有価証券報告書(内国投資証券)-第2期(平成28年6月1日-平成28年11月30日)

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2017/02/27 15:04
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48項目
(1)【投資方針】
① 基本理念等
(イ) 本投資法人の基本理念
本投資法人は、タカラレーベンをスポンサーとして、平成27年8月5日に設立され、平成28年6月2日に株式会社東京証券取引所インフラファンド市場に、国内第1号のインフラファンドとして上場しました。
本投資法人は、主として、再生可能エネルギー発電設備等の特定資産への投資を通じて、安定的なキャッシュ・フロー及び収益を維持するとともに、運用資産の規模拡大や収益の向上を実現することを目指します。また、地球にやさしい持続的な環境づくりに貢献することを基本理念とし、自然エネルギーの活用を通じて価値を創造し、地域社会における雇用創出及び社会経済の発展、地球温暖化対策並びにエネルギー自給率の向上に寄与することを目指します。本投資法人は、これらの社会貢献投資を通じた安定的なキャッシュ・フロー及び収益により、投資主価値を最大化することを目指します。
本投資法人はこれらの基本理念を追求するため、再生可能エネルギー発電設備等のうち、特に太陽光発電設備等に主として投資を行います。そして、本投資法人は、取得した太陽光発電設備等を賃借人に賃貸して運用します。
図:本投資法人の基本理念
(ロ) 本投資法人のハイライト(太陽光発電設備等への投資)
a. 安定的かつ成長可能性のある太陽光発電市場への投資機会の提供
本投資法人の主な投資対象は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(再生可能エネルギー源(太陽光、風力、水力、地熱及びバイオマス(動植物に由来する有機物であってエネルギー源として利用することができるもの(原油、石油ガス、可燃性天然ガス及び石炭並びにこれらから製造される製品を除きます。)をいいます。以下同じです。)の各エネルギー源をいいます。以下同じです。)を利用して発電した電気を、経済産業大臣が定める固定の調達価格(再エネ特措法第3条第1項に定める意味により、以下「買取価格」ともいいます。以下同じです。)で一定の調達期間(再エネ特措法第3条第1項に定める意味により、以下「買取期間」ともいいます。以下同じです。)、電気事業者(注)に買い取ることを義務づける制度をいいます。以下同じです。)が適用され(同制度の概要については、後記「③ 太陽光発電事業の概要について (ロ) 固定価格買取制度の概要」をご参照ください。)、かつ、原則として既に稼働している太陽光発電設備等であり、設備自体から安定的なキャッシュ・フローが見込まれます。さらに、本投資法人は、運用資産である太陽光発電設備等を賃貸することにより運用しますが、各運用資産の賃料は、原則として一定額の最低保証賃料と賃借人が賃借した太陽光発電設備に係る売電収入に連動する実績連動賃料を組み合わせ、かつ、その大部分が実際の売電収入の変動に連動しない最低保証賃料となるように設定しており、本投資法人においても安定的なキャッシュ・フローが見込めます。本投資法人の主な投資対象である太陽光発電設備等によるエネルギー導入量は、後記「② 再生可能エネルギー発電設備を取り巻く環境 (ロ) 再生可能エネルギーの中における太陽光発電の位置付け b. 太陽光発電のシェアと市場の拡大」に記載の経済産業省による見通しによれば、今後さらに増加する余地があるものとされており、本投資法人としても、太陽光発電市場は、今後さらに拡大する市場であると考えています。
本投資法人は、資本市場においてこのように安定的かつ成長可能性のある太陽光発電市場への投資の機会を広く提供することを目指しています。
以上の状況に加え、後記「⑤ 本投資法人の特徴 (ロ) 運用戦略と成長戦略 a. 運営サポート体制 iii. スポンサーサポートの活用」に記載のとおり、スポンサーであるタカラレーベンによる多種多様なスポンサーサポートがなされており、これらのスポンサーサポートに基づく本投資法人特有の安定性・成長性も期待できるものと本投資法人では考えています。
(注) 「電気事業者」とは、再エネ特措法第2条第1項に規定する電気事業者をいい、主に、東京電力エナジーパートナー株式会社を始めとする大手電力会社10社その他の小売電気事業者(電気事業法(昭和39年法律第170号。その後の改正を含みます。)(以下「電気事業法」といいます。)第2条第1項第3号に規定する小売電気事業者をいいます。以下同じです。)を指します。以下同じです。
b. 環境改善等に資する社会資本への社会貢献投資
地球温暖化が世界的な課題となっている中、発電時において温室効果ガスであるCO2(二酸化炭素)の発生を抑制する再生可能エネルギーの導入は、環境の改善に貢献するとともに、国際社会における日本のプレゼンス向上にも繋がるものと考えられます。また、一般に、発電のための化石燃料につき海外からの輸入に大きく依存しているなかでの再生可能エネルギーの普及によるエネルギー自給率の向上は、エネルギーセキュリティーの面でも意義があり、また同時に海外からの燃料調達コストの削減にも繋がると考えられます。さらに、再生可能エネルギー発電設備等の管理業務の一部を現地の業者に委託すること等を通じた再生可能エネルギー関連による地域社会における雇用の創出や、遊休土地の活用を始めとした地域活性化等の効果も期待されます。本投資法人は、太陽光発電設備等への投資を通じて、以上のような社会貢献も可能であると考えています。
c. アセットの特徴を生かした、投資主への還元方針
本投資法人の投資対象である太陽光発電設備等は、その多くが都市部以外の地域に所在し、土地の価格が相対的に安いため、資産全体に占める償却資産の割合が一般的な不動産投資法人(いわゆるJ-REIT)に比べて相対的に高くなることが想定され、結果として高い減価償却費を計上することが見込まれます。他方で、太陽光発電設備に対する資本的支出や修繕費は、その資産の特性から減価償却費に比べて低額となる傾向があります。このため、本投資法人は、長期修繕計画に基づき想定される各計算期間の資本的支出の額に鑑み、長期修繕計画に影響を及ぼさず、かつ、資金需要(投資対象資産の新規取得、保有資産の維持・向上に向けて必要となる資本的支出等、本投資法人の運転資金、債務の返済及び分配金の支払等)に対応するため、融資枠等の設定状況を勘案の上、本投資法人が妥当と考える現預金を留保した残額を、原則として全額、毎計算期間分配する方針とし、このうち、利益の額を超える額は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)として分配します。ただし、本投資法人の財務状態に悪影響を及ぼさない範囲で、かつ、法令等(投信協会の定める規則を含みます。)に定める金額を限度とします。これらの分配を行うことにより投資主への還元を行います。
本投資法人は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)額の目途を設けることはせずに本投資法人が妥当と考える現金を留保した上でその残額を全額投資主に対して分配することで、必要な金銭の内部留保を確保しつつ、できる限り多くの金銭を投資主に分配することが可能となると考えています。本投資法人は、かかる内部留保を効率的に活用して資産の取得及び運用を行うことで純利益に基づく分配金の増額を図り、上記の方針に基づく利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と併せて投資主への分配金の向上を目指すことが、最終的には、本投資法人、ひいては投資主の利益に資するものと考えています。
上記にかかわらず、第2期(平成28年11月期)については、保有資産の平成28年度の固定資産税について、本投資法人が負担して支払う精算金相当額が取得原価に算入されるため費用計上されないことにより、相応の利益の分配が可能であったため、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)は行わないこととしました。また、第3期(平成29年5月期)についても、保有資産の平成29年度の固定資産税の一部が費用計上されるものの、固定資産税(償却資産)の課税標準の軽減措置が保有資産の太陽光発電設備に適用されるため、相応の利益の分配が可能であると現時点において見込まれること等を考慮して、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施する予定はありません。さらに、第4期(平成29年11月期)以降の計算期間についても、経済環境、再生可能エネルギー発電事業に関する市場環境、本投資法人の財務状況等諸般の事情を総合的に考慮した上で、修繕や資本的支出への活用、借入金の返済、新規物件の取得資金への充当、自己投資口の取得などの他の選択肢についても検討の上、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施しない場合もあります。
なお、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)の実施は手元資金の減少を伴うため、突発的な事象等により本投資法人の想定を超えて資本的支出等を行う必要が生じた場合に手元資金の不足が生じる可能性や、機動的な物件取得に当たり資金面での制約となる可能性があります。利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施した場合、当該金額は出資総額又は出資剰余金から控除されます。
また、本投資法人は、投資主との合意により当該投資法人の投資口を有償で取得することができる旨を規約第5条第2項で定めており、当該規定に基づき、主として本投資法人の投資口が上場している東京証券取引所において、自己投資口を取得する可能性があります。自己投資口の取得は、経済的には利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と同一の効果を有し、会計上も自己投資口の取得を実施した場合、当該金額は出資総額等の控除項目として計上されます。
本投資法人は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)に代えて又は利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と同時に自己投資口の取得を行う場合がありますが、自己投資口の取得も利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)とみなして、上記の利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)に関する方針に従って、その実施の有無、金額等を決定するものとします。
d. 発電量予測値に基づく最低保証賃料の設定による安定した収入の確保
本投資法人は、賃借人兼オペレーターから受領する賃料について、一定の超過確率P(パーセンタイル)(注)の発電量予測値に基づく最低保証賃料と実際の売電収入に連動した実績連動賃料を組み合わせることを基本方針としています。かかる最低保証賃料の設定により、本投資法人は、安定した収入を確保することが可能になるものと考えています。なお、最低保証賃料は、無補償の出力抑制や天候不順等の外部要因により実際の発電量が当該予測値を下回った場合でも賃借人より収受できる賃料として設定されています。
(注)超過確率(パーセンタイル)については後記「⑤ 本投資法人の特徴 (ロ) 運用戦略と成長戦略 b. 本投資法人の運用戦略 i 収入の安定化 (b) 賃料形態について」をご参照ください。
e. 安定性の高い財務基盤
本投資法人は、本書の日付現在、合計16の金融機関から借入れを行うとともに、これらの金融機関との間で基本的な借入れの条件を合意しており、借入先を多様化しています。限られたスケジュールでの資産取得、大規模案件の取得機会、運用資産のメンテナンスに必要な資金捻出等の突発的な資金需要に対応できる態勢を整備しておくことは本投資法人の外部成長及び内部成長に繋がるものと考えられます。本投資法人はかかる強固なレンダーフォーメーションを維持するとともに、新たな取引金融機関を開拓していくことで、本投資法人の安定的な成長及びそれによる投資主価値の向上を目指します。
f. 国内第1号上場による先発優位性
本投資法人は、インフラファンド市場(同市場の概要については、後記「④ インフラファンド市場について (イ) インフラファンド市場」をご参照ください。以下同じです。)における国内第1号の上場インフラファンド(後記「④ インフラファンド市場について (イ) インフラファンド市場」に定義されます。以下同じです。)であり、上場を機に本資産運用会社には第三者から発電所の売却情報が持ち込まれるようになっています。本投資法人は、かかる情報を活用して本投資法人及び本資産運用会社独自のネットワークを拡大し、それにより資産規模を早期に拡大する機会の増加を目指します。また、いわゆる経験効果として、本投資法人、本資産運用会社及びスポンサーは、インフラファンド市場における経験及び知識を、他の市場関係者に先んじて蓄積することができ、また、金融機関や発電設備の運営・保守・管理業者、発電設備関連機器のメーカー等の関係当事者からの支援を比較的得られやすい等の先行者利益を享受することができるものと考えています。本投資法人は、第1号の上場インフラファンドとして、これらの先発優位性を活用し、投資主への長期安定的な配当享受の機会の提供を目指していきます。
② 再生可能エネルギー発電設備を取り巻く環境
(イ) 日本のエネルギーの現状と政策
平成23年3月11日に発生した東日本大震災以降、わが国のエネルギー政策については抜本的な変更がなされています。
東日本大震災等の影響により、これまでエネルギー自給率に貢献していた原子力発電所は、定期点検を境に順次運転を停止し、平成25年9月には、原子力発電所はすべて停止しました。また、運転を停止した原子力発電所は、運転再開について地元の同意を得ることが難しくなったり、安全基準の見直しとそれへの対応のため、定期点検後の運転再開が容易ではなくなっており、その後、一部の原子力発電所が再稼働したものの、発電量に占める割合は平成27年度で1.1%と依然として極めて低い水準にとどまっています。代替のエネルギーは、概ね石炭・LNG・石油等によって賄われており、震災前に約60%であった国内発電量に占める火力発電の比率は、平成25年度には約90%まで上昇しました。
また、当該比率の上昇は、化石燃料の輸入に対する依存度が高まったことを表しており、海外に依存するエネルギー供給体制が以前よりも強まったといえます。経済産業省によれば、平成26年における日本の一次エネルギー自給率(推計値)は6.0%と、東日本大震災前の平成22年における19.9%から大幅に低下しています。これは、海外においてエネルギー資源の供給について問題が発生した場合、わが国が自律的に資源を確保することが困難となり得る状況であり、早期に対処すべき課題といえます。現在、政府において、震災前の水準をさらに上回る概ね25%程度を目標に、一次エネルギー自給率の向上が検討されています。
以上に加え、世界的に温室効果ガスの排出量削減が目標とされる中で、わが国の平成25年度の温室効果ガスの排出量は、原子力発電所の停止・火力発電の焚き増しにより1,408百万トン(CO2換算)と過去最悪の数字を記録しました。平成27年7月17日に国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局へ提出した日本の約束草案においては、平成42年度には、平成25年度比26.0%減の1,042百万トンとすることを目標としており、かかる目標を達成するためには、国内発電量に占める再生可能エネルギーの比率を高め、火力発電への依存度を下げることに注力する必要があります。
再生可能エネルギーの導入及び比率の向上は、自然エネルギーの活用による一次エネルギー自給率の向上や発電時における温室効果ガスであるCO2の発生の抑制を通じて、上記の日本のエネルギー政策における課題の解決に繋がるものと考えられます。
このような中、平成26年4月に閣議決定されたエネルギー計画は、総発電電力量における再生可能エネルギーの割合を平成32年に13.5%、平成42年に約20%にするというこれまでの見通しの水準をさらに上回る水準の再生可能エネルギーの導入を目指しています。これを受けた、経済産業省による平成27年7月時点の長期エネルギー需給見通しでは、平成42年度の総発電電力量における再生可能エネルギーの割合は22~24%(うち太陽光は7%)と見込まれています。
(注)10電力計、他社受電分を含みます。「石油など」にはLPG、その他ガスを含みます。
図:電源別発電電力量構成比
出所:電気事業連合会「電事連会長 定例会見要旨(2016年5月20日)」資料のデータを基に本資産運用会社作成
図:日本の一次エネルギー国内供給構成及び自給率の推移(平成26年:推計値)
出所:経済産業省資源エネルギー庁「平成27年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2016)」図第211-4-1のデータを基に本資産運用会社作成
(ロ) 再生可能エネルギーの中における太陽光発電の位置付け
a. 太陽光発電の概要
太陽光発電設備は、発電コストや電力供給の不安定性、発電効率等について課題はあるものの、メンテナンスが比較的容易かつ燃料調達の必要がないため、安定的な発電が期待できる発電施設です。また、開発期間の点では、その他の再生可能エネルギーが環境影響評価や地元調整等によって数年程度要することが一般的であるのに対し、出力1MW(1,000kW)以上の大規模な太陽光発電(以下「メガソーラー」といいます。)のための設備でも1年程度と比較的短く、技術的な観点からも、比較的開発・運営が容易な電源といえます。
なお、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」といいます。)は、太陽光発電について発電コスト低減を目指す技術開発プロジェクトを開始し、平成42年までに発電コストを7円/kWhに低減することを目指すものとしています。
また、周波数変動対策や余剰電力対策のために蓄電池に関する技術開発も進められています。特に、蓄電池に関しては、NEDOが策定した「NEDO二次電池技術開発ロードマップ2013」(平成25年8月)においては、現状の開発レベルと将来見込みを勘案して設定した平成32年のコスト目標(パワーコンディショナー(PCS)を含めた「電池システム」としての値)として、長周期変動調整用二次電池(需給調整用二次電池)について2.3万円/kWh(平成24年末時点のコストは5~10万円/kWh)、短周期変動調整用二次電池について8.5万円/kW(平成24年度末時点のコストは20万円/kW)という値が示されています。
このような技術革新が実現した場合には、前記の発電コストや電力供給の不安定性、発電効率等についての課題を一定程度克服できるものと考えられます。
本投資法人は、太陽光発電が、当面の間、再生可能エネルギーの中でも中心的な役割を果たすとともに、中長期的にも重要な電源になると考えており、太陽光発電設備等を本投資法人の主な投資対象としていく方針です。また、本投資法人の主な投資対象は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が適用され、かつ、原則として既に稼働している太陽光発電設備等です。
各再生可能エネルギー発電設備開発期間
太陽光(メガソーラー)1年前後(特別高圧(注1)案件で2年程度)
陸上風力5~8年程度
バイオマス(木質専焼)(注2)4~5年程度
地熱11~13年程度
小水力(注3)3~5年程度

(注1)「特別高圧」とは、電気設備に関する技術基準を定める省令(平成9年通商産業省令第52号。その後の改正を含みます。)において7,000ボルトを超える電圧の種別と定義されています。
(注2)「バイオマス(木質専燃)」は、木質バイオマスのみを燃料源とするバイオマス発電設備を意味します。
(注3)「小水力」は、出力が小規模の水力発電設備を意味します。
図:各再生可能エネルギー発電設備の開発期間
出所:経済産業省調達価格等算定委員会第20回配布資料「再生可能エネルギーの導入状況と固定価格買取制度見直しに関する検討状況について」(平成28年1月 資源エネルギー庁)のデータを基に本資産運用会社作成
b. 太陽光発電のシェアと市場の拡大
i 経済産業省による見通し
固定価格買取制度の導入後、認定を受けた10kW以上の太陽光発電設備(非住宅用)の容量は、平成28年7月末時点で約75GWとなっており、うち実際に導入されたものは約25GWとなっています。過去の新規認定・導入の推移からは、前記のとおり開発期間が1年程度であるにもかかわらず、認定から当該期間が経過した後も導入されていないケースが多いことが推定され、現時点においては開発見込みがないものが相応にあると考えられます。他方、経済産業省による平成27年7月時点の長期エネルギー需給見通しでは、平成42年度には約64GW(うち非住宅用は約55GW)の導入が見込まれるとされています。また、経済産業省によると固定価格買取制度開始後に新規導入された再生可能エネルギーの容量における10kW以上の太陽光発電の割合は平成28年10月末時点で94.4%を占めています。
(注)「平成42年度導入見込み」については、太陽光発電設備に関する報告徴収や聴聞の結果を踏まえ、認定量の6割程度が導入されるものとして、認定された太陽光発電設備のうち実際に運転を開始する正味の導入量及び既導入量の合計を6,100万kW程度と見込んだ上で、太陽光発電設備によって発電された電気の買取のために平成42年度に合計約2.3兆円の買取費用が活用されることを見越して追加的に見込まれる導入量を計算して、合計約6,400万kWが導入されるものとし、そのうち非住宅用については約5,500万kWが導入されるものと見込んでいます。
図:再エネ特措法施行以降の太陽光発電設備の新設・導入推移(10kW以上)及び平成42年度太陽光発電設備(非住宅用)の導入見込み
出所:(i)平成28年7月までは、経済産業省資源エネルギー庁「固定価格買取制度情報公表用ウェブサイト」のデータを基に本資産運用会社作成、(ii)平成42年度導入見込みは、経済産業省「長期エネルギー需給見通し」関連資料(平成27年7月 資源エネルギー庁)のデータを基に本資産運用会社作成
(注)固定価格買取制度開始後に新たに認定を受け、同制度の下で買取が開始された各発電設備の容量(万kW)の平成28年10月末時点の割合を表示しています。
図:固定価格買取制度開始後に新規導入された再生可能エネルギーの容量割合(太陽光は10kW以上のものを対象)
出所:経済産業省資源エネルギー庁「固定価格買取制度情報公表用ウェブサイト」のデータを基に本資産運用会社作成
ii 政府による計画
政府作成による「エネルギー基本計画」(平成26年4月)においても、再生可能エネルギーについては、平成25年から3年程度、導入を最大限加速していき、その後も積極的に推進していく旨が示されており、今後も再生可能エネルギーの導入推進のための政策が実施されることが期待されます。現に、経済産業省総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会新エネルギー小委員会において、さらなる再生可能エネルギーの導入拡大に向けた政策の方向性についての議論が継続的に行われています。
また、前掲の「エネルギー基本計画」においては、太陽光発電の発電コストや出力不安定性等による安定供給上の問題について触れられているものの、技術革新や、エネルギーマネジメントの実現等による改善策への取組みを進めることが期待されるとされています。
そして、後記「③ 太陽光発電事業の概要について (ロ) 固定価格買取制度の概要 c. 固定価格買取制度の見直し」に記載のとおり、平成29年4月1日に施行が予定されている改正後の再エネ特措法においても再生可能エネルギー源の利用の促進が掲げられています。
以上から、本投資法人は、太陽光発電市場の拡大、ひいては太陽光発電設備等の取得による本投資法人のポートフォリオの拡大を実現する環境がさらに整備されていく可能性があるものと考えています。
c. セカンダリー取引に対する今後の期待
新たに認定及び導入される太陽光発電設備に加えて、認定後の発電事業の権利の譲渡や、稼働済み発電所の譲渡等の取引も今後活発化する可能性があります。この点、インフラファンド市場の創設は、このようなセカンダリー取引市場の成長を促進する効果も期待されます。なお、上場を機に本資産運用会社には第三者から発電所の売却情報が持ち込まれるようになっています。
d. 太陽光発電導入における課題
一般社団法人太陽光発電協会によれば、太陽光発電によるエネルギーを含む再生可能エネルギーの導入を大量化するためには具体的に以下の課題に対応することが考えられるとされています。これらの課題には経済産業省によって議論されているものも含まれており、導入拡大に向けた措置が政策的に検討されています。
① 高度かつ効率的な出力制御技術による需給最適化
② 広域的地域間連系ネットワークへの革新による縦横無尽なエネルギーコントロールを可能にすること(系統システムの高度化、①を含めた最適化運用)
③ 現状との比較精査を含めた、火力・水力等における系統電源調整能力の更なる技術的進化と活用
④ 蓄電池、水素等によるエネルギー貯蔵技術システムの活用
⑤ 「捨てるより使う」という観点に立ち、ダイナミック・プライシング等を用いた需要の能動化
③ 太陽光発電事業の概要について
(イ) 太陽光発電設備の概要
a. 太陽電池の原理
一般的な太陽電池の仕組みは、太陽光を半導体に当てることによって光エネルギーを電気に交換するものです。一般的な太陽電池は負の電荷を引き寄せるn型半導体と正の電荷を引き寄せるp型半導体の2種類を積み重ねた構造となっています。太陽電池の表面に光が当たると正と負を持った粒子(正孔と電子)が発生し、電子はn型半導体のほうへ、正孔はp型半導体のほうへ移動します。この移動は光を当てている間持続し、電子が押し出されることで、電流が生じます。
b. 太陽光発電設備の構成
太陽光発電設備の基本的なシステムは、以下で構成されます。
図:太陽光発電設備の構成(「LS塩谷発電所」の例)
(ロ) 固定価格買取制度の概要
a. 固定価格買取制度の導入
再生可能エネルギーの固定価格買取制度とは、再生可能エネルギー源を利用して発電した電気を、経済産業大臣が定める固定の調達価格で一定の調達期間、電気事業者に買い取ることを義務づける制度で、再エネ特措法に基づき、平成24年7月1日にスタートしました。発電事業者(注1)がこの制度を利用するには、再生可能エネルギー発電設備について経済産業省による認定を受け、一般送配電事業者等(注2)(以下「接続電気事業者」といいます。)との間で接続契約(注3)を締結の上、発電事業者の再生可能エネルギー発電設備を接続電気事業者の電気工作物に電気的に接続するとともに、発電事業者から電気を買い取る電気事業者(以下「買取電気事業者」といいます。)と再エネ特措法第4条第1項に定める特定契約(調達期間を越えない範囲の期間にわたり、認定を受けた者が電気事業者に対し再生可能エネルギー発電設備で発電した電気を供給することを約し、電気事業者が調達価格によりこれを調達することを約する契約をいい、以下「売電契約」ともいいます。以下同じです。)を締結する必要があります。なお、本投資法人は、原則として、調達価格及び調達期間が確定し、かつ特定契約に基づく発電事業者による電気の供給及び電気事業者による電気の買取が既に開始された太陽光発電設備等を投資対象とします。
また、固定価格買取制度は、発電事業に必要となる費用の大半である、発電所の建設コストを安定的に資金回収できるよう長期にわたって電気の買取を保証することで積極的な再生可能エネルギー発電への投資を促すことが狙いとされています。スタート時の平成24年度において、太陽光発電による電気の買取価格は設備容量が10kW以上のものは1kWh当たり40円(税抜)と設定されましたが、その後毎年度、技術革新や市場競争による建設コストの低下により買取価格は見直されています。しかし、各太陽光発電設備について、一度確定した買取価格及び調達期間は、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ⑤ 発電事業に係る権利・法制度に関するリスク (ニ) 調達価格又は調達期間が変更されるリスク」に記載される例外的な場合を除いて、調達期間が満了するまで変更されることはありません。ただし、発電事業者は、各再生可能エネルギー発電設備について、需給調整や保安上の理由により接続電気事業者から出力制御を求められる場合があります。出力制御については、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ⑤ 発電事業に係る権利・法制度に関するリスク (ハ) 出力制御を求められるリスク」をご参照ください。
(注1) 本書において、「発電事業」とは、別段の記載のない限り、再生可能エネルギー発電設備を用いて電気を発電する事業をいい、電気事業法第2条第1項第14号に規定する発電事業に限られません。また、「発電事業者」とは、別段の記載のない限り、再生可能エネルギー発電設備を用いて電気を発電する事業を営む者をいい、電気事業法第2条第1項第15号に規定する発電事業者に限られません。以下同じです。
(注2) 「一般送配電事業者等」とは、再エネ特措法第5条第1項に規定する一般送配電事業者等をいい、主に、一般送配電事業者(電気事業法第2条第1項第9号に規定する一般送配電事業者をいいます。以下同じです。)としての東京電力パワーグリッド株式会社及びその他の大手電力会社9社の送配電部門を指します。
(注3) 「接続契約」とは、発電事業者が用いる認定を受けた再生可能エネルギー発電設備と接続電気事業者がその事業の用に供する変電用、送電用又は配電用の電気工作物(電気事業法第2条第1項第18号に定義される意味によります。以下同じです。)を電気的に接続すること及びその条件を定める契約をいいます。なお、発電事業者が従前東京電力株式会社(当時)と締結していた特定契約兼接続契約上の同社の地位及びこれに付随する権利義務は、平成28年4月1日を効力発生日とする同社の会社分割により、東京電力エナジーパートナー株式会社が承継し、同日より、同契約における電気工作物等の接続その他の送配電に係る事項については、東京電力パワーグリッド株式会社が、東京電力エナジーパートナー株式会社との契約に基づき実施しています。また、発電事業者は、東京電力パワーグリッド株式会社が定める託送供給等約款(以下「託送供給等約款」といいます。)における発電者に関する事項(給電指令(出力抑制)の実施、託送供給等に伴う協力、発電場所の立ち入り等)について遵守する必要があります。以下同じです。
年度買取価格(税抜)買取期間
平成24年度(7月1日以降)40円/kWh20年
平成25年度36円/kWh20年
平成26年度32円/kWh20年
平成27年度(4月1日から6月30日まで)29円/kWh20年
平成27年度(7月1日以降)27円/kWh20年
平成28年度24円/kWh20年

図:出力が10kW以上の太陽光発電設備の買取価格及び買取期間
b. 固定価格買取制度の基本的な仕組み
買取電気事業者による電力の買取資金の原資として、買取電気事業者が電気の使用者から電気料金と共に再生可能エネルギー賦課金を徴収し、費用負担調整機関が全国の買取電気事業者から再生可能エネルギー賦課金を原資とする納付金を徴収し、各買取電気事業者に対して、買取実績に応じた交付金を支払う仕組みとなっています。
図:固定価格買取制度の基本的な仕組み
出所:経済産業省資源エネルギー庁新エネルギー対策課「再生可能エネルギーの固定価格買取制度について」(平成24年7月)のデータを基に本資産運用会社作成
(注)「費用負担調整機関」とは、地域ごとに再生可能エネルギーの導入状況が異なる中で、地域間の負担の公平性を保つた
めに、地域間調整(再生可能エネルギー賦課金単価の全国一律化)を行う機関をいいます。
c. 固定価格買取制度の見直し
再生可能エネルギーの固定価格買取制度については、①エネルギーミックスを踏まえた電源間でのバランスのとれた導入の促進、②国民負担の抑制のためのコスト効率的な導入の促進、③電力システム改革の成果を活かした効率的な電力の取引・流通の実現を目的として見直しが進められ、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律(平成28年法律第59号)(同法による改正後の再エネ特措法を以下「平成29年4月1日施行の改正再エネ特措法」といいます。)が平成28年5月25日に成立し、同年6月3日に公布されました。同法は、平成29年4月1日に施行されます。
同法による固定価格買取制度の見直しのうち発電事業者に影響のあるものの概要(注1)は以下のとおりです。
ⅰ 新認定制度の創設
・ 新たな認定制度を導入し、申請者に再生可能エネルギー発電事業計画を提出させ、一般送配電事業者との接続契約(注2)の締結その他により事業の円滑かつ確実な実施が見込まれることを要件として認定を行う。
・ 認定事業者に対しては、経済産業大臣が指導・助言や改善命令を行うことができるものとし、認定事業者が認定を受けた再生可能エネルギー発電事業計画に従って事業を行っていない場合、同計画が認定要件に適合しなくなった場合又は改善命令に違反した場合は、認定を取り消すことができるものとする。
・ 現行法に基づく認定は失効する。ただし、施行日までに運転開始又は接続契約の締結に至っている案件その他一定の要件を満たす案件については、平成29年4月1日施行の改正再エネ特措法に基づく認定を受けたものとみなす。
ⅱ 新たな未稼働案件の発生防止に向けた仕組みの導入
・ 平成28年8月1日以降に接続契約を締結する太陽光発電案件については、認定から一定の期間(事業用太陽光発電設備については、3年。なお、みなし認定案件については、平成29年4月1日施行の改正再エネ特措法の施行日を起算日とする。)以内に運転開始することを求め、出力10kW以上の太陽光発電案件については、当該期限を徒過した場合、調達価格が低減されるか、調達期間が短縮される。
・ 他方、上記仕組みの対象案件については、太陽電池モジュールのメーカーの変更等により調達価格が変更されるルールを適用しない。
ⅲ 適切な事業実施を確保する仕組みの導入
・ 新制度では、事業開始前の審査に加え、事業実施中の点検・保守や、事業終了後の設備撤去等の遵守を求め、違反時の改善命令・認定取消を可能とする。
・ 景観や安全上のトラブルが発生している状況に鑑み、事業者の認定情報を公表する仕組みを設ける。
ⅳ コスト効率的な導入
・ 中長期的な買取価格の目標を設定する。
・ 事業者間の競争を通じた買取価格低減を実現するため入札制を導入(事業用太陽光を対象とし大規模案件から実施)。
・ 数年先の認定案件の買取価格まであらかじめ提示する(価格低減のスケジュールを示す)ことを可能とする。
ⅴ 地熱発電等のリードタイム(注3)の長い電源の導入拡大
・ 数年先の認定案件の買取価格まであらかじめ提示する(予見可能性を高める)ことを可能とする。
ⅵ 電力システム改革を活かした導入拡大
・ 再生可能エネルギー電気(再生可能エネルギー発電設備を用いて再生可能エネルギー源を変換して得られる電気をいいます。以下同じです。)の買取義務者(電気事業者)を小売電気事業者等から一般送配電事業者に変更する。これにより電力の広域融通をより円滑化し、より多くの再生可能エネルギーの導入を可能とする。
・ 一般送配電事業者が買い取った電気は、原則として卸電力取引所に売却されるが、発電事業者と小売電気事業者の間で合意が成立している場合は、当該小売電気事業者に引き渡すことも可能とする。
(注1)総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会(第9回)(平成28年6月7日)参考資料1「固定価格買取制度見直しのポイント」等参照。
(注2)再生可能エネルギー発電設備の一般送配電事業者への接続に関する契約で、一般送配電事業者による連系承諾に係る事項と発電事業者による工事費負担金の負担についての事項の両方を内容に含むものをいい、各一般送配電事業者が公表する種類の契約をいいます。本c.において以下同じです。
(注3)リードタイムとは、事業の検討開始から実際に商用運転を開始するまでの期間をいいます。
④ インフラファンド市場について
(イ) インフラファンド市場
東京証券取引所は、インフラストラクチャー(以下「インフラ」といいます。)に対する投資ニーズの高まりやインフラ整備の社会的意義等を踏まえ、専門家・有識者による「上場インフラ市場研究会」を開催するなど、わが国における再生可能エネルギー発電設備を運用対象とする投資信託の受益証券又は投資法人の投資証券の取引市場(以下「インフラファンド市場」といいます。また、インフラファンド市場に上場する投資信託又は投資法人を以下「上場インフラファンド」といいます。)の創設に向けた検討を実施してきましたが、投信法の改正により同法上の特定資産に再生可能エネルギー発電設備や公共施設等運営権(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成11年法律第117号。その後の改正を含みます。)第2条第7項に規定する公共施設等運営権をいいます。以下同じです。)が追加されたことなどを踏まえ、平成27年4月30日、再生可能エネルギー発電設備等その他のインフラ資産等(注)を投資対象とするインフラファンド市場を創設しました。この市場は、「震災復興への活用はもちろんのこと、エネルギー源の多様化や高度経済成長期に集中整備したインフラの維持・更新、また、アジア経済圏の成長の基盤となるインフラ運営への活用など」(上場インフラ市場研究会報告書(平成25年5月))も期待されています。
そのような状況の中、本投資法人は、平成28年6月2日に初の上場インフラファンドとして当該市場に上場しました。その後、同市場に上場する他の投資法人も現れており、今後のインフラファンド市場の活性化が期待されます。
(注)東京証券取引所の有価証券上場規程及び同施行規則に定義される「インフラ資産等」とは、インフラ資産及びインフラ有価証券をいいます。このうち、上場インフラファンドの中核的な投資対象となることが想定されている「インフラ資産」には、再生可能エネルギー発電設備や公共施設等運営権に留まらず幅広い資産が含まれています。他方、平成26年の投信法の改正により投信法で定める特定資産として追加されたのは、再生可能エネルギー発電設備及び公共施設等運営権のみとなっています。ただし、東京証券取引所の有価証券上場規程及び同施行規則に定義されるインフラ資産のうち不動産であるものは、不動産として投信法上の特定資産に該当します。
図:インフラファンド市場への上場までの経緯
(ロ) 導管性要件について
税務上の導管性(投資法人と投資主との間の二重課税を排除するために認められている配当等の額を投資法人の損金の額に算入すること)を充足するための要件(以下「導管性要件」といいます。)の一つとして、投資法人の保有する特定資産(再生可能エネルギー発電設備及び公共施設等運営権を除きます。また、投信法施行令第3条第1号に掲げる有価証券のうち匿名組合契約等に基づく権利及び同条第8号に掲げる匿名組合出資持分にあっては、主として同条第1号に掲げる有価証券のうち匿名組合契約等に基づく権利以外のもの及び同条第2号から第7号までに掲げる資産に対する投資として運用することを約する契約に係るものに限ります。)の帳簿価額が、その時において本投資法人が有する総資産の帳簿価額の50%超となることが原則とされています。
ただし、例外的に、規約上再生可能エネルギー発電設備の運用の方法(その締結する匿名組合契約等の目的である事業に係る財産に含まれる再生可能エネルギー発電設備の運用の方法を含みます。)が賃貸のみである旨が規定されている上場投資法人については、平成29年3月31日(注)までの期間内に再生可能エネルギー発電設備を取得(当該投資法人が締結している匿名組合契約等の目的である事業に係る財産としての当該匿名組合契約等に基づいて出資を受ける者による取得及び匿名組合契約等(その目的である事業に係る財産のうちに再生可能エネルギー発電設備を含むものに限ります。)に基づいて出資をした者からの当該匿名組合契約等に係る地位の承継を含みます。以下、本「(ロ) 導管性要件について」において同じです。)した場合、そのはじめての取得の日からその取得をした再生可能エネルギー発電設備をはじめて貸付けの用に供した日以後20年を経過するまでの間に終了する各事業年度の間は、再生可能エネルギー発電設備並びに主として再生可能エネルギー発電設備に対する投資として運用することを約する匿名組合契約等に基づく権利及び投信法施行令第3条第8号に掲げる匿名組合出資持分も前記総資産の帳簿価額の50%超の判定に際し分子に含めて計算してよいものとされており、本投資法人は同例外要件によって上記の導管性要件を充足する見込みです。したがって、現状の税法上は、本投資法人の導管性は平成48年5月31日までに限り充足することが可能な見込みです。
なお、運用資産等の総額に占めるインフラ資産等の比率に係る上場廃止基準等が適用されない特例インフラファンド(東京証券取引所の有価証券上場規程第1521条第1項)の制度を利用すること等により、運用資産に占める再生可能エネルギー発電設備及び公共施設等運営権以外の特定資産の割合を増加させ、平成48年6月1日以降も引き続き導管性要件を充足できるような形態で運用を継続することも可能ですが、本資産運用会社は、本書の日付現在、本投資法人についてそのような運用を行う予定はありません。
導管性要件の詳細については、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ① 本投資証券の商品性に関するリスク (ト) 現時点の税制の下では、インフラファンドの投資法人については導管性を維持できる期間が20年に限定されるリスク」をご参照ください。
(注)平成28年12月22日に閣議決定された平成29年度税制改正の大綱において当該期間を3年延長することされており、平成29年度以降当該期限が平成32年3月31日になることが見込まれています。
⑤ 本投資法人の特徴
(イ) 本投資法人の仕組みと特性
本投資法人は、太陽光発電設備等を主とする再生可能エネルギー発電設備等へ投資します。税務上の導管
性を充足するため、本投資法人は、投資した再生可能エネルギー発電設備等については賃借人へ賃貸し、賃借人から賃料を受領します。保有資産及び「LS神栖波崎発電所」についてはすべてタカラレーベンが賃借人兼オペレーターとなります。ただし、今後取得する資産についてはタカラレーベン以外が賃借人やオペレーターとなる可能性があります。
賃料は、原則として、最低保証賃料を基本としつつも、売電収入に連動する実績連動賃料も組み合わせた形態とする方針です。本投資法人は、当該賃料の中から投資法人の運営に必要となる各種費用を支払い、その後投資主に分配金を支払います。保有資産及び「LS神栖波崎発電所」に関する、本投資法人における各関係者との契約関係・役務関係の各概念図は以下のとおりです。
<契約関係><役務関係>(注) 上記<契約関係>及び<役務関係>の図では、O&M業者との契約は本投資法人との二者間の契約ですが、実際には、自家用電気工作物に係る主任技術者の外部選任、外部委託等に関連する保安監督業務、保安管理業務等の委託契約につき、発電事業者である賃借人又はオペレーターを含めた三者間の契約となる場合もあります。
a. 本投資法人
本投資法人は、主として、太陽光発電設備等を中心とした再生可能エネルギー発電設備等に投資します。そして、本投資法人は、再生可能エネルギー発電設備等を賃貸することにより運用します。保有資産及び「LS神栖波崎発電所」については、再生可能エネルギー発電設備等を賃借人兼オペレーターに賃貸し、賃借人兼オペレーターより最低保証賃料及び売電収入に連動した実績連動賃料を受領します。また、本投資法人は、再生可能エネルギー発電設備等の管理委託契約に基づき、その維持・管理等を賃借人兼オペレーターに委託します。本投資法人では、賃借人兼オペレーターの経営状況及び再生可能エネルギー発電設備等の運営状況等について継続的にモニタリングを行うとともに、原則として、賃借人兼オペレーターとの賃貸借契約又は管理委託契約において、賃借人兼オペレーターの財務状態が悪化した場合等において賃貸借契約又は管理委託契約を解除できる旨の規定を設け、かかる場合に再生可能エネルギー発電設備等を他の賃借人に賃貸するとともにその維持・管理等を委託することを可能とする方針です。
b. 本資産運用会社
本投資法人の資産運用会社である本資産運用会社は、タカラレーベンの連結子会社であり、本投資法人から資産運用業務を受託します。タカラレーベンからのサポートを受けつつ、本投資法人のために、再生可能エネルギー発電設備等への投資、投資した再生可能エネルギー発電設備等の資産管理、賃借人兼オペレーターの経営状況及び再生可能エネルギー発電設備等の運営状況のモニタリング等を行います。
c. スポンサー
スポンサーとしてのタカラレーベンは、スポンサーサポート契約(タカラレーベンが本投資法人及び本資産運用会社との間で、本投資法人に対するサポート等に関し、平成27年12月15日付で締結したスポンサーサポート契約(その後の変更を含みます。)をいいます。以下同じです。)において、本投資法人とタカラレーベングループが、相互の事業の発展のための継続的協力関係を確立し、相互の事業の拡大発展を達成することを目的とし、タカラレーベンの本投資法人への出資の一定程度の維持(セイムボート出資)、タカラレーベングループが保有する再生可能エネルギー発電設備・不動産関連資産(後記「 (2) 投資対象 ① 投資対象とする資産の種類」に記載する再生可能エネルギー発電設備・不動産関連資産をいいます。以下同じです。)の物件情報の優先的提供及び優先的に売買交渉をする権利(以下「優先的売買交渉権」といいます。)の付与、第三者保有物件情報の提供、資産取得業務等の支援、ウェアハウジング機能の提供、資産の共有に関する協議、賃貸借契約の締結協議、オペレーターの選定等支援、O&M業者の選定等支援、資産売却に関する情報の提供、固定価格買取期間終了後の電力売却支援、融資に関する情報提供等、境界紛争に係る対応支援、土壌汚染に係る対応支援その他のサポートを行います。スポンサーサポート契約の詳細については、後記「(ロ) 運用戦略と成長戦略 a. 運営サポート体制 iii. スポンサーサポートの活用」をご参照ください。
d. 賃借人兼オペレーター
保有資産及び「LS神栖波崎発電所」についてはすべてタカラレーベンが賃借人兼オペレーターとなり、また、今後取得する資産についてもタカラレーベンが賃借人兼オペレーターとなる場合がありますが、その他の事業者が賃借人兼オペレーターとなる場合もあり得ます。また、賃借人がいわゆる特別目的会社(以下「SPC」といいます。)の場合等では、賃借人とオペレーターが異なる場合もあり得ます(この場合、賃借人たるSPCはオペレーターに売電事業の運営を委託します。)。いずれの場合も賃借人が買取電気事業者から売電収入を受領し、本投資法人に対して賃料を支払います(注1)。
また、本投資法人は、保有資産及び「LS神栖波崎発電所」の賃借人兼オペレーターであるタカラレーベンに対し、当該資産の維持・管理等を委託します(注2)。
(注1)本投資法人は、賃借人(兼オペレーター兼特定供給者)であるタカラレーベンに対して保有する賃料債権その他の運用資産に係る賃貸借契約に基づく債権を被担保債権として、(i)タカラレーベンとの間で、平成28年4月4日付で、タカラレーベンが特定契約及び接続契約の相手方である買取電気事業者及び接続電気事業者(タカラレーベンが平成28年3月31日以前に東京電力株式会社(当時)と締結した特定契約兼接続契約については東京電力エナジーパートナー株式会社)に対して特定契約及び接続契約に基づき保有する一切の債権(ただし、当該相手方が当該担保権の設定についての承諾の範囲を限定した場合には、当該限定された範囲の債権とします。)に対する債権譲渡担保契約を締結しており、当該譲渡担保契約に基づき、タカラレーベンに本投資法人のために各運用資産の取得日付で譲渡担保権を設定させ、また、(ii)タカラレーベンとの間で、平成28年4月4日付で、タカラレーベンが保険会社に対して企業費用・利益総合保険の保険契約に基づき保有する一切の請求権に対する保険金請求権質権設定契約を締結しており、当該質権設定契約に基づき、タカラレーベンに本投資法人のために各運用資産の取得日付で質権を設定させ、さらに、(iii)タカラレーベンとの間で、平成28年4月4日付で、タカラレーベンと買取電気事業者及び接続電気事業者(タカラレーベンが従前東京電力株式会社(当時)と締結していた特定契約兼接続契約については東京電力エナジーパートナー株式会社)との間の特定契約及び接続契約上の地位の譲渡予約契約を締結しており、当該地位の譲渡予約契約に基づき、タカラレーベンに本投資法人のために各運用資産の取得日付で予約完結権を設定させるとともに、(iv)上記の譲渡担保権の設定及び地位の譲渡予約に係る買取電気事業者及び接続電気事業者(タカラレーベンが従前東京電力株式会社(当時)と締結していた特定契約兼接続契約については東京電力エナジーパートナー株式会社)からの承諾並びに上記の質権の設定に係る保険会社からの承諾を取得します。
(注2)本投資法人及びタカラレーベンの間で再生可能エネルギー発電設備等の管理委託基本契約が締結されており、当該契約において、本投資法人は、新規に再生可能エネルギー発電設備等を取得しそれを賃貸する賃貸借契約をタカラレーベンと締結した場合には、当該再生可能エネルギー発電設備等を管理委託契約の対象とする管理委託追加契約を両者間で締結し、その維持・管理等をタカラレーベンに委託し、タカラレーベンはそれを受託するものとされています。
e. 地権者
後記「(ニ) ポートフォリオ構築方針 i. 太陽光発電設備の設置、保守、運用に必要な用地の確保」に記載のとおり、本投資法人は、太陽光発電設備の設置、保守、運用に必要な用地(当該設置場所から電力会社の系統に接続する地点までの送電線が経由する土地(以下「送電線敷設用地」といいます。)を除きます。)を、賃借権又は地上権によって確保することがあり、この場合、地権者が本投資法人の関係者となります。賃借権又は地上権の期間は、原則として、20年以上とします。なお、保有資産及び「LS神栖波崎発電所」には、賃借権により用地を確保しているものはありません。
f. O&M業者
保有資産及び「LS神栖波崎発電所」に関しては、O&M業務は賃貸人である本投資法人から委託しています(注)。本投資法人は、委託に際し、中長期にわたる安定した収益の確保と資産価値の維持及び向上を目指し、発電量、売電収入、適切な管理及び修繕の実施、管理コストの適正化及び効率化並びに再委託先への再委託状況についてモニタリングします(本資産運用会社が必要と認めるときは、再委託先に対する直接のモニタリングを行います。)。また、本投資法人は、保有資産及び「LS神栖波崎発電所」に関して、O&M業者の管理に関する業務をオペレーターに委託して行わせます。
なお、将来的に賃借人がO&M業者に資産管理を委託する場合、委託状況のモニタリングは第一次的には委託者である賃借人が行いますが、本投資法人も賃借人との賃貸借契約等を通じて間接的に行うこととします。
(注)O&M業者との契約は、基本的には本投資法人との二者間の契約ですが、実際には、自家用電気工作物に係る主任技術者の外部選任、外部委託等に関連する保安監督業務、保安管理業務等の委託契約につき、発電事業者である賃借人又はオペレーターを含めた三者間の契約となる場合もあります。
g. 接続電気事業者
賃借人兼オペレーターとして保有資産及び「LS神栖波崎発電所」に係る発電事業者となるタカラレーベンとの間で、再生可能エネルギー発電設備の固定価格買取制度に基づき、接続契約(注)を締結します。接続契約に従い、保有資産及び「LS神栖波崎発電所」である再生可能エネルギー発電設備と接続電気事業者の変電用、送電用又は配電用の電気工作物を電気的に接続します。
(注)接続契約の詳細については、前記「③ 太陽光発電事業の概要について (ロ) 固定価格買取制度の概要 a. 固定価格買取制度の導入 (注3)」をご参照ください。
h. 買取電気事業者
賃借人兼オペレーターとして保有資産及び「LS神栖波崎発電所」に係る発電事業者となるタカラレーベンとの間で、再生可能エネルギー発電設備の固定価格買取制度に基づき、特定契約を締結します。特定契約に従い、タカラレーベンから当該再生可能エネルギー発電設備で発電した電気を調達価格により調達します。
i. 保険会社
本資産運用会社は、火災又は事故等に起因する設備への損害、第三者からの損害賠償請求等のリスク、又は落雷若しくは風水災等偶然かつ突発的な事故により再生可能エネルギー発電設備等が損壊し、復旧するまでの間、発電(売電)が不可能になった場合の逸失利益に対処するため、必要な火災保険、損害賠償保険及び利益保険等を運用資産に付保する方針です。ただし、予想される個別の資産又はポートフォリオ全体に対する影響と保険の実効性を勘案して、付保しないこともあります。
(ロ) 運用戦略と成長戦略
本投資法人は、スポンサーであるタカラレーベンによるサポートを活用しつつ、本資産運用会社独自のネットワークの活用等の取組みも組み合わせながら、投資主価値を最大化することを目指します。
本投資法人は、スポンサーであるタカラレーベン及び本資産運用会社との間で本投資法人に対する支援等に関し、スポンサーサポート契約を締結しています。同契約において、本投資法人とタカラレーベングループは、相互の事業の発展のための継続的協力関係を確立し、相互の事業の拡大発展を達成すること及び本投資法人の中長期的な安定かつ継続的な成長を目指すこととしています。
a. 運営サポート体制
i タカラレーベンの概要
スポンサーであるタカラレーベンは昭和47年9月に設立されました。設立当初は戸建分譲事業を中心としておりましたが、その後、分譲マンション事業も開始し、平成13年にJASDAQ上場、平成15年に東京証券取引所市場第二部上場、平成16年に東京証券取引所市場第一部上場と着実に成長しており、株式会社不動産経済研究所(以下「不動産経済研究所」といいます。)によれば、平成27年全国マンション供給実績ランキングにおいては10位(戸数ベース)となっています。
また、平成22年より、太陽光発電マンション(注)の販売を開始しており、首都圏初となった「レーベンハイム光が丘公園」(平成23年7月竣工)を皮切りに、太陽光発電マンションの供給を実施しており、不動産経済研究所によれば、その供給実績は5年連続全国1位を維持しています。
(注)「太陽光発電マンション」とは、太陽光発電設備を設置した分譲マンションをいい、太陽光発電設備で発電した電力を各住戸で使用できる分譲マンション及び全量売電する分譲マンションのいずれも含みます。以下同じです。
(注)上記について、本書の日付現在、本投資法人が取得する予定はありません。また、本投資法人は、本書の日付現在、太陽光発電マンションに投資することは想定していません。
図:タカラレーベンの開発した太陽光発電マンション
ii タカラレーベンにおける太陽光発電事業の実績
タカラレーベンは、太陽光発電マンションのパイオニアとして、平成25年よりメガソーラー事業にも参入しており、平成28年9月末時点で、25箇所で合計61MW規模の発電出力を有する太陽光発電設備等を既に稼働させています。平成27年5月11日発表の新中期経営計画でも平成31年3月期の目標としてパネル出力130MW(注1)までの成長を公表しています。
なお、タカラレーベンの太陽光発電事業は、電気事業法第2条第1項第14号に規定する発電事業(注2)に該当するため、タカラレーベンは、電気事業法等の一部を改正する法律(平成26年法律第72号)附則第8条第3項に基づき、電気事業法第2条第1項第15号に規定する発電事業者(注3)となるべく、平成28年5月11日に発電事業の届出を行い、同日以降、電気事業法第2条第1項第15号に規定する発電事業者(注3)となり、かつ、電力広域的運営推進機関の会員となっています。
(注1)本投資法人その他の第三者から賃借して運営することを想定している太陽光発電設備のパネル出力が含まれています。
(注2)電気事業法第2条第1項第14号に規定する「発電事業」とは、自らが維持し、及び運用する発電用の電気工作物を用いて小売電気事業、一般送配電事業又は特定送配電事業の用に供するための電気を発電する事業であって、その事業の用に供する発電用の電気工作物が経済産業省令で定める一定の規模を超えるものをいいます。ここでいう「小売電気事業」、「一般送配電事業」及び「特定送配電事業」とは、それぞれ、電気事業法第2条第1項第2号、第8号及び第12号に定義される意味によります。
(注3)電気事業法第2条第1項第15号に規定する「発電事業者」とは、電気事業法第2条第1項第14号に規定する発電事業を営むことについて、電気事業法及び経済産業省令で定める事項を経済産業大臣に届け出た者をいいます。


(注)上記について、本投資法人の保有資産及び「LS神栖波崎発電所」を含みますが、それ以外については、本書の日付現在、本投資法人が取得する予定はありません。
図:タカラレーベンの開発した太陽光発電所用地
タカラレーベンが関東を中心に分譲マンション事業及び戸建分譲事業を展開しており、当該地域におけるネットワークを有していることから、タカラレーベンの太陽光発電所用地は、東京電力パワーグリッド株式会社管内である関東地方において多く開発されています。新規接続申込に対して適用される出力抑制ルール(注1)は地域によって適用されるルールが異なりますが、東京電力パワーグリッド株式会社が管轄するエリアは、人口が多く接続可能量が大きいため、平成29年2月27日現在、同社は指定電気事業者(注2)に指定されておらず、太陽光発電に係る新規接続申込に対して360時間ルール(注1)が適用されています。したがって、本投資法人は、後記「iii スポンサーサポートの活用」に記載のスポンサーサポートの活用によりスポンサーから資産を取得することがあるところ、その場合、スポンサーのパイプラインは出力抑制の影響が比較的小さい地域の太陽光発電設備が中心になることが見込まれます。
なお、本投資法人は、賃借人であるタカラレーベンとの保有資産及び「LS神栖波崎発電所」に係る賃貸借契約において、無補償の出力抑制があった場合においても最低保証賃料を受け取れることとされています。
一般送配電事業者50kW以上の太陽光発電に係る新規接続申込に対して適用される出力抑制ルール(平成29年2月27日現在)(注1)(注3)
北海道電力株式会社指定ルール
東北電力株式会社指定ルール
東京電力パワーグリッド株式会社360時間ルール
中部電力株式会社360時間ルール
北陸電力株式会社指定ルール
関西電力株式会社360時間ルール
中国電力株式会社360時間ルール、接続可能量超過後は指定ルール
四国電力株式会社指定ルール
九州電力株式会社指定ルール
沖縄電力株式会社360時間ルール、接続可能量超過後は指定ルール

(注1)「適用される出力制御ルール」は、接続電気事業者が電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則(平成24年経済産業省令第46号。その後の改正を含みます。以下「再エネ特措法施行規則」といいます。)に定める回避措置を講じたとしてもなお、接続電気事業者における電気の供給量がその需要量を上回ることが見込まれる場合において接続契約上無補償で出力の抑制が求められ得る期間の上限に関して適用があるルールを記載しています。「30日ルール」とは、かかる期間の上限が年間30日である場合をいい、「360時間ルール」とは、かかる期間の上限が年間360時間である場合をいい、「指定ルール」とは、上記のような期間の上限なく無制限に無補償で出力の抑制が求められ得る場合をいいます。なお、指定ルールは、下記(注2)記載の指定電気事業者がその接続申込量が接続可能量を超過した場合にのみ採用することができます(再エネ特措法施行規則第6条第1項第7号)。
(注2)「指定電気事業者」とは、再エネ特措法施行規則第6条第1項第7号に定める指定電気事業者を意味し、同項第3号イの規定により当該接続請求電気事業者(同規則第4条第1項第3号に定める意味によります。)が損害の補償をすることなく当該特定供給者に求めることができる当該種類の認定発電設備(設備認定に係る発電(同法第6条第4項の規定による変更の認定又は同条第5項の規定による変更の届出があったときは、その変更後のもの。)に係る再生可能エネルギー発電設備をいい、経済産業大臣が指定する種類の再生可能エネルギー発電設備に限ります。)の出力の抑制の上限を超えて出力の抑制を行わなければ当該再生可能エネルギー発電設備により発電された電気を追加的に受け入れることができなくなることが見込まれる電気事業者として経済産業大臣が指定する電気事業者をいいます。平成29年2月27日現在、太陽光発電設備に関して、北海道電力株式会社、東北電力株式会社、北陸電力株式会社、中国電力株式会社、四国電力株式会社、九州電力株式会社及び沖縄電力株式会社が指定され、風力発電設備に関して、北海道電力株式会社及び東北電力株式会社が指定されています(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則第6条第1項第7号に基づき、経済産業大臣が指定する再生可能エネルギー発電設備の種類及び一般送配電事業者等を指定する告示(平成28年経済産業省告示第108号))。なお、平成29年2月27日現在、太陽光発電設備に関して、北海道電力株式会社、東北電力株式会社、北陸電力株式会社、四国電力株式会社及び九州電力株式会社において、風力発電設備に関して、北海道電力株式会社において、既に接続申込量が接続可能量を超過しています。以下同じです。
(注3)保有資産及び「LS神栖波崎発電所」に適用される出力制御ルールは上記表の記載とは異なることがあります。保有資産に適用される出力制御ルールについては後記「5 運用状況 (2) 投資資産 ③ その他投資資産の主要なもの (ロ) 設備・施設の概要 d. 適用される出力制御ルール」をご参照ください。
iii スポンサーサポートの活用
タカラレーベンは、これまでの太陽光発電設備の開発及び太陽光発電事業の運営を通して、高い事業運営ノウハウを有しています。本投資法人及び本資産運用会社は、以下の内容を有するスポンサーサポート契約及び商標の使用等に関する覚書(タカラレーベンが本投資法人及び本資産運用会社との間で、本投資法人に対するサポート等に関し、平成27年12月15日付で締結した商標の使用等に関する覚書(その後の変更を含みます。)をいいます。以下同じです。)をタカラレーベンとの間で締結しています。これらにより、外部成長及び内部成長に関連するスポンサーからの様々なサポートやスポンサーのブランド力を活用することが可能となり、今後の本投資法人の成長に寄与するものと本投資法人は考えています。
<スポンサーサポート契約の内容(外部成長戦略関連)>(a) タカラレーベングループ保有物件情報の優先的提供及び優先的売買交渉権の付与
タカラレーベングループが保有している再生可能エネルギー発電設備・不動産関連資産(本投資法人及び本資産運用会社の投資方針に合致する資産に限ります。以下「適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等」といいます。)を売却しようとする場合には、本投資法人及び本資産運用会社に対し、第三者に先立ち当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等に関する情報を優先的に提供し、優先的売買交渉権を付与するものとします。
前記に従い適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等に関する情報の提供を受けた日(同日を含みます。)から60銀行営業日(以下「優先検討期間」といいます。)以内に、本投資法人及び本資産運用会社は、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の取得の意向の有無を優先的売買交渉権を付与した者(以下「優先交渉権付与者」といいます。)に回答するものとします。なお、優先交渉権付与者と本投資法人又は本資産運用会社とが別途合意した場合、検討期間は、当該合意した期間延長されます。
優先交渉権付与者は、優先検討期間内に本投資法人又は本資産運用会社から当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の取得の意向がある旨を回答された場合、本投資法人又は本資産運用会社と当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の売却の条件について誠実に協議し、合意に達した場合、優先交渉権付与者は、本投資法人に対し、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等を売却します。
本投資法人及び本資産運用会社が、優先交渉権付与者に対し、(i)優先検討期間内に取得の意向がある旨を回答しなかった場合、(ii)取得の意向がない旨を回答した場合又は(iii)取得の意向がある旨を回答したものの当該回答を優先交渉権付与者が受領した日(同日を含みます。)から60銀行営業日又は優先交渉権付与者と本投資法人若しくは本資産運用会社とが別途合意して定める期間内に売却の条件について合意に達しなかった場合、優先的売買交渉権は消滅します。
なお、前記物件情報の優先的提供及び優先的売買交渉権の付与は、(i)タカラレーベングループが行政機関の要請に基づいて適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等を売却する場合及び(ii)タカラレーベングループがスポンサーサポート契約締結前に締結済みの第三者との契約に基づき、当該第三者に対して優先的売買交渉権を付与することを要する場合には適用されません。
(b) 第三者保有物件情報の提供
スポンサーは、第三者が所有、開発又は運営する適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等について、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の所有者が売却を検討していることを知った場合には、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の所有者の意向等で情報を提供することができない場合を除き、本投資法人及び本資産運用会社に対し、遅くとも第三者に情報を提供すると同時に当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等に関する情報を提供します。ただし、スポンサーがスポンサーサポート契約締結前に締結済みの第三者との契約に基づき、当該第三者に対して優先的に情報提供することを要する場合(優先的売買交渉権を付与することを要する場合を含みます。)はこの限りではありません。
(c) 資産取得業務等の支援
スポンサーは、本投資法人がタカラレーベングループ以外の第三者から適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等を取得しようとする場合において本資産運用会社から要請されたときは、タカラレーベングループが保有する人的及び物的資源、インフラ産業や再生可能エネルギー分野における知識、経験及び再生ノウハウ並びに国内外のネットワークその他の資源を利用して、本投資法人の資産取得業務等を効率的に行うことを目的として、本投資法人及び本資産運用会社のために、本投資法人及び本資産運用会社の要請に応じ、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等に関する情報収集及び提供、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等における運営計画及び広報戦略等の立案及び検討、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の改善計画の立案及び検討その他の支援業務を行い、本資産運用会社による当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の取得業務等を支援するものとします。
(d) ウェアハウジング機能の提供
本投資法人及び本資産運用会社は、将来における本投資法人による適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の取得を目的として、取得予定時期並びに取得予定価格又は取得価格の決定方法等を提示した上で、第三者が保有又は運用している適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の取得及び一時的な保有(ウェアハウジング)をスポンサーに依頼することができ、スポンサーは、かかる依頼を誠実に検討し、当該依頼を受けた日(同日を含みます。)から15銀行営業日以内に、受諾の可否を本投資法人及び本資産運用会社に対し回答します。
(e) 資産の共有に関する協議
本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーに対して、本投資法人との間で適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等を共有(準共有を含みます。)することを申し入れることができ、スポンサーは、かかる申入れについて真摯に検討するものとします。
<スポンサーサポート契約の内容(内部成長戦略関連)>(a) 賃貸借契約の締結協議
本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーが本資産運用会社の定めるオペレーターの選定基準(以下「オペレーター選定基準」といいます。同基準の詳細については、後記「(ト) 資産管理方針 a. オペレーターの選定基本方針」及び同「b. オペレーターの選定基準」をご参照ください。)を満たすことを条件に、賃借人兼オペレーターとして賃貸借契約を締結することをスポンサーに申し入れることができ、スポンサーは、かかる申入れについて真摯に検討するものとします。
(b) オペレーターの選定等支援
スポンサーは、本投資法人の運用資産の運営に係るオペレーターの選定、期中管理、交代等の業務について支援するものとします(適切なオペレーターの探索及び確保、前記(a)の申入れに基づきスポンサー自身がオペレーターとなること等を含みますがこれらに限られません。)。
(c) O&M業者の選定等支援
スポンサーは、O&M業者の選定、期中管理、交代等の業務について支援するものとします(適切なO&M業者の探索及び確保、スポンサー自身によるO&M業務の一部又は全部の遂行等を含みますがこれらに限られません。)。
(d) 売却資産に関する情報の提供
スポンサーは、本投資法人及び本資産運用会社から保有資産の売却を予定している旨の通知を受けた場合には、当該売却予定の資産を購入する意欲があると合理的に見込まれる購入希望者の情報(スポンサー自身が購入を希望する場合はその旨の情報を含みます。)を、本投資法人及び本資産運用会社に対し、第三者に先立ち優先的に提供するものとします。
(e) 固定価格買取期間終了後の電力売却支援
スポンサーは、本投資法人及び本資産運用会社から依頼された場合、本投資法人が保有する再生可能エネルギー発電設備における固定価格買取期間が終了した後、当該設備に係る売電事業者(当該設備の賃借人を含みます。)が、当該設備において発電する再生可能エネルギー電気の売却手段を早期に確保(当該再生可能エネルギー電気の新たな買取先となる電気事業者の確保による場合を含みますがこれに限られません。)できるよう支援するものとします。
(f) 融資に関する情報提供等
スポンサーは、本投資法人及び本資産運用会社から依頼された場合、本投資法人の融資による資金調達に関する情報提供及びアドバイスの提供を行うものとします。
(g) 境界紛争に係る対応支援
スポンサーは、本投資法人が保有する土地の境界に関して隣地所有者その他の者との間で紛争又はその可能性が生じた場合において、本投資法人及び本資産運用会社から依頼された場合、当該紛争の相手方との協議、交渉その他の対応について支援するものとします。
また、本投資法人がタカラレーベングループから土地を購入又は賃借する場合(借地権等の承継を行う場合を含みます。以下、本(g)において同じです。)であって、本投資法人による購入又は賃借前の調査の結果、境界に関する紛争が生じる合理的可能性があると認められその他これに準ずる事由があると本投資法人又は本資産運用会社が判断し、スポンサーに要請したときは、スポンサーは、当該土地等の譲渡人又は賃貸人等となるタカラレーベングループに属する者が、本投資法人との間で締結する土地等の売買契約又は賃貸借契約において、①自ら又は地主をして境界について隣地所有者との間で交渉を行い、境界確認書の締結等本投資法人が合理的に要請する措置を講じるよう最大限努力するとともに、②これらの事由に起因して本投資法人が損害等を被り又は何らかの負担をする場合には、本投資法人に対し、かかる損害等を賠償する旨を約するよう、必要な措置を講じるものとします。
(h) 土壌汚染に係る対応支援
スポンサーは、土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改正を含みます。)(以下「土壌汚染対策法」といいます。)その他の環境関連法令等に基づき本投資法人に対しその保有する土地につき土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課され、又は課されるおそれが生じた場合において、本投資法人及び本資産運用会社から依頼された場合、当該義務の履行その他の対応について支援するものとします。
また、本投資法人がタカラレーベングループから土地を購入又は賃借する場合(借地権等の承継を行う場合を含みます。以下、本(h)において同じです。)であって、本投資法人による購入又は賃借前の調査の結果、土壌、地下水等の汚染に関する問題が生じる合理的可能性があると認められその他これに準ずる事由があると本投資法人又は本資産運用会社が判断し、スポンサーに要請したときは、スポンサーは、当該土地等の譲渡人又は賃貸人等となるタカラレーベングループに属する者が、本投資法人との間で締結する土地等の売買契約又は賃貸借契約において、①当該問題を解決するために本投資法人が合理的に要請する措置を講じるよう最大限努力するとともに、②これらの事由に起因して本投資法人が損害等を被り又は何らかの負担をする場合には、本投資法人に対し、かかる損害等を賠償する旨を約するよう、必要な措置を講じるものとします。
(i) その他の支援(人的サポート・ノウハウの提供等)
スポンサーは、本投資法人及び本資産運用会社から依頼された場合、本資産運用会社に対し、適用法令に反しない範囲で、(i)適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の取得及び運用(本投資法人の賃貸先又は業務委託先の管理(選定、期中管理、交代等)を含みます。)に関する助言・補助、(ii)人材の派遣を含め必要とされる人材確保への協力、並びに(iii)本資産運用会社の役職員に対する研修の提供その他の必要な支援を行うものとします。
<スポンサーサポート契約の内容(本投資法人の投資口の保有)>スポンサーは、本投資法人が新たに投資口を発行する場合には、当該投資口の一部を取得することについて真摯に検討し、本投資法人の投資口を取得した場合、特段の事情がない限り、本投資法人の投資口の保有を継続するものとします。
<商標の使用等に関する覚書の内容>商標(タカラレーベンブランド)の使用
本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーとの間で、商標の使用等に関する覚書を締結し、本投資法人及び本資産運用会社が事業を推進するに当たり、本投資法人が保有する物件が「タカラレーベン」及び「レーベンソーラー」の名称並びにそのロゴマークについてスポンサーが保有する商標を無償で、非独占的に使用することの許諾を受けています。
本投資法人は、商標(タカラレーベンブランド)の使用により、スポンサーのブランド力を活用することが可能となり、今後の本投資法人の成長に寄与するものと考えています。
b. 本投資法人の運用戦略
i 収入の安定化
(a) 組入資産について
(i)本投資法人は、前記「②再生可能エネルギー発電設備を取り巻く環境」で説明のとおり、太陽光発電設備は、発電コストや電力供給の不安定性、発電効率等について課題はあるものの、メンテナンスが比較的容易かつ燃料調達の必要がないため、安定的な発電が期待できる発電施設であり、また、固定価格買取制度により長期の買取価格が保証されていることから、安定したキャッシュ・フローを生み出す施設であると考えています。
(ii)本投資法人への組入資産については、以下の基準を原則として、収入の安定化を実現します。
I 取得資産は原則として稼働済みの太陽光発電設備等であること
II 各発電設備に対し、火災保険、利益保険及び賠償責任保険を付すこと
III O&M業務の外部委託により、適切なメンテナンスを実施すること
(b) 賃料形態について
本投資法人は、再生可能エネルギー発電設備等の賃貸借契約において、賃料は、原則として、一定の発電量予測値に基づく最低保証賃料と実績連動賃料を組み合わせた形態にし、かつ、その大部分が最低保証賃料となるように設定することにより、本投資法人の賃料収入の安定化を図ります。
具体的には、最低保証賃料は、原則として、NEDOがまとめた年間時別日射量データベース等を基礎としてテクニカルレポート(技術デューデリジェンス業務報告書)の作成者その他の専門家によって算出されたいずれかの超過確率P(パーセンタイル)の発電量予測値に基づき算定された将来の月ごとの想定売電金額の100%(同額)とします。超過確率P(パーセンタイル)とは20年間の発電量の分布から得られる、ある発電量を上回ることとなる確率であり、例えば、「超過確率P(パーセンタイル)50の発電量が『X』MWhである」とは、「50%の確率で発電量が『X』MWhを上回ると想定される」ことを意味します。したがって、最低保証賃料の計算においては、その前提とされる発電量予測値の算定に用いられる超過確率P(パーセンタイル)の数値が低いほど、高額の最低保証賃料を収受することが可能となります。本投資法人は、最低保証賃料が設定されていることで本投資法人の収入の安定化に寄与するものと考えています。なお、最低保証賃料は、無補償の出力抑制や天候不順等の外部要因により実際の発電量が当該予測値を下回った場合でも賃借人より収受できる賃料として設定されています。
そして、実績連動賃料は、原則として、賃借人から報告される実際の発電量に基づく月ごとの売電金額を基準とします(注)。
なお、本投資法人は、上場に際しては、原則として、超過確率P(パーセンタイル)50の発電量予測値を基準として算定された将来の想定売電金額の100%(同額)を最低保証賃料とし、賃借人から報告される実際の発電量に基づく売電金額が当該最低保証賃料額の110%相当額よりも大きい場合に当該差額部分の50%を実績連動賃料とする方針を採用し、それに基づき保有資産の賃料形態を定めました。
しかし、資産の大部分が償却資産であり減価償却費の割合が高いインフラファンドにおいては新規の物件を継続的に取得することにより外部成長を継続することが重要であるところ、上場時のように最低保証賃料の算定の基礎となる発電量予測値を超過確率P(パーセンタイル)50に固定化することにより物件取得の可能性が限定され、外部成長の制約となり得ることが上場後の運用を行う中で課題として本資産運用会社により認識されるに至りました。その上で、最低保証賃料を算定する基礎となる発電量予測値の超過確率P(パーセンタイル)については、取得を検討する資産の特性やその時点における資本市場、太陽光発電所を巡る市況等、諸般の事情を考慮して適切と判断される数値を都度採用できるようにする方が、売主との取得価格を含めた売買条件及び賃貸条件に係る柔軟な交渉が可能となり、取得可能な再生可能エネルギー発電設備の選択肢が広がるため、本投資法人の外部成長の可能性を高めることができ、最終的には、本投資法人、ひいては投資主の利益に資すると判断し、この点についての方針を変更することにしたものです。なお、最低保証賃料の算定の基礎となる発電量予測値についてどの超過確率P(パーセンタイル)に係るものを採用するかは当該発電所の本投資法人にとっての収益力に影響を与えることになりますが、バリュエーションレポート及び本資産運用会社における評価に際してはこの点を考慮して適切な評価額及び取得価格を算定します。
その上で、「LS神栖波崎発電所」については、超過確率P(パーセンタイル)75の発電量予測値を基準として算定された将来の想定売電金額の100%(同額)を最低保証賃料とし、賃借人から報告される実際の発電量に基づく売電金額が当該最低保証賃料額よりも大きい場合に当該差額部分の50%を実績連動賃料とすることとしました。
なお、賃借人がSPCである場合は、上記以外の賃貸条件を採用することを妨げず、本投資法人の利益に資するよう合理的に決定するものとします。
(注) 太陽光発電設備について接続電気事業者から出力の抑制が求められ、出力抑制に係る出力抑制補償金が接続電気事業者から支払われる場合、売電金額の計算にあたっては当該補償金の額を加算します。出力制御の概要は、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ⑤ 発電事業に係る権利・法制度に関するリスク (ハ) 出力制御を求められるリスク」をご参照ください。また、賃借人が被保険者として受領する利益保険の保険金の金額も、売電金額の計算に当たって加算されます。

図:保有資産における再生可能エネルギー発電設備等の賃貸借契約の賃料形態
図:「LS神栖波崎発電所」における再生可能エネルギー発電設備等の賃貸借契約の賃料形態
(c) 安定したキャッシュ・フローの確保
本投資法人は、原則として、調達価格及び調達期間が確定し、かつ特定契約に基づく発電事業者による電気の供給及び電気事業者による電気の買取が既に開始された太陽光発電設備等を投資対象とします。固定価格買取制度に基づく発電事業は安定したキャッシュ・フローが見込めることから、上記「(b)賃料形態について」記載のような最低保証賃料を設定することが可能となり、その結果、本投資法人においても安定したキャッシュ・フローの確保が見込めるものと考えられます。
図:キャッシュ・フロー
ii オペレーターの選定方針
本投資法人は、オペレーターの財務状況(安全性、収益性、規模)や太陽光発電設備の運営に係るノウハウ等を勘案の上、規約に定めるオペレーターの選定基本方針及びオペレーター選定基準に従い、中長期的な安定運用に資するオペレーターを選定します。
iii オペレーター報酬
本投資法人は、オペレーターに対して再生可能エネルギー発電設備等の維持・管理等を委託することができるものとし、その場合その対価としてオペレーター報酬を支払うことができるものとします。なお、当該報酬額は、保有資産に係る維持・管理等については無償とし、「LS神栖波崎発電所」及び本書の日付以降に新たに取得する運用資産に係る維持・管理等については各運用資産について個別に締結される追加契約にて定めるものとします(注)。
本投資法人は、従前、賃借人兼オペレーターに対しかかる業務の委託を行うこととはしておらず、あくまでも再生可能エネルギー発電設備を賃借する賃借人がその設備を用いて発電事業を行う一環として当該設備の維持・管理等を自ら行うものとしていました。しかし、本投資法人からかかる業務の委託を行うこととし、当該業務の対価として適切な報酬を支払うこととする方が、対価が発生することにより、より高い水準の業務提供が期待できるとともに、賃借人兼オペレーターは当該業務遂行に当たって当該報酬額に見合う水準の善管注意義務を負うことになり、かかる義務の下で当該設備に対し適切な維持・管理等を行うことが期待できることから、保有資産を含めてかかる業務委託を行うこととしました。
(注)「LS神栖波崎発電所」のオペレーター報酬については、後記「4 手数料等及び税金(3) 管理報酬等 ⑤ オペレーター報酬」をご参照ください。
iv オペレーターリスクの軽減
原則として、オペレーターの業況悪化時に、本投資法人のみの裁量によりオペレーターとの契約を解除できるような仕組みとすること、また、契約終了時において、新たなオペレーターへの承継に協力することを義務化することにより、オペレーターの業況悪化時における新オペレーターへの交替を可能とし、オペレーターリスクの軽減を図ります。
(注)なお、法律上かかる仕組みが有効と認められる保証はない点にご留意ください。詳細は、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ④ 運用資産に関わる関係者に関するリスク (イ) オペレーターに関するリスク d. 財務状況の悪化、倒産等に関するリスク」をご参照ください。
c. 成長戦略
i 外部成長戦略
(a) 本資産運用会社のネットワーク
本投資法人の資産運用を受託する本資産運用会社は、タカラレーベングループの一員として、主に太陽光発電設備等に特化した資産運用を受託しています。本投資法人は、タカラレーベンが培った太陽光発電事業全般における運営ノウハウを享受するとともに、本資産運用会社独自のノウハウにより、本投資法人の中長期的な成長に寄与することができるものと考えています。また、本資産運用会社は、本投資法人の主な投資対象である太陽光発電設備等の取得機会の拡大・促進を図るため、タカラレーベングループ以外の情報網の拡大を図り、資産情報を収集します。本投資法人は、かかる本資産運用会社が収集する資産情報を基に、タカラレーベングループ以外の第三者からも太陽光発電設備等を取得(稼働済みの太陽光発電設備等のセカンダリー取引による取得を含みます。)することを目指します。本投資法人はインフラファンド市場の開設後、同市場に上場した初の上場インフラファンドであり、上場を機に本資産運用会社には第三者から発電所の売却情報が持ち込まれるようになっています。本投資法人は、タカラレーベングループの情報ネットワークに加えてかかる本資産運用会社独自の情報ネットワークを活用することで、継続的な外部成長を追求していきます。
(b) スポンサーグループによるサポート
本投資法人及び本資産運用会社は、前記「a. 運営サポート体制 iii. スポンサーサポートの活用」に記載のとおり、外部成長に関連するスポンサーからの様々なサポートを活用することが可能であり、今後の外部成長に寄与するものと考えています。スポンサーでは、平成28年9月末時点で、25箇所で合計61MW規模の発電出力を有する太陽光発電設備等を既に稼働させており、本投資法人は、今後、スポンサーから付与された優先的売買交渉権を活用することにより、資産の拡大を図る方針です。また、スポンサーは、これまでの太陽光発電事業を通じて、太陽光発電事業を営む他の事業会社、ファンド運営会社、個人事業主などの第三者とのリレーションやネットワークを有しており、かかるネットワークを通じて取得した第三者保有物件の売却情報についても、スポンサーサポート契約において、本投資法人が情報提供を受けることができるものとされており、今後の本投資法人の外部成長に資するものと本投資法人は考えています。
ii 内部成長戦略
(a) 適切な保守メンテナンス体制の維持
本投資法人は、自ら又は賃借人をして、太陽光発電設備のO&M業務を技術的なノウハウを有する業者に委託し、運用資産に係る適切な設備の点検や修繕及び設備更新を図ることにより、中長期的な視点から資産価値の維持・向上を図り、中長期的な収益の安定を図ります。
賃借人兼オペレーターであるタカラレーベンは太陽光発電事業における運営・企画・保守や施設管理を専門で行う事業部を有しており、当該事業部には電気設備工事の監督経験者が在籍しています。タカラレーベンは当該態勢のもと、太陽光発電設備等の監視・点検を行うとともに、O&M業者との連携をとり太陽光発電設備等の運営管理を行っています。
(b) 資産価値の維持・向上に資する修繕計画
本投資法人は、中長期的な運用資産の収益の維持向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性等を考慮した個別資産ごとの修繕計画を、オペレーター及びO&M業者と協議の上策定し、必要な修繕及び資本的支出を行うものとします。修繕及び資本的支出は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費もあわせて勘案して本投資法人が判断するものとします。ただし、運用資産のパフォーマンスの維持及び向上に資するものと本投資法人が合理的に判断したものについては、早期に実施するものとします。なお、運営期間中に発生する再生可能エネルギー発電設備等の維持、管理、修繕等に要する費用(再生可能エネルギー発電設備等に賦課される公租公課、再生可能エネルギー発電設備等に係る資本的支出、再生可能エネルギー発電設備を構成する機器又は部品の交換に係る新たな機器又は部品の代金、O&M業者に支払うべき委託料その他の費用、本投資法人が保険契約者又は被保険者となる再生可能エネルギー発電設備に係る保険の保険料を含みます。)は再生可能エネルギー発電設備等の保有者たる賃貸人が負担することとし、それ以外の再生可能エネルギー発電設備等の日常的な維持、管理、修繕等に要する費用は原則として賃借人が負担することとします。
iii その他
運用資産等の総額に占めるインフラ資産等の比率に係る上場廃止基準等が適用されない特例インフラファンド(東京証券取引所の有価証券上場規程第1521条第1項)の制度を利用すること等により、運用資産に占める再生可能エネルギー発電設備及び公共施設等運営権以外の特定資産の割合を増加させ、平成48年6月1日以降も引き続き導管性要件を充足できるような形態で運用を継続することも可能ですが、本資産運用会社は、本書の日付現在、本投資法人についてそのような運用を行う予定はありません。
(ハ) 適切なガバナンス体制の構築及び投資主利益とのセイムボート性の確保
a. 利益相反対策と第三者性を確保した運営体制の採用
スポンサーグループからの資産の取得等の利害関係人等との取引に関する本資産運用会社の意思決定プロセスにおいては、スポンサーグループと利害関係のない第三者の意見が反映される仕組みが構築されています。
すなわち、本資産運用会社は、投資運用委員会とコンプライアンス委員会の双方に外部専門家を委員として選任し、スポンサーグループからの資産の取得等の利害関係人等との取引にあたっては、コンプライアンス・オフィサー及び外部委員の出席及び賛成を必須とする運営体制としています。利害関係人等との取引に関する意思決定フローとしては、投資運用部による起案の後、コンプライアンス・オフィサーによる法令又は社内規程等の遵守状況その他コンプライアンス上の問題の有無に関する審査を経た上で、投資運用委員会、コンプライアンス委員会の順で付議されます。投資運用委員会においてはコンプライアンス・オフィサー及び外部委員が出席し、出席したコンプライアンス・オフィサー及び外部委員が賛成することが決議の要件とされています。また、コンプライアンス委員会においてもコンプライアンス・オフィサー及び外部委員が出席し、出席したコンプライアンス・オフィサー及び外部委員を含む全員の賛成が必要とされています。利害関係人等との取引に関する議案は、投資運用委員会及びコンプライアンス委員会において可決された後、本資産運用会社の取締役会に付議されます。取締役会において可決された場合は、本投資法人の役員会に上程され、本投資法人の役員会の同意が得られた場合には、利害関係人等との取引を実行できるものとされています。なお、本資産運用会社の投資運用委員会、コンプライアンス委員会及び取締役会並びに本投資法人の役員会においては、それぞれ、議案について利害関係を有する者は審議及び決議に参加できないこととされています。
利害関係人等との取引制限については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 利害関係人等取引規程」をご参照ください。
b. 投資主の利益とスポンサーの利益の一体化
タカラレーベンは、投資主の利益とスポンサーであるタカラレーベンの利益の一体化を図ることを目的として、本投資法人の投資口を保有する方針です。
タカラレーベンは、本投資法人の投資主の利益と自社の利益を共通のものとする目的から、スポンサーサポート契約において、本投資法人が発行する投資口に関して、本投資法人が新たに投資口を発行する場合には、当該投資口の一部を取得することについて真摯に検討を行うこと、また、本投資法人の投資口を保有する場合には、保有した投資口について、特段の事情が無い限り、継続して保有することを約束しています。
なお、タカラレーベンは、本書の日付現在発行済投資口の総口数の14.2%(7,028口)を保有しております。
これにより、本投資法人及びスポンサーの相互の利益向上を図ることができると本投資法人は考えています。
(ニ) ポートフォリオ構築方針
a. ポートフォリオ構築方針の基本的考え方
本投資法人は、再生可能エネルギー発電設備等を主たる投資対象とします。
再生可能エネルギー発電設備等のうち、太陽光発電設備等への投資割合は90%以上、それ以外の再生可能エネルギー発電設備等への投資割合は10%以下とします(比率は、いずれも取得価格ベースとします。以下、比率について同じです。)。
太陽光発電設備等への投資に際しては、設備規模、日射量及び気候その他の気象条件、接続電気事業者との系統連系の容易性その他の立地条件、太陽電池モジュール(太陽光パネル)及びパワーコンディショナーその他の機器・資材の製造業者及び性能その他の技術的要件、当該発電設備の過去における発電実績(もしあれば)、再エネ特措法に基づく固定価格買取制度における調達価格及び残存する調達期間その他の固定価格買取制度の適用条件、並びに敷地等の取得・使用条件又は賃借等の条件を総合的に検討し、投資対象の選定を行います。
太陽光発電設備等以外の再生可能エネルギー発電設備等への投資に際しても、太陽光発電設備等への投資に準じた検討を行います。
b. 立地地域
本投資法人が取得を検討する太陽光発電設備等は、原則として、日本国内に立地するものとします。なお、日本国内の地域別の投資割合は特に定めないものとします。
海外に所在する太陽光発電設備等への投資は全体の10%以下とします。本投資法人は、国外にある太陽光発電設備等を取得する場合には、立地する国又は地域の特性及び情勢、発電事業に関する制度及び規制、電気の買取に関する法制度、オフテーカーの属性、信用力等及び電気の買取及び系統接続の条件その他の事情を総合的に考慮します。
c. 固定価格買取制度の適用等
本投資法人が取得を検討する日本国内の太陽光発電設備は、原則として、設備認定を受け、当該太陽光発電設備に係る特定供給者が既に買取電気事業者との間で特定契約を締結し、接続電気事業者との間で接続契約(注)を締結し(なお、買取電気事業者と接続電気事業者とは同一の者であることを要しないこととします。)、接続電気事業者との系統連系が完了し、かつ、当該特定契約に基づく電気の供給を既に開始した太陽光発電設備等とします。ただし、東京証券取引所の有価証券上場規程その他関連諸法令及び諸規則に従い認められる限度で、未稼働の太陽光発電設備等にも投資することができるものとします。
本投資法人は、固定価格買取制度の適用を受ける太陽光発電設備に投資する際には、当該時点における物価水準等の経済環境を踏まえて、当該太陽光発電設備に適用される調達価格、残存する調達期間及び出力制御のルールその他の固定価格買取制度の適用条件を考慮します。
本投資法人は、太陽光発電設備に投資する際には、当該太陽光発電設備について締結されている特定契約及び接続契約の条件を考慮します。なお、特定契約に基づく電気の買取価格は、当該太陽光発電設備に適用ある調達価格と同額又は実質的にそれ以上の金額とします。
(注) 接続契約の詳細については、前記「③ 太陽光発電事業の概要について (ロ) 固定価格買取制度の概要 a. 固定価格買取制度の導入 (注3)」をご参照ください。
d. 発電出力
本投資法人が取得を検討する太陽光発電設備の発電出力は、原則として500kW以上とします。ただし、発電出力が500kW未満である太陽光発電設備についても投資資産の収益性、オペレーター及び地域性等を勘案の上、厳選して取得を行うことができるものとします。
e. 環境条件
本投資法人は、太陽光発電設備に投資する際には、当該太陽光発電設備の設置場所、当該太陽光発電設備の設置場所又は近接する適当な箇所における日射量その他の気象条件、自然災害等リスク、当該太陽光発電設備に係る太陽電池の容量・効率等、パワーコンディショナーの容量・効率等、当該太陽電池モジュールの配置、角度等、日影等の周辺環境を踏まえて第三者によって算定された推定発電量を考慮するものとします。
本投資法人は、立地地域の気象条件等(降雪量、降雨量、降灰量及び風量を含みます。)や設置場所の地形、地盤、その他自然災害等のリスク等を考慮し、それらに適合する設計及び仕様により設置されたと判断した太陽光発電設備の取得を検討します。
f. 接続電気事業者との系統連系その他の立地条件
本投資法人は、太陽光発電設備に投資する際には、当該太陽光発電設備と接続電気事業者の系統との接続地点までの距離、電源線及び鉄塔等の送電設備の設置状況及び当該設置場所に関する権利関係、その他の立地条件を考慮するものとします。
g. 太陽電池モジュールの製造業者及び性能その他技術的要件
本投資法人は、太陽光発電設備に投資する際には、当該太陽光発電設備に用いられている太陽電池モジュール、パワーコンディショナーその他の機器・資材について、製造業者が提供する保証の内容、製造業者の立地、能力及び信用力等について検証し、考慮します。
本投資法人は、太陽光発電設備に用いられている太陽電池モジュール、パワーコンディショナーその他の機器・資材の性能その他の技術的要件につき、当該太陽光発電設備が立地する場所の気象条件、地理条件その他の立地条件を踏まえ、本投資法人が適正と考える一定の水準を満たすと判断したものの取得を検討します。
h. 過去における発電実績
本投資法人は、太陽光発電設備に投資する際には、当該太陽光発電設備における過去における発電実績があれば、当該実績を考慮します。
i. 太陽光発電設備の設置、保守、運用に必要な用地の確保
太陽光発電設備の設置、保守、運用に必要な用地(太陽光発電設備の送電線の送電線敷設用地を除きます。)は、原則として、所有権、賃借権又は地上権によって確保することとし、原則として、登記により対抗要件を具備するものとします。賃借権又は地上権の場合は、原則として、その期間を20年以上とします。
送電線敷設用地は、その属性及び使用目的に従い適切な使用権原又は使用のための許認可を確保することとします。
j. 事業用地の境界確定に関する方針
i. 境界確定を実施する場合(原則)
本投資法人が太陽光発電設備を取得するにあたっては、本投資法人がその事業用地を取得するか否かにかかわらず、隣地との間の境界が確定していることを原則とし、境界が確定していない場合には境界確定を実施します。
ii 境界確定を実施しない場合(例外)
他方、各隣地との境界が以下のいずれかに該当する場合その他境界未確定のリスクが限定的と判断する場合には、例外的に、当該境界の確定を実施しないことができるものとします。
・当該境界について現況測量が実施されており、かつ、隣地所有者との間で境界に関する紛争が生じていない場合。
・当該境界と太陽光発電設備との間に十分なバッファーがある場合(注)において、隣地所有者の属性、隣地所有者と当該敷地等の現所有者との関係及び当該敷地等に設置されている太陽光発電設備に対する隣地所有者の認識その他の状況を総合的に勘案し、隣地所有者との間で境界に関する紛争が生じる可能性が低いと判断できる場合。
・当該境界について境界確定を行うことが実務上難しい場合で、隣地の所有者又は管理者から境界に関する指摘がなされておらず、隣地所有者との間で境界に関する紛争が生じる可能性が低いと判断できる場合。なお、再生可能エネルギー発電設備の取得にあたって、原則として、当該隣地の所有者に対して、境界に関する問題を認識しているか否かの確認を行います。
・太陽光発電設備に係る売買契約において、境界未確定の部分においてフェンス、アレイその他の設備が隣地に越境していることが判明した場合、当該設備の移設その他越境の解消に要する費用を売主に負担させることが合意されており、境界未確定のリスクが発現した場合においても本投資法人が損害を被るおそれが限定的と判断できる場合。なお、売主に対して費用請求できる期間については、一定の制限(原則として、2年間を下限とします。)を設けることができるものとします。
(注)「境界と太陽光発電設備との間に十分なバッファーがある場合」に該当するか否かは、本資産運用会社の社内規程に基づき、境界とフェンス、アレイその他の設備との距離並びに境界部分及びその周辺の地形その他の状況を総合的に勘案して判断します。かかる文脈における「境界」とは、公図、現地の状況、周辺の境界標等を勘案して境界が存在すると推測される箇所をいいます。
k. 太陽光発電設備等以外の再生可能エネルギー発電設備等
本投資法人は、太陽光発電設備等以外の再生可能エネルギー発電設備等に投資する際には、当該再生可能エネルギー発電設備の種類及び特徴を勘案の上、前記a.ないしj.を準用し、又は必要に応じ運用ガイドラインの変更を行って検討を行い、太陽光発電設備等への投資と同等の利益が得られるものとして本投資法人が適正と考える一定の水準を満たすと判断したものに投資するものとします。
(ホ) デュー・ディリジェンスの実施
運用資産を取得するに際しては、下記にあげる調査項目に基づき、経済的調査、物理的調査及び法律的調査を十分実施し、当該運用資産の投資対象としての妥当性を検討します。なお、前記調査プロセスにおいては、原則として、公正かつ調査能力・経験があると認めた第三者の専門家によるバリュエーションレポート、不動産鑑定評価書、テクニカルレポートを取得するほか、必要と判断する場合にはその他の第三者の専門家の報告書等を取得し、これらの内容についても考慮します。
評価項目調査事項
経済的調査取得価格の
妥当性
不動産鑑定(注1)及びバリュエーションレポート(注2)の適格性・妥当性の検証
本資産運用会社によるバリュエーションと不動産鑑定評価書及びバリュエーションレポートとの比較検証(注3)
オペレーター等事業調査オペレーターの事業の内容、財務の状況、当該再生可能エネルギー発電設備の運営に従事する人員の状況、再生可能エネルギー発電設備の運営の実績その他業務遂行能力に関する事項(反社会的勢力に該当しないことの調査を含みます。)
オペレーターの発電事業に必要となる許認可等の取得状況、維持状況等
買取電気事業者との間の再生可能エネルギー発電設備に係る特定契約等の締結状況、契約内容等
発電事業中断リスクに関する状況等
再生可能エネルギー発電設備等の賃貸借契約の妥当性の検証
収益関係(市場調査)投資資産の収入及び支出についての調査
今後の電力需給の見通し
賃貸借契約の条件
電力の買取価格の変動の可能性
国又は地方公共団体等からの補助金又は助成金等の見込み
修繕保守履歴及び将来予想される修繕保守費用の見通し
物理的調査投資資産の基本情報売主開示資料の内容精査
テクニカルレポートによる資産基本情報の確認(注3)
本資産運用会社による現地調査
発電設備・
仕様概要
テクニカルレポートによる発電設備の主要項目(主要構造、設計・製造業者・設備仕様等)の確認、立地条件への適合性
再エネ特措法第6条第1項各号に定める基準への適合に関する事項
本資産運用会社による現地調査
耐震性能判断地震PML(予想最大損失率)分析及び検証
専門家レポートによる耐震性及び地震リスクの確認
重要書類の
確認
不動産に関する引渡書類(境界確認書、確認申請書、確認申請図、検査済証、竣工図、賃貸借契約書等)の確認
設備に関する引渡書類(パネル設置図、送電線設備ルート図、性能試験等に関する資料、運用状況に関する資料、系統連系に関する資料等)の確認
将来の資本的支出及び修繕費用テクニカルレポートによる将来の修繕費見込み
過去の修繕履歴による検証
製造業者からの保証及びアフターサービスの内容及び承継
環境・土壌等土壌汚染調査レポートによる環境調査等

評価項目調査事項
法律的調査違法性専門家レポート(テクニカルレポートを含みます。)による関係法規(建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。)、消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)、都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)(以下「都市計画法」といいます。)その他建築関連法規及び自治体による指導要綱等、並びに再エネ特措法、電気事業法その他の電気事業関連法規及び自治体による指導要綱等)の遵守状況等
法定点検資料に基づく、各種指摘事項に関する内容の精査
本資産運用会社による現地調査
許認可等開発許可、農地法(昭和27年法律第229号。その後の改正を含みます。)(以下「農地法」といいます。)に基づく転用許可等
再エネ特措法に基づく設備認定の取得状況
敷地等の権利関係本投資法人が敷地等に関する完全な所有権を取得できることの確認
共有、借地物件等、本投資法人が完全な所有権を有しない場合、それぞれ以下の点の適切性を確認
・共有持分の場合
他の共有者の属性及び保有する権利の内容、共有者間協定書の有無、共有物分割請求権及び共有物分割等に関する措置
・借地権の場合
借地人の属性、地代の適正性、借地権に対する対抗要件の具備状況、借地権売却時の承諾料の有無及び金額
・送電線敷設用地の場合
使用権原又は許認可の有無及びその内容、対抗要件の具備状況の確認
発電設備の権利関係本投資法人が発電設備に関する完全な所有権を取得できることの確認
権利の付着不法占拠、抵当権、根抵当権、地役権、通行権、質権、根質権、留置権等第三者による権利の付着の有無
契約関係設計、建設請負契約(以下「EPC契約」といいます。)、売買契約、保守管理契約(O&M業者との契約(以下「O&M契約」といいます。)を含みます。)、保証書等の発電設備等に関する契約内容の確認
系統連系、特定契約、接続契約等の設備認定、系統連系に関する契約内容の確認
賃貸借契約の契約内容の確認
その他第三者との契約内容の有無及び内容の確認
境界・越境物
調査
境界確定の状況、実測面積の確認、越境物の有無とその状況

(注1)「不動産鑑定」とは、不動産の鑑定評価に関する法律(昭和38年法律第152号。その後の改正を含みます。)並びに国土交通省の定める不動産鑑定評価基準及び不動産鑑定評価基準運用上の留意事項に基づき、土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の権利の経済価値を判定し、その結果を価額に表示することをいいます。
(注2)「バリュエーションレポート」とは、投信法等の諸法令、投信協会の定める諸規則並びに本投資法人の規約に定める資産評価の方法及び基準に基づき、再生可能エネルギー発電設備の価格等の調査をし、その結果の報告を行う書類をいいます。
(注3)デュー・ディリジェンスの結果を踏まえて取得価格を算定する際、バリュエーションレポート、不動産鑑定評価書及びテクニカルレポートの記載内容等を活用する方針ですが、例外的に活用しない場合には、採用した数値等の妥当性を検証するとともに、その根拠を記録保存します。
(へ) フォワード・コミットメントに関する方針
本投資法人は、フォワード・コミットメント等の締結に際しては、過大なフォワード・コミットメント等が本投資法人の財務に与える影響の大きさを勘案し、フォワード・コミットメント等の実行に際しては、あらかじめ慎重に検討し対応します。
フォワード・コミットメント等を締結する際には、違約金の上限、物件の取得額の上限、契約締結から物件引渡しまでの期間の上限及び決済資金の調達方法等についてのルールを定めたフォワード・コミットメント等に係る規則を遵守するものとします。また、フォワード・コミットメント等を行った場合には、速やかに、その事実及び行ったフォワード・コミットメント等の概要を開示するものとします。その際には、設定理由、解約条件及び履行できない場合の本投資法人の財務に与える影響についても概要を開示するものとします。
(ト) 資産管理方針
a. オペレーターの選定基本方針
本投資法人は、その資産の運営を円滑に行うための経営体制、財務基盤及び業務執行体制を有している者をオペレーターとして選定します。そのため、オペレーターの選定に際しては、以下のオペレーター選定基準に従い、オペレーターが運営をすることとなる種類の資産の運営に関する実績、運営の対象となる資産が立地する地域における運営体制、オペレーターが運営をすることとなる種類の資産の運営業務に係る社内体制、財務状況及び反社会的勢力非該当性を確認するものとします。また、オペレーターがオペレーター選定基準を満たさなくなったことを、オペレーターとの契約の解除事由とし、かかる場合において、本投資法人は、オペレーターの変更を検討します。
b. オペレーターの選定基準
本投資法人が運用する資産のオペレーターは、以下の基準を満たす者から選定するものとします。オペレーターに本投資法人の運用資産を賃貸する場合には、運営状況等についての評価を定期的に行い、適正な業務遂行が維持できない場合には、契約の解除を行うこと又は契約の更新を行わないことを検討するものとします。また、オペレーターとの契約に、かかる検討の障害となるような条項を設けてはならないこととします。なお、タカラレーベンをオペレーターとして、同社に本投資法人の運用資産を賃貸する場合には、利益相反取引防止の観点から、利害関係人等取引規程に基づく所定の手続に従って行うものとします。
i オペレーターが運営をすることとなる種類の資産の運営に関する実績
オペレーターを選定するに際しては、原則として、当該選定対象者が運営する資産が再生可能エネルギー発電設備である場合には、当該種類の資産の運営に関して以下の実績があることとします。
(a) 当該種類の発電設備の運営に関する実績が2年以上あること。
(b) 直近事業年度における、当該種類の発電設備の運営事業に係る売上高の合計が1億円以上であること。
(c) 過去2年間において当該種類の発電設備の運営に関する実績が5件以上あること。ただし、その出力が500kw以上で、かつ、商業運転段階において半年以上運営を継続したものに限ります。
ii 運営の対象となる資産が立地する地域における運営体制
オペレーターを選定するに際しては、当該資産が立地する地域における適切な運営体制を有していることとします。本ii.の基準の判定に際しては、以下の点を含む運営体制に関する状況を総合的に判断するものとします。
(a) 当該資産が立地する地域において発電設備についてモニタリングするための組織が構築されていること(例えば、実際の発電状況等について一括モニタリングできるようなシステムが構築されている等)。
(b) 各発電設備の保守管理等の業務(O&M業務)を、当該選定者から第三者に委託する場合、当該委託状況のモニタリングを第一次的に行うための組織が構築されていること(それにより、本投資法人も賃貸借契約等を通じて間接的にモニタリングを行うことができること。)。
iii オペレーターが運営をすることとなる種類の資産の運営業務に係る社内体制
(a) 当該種類の資産の運営業務に携わる人員が常時5名以上(そのうち1年以上の当該業務経験を有している者が3名以上)存在し、そのうち責任者の地位にある者は、2年以上の当該業務経験及び当該業務に係る十分な知識を有していること。
(b) コンプライアンス(法令遵守)に関する十分な社内体制を有していること(例えば、(i)オペレーターが金融商品取引所に上場されている等により当該事項を確認できる公表資料(金融商品取引法又は東京証券取引所の規則に基づく開示書類を含みます。)が存在する場合であれば、当該公表資料を精査し、(ii)オペレーターが金融商品取引所に上場されている場合であれば、定期的な内部監査を受けていることを確認し、かつ、(iii)あらかじめコンプライアンスに関する社内体制について質問(法令等遵守態勢、内部通報制度、苦情等への対応、顧客情報等の保護、内部者取引の防止、反社会的勢力への対応、犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成19年法律第22号。その後の改正を含みます。)への対応、リスク管理態勢、危機管理態勢、内部監査態勢等に関するもの)を行い、書面による回答を精査して確認します。)。
iv 財務状況
財務状況に関し、原則として、以下の基準を満たすこととします。
(a) 当該選定対象者の各年度の決算期における(i)(連結財務諸表を作成していない場合には、)単体の損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失となっているものではなく、また、(ii)(連結財務諸表を作成している場合には、)単体及び連結の損益計算書に示される経常損益がいずれも2期連続して損失となっているものではないこと。
(b) 当該選定対象者が過去3年間において債務超過ではないこと。
(c) その他、当該資産の運営を行うのに必要な財務状況を有することに合理的な疑いを生じさせる事項がないこと。
v 反社会的勢力非該当性
本資産運用会社が定める「反社会的勢力対応マニュアル」に定める反社会的勢力である以下の者でないこととします。
(a) 暴力団
(b) 暴力団員
(c) 暴力団準構成員
(d) 暴力団関係企業
(e) 総会屋等、社会運動等標ぼうゴロ又は特殊知能暴力集団等
(f) その他前各号に準ずる者又は団体
(g) 以下のいずれかに該当する行為を行った者又は団体
(i) 暴力的な要求行為
(ii) 法的な責任を超えた不当な要求行為
(iii)取引に関して、脅迫的な言動をし、又は暴力を用いる行為
(iv) 風説を流布し、偽計を用い又は威力を用いて本資産運用会社の信用を毀損し、又は本資産運用会社の業務を妨害する行為
(v) その他前記(i)から(iv)までに準ずる行為
c. オペレーターに対する再生可能エネルギー発電設備等の維持・管理等の委託
本投資法人は、オペレーターに対して再生可能エネルギー発電設備等の維持・管理等を委託することができるものとし、その場合その対価としてオペレーター報酬を支払うことができるものとします。
d. オペレーターによる運営のパフォーマンスのモニタリング
賃借人に対し、発電設備の操業実績等のオペレーターの運営状況や、賃借人又はオペレーターの財務状況について賃貸借契約の中で一定の報告義務を課すことを基本方針とします。ただし、報告義務の内容については、賃貸借契約における実績連動賃料部分の有無を合理的に考慮して資産ごとに異なるものとすることができるものとします。
e. 賃貸条件の決定方針
本投資法人は、収入の安定化を図るため、再生可能エネルギー発電設備等の賃貸借契約において、賃料は、原則として、最低保証賃料と実績連動賃料を組み合わせた形態にし、かつ、その大部分が最低保証賃料となるように設定することにより、本投資法人の賃料収入の安定化を図ります。
最低保証賃料は、原則として、NEDOがまとめた年間時別日射量データベース等を基礎としてテクニカルレポートの作成者その他の専門家によって算出されたいずれかの超過確率P(パーセンタイル)の発電量予測値に基づき算定された将来の月ごとの想定売電金額の100%(同額)とします。
実績連動賃料は、原則として、賃借人から報告される実際の発電量に基づく月ごとの売電金額を基準とします(注)。
ただし、賃借人がSPCである場合は、上記以外の賃貸条件を採用することを妨げず、本投資法人の利益に資するよう合理的に決定するものとします。
調達期間を勘案して、実務上可能な限り、賃貸借契約の契約期間を長期にし、かつ、賃借人の選択による同契約の解約を制限します。
インフレーションが生じた場合、賃借人は、本投資法人の要請に従い、売電先の変更に向けた検討を行うものとし、検討の結果、売電先が変更された場合は、賃貸人たる本投資法人との間で新たな売電先への販売価格を踏まえ、賃料について増額改定を協議する旨の規定を賃貸借契約に設けるよう努力します。
太陽光発電設備等以外の再生可能エネルギー発電設備等に投資する際には、原則として、上記に準じた決定方針によるものとします。
(注) 太陽光発電設備について接続電気事業者から出力の抑制が求められ、出力抑制に係る出力抑制補償金が接続電気事業者から支払われる場合、売電金額の計算にあたっては当該補償金の額を加算します。出力制御の概要は、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ⑤ 発電事業に係る権利・法制度に関するリスク (ハ) 出力制御を求められるリスク」をご参照ください。また、賃借人が被保険者として受領する利益保険の保険金の金額も、売電金額の計算に当たって加算されます。
f. 資産管理基本方針
資産管理については原則として、再生可能エネルギー発電設備等の保有者たる賃貸人(本投資法人の場合を含みます。)若しくは賃借人(オペレーターを兼ねる場合を含みます。)のいずれか適切な者又はその両者からO&M業者に委託するものとします。このうち、再生可能エネルギー発電設備の保守管理等の業務については、オペレーターとは別のO&M業者に委託します。委託者は、委託に際し、中長期にわたる安定した収益の確保と資産価値の維持及び向上を目指し、発電量、売電収入、適切な管理及び修繕の実施、管理コストの適正化及び効率化並びに再委託先への再委託状況についてモニタリングします(本投資法人が必要と認めるときは、再委託先に対する直接のモニタリングを行います。)。本投資法人からO&M業者に委託する場合、本投資法人は、O&M業者の管理に関する業務をオペレーターに委託して行わせます。
なお、賃借人がO&M業者に資産管理を委託する場合、委託状況のモニタリングは第一次的には委託者である賃借人が行いますが、本投資法人も賃借人との賃貸借契約等を通じて間接的に行うこととします。
g. O&M業者の選定及びモニタリング
O&M業者を選定するにあたっては、再生可能エネルギー発電設備の運営・管理の経験や能力、対象となる運用資産における実績、運用計画に沿った業務遂行の実現性、コスト水準、運用の継続性等を総合的に勘案し、本投資法人の総合的な収益向上に寄与すると認められる会社を選定するものとします。また、委託者がO&M業者のモニタリングを行うとともに、モニタリングにあたっては、O&M業者の事業環境・運営状況につき適時モニタリングするとともに、必要があれば、財務状況のモニタリングによるO&M業者のクレジット・リスクの管理等を行うことで業務水準等についての評価を定期的に行い、適正な業務遂行レベルが維持できない場合は、契約の解除を行うこと又は契約の更新を行わないことを検討するものとします。
h. 修繕計画の基本方針
中長期的な運用資産の収益の維持向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性等を考慮した個別資産ごとの修繕計画を、オペレーター及びO&M業者と協議の上策定し、必要な修繕及び資本的支出を行うものとします。修繕及び資本的支出は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費もあわせて勘案して本投資法人が判断するものとします。ただし、運用資産のパフォーマンスの維持及び向上に資するものと本投資法人が合理的に判断したものについては、早期に実施するものとします。
なお、運営期間中に発生する再生可能エネルギー発電設備等の維持、管理、修繕等に要する費用(再生可能エネルギー発電設備等に賦課される公租公課、再生可能エネルギー発電設備等に係る資本的支出、再生可能エネルギー発電設備を構成する機器又は部品の交換に係る新たな機器又は部品の代金、O&M業者に支払うべき委託料その他の費用、本投資法人が保険契約者又は被保険者となる再生可能エネルギー発電設備に係る保険の保険料を含みます。)は再生可能エネルギー発電設備等の保有者たる賃貸人が負担することとし、それ以外の再生可能エネルギー発電設備等の日常的な維持、管理、修繕等に要する費用は原則として賃借人が負担することとします。
i. 付保方針
火災又は事故等に起因する設備への損害、第三者からの損害賠償請求等のリスク、又は落雷若しくは風水災等偶然かつ突発的な事故により再生可能エネルギー発電設備等が損壊し、復旧するまでの間、発電(売電)が不可能になった場合の逸失利益に対処するため、必要な火災保険、損害賠償保険及び利益保険等を運用資産に付保するものとします。ただし、予想される個別設備等及びポートフォリオ全体に対する影響と保険の実効性を勘案して、付保しないこともあります。
j. 買取期間満了後の再生可能エネルギー発電設備
買取期間が満了し、固定価格買取制度の適用外となった再生可能エネルギー発電設備等については、(i)当該再生可能エネルギー発電設備により発電した電気を小売電気事業者等に対して直接若しくは卸電力取引所を通じて売却するか、又は、(ii)当該再生可能エネルギー発電設備等を売却するものとします。かかる選択においては、当該満了時における売電市場、卸電力取引所、当該再生可能エネルギー発電設備のセカンダリー取引市場の動向及びそれらを踏まえた具体的な売却条件等を勘案するものとし、当該再生可能エネルギー発電設備等を売却する場合は、下記「(チ) 売却方針」についても考慮します。
k. 賃借人の契約上の地位の移転
将来の賃借人の変更に備えて、あらかじめ円滑な賃借人の地位の承継を行うための手続(例えば、再生可能エネルギー発電設備に係る設備認定上の発電事業者たる地位並びに買取電気事業者及び接続電気事業者との間の契約上の地位の移転に関する地位譲渡予約並びに買取電気事業者若しくは接続電気事業者の承諾等)を講じることを検討します。
賃借人の破たんその他の事由により賃貸借契約が終了し、又は終了するおそれが生じた場合、事前に上記の地位譲渡予約及びその承諾等が得られている場合には、賃借人の交代を早急に検討し、状況に応じて交代を行います。事前に地位譲渡予約及びその承諾等が得られていない場合には、早急に地位譲渡及びその承諾等に関する交渉を行います。
(チ) 売却方針
原則として短期的な資産の売却は行いませんが、ポートフォリオ全体の構成、ニーズの変化、個別資産の状況、収益性の見通し、周辺環境の変化、インフレーション等経済環境の変化に伴う収益力の変化、セカンダリー市場の形成状況等を総合的に判断した結果、当該資産の売却がポートフォリオの収益の安定に資するものと判断される場合には、適切な時期での売却を検討することがあります。
(リ) 財務戦略
中長期的な収益の維持及び向上並びに運用資産の規模と価値の成長を実現するために、安定的かつ健全な財務運営を構築することを基本方針とします。
a. エクイティ戦略
新投資口の発行は、有利子負債比率や投資資産の取得時期等を総合的に勘案し、投資口の希薄化に配慮した上で実行します。
b. デット戦略
i 資金の借入れは、以下の方針に基づき適切に行います。
(a) 金利変動リスクを軽減するため、長期・短期の借入期間、固定・変動の金利形態等のバランスを図ります。ただし、日本相互証券株式会社の公表する新発10年国債利回りの各営業日の終値が60営業日連続で1.0%を超える金利環境となった場合においては、原則として、金利スワップ契約又は金利キャップ契約等を締結することにより変動金利の実質的固定化を図ります。
(b) リファイナンスリスクを軽減するため、返済期限や借入先の分散を図ります。
(c) 借入先は、金融商品取引法第2条第3項第1号に規定する適格機関投資家(租税特別措置法第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)に限ります。
(d) 借入先の選定に当たっては、借入期間、金利、担保提供の要否、手数料等の諸条件につき複数の金融機関と交渉し、マーケット水準とも比べながら、その内容を総合的に考慮して効率的な資金調達を図ります。
(e) 各種必要資金の機動的な調達を目的として、極度貸付枠設定契約やコミットメントライン契約等、事前の借入枠設定又は随時借入予約契約の締結を必要に応じて検討します。
(f) 借入れに際しては、無担保・無保証を原則としますが、円滑な資金調達を目的として運用資産を担保として提供する場合があります。
ii 投資法人債の発行は、長期かつ安定的な資金調達と調達先の分散を目的として適切に行います。
iii 当面のデット調達における借入期間、金利形態等については、年度運用計画において定めるものとします。
iv 借入金及び投資法人債発行の限度額は、それぞれ1兆円とし、かつ、その合計額が1兆円を超えないものとします。
v 本投資法人は、デリバティブ取引に係る権利(投信法施行令第3条第2号に規定するものをいいます。)への投資を、本投資法人に係る負債から生じる為替リスク、金利変動リスクその他のリスクをヘッジすることを目的としたものに限って行うことがあります。
vi 有利子負債比率は、原則として60%を上限とします。ただし、資産の取得に伴い、一時的に60%を超えることがあります。なお、当面の間はポートフォリオ規模等を考慮して50%を目途に保守的に運用します。
(ヌ) 利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)及び自己投資口の取得
本投資法人の投資対象である太陽光発電設備等は、その多くが都市部以外の地域に所在し、土地の価格が相対的に安いため、資産全体に占める償却資産の割合が一般的な不動産投資法人(いわゆるJ-REIT)に比べて相対的に高くなることが想定され、結果として高い減価償却費を計上することが見込まれます。他方で、太陽光発電設備に対する資本的支出や修繕費は、その資産の特性から減価償却費に比べて低額となる傾向があります。
このため、本投資法人は、長期修繕計画に基づき想定される各計算期間の資本的支出の額に鑑み、長期修繕計画に影響を及ぼさず、かつ、資金需要(投資対象資産の新規取得、保有資産の維持・向上に向けて必要となる資本的支出等、本投資法人の運転資金、債務の返済及び分配金の支払等)に対応するため、融資枠等の設定状況を勘案の上、本投資法人が妥当と考える現預金を留保した残額を、原則として全額、毎計算期間分配する方針とし、このうち、利益の額を超える額は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)として分配します。ただし、これらの分配は、本投資法人の財務状態に悪影響を及ぼさない範囲で、かつ、法令等(投信協会の定める規則を含みます。)に定める金額を限度(注1)とします(注2)。
なお、本投資法人は、上場に際しては、各計算期間の減価償却費の30%に相当する金額を目途として、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を原則として毎計算期間実施する方針を採用していました。しかし、内部留保すべき金銭の額は毎期異なりうるところ、それにもかかわらず毎期行う利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)額を減価償却費の一定割合を目途とするのでは、定額法を前提とした減価償却費の額が毎期一定額となることに鑑みると、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)額が毎期ほぼ同額となり、余剰資金の使途が硬直化し、当該資金の運用が非効率となるおそれがあることが上場後の運用を行う中で課題として本資産運用会社により認識されるに至りました。その上で、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)よりも純利益に基づく分配金の増額を重要視している本投資法人としては、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)額の目途を設けることはせず、本投資法人が妥当と考える現金を留保した上でその残額を全額投資主に対して分配する方が、必要な金銭の内部留保を確保しつつ、できる限り多くの金銭を投資主に分配することが可能となり、最終的には、本投資法人、ひいては投資主の利益に資すると判断し、この点についての方針を変更することとしたものです。
上記にかかわらず、第2期(平成28年11月期)については、保有資産の平成28年度の固定資産税について、本投資法人が負担して支払う精算金相当額が取得原価に算入されるため費用計上されないことにより、相応の利益の分配が可能であったため、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)は行わないこととしました。また、第3期(平成29年5月期)についても、保有資産の平成29年度の固定資産税の一部が費用計上されるものの、固定資産税(償却資産)の課税標準の軽減措置が保有資産の太陽光発電設備に適用されるため、相応の利益の分配が可能であると現時点において見込まれること等を考慮して、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施する予定はありません。さらに、第4期(平成29年11月期)以降の計算期間についても、経済環境、再生可能エネルギー発電事業に関する市場環境、本投資法人の財務状況等諸般の事情を総合的に考慮した上で、修繕や資本的支出への活用、借入金の返済、新規物件の取得資金への充当、自己投資口の取得などの他の選択肢についても検討の上、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施しない場合もあります。
なお、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)の実施は手元資金の減少を伴うため、突発的な事象等により本投資法人の想定を超えて資本的支出等を行う必要が生じた場合に手元資金の不足が生じる可能性や、機動的な物件取得に当たり資金面での制約となる可能性があります。利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施した場合、当該金額は出資総額又は出資剰余金から控除されます。
また、本投資法人は、投資主との合意により当該投資法人の投資口を有償で取得することができる旨を規約第5条第2項で定めており、当該規定に基づき、主として本投資法人の投資口が上場される東京証券取引所において、自己投資口を取得する可能性があります。自己投資口の取得は、経済的には利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と同一の効果を有し、会計上も自己投資口の取得を実施した場合、当該金額は出資総額等の控除項目として計上されます。
本投資法人は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)に代えて又は利益を超えた金銭の分配(出資
の払戻し)と同時に自己投資口の取得を行う場合がありますが、自己投資口の取得も利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)とみなして、上記の利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)に関する方針に従って、その実施の有無、金額等を決定するものとします。
(注1)クローズド・エンド型の投資法人は計算期間の末日に計上する減価償却費の100分の60に相当する金額を限度として、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を行うことが可能とされています(投信協会「インフラ投資信託及びインフラ投資法人に関する規則」)。
(注2)各保有資産に係るイー・アンド・イーソリューションズ株式会社によるテクニカルレポートに記載の大規模部品交換及び修繕に係る費用を保有資産(計10物件)について合計した額の6ヶ月平均額は約3.4百万円です(本数値は経済耐用年数の期間における費用を便宜的に6ヶ月平均した数値です。)。また、本投資法人は、減価償却費の算出方法につき、定額法を採用しています。保有資産(計10物件)の減価償却費(予想)は月額平均約25.1百万円を想定しています。以上の金額から借入金の元本返済等を行った後の金額を利益超過分配の原資とすることを予定しています。

図:利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)又は自己投資口の取得についてのイメージ図
(注)上記はあくまでイメージであり、本投資法人の損益における賃貸収入や利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)又は自己投資口の取得の金額等の比率等を示すものではありません。実際には、経済環境、再生可能エネルギー発電事業に関する市場環境、本投資法人の財務状況等諸般の事情を総合的に考慮した上で、修繕や資本的支出への活用、借入金の返済、新規物件の取得資金への充当などの他の選択肢についても検討の上、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)又は自己投資口の取得の額は変動し、又は利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)又は自己投資口の取得を実施しない場合もあります。
(ル) 情報開示方針
本投資法人は、以下のとおり、透明性確保の観点から、法定開示に加えて、有用かつ適切と判断される投資情報を、情報の透明性及び分かりやすさに配慮し、正確かつ迅速に開示します。
a. 本投資法人は、投信法及び金融商品取引法等の諸規則、東京証券取引所、投信協会等がそれぞれ要請する内容及び様式に従って、情報の透明性や分かりやすさに配慮し、投資主の投資判断に必要な情報を適時かつ適切に開示を行います。
b. 法定開示事項以外にも投資主にとって有益かつ重要な情報についても、可能な限り適時かつ適切な開示を努めるものとします。

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