半数を保有する会社が本投資法人の発行する投資口を新規に取得した場合、当該会社に対して、当面の間、本投資法人の投資口を保有させるよう努めます。
(ⅵ)市場分析等の情報の提供サービス
スポンサーは、本資産運用会社からの要請に応じて、本資産運用会社が本投資法人から受託する資産運用業務(リサーチ関連業務、投資戦略に資する情報提供業務等)に関し、業務受託を行います。
(ⅶ)ロジスティクス・サービス
スポンサーは、本資産運用会社に対して、ロジスティクス・サービス業務(リーシング戦略立案、マーケティング資料作成、プロモーション・イベント企画開催、仲介業者とのリレーション構築、既存テナントの要望・クレーム対応、需要調査等)及びテナント招致業務を提供します。
(ⅷ)事務・総務等のサポート
以上のほか、本資産運用会社は、その事務・総務等について、スポンサーからサポートを受けることができるBusiness Operations Support Agreementを締結しています。
<ラサールグループのサポート>(イ)外部成長戦略(物件ソーシングルートの多様化に資するラサールグループのサポート体制)
<多様な物件ソーシングルートの活用>本投資法人は、ラサールグループから提供される物件情報、ウェアハウジング機能及び本資産運用会社独自の物件情報取得能力を最大限活用し、外部成長戦略を展開します。本投資法人は、スポンサーサポート契約に基づき、ラサールファンドの保有物件につき売却情報の提供を受けることができるため、ラサールファンドからのソーシングと第三者からのソーシングの両方を活用した多様なソーシングルートを有しています。また、物件取得にあたっては、ブリッジファンド(ウェアハウジングを行う目的で組成されるファンド)のウェアハウジング機能を活用し、将来の取得機会及び柔軟性を確保することも可能です。
<安定稼働化した物件の本投資法人への集約>ラサールグループでは、本投資法人及びラサールファンドの投資対象を明確に分けた投資戦略により、本投資法人の外部成長の実現を図ります。具体的には、本投資法人は安定稼働化したコアアセット(注)に投資し、ラサールファンドは開発物件及び低稼働物件を中心に投資します。
また、本投資法人は、上記のラサールグループからの多様なソーシングルートを活用することで、安定稼働化した物件をラサールファンドから選別して取得することが可能となります。本投資法人は、ラサールファンドとは異なり、安定稼働化した物件のみを取得することで、外部成長の実現を図ります。また、ブリッジファンドによるウェアハウジング機能等を活用することで、安定稼働化した物件の本投資法人への集約を図ります。
(注)「コアアセット投資」とは、コアアセットを対象とした不動産投資スタイルをいいます。「オポチュニスティック投資」とは、期待リターンの源泉を開発リスク等のリスクテイクや市場動向予測に基づいた不動産の売買によるキャピタルリターンにおく不動産投資スタイルをいいます。
<ラサールグループの物件開発及び取得実績>外部成長戦略において本投資法人がラサールグループのサポートを受けることによる強みは以下のとおりです。
ラサールグループは、日本における10年以上の物流施設の開発及び投資経験により培った「ファンド機能」、「デベロッパー機能」及び「インベスター機能」を強みとして有していると本投資法人は考えています。
<ラサールグループが有する強み>下表はラサールグループが日本の物流マーケットに参入した2003年以降の物流施設に対する累積開発・投資実績です。ラサールグループは、2007年の米国サブプライムローン問題に端を発した金融危機により日本の経済環境が低迷し、国内投資家の投資意欲が減退した時期においても、物流施設への開発・投資を継続的に実施し、実績を積み上げてきました。
ラサールグループは、グローバルに事業展開する不動産投資顧問会社として、私募ファンド形態で国内外の投資家から幅広い属性の投資資金(投資スタイル・リスク許容度等)を集めて運用する「ファンド機能」を有しています。マクロ環境や金融環境等が悪化し、物流施設の開発・投資の市場全体が減速する局面においても、自己資金に制約されることなく、多様な資金属性の投資家とのネットワークを有している強みを活かすことにより継続的な開発・投資を可能にしています。
加えて、先進的な物流施設を開発し、開発パイプラインの拡大に貢献する「デベロッパー機能」や高い目利き力を活用して外部取得を実行する「インベスター機能」を備えており、豊富な物件取得実績を有しています。
ラサールグループは、これらの機能を複合的に活用することで自己資金量に影響を受けることなく、安定的かつ持続的な物流施設の開発・投資が可能となり、常時、一定のパイプラインの供給力を確保できると本投資法人は考えています。
<ラサールグループの日本における物流施設の累積開発・投資実績>出所:開発及び投資については、ラサール不動産投資顧問の作成資料、東証REIT指数については、Quickを基に本資産運用会社にて作成
(注1)上記のグラフは、土地・建物の取得に係る売買契約の締結時点を開発又は投資の時点として作成しています。したがって、土地の取得に係る売買契約を締結済で、今後開発を予定している物件を含みます。
(注2)上記のグラフは、ラサールグループの累積開発・投資実績を示したものであり、既に売却した資産を含みます。
(注3)延床面積は、確認済証及び図面等に基づいて記載しており、登記上の面積と一致しない場合があります。
本投資法人は、ラサールグループが有する上記パイプラインの供給力を、スポンサーサポート契約を通じて活用することで、マーケット環境の影響を最小限に抑えた長期的・継続的な外部成長が可能であると考えています。
(ウ)内部成長戦略
本投資法人は、スポンサーサポート契約に基づき提供を受ける人材や利用可能な情報を通じて、ラサールグループのノウハウであるアクティブアセットマネジメントを活用して内部成長の実現を目指します。ラサールグループのアクティブアセットマネジメントの概要、及びアクティブアセットマネジメントのノウハウの活用実績は、以下のとおりです。
a. アクティブアセットマネジメントの概要
アクティブアセットマネジメントとは、市場賃料や空室率などの賃貸市場動向に関わるマクロ要因と、テナントの賃貸借条件や施設の管理運営状況等の各物件に固有のミクロ要因を精査することを通じて、保有物件における付加価値創出の機会を見つけ出し、キャッシュ・フローの増加に結び付けていく運営手法の総称です。本投資法人は、アクティブアセットマネジメントのノウハウを活用することで、中長期にわたる収益の安定成長を図ります。具体的には以下のとおりです。
<リーシング>・ラサールグループは物流施設のリーシングに豊富な経験を有する専属のリーシングチームを擁しており、これまで長年の物流施設のリーシングと運営を通じて、独自のテナントリレーション(注1)やネットワークを築いてきました。テナント営業活動においては、外部の賃貸仲介業者からの情報を活用するだけでなく、ラサールグループに蓄積されたダイレクトリーシング(注2)のノウハウを活用することによって、的確かつ効果的なリーシング戦略の遂行が可能となります。
・保有物件の所在するエリアの市場賃料、空室率の動向といった物流マーケットに関する分析のみならず、地域の産業、雇用状況等も分析した上でリーシング戦略を立案し、ラサールグループの豊富なリーシング実績とそれによって培われたテナントとの強固なリレーションを梃子に、その着実な遂行を進めます。
・テナントとの賃貸条件の協議においては、テナントの施設移転スケジュールや内部造作等のニーズを把握することのみならず、テナントの業界の動向や物流施設に対するラサールグループの知見を踏まえた課題解決型の提案を行うことによって、より良い賃貸条件での成約に繋げます。
・マルチテナント型の物流施設においては、テナント構成や賃貸期間の分散を図ることに加え、テナントとの強固なリレーションを通じて、潜在的な館内増床や部分解約のニーズを把握し、そのマッチングを図ること等を通じて、空室リスクのコントロールを図ります。
(注1)本書において、「テナントリレーション」とは、テナントとの長期継続的な信頼関係をいいます。
(注2)本書において、「ダイレクトリーシング」とは、仲介業者やプロパティ・マネジメント会社(以下「PM会社」といいます。)を介さず、ラサールグループのリーシングチームがテナントに対して直接コンタクトを行い、新規契約、契約の更新等を行うことをいいます。
<運営・資本的支出>・ラサールグループの有する物流施設の運営ノウハウを最大限に活用し、建物管理仕様の見直しによる施設管理の効率化や外部業者の入替えを通じて、運営費用の低減を追求します。その実現のために、本投資法人はスポンサーや特定の企業に依存することなく、常に客観的な視点で外部業者の選定を実施します。
・経年により物理的・機能的な陳腐化が進み、物件の競争力低下が見られる場合は、ラサールグループが過去において実施してきたリノベーションのノウハウを活用することで、長期的な視点に基づき戦略的な資本的支出によるリノベーションを実施し、施設の機能性の回復・向上を通じた付加価値の創出に努めます。
本投資法人では、このようなアクティブアセットマネジメントを通じて、本投資法人のポートフォリオの稼働率及び賃料水準の維持・向上、賃貸費用の抑制を図り、中長期にわたる収益の安定成長を目指します。
<アクティブアセットマネジメントの概要>b. アクティブアセットマネジメントのノウハウの活用実績
<リーシング実績>ラサールグループは、ラサールグループに蓄積された前記のダイレクトリーシングのノウハウを活用することによって、リーマンショック後の物流賃貸市場の低迷期も含めて、マーケット環境の変動に左右されず着実にテナントの誘致を実現してきました。
<マーケット環境に左右されない着実なリーシング実績><バリューアップ実績>ラサールグループは前記のアクティブアセットマネジメントのノウハウを活用し、物流施設のリノベーションとテナントの入替えによる賃料増額により、バリューアップを実現した実績を有しています。
その一例として、下記の事例(東京都江東区辰巳に所在の物流施設)においては、既存テナントから賃料減額の要請を受けたものの、エリアの空室率や募集賃料の動向、今後の需給バランスの見通しを精査した結果、現行賃料が割安な水準にあると判断し、テナントの入替えによる増収を図りました。
この事例では、既存テナントの退去が決定した後、より多様な荷物に対応できるよう、防塵塗装や貨物用エレベーターの入替え等を実施し、建物の耐久性向上や庫内作業員の作業効率向上に資する外壁全面塗装、照明の更新等を行い、物件の競争力の強化を図りました。並行して、専属のリーシングチームが、独自のテナントリレーションやネットワークを活用したリーシング営業を推進し、市場ニーズの発掘に努めたことにより、既存テナントの契約満了による退去前に、新規テナントから入居の申込を確保することに成功しました。この結果、物理的・機能的な陳腐化が見られた物件について、最小限のダウンタイムで新規テナントと長期賃貸借契約を締結し、リノベーション前対比で約4%の賃料増額を実現するとともに、普通借家契約から定期借家契約への切替えを行い、バリューアップを実現しました。
<アクティブアセットマネジメントのノウハウの活用によるバリューアップ実績事例>(注)上記の物件は、本書の日付現在、本投資法人が取得を予定している資産ではなく、今後取得できる保証もありません。
④ ポートフォリオ構築方針
本投資法人のポートフォリオ構築方針は以下のとおりです。
(ア)投資エリア
本投資法人は、地理的分散、人口分布、域内総生産、域内物流動向、港湾等の物流ハブ機能及び道路網等を考慮し、消費地(人口集積地)へのアクセスや、幹線道路及び幹線道路の結節点への近接性等を有する物流施設を中心に投資します。各投資エリアに対する投資比率(取得価格ベース)の目安は以下のとおりです。東京エリア及び大阪エリアを中心としつつ、他の地域にも分散投資することで、安定的なポートフォリオを構築することを目指します。
(注)投資比率は、取得価格ベースにて算出します。
(イ)投資基準
本投資法人は、規模、立地、テナント、建物、サスティナビリティ及びキャッシュ・フローの安定性について、下表に記載の観点から総合的に判断し、長期かつ安定的な成長に資する物件への投資を行い、プライム・ロジスティクスを中心としたポートフォリオの構築を行います。
(注1)「PML値」とは、想定した予定使用期間(50年=一般的建物の耐用年数)中に想定される最大規模の地震(475年に一度起こる可能性のある大地震=50年間に起こる可能性が10%の大地震)によりどの程度の被害を被るかを、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示したものをいい、PML値が15%とは、当該建物が100億円の場合、想定される最大規模の地震が起きたときにその建物の補修に必要な費用が90%の確率で、15億円以下に収まることを意味します。
(注2)本書において「トラックバース」とは、トラックと倉庫の間で荷物の積卸しをするために、物流施設内でトラックを着車するスペースをいいます。
(注3)本書において「ドッグレベラー」とは、トラックバースに着車したトラックの荷台と倉庫床の高さに差があるときに、レベルの差を解消するための機械をいいます。
(ウ)デュー・ディリジェンス基準
投資対象となる不動産関連資産の投資適格性を判断するために、以下の項目を中心に物件調査(デュー・ディリジェンス)を行います。
(注)土壌汚染の履歴が存在した場合、土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改定を含みます。)(以下「土壌汚染対策法」といいます。)及び関連するその他の環境関連法令、地方自治体の条例又は指導内容に従って、土壌汚染等が適切に処理されているか調査を行います。
(エ)フォワード・コミットメント等を行う際の留意点
フォワード・コミットメント(先日付での売買契約であって、契約締結日から1ヶ月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うことを約する契約をいいます。以下同じです。)及びその他これに類する契約を締結する場合には、以下の点に留意することとします。また、先日付の買付け意向表明等を行う場合も、当該意向表明が取引への実質的な拘束力を持つ場合、これに準じた取扱いを行うこととします。
a.フォワード・コミットメント等を行った事実及び設定理由、解約条件並びにフォワード・コミットメント等を履行できない場合における本投資法人の財務への影響を適切に公表するものとします。
b.市場環境、資金調達環境及び本投資法人の事情等を勘案した上で必要に応じて随時策定する、フォワード・コミットメント等を行った物件の取得額及び契約締結から物件引渡しまでの期間の上限並びに決済資金の調達方法等についてのルールを遵守するものとします。また、上場廃止要件も踏まえ、配当原資に比して過大な解約違約金を要するフォワード・コミットメント等となることのないよう慎重に検討するものとします。
c.フォワード・コミットメント等を行った物件のコミットメント期間中の価格変動リスクが投資法人に帰属することに鑑み、保有物件の継続鑑定等と併せて、当該物件の継続鑑定等の結果(当該物件が未竣工建造物であり、鑑定評価が取得できない場合は、価格調査の結果)を公表するものとします。
⑤ ポートフォリオ運営管理方針
長期的な安定運用を図るため、本投資法人の保有する不動産又は信託受益権の信託財産である不動産に関し、計画的な修繕や改修を実施し、資産価値や競争力の維持・向上及び収益の拡大に努めます。
(ア)テナント管理及び賃貸方針
テナントと継続的なコミュニケーションを図り、テナントの動向やニーズの把握を通じて適切かつ迅速な対応策を実施することで、テナントの満足度向上と信頼関係の構築を図り、収益の安定的な成長を目指します。特に、テナントが退去する際には、ラサールグループのテナントリレーション及びネットワークを最大限活用し、早期に新たなテナントとの契約締結に努めることで、中長期的な安定収益の確保を目指した運用を行います。
また、ラサールグループのテナントリレーション及びネットワークの活用にあたっては、ラサール不動産投資顧問とスポンサーサポート契約を締結することで、国内外の物流施設に関する情報収集及び分析、運用資産の運営・管理等に関する助言を受けることができ、効率的なリーシング活動が可能になると考えます。
テナントとの契約については中長期の賃貸借契約を基本としますが、賃貸借契約の更新に当たっては、ポートフォリオ全体の契約条件や市場賃料、物件特性等を念頭において、テナントの与信状況を踏まえて適正な賃料水準、契約期間、その他の諸条件を設定して契約更新を行います。
(イ)プロパティ・マネジメント(PM)会社の選定・モニタリング
不動産運営管理業務は、法令で定められている範囲においてPM会社を選定し、これを委託します。PM会社の選定に当たっては、物流施設に係る運営・管理の経験・実績等を総合的に勘案し、ラサールグループか否かを問わず、不動産毎に最適と考えられるPM会社を選定します。
また、上記業務委託については、本資産運用会社の「外部委託・評価基準」に基づき、業務水準等の評価を定期的に行い、適正な業務遂行及び報酬レベルが維持できない場合は、契約の解除を行うこと又は契約の更新を行わないことを検討します。
(ウ)大規模修繕等
運用不動産の物理的・機能的価値の維持・向上及び経年劣化による運用不動産の競争力の低下等を回避するため、必要な大規模修繕及び資本的支出等を適宜実施します。
テナントからの要請、テナントの満足度向上及び新規テナントの誘致に対応するため、必要なリニューアル工事及び資本的支出を行うことがあります。
また、テナントからの要請及び運用不動産に対する賃借ニーズに応えるため、建物の増床、増築及び建替えを行うことがあります。
大規模修繕等を行うにあたっては、原則として個別物件の減価償却費のみならずポートフォリオ全体の減価償却費も勘案して行うものとします。
(エ)付保方針
不動産関連資産への投資にあたっては、火災等の災害や事故等による建物の損害及び収益の減少、対人・対物事故による第三者からの損害賠償請求等に対応するため、すべての投資不動産に対し適切な損害保険(火災保険、施設賠償保険、利益保険等)の付保を行います。
地震による損害に関しては、専門家による地震リスク診断に基づき地震により生じる建物の損害や収益の大幅な減少に関して地震保険の付保の要否を検討・判断します。個別不動産のPML値が15%を超える場合には、地震発生時に予想される各運用不動産及びポートフォリオ全体に与える影響と、保険料負担が収益に与える影響を比較検討した上で、地震保険の付保の要否について決定します。
⑥ 売却方針
原則として短期的な物件の売却は行いませんが、ポートフォリオ全体の構成、テナントのニーズの変化、個別物件の状況、収益性の見通し、周辺環境の変化等を総合的に判断した結果、当該物件の売却がポートフォリオの収益の安定に資するものと判断した場合には、適切な時期での売却を検討することがあります。
⑦ 財務方針
中長期的に安定的な財務基盤を構築するため、分散されバランスの取れたバンクフォーメーションの構築、返済期限の分散化、借入期間の長期化及び金利の固定化を図ります。その上で、LTV及び財務コストの安定化を図るため、機動的に多様な資金調達を行います。
また、本投資法人が投資対象とする物流施設が有する特性(計算期間毎に減価償却費として計上される金額に対して実際に必要とされる資本的支出の金額は少額に留まる傾向にあること等)を踏まえ、資金効率の向上に向けた最適なキャッシュ・マネジメントを図っていく方針です。
(ア)デットファイナンス
本投資法人は、運用資産の着実な成長並びに運用における効率性及び安定性に資するため、資産の取得若しくは修繕等、分配金の支払又は債務の返済(敷金及び保証金の支払、借入金の返済並びに投資法人債の償還を含みます。)等の資金手当てを目的として、借入れ又は投資法人債(短期投資法人債を含みます。以下同じです。)の発行を行うことができます。但し、短期投資法人債の発行により調達した資金の使途又は目的については、法令に定める範囲に限るものとします。なお、資金を借り入れる場合は、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)(以下「金融商品取引法」といいます。)第2条第3項第1号に規定する適格機関投資家(租税特別措置法(昭和32年法律第26号。その後の改正を含みます。)(以下「租税特別措置法」といいます。)第67条の15第1項第1号ロ(2)に定める機関投資家に限ります。)からの借入れに限るものとします。
本投資法人は、運用資産を担保として提供することができるものとします。
借入金及び投資法人債発行の限度額は、それぞれ1兆円とし、その合計額が1兆円を超えないものとします。
また、借入れにあたっては、ラサールグループと金融機関との強固な関係を活かし、取引銀行との関係強化を図るとともに、資金調達の安定化のためのコミットメントラインを含む多様な借入方法を検討の上、固定・変動比率や返済期限の分散等に配慮して借入れを行うものとします。
さらに、本投資法人は、本書の日付現在、以下の発行体格付(発行体の将来の信用力に関する信用格付業者の意見)及び債券格付を取得しており、今後も資金調達手段の多様化に資する投資法人債の発行を検討していきます。なお、本投資法人の投資口(以下「本投資口」といいます。)について、本投資法人の依頼により、信用格付業者から提供され若しくは閲覧に供された信用格付、又は信用格付業者から提供され、若しくは閲覧に供される予定の信用格付はありません。
(注)第1回、第2回、第3回、第4回及び第5回無担保投資法人債に対する格付です。
(イ)エクイティファイナンス
本投資法人は、資産の取得、修繕の実施、分配金の支払、運営に要する費用の支払又は債務の返済等の資金の手当てを目的として、投資口の追加発行を機動的に行います。
また、投資口の追加発行を行うにあたっては、本投資法人の財務状況、投資口の希薄化、投資主価値の向上等を十分考慮に入れるものとします。
さらに、本投資法人は、金融市場等の環境変化に応じ、多様な資本政策手法を活用して投資主価値の向上を図るものとします。
(ウ)有利子負債比率(LTV)
本投資法人の資産総額のうち有利子負債総額の占める割合は、原則として60%を上限としつつ、50%前後を平常時の運用における上限の目途とします。但し、新規投資や資産評価の変動等により一時的にかかる水準を超えることがあります。
(エ)デリバティブ取引
本投資法人の借入等に係る金利変動リスクその他のリスクをヘッジすることを目的として、金融商品取引法第2条第20項に規定するデリバティブ取引に係る権利への投資を行うことができます。
(オ)キャッシュ・マネジメント
本投資法人が投資対象とする物流施設は、計算期間毎に減価償却費として計上される金額に対して実際に必要とされる資本的支出の金額は少額に留まる傾向にあります。
本投資法人は、こうした物流施設の特性を踏まえ、減価償却費相当額の手元資金をその時々の状況に応じて最適に配分する方針です。
具体的な活用方法としては、
・有利子負債返済による強固な財務体質の構築
・新規物件取得資金への充当による成長力強化
・修繕や資本的支出への活用による、保有物件の競争力の維持・強化
・利益を超える金銭の分配(出資の払戻し)の実施等が考えられます。
⑧ 情報開示方針
本投資法人は、金融商品取引法、投信法その他の適用法令並びに東京証券取引所及び一般社団法人投資信託協会(以下「投信協会」といいます。)の規則等に従い、適切に投資家に対する情報開示を行います。
① 本投資法人の基本理念
本投資法人は、物流施設を投資対象とし、その中でも東京エリア・大阪エリア(注1)に所在する「プライム・ロジスティクス」(注2)への重点投資を通じて、質の高いポートフォリオを構築します。
世界有数の不動産投資顧問会社であるラサールグループに属するラサール不動産投資顧問をスポンサーとする本投資法人は、ラサールグループのグローバルな不動産投資の知見と日本の物流施設への豊富な開発・投資実績に支えられた運用力を活用することで、キャッシュ・フローと資産価値の長期安定的な成長を目指し、投資主価値の向上を図ります。
(注1)本書において、「東京エリア」とは、東京 60km 圏内(JR東京駅から60㎞圏内)の地域をいい、「大阪エリア」とは、大阪 45km 圏内(JR大阪駅から45㎞圏内)の地域をいいます。以下同じです。
(注2)本書において、「プライム・ロジスティクス」とは、物流適地に所在する大規模・高機能な物流施設をいいます。以下同じです。詳細につきましては、後記「② 本投資法人の基本方針 ~本投資法人の特徴~/(ア)東京エリア・大阪エリアに所在するプライム・ロジスティクスへの重点投資/b.投資対象施設~プライム・ロジスティクス~」をご参照ください。
② 本投資法人の基本方針 ~本投資法人の特徴~
(ア)東京エリア・大阪エリアに所在するプライム・ロジスティクスへの重点投資
a. 投資対象地域~東京エリア・大阪エリアへの重点投資~
本投資法人は、東京エリア・大阪エリアを重点的な投資対象地域としています。
具体的なエリア別投資比率の目途は以下のとおりです。
| エリア | 投資比率(注) |
| 東京エリア(東京60km圏内) 大阪エリア(大阪45km圏内) | 合計80%以上 |
| その他 | 20%以下 |
(注)投資比率は、取得価格ベースにて算出します。
上記エリアを内包する一都三県(東京都、神奈川県、埼玉県及び千葉県をいいます。以下同じです。)及び京阪神(大阪府、京都府及び兵庫県をいいます。以下同じです。)は、世界有数の人口、経済規模を有していることに加え、国際コンテナ戦略港湾である京浜港、阪神港や成田国際空港、関西国際空港等といった物流ハブ機能を擁し、その物流ハブ機能と日本の主要都市圏が高速道路網で繋がれている物流の結節点であるため、物流施設への大きな需要が見込まれる地域であると本投資法人は考えています。また、後記「c.プライム・ロジスティクスへの重点投資の背景(消費物流に着目した投資)」のとおり、本投資法人は、物流施設のなかでも「消費物流」に適した施設がより安定的な稼働を期待できると考えており、消費地(人口集積地)へのアクセスに優れていることは、物流施設への投資対象地域として重要な要素であると考えています。
具体的には、一都三県及び京阪神における消費額は我が国の消費額の約50%(注)を占め、消費物流における大きな潜在的需要を有するため、今後、本投資法人が投資対象とする物流施設への強い需要が見込まれる地域と本投資法人は考えています。
そこで、本投資法人は、その地理的な重要性を踏まえ、かつ、主要な消費地(人口集積地)を多く包含していることも勘案し、東京エリア・大阪エリアへの重点投資を行い、中長期にわたる収益の安定成長を目指します。
(注)2018年1月における数値です。以下同じです。詳細は下記「<経済圏別消費額の割合>」のグラフをご参照ください。
<経済圏別消費額の割合>出所:経済産業省「商業動態統計調査」を基に本資産運用会社にて作成
(注1)2018年1月の百貨店及びスーパーの販売額を一都三県、京阪神及びその他の区分ごとに集計して記載しています。各区分の割合は、各区分の消費額の合計に占める割合を、小数点以下を四捨五入して記載しています。したがって、各区分の割合の合計が100とならない場合があります。
(注2)当該調査の対象となった「百貨店」及び「スーパー」とは、従業者50人以上の小売事業所をいい、そのうち「百貨店」とは、日本標準産業分類の百貨店、総合スーパーのうち、後記の「スーパー」に該当しない事業所であって、かつ、売場面積が東京特別区及び政令指定都市で3,000㎡以上、その他の地域で1,500㎡以上の事業所をいいます。また、「スーパー」とは、売場面積の50%以上についてセルフサービス方式を採用している事業所であって、かつ、売場面積が1,500㎡以上の事業所をいいます。
b. 投資対象施設~プライム・ロジスティクス~
本投資法人は物流施設を投資対象としますが、その中でも、「物流適地」(後記「(i)物流適地へのこだわり」をご参照ください。)に所在する、「大規模・高機能」な物流施設を「プライム・ロジスティクス」と呼称し、中長期にわたり安定した収益を期待できる資産として重点投資を行います。
| <「プライム・ロジスティクス」の特徴> | ||
| 物流適地に所在 | ||
| 消費地(人口集積地)へのアクセスに優れていること | ||
| 幹線道路及び幹線道路の結節点に近接していること | ||
| 24時間物流施設の運営が可能な工業系用途地域に所在すること | ||
| 雇用確保の観点から公共交通機関から徒歩でのアクセスが容易であること | ||
| 大規模・高機能 | ||
| 大規模 | ||
| 物流拠点の集約・統合ニーズの受け皿となりうる規模(延床面積概ね16,500㎡以上)を有していること | ||
| 高機能 | ||
| 保管効率・作業効率の向上を可能とする有効天井高(概ね5.5m以上)、床荷重(概ね1.5t/㎡以上)、柱間隔(概ね10m × 10m)を有していること | ||
| 上層階にトラックが直接アクセス可能な大型ランプウェイを有していること又は充分な搬送能力を備えた垂直搬送機能を有していること | ||
| 柔軟な区画割が可能な設計となっていること | ||
| 充分なオフィススペースを有していること | ||
| 免震性能又は高い耐震性能を有し、安全性が高いこと | ||
(注)上表は、「プライム・ロジスティクス」について本投資法人が考える一般的特徴を記載したものであり、上表のすべての要素を満たさない物流施設についても、個別物件の特性を精査し、これらの要素を総合的に勘案した上で、「プライム・ロジスティクス」ということがあります。
(i)物流適地へのこだわり
本投資法人は、「物流適地」に所在する物流施設の特徴として、①消費地(人口集積地)へのアクセスに優れていること、②幹線道路及び幹線道路の結節点に近接していること、③24時間物流施設の運営が可能な工業系用途地域に所在すること、及び④雇用確保の観点から公共交通機関から徒歩でのアクセスが容易であることが挙げられると考えており、「物流適地」へのこだわりをもって投資を行います(注)。
(注)本投資法人は、「物流適地」に所在している物流施設の特徴と考える上記①ないし④のすべての要素を満たさない物流施設についても、慎重に検討を重ねた上で、投資を行うことがあります。
本投資法人は、上記4点の特徴に着目した「物流適地」における厳選投資を行うことで、リーシング等における同一地域内での競争力の維持・向上を実現することができると考えています。
消費地への優れたアクセスは、「消費物流」の需要を取り込む上で、重要な立地要件であり、また、幹線道路との近接性は、最終配送先となる消費地への配送利便性のみならず、工場等の生産地及び港、空港といった物流ハブ機能を有する施設とのアクセスを支える、物流施設の根幹となる立地要件です。
加えて、「消費物流」における物流施設は、従来の保管中心の静的な役割に加えて、多頻度小口配送、配送スピードの向上等を求める荷主の要請に対応するため、一日複数回の配送や商品の仕分け作業等の大量の庫内作業といった動的な役割も求められています。テナントは、24時間運営可能な物流施設を利用することで、一日のうち複数回に分けて配送することや、道路の混雑を避けて深夜・早朝に配送を行うといったオペレーションの柔軟性、効率性を確保することができます。
また、従来店舗のバックヤードで行っていた業務や、多頻度小口配送に対応するための商品の仕分け作業等の大量の庫内作業を物流施設で行う必要性から、雇用確保の重要性が高まっており、公共交通機関へのアクセスが容易である物流施設を利用することで、テナントは充分な人数及び質の庫内作業員を、適正な人件費で確保できる可能性が高まります。
本投資法人の保有資産は、すべて東京エリアの消費地(人口集積地)及び幹線道路の結節点に近接した「物流適地」に所在する物件であり、中長期にわたり安定した収益の確保が可能であると本投資法人は考えています。
下図は、本投資法人の保有資産の所在地と主要な幹線道路との位置関係及び人口分布を示したものです。
<ポートフォリオマップと人口集積>出所:人口分布については、2010年10月1日時点で実施された2010年国勢調査の結果に基づく総務省統計局「2010年国勢調査に関する地域メッシュ統計」の「2分の1(500m)地域メッシュ別データ」を基に本資産運用会社にて作成
以下は、本書の日付現在の本投資法人の保有資産のポートフォリオについて、投資エリア比率及び1物件当たり平均延床面積(注)を示したものです。本投資法人は、上記投資方針の下、東京エリア・大阪エリアへの重点投資及び大規模な物流施設への投資を実践します。
<ポートフォリオの特色>(注)「平均延床面積」については、保有資産の延床面積の平均を算出し、小数点以下を切り捨てて記載しています。
(ⅱ)大規模・高機能へのこだわり
本投資法人は、大規模・高機能な物流施設は、テナントの物流機能の集約・統合ニーズや物流事業の効率化ニーズに対応可能であり、高い競争力を有するものと考えています。
本投資法人は、①物流拠点の集約・統合ニーズの受け皿となりうる規模(延床面積概ね16,500㎡以上)を有していること、②保管効率・作業効率の向上を可能とする有効天井高(概ね5.5m以上)、床荷重(概ね1.5t/㎡以上)、柱間隔(概ね10m × 10m)を有していること、③上層階にトラックが直接アクセス可能な大型ランプウェイ(注1)を有していること又は充分な搬送能力を備えた垂直搬送機能を有していること、④柔軟な区画割が可能な設計となっていること、⑤充分なオフィススペースを有していること、及び⑥免震性能又は高い耐震性能を有し、安全性が高いことを、大規模・高機能な物流施設の重要な特徴と考え、これらの要素に着目した投資を行います(注2)。
(注1)本書において「ランプウェイ」とは、多層階の物流施設において、車両が直接各階に乗り入れ、荷降ろし作業を行うことを可能とする傾斜路をいいます。
(注2)本投資法人は、大規模・高機能な物流施設の特徴と考える上記①ないし⑥のすべての要素を満たさない物流施設についても、慎重に検討を重ねた上で、投資を行うことがあります。
<大規模であることの優位性>本投資法人は、「大規模」であることをプライム・ロジスティクスの特徴の1つと考えており、具体的には延床面積が概ね16,500㎡以上であることをその基準としています。
物流施設が「大規模」であることの優位性は特に以下の点にあると本投資法人は考えています。
延床面積が大きい物流施設は、テナントに対し、「大規模」な物流施設への物流機能の集約・統合による効率的な物流事業運営の機会を提供することが可能となります。昨今の商品サイクルの短期化や取扱品目数の増加、多頻度小口配送への需要等の増加傾向を踏まえ、物流事業者や小売事業者等はさらなるサプライチェーンの効率化を求められており、小規模な物流施設が複数点在する場合にはそれらを1つの「大規模」な物流施設に統合し効率化を図るニーズが高まっていると本投資法人は考えています。具体的には、テナントが複数の小規模な物流施設から「大規模」な物流施設へ拠点を統合することにより、倉庫の合計使用面積の削減、庫内作業の効率化並びに物流拠点の集約に伴う在庫の削減及び運送費の削減といった効果を得ることが考えられます。
本投資法人は、物流事業者や小売事業者等がより効率的な物流事業運営を行うために複数の物流拠点の集約・統合を検討した場合、「大規模」な物流施設はそのニーズに応えやすいため、リーシング等において同一地域内における競争力を有していると考えています。
また、「大規模」な物流施設の場合、1フロア当たりの面積を広く確保することが可能なため、庫内作業の効率化、庫内レイアウトの柔軟性の確保、必要人員数の抑制、荷物の垂直移動時間の短縮化等の効果が期待でき、テナントに運営効率化の機会を提供することが可能となります。さらに、1フロア当たりの面積が広いことで、柔軟な区画割が可能となり、テナントの賃貸面積の増減やテナント数の増減に対応しやすくなるメリットがあると本投資法人は考えています。
<高機能であることの優位性>物流施設が「高機能」であること、すなわち、テナントが物流業務を行う上で利便性が高く効率的に保管・作業を行える施設であることや、災害時等の安全性・事業継続性が高いことは、リーシングの際の競争力確保において有益です。特に、多頻度小口配送や庫内での仕分け作業に適した設計となっている物流施設は「消費物流」に適しており、より安定的な需要が期待できます。また、上層階への直接アクセスや柔軟な区画割が可能で複数テナント(マルチテナント)に対する賃貸やテナントの賃借床の増床・減床に対応できる物流施設は、汎用性が高く、多様なテナントニーズに対応することができるため、テナントの入退去による収益への影響を抑制することができます。また、物流施設における作業員数の増加や、物流業務の高度化に伴い発生する事務作業・管理業務に対応するため、充分なオフィススペースを確保できることも重要であると本投資法人は考えています。これらの特徴に加え、免震性能又は高い耐震性能を有する安全性の高い物流施設は、安定稼働を期待できることから、投資を行う上で重要な要素になると本投資法人は考えています。
そこで、本投資法人は、原則として、「物流適地」に所在すること及び「大規模」であることに加えて、以下の機能的特徴を、プライム・ロジスティクスの特徴と考えています。
<プライム・ロジスティクスの機能的特徴>(注1)「アメニティ」とは、物流施設内の食堂、コンビニエンスストア、通勤用バス等の、テナントが雇用する庫内作業員等が快適に勤務するための設備等をいいます。
(注2)「CASBEE」とは、一般財団法人建築環境・省エネルギー機構(IBEC)による建築物の環境性能を評価し格付けする手法であり、環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価するシステムです。
c. プライム・ロジスティクスへの重点投資の背景(消費物流に着目した投資)
本投資法人では、製品や商品の出荷から物流施設・小売店を経由し又は小売店を経由せずに物流施設から直接に消費者へ運送する物流を、「消費物流」と呼びます。前述のとおり、本投資法人はプライム・ロジスティクスへ重点投資を行いますが、プライム・ロジスティクスを特徴付ける要素には、「消費物流」に携わるテナントの賃借ニーズに適合するための要素が多く含まれています。
<消費物流の需要の安定性>原材料の調達、製造工程に係る物流は、工場での生産活動と密接に連動するため、我が国における工業生産や工場に対する設備投資の動向、工場の海外移転による工場閉鎖等の影響を受けやすいのに比して、消費物流は、最終的な需要を担う消費者の急激な増減が起こりにくいため、相対的にニーズは安定的に推移すると本投資法人は捉えています。
すなわち、消費財(食料品、衣類、雑貨等)の販売個数の変動率は、(ⅰ)人口の急減が起こりにくく、かつ(ⅱ)食料品等の需要は、景気変動が生じても一人当たりの消費量が大きく変動しないことを踏まえると、小さいものと考えています。
また、今後、都市部の人口が我が国の総人口に占める割合は上昇すると考えられることから、本投資法人では、重点的な投資対象地域とする東京エリア及び大阪エリアにおける消費物流のニーズは相対的に安定して推移するものと捉えています。
<消費物流の需要の成長性>近年、消費物流への需要は、コンビニエンスストアへの配送に代表される多頻度小口配送へのニーズの高まりや、電子商取引や通信販売の普及に伴い着実に増加しています。
下記の図は、2005年から2017年までの日本における電子商取引の市場規模の推移を示したものです。当該図に示すとおり、日本における電子商取引の市場規模は毎年拡大しています。
本投資法人は、このような市場規模拡大に伴う消費物流の需要の増大を見据え、消費物流のニーズに適した物流施設を中心に投資していく方針です。
なお、本投資法人は、実際の投資判断にあたっては、個々の物流施設につき、機能的に消費物流に係るニーズに対応可能か否かという観点で検討を行います。その際、現況において消費物流の拠点として利用されていない等、入居テナントの取り扱い荷物による分類をもって投資判断を行うものではありません。具体的な投資基準については、後記「④ ポートフォリオ構築方針/(イ) 投資基準」をご参照ください。
<日本における電子商取引市場の規模の推移>出所:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」掲載の各年の「電子商取引に関する市場調査 報告書」
(注1)各年における電子商取引(注2)の市場規模は、出所記載の消費者向け電子商取引(BtoC-EC)の市場規模(注3)に基づくものです。
(注2)出所記載の電子商取引に関する市場調査では、「電子商取引(EC)」を、コンピューターネットワークシステムを介して商取引が行われ、かつ、その成約金額が捕捉されるものと定義しており、ここでの「商取引」とは、経済主体間で財の商業的移転に関わる受発注者間の物品、サービス、情報、金銭の交換をいうとされています。なお、出所記載のBtoC-EC取引には、家庭向けに敷設された公衆インターネット回線等を介し、PCやテレビモニターを通じて電子商取引が行われる形態のほか、携帯電話・PHS・スマートフォン、PDA、カーナビ、タブレット端末等によるモバイルコマースも含まれます。
(注3)「消費者向け電子商取引(BtoC-EC)の市場規模」とは、企業と消費者間での電子商取引による取引金額をいいます。ここでの消費者への販売とは、家計が費用を負担するものを指し、消費財であっても個人事業者の事業用途の物品購入は原則として含まれません。また、ネットオークション等、インターネットを用いて個人間で取引を行うCtoCや、電子申請、税の電子申告等、政府がサービスを提供し、個人が対価を支払うGtoCについても含まれません。なお、取引金額は、販売サイドの金額(販売額)を捕捉しています。
(イ)ラサールグループ及びJLLのサポートを活用した成長戦略
本投資法人は、ラサールグループの不動産投資に関する世界的実績及び国内における10年以上の先進的な物流施設(注)への開発・投資に係る経験と実績により培われた物流施設の開発・投資・運営のノウハウを、本資産運用会社がスポンサーと締結しているスポンサーサポート契約を通じ、外部成長及び内部成長の両面において活用します。
まず、外部成長において、本投資法人は、我が国において10年以上の賃貸用物流施設の開発・投資・賃貸・運用のトラックレコード(過去の実績)を有するラサールグループからの情報提供を含む多様な物件ソーシングルート(売却物件情報の入手ルート)を活用します。
また、内部成長においても、ラサールグループが賃貸用物流施設の保有・運営を通じて培ってきた、「アクティブアセットマネジメント」(後記「③ 本投資法人の成長戦略/(ウ)内部成長戦略」をご参照ください。)のノウハウを活用します。
これらのノウハウを有するラサールグループ及びその親会社であるJLLの概要は、以下のとおりです。
(注)プライム・ロジスティクス以外の物流施設も含みます。以下同じです。
a. ラサールグループ及びその親会社であるJLLの概要
本資産運用会社の全額出資親会社であるラサール不動産投資顧問株式会社(スポンサー)は、総合不動産サービス会社であるJLLの全額出資子会社であるLIMを中心とする企業グループであるラサールグループに属し、その日本拠点として、事業を展開しています。
(ⅰ)LIMの概要
LIMは、JLLの不動産投資顧問ビジネス部門として、2017年12月末日時点で、米国、欧州及びアジア太平洋地域の17か国24拠点において従業員700名以上の体制で年金基金等の機関投資家を中心とした400以上のプロ投資家(注)に不動産投資運用サービスを提供する世界有数の不動産投資顧問会社です。運用資産残高は約590億米ドル(2017年12月末日時点)の規模であり、そのうちアジア太平洋地域において77億米ドルの運用資産残高(2017年12月末日時点)を有しています。また、物流施設への運用資産残高は88億米ドル(2017年12月末日時点)であり、米国、英国、中国、オーストラリア等世界各国における物流施設の開発・投資実績と経験を有しています。
(注)世界25か国の政府基金、年金基金、保険会社及び事業会社等を含みます。
ラサールグループの親会社であるJLL(本社所在地:米国イリノイ州シカゴ、社長兼最高経営責任者:Christian Ulbrich)は、約230年の歴史を持ち、ニューヨーク証券取引所に上場する(上場コード:JLL、時価総額:約68億米ドル(2017年12月末日時点))、不動産ソリューションとサービスを包括的に提供する総合不動産サービス会社です。JLLは、北米を中心に不動産サービス事業を展開してきた米国企業であるラサールパートナーズインク(1968年創業)が、1997年7月にニューヨーク証券取引所に上場した後、欧州及びアジア太平洋地域で200年以上にわたり広範な不動産サービス事業を展開してきた英国企業であるジョーンズラングウートンと1999年3月に合併して、現在の社名になりました。この合併により、両社が保有する不動産サービスに関するノウハウ、商品ラインアップ、顧客基盤、情報ネットワーク及び事業プラットフォームの融合と拡大が図られました。JLLは、2017年12月末日時点において、従業員約8.2万人を擁し、約80か国に拠点を構える世界的ネットワークを構築し、不動産投資関連業務、プロパティ・マネジメント、不動産の売買及び賃貸仲介、不動産マーケットリサーチをはじめとする様々な不動産サービスを提供しており、2017年度の売上高は約67億米ドルです。日本においては、1985年に日本法人を設立して以降約30年間にわたり、グローバルな事業活動を通じて培った知識と経験を活かして包括的な不動産サービスを提供してきました。
(ⅲ)ラサール不動産投資顧問の物流施設への投資実績
ラサールグループの日本法人であるラサール不動産投資顧問は、日本において、2003年に物流施設への投資活動を開始し、それ以降、日本の物流施設に特化した私募ファンドとして、2004年に「JAPAN LOGISTICS FUND Ⅰ」と呼称するファンド、2007年に「JAPAN LOGISTICS FUND Ⅱ」と呼称するファンド、2013年に「JAPAN LOGISTICS FUND Ⅲ」と呼称するファンド、2017年に「JAPAN LOGISTICS FUND Ⅳ」と呼称するファンドの組成等を行い、それらを通じてプライム・ロジスティクスを中心とした物流施設の開発・投資を行ってきました。不動産投資顧問会社として、経済情勢や不動産マーケットの状況にかかわらず投資家から一定の投資リターンを求められてきた中で、継続して運用を行うことができたのは、投資家とのコミュニケーションにより強固な信頼関係を構築するとともに、ラサールグループにおいて長年にわたって培ってきたノウハウをラサール不動産投資顧問が活用してきたためであると本投資法人は考えています。具体的には、ラサール不動産投資顧問は、各種マーケットリサーチ、投資戦略立案及び投資実行(開発又は投資)、アセットマネジメント、リスク管理が包括的に統合された投資プロセスを徹底することに加えて、不動産市場・資本市場・マクロ経済を分析して環境に即した開発・投資戦略を立案する能力及びその戦略を具現化する開発力、外部取得能力、リーシング力を含む運営力、金融機関との強固なリレーションを有しています。ラサール不動産投資顧問は、日本における先進的な物流施設の開発・投資のフロントランナー(先駆者)として、2003年から2018年3月末日までの間に、約213万㎡(延床面積の合計)(注)のプライム・ロジスティクスを中心とした物流施設の開発(計画を含みます。)、及び約157万㎡(延床面積の合計)(注)の物流施設への投資を行ってきました。
(注)開発又は投資の対象となる土地・建物の取得に係る売買契約の締結時点を、開発又は投資の時点としています。したがって、開発又は投資の対象となる土地の取得に係る売買契約を締結済みで、今後開発を予定している物件を含みます。また、累計の開発又は投資の実績を示したものであり、既に売却した資産も含みます。
<日本における先進的な物流施設の開発・投資のフロントランナーとしての実績>b. ラサールグループの日本における物流施設投資戦略(日本の物流施設に着目する背景)
ラサールグループは、全世界で物流施設のみならず、オフィス・商業施設・住宅等の様々な種類の不動産への投資運用を行ってきました。その経験を踏まえて、グローバルな視点で世界の不動産市場・資本市場・マクロ経済を調査した結果、ラサールグループは、日本の先進的な物流施設、特に東京エリア・大阪エリアに所在するプライム・ロジスティクスへの投資は、今後中長期にわたる安定的な収益の成長に資する投資であると考えています。
一方で、下図のとおり、日本の物流施設に占める先進的物流施設(注)の比率は小さい状況です。前記「(ア)東京エリア・大阪エリアに所在するプライム・ロジスティクスへの重点投資/c.プライム・ロジスティクスへの重点投資の背景(消費物流に着目した投資)」記載の先進的物流施設に対するテナントのニーズの高さを踏まえると、日本の物流施設は、全体的に物流事業者や小売事業者等のニーズを吸収しきれておらず、先進的物流施設に対する高い潜在需要を今後も期待できるとラサールグループは考えています。
(注)本書において、日本における「先進的物流施設」とは、不動産投資会社及び不動産開発会社等により開発された延床面積10,000㎡以上で、原則として床荷重1.5t/㎡以上、天井高5.5m以上、柱スパン10m以上で機能的な設計を備えた賃貸用物流施設をいいます。
<日本の先進的物流施設の供給量>出所:CBRE「物流マーケットデータ (2017年Q4)」
(注)上記のグラフは、「固定資産の価格等の概要調査(総務省自治税務局固定資産税課)」及び「建築統計年報(国土交通省総合政策局)」を用いてCBREが推計したものです。2017年3月末日時点における自社所有分を含むすべての倉庫(物流施設以外を含む場合があります。)の総延床面積に対する先進的物流施設の延床面積の合計が占める割合を示しています。
そうした中で、首都圏及び近畿圏は、先進的物流施設の全物流施設に対する比率が低水準である一方で、我が国の消費額の約50%を占めており、ラサールグループでは、消費物流における大きな潜在的需要がある地域として重視しています。そして、上記のとおり、先進的物流施設については、今後さらなる需要が見込まれることから、ラサールグループは当該地域の先進的物流施設に重点的に投資を行っています。
<経済圏別の先進的物流施設の供給量>出所: CBRE「物流マーケットデータ (2017年Q4)」
(注)上記のグラフは、「固定資産の価格等の概要調査(総務省自治税務局固定資産税課)」及び「建築統計年報(国土交通省総合政策局)」を用いてCBREが推計したものです。首都圏及び近畿圏において、2017年3月末日時点における自社所有分を含むすべての倉庫(物流施設以外を含む場合があります。)の総延床面積に対する先進的物流施設の延床面積の合計が占める割合を示しています。上記の「首都圏」とは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県及び茨城県をいい、「近畿圏」とは、大阪府、京都府及び兵庫県をいいます。
c. 物流施設マーケット概況
物流施設のマーケットについては、国内の物流施設の大半が、先進的物流施設という概念が登場する以前に開発されたため、高度な流通加工業務に対応した物流施設は15~20年前までほとんど供給されておらず、先進的物流施設に更新する強い需要が存在しているものと、本投資法人は考えています。
<倉庫着工建築面積の推移>出所:国土交通省総合政策局「建築着工統計調査」を基に本資産運用会社にて作成
(注)上表は、「建築着工統計調査」における各年度の民間建築主による倉庫を使途とする着工建築物の床面積を集計した値を基に作成しています。
また、今後多くの物流施設が順次建替時期を迎え、毎年一定量の物流施設が建て替えられると想定されます。この建替需要により、物流施設の需給は安定し、先進的物流施設への需要も堅調に推移することが期待されます。
<建替時期を迎える物流施設の推移>出所:国土交通省総合政策局「建築着工統計調査」を基に本資産運用会社にて作成
(注)上表は、「建築着工統計調査」における民間建築主による倉庫を使途とする着工建築物について、その経済的耐用年数を50年と想定し、各年度において当該経済的耐用年数を迎える倉庫の床面積の合計を記載しています。
さらに、サードパーティロジスティクス(3PL)(注)市場は、事業会社による物流アウトソーシングに対するニーズの増加に伴い拡大傾向にあります。また、3PL事業者の多くは大量の荷主を適切に組み合わせ、プロセス改善を行う必要があるため、先進的物流施設を選好する傾向があり、今後も先進的物流施設のニーズは拡大するものと考えられます。
(注)「サードパーティロジスティクス(3PL)」とは、顧客企業からそのサプライチェーン管理機能の一部又は全部を請け負う物流サービスをいいます。
<日本の3PL市場規模の推移>出所:CBRE「物流マーケットデータ (2016年Q2)」及びライノス・パブリケーションズ「月刊ロジスティクス・ビジネス(2017年8月号)」を基に本資産運用会社にて作成
(注)上表における各年度の市場規模は、各年度において月刊ロジスティクス・ビジネスの調査対象となった事業者の、国内における3PL事業売上高の各年度合計額を示すものです。各年度における調査対象事業者数は異なります。
(ウ)強固な財務体質の構築
本投資法人は、中長期的な収益の維持・向上及び運用資産の規模の成長と投資主価値の向上を実現することを目的として、金融環境の変化に適応しうる、中長期的視野に立った強固な財務体質の構築を基本方針とします。具体的には、本投資法人の資産総額のうち有利子負債総額の占める割合(以下「LTV」といいます。)は、原則として60%を上限としますが(注)、50%前後を平常時の運用における上限の目途とします。また、ラサールグループの過去の日本における投資実績等を活用してメガバンクを中心とする複数の金融機関との強固かつ安定的な取引関係を構築し、有利子負債について、借入期間の長期化、返済期限の分散化、金利の固定化及びバンクフォーメーションの分散化を図ることによって、リファイナンスリスク及び金利変動リスクの低減を目指します。
(注)新規投資や資産評価の変動等により、一時的に60%を超えることがあります。
(エ)最適なキャッシュ・マネジメント
本投資法人は、減価償却費計上額に比して資本的支出必要額が少額に留まる傾向にあるという物流施設の特性を踏まえ、減価償却費相当額の手元資金をその時々の状況に応じて最適に配分する方針です。
具体的には、有利子負債返済による強固な財務体質の構築、新規物件取得資金への充当による成長力強化、修繕や資本的支出への活用による保有物件の競争力の維持・強化、利益を超える金銭の分配(出資の払戻し)の実施等が考えられます。
利益を超える金銭の分配(出資の払戻し)に関しては、保有資産価値及び財務の健全性が維持される範囲内で、当該分配を実施する計算期間の直前の計算期間の末日に計上する減価償却費の100分の30に相当する金額を目途として、原則として毎期継続的に実施する方針です。また、継続的利益超過分配に加え、一時的利益超過分配を実施できるものとしています。なお、一時的利益超過分配を実施する場合の継続的利益超過分配及び一時的利益超過分配の合計の分配金水準は、対象となる計算期間の減価償却費の100分の40に相当する額を上限の目途とします。
(オ)投資主利益と透明性を重視した運用体制
本投資法人は、その資産運用に際し、投資主の利益とラサールグループの利益の一体化を可能な限り図りつつ、利益相反対策と第三者性を確保した運用体制を採用することとし、以下の2つを中心的な枠組みとしたうえで、中立的かつ透明性の高いガバナンス(企業統治)体制の整備・充実を図る方針です。
a.利害関係者取引における本資産運用会社の意思決定フロー
利害関係者取引に係る意思決定においては、コンプライアンス委員会及び投資委員会における外部委員の賛成並びに投資法人役員会の承認を条件としています(注)。
<利害関係者取引における本資産運用会社の意思決定フロー>(注)上図は、投信法に基づき投資法人役員会の承認を要する利害関係人等との取引に該当する場合の意思決定フローです。本資産運用会社の意思決定フローの詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/(4)本資産運用会社の社内規程による利害関係者との取引制限」をご参照ください。
b.1口当たり利益に連動した運用報酬体系の採用
本投資法人は、本資産運用会社に支払う資産運用報酬の一部が本投資法人の1口当たり利益に連動する報酬体系を採用しています。かかる運用報酬体系の詳細は、後記「4 手数料等及び税金/(3)管理報酬等/③ 本資産運用会社への支払報酬」をご参照ください。
c. ラサールグループ及びJLLによる本投資法人への出資(セイムボート出資)
スポンサーは、スポンサーサポート契約に基づき、本投資法人が新たに投資口を発行する場合には、当該新投資口の一部を取得することについて真摯に検討を行い、又はJLLが直接的若しくは間接的に株式の過半数を保有する会社に対して、かかる検討を行うよう働きかけます。また、スポンサーは、本投資法人の発行する投資口を新規に取得した場合、当面の間、本投資法人の投資口を保有します。スポンサーは、JLLが直接的若しくは間接的に株式の過半数を保有する会社が本投資法人の発行する投資口を新規に取得した場合、当該会社に対して、当面の間、本投資法人の投資口を保有させるよう努めます。
③ 本投資法人の成長戦略
(ア)ラサールグループのスポンサーサポート体制
a. ラサールグループのノウハウの活用
ラサールグループは、物流施設の開発及び外部取得から運営までを内製化することにより、先進的な物流施設の開発・投資のフロントランナーとして、専門性を活用した付加価値を提供することができるノウハウを有しています。
具体的には、ラサールグループは下記のノウハウを有しています。
ⅰ)不動産市場・資本市場・マクロ経済をグローバルな視点から分析するリサーチプラットフォーム(組織化された調査部門)
ⅱ)物流施設の開発・投資に際し、不動産市場、資本市場、開発リスク、ファイナンス、リーシング(賃貸営業活動)、運営等様々な視点からの事業収支(ビジネスプラン)を構築するファンドマネジメントの能力
ⅲ)投資家・金融機関とのコミュニケーションを通じて培われた強固な信頼関係と、投資対象の特性・調達環境を勘案し、適切な資金調達を行う能力
ⅳ)10年以上の物流施設の開発及び投資の経験と実績に裏付けられた目利き力を活用した物流施設開発のための用地取得能力及び収益物件の外部取得能力
ⅴ)開発チームによる物流施設のプランニング、物流施設の仕様の作り込み及び建設コストマネジメントにおける能力
ⅵ)賃貸市場動向に係るマクロ要因と物件固有のミクロ要因を精査し、付加価値を創造するアセットマネジメント及びリーシングのノウハウ
<ラサールグループのノウハウ>本投資法人は、ラサールグループの先進的な物流施設の開発・投資のフロントランナーとしての高い専門性に基づく上記ノウハウを活用することにより、中長期にわたる安定した収益の確保と投資主価値の向上を図ることができると考えています。このノウハウの活用を企図して、本資産運用会社は、スポンサーとスポンサーサポート契約を締結し、本投資法人は、スポンサーと商標使用に関する覚書を締結しています。両契約を通じ、ラサールグループが培ってきたノウハウ、投資家・金融機関との信頼関係、リーシングネットワーク、ブランド力等を最大限に活用します。
b. 投資主価値の向上に資するラサールグループのサポート
本書の日付現在、本資産運用会社は、スポンサーとの間でスポンサーサポート契約を締結しており、本投資法人は、下記のサポートの提供を受けます。また、本投資法人は、スポンサーとの間で、本書の日付現在、商標使用に関する覚書を締結しています。本投資法人は、かかる契約に基づく以下に記載するラサールグループのサポートにより、投資主価値の向上を図ります。スポンサーサポート契約及び商標使用に関する覚書の内容の詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/(5)利害関係人等との取引状況等」をご参照ください。
(ⅰ)保有物件の売却情報の提供・優先交渉権の付与
ラサールファンドが日本において保有・運用する不動産等(用途が物流施設であるものに限ります。)につき、ラサールファンドが売却をしようとする場合、スポンサーが、当該不動産等のうち本投資法人に提供することが適当であると判断した場合に、不動産等に係る売却情報の提供を受けます。また、「JAPAN LOGISTICS FUND Ⅳ」については、当該ファンドが保有する一定の不動産等の売却時において、本投資法人(又は本資産運用会社が本投資法人のために指定する他の法人)に、優先交渉権が付与されます。
(ⅱ)第三者保有物件の売却情報の提供
スポンサーが、第三者が日本において保有・運用する不動産等(用途が物流施設であるものに限ります。)の売却情報のうち本投資法人に提供することが適当であると判断した売却情報を入手した場合に、当該情報を本資産運用会社に提供します。
(ⅲ)ウェアハウジング(注)機能の提供
本資産運用会社は、第三者が保有・運用する不動産等の一時的な保有のアレンジをスポンサーに依頼することができます。かかる一時的な保有は、本投資法人の将来における当該不動産等の取得に向けたウェアハウジングを行うことを主たる目的とします。
(注)本書において「ウェアハウジング」とは、本投資法人が取得を予定する資産について、収益の安定化や取得時期の調整を行うためにブリッジファンドに先行取得させることをいいます。
(ⅳ)人材供給
スポンサーは、本投資法人から受託する資産運用業務の遂行に必要な不動産運営管理の知識及びノウハウ等を本資産運用会社に可能な限り活用させることを目的として、人材の確保に合理的な範囲で協力を行います。
(ⅴ)投資口の継続保有
スポンサーは、本投資法人が新たに投資口を発行する場合には、当該新投資口の一部を取得することについて真摯に検討を行い、又はJLLが直接的若しくは間接的に株式の過半数を保有する会社に対して、かかる検討を行うよう働きかけます。また、スポンサーは、本投資法人の発行する投資口を新規に取得した場合、当面の間、本投資法人の投資口を保有します。スポンサーは、JLLが直接的若しくは間接的に株式の過半数を保有する会社が本投資法人の発行する投資口を新規に取得した場合、当該会社に対して、当面の間、本投資法人の投資口を保有させるよう努めます。
(ⅵ)市場分析等の情報の提供サービス
スポンサーは、本資産運用会社からの要請に応じて、本資産運用会社が本投資法人から受託する資産運用業務(リサーチ関連業務、投資戦略に資する情報提供業務等)に関し、業務受託を行います。
(ⅶ)ロジスティクス・サービス
スポンサーは、本資産運用会社に対して、ロジスティクス・サービス業務(リーシング戦略立案、マーケティング資料作成、プロモーション・イベント企画開催、仲介業者とのリレーション構築、既存テナントの要望・クレーム対応、需要調査等)及びテナント招致業務を提供します。
(ⅷ)事務・総務等のサポート
以上のほか、本資産運用会社は、その事務・総務等について、スポンサーからサポートを受けることができるBusiness Operations Support Agreementを締結しています。
<ラサールグループのサポート>(イ)外部成長戦略(物件ソーシングルートの多様化に資するラサールグループのサポート体制)
<多様な物件ソーシングルートの活用>本投資法人は、ラサールグループから提供される物件情報、ウェアハウジング機能及び本資産運用会社独自の物件情報取得能力を最大限活用し、外部成長戦略を展開します。本投資法人は、スポンサーサポート契約に基づき、ラサールファンドの保有物件につき売却情報の提供を受けることができるため、ラサールファンドからのソーシングと第三者からのソーシングの両方を活用した多様なソーシングルートを有しています。また、物件取得にあたっては、ブリッジファンド(ウェアハウジングを行う目的で組成されるファンド)のウェアハウジング機能を活用し、将来の取得機会及び柔軟性を確保することも可能です。
<安定稼働化した物件の本投資法人への集約>ラサールグループでは、本投資法人及びラサールファンドの投資対象を明確に分けた投資戦略により、本投資法人の外部成長の実現を図ります。具体的には、本投資法人は安定稼働化したコアアセット(注)に投資し、ラサールファンドは開発物件及び低稼働物件を中心に投資します。
また、本投資法人は、上記のラサールグループからの多様なソーシングルートを活用することで、安定稼働化した物件をラサールファンドから選別して取得することが可能となります。本投資法人は、ラサールファンドとは異なり、安定稼働化した物件のみを取得することで、外部成長の実現を図ります。また、ブリッジファンドによるウェアハウジング機能等を活用することで、安定稼働化した物件の本投資法人への集約を図ります。
(注)「コアアセット投資」とは、コアアセットを対象とした不動産投資スタイルをいいます。「オポチュニスティック投資」とは、期待リターンの源泉を開発リスク等のリスクテイクや市場動向予測に基づいた不動産の売買によるキャピタルリターンにおく不動産投資スタイルをいいます。
<ラサールグループの物件開発及び取得実績>外部成長戦略において本投資法人がラサールグループのサポートを受けることによる強みは以下のとおりです。
ラサールグループは、日本における10年以上の物流施設の開発及び投資経験により培った「ファンド機能」、「デベロッパー機能」及び「インベスター機能」を強みとして有していると本投資法人は考えています。
<ラサールグループが有する強み>下表はラサールグループが日本の物流マーケットに参入した2003年以降の物流施設に対する累積開発・投資実績です。ラサールグループは、2007年の米国サブプライムローン問題に端を発した金融危機により日本の経済環境が低迷し、国内投資家の投資意欲が減退した時期においても、物流施設への開発・投資を継続的に実施し、実績を積み上げてきました。
ラサールグループは、グローバルに事業展開する不動産投資顧問会社として、私募ファンド形態で国内外の投資家から幅広い属性の投資資金(投資スタイル・リスク許容度等)を集めて運用する「ファンド機能」を有しています。マクロ環境や金融環境等が悪化し、物流施設の開発・投資の市場全体が減速する局面においても、自己資金に制約されることなく、多様な資金属性の投資家とのネットワークを有している強みを活かすことにより継続的な開発・投資を可能にしています。
加えて、先進的な物流施設を開発し、開発パイプラインの拡大に貢献する「デベロッパー機能」や高い目利き力を活用して外部取得を実行する「インベスター機能」を備えており、豊富な物件取得実績を有しています。
ラサールグループは、これらの機能を複合的に活用することで自己資金量に影響を受けることなく、安定的かつ持続的な物流施設の開発・投資が可能となり、常時、一定のパイプラインの供給力を確保できると本投資法人は考えています。
<ラサールグループの日本における物流施設の累積開発・投資実績>出所:開発及び投資については、ラサール不動産投資顧問の作成資料、東証REIT指数については、Quickを基に本資産運用会社にて作成
(注1)上記のグラフは、土地・建物の取得に係る売買契約の締結時点を開発又は投資の時点として作成しています。したがって、土地の取得に係る売買契約を締結済で、今後開発を予定している物件を含みます。
(注2)上記のグラフは、ラサールグループの累積開発・投資実績を示したものであり、既に売却した資産を含みます。
(注3)延床面積は、確認済証及び図面等に基づいて記載しており、登記上の面積と一致しない場合があります。
本投資法人は、ラサールグループが有する上記パイプラインの供給力を、スポンサーサポート契約を通じて活用することで、マーケット環境の影響を最小限に抑えた長期的・継続的な外部成長が可能であると考えています。
(ウ)内部成長戦略
本投資法人は、スポンサーサポート契約に基づき提供を受ける人材や利用可能な情報を通じて、ラサールグループのノウハウであるアクティブアセットマネジメントを活用して内部成長の実現を目指します。ラサールグループのアクティブアセットマネジメントの概要、及びアクティブアセットマネジメントのノウハウの活用実績は、以下のとおりです。
a. アクティブアセットマネジメントの概要
アクティブアセットマネジメントとは、市場賃料や空室率などの賃貸市場動向に関わるマクロ要因と、テナントの賃貸借条件や施設の管理運営状況等の各物件に固有のミクロ要因を精査することを通じて、保有物件における付加価値創出の機会を見つけ出し、キャッシュ・フローの増加に結び付けていく運営手法の総称です。本投資法人は、アクティブアセットマネジメントのノウハウを活用することで、中長期にわたる収益の安定成長を図ります。具体的には以下のとおりです。
<リーシング>・ラサールグループは物流施設のリーシングに豊富な経験を有する専属のリーシングチームを擁しており、これまで長年の物流施設のリーシングと運営を通じて、独自のテナントリレーション(注1)やネットワークを築いてきました。テナント営業活動においては、外部の賃貸仲介業者からの情報を活用するだけでなく、ラサールグループに蓄積されたダイレクトリーシング(注2)のノウハウを活用することによって、的確かつ効果的なリーシング戦略の遂行が可能となります。
・保有物件の所在するエリアの市場賃料、空室率の動向といった物流マーケットに関する分析のみならず、地域の産業、雇用状況等も分析した上でリーシング戦略を立案し、ラサールグループの豊富なリーシング実績とそれによって培われたテナントとの強固なリレーションを梃子に、その着実な遂行を進めます。
・テナントとの賃貸条件の協議においては、テナントの施設移転スケジュールや内部造作等のニーズを把握することのみならず、テナントの業界の動向や物流施設に対するラサールグループの知見を踏まえた課題解決型の提案を行うことによって、より良い賃貸条件での成約に繋げます。
・マルチテナント型の物流施設においては、テナント構成や賃貸期間の分散を図ることに加え、テナントとの強固なリレーションを通じて、潜在的な館内増床や部分解約のニーズを把握し、そのマッチングを図ること等を通じて、空室リスクのコントロールを図ります。
(注1)本書において、「テナントリレーション」とは、テナントとの長期継続的な信頼関係をいいます。
(注2)本書において、「ダイレクトリーシング」とは、仲介業者やプロパティ・マネジメント会社(以下「PM会社」といいます。)を介さず、ラサールグループのリーシングチームがテナントに対して直接コンタクトを行い、新規契約、契約の更新等を行うことをいいます。
<運営・資本的支出>・ラサールグループの有する物流施設の運営ノウハウを最大限に活用し、建物管理仕様の見直しによる施設管理の効率化や外部業者の入替えを通じて、運営費用の低減を追求します。その実現のために、本投資法人はスポンサーや特定の企業に依存することなく、常に客観的な視点で外部業者の選定を実施します。
・経年により物理的・機能的な陳腐化が進み、物件の競争力低下が見られる場合は、ラサールグループが過去において実施してきたリノベーションのノウハウを活用することで、長期的な視点に基づき戦略的な資本的支出によるリノベーションを実施し、施設の機能性の回復・向上を通じた付加価値の創出に努めます。
本投資法人では、このようなアクティブアセットマネジメントを通じて、本投資法人のポートフォリオの稼働率及び賃料水準の維持・向上、賃貸費用の抑制を図り、中長期にわたる収益の安定成長を目指します。
<アクティブアセットマネジメントの概要>b. アクティブアセットマネジメントのノウハウの活用実績
<リーシング実績>ラサールグループは、ラサールグループに蓄積された前記のダイレクトリーシングのノウハウを活用することによって、リーマンショック後の物流賃貸市場の低迷期も含めて、マーケット環境の変動に左右されず着実にテナントの誘致を実現してきました。
<マーケット環境に左右されない着実なリーシング実績><バリューアップ実績>ラサールグループは前記のアクティブアセットマネジメントのノウハウを活用し、物流施設のリノベーションとテナントの入替えによる賃料増額により、バリューアップを実現した実績を有しています。
その一例として、下記の事例(東京都江東区辰巳に所在の物流施設)においては、既存テナントから賃料減額の要請を受けたものの、エリアの空室率や募集賃料の動向、今後の需給バランスの見通しを精査した結果、現行賃料が割安な水準にあると判断し、テナントの入替えによる増収を図りました。
この事例では、既存テナントの退去が決定した後、より多様な荷物に対応できるよう、防塵塗装や貨物用エレベーターの入替え等を実施し、建物の耐久性向上や庫内作業員の作業効率向上に資する外壁全面塗装、照明の更新等を行い、物件の競争力の強化を図りました。並行して、専属のリーシングチームが、独自のテナントリレーションやネットワークを活用したリーシング営業を推進し、市場ニーズの発掘に努めたことにより、既存テナントの契約満了による退去前に、新規テナントから入居の申込を確保することに成功しました。この結果、物理的・機能的な陳腐化が見られた物件について、最小限のダウンタイムで新規テナントと長期賃貸借契約を締結し、リノベーション前対比で約4%の賃料増額を実現するとともに、普通借家契約から定期借家契約への切替えを行い、バリューアップを実現しました。
<アクティブアセットマネジメントのノウハウの活用によるバリューアップ実績事例>(注)上記の物件は、本書の日付現在、本投資法人が取得を予定している資産ではなく、今後取得できる保証もありません。
④ ポートフォリオ構築方針
本投資法人のポートフォリオ構築方針は以下のとおりです。
(ア)投資エリア
本投資法人は、地理的分散、人口分布、域内総生産、域内物流動向、港湾等の物流ハブ機能及び道路網等を考慮し、消費地(人口集積地)へのアクセスや、幹線道路及び幹線道路の結節点への近接性等を有する物流施設を中心に投資します。各投資エリアに対する投資比率(取得価格ベース)の目安は以下のとおりです。東京エリア及び大阪エリアを中心としつつ、他の地域にも分散投資することで、安定的なポートフォリオを構築することを目指します。
| <ポートフォリオのエリア別投資方針> |
| エリア | 投資比率(注) |
| 東京エリア(東京60km圏内) 大阪エリア(大阪45km圏内) | 合計80%以上 |
| その他 | 20%以下 |
(注)投資比率は、取得価格ベースにて算出します。
(イ)投資基準
本投資法人は、規模、立地、テナント、建物、サスティナビリティ及びキャッシュ・フローの安定性について、下表に記載の観点から総合的に判断し、長期かつ安定的な成長に資する物件への投資を行い、プライム・ロジスティクスを中心としたポートフォリオの構築を行います。
| <ポートフォリオの投資基準> |
| 投資基準 | ||
| 規模 | ||
| 延床面積16,500㎡以上 | ||
| 立地(以下の観点から総合的に評価) | ||
| 消費地(人口集積地)へのアクセス | ||
| 幹線道路及び幹線道路の結節点への近接性 | ||
| 生産地、港湾、空港、鉄道、トラックターミナルへのアクセス | ||
| 物流施設の運営に支障をきたさない用途地域、周辺環境 | ||
| 雇用確保の観点から公共交通機関からのアクセス | ||
| テナント(以下の観点から総合的に評価) | ||
| 契約条件(期間、賃料、その他特約) | ||
| テナントの属性、信用力 | ||
| 荷物の種類、オペレーション内容 | ||
| 継続使用の蓋然性 | ||
| 建物(以下の観点から総合的に評価) | ||
| PML値(注1)原則15%以下、15%超の場合は地震保険の付保検討 | ||
| 有効天井高、床荷重、柱間隔 | ||
| トラックバース(注2)、駐車場、車両待機場 | ||
| ランプウェイ・スロープの有無、エレベーター、垂直搬送機、空調、 照明照度、電気通信容量、ドッグレベラー(注3)の有無 | ||
| 区画割の柔軟性 | ||
| オフィススペース、アメニティ | ||
| 築年数、耐用年数 | ||
| サスティナビリティ(持続可能性) | ||
| 環境負荷への配慮、環境認証・評価 | ||
| キャッシュ・フロー安定性(テナント代替性) | ||
| 上記を総合的に勘案し、中長期的なキャッシュ・フローの安定性、テナント代替性 | ||
| 開発物件 | ||
| 竣工安定稼働後に投資基準を充足すると見込まれ、優先交渉権を投資法人が得られる等一定の条件を満たす案件に限り、ポートフォリオ全体への影響を鑑みながら開発段階から少額の出資ができるものとします。 | ||
(注1)「PML値」とは、想定した予定使用期間(50年=一般的建物の耐用年数)中に想定される最大規模の地震(475年に一度起こる可能性のある大地震=50年間に起こる可能性が10%の大地震)によりどの程度の被害を被るかを、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示したものをいい、PML値が15%とは、当該建物が100億円の場合、想定される最大規模の地震が起きたときにその建物の補修に必要な費用が90%の確率で、15億円以下に収まることを意味します。
(注2)本書において「トラックバース」とは、トラックと倉庫の間で荷物の積卸しをするために、物流施設内でトラックを着車するスペースをいいます。
(注3)本書において「ドッグレベラー」とは、トラックバースに着車したトラックの荷台と倉庫床の高さに差があるときに、レベルの差を解消するための機械をいいます。
(ウ)デュー・ディリジェンス基準
投資対象となる不動産関連資産の投資適格性を判断するために、以下の項目を中心に物件調査(デュー・ディリジェンス)を行います。
| <デュー・ディリジェンスの調査項目> |
| 調査項目 | 内容 | |
| 経済的調査 | マーケット調査 | 1.周辺の需給動向 2.周辺の賃料水準、稼働状況の推移 3.周辺の募集事例、成約事例 |
| テナント調査 | 1.賃貸借契約形態、契約期間、賃料、その他の契約内容 2.テナントの属性・信用状況 3.テナントの賃料支払状況 4.テナントの過去の賃借状況 5.テナント取扱荷物の種類、オペレーション内容 | |
| 収益性調査 | 1.賃貸借契約形態及び継続使用の蓋然性 2.現行契約賃料とマーケット賃料との差異及び今後の見通し 3.物流施設としての汎用性、テナントに対する訴求力・競争力 4.公租公課の水準、費用水準、支出関連の契約内容 5.修繕履歴、修繕計画 | |
| 物理的調査 | 立地調査 | 1.物流施設としての用途地域、周辺環境の妥当性 2.幹線道路、幹線道路の結節点等からの距離 3.公共交通機関からの距離 4.道路幅員、信号位置、車両動線等 5.嫌悪施設等 |
| 建物調査 | 1.竣工年月日、主要構造、規模、設計者、施工者等 2.建蔽率・容積率、賃貸可能面積 3.主要スペック(有効天井高、有効柱間隔、床耐荷重、ランプウェイ、スロープ、エレベーター、垂直搬送機、トラックバース、ドッグレベラー、駐車スペース、空調、照明照度、電気容量等) 4.新耐震基準又は新耐震基準と同等の性能を有することの確認 5.PML値 6.建物管理状況 7.建物状況調査書における指摘事項 8.エネルギー効率 | |
| 調査項目 | 内容 | |
| 法的調査 | 権利関係調査 | 1.登記事項(登記簿、公図他) 2.未登記建物・工作物等の有無 3.権利形態(所有権、地上権、借地権等の賃借権、共有・準共有、区分所有他) 4.信託契約の内容 5.前所有者の状況 6.担保権その他の制限物権 7.テナントとの賃貸借契約の内容 8.訴訟の有無とその状況 9.その他法令上の制限の有無等 |
| 境界調査 | 1.境界確認書 2.境界標 3.越境物等(覚書の有無、内容) 4.隣地所有者との紛争の有無 | |
| 環境調査 | 土壌汚染調査 (注) | 1.土壌環境調査報告書 2.過去に行われた対策の有無とその内容 3.土壌汚染区域に関する指定等の有無、内容 |
| アスベスト・フロン・PCB調査 | 1.建物への使用・管理状況等 2.アスベストに関する調査報告書の有無 3.PCBの保管状況及び届出の有無等 | |
| その他 | 1.洪水・水害リスク、気候変動リスク 2.環境認証・評価 | |
(注)土壌汚染の履歴が存在した場合、土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改定を含みます。)(以下「土壌汚染対策法」といいます。)及び関連するその他の環境関連法令、地方自治体の条例又は指導内容に従って、土壌汚染等が適切に処理されているか調査を行います。
(エ)フォワード・コミットメント等を行う際の留意点
フォワード・コミットメント(先日付での売買契約であって、契約締結日から1ヶ月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うことを約する契約をいいます。以下同じです。)及びその他これに類する契約を締結する場合には、以下の点に留意することとします。また、先日付の買付け意向表明等を行う場合も、当該意向表明が取引への実質的な拘束力を持つ場合、これに準じた取扱いを行うこととします。
a.フォワード・コミットメント等を行った事実及び設定理由、解約条件並びにフォワード・コミットメント等を履行できない場合における本投資法人の財務への影響を適切に公表するものとします。
b.市場環境、資金調達環境及び本投資法人の事情等を勘案した上で必要に応じて随時策定する、フォワード・コミットメント等を行った物件の取得額及び契約締結から物件引渡しまでの期間の上限並びに決済資金の調達方法等についてのルールを遵守するものとします。また、上場廃止要件も踏まえ、配当原資に比して過大な解約違約金を要するフォワード・コミットメント等となることのないよう慎重に検討するものとします。
c.フォワード・コミットメント等を行った物件のコミットメント期間中の価格変動リスクが投資法人に帰属することに鑑み、保有物件の継続鑑定等と併せて、当該物件の継続鑑定等の結果(当該物件が未竣工建造物であり、鑑定評価が取得できない場合は、価格調査の結果)を公表するものとします。
⑤ ポートフォリオ運営管理方針
長期的な安定運用を図るため、本投資法人の保有する不動産又は信託受益権の信託財産である不動産に関し、計画的な修繕や改修を実施し、資産価値や競争力の維持・向上及び収益の拡大に努めます。
(ア)テナント管理及び賃貸方針
テナントと継続的なコミュニケーションを図り、テナントの動向やニーズの把握を通じて適切かつ迅速な対応策を実施することで、テナントの満足度向上と信頼関係の構築を図り、収益の安定的な成長を目指します。特に、テナントが退去する際には、ラサールグループのテナントリレーション及びネットワークを最大限活用し、早期に新たなテナントとの契約締結に努めることで、中長期的な安定収益の確保を目指した運用を行います。
また、ラサールグループのテナントリレーション及びネットワークの活用にあたっては、ラサール不動産投資顧問とスポンサーサポート契約を締結することで、国内外の物流施設に関する情報収集及び分析、運用資産の運営・管理等に関する助言を受けることができ、効率的なリーシング活動が可能になると考えます。
テナントとの契約については中長期の賃貸借契約を基本としますが、賃貸借契約の更新に当たっては、ポートフォリオ全体の契約条件や市場賃料、物件特性等を念頭において、テナントの与信状況を踏まえて適正な賃料水準、契約期間、その他の諸条件を設定して契約更新を行います。
(イ)プロパティ・マネジメント(PM)会社の選定・モニタリング
不動産運営管理業務は、法令で定められている範囲においてPM会社を選定し、これを委託します。PM会社の選定に当たっては、物流施設に係る運営・管理の経験・実績等を総合的に勘案し、ラサールグループか否かを問わず、不動産毎に最適と考えられるPM会社を選定します。
また、上記業務委託については、本資産運用会社の「外部委託・評価基準」に基づき、業務水準等の評価を定期的に行い、適正な業務遂行及び報酬レベルが維持できない場合は、契約の解除を行うこと又は契約の更新を行わないことを検討します。
(ウ)大規模修繕等
運用不動産の物理的・機能的価値の維持・向上及び経年劣化による運用不動産の競争力の低下等を回避するため、必要な大規模修繕及び資本的支出等を適宜実施します。
テナントからの要請、テナントの満足度向上及び新規テナントの誘致に対応するため、必要なリニューアル工事及び資本的支出を行うことがあります。
また、テナントからの要請及び運用不動産に対する賃借ニーズに応えるため、建物の増床、増築及び建替えを行うことがあります。
大規模修繕等を行うにあたっては、原則として個別物件の減価償却費のみならずポートフォリオ全体の減価償却費も勘案して行うものとします。
(エ)付保方針
不動産関連資産への投資にあたっては、火災等の災害や事故等による建物の損害及び収益の減少、対人・対物事故による第三者からの損害賠償請求等に対応するため、すべての投資不動産に対し適切な損害保険(火災保険、施設賠償保険、利益保険等)の付保を行います。
地震による損害に関しては、専門家による地震リスク診断に基づき地震により生じる建物の損害や収益の大幅な減少に関して地震保険の付保の要否を検討・判断します。個別不動産のPML値が15%を超える場合には、地震発生時に予想される各運用不動産及びポートフォリオ全体に与える影響と、保険料負担が収益に与える影響を比較検討した上で、地震保険の付保の要否について決定します。
⑥ 売却方針
原則として短期的な物件の売却は行いませんが、ポートフォリオ全体の構成、テナントのニーズの変化、個別物件の状況、収益性の見通し、周辺環境の変化等を総合的に判断した結果、当該物件の売却がポートフォリオの収益の安定に資するものと判断した場合には、適切な時期での売却を検討することがあります。
⑦ 財務方針
中長期的に安定的な財務基盤を構築するため、分散されバランスの取れたバンクフォーメーションの構築、返済期限の分散化、借入期間の長期化及び金利の固定化を図ります。その上で、LTV及び財務コストの安定化を図るため、機動的に多様な資金調達を行います。
また、本投資法人が投資対象とする物流施設が有する特性(計算期間毎に減価償却費として計上される金額に対して実際に必要とされる資本的支出の金額は少額に留まる傾向にあること等)を踏まえ、資金効率の向上に向けた最適なキャッシュ・マネジメントを図っていく方針です。
(ア)デットファイナンス
本投資法人は、運用資産の着実な成長並びに運用における効率性及び安定性に資するため、資産の取得若しくは修繕等、分配金の支払又は債務の返済(敷金及び保証金の支払、借入金の返済並びに投資法人債の償還を含みます。)等の資金手当てを目的として、借入れ又は投資法人債(短期投資法人債を含みます。以下同じです。)の発行を行うことができます。但し、短期投資法人債の発行により調達した資金の使途又は目的については、法令に定める範囲に限るものとします。なお、資金を借り入れる場合は、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)(以下「金融商品取引法」といいます。)第2条第3項第1号に規定する適格機関投資家(租税特別措置法(昭和32年法律第26号。その後の改正を含みます。)(以下「租税特別措置法」といいます。)第67条の15第1項第1号ロ(2)に定める機関投資家に限ります。)からの借入れに限るものとします。
本投資法人は、運用資産を担保として提供することができるものとします。
借入金及び投資法人債発行の限度額は、それぞれ1兆円とし、その合計額が1兆円を超えないものとします。
また、借入れにあたっては、ラサールグループと金融機関との強固な関係を活かし、取引銀行との関係強化を図るとともに、資金調達の安定化のためのコミットメントラインを含む多様な借入方法を検討の上、固定・変動比率や返済期限の分散等に配慮して借入れを行うものとします。
さらに、本投資法人は、本書の日付現在、以下の発行体格付(発行体の将来の信用力に関する信用格付業者の意見)及び債券格付を取得しており、今後も資金調達手段の多様化に資する投資法人債の発行を検討していきます。なお、本投資法人の投資口(以下「本投資口」といいます。)について、本投資法人の依頼により、信用格付業者から提供され若しくは閲覧に供された信用格付、又は信用格付業者から提供され、若しくは閲覧に供される予定の信用格付はありません。
| <本投資法人の格付の状況>(本書の日付現在) |
| 信用格付業者 | 格付対象 | 格付内容 | 格付の見通し |
| 株式会社日本格付研究所(JCR) | 長期発行体格付 | AA- | 安定的 |
| 債券格付(注) | AA- | - |
(注)第1回、第2回、第3回、第4回及び第5回無担保投資法人債に対する格付です。
(イ)エクイティファイナンス
本投資法人は、資産の取得、修繕の実施、分配金の支払、運営に要する費用の支払又は債務の返済等の資金の手当てを目的として、投資口の追加発行を機動的に行います。
また、投資口の追加発行を行うにあたっては、本投資法人の財務状況、投資口の希薄化、投資主価値の向上等を十分考慮に入れるものとします。
さらに、本投資法人は、金融市場等の環境変化に応じ、多様な資本政策手法を活用して投資主価値の向上を図るものとします。
(ウ)有利子負債比率(LTV)
本投資法人の資産総額のうち有利子負債総額の占める割合は、原則として60%を上限としつつ、50%前後を平常時の運用における上限の目途とします。但し、新規投資や資産評価の変動等により一時的にかかる水準を超えることがあります。
(エ)デリバティブ取引
本投資法人の借入等に係る金利変動リスクその他のリスクをヘッジすることを目的として、金融商品取引法第2条第20項に規定するデリバティブ取引に係る権利への投資を行うことができます。
(オ)キャッシュ・マネジメント
本投資法人が投資対象とする物流施設は、計算期間毎に減価償却費として計上される金額に対して実際に必要とされる資本的支出の金額は少額に留まる傾向にあります。
本投資法人は、こうした物流施設の特性を踏まえ、減価償却費相当額の手元資金をその時々の状況に応じて最適に配分する方針です。
具体的な活用方法としては、
・有利子負債返済による強固な財務体質の構築
・新規物件取得資金への充当による成長力強化
・修繕や資本的支出への活用による、保有物件の競争力の維持・強化
・利益を超える金銭の分配(出資の払戻し)の実施等が考えられます。
⑧ 情報開示方針
本投資法人は、金融商品取引法、投信法その他の適用法令並びに東京証券取引所及び一般社団法人投資信託協会(以下「投信協会」といいます。)の規則等に従い、適切に投資家に対する情報開示を行います。