有価証券報告書(内国投資証券)-第9期(令和1年12月1日-令和2年5月31日)
(1)【投資方針】
① 基本理念等
(イ) 本投資法人の基本理念
本投資法人は、タカラレーベンをスポンサーとして、2015年8月5日に設立され、2016年6月2日に株式会社東京証券取引所インフラファンド市場に、国内第1号のインフラファンドとして上場しました。
本投資法人は、主として、再生可能エネルギー発電設備等の特定資産への投資を通じて、安定的なキャッシュ・フロー及び収益を維持するとともに、運用資産の規模拡大や収益の向上を実現することを目指します。また、地球にやさしい持続的な環境づくりに貢献することを基本理念とし、自然エネルギーの活用を通じて価値を創造し、地域社会における雇用創出及び社会経済の発展、地球温暖化対策並びにエネルギー自給率の向上に寄与することを目指します。本投資法人は、これらの社会貢献投資を通じた安定的なキャッシュ・フロー及び収益により、投資主価値を最大化することを目指します。
本投資法人はこれらの基本理念を追求するため、再生可能エネルギー発電設備等のうち、特に太陽光発電設備等に主として投資を行います。そして、本投資法人は、取得した太陽光発電設備等を賃借人に賃貸して運用します。
図:本投資法人の基本理念
(ロ) 本投資法人の投資方針(太陽光発電設備等への投資)
a. 安定的かつ成長可能性のある太陽光発電市場への投資機会の提供
本投資法人の主な投資対象は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が適用され(同制度の概要については、後記「③ 太陽光発電事業の概要について (ロ) 固定価格買取制度の概要」をご参照ください。)、かつ、原則として既に稼働している太陽光発電設備等であり、設備自体から安定的なキャッシュフローが見込まれます。さらに、本投資法人は、運用資産である太陽光発電設備等を賃貸することにより運用しますが、各運用資産の賃料は、原則として発電量予測値に基づく最低保証賃料と賃借人が賃借した太陽光発電設備に係る売電収入に連動する実績連動賃料を組み合わせ、かつ、その大部分が実際の売電収入の変動に連動しない最低保証賃料となるように設定しており、本投資法人においても安定的なキャッシュフローが見込めます。本投資法人の主な投資対象である太陽光発電設備等によるエネルギー導入量(注)は、後記「②再生可能エネルギー発電設備を取り巻く環境 (ロ)再生可能エネルギーの中における太陽光発電の位置付け b.太陽光発電のシェアと市場の拡大」に記載の経済産業省による見通しによれば、今後さらに増加する余地があるものとされており、本投資法人としても、太陽光発電市場は、今後さらに拡大する市場であると考えています。
本投資法人は、資本市場においてこのように安定的かつ成長可能性のある太陽光発電市場への投資の機会を広く提供することを目指しています。
以上の状況に加え、後記「⑤本投資法人の特徴 (ロ)運用戦略と成長戦略 a.運営サポート体制(タカラレーベンのスポンサーサポート体制) ⅲ.スポンサーサポートの活用」に記載のとおり、スポンサーであるタカラレーベンによる、タカラレーベングループの保有物件情報の優先的提供及び優先的売買交渉権の付与を始めとした多種多様なスポンサーサポートがなされており、これらのスポンサーサポートに基づく本投資法人特有の安定性・成長性も期待できるものと本投資法人は考えています。
(注)「導入」の意義については、後記「② 再生可能エネルギー発電設備を取り巻く環境 (ロ) 再生可能エネルギーの中における太陽光発電の位置付け b. 太陽光発電のシェアと市場の拡大 ⅰ 経済産業省による見通し」をご参照ください。以下同じです。
b. 環境改善等に資する社会資本への社会貢献投資
地球温暖化が世界的な課題となっている中、発電時において温室効果ガスであるCO2(二酸化炭素)の発生を抑制する再生可能エネルギーの導入は、環境の改善に貢献するとともに、国際社会における日本のプレゼンス向上にも繋がるものと考えられます。また、一般に、発電のための化石燃料につき海外からの輸入に大きく依存している中での再生可能エネルギーの普及によるエネルギー自給率の向上は、エネルギーの安定供給の確保の面でも意義があり、また同時に海外からの燃料調達コストの削減にも繋がると考えられます。さらに、再生可能エネルギー発電設備等の管理業務の一部を現地の業者に委託することを通じた再生可能エネルギー関連による地域社会における雇用の創出や、遊休土地の活用を始めとした地域活性化等の効果も期待されます。本投資法人は、太陽光発電設備等への投資を通じて、以上のような社会貢献も可能であると考えています。
c. アセットの特徴を活かした、投資主への還元方針(豊富なキャッシュを活かした効率的な分配方針)
本投資法人の投資対象である太陽光発電設備等は、その多くが都市部以外の地域に所在し、土地の価格が相対的に安いため、資産全体に占める償却資産の割合が一般的な不動産投資法人(いわゆるJ-REIT)に比べて相対的に高くなることが想定され、結果として多額の減価償却費を計上することが見込まれます。他方で、太陽光発電設備に対する資本的支出や修繕費は、その資産の特性から減価償却費に比べて少額となる傾向があります。このため、本投資法人は、長期修繕計画に基づき想定される各計算期間の資本的支出の額に鑑み、長期修繕計画に影響を及ぼさず、かつ、資金需要(投資対象資産の新規取得、保有資産の維持・向上に向けて必要となる資本的支出等、本投資法人の運転資金、債務の返済及び分配金の支払等)に対応するため、融資枠等の設定状況を勘案の上、本投資法人が妥当と考える現預金を留保した残額を、原則として全額、毎計算期間分配する方針とし、このうち、利益の額を超える額は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)として分配します。ただし、本投資法人の財務状態に悪影響を及ぼさない範囲で、かつ、法令等(投信協会の定める規則を含みます。)に定める金額を限度とします。これらの分配を行うことにより投資主への還元を行います。
本投資法人は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)額の目途を設けることはせずに本投資法人が妥当と考える現金を留保した上でその残額を全額投資主に対して分配することで、必要な金銭を留保しつつ、できる限り多くの金銭を投資主に分配することが可能となると考えています。本投資法人は、かかる留保された金銭を効率的に活用して資産の取得及び運用を行うことで純利益に基づく分配金の増額を図り、上記の方針に基づく利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と併せて投資主への分配金の向上を目指すことが、最終的には、本投資法人、ひいては投資主の利益に資するものと考えています。
以上の考え方に従い、本投資法人は、利益超過分配を抑制するとともに、再投資を重視して純利益に基づいた分配金の最大化を目指します。
第9期(2020年5月期)については、上記の方針に従い、本投資法人は、本投資法人が妥当と考える現預金を留保した残額を全額分配し、このうち、利益の額を超える額は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)として分配します。
こうした方針の下、減価償却費855,253千円、前払費用償却額99,914千円、投資口交付費償却10,460千円及び創立費償却28千円の合計額965,656千円から借入金の返済による支出798,529千円及び本投資法人に留保すべき金額111,691千円を控除した残額55,435千円を、利益を超えた金銭の分配とすることを決定しています。
結果、当期の利益を超えた金銭の分配は減価償却費の約6.5%になっています。さらに、第10期(2020年11月期)以降の計算期間についても、上記の方針に基づき、本投資法人が妥当と考える現預金を留保した残額を、原則として全額、毎計算期間分配する方針とし、このうち利益の額を超える額は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)として分配します。ただし、経済環境、再生可能エネルギー発電事業(再エネ特措法第9条第1項の定める意味によります。以下同じです。)に関する市場環境、本投資法人の財務状況等諸般の事情を総合的に考慮した上で、修繕や資本的支出への活用、借入金の返済、新規物件の取得資金への充当、自己投資口の取得などの他の選択肢についても検討の上、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施しない場合もあります。
なお、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)の実施は手元資金の減少を伴うため、突発的な事象等により本投資法人の想定を超えて資本的支出等を行う必要が生じた場合に手元資金の不足が生じる可能性や、機動的な物件取得に当たり資金面での制約となる可能性があります。利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施した場合、当該金額は出資総額又は出資剰余金から控除されます。
また、本投資法人は、投資主との合意により当該投資法人の投資口を有償で取得することができる旨を規約第5条第2項で定めており、当該規定に基づき、主として本投資法人の投資口が上場している東京証券取引所において、自己投資口を取得する可能性があります。自己投資口の取得は、経済的には利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と同一の効果を有し、会計上も自己投資口の取得を実施した場合、当該金額は出資総額等の控除項目として計上されます。
本投資法人は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)に代えて又は利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と同時に自己投資口の取得を行う場合がありますが、自己投資口の取得も利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)とみなして、上記の利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)に関する方針に従って、その実施の有無、金額等を決定するものとします。なお、第9期(2020年5月期)については、自己投資口の取得は実施しません。
d. 発電量予測値に基づく最低保証賃料の設定による安定した収入の確保(本投資法人の安定性の源泉)
本投資法人は、賃借人兼オペレーターから受領する賃料について、一定の超過確率P(パーセンタイル)(注)の発電量予測値に基づく最低保証賃料と実際の売電収入に連動した実績連動賃料を組み合わせることを基本方針としています。かかる最低保証賃料の設定により、本投資法人は、安定した収入を確保することが可能になるものと考えています。なお、最低保証賃料は、無補償の出力抑制や天候不順等の外部要因により実際の発電量が当該予測値を下回った場合でも賃借人より収受できる賃料として設定されています。
(注)超過確率P(パーセンタイル)については後記「⑤本投資法人の特徴 (ロ)運用戦略と成長戦略 b. 本投資法人の運用戦略 ⅰ 収入の安定化 (b)賃料形態について」をご参照ください。
e. 安定性の高い財務基盤(アセットの特徴を捉えた最適な調達構造)
本投資法人は、上場インフラファンド(後記「④ インフラファンド市場について (イ) インフラファンド市場」に定義されます。以下同じです。)としては初めて、信用格付業者である株式会社日本格付研究所(JCR)より、長期発行体格付(見通し)として、「A-(安定的)」を取得し、本書の日付現在において「A-(ポジティブ)」の格付けを取得しています。
本投資法人は、本書の日付現在、合計22の金融機関から借入れを行うとともに、これらの金融機関との間で基本的な借入れ条件を合意しており、借入先を多様化しています。限られたスケジュールでの資産取得、大規模案件の取得機会、運用資産のメンテナンスに必要な資金捻出等の突発的な資金需要に対応できる態勢を整備しておくことは本投資法人の外部成長及び内部成長に繋がるものと考えられます。本投資法人はかかる強固なレンダーフォーメーションを維持するとともに、新たな取引金融機関を開拓していくことで、本投資法人の安定的な成長及びそれによる投資主価値の向上を目指します。
f. 国内第1号上場による先発優位性
本投資法人は、インフラファンド市場(同市場の概要については、後記「④ インフラファンド市場について (イ)インフラファンド市場」をご参照ください。以下同じです。)における国内第1号の上場インフラファンドであり、上場を機に、本資産運用会社への第三者からの発電所の売却情報に関する持込案件数は増加しています。本投資法人は、かかる情報を活用して本投資法人及び本資産運用会社独自のネットワークを拡大し、それにより資産規模を早期に拡大する機会の増加を目指します。また、いわゆる経験効果として、本投資法人、本資産運用会社及びスポンサーは、インフラファンド市場における経験及び知識を、他の市場関係者に先んじて蓄積することができ、また、金融機関や発電設備の運営・保守・管理業者、発電設備関連機器のメーカー等からの支援を比較的得られやすい等の先行者利益を享受することができるものと考えています。本投資法人は、国内第1号の上場インフラファンドとして、これらの先発優位性を活用し、投資主への長期安定的な配当享受の機会の提供を目指していきます。
② 再生可能エネルギー発電設備を取り巻く環境
(イ) 日本国内におけるエネルギー利用の動向
2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、わが国のエネルギー政策については抜本的な変更がなされています。
東日本大震災等の影響により、これまでエネルギー自給率に貢献していた原子力発電所は、定期点検を境に順次運転を停止し、2013年9月には、原子力発電所はすべて停止しました。また、運転を停止した原子力発電所は、運転再開について地元の同意を得ることが難しくなったり、安全基準の見直しとそれへの対応のため、定期点検後の運転再開が容易ではなくなっており、その後、一部の原子力発電所が再稼働したものの、発電量に占める割合は2018年度で6.4%と依然として極めて低い水準にとどまっています。代替のエネルギーは、概ね石炭・LNG・石油等によって賄われており、震災前に約60%であった国内発電量に占める火力発電の比率は、2012年度には約90%まで上昇し、2018年度においても76.4%と依然高い水準となっています。
また、当該比率の震災後の上昇傾向は、化石燃料の輸入に対する依存度が高まったことを表しており、海外に依存するエネルギー供給体制が以前よりも強まったといえます。経済産業省によれば、2018年における日本の一次エネルギー自給率(推計値)は11.8%と、東日本大震災前の2010年における19.9%から大幅に低下しています。これは、海外においてエネルギー資源の供給について問題が発生した場合、わが国が自律的に資源を確保することが困難となり得る状況であり、早期に対処すべき課題といえます。現在、政府において、震災前の水準をさらに上回る概ね25%程度を目標に、一次エネルギー自給率の向上が検討されています。以上に加え、世界的に温室効果ガスの排出量削減が目標とされるなか、2015年7月17日に国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局へ提出した日本の約束草案においては、2030年度には1,042百万トン(2015年度の温室効果ガスの排出量(速報値)は1,321百万トン)とすることを目標としており、かかる目標を達成するためには、国内発電量に占める再生可能エネルギーの比率を高め、火力発電への依存度を下げることに注力する必要があります。
再生可能エネルギーの導入及び比率の向上は、自然エネルギーの活用による一次エネルギー自給率の向上や発電時における温室効果ガスであるCO2の発生の抑制を通じて、上記の日本のエネルギー政策における課題の解決に繋がるものと考えられます。
このような中、経済産業省による2015年7月時点の長期エネルギー需給見通しでは、2030年度の総発電電力量における再生可能エネルギーの割合は22~24%程度(うち太陽光は7%程度)と見込まれています。そして、2018年7月3日に閣議決定された、第5次エネルギー基本計画においては、電力構成比率の2030年度目標が維持されるとともに再生可能エネルギーを「経済的に自立し脱炭素化した主力電源」にするための取組みを進める方針が明確にされています。
(注)2015年度までは10電力計、2016年度以降は10エリア計。「石油等」にはLPG、その他ガスを含みます。また、「新エネルギー」は太陽光、風力、地熱の合計値です。
図:電源別発電電力量構成比
出所:電気事業連合会「FEPC INFOBASE 2019」資料のデータを基に本資産運用会社作成
図:日本の一次エネルギー国内供給構成及び自給率の推移(2018年:推計値)
出所:経済産業省資源エネルギー庁「令和元年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2020)」図第211-4-1のデータを基に本
資産運用会社作成
(ロ) 再生可能エネルギーの中における太陽光発電の位置付け
a. 太陽光発電の概要
太陽光発電設備は、発電コストや日照状況による短時間での出力変動、発電効率等について課題はあるものの、メンテナンスが比較的容易かつ燃料調達の必要がないため、安定的な発電が期待できる発電施設です。
また、開発期間の点では、その他の再生可能エネルギーが環境影響評価や地元調整等によって数年程度要することが一般的であるのに対し、出力1MW(1,000kW)以上の大規模な太陽光発電(以下「メガソーラー」といいます。)のための設備でも1年程度と比較的短く、技術的な観点からも、比較的開発・運営が容易な電源といえます。
なお、調達価格等算定委員会による意見を受け、経済産業大臣は、出力が10kW以上の太陽光発電設備の価格目標に関し、固定価格買取制度からの電源自立化に向けて、発電コストの水準が、2020年に14円/kWh、2025年に7円/kWhとなることを目指すとしています。
また、周波数変動対策や余剰電力対策のために、発電予測、蓄電池、系統運用等に関する技術開発も進められています。特に蓄電池に関しては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」といいます。)が策定した「NEDO二次電池技術開発ロードマップ2013」(2013年8月)においては、現状の開発レベルと将来見込みを勘案して設定した2020年のコスト目標(パワーコンディショナー(PCS)を含めた「電池システム」としての値)として、長周期変動調整用二次電池(需給調整用二次電池)について2.3万円/kWh(2012年度末時点のコストは5~10万円/kWh)、短周期変動調整用二次電池については8.5万円/kWh(2012年度末時点のコストは20万円/kWh)という値が示されています。
このような技術革新が実現した場合には、前記の発電コストや日照状況による短時間での出力変動、発電効率等についての課題を一定程度克服できるものと考えられます。
本投資法人は、太陽光発電が、当面の間、再生可能エネルギーの中でも中心的な役割を果たすとともに、中長期的にも重要な電源になると考えており、太陽光発電設備等を本投資法人の主な投資対象としていく方針です。また、本投資法人の主な投資対象は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が適用され、かつ、原則として既に稼働している太陽光発電設備等です。
(注1)「特別高圧」とは、電気設備に関する技術基準を定める省令(平成9年通商産業省令第52号。その後の改正を含みます。)
において7,000ボルトを超える電圧の種別と定義されています。以下同じです。
(注2)「バイオマス(木質専焼)」は、木質バイオマスのみを燃料源とするバイオマス発電設備を意味します。
(注3)「小水力」は、出力が小規模の水力発電設備を意味します。
図:各再生可能エネルギー発電設備の開発期間
出所:経済産業省調達価格等算定委員会第20回配布資料「再生可能エネルギーの導入状況と固定価格買取制度見直しに関する検討状
況について」(2016年1月 経済産業省資源エネルギー庁のデータを基に本資産運用会社作成)
b. 太陽光発電のシェアと市場の拡大
ⅰ 経済産業省による見通し
固定価格買取制度の導入後、認定を受けた10kW以上の太陽光発電設備(非住宅用)の容量は、2020年3月末時点において、約67.1GW(注1)となっており、うち実際に導入(注2)されたものは約43.2GWとなっています。過去の新規認定・導入の推移からは、前記のとおり開発期間が1年程度であるにもかかわらず、認定から当該期間が経過した後も導入されていないケースが多いことが推定され、現時点においては開発見込みがないものが相応にあると考えられます。他方、経済産業省による2015年7月時点の長期エネルギー需給見通しでは、2030年度には約64GW(うち非住宅用は約55GW)の導入が見込まれるとされています。また、経済産業省によると、固定価格買取制度開始後に新規導入された再生可能エネルギーの容量における10kW以上の太陽光発電の割合は2020年3月末時点で90.8%を占めています。
(注1)2017年4月1日施行の再エネ特措法の改正に伴い、旧制度下での認定については、原則として2017年3月31日までに電力会社との接続契約を締結する必要があり、期限までに未締結の場合は認定が失効することとなっています。ただし、経過措置として2016年7月1日から2017年3月31日までの間の新規認定案件については、認定日の翌日から9か月以内に電力会社との接続契約を締結する必要があり、期限までに未締結の場合には認定が失効することとなっています。2020年3月末日時点の認定状況については、2017年3月末日時点までの失効分及び経過措置による2017年4月以降の失効分(2020年7月時点で確認できているもの)が反映されています。
(注2)「導入」とは、固定価格買取制度の下で買取が開始された状態をいいます。以下同じです。
(注1)「2030年度導入見込み」については、太陽光発電設備に関する報告徴収や聴聞の結果を踏まえ、認定量の6割程度が導入されるものとして、認定された太陽光発電設備のうち実際に運転を開始する正味の導入量及び既導入量の合計を6,100万kW程度と見込んだ上で、太陽光発電設備によって発電された電気の買取のために2030年度に合計約2.3兆円の買取費用が活用されることを見越して追加的に見込まれる導入量を計算して、合計約6,400万kWが導入されるものとし、そのうち非住宅用については約5,500万kWが導入されるものと見込んでいます。
(注2)2017年4月から8月、2017年10月・11月、2018年1月・2月、2018年4月・5月、2018年7月・8月、2018年10月・11月、2019年1月・2月、2019年4月・5月、2019年7月・8月、2019年10月・11月及び2020年1月・2月の数値は公表されていません。
図:再エネ特措法施行以降の太陽光発電設備の新設・導入推移(10kW以上)及び2030年度太陽光発電設備(非住宅用)の導入見込み
出所:(i)2020年3月までは、経済産業省資源エネルギー庁「固定価格買取制度情報公表用ウェブサイト」のデータを基に本資産運用会社作成、(ii)2030年度導入見込みは、経済産業省「長期エネルギー需給見通し」関連資料(2015年7月 経済産業省資源エネルギー庁)のデータを基に本資産運用会社作成

(注)固定価格買取制度開始後に新たに認定を受け、同制度の下で買取が開始された各発電設備の容量(万kW)の2020年3月末時点の割合
を表示しています。
図:固定価格買取制度開始後に新規導入された再生可能エネルギーの容量割合(太陽光は10kW以上のものを対象)
出所:経済産業省資源エネルギー庁「固定価格買取制度情報公表用ウェブサイト」のデータを基に本資産運用会社作成
ⅱ 政府による見通し
政府作成による「第5次エネルギー基本計画」(2018年7月)においては、「長期的に安定した持続的・自立的なエネルギー供給により、我が国経済社会の更なる発展と国民生活の向上、世界の持続的な発展への貢献を目指す」という基本方針のもと、総発電電力量における再生可能エネルギーの割合を2030年度に22~24%(うち太陽光は7%程度)とするエネルギーミックスの確実な実現に向けた取組みの更なる強化を行うとともに、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた取組みを行う旨が示されています。
そして、現行再エネ特措法においても再生可能エネルギー源の利用の促進が掲げられています。
以上から、本投資法人は、太陽光発電市場の拡大、ひいては太陽光発電設備等の取得による本投資法人のポートフォリオの拡大を実現する環境がさらに整備されていく可能性があるものと考えています。
c. セカンダリー取引に対する今後の期待
新たに認定及び導入される太陽光発電設備に加えて、認定後の発電事業の権利の譲渡や、稼働済み発電所の譲渡等の取引も今後活発化する可能性があります。この点、インフラファンド市場の創設は、このようなセカンダリー取引市場の成長を促進する効果も期待されます。なお、上場を機に本資産運用会社には第三者から発電所の売却情報が持ち込まれるようになっています。
d. 太陽光発電導入における課題
一般社団法人太陽光発電協会によれば、太陽光発電によるエネルギーを含む再生可能エネルギーの導入を大量化するためには具体的に以下の課題に対応することが考えられるとされています。これらの課題には経済産業省によって議論されているものも含まれており、導入拡大に向けた措置が政策的に検討されています。
① 高度かつ効率的な出力抑制技術による需給最適化
② 広域的地域間連系ネットワークへの革新による縦横無尽なエネルギーコントロールを可能にする
(系統システムの高度化、①を含めた最適化運用)
③ 現状との比較精査を含めた、火力・水力等における系統電源調整能力の更なる技術的進化と活用
④ 蓄電池、水素等によるエネルギー貯蔵技術システムの活用
⑤ 「捨てるより使う」という観点に立ち、ダイナミック・プライシング等を用いた需要の能動化
③ 太陽光発電事業の概要について
(イ) 太陽光発電設備の概要
a. 太陽電池の原理
一般的な太陽電池の仕組みは、太陽光を半導体に当てることによって光エネルギーを電気に交換するものです。一般的な太陽電池は負の電荷を引き寄せるn型半導体と正の電荷を引き寄せるp型半導体の2種類を積み重ねた構造となっています。太陽電池の表面に光が当たると正と負を持った粒子(正孔と電子)が発生し、電子はn型半導体の方へ、正孔はp型半導体の方へ移動します。この移動は光を当てている間持続し、電子が押し出されることで、電流が生じます。
b. 太陽光発電設備の構成
太陽光発電設備は、以下で構成されます。

(注1)「高圧」とは、交流にあっては、600ボルトを超え、7,000ボルト以下の電圧をいいます(電気設備に関する技術基準を定める省令第2条第1項第2号)。以下同じです。
(注2)後記「(ロ) 固定価格買取制度の概要 a. 固定価格買取制度の基本的な仕組み」に定義します。
(注3)上記構成は特別高圧案件の構成であり、高圧案件の構成では⑤が含まれません。
図:太陽光発電設備の構成(「LS那須那珂川発電所」の例)
(ロ) 固定価格買取制度の概要
a. 固定価格買取制度の基本的な仕組み
再生可能エネルギーの固定価格買取制度とは、再生可能エネルギー源を利用して発電した電気を、経済産業大臣が定める固定の調達価格で一定の調達期間、電気事業者に買い取ることを義務づける制度で、再エネ特措法に基づき、2012年7月1日にスタートしました。本投資法人は、原則として、同制度の下で調達価格及び調達期間が確定し、かつ特定契約(以下に定義します。)に基づく発電事業者(以下に定義します。)による電気の供給及び電気事業者による電気の買取が既に開始された太陽光発電設備等を投資対象とします。
同制度は、発電事業に必要となる費用の大半である、発電所の建設コストを安定的に資金回収できるよう長期にわたって電気の買取を保証することで積極的な再生可能エネルギー発電への投資を促すことを狙いとしています。具体的には、発電事業者から電気を買い取る電気事業者(以下「買取電気事業者」といいます。)による電力の買取資金の原資として、小売電気事業者等(注1)が電気の使用者から電気料金とともに再生可能エネルギー賦課金を徴収し、費用負担調整機関が全国の小売電気事業者等から再生可能エネルギー賦課金を原資とする納付金を徴収し、各買取電気事業者に対して、買取実績に応じた交付金を支払う仕組みとなっています。
図:固定価格買取制度の基本的な仕組み
出所:経済産業省資源エネルギー庁新エネルギー対策課「再生可能エネルギーの固定価格買取制度について」(2012年7月)
のデータを基に本資産運用会社作成
(注1)再エネ特措法第31条第1項に規定する小売電気事業者等をいいます。以下同じです。
(注2)「費用負担調整機関」とは、地域ごとに再生可能エネルギーの導入状況が異なる中で、地域間の負担の公平性を保つた
めに、地域間調整(再生可能エネルギー賦課金単価の全国一律化)を行う機関をいいます。
(注3)発電設備の種類・規模によっては、入札により買取価格が定められる場合があります。
発電事業者(注1)がこの制度を利用するには、電気事業者(以下「接続電気事業者」といいます。)との間で接続契約(注2)を締結の上、再生可能エネルギー発電事業の実施に関する計画(以下「再生可能エネルギー発電事業計画」といいます。)について経済産業大臣による認定を受け、発電事業者の再生可能エネルギー発電設備を接続電気事業者の電気工作物(電気事業法第2条第1項第18号に定義される意味によります。以下同じです。)に電気的に接続するとともに、買取電気事業者と再エネ特措法第2条第5項に定める特定契約(調達期間を越えない範囲の期間にわたり、認定を受けた者が電気事業者に対し再生可能エネルギー発電設備で発電した電気を供給することを約し、電気事業者が調達価格によりこれを調達することを約する契約をいい、以下「売電契約」ともいいます。以下同じです。)を締結する必要があります。
買取電気事業者が買い取った電気は、原則として卸電力取引所に売却されますが、発電事業者と小売電気事業者の間で合意が成立している場合には、当該小売電気事業者に引き渡すことも可能です。
なお、旧再エネ特措法に基づく認定を受けた案件で、平成28年再エネ特措法改正法の施行日(2017年4月1日)までに運転開始又は接続契約の締結に至っている案件その他一定の要件を満たすものについては、当該改正後の再エネ特措法に基づく事業計画認定を受けたものとみなされています。本投資法人の全ての保有資産は、かかる要件を満たしており、事業計画認定を受けたものとみなされています。
(注1)本書において、「発電事業」とは、別段の記載のない限り、再生可能エネルギー発電設備を用いて電気を発電する事業をいい、電気事業法第2条第1項第14号に規定する発電事業に限られません。また、「発電事業者」とは、別段の記載のない限り、再生可能エネルギー発電設備を用いて電気を発電する事業を営む者をいい、電気事業法第2条第1項第15号に規定する発電事業者に限られません。以下同じです。
(注2)「接続契約」とは、発電事業者が用いる認定を受けた再生可能エネルギー発電事業計画に係る再生可能エネルギー発電設備を接続電気事業者の電線路に電気的に接続すること及びその条件を定める契約をいいます。なお、発電事業者が2016年3月31日以前に東京電力株式会社(当時)と締結した特定契約兼接続契約上の同社の地位及びこれに付随する権利義務は、2016年4月1日を効力発生日とする同社の会社分割により、東京電力エナジーパートナー株式会社が承継し、同日より、同契約における電気工作物等の接続その他の送配電に係る事項については、東京電力パワーグリッド株式会社が、東京電力エナジーパートナー株式会社との契約に基づき実施しています。また、発電事業者は、東京電力パワーグリッド株式会社が定める託送供給等約款(以下「託送供給等約款」といいます。)における発電者に関する事項(給電指令(出力抑制)の実施、託送供給等に伴う協力、発電場所の立ち入り等)について遵守する必要があります。以下同じです。
b. 調達価格その他電気の買取に関する制度の動向
再生可能エネルギー電気(再生可能エネルギー発電設備を用いて再生可能エネルギー源を変換して得られる電気をいいます。以下同じです。)の買取価格及び買取期間は、原則として、毎年度、経済産業大臣が調達価格等算定員会の意見を聴いた上で定めるものとされています。なお、発電設備の種類・規模によっては、入札により調達価格が定められる場合があります。
発電出力が10kW以上の太陽光発電の買取価格は、技術革新や市場競争による建設コストの低下により、下記のとおり推移しています。
(注1)2017年度及び2018年度は出力2,000kW以上、2019年度は出力500kW以上、2020年度は出力250kW以上の太陽光発電設備が、それぞれ入札制度の対象となり調達価格の額は、落札者が入札した額(円/kWh)に消費税及び地方消費税の額に相当する額を加えて得た額となります。
(注2)2020年度の買取価格は、発電出力が10kW以上50kW未満の場合は13円、50kW以上250kW未満の場合は12円となります。
図:出力が10kW以上の太陽光発電設備の買取価格及び買取期間
しかし、各太陽光発電設備について、一度確定した買取価格及び調達期間は、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ⑤ 発電事業に係る権利・法制度に関するリスク (ニ) 調達価格又は調達期間が変更されるリスク」に記載される例外的な場合を除いて、調達期間が満了するまで変更されることはありません。
なお、平成28年再エネ特措法改正法により、地熱等のリードタイム(注)の長い電源について、事業の予見可能性をより一層高め、事業化決定を促すため、これまで各年度ごとに決定されてきた再生可能エネルギー電気の調達価格及び調達期間について、翌年度以降の調達価格等もあらかじめ決定できる仕組みが導入されました。
また、将来の買取価格の予見可能性を向上させるとともに、その目標に向けた事業者の努力やイノベーションによるコスト低減を促す観点から、電源ごとに中長期的な調達価格の目標が設定されています。さらに、同様の観点から、数年先の認定案件の買取価格まであらかじめ提示する(価格低減のスケジュールを示す)こともできるものとされています。
(注)「リードタイム」とは、事業の検討開始から実際に商用運転を開始するまでの期間をいいます。
発電事業者は、各再生可能エネルギー発電設備について、需給調整や保安上の理由により接続電気事業者から出力抑制を求められる場合があります。出力抑制については、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ⑤ 発電事業に係る権利・法制度に関するリスク (ハ) 出力抑制を求められるリスク」をご参照ください。
c. 事業計画認定後の措置
再生可能エネルギーの固定価格買取制度の適正な運用のため、再エネ特措法には、事業計画認定後にも発電事業者に対して一定の措置をとることができることが定められています。
景観や安全上のトラブルが発生している状況を踏まえて、事業計画認定を受けた案件については、認定事業者名及び代表者の氏名、認定に係る発電設備の識別番号並びに発電設備の所在地等が公表されます。
また、経済産業大臣は、認定事業者に対して、再生可能エネルギー発電事業の適確な実施に必要な指導及び助言を行い、事業計画認定を受けた再生可能エネルギー発電事業計画(以下「認定計画」といいます。)に従って再生可能エネルギー発電事業を実施していない場合、改善命令を出すことができます。さらに、認定事業者が認定計画に従って再生可能エネルギー発電事業を行っていない場合、認定基準に適合しなくなった場合、改善命令に違反した場合には、事業計画認定を取り消すことができるものとされています。
d. 未稼働案件に対する措置
再生可能エネルギーの固定価格買取制度施行後、認定を取得したにもかかわらず運転開始に至っていない未稼働案件が太陽光案件を中心に大量に発生し、制度開始直後の高い調達価格による買取が国民負担を増大させる懸念や未稼働案件が系統接続枠を押さえ続けていることによって実現性の高い新規案件が系統接続枠を利用できないという問題が生じたことから、国は、未稼働案件に対する次のような措置を行っています。
まず、平成28年再エネ特措法改正法により旧再エネ特措法に基づく既存の認定を失効させ、一定の要件を満たすもののみ、改正後の再エネ特措法に基づく事業計画認定を受けたものとみなすこととしたことに加え、改正後の再生可能エネルギーの固定価格買取制度においては、事業計画認定を受けた日から一定期間以内に運転を開始する計画であることが求められています。また、2016年8月1日以降に一般送配電事業者等(注)との接続契約が締結された発電出力が10kW以上の太陽光発電設備については、認定から3年という期間が設定され、3年を経過したものは経過した期間分だけ買取期間が月単位で短縮されます。
さらに、2012年度から2014年度までに認定を取得し、2016年7月31日以前に一般送配電事業者等との接続契約が締結され、運転を開始していない発電出力が10kW以上の太陽光発電設備については、原則として、2018年12月5日時点で既に電気事業法に基づく工事計画届出が受理されている発電出力2MW以上の案件を除き、事業用地の利用権の確保、許認可の取得等の一定の要件を満たした上で、一般送配電事業者等に対して系統連系工事着工申込みを提出しなくてはならないものとされており、これが一定の時期までに受理されない場合には調達価格が変更されます。また、かかる系統連系工事着工申込みを提出しなければならない案件については、当該受領期限から1年後に運転開始期限を設け、これを経過したものは経過した期間分だけ買取期間が月単位で短縮されます。なお、本投資法人の全ての保有資産は、電気事業者による電気の買取が既に開始された太陽光発電設備等であり、かかる措置の対象ではありません。
(注)一般送配電事業者、送電事業者(電気事業法第2条第1項第11号に規定する送電事業者をいいます。)及び特定送配電事
業者を併せて「一般送配電事業者等」といいます。以下同じです。)
e. 制度見直しの動向
2020年6月5日付で再エネ特措法を改正する法律が成立し、令和2年改正法が2022年4月1日より施行される予定です。
令和2年改正法により、再生可能エネルギー発電設備の廃棄等費用の積立てを担保するための新たな制度が創設されます。これにより、認定事業者が経済産業大臣の指定する「積立対象区分等」に該当する発電設備により発電した電気を供給するときには、原則として、当該設備の解体等に要する費用に充てるための金銭を「解体等積立金」として電力広域的運営推進機関に積み立てること(外部積立て)が求められます。「積立対象区分等」の内容、積立金額の水準、期間、頻度といった制度の具体的な内容は令和2年改正法には定められておらず、経済産業大臣の指定や経済産業省令の定めに委ねられていますが、2019年12月10日付で太陽光発電設備の廃棄等費用の確保に関するワーキンググループが公表した中間整理においては、再エネ特措法に基づく認定を受けた10kW以上の全ての太陽光発電事業を対象に、調達価格の算定において想定した廃棄等費用を基準として算出される金額を調達期間終了前10年間にわたり売電収入から源泉徴収的に積み立てる制度設計が提言されており、今後、かかる提言に沿って制度決定されていくものと予想されます。他方、積立金額、積立方法その他経済産業省令に定める事項を発電事業計画に記載し、経済産業大臣の認定を受けたときは、例外として内部積立て、すなわち発電事業者が自ら積立てを行う方法によることができるものとされています。
また、令和2年改正法により、競争力ある電源への成長が見込まれる再エネ電源(競争電源)については、他の電源と同様に市場等で取引する仕組みを導入するとともに、市場価格に一定のプレミアムを上乗せして交付する制度(Feed in Premium = FIP制度)が創設されます。FIP制度は、発電した電気を卸電力取引市場や相対取引で取引させつつ、基準価格(FIP価格)(固定)と市場価格に基づく価格(参照価格)(一定期間内は固定、長期的には変動)の差額(プレミアム。令和2年改正法では「供給促進交付金」と定義されています。)を上乗せして交付する制度です。FIP制度の対象となる案件は、令和2年改正法上、「交付対象区分等」と定義されていますが、いかなる案件が「交付対象区分等」に該当するかは経済産業大臣が告示で定めることとされています。なお、2020年2月に公表された主力電源化小委員会中間取りまとめによれば、FIP制度の対象は、「競争力ある電源への成長が見込まれる電源(競争電源)」あるいは「発電コストが着実に低減している電源又は低廉な電源として活用し得る電源」とされ、具体的には「大規模事業用太陽光発電、風力発電等」と提言されています。また、同小委員会における議論や中間取りまとめによれば、投資インセンティブの確保と市場価格を意識した発電行動の両立を目指すために、参照価格は一定期間固定しつつ長期的には変更するものとする方向で検討されているものと考えられます。ただし、本投資法人の保有物件は、既にFIT制度による売電が開始されているところ、これまでの主力電源化小委員会での議論や国会審議での答弁からして、これらについては引き続き現在のFIT制度の対象となり、FIP制度に移行する訳ではないと考えています。そのため、本投資法人は、仮に、令和2年改正法が施行されてFIP制度が導入されたとしても、本投資法人が保有する太陽光発電所の売電方法や買取価格に影響を与える可能性は低いと考えています。
さらに、令和2年改正法では、長期未稼働案件により空押さえされた系統容量を開放する観点から、経済産業大臣の認定について、認定失効制度が新たに導入されることになります。ただし、本投資法人の保有物件は、既にFIT制度による売電が開始されているところ、令和2年改正法が施行されて認定失効制度が導入されても、これにより本投資法人が保有する太陽光発電所の認定が失効することはありません。
また、令和2年改正法による改正事項ではありませんが、いわゆる発電側基本料金の導入が検討されています。
④ インフラファンド市場について
(イ) インフラファンド市場
東京証券取引所は、インフラストラクチャー(以下「インフラ」といいます。)に対する投資ニーズの高まりやインフラ整備の社会的意義等を踏まえ、専門家・有識者による「上場インフラ市場研究会」を開催するなど、わが国における再生可能エネルギー発電設備を運用対象とする投資信託の受益証券又は投資法人の投資証券の取引市場(以下「インフラファンド市場」といいます。また、インフラファンド市場に上場する投資信託又は投資法人を以下「上場インフラファンド」といいます。)の創設に向けた検討を実施してきましたが、投信法の改正により同法上の特定資産に再生可能エネルギー発電設備や公共施設等運営権(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成11年法律第117号。その後の改正を含みます。)第2条第7項に規定する公共施設等運営権をいいます。以下同じです。)が追加されたことなどを踏まえ、2015年4月30日、再生可能エネルギー発電設備等その他のインフラ資産等(注)を投資対象とするインフラファンド市場を創設しました。この市場は、「震災復興への活用はもちろんのこと、エネルギー源の多様化や高度経済成長期に集中整備したインフラの維持・更新、また、アジア経済圏の成長の基盤となるインフラ運営への活用など」(上場インフラ市場研究会報告書(2013年5月))も期待されています。そのような状況の中、本投資法人は、2016年6月2日に初の上場インフラファンドとして当該市場に上場しました。その後、同市場に上場する他の投資法人も現れており、今後のインフラファンド市場の活性化が期待されます。
(注)東京証券取引所の有価証券上場規程及び同施行規則に定義される「インフラ資産等」とは、インフラ資産及びインフラ有価証券をいいます。このうち、上場インフラファンドの中核的な投資対象となることが想定されている「インフラ資産」には、再生可能エネルギー発電設備や公共施設等運営権に留まらず幅広い資産が含まれています。他方、2014年の投信法の改正により投信法で定める特定資産として追加されたのは、再生可能エネルギー発電設備及び公共施設等運営権のみとなっています。ただし、東京証券取引所の有価証券上場規程及び同施行規則に定義されるインフラ資産のうち不動産であるものは、不動産として投信法上の特定資産に該当します。
図:インフラファンド市場への上場までの経緯
(ロ) 導管性要件について
税務上の導管性(投資法人と投資主との間の二重課税を排除するために認められている配当等の額を投資法人の損金の額に算入すること)を充足するための要件(以下「導管性要件」といいます。)の一つとして、投資法人の保有する特定資産(再生可能エネルギー発電設備及び公共施設等運営権を除きます。また、投信法施行令第3条第1号に掲げる有価証券のうち匿名組合契約等に基づく権利及び同条第8号に掲げる匿名組合出資持分にあっては、主として同条第1号に掲げる有価証券のうち匿名組合契約等に基づく権利以外のもの及び同条第2号から第7号までに掲げる資産に対する投資として運用することを約する契約に係るものに限ります。)の帳簿価額が、その時において本投資法人が有する総資産の帳簿価額の50%超となることが原則とされています。
ただし、例外的に、規約上再生可能エネルギー発電設備の運用の方法(その締結する匿名組合契約等の目的である事業に係る財産に含まれる再生可能エネルギー発電設備の運用の方法を含みます。)が賃貸のみである旨が規定されている上場投資法人については、2023年3月31日までの期間内に再生可能エネルギー発電設備を取得(当該投資法人が締結している匿名組合契約等の目的である事業に係る財産としての当該匿名組合契約等に基づいて出資を受ける者による取得及び匿名組合契約等(その目的である事業に係る財産のうちに再生可能エネルギー発電設備を含むものに限ります。)に基づいて出資をした者からの当該匿名組合契約等に係る地位の承継を含みます。以下、本「(ロ) 導管性要件について」において同じです。)した場合、そのはじめての取得の日からその取得をした再生可能エネルギー発電設備をはじめて貸付けの用に供した日以後20年を経過するまでの間に終了する各事業年度の間は、再生可能エネルギー発電設備並びに主として再生可能エネルギー発電設備に対する投資として運用することを約する匿名組合契約等に基づく権利及び投信法施行令第3条第8号に掲げる匿名組合出資持分も前記総資産の帳簿価額の50%超の判定に際し分子に含めて計算してよいものとされており、本投資法人は同例外要件によって上記の導管性要件を充足する見込みです。したがって、現状の税法上は、本投資法人の導管性は2036年5月31日までに限り充足することが可能な見込みです。
なお、運用資産等の総額に占めるインフラ資産等の比率に係る上場廃止基準等が適用されない特例インフラファンド(東京証券取引所の有価証券上場規程第1521条第1項)の制度を利用すること等により、運用資産に占める再生可能エネルギー発電設備及び公共施設等運営権以外の特定資産の割合を増加させ、2036年6月1日以降も引き続き導管性要件を充足できるような形態で運用を継続することも可能ですが、本資産運用会社は、本書の日付現在、本投資法人についてそのような運用を行う予定はありません。
導管性要件の詳細については、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ① 本投資証券の商品性に関するリスク (ト) 現時点の税制の下では、インフラファンドの投資法人については導管性を維持できる期間が20年に限定されるリスク」をご参照ください。
⑤ 本投資法人の特徴
(イ) 本投資法人の仕組みと特性
本投資法人は、太陽光発電設備等を主とする再生可能エネルギー発電設備等へ投資します。税務上の導管性を充足するため、本投資法人は、投資した再生可能エネルギー発電設備等については賃借人へ賃貸し、賃借人から賃料を受領します。保有資産(「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」を除きます。)については、すべてタカラレーベンが賃借人兼オペレーターとなります。「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」の賃借人は特別目的会社(以下「SPC」といいます。)であり、オペレーターはタカラレーベンです。本投資法人、SPC及びタカラレーベンの間でプロジェクト契約を締結し、本投資法人及びSPCは、タカラレーベンに対し、太陽光発電設備等の運営・維持管理等を委託します。ただし、今後取得する資産についてはタカラレーベン以外が賃借人やオペレーターとなる可能性があります。
賃料は、原則として、最低保証賃料を基本としつつも、売電収入に連動する実績連動賃料も組み合わせた形態とする方針です。本投資法人は、当該賃料の中から投資法人の運営に必要となる各種費用を支払い、その後投資主に分配金を支払います。保有資産に関する、本投資法人における各関係者との契約関係・役務関係の各概念図は以下のとおりです。
[従来の方式]
<契約関係>
<役務関係>
[SPC方式]
<契約関係>
<役務関係>
(注1)上記<契約関係>及び<役務関係>の図では、O&M業者との契約は本投資法人との二者間の契約ですが、実際には、自家用電気工作物に係る主任技術者の外部選任、外部委託等に関連する保安監督業務、保安管理業務等の委託契約につき、発電事業者である賃借人又はオペレーターを含めた三者間の契約となる場合もあります。
(注2)上記<契約関係>及び<役務関係>の図では、地権者から土地賃貸・地上権設定を受ける形となっていますが、本投資法人は、敷地等を自ら所有する場合や地権者から土地賃貸・地上権設定を受けた第三者から土地を転借する場合もあります。
a. 本投資法人
本投資法人は、主として、太陽光発電設備等を中心とした再生可能エネルギー発電設備等に投資します。そして、本投資法人は、再生可能エネルギー発電設備等を賃貸することにより運用します。保有資産(「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」を除きます。)については、再生可能エネルギー発電設備等を賃借人兼オペレーターに賃貸し、賃借人兼オペレーターより最低保証賃料及び売電収入に連動した実績連動賃料を受領します。また、本投資法人は、再生可能エネルギー発電設備等の管理委託契約に基づき、その維持・管理等を賃借人兼オペレーターに委託します。「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」については、再生可能エネルギー発電設備等を賃借人に賃貸し、賃借人より最低保証賃料及び売電収入に連動した実績連動賃料を受領します。また、本投資法人及び賃借人は、プロジェクト契約に基づき、再生可能エネルギー発電設備等の運営・維持管理等をオペレーターに委託します。本投資法人では、賃借人及びオペレーターの経営状況並びに再生可能エネルギー発電設備等の運営状況等について継続的にモニタリングを行うとともに、原則として、賃借人との賃貸借契約又はオペレーターとの管理委託契約若しくはプロジェクト契約において、賃借人又はオペレーターの財務状態が悪化した場合等において賃貸借契約又は管理委託契約若しくはプロジェクト契約を解除できる旨の規定を設け、かかる場合に再生可能エネルギー発電設備等を他の賃借人に賃貸するとともに、その運営・維持管理等を他のオペレーターに委託することを可能とする方針です。
b. 本資産運用会社
本投資法人の資産運用会社である本資産運用会社は、タカラレーベンの連結子会社であり、本投資法人から資産運用業務を受託します。タカラレーベンからのサポートを受けつつ、本投資法人のために、再生可能エネルギー発電設備等への投資、投資した再生可能エネルギー発電設備等の資産管理、賃借人及びオペレーターの経営状況並びに再生可能エネルギー発電設備等の運営状況のモニタリング等を行います。
c. スポンサー
スポンサーとしてのタカラレーベンは、スポンサーサポート契約(タカラレーベンが本投資法人及び本資産運用会社との間で、本投資法人に対するサポート等に関し、2015年12月15日付で締結したスポンサーサポート契約(その後の変更を含みます。)をいいます。以下同じです。)において、本投資法人とタカラレーベングループが、相互の事業の発展のための継続的協力関係を確立し、相互の事業の拡大発展を達成することを目的とし、タカラレーベンの本投資法人への出資の一定程度の維持(セイムボート出資)、タカラレーベングループが保有する再生可能エネルギー発電設備・不動産関連資産の物件情報の優先的提供及び優先的に売買交渉をする権利(以下「優先的売買交渉権」といいます。)の付与、第三者保有物件情報の提供、資産取得業務等の支援、ウェアハウジング機能の提供、資産の共有に関する協議、賃貸借契約の締結協議、オペレーターの選定等支援、O&M業者の選定等支援、資産売却に関する情報の提供、固定価格買取期間終了後の電力売却支援、融資に関する情報提供等、境界紛争に係る対応支援、土壌汚染に係る対応支援その他のサポートを行います。スポンサーサポート契約の詳細については、後記「(ロ) 運用戦略と成長戦略 a. 運営サポート体制(タカラレーベンのスポンサーサポート体制) ⅲ. スポンサーサポートの活用」をご参照ください。
d. 賃借人
保有資産(「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」を除きます。)についてはすべてタカラレーベンが賃借人(兼オペレーター)となります。「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」についてはSPCが賃借人となります。
また、今後取得する資産についてもタカラレーベンが賃借人(兼オペレーター)となる場合がありますが、その他の事業者が賃借人(兼オペレーター)となる場合もあり得ます。また、賃借人がいわゆるSPCの場合等では、賃借人とオペレーターが異なる場合もあり得ます(この場合、賃借人たるSPCはオペレーターに太陽光発電設備等の運営・維持管理等を委託します。)。いずれの場合も賃借人が買取電気事業者から売電収入を受領し、本投資法人に対して賃料を支払います(注1)(注2)(注3)。
(注1)本投資法人は、賃借人(兼オペレーター兼発電事業者)であるタカラレーベンに対して保有する賃料債権その他の運用資産(SPC方式の資産を除きます。以下本(注1)において同じです。)に係る賃貸借契約に基づく債権を被担保債権として、(i)タカラレーベンとの間で、2016年4月4日付で、タカラレーベンが特定契約及び接続契約の相手方である買取電気事業者及び接続電気事業者(タカラレーベンが2016年3月31日以前に東京電力株式会社(当時)と締結した特定契約兼接続契約については東京電力エナジーパートナー株式会社)に対して特定契約及び接続契約に基づき保有する一切の債権(ただし、当該相手方が当該担保権の設定についての承諾の範囲を限定した場合には、当該限定された範囲の債権とします。以下、本(注1)において「対象債権」といいます。)に対する債権譲渡担保契約を締結しており、当該譲渡担保契約に基づき、タカラレーベンに本投資法人のために各運用資産の取得日付で当該運用資産に係る対象債権に対して譲渡担保権を設定させ、また、(ii)タカラレーベンとの間で、2016年4月4日付で、タカラレーベンが保険会社に対して企業費用・利益総合保険の保険契約に基づき保有する一切の請求権(以下、本(注1)において「対象保険金請求権」といいます。)に対する保険金請求権質権設定契約を締結しており、当該質権設定契約に基づき、タカラレーベンに本投資法人のために各運用資産の取得日付で当該運用資産に係る対象保険金請求権に対して質権を設定させ、さらに、(iii)タカラレーベンとの間で、2016年4月4日付で、タカラレーベンと買取電気事業者及び接続電気事業者(タカラレーベンが2016年3月31日以前に東京電力株式会社(当時)と締結した特定契約兼接続契約については東京電力エナジーパートナー株式会社)との間の特定契約及び接続契約上の地位(以下、本(注1)において「対象地位」といいます。)の譲渡予約契約を締結しており、当該地位の譲渡予約契約に基づき、タカラレーベンに本投資法人のために各運用資産の取得日付で当該運用資産に係る対象地位の譲渡に係る予約完結権を設定させるとともに、(iv)各運用資産の取得にあたり、上記の譲渡担保権の設定及び地位の譲渡予約に係る買取電気事業者及び接続電気事業者(タカラレーベンが2016年3月31日以前に東京電力株式会社(当時)と締結した特定契約兼接続契約については東京電力エナジーパートナー株式会社)からの承諾並びに上記の質権の設定に係る保険会社からの承諾を取得します。
(注2)本投資法人は、賃借人(兼発電事業者)であるSPCに対して保有する賃料債権その他の運用資産(SPC方式の資産に限ります。以下本(注2)において同じです。)に係る賃貸借契約に基づく債権を被担保債権として、(i)SPCとの間で、SPCが特定契約及び接続契約の相手方である買取電気事業者及び接続電気事業者(SPCが2016年3月31日以前に東京電力株式会社(当時)と締結した特定契約兼接続契約については東京電力エナジーパートナー株式会社)に対して特定契約及び接続契約に基づき保有する一切の債権(ただし、当該相手方が当該担保権の設定についての承諾の範囲を限定した場合には、当該限定された範囲の債権とします。以下本(注2)において「対象債権」といいます。)に対する債権譲渡担保契約を締結し、当該譲渡担保契約に基づき、SPCに本投資法人のために各運用資産の取得日付で当該運用資産に係る対象債権に対して譲渡担保権を設定させ、(ii)SPCとの間で、SPCが保険会社に対して企業費用・利益総合保険の保険契約に基づき保有する一切の請求権(以下本(注2)において「対象保険金請求権」といいます。)に対する保険金請求権質権設定契約を締結し、当該質権設定契約に基づき、SPCに本投資法人のために各運用資産の取得日付で当該運用資産に係る対象保険金請求権に対して質権を設定させ、(iii)SPCとの間で、SPCと買取電気事業者及び接続電気事業者(SPCが2016年3月31日以前に東京電力株式会社(当時)と締結した特定契約兼接続契約については東京電力エナジーパートナー株式会社)との間の特定契約及び接続契約上の地位(以下本(注2)において「対象地位」といいます。)の譲渡予約契約を締結し、当該地位の譲渡予約契約に基づき、SPCに本投資法人のために各運用資産の取得日付で当該運用資産に係る対象地位の譲渡に係る予約完結権を設定させ、(iv)SPC及びその社員との間で、当該社員が保有する当該SPCの社員持分に対する社員持分質権設定契約を締結し、当該質権設定契約に基づき、当該社員に本投資法人のために各運用資産の取得日付で当該運用資産に係るSPCの社員持分に対して質権を設定させ、(v)タカラレーベン及びSPCとの間で、タカラレーベンが保有するSPCに対する匿名組合出資持分に対する匿名組合出資持分質権設定契約を締結し、当該質権設定契約に基づき、タカラレーベンに本投資法人のために各運用資産の取得日付で当該運用資産に係るSPCに対する匿名組合出資持分(追加出資が行われた場合における、当該追加出資に係る持分も含む。)に対して質権を設定させるとともに、(vi)各運用資産の取得にあたり、上記の譲渡担保権の設定及び地位の譲渡予約に係る買取電気事業者及び接続電気事業者(SPCが2016年3月31日以前に東京電力株式会社(当時)と締結した特定契約兼接続契約については東京電力エナジーパートナー株式会社)からの承諾並びに上記の各質権の設定に係る保険会社及びSPCからの承諾を取得します。
(注3)SPC方式の場合、実際の売電収入が最低保証賃料額等、SPCの公租公課その他のSPCが支出すべき支払に対して十分でないときは、通常SPCに余剰の支払原資はなく、これらの支払が滞る可能性があります。SPC方式を利用する「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」については、タカラレーベンがSPCによる本投資法人に対する最低保証賃料額の支払債務を連帯保証するほか、SPCの公租公課や第三者に支払うべき費用に充てる資金が不足する場合にSPCに対し匿名組合出資その他の方法により必要資金の拠出を行う予定です。
e. オペレーター
本投資法人(賃借人がSPCの場合は、本投資法人及び賃借人)は、保有資産のオペレーターであるタカラレーベンに対し、当該資産の運営・維持管理等を委託します(注1)(注2)。
(注1)SPC方式を利用する物件以外の物件に関しては、本投資法人及びタカラレーベンの間で再生可能エネルギー発電設備等の管理委託基本契約が締結されており、当該契約において、本投資法人は、新規に再生可能エネルギー発電設備等を取得しそれを賃貸する賃貸借契約をタカラレーベンと締結した場合には、当該再生可能エネルギー発電設備等を運営委託契約の対象とする管理委託追加契約を両者間で締結し、その運営・維持管理等をタカラレーベンに委託し、タカラレーベンはそれを受託するものとされています。
(注2)SPC方式を利用する「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」に関しては、それぞれ、本投資法人、賃借人であるSPC及びタカラレーベンの間でプロジェクト契約が締結され、当該契約において、本投資法人は、太陽光発電設備等の維持、管理等をタカラレーベンに委託し、賃借人であるSPCは、太陽光発電設備等の運営・維持管理等をタカラレーベンに委託し、タカラレーベンは、これらの業務を受託するとともに、SPCによる本投資法人に対する最低保証賃料額の支払債務を連帯保証するほか、SPCの公租公課や第三者に支払うべき費用に充てる資金が不足する場合にSPCに対し匿名組合出資その他の方法により必要資金の拠出を行うことを約束しています。本投資法人及びタカラレーベンの間で再生可能エネルギー発電設備等の管理委託基本契約が締結されており、当該契約において、本投資法人は、新規に再生可能エネルギー発電設備等を取得しそれを賃貸する賃貸借契約をタカラレーベンと締結した場合には、当該再生可能エネルギー発電設備等を運営委託契約の対象とする管理委託追加契約を両者間で締結し、その運営・維持管理等をタカラレーベンに委託し、タカラレーベンはそれを受託するものとされています。
f. 地権者等
後記「(ニ) ポートフォリオ構築方針 i. 太陽光発電設備の設置、保守、運用に必要な用地の確保」に記載のとおり、本投資法人は、太陽光発電設備の設置、保守、運用に必要な用地(当該設置場所から電力会社の系統に接続する地点までの送電線が経由する土地(以下「送電線敷設用地」といいます。)を除きます。)を、賃借権若しくは転借権又は地上権によって確保することがあり、この場合、地権者又は転貸人が本投資法人の関係者となります。当該賃借権若しくは転借権又は地上権は、原則として、その敷地等に係る太陽光発電設備の調達期間中存続する(契約の更新又は再締結を含みます。)ことを本投資法人が合理的に判断できるものであることを必要とします。
g. O&M業者
保有資産に関しては、O&M業務は賃貸人である本投資法人から委託しています(注)。本投資法人は、委託に際し、中長期にわたる安定した収益の確保と資産価値の維持及び向上を目指し、発電量、売電収入、適切な管理及び修繕の実施、管理コストの適正化及び効率化並びに再委託先への再委託状況についてモニタリングします(本資産運用会社が必要と認めるときは、再委託先に対する直接のモニタリングを行います。)。また、本投資法人は、保有資産に関して、O&M業者の管理に関する業務をオペレーターに委託して行わせます。
なお、将来的に賃借人がO&M業者に資産管理を委託する場合、委託状況のモニタリングは第一次的には委託者である賃借人が行いますが、本投資法人も賃借人との賃貸借契約等を通じて間接的に行うこととします。
(注)O&M業者との契約は、基本的には本投資法人との二者間の契約ですが、実際には、自家用電気工作物に係る主任技術者の外部選任、外部委託等に関連する保安監督業務、保安管理業務等の委託契約につき、発電事業者である賃借人又はオペレーターを含めた三者間の契約となる場合もあります。
h. 接続電気事業者
賃借人兼オペレーターとして保有資産(「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」を除きます。)に係る発電事業者となるタカラレーベン又は賃借人として「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」に係る発電事業者となるSPCとの間で接続契約(注)を締結します。接続契約に従い、保有資産である再生可能エネルギー発電設備と接続電気事業者の電線路を電気的に接続します。
(注)接続契約の詳細については、前記「③ 太陽光発電事業の概要について (ロ) 固定価格買取制度の概要 a. 固定価格買取制度の基本的な仕組み」をご参照ください。
i. 買取電気事業者
賃借人兼オペレーターとして保有資産(「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」を除きます。)に係る発電事業者となるタカラレーベン又は賃借人として「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」に係る発電事業者となるSPCとの間で、再生可能エネルギーの固定価格買取制度に基づき、特定契約を締結します。特定契約に従い、タカラレーベン又はSPCから当該再生可能エネルギー発電設備で発電した電気を調達価格により調達します。
j. 保険会社
本資産運用会社は、火災又は事故等に起因する設備への損害、第三者からの損害賠償請求等のリスク、又は落雷若しくは風水災等偶然かつ突発的な事故により再生可能エネルギー発電設備等が損壊し、復旧するまでの間、発電(売電)が不可能になった場合の逸失利益に対処するため、必要な火災保険、損害賠償保険及び利益保険等を運用資産に付保する方針です。ただし、予想される個別の資産又はポートフォリオ全体に対する影響と保険の実効性を勘案して、付保しないこともあります。
(ロ) 運用戦略と成長戦略
本投資法人は、スポンサーであるタカラレーベンによるサポートを活用しつつ、本資産運用会社独自のネットワークの活用等の取組みも組み合わせながら、投資主価値を最大化することを目指します。
本投資法人は、スポンサーであるタカラレーベン及び本資産運用会社との間で本投資法人に対する支援等に関し、スポンサーサポート契約を締結しています。同契約において、本投資法人とタカラレーベングループは、相互の事業の発展のための継続的協力関係を確立し、相互の事業の拡大発展を達成すること及び本投資法人の中長期的な安定かつ継続的な成長を目指すこととしています。
a. 運営サポート体制(タカラレーベンのスポンサーサポート体制)
i タカラレーベンの概要
スポンサーであるタカラレーベンは、1972年9月に設立され、戸建分譲事業及び分譲マンション事業を展開し、2001年にJASDAQ上場、2003年に東京証券取引所市場第二部上場、2004年に東京証券取引所市場第一部に上場しました。株式会社不動産経済研究所(以下「不動産経済研究所」といいます。)によれば、2019年全国マンション供給戸数ランキングにおいてはタカラレーベンは8位となっています。
ⅱ タカラレーベンにおける太陽光発電事業の実績
タカラレーベンは、太陽光発電マンションのパイオニアとして、2013年よりメガソーラー事業にも参入しており、2020年7月末時点で、既に稼働させている太陽光発電設備等は35箇所で合計110.4MW規模(注1)、開発中の太陽光発電設備等は4箇所で合計62.2MW規模(注1)のパネル出力になります。また、2020年5月26日付で2021年3月期の目標として、発電事業において250MWの発電規模を目指す(注2)ことを公表しています。なお、タカラレーベンは、電気事業法等の一部を改正する法律(平成26年法律第72号)附則第8条第3項に基づき、2016年5月11日に電気事業法第2条第1項第14号に規定する発電事業(注3)の届出を行い、同日以降、同項第15号に規定する発電事業者(注4)となり、かつ、同法により加入が義務付けられている電力広域的運営推進機関の会員となっています。
(注1)本投資法人の保有資産に係る太陽光発電設備のパネル出力が含まれています。なお、2020年7月末時点の実績については、スポンサーから受領した資料により確認した情報です。
(注2)株式会社タカラレーベン2020年3月期決算説明会プレゼンテーション資料によります。なお、当該発電規模の目標値を達成できるとは限りません。
(注3)電気事業法第2条第1項第14号に規定する「発電事業」とは、自らが維持し、及び運用する発電用の電気工作物を用いて小売電気事業、一般送配電事業又は特定送配電事業の用に供するための電気を発電する事業であって、その事業の用に供する発電用の電気工作物が経済産業省令で定める一定の規模を超えるものをいいます。ここでいう「小売電気事業」、「一般送配電事業」及び「特定送配電事業」とは、それぞれ、電気事業法第2条第1項第2号、第8号及び第12号に定義される意味によります。
(注4)電気事業法第2条第1項第15号に規定する「発電事業者」とは、電気事業法第2条第1項第14号に規定する発電事業を営むことについて、電気事業法及び経済産業省令で定める事項を経済産業大臣に届け出た者をいいます。
図:タカラレーベンの開発した太陽光発電所用地
タカラレーベンが関東を中心に分譲マンション事業及び戸建分譲事業を展開しており、当該地域におけるネットワークを有していることから、タカラレーベンの太陽光発電所用地は、東京電力パワーグリッド株式会社管内である関東地方において多く開発されています。新規接続申込に対して適用される出力抑制ルール(注1)は地域によって適用されるルールが異なりますが、東京電力パワーグリッド株式会社が管轄するエリアは、人口が多く接続可能量が大きいため、2020年8月26日現在、同社は指定電気事業者(注2)に指定されておらず、太陽光発電に係る新規接続申込に対して360時間ルール(注1)が適用されています。したがって、本投資法人は、後記「ⅲ スポンサーサポートの活用」に記載のスポンサーサポートの活用によりスポンサーから資産を取得することがあるところ、その場合、スポンサーのパイプラインは出力抑制の影響が比較的小さい地域の太陽光発電設備が中心になることが見込まれます。
なお、本投資法人は、賃借人であるタカラレーベン又はSPCとの保有資産に係る賃貸借契約において、無補償の出力抑制があった場合においても最低保証賃料を受け取れること(注3)とされています。
(注1)「適用される出力抑制ルール」は、接続電気事業者が電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則(平成24年経済産業省令第46号。その後の改正を含みます。以下「再エネ特措法施行規則」といいます。)に定める回避措置を講じたとしてもなお、接続電気事業者における電気の供給量がその需要量を上回ることが見込まれる場合において接続契約上無補償で出力の抑制が求められ得る期間の上限に関して適用があるルールを記載しています。「30日ルール」とは、かかる期間の上限が年間30日である場合をいい、「360時間ルール」とは、かかる期間の上限が年間360時間である場合をいい、「指定ルール」とは、上記のような期間の上限なく無制限に無補償で出力の抑制が求められ得る場合をいいます。なお、指定ルールは、下記(注2)記載の指定電気事業者がその接続申込量が接続可能量を超過した場合にのみ採用することができます(再エネ特措法施行規則第14条第1項第11号)。
(注2)「指定電気事業者」とは、再エネ特措法施行規則第14条第1項第11号に定める指定電気事業者を意味し、同項第8号イの規定により特定契約電気事業者(同規則第14条第1項第1号に定める意味によります。)が損害の補償をすることなく特定契約申込者(同規則第14条第1項第2号に定める意味によります。)に求めることができる種類の認定発電設備(認定に係る再生可能エネルギー発電設備をいい、経済産業大臣が指定する種類の再生可能エネルギー発電設備に限ります。)の出力の抑制の上限を超えて出力の抑制を行わなければ当該再生可能エネルギー発電設備により発電された電気を追加的に受け入れることができなくなることが見込まれる電気事業者として経済産業大臣が指定する電気事業者をいいます。以下同じです。
(注3)出力抑制に関して指定ルールが適用されるLS長崎諫早発電所については、出力抑制が実施された場合、最低保証賃料が無補償出力抑制調整額(注4)だけ減額されます。これに関するリスクについては、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ⑤ 発電事業に係る権利・法制度に関するリスク (ハ) 出力抑制を求められるリスク」をご参照ください。以下同じです。
(注4)「無補償出力抑制調整額」とは、想定売電収入から当該月に行われた出力抑制により実績売電収入が減少した金額として以下に定める方法により算出する金額をいいます。以下同じです。
各月について以下(a)及び(b)の算定式により算出される金額のうちいずれか低い方の金額(消費税及び地方消費税別途)とする。なお、以下の計算の結果、1円未満の端数を生じた場合は、当該端数は切り捨てる。
(a)想定売電収入-実績売電収入
(b)出力抑制時想定売電収入
上記において、「出力抑制時想定売電収入」は、当該月について、以下の算定式により算出される数値とする。
出力抑制時想定売電収入 =出力抑制時想定発電量 × 本件調達価格
出力抑制時想定発電量 = 当該月に実施された出力抑制の時間(分)× 1分当たりの当月想定発電量
1分当たりの当月想定発電量 =当該月の想定発電量÷当該月の日照時間(分)(イー・アンド・イーソリューションズ株式会社作成の「テクニカルレポート」に記載される雲仙岳の気象データの平年値としての日照時間)
ⅲ スポンサーサポートの活用
タカラレーベンは、これまでの太陽光発電設備の開発及び太陽光発電事業の運営を通して、高い事業運営ノウハウを有しています。本投資法人及び本資産運用会社は、以下の内容を有するスポンサーサポート契約及び商標の使用等に関する覚書(タカラレーベンが本投資法人及び本資産運用会社との間で、本投資法人に対するサポート等に関し、2015年12月15日付で締結した商標の使用等に関する覚書(その後の変更を含みます。)をいいます。以下同じです。)をタカラレーベンとの間で締結しています。これらにより、外部成長及び内部成長に関連するスポンサーからの様々なサポートやスポンサーのブランド力を活用することが可能となり、今後の本投資法人の成長に寄与するものと本投資法人は考えています。
<スポンサーサポート契約の内容(外部成長戦略関連)>(a) タカラレーベングループ保有物件情報の優先的提供及び優先的売買交渉権の付与
タカラレーベングループが保有している再生可能エネルギー発電設備・不動産関連資産(本投資法人及び本資産運用会社の投資方針に合致する資産に限ります。以下「適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等」といいます。)を売却しようとする場合には、本投資法人及び本資産運用会社に対し、第三者に先立ち当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等に関する情報を優先的に提供し、優先的売買交渉権を付与するものとします。
前記に従い適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等に関する情報の提供を受けた日(同日を含みます。)から60銀行営業日(以下「優先検討期間」といいます。)以内に、本投資法人及び本資産運用会社は、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の取得の意向の有無を優先的売買交渉権を付与した者(以下「優先交渉権付与者」といいます。)に回答するものとします。なお、優先交渉権付与者と本投資法人又は本資産運用会社とが別途合意した場合、検討期間は、当該合意した期間延長されます。
優先交渉権付与者は、優先検討期間内に本投資法人又は本資産運用会社から当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の取得の意向がある旨を回答された場合、本投資法人又は本資産運用会社と当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の売却の条件について誠実に協議し、合意に達した場合、優先交渉権付与者は、本投資法人に対し、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等を売却します。
本投資法人及び本資産運用会社が、優先交渉権付与者に対し、(i)優先検討期間内に取得の意向がある旨を回答しなかった場合、(ii)取得の意向がない旨を回答した場合又は(iii)取得の意向がある旨を回答したものの当該回答を優先交渉権付与者が受領した日(同日を含みます。)から60銀行営業日又は優先交渉権付与者と本投資法人若しくは本資産運用会社とが別途合意して定める期間内に売却の条件について合意に達しなかった場合、優先的売買交渉権は消滅します。
なお、前記物件情報の優先的提供及び優先的売買交渉権の付与は、(i)タカラレーベングループが行政機関の要請に基づいて適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等を売却する場合及び(ii)タカラレーベングループがスポンサーサポート契約締結前に締結済みの第三者との契約に基づき、当該第三者に対して優先的売買交渉権を付与することを要する場合には適用されません。
(b) 第三者保有物件情報の提供
スポンサーは、第三者が所有、開発又は運営する適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等について、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の所有者が売却を検討していることを知った場合には、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の所有者の意向等で情報を提供することができない場合を除き、本投資法人及び本資産運用会社に対し、遅くとも第三者に情報を提供すると同時に当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等に関する情報を提供します。ただし、スポンサーがスポンサーサポート契約締結前に締結済みの第三者との契約に基づき、当該第三者に対して優先的に情報提供することを要する場合(優先的売買交渉権を付与することを要する場合を含みます。)はこの限りではありません。
(c) 資産取得業務等の支援
スポンサーは、本投資法人がタカラレーベングループ以外の第三者から適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等を取得しようとする場合において本資産運用会社から要請されたときは、タカラレーベングループが保有する人的及び物的資源、インフラ産業や再生可能エネルギー分野における知識、経験及び再生ノウハウ並びに国内外のネットワークその他の資源を利用して、本投資法人の資産取得業務等を効率的に行うことを目的として、本投資法人及び本資産運用会社のために、本投資法人及び本資産運用会社の要請に応じ、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等に関する情報収集及び提供、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等における運営計画及び広報戦略等の立案及び検討、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の改善計画の立案及び検討その他の支援業務を行い、本資産運用会社による当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の取得業務等を支援するものとします。
(d) ウェアハウジング機能の提供
本投資法人及び本資産運用会社は、将来における本投資法人による適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の取得を目的として、取得予定時期並びに取得予定価格又は取得価格の決定方法等を提示した上で、第三者が保有又は運用している適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の取得及び一時的な保有(ウェアハウジング)をスポンサーに依頼することができ、スポンサーは、かかる依頼を誠実に検討し、当該依頼を受けた日(同日を含みます。)から15銀行営業日以内に、受諾の可否を本投資法人及び本資産運用会社に対し回答します。
(e) 資産の共有に関する協議
本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーに対して、本投資法人との間で適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等を共有(準共有を含みます。)することを申し入れることができ、スポンサーは、かかる申入れについて真摯に検討するものとします。
<スポンサーサポート契約の内容(内部成長戦略関連)>(a) 賃貸借契約の締結協議
本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーが本資産運用会社の定めるオペレーターの選定基準(以下「オペレーター選定基準」といいます。同基準の詳細については、後記「(ト) 資産管理方針 a. オペレーターの選定基本方針」及び同「b. オペレーターの選定基準」をご参照ください。)を満たすことを条件に、賃借人兼オペレーターとして賃貸借契約を締結することをスポンサーに申し入れることができ、スポンサーは、かかる申入れについて真摯に検討するものとします。
(b) オペレーターの選定等支援
スポンサーは、本投資法人の運用資産の運営に係るオペレーターの選定、期中管理、交代等の業務について支援するものとします(適切なオペレーターの探索及び確保、前記(a)の申入れに基づきスポンサー自身がオペレーターとなること等を含みますがこれらに限られません。)。
(c) O&M業者の選定等支援
スポンサーは、O&M業者の選定、期中管理、交代等の業務について支援するものとします(適切なO&M業者の探索及び確保、スポンサー自身によるO&M業務の一部又は全部の遂行等を含みますがこれらに限られません。)。
(d) 売却資産に関する情報の提供
スポンサーは、本投資法人及び本資産運用会社から保有資産の売却を予定している旨の通知を受けた場合には、当該売却予定の資産を購入する意欲があると合理的に見込まれる購入希望者の情報(スポンサー自身が購入を希望する場合はその旨の情報を含みます。)を、本投資法人及び本資産運用会社に対し、第三者に先立ち優先的に提供するものとします。
(e) 固定価格買取期間終了後の電力売却支援
スポンサーは、本投資法人及び本資産運用会社から依頼された場合、本投資法人が保有する再生可能エネルギー発電設備における固定価格買取期間が終了した後、当該設備に係る売電事業者(当該設備の賃借人を含みます。)が、当該設備において発電する再生可能エネルギー電気の売却手段を早期に確保(当該再生可能エネルギー電気の新たな買取先となる電気事業者の確保による場合を含みますがこれに限られません。)できるよう支援するものとします。
(f) 融資に関する情報提供等
スポンサーは、本投資法人及び本資産運用会社から依頼された場合、本投資法人の融資による資金調達に関する情報提供及びアドバイスの提供を行うものとします。
(g) 境界紛争に係る対応支援
スポンサーは、本投資法人が保有する土地の境界に関して隣地所有者その他の者との間で紛争又はその可能性が生じた場合において、本投資法人及び本資産運用会社から依頼された場合、当該紛争の相手方との協議、交渉その他の対応について支援するものとします。
また、本投資法人がタカラレーベングループから土地を購入又は賃借する場合(借地権等の承継を行う場合を含みます。以下、本(g)において同じです。)であって、本投資法人による購入又は賃借前の調査の結果、境界に関する紛争が生じる合理的可能性があると認められその他これに準ずる事由があると本投資法人又は本資産運用会社が判断し、スポンサーに要請したときは、スポンサーは、当該土地等の譲渡人又は賃貸人等となるタカラレーベングループに属する者が、本投資法人との間で締結する土地等の売買契約又は賃貸借契約において、①自ら又は地主をして境界について隣地所有者との間で交渉を行い、境界確認書の締結等本投資法人が合理的に要請する措置を講じるよう最大限努力するとともに、②これらの事由に起因して本投資法人が損害等を被り又は何らかの負担をする場合には、本投資法人に対し、かかる損害等を賠償する旨を約するよう、必要な措置を講じるものとします。
(h) 土壌汚染に係る対応支援
スポンサーは、土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改正を含みます。)(以下「土壌汚染対策法」といいます。)その他の環境関連法令等に基づき本投資法人に対しその保有する土地につき土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課され、又は課されるおそれが生じた場合において、本投資法人及び本資産運用会社から依頼された場合、当該義務の履行その他の対応について支援するものとします。
また、本投資法人がタカラレーベングループから土地を購入又は賃借する場合(借地権等の承継を行う場合を含みます。以下、本(h)において同じです。)であって、本投資法人による購入又は賃借前の調査の結果、土壌、地下水等の汚染に関する問題が生じる合理的可能性があると認められその他これに準ずる事由があると本投資法人又は本資産運用会社が判断し、スポンサーに要請したときは、スポンサーは、当該土地等の譲渡人又は賃貸人等となるタカラレーベングループに属する者が、本投資法人との間で締結する土地等の売買契約又は賃貸借契約において、①当該問題を解決するために本投資法人が合理的に要請する措置を講じるよう最大限努力するとともに、②これらの事由に起因して本投資法人が損害等を被り又は何らかの負担をする場合には、本投資法人に対し、かかる損害等を賠償する旨を約するよう、必要な措置を講じるものとします。
(i) その他の支援(人的サポート・ノウハウの提供等)
スポンサーは、本投資法人及び本資産運用会社から依頼された場合、本資産運用会社に対し、適用法令に反しない範囲で、(i)適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の取得及び運用(本投資法人の賃貸先又は業務委託先の管理(選定、期中管理、交代等)を含みます。)に関する助言・補助、(ii)人材の派遣を含め必要とされる人材確保への協力、並びに(iii)本資産運用会社の役職員に対する研修の提供その他の必要な支援を行うものとします。
<スポンサーサポート契約の内容(本投資法人の投資口の保有)>スポンサーは、本投資法人が新たに投資口を発行する場合には、当該投資口の一部を取得することについて真摯に検討し、本投資法人の投資口を取得した場合、特段の事情がない限り、本投資法人の投資口の保有を継続するものとします。
<商標の使用等に関する覚書の内容>商標(タカラレーベンブランド)の使用
本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーとの間で、商標の使用等に関する覚書を締結し、本投資法人及び本資産運用会社が事業を推進するに当たり、本投資法人が保有する物件が「タカラレーベン」及び「レーベンソーラー」の名称並びにそのロゴマークについてスポンサーが保有する商標を無償で、非独占的に使用することの許諾を受けています。
本投資法人は、商標(タカラレーベンブランド)の使用により、スポンサーのブランド力を活用することが可能となり、今後の本投資法人の成長に寄与するものと考えています。
b. 本投資法人の運用戦略
i 収入の安定化
(a) 組入資産について
(i)本投資法人は、前記「②再生可能エネルギー発電設備を取り巻く環境」で説明のとおり、太陽光発電設備は、発電コストや日照状況による短時間での出力変動、発電効率等について課題はあるものの、メンテナンスが比較的容易かつ燃料調達の必要がないため、安定的な発電が期待できる発電施設であり、また、固定価格買取制度により長期の買取価格が保証されていることから、安定したキャッシュ・フローを生み出す施設であると考えています。
(ii)本投資法人への組入資産については、以下の基準を原則として、収入の安定化を実現します。
I 取得資産は原則として稼働済みの太陽光発電設備等であること
II 各発電設備に対し、火災保険、利益保険及び賠償責任保険を付すこと
III O&M業務の外部委託により、適切なメンテナンスを実施すること
(b) 賃料形態について
本投資法人は、再生可能エネルギー発電設備等の賃貸借契約において、賃料は、原則として、一定の発電量予測値に基づく最低保証賃料と実績連動賃料を組み合わせた形態にし、かつ、その大部分が最低保証賃料となるように設定することにより、本投資法人の賃料収入の安定化を図ります。
具体的には、最低保証賃料は、原則として、NEDOがまとめた年間時別日射量データベース等を基礎としてテクニカルレポート(技術デュー・ディリジェンス業務報告書)の作成者その他の専門家によって算出されたいずれかの超過確率P(パーセンタイル)の発電量予測値に基づき算定された将来の月ごとの想定売電収入(以下「想定売電収入」といいます。)の100%(同額)とします。超過確率P(パーセンタイル)とは20年間の発電量の分布から得られる、ある発電量を上回ることとなる確率であり、例えば、「超過確率P(パーセンタイル)50の発電量が『X』MWhである」とは、「50%の確率で発電量が『X』MWhを上回ると想定される」ことを意味します。また、「超過確率P(パーセンタイル)75の発電量が『Y』MWhである」とは、「75%の確率で発電量が『Y』MWhを上回ると想定される」ことを意味します。したがって、最低保証賃料の計算においては、その前提とされる発電量予測値の算定に用いられる超過確率P(パーセンタイル)の数値が低いほど、高額の最低保証賃料を収受することが可能となります。本投資法人は、最低保証賃料が設定されていることで本投資法人の収入の安定化に寄与するものと考えています。なお、最低保証賃料は、無補償の出力抑制や天候不順等の外部要因により実際の発電量が当該予測値を下回った場合でも賃借人より収受できる賃料として設定されています。
そして、実績連動賃料は、原則として、賃借人から報告される実際の発電量に基づく月ごとの売電金額を基準とします。
なお、本投資法人は、上場に際しては、原則として、超過確率P(パーセンタイル)50の発電量予測値を基準として算定された将来の想定売電金額の100%(同額)を最低保証賃料とし、賃借人から報告される実際の発電量に基づく売電金額が当該最低保証賃料額の110%相当額よりも大きい場合に当該差額部分の50%を実績連動賃料とする方針を採用し、それに基づき上場時取得資産(上場後に取得した保有資産(以下「上場後保有資産」といいます。)以外の保有資産をいいます。以下同じです。)の賃料形態を定めました。
しかし、資産の大部分が償却資産であり減価償却費の割合が高いインフラファンドにおいては新規の物件を継続的に取得することにより外部成長を継続することが重要であるところ、上場時のように最低保証賃料の算定の基礎となる発電量予測値を超過確率P(パーセンタイル)50に固定化することにより物件取得の可能性が限定され、外部成長の制約となり得ることが上場後の運用を行う中で課題として本資産運用会社により認識されるに至りました。その上で、最低保証賃料を算定する基礎となる発電量予測値の超過確率P(パーセンタイル)については、取得を検討する資産の特性やその時点における資本市場、太陽光発電所を巡る市況等、諸般の事情を考慮して適切と判断される数値を都度採用できるようにする方が、売主との取得価格を含めた売買条件及び賃貸条件に係る柔軟な対応が可能となり、取得可能な再生可能エネルギー発電設備の選択肢が広がるため、本投資法人の外部成長の可能性を高めることができ、最終的には、本投資法人、ひいては投資主の利益に資すると判断し、この点についての方針を2017年1月20日付で変更することにしました。なお、最低保証賃料の算定の基礎となる発電量予測値についてどの超過確率P(パーセンタイル)に係るものを採用するかは当該発電所の本投資法人にとっての収益力に影響を与えることになりますが、バリュエーションレポート及び本資産運用会社における評価に際してはこの点を考慮して適切な評価額及び取得価格を算定します。
その上で、上場後保有資産については、超過確率P(パーセンタイル)75の発電量予測値を基準として算定された将来の想定売電金額の100%(同額)を最低保証賃料とし、賃借人から報告される実際の発電量に基づく売電金額が当該最低保証賃料額よりも大きい場合に当該差額部分の50%を実績連動賃料とすることとしました。
なお、賃借人がSPCである場合は、上記以外の賃貸条件を採用することを妨げず、本投資法人の利益に資するよう合理的に決定するものとします。
図:上場後保有資産の賃料形態
図:上場時取得資産の賃料形態
(注1)賃借人がSPCである場合、最低保証賃料は、超過確率P(パーセンタイル)75の発電量予測値を基準として算定された想定売電金額の100%相当額からSPCに課される事業税相当額や住民税の均等割額が控除された後の金額とな
り、実績連動賃料は、実際の発電量に基づく売電金額が上記想定売電金額の100%相当額よりも大きい場合に当
該差額部分の50%の金額となります。なお、実際の売電収入が最低保証賃料額等、SPCの公租公課その他のSPCが
支出すべき支払に対して十分でないときは、通常SPCに余剰の支払原資はなく、これらの支払が滞る可能性があ
ります。SPC方式を利用する取得予定資産については、タカラレーベンがSPCによる本投資法人に対する最低保証
賃料額の支払債務を連帯保証するほか、SPCの公租公課や第三者に支払うべき費用に充てる資金が不足する場合
にSPCに対し匿名組合出資その他の方法により必要資金の拠出を行う予定です。
(注2)「LS静岡御前崎発電所」及び「LS三重四日市発電所」については、賃借人兼発電事業者であるタカラレーベンとみんな電力株式会社(以下「みんな電力」といいます。)間で特定卸供給に関する契約(以下「特定卸関連契約」といいます。)を締結しており、賃料形態は、(A)最低保証賃料と(B)実績連動賃料の合計に、同契約に基づきタカラレーベンがみんな電力より受領する約定プレミアム料金等(注3)の50%を加えた合計となります。
(注3)「約定プレミアム料金等」とは、当該発電所の発電設備を用いて発電され、一般送配電事業者である中部電力を通じてみんな電力に特定卸供給され、みんな電力の需要家である消費者に販売された電力量に、約定プレミアム単価(円/kWh)を乗じた金額(1円未満の端数は切り捨て)(以下「約定プレミアム料金」といいます。)に約定プレミアム料金に対する消費税及び地方消費税相当額を加算した金額をいいます。ただし、再エネ特措法第29条第2号で定める回避可能費用(回避可能費用とは、電気事業者が特定契約に基づき調達する再生可能エネルギー電気を使用した量に相当する量の電気を自ら発電し、又は調達するとしたならばその発電又は調達に要することとなる費用の額として経済産業省令で定める方法により算定した額であり、当該金額はFIT 制度の下で電気事業者が費用負担調整機関から交付を受ける再生可能エネルギー電気の買取費用から控除されます。)(注4)の算定が変更されたときは、みんな電力は約定プレミアム単価をタカラレーベンと協議の上、変更できます。また、約定プレミアム料金等は、初年度(又は契約延長時)をもって廃止又は変更されることがあります。
(注4)電気事業者がFIT制度の下で費用負担調整機関から再生可能エネルギー電気の買取り費用の交付を受ける仕組みについては、「第一部 ファンド情報 第1 ファンドの状況 2 投資方針(1) 投資方針 ③ 太陽光発電事業の概要について (ロ) 固定価格買取制度の概要 a. 固定価格買取制度の基本的な仕組み」をご参照ください。
(注5)太陽光発電設備について接続電気事業者(発電事業者と接続契約(注6)を締結する電気事業者をいいます。以下同じです。)から出力の抑制が求められ、出力抑制に係る出力抑制補償金が接続電気事業者から支払われる場
合、売電金額の計算にあたっては当該補償金の額を加算します。詳細については、後記「3 投資リスク (1) リ
スク要因 ⑤ 発電事業に係る権利・法制度に関するリスク (ハ) 出力抑制を求められるリスク」をご参照くだ
さい。また、賃借人が被保険者として受領する利益保険の保険金の金額も、売電金額の計算にあたって加算され
ます。ただし、利益保険は、特約がない限り、出力の抑制による収入の減少を保障の対象とするものではありま
せん。
(注6)接続契約の詳細については、前記「第一部 ファンド情報 第1 ファンドの状況 2 投資方針(1) 投資方針 ③ 太陽光発電事業の概要について (ロ) 固定価格買取制度の概要 a. 固定価格買取制度の基本的な仕組み」をご参照ください。以下同じです。
(c) 安定したキャッシュ・フローの確保
本投資法人は、原則として、調達価格及び調達期間が確定し、かつ特定契約に基づく発電事業者による電気の供給及び電気事業者による電気の買取が既に開始された太陽光発電設備等を投資対象とします。固定価格買取制度に基づく発電事業は安定したキャッシュ・フローが見込めることから、上記「(b)賃料形態について」に記載のような最低保証賃料を設定することが可能となり、その結果、本投資法人においても安定したキャッシュ・フローの確保が見込めるものと考えられます。
図:「キャッシュ・フロー」
ⅱ オペレーターの選定方針
本投資法人は、オペレーターの財務状況(安全性、収益性、規模)や太陽光発電設備の運営に係るノウハウ等を勘案の上、規約に定めるオペレーターの選定基本方針及びオペレーター選定基準に従い、中長期的な安定運用に資するオペレーターを選定します。
ⅲ オペレーター報酬
本投資法人は、オペレーターに対して再生可能エネルギー発電設備等の維持・管理等を委託することができるものとし、その場合その対価としてオペレーター報酬を支払うことができるものとします。なお、当該報酬額は、上場時取得資産に係る維持・管理等については無償とし、上場後に新たに取得する運用資産に係る維持・管理等については各運用資産について個別に締結される契約にて定めるものとします。
本投資法人は、現在タカラレーベンが賃借人兼オペレーターの資産について、従前、賃借人であるタカラレーベンに対しかかる業務の委託を行うこととはしておらず、あくまでも再生可能エネルギー発電設備を賃借する賃借人であるタカラレーベンがその設備を用いて発電事業を行う一環として当該設備の維持・管理等を自ら行うものとしていました。しかし、本投資法人からかかる業務の委託を行うこととし、当該業務の対価として適切な報酬を支払うこととする方が、対価が発生することにより、より高い水準の業務提供が期待できるとともに、賃借人であるタカラレーベンは当該業務遂行に当たって当該報酬額に見合う水準の善管注意義務を負うことになり、かかる義務の下で当該設備に対し適切な維持・管理等を行うことが期待できることから、賃借人であるタカラレーベンに対してかかる業務委託を行うこととしました。
(注)上場後保有資産のオペレーター報酬については、後記「4 手数料等及び税金 (3) 管理報酬等 ⑤ オペレーター報酬」をご参照ください。
ⅳ オペレーターリスクの軽減
原則として、オペレーターの業況悪化時に、本投資法人のみの裁量によりオペレーターとの契約を解除できるような仕組みとすること、また、契約終了時において、新たなオペレーターへの承継に協力することを義務化することにより、オペレーターの業況悪化時における新オペレーターへの交替を可能とし、オペレーターリスクの軽減を図ります。
(注)なお、法律上かかる仕組みが有効と認められる保証はない点にご留意ください。詳細は、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ④ 運用資産に関わる関係者に関するリスク (イ) オペレーターに関するリスク d. 財務状況の悪化、倒産等に関するリスク」をご参照ください。
c. 成長戦略
i 外部成長戦略
(a) 本資産運用会社のネットワーク
本投資法人の資産運用を受託する本資産運用会社は、タカラレーベングループの一員として、主に太陽光発電設備等に特化した資産運用を受託しています。本投資法人は、タカラレーベンが培った太陽光発電事業全般における運営ノウハウを享受するとともに、本資産運用会社独自のノウハウにより、本投資法人の中長期的な成長に寄与することができるものと考えています。また、本資産運用会社は、本投資法人の主な投資対象である太陽光発電設備等の取得機会の拡大・促進を図るため、タカラレーベングループ以外の情報網の拡大を図り、資産情報を収集します。本投資法人は、かかる本資産運用会社が収集する資産情報を基に、タカラレーベングループ以外の第三者からも太陽光発電設備等を取得(稼働済みの太陽光発電設備等のセカンダリー取引による取得を含みます。)することを目指します。本投資法人はインフラファンド市場の開設後、同市場に上場した初の上場インフラファンドであり、上場を機に本資産運用会社には第三者から発電所の売却情報が持ち込まれるようになっています。本投資法人は、タカラレーベングループの情報ネットワークに加えてかかる本資産運用会社独自の情報ネットワークを活用することで、継続的な外部成長を追求していきます。
(b) スポンサーグループによるサポート
本投資法人及び本資産運用会社は、前記「a. 運営サポート体制(タカラレーベンのスポンサーサポート体制) ⅲ. スポンサーサポートの活用」に記載のとおり、外部成長に関連するスポンサーからの様々なサポートを活用することが可能であり、今後の外部成長に寄与するものと考えています。スポンサーでは、2020年7月末時点で、35箇所で合計110.4MW規模(注)のパネル出力を有する太陽光発電設備等を既に稼働させており、また、4箇所で合計62.2MW規模(注)のパネル出力を有する太陽光発電設備等を開発中です。本投資法人は、今後、スポンサーから付与された優先的売買交渉権を活用することにより、資産の拡大を図る方針です。また、スポンサーは、これまでの太陽光発電事業を通じて、太陽光発電事業を営む他の事業会社、ファンド運営会社、個人事業主などの第三者とのリレーションやネットワークを有しており、かかるネットワークを通じて取得した第三者保有物件の売却情報についても、スポンサーサポート契約において、本投資法人が情報提供を受けることができるものとされており、今後の本投資法人の外部成長に資するものと本投資法人は考えています。
(注)本投資法人の保有資産に係る太陽光発電設備のパネル出力が含まれています。なお、2020年7月末時点の実績については、スポンサーから受領した資料により確認した情報です。
ⅱ 内部成長戦略
(a) 適切な保守メンテナンス体制の維持
本投資法人は、自ら又は賃借人をして、太陽光発電設備のO&M業務を技術的なノウハウを有する業者に委託し、運用資産に係る適切な設備の点検や修繕及び設備更新を図ることにより、中長期的な視点から資産価値の維持・向上を図り、中長期的な収益の安定を図ります。
賃借人兼オペレーターであるタカラレーベンは太陽光発電事業における運営・企画・保守や施設管理を専門で行う事業部を有しており、当該事業部には電気設備工事の監督経験者が在籍しています。タカラレーベンは当該態勢のもと、太陽光発電設備等の監視・点検を行うとともに、O&M業者との連携をとり太陽光発電設備等の運営管理を行っています。
(b) 資産価値の維持・向上に資する修繕計画
本投資法人は、中長期的な運用資産の収益の維持向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性等を考慮した個別資産ごとの修繕計画を、オペレーター及びO&M業者と協議の上策定し、必要な修繕及び資本的支出を行うものとします。修繕及び資本的支出は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費もあわせて勘案して本投資法人が判断するものとします。ただし、運用資産のパフォーマンスの維持及び向上に資するものと本投資法人が合理的に判断したものについては、早期に実施するものとします。
なお、運営期間中に発生する再生可能エネルギー発電設備等の維持、管理、修繕等に要する費用(再生可能エネルギー発電設備等に賦課される公租公課、再生可能エネルギー発電設備等に係る資本的支出、再生可能エネルギー発電設備を構成する機器又は部品の交換に係る新たな機器又は部品の代金、O&M業者又はオペレーターに支払うべき委託料その他の費用、本投資法人が保険契約者又は被保険者となる再生可能エネルギー発電設備に係る保険の保険料を含みます。)は再生可能エネルギー発電設備等の保有者たる賃貸人が負担することとし、それ以外の再生可能エネルギー発電設備等の日常的な維持、管理、修繕等に要する費用は原則として賃借人が負担することとします。
ⅲ その他
運用資産等の総額に占めるインフラ資産等の比率に係る上場廃止基準等が適用されない特例インフラファンド(東京証券取引所の有価証券上場規程第1521条第1項)の制度を利用すること等により、運用資産に占める再生可能エネルギー発電設備及び公共施設等運営権以外の特定資産の割合を増加させ、2036年6月1日以降も引き続き導管性要件を充足できるような形態で運用を継続することも可能ですが、本資産運用会社は、本書の日付現在、本投資法人についてそのような運用を行う予定はありません。
(ハ) 投資主の利益とスポンサーの利益の一体化
タカラレーベンは、投資主の利益とスポンサーであるタカラレーベンの利益の一体化を図ることを目的として、本投資法人の投資口を保有する方針です。
タカラレーベンは、本投資法人の投資主の利益と自社の利益を共通のものとする目的から、スポンサーサポート契約において、本投資法人が発行する投資口に関して、本投資法人が新たに投資口を発行する場合には、当該投資口の一部を取得することについて真摯に検討を行うこと、また、本投資法人の投資口を保有する場合には、保有した投資口について、特段の事情が無い限り、継続して保有することを約束しています。
なお、タカラレーベンは、2020年8月26日時点において発行済投資口の総口数の10.15%(19,686口)(注)を保有しています。
(注)タカラレーベングループにおいては、タカラレーベンの他、レーベンコミュニティ株式会社が2020年8月26日時点に
おいて発行済投資口の総口数の0.42%(809口)を保有しています。
(ニ) ポートフォリオ構築方針
a. ポートフォリオ構築方針の基本的考え方
本投資法人は、再生可能エネルギー発電設備等を主たる投資対象とします。再生可能エネルギー発電設備等のうち、太陽光発電設備等への投資割合は90%以上、それ以外の再生可能エネルギー発電設備等への投資割合は10%以下とします(比率は、いずれも取得価格ベースとします。以下、比率について同じです。)。
太陽光発電設備等への投資に際しては、設備規模、日射量及び気候その他の気象条件、接続電気事業者の電線路との接続の容易性その他の立地条件、太陽電池モジュール(太陽光パネル)及びパワーコンディショナーその他の機器・資材の製造業者及び性能その他の技術的要件、当該発電設備の過去における発電実績(もしあれば)、再エネ特措法に基づく固定価格買取制度における調達価格及び残存する調達期間その他の固定価格買取制度の適用条件、並びに敷地等の取得・使用条件又は賃借等の条件を総合的に検討し、投資対象の選定を行います。
太陽光発電設備等以外の再生可能エネルギー発電設備等への投資に際しても、太陽光発電設備等への投資に準じた検討を行います。
b. 立地地域
本投資法人が取得を検討する太陽光発電設備等は、原則として、日本国内に立地するものとします。なお、日本国内の地域別の投資割合は特に定めないものとします。
海外に所在する太陽光発電設備等への投資は全体の10%以下とします。本投資法人は、国外にある太陽光発電設備等を取得する場合には、立地する国又は地域の特性及び情勢、発電事業に関する制度及び規制、電気の買取に関する法制度、オフテーカーの属性、信用力等及び電気の買取及び系統接続の条件その他の事情を総合的に考慮します。
c. 固定価格買取制度の適用等
本投資法人が取得を検討する日本国内の太陽光発電設備は、原則として、以下のすべての条件を満たす稼働中の太陽光発電設備とします。ただし、東京証券取引所の有価証券上場規程その他関連諸法令及び諸規則に従い認められる限度で、未稼働の太陽光発電設備等にも投資することができるものとします。
(1)発電事業者が、当該太陽光発電設備に係る再生可能エネルギー発電事業計画について再エネ特措法に基づく認定を受けていること。
(2)当該太陽光発電設備と接続電気事業者の電線路とが電気的に接続されていること。
(3)発電事業者と買取電気事業者との間で特定契約が締結されており、当該契約に基づき、当該太陽光発電設備を用いて発電した電気の電気事業者に対する供給が既に開始されていること。
本投資法人は、固定価格買取制度の適用を受ける太陽光発電設備に投資する際には、当該時点における物価水準等の経済環境を踏まえて、当該太陽光発電設備に適用される調達価格、残存する調達期間及び出力抑制のルールその他の固定価格買取制度の適用条件を考慮します。
本投資法人は、太陽光発電設備に投資する際には、当該太陽光発電設備について締結されている特定契約及び接続契約の条件を考慮します。なお、特定契約に基づく電気の買取価格は、当該太陽光発電設備に適用ある調達価格と同額又は実質的にそれ以上の金額とします。
d. 発電出力
本投資法人が取得を検討する太陽光発電設備の発電出力は、原則として500kW以上とします。ただし、発電出力が500kW未満である太陽光発電設備についても投資資産の収益性、オペレーター及び地域性等を勘案の上、厳選して取得を行うことができるものとします。
e. 環境条件
本投資法人は、太陽光発電設備に投資する際には、当該太陽光発電設備の設置場所、当該太陽光発電設備の設置場所又は近接する適当な箇所における日射量その他の気象条件、自然災害等リスク、当該太陽光発電設備に係る太陽電池の容量・効率等、パワーコンディショナーの容量・効率等、当該太陽電池モジュールの配置、角度等、日影等の周辺環境を踏まえて第三者によって算定された推定発電量を考慮するものとします。
本投資法人は、立地地域の気象条件等(降雪量、降雨量、降灰量及び風量を含みます。)や設置場所の地形、地盤、その他自然災害等のリスク等を考慮し、それらに適合する設計及び仕様により設置されたと判断した太陽光発電設備の取得を検討します。
f. 接続電気事業者との系統連系その他の立地条件
本投資法人は、太陽光発電設備に投資する際には、当該太陽光発電設備と接続電気事業者の系統との接続地点までの距離、電源線及び鉄塔等の送電設備の設置状況及び当該設置場所に関する権利関係、その他の立地条件を考慮するものとします。
g. 太陽電池モジュールの製造業者及び性能その他技術的要件
本投資法人は、太陽光発電設備に投資する際には、当該太陽光発電設備に用いられている太陽電池モジュール、パワーコンディショナーその他の機器・資材について、製造業者が提供する保証の内容、製造業者の立地、能力及び信用力等について検証し、考慮します。
本投資法人は、太陽光発電設備に用いられている太陽電池モジュール、パワーコンディショナーその他の機器・資材の性能その他の技術的要件につき、当該太陽光発電設備が立地する場所の気象条件、地理条件その他の立地条件を踏まえ、本投資法人が適正と考える一定の水準を満たすと判断したものの取得を検討します。
h. 過去における発電実績
本投資法人は、太陽光発電設備に投資する際には、当該太陽光発電設備における過去における発電実績があれば、当該実績を考慮します。
i. 太陽光発電設備の設置、保守、運用に必要な用地の確保
太陽光発電設備の設置、保守、運用に必要な用地(太陽光発電設備の送電線の送電線敷設用地を除きます。)は、原則として、所有権、賃借権若しくは転借権又は地上権によって確保することとし、原則として、登記により対抗要件を具備するものとします。また、賃借権若しくは転借権又は地上権は、原則として、その敷地等に係る太陽光発電設備の調達期間中存続する(契約の更新又は再締結を含みます。)ことが合理的に判断できるものであることを必要とするものとします。
送電線敷設用地は、その属性及び使用目的に従い適切な使用権原又は使用のための許認可を確保することとします。
j. 事業用地の境界確定に関する方針
i 境界確定を実施する場合(原則)
本投資法人が太陽光発電設備を取得するにあたっては、本投資法人がその事業用地を取得するか否かにかかわらず、隣地との間の境界が確定していることを原則とし、境界が確定していない場合には境界確定を実施します。
ⅱ 境界確定を実施しない場合(例外)
他方、各隣地との境界が以下のいずれかに該当する場合その他境界未確定のリスクが限定的と判断する場合には、例外的に、当該境界の確定を実施しないことができるものとします。
・当該境界について現況測量が実施されており、かつ、隣地所有者との間で境界に関する紛争が生じていない場合。
・当該境界と太陽光発電設備との間に十分なバッファーがある場合(注)において、隣地所有者の属性、隣地所有者と当該敷地等の現所有者との関係及び当該敷地等に設置されている太陽光発電設備に対する隣地所有者の認識その他の状況を総合的に勘案し、隣地所有者との間で境界に関する紛争が生じる可能性が低いと判断できる場合。
・当該境界について境界確定を行うことが実務上難しい場合で、隣地の所有者又は管理者から境界に関する指摘がなされておらず、隣地所有者との間で境界に関する紛争が生じる可能性が低いと判断できる場合。なお、再生可能エネルギー発電設備の取得にあたって、原則として、当該隣地の所有者に対して、境界に関する問題を認識しているか否かの確認を行います。
・太陽光発電設備に係る売買契約において、境界未確定の部分においてフェンス、アレイその他の設備が隣地に越境していることが判明した場合、当該設備の移設その他越境の解消に要する費用を売主に負担させることが合意されており、境界未確定のリスクが発現した場合においても本投資法人が損害を被るおそれが限定的と判断できる場合。なお、売主に対して費用請求できる期間については、一定の制限(原則として、2年間を下限とします。)を設けることができるものとします。
(注)「境界と太陽光発電設備との間に十分なバッファーがある場合」に該当するか否かは、本資産運用会社の社内規程に基づき、境界とフェンス、アレイその他の設備との距離並びに境界部分及びその周辺の地形その他の状況を総合的に勘案して判断します。かかる文脈における「境界」とは、公図、現地の状況、周辺の境界標等を勘案して境界が存在すると推測される箇所をいいます。
k. 太陽光発電設備等以外の再生可能エネルギー発電設備等
本投資法人は、太陽光発電設備等以外の再生可能エネルギー発電設備等に投資する際には、当該再生可能エネルギー発電設備の種類及び特徴を勘案の上、前記a.ないしj.を準用し、又は必要に応じ運用ガイドラインの変更を行って検討を行い、太陽光発電設備等への投資と同等の利益が得られるものとして本投資法人が適正と考える一定の水準を満たすと判断したものに投資するものとします。
(ホ) デュー・ディリジェンスの実施
運用資産を取得するに際しては、下記にあげる調査項目に基づき、経済的調査、物理的調査及び法律的調査を十分実施し、当該運用資産の投資対象としての妥当性を検討します。なお、前記調査プロセスにおいては、原則として、公正かつ調査能力・経験があると認めた第三者の専門家によるバリュエーションレポート、不動産鑑定評価書、テクニカルレポートを取得するほか、必要と判断する場合にはその他の第三者の専門家の報告書等を取得し、これらの内容についても考慮します。
(注1)「不動産鑑定」とは、不動産の鑑定評価に関する法律(昭和38年法律第152号。その後の改正を含みます。)(以下「不動産の鑑定評価に関する法律」といいます。)並びに国土交通省の定める不動産鑑定評価基準及び不動産鑑定評価基準運用上の留意事項に基づき、土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の権利の経済価値を判定し、その結果を価額に表示することをいいます。
(注2)「バリュエーションレポート」とは、投信法等の諸法令、投信協会の定める諸規則並びに本投資法人の規約に定める資産評価の方法及び基準に基づき、再生可能エネルギー発電設備の価格等の調査をし、その結果の報告を行う書類をいいます。
(注3)デュー・ディリジェンスの結果を踏まえて取得価格を算定する際、バリュエーションレポート、不動産鑑定評価書及びテクニカルレポートの記載内容等を活用する方針ですが、例外的に活用しない場合には、採用した数値等の妥当性を検証するとともに、その根拠を記録保存します。
(へ) フォワード・コミットメントに関する方針
本投資法人は、フォワード・コミットメント等の締結に際しては、過大なフォワード・コミットメント等が本投資法人の財務に与える影響の大きさを勘案し、フォワード・コミットメント等の実行に際しては、あらかじめ慎重に検討し対応します。
フォワード・コミットメント等を締結する際には、違約金の上限、物件の取得額の上限、契約締結から物件引渡しまでの期間の上限及び決済資金の調達方法等についてのルールを定めたフォワード・コミットメント等に係る規則を遵守するものとします。また、フォワード・コミットメント等を行った場合には、速やかに、その事実及び行ったフォワード・コミットメント等の概要を開示するものとします。その際には、設定理由、解約条件及び履行できない場合の本投資法人の財務に与える影響についても概要を開示するものとします。
(ト) 資産管理方針
a. オペレーターの選定基本方針
本投資法人は、その資産の運営を円滑に行うための経営体制、財務基盤及び業務執行体制を有している者をオペレーターとして選定します。そのため、オペレーターの選定に際しては、以下のオペレーター選定基準に従い、オペレーターが運営をすることとなる種類の資産の運営に関する実績、運営の対象となる資産が立地する地域における運営体制、オペレーターが運営をすることとなる種類の資産の運営業務に係る社内体制、財務状況及び反社会的勢力非該当性を確認するものとします。また、オペレーターがオペレーター選定基準を満たさなくなったことを、オペレーターとの契約の解除事由とし、かかる場合において、本投資法人は、オペレーターの変更を検討します。
b. オペレーターの選定基準
本投資法人が運用する資産のオペレーターは、以下の基準を満たす者から選定するものとします。オペレーターに本投資法人の運用資産を賃貸する場合には、運営状況等についての評価を定期的に行い、適正な業務遂行が維持できない場合には、契約の解除を行うこと又は契約の更新を行わないことを検討するものとします。
また、オペレーターとの契約に、かかる検討の障害となるような条項を設けてはならないこととします。なお、タカラレーベンをオペレーターとして、同社に本投資法人の運用資産を賃貸する場合には、利益相反取引防止の観点から、利害関係人等取引規程に基づく所定の手続に従って行うものとします。
i オペレーターが運営をすることとなる種類の資産の運営に関する実績
オペレーターを選定するに際しては、原則として、当該選定対象者が運営する資産が再生可能エネルギー発電設備である場合には、当該種類の資産の運営に関して以下の実績があることとします。
(a) 当該種類の発電設備の運営に関する実績が2年以上あること。
(b) 直近事業年度における、当該種類の発電設備の運営事業に係る売上高の合計が1億円以上であること。
(c) 過去2年間において当該種類の発電設備の運営に関する実績が5件以上あること。ただし、その出力が500kw以上で、かつ、商業運転段階において半年以上運営を継続したものに限ります。
ⅱ 運営の対象となる資産が立地する地域における運営体制
オペレーターを選定するに際しては、当該資産が立地する地域における適切な運営体制を有していることとします。本ⅱ.の基準の判定に際しては、以下の点を含む運営体制に関する状況を総合的に判断するものとします。
(a) 当該資産が立地する地域において発電設備についてモニタリングするための組織が構築されていること(例えば、実際の発電状況等について一括モニタリングできるようなシステムが構築されている等)。
(b) 各発電設備の保守管理等の業務(O&M業務)を、当該選定者から第三者に委託する場合、当該委託状況のモニタリングを第一次的に行うための組織が構築されていること(それにより、本投資法人も賃貸借契約等を通じて間接的にモニタリングを行うことができること。)。
ⅲ オペレーターが運営をすることとなる種類の資産の運営業務に係る社内体制
(a) 当該種類の資産の運営業務に携わる人員が常時5名以上(そのうち1年以上の当該業務経験を有している者が3名以上)存在し、そのうち責任者の地位にある者は、2年以上の当該業務経験及び当該業務に係る十分な知識を有していること。
(b) コンプライアンス(法令遵守)に関する十分な社内体制を有していること(例えば、(i)オペレーターが金融商品取引所に上場されている等により当該事項を確認できる公表資料(金融商品取引法又は東京証券取引所の規則に基づく開示書類を含みます。)が存在する場合であれば、当該公表資料を精査し、(ii)オペレーターが金融商品取引所に上場されている場合であれば、定期的な内部監査を受けていることを確認し、かつ、(iii)あらかじめコンプライアンスに関する社内体制について質問(法令等遵守態勢、内部通報制度、苦情等への対応、顧客情報等の保護、内部者取引の防止、反社会的勢力への対応、犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成19年法律第22号。その後の改正を含みます。)への対応、リスク管理態勢、危機管理態勢、内部監査態勢等に関するもの)を行い、書面による回答を精査して確認します。)。
ⅳ 財務状況
財務状況に関し、原則として、以下の基準を満たすこととします。
(a) 当該選定対象者の各年度の決算期における(i)(連結財務諸表を作成していない場合には、)単体の損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失となっているものではなく、また、(ii)(連結財務諸表を作成している場合には、)単体及び連結の損益計算書に示される経常損益がいずれも2期連続して損失となっているものではないこと。
(b) 当該選定対象者が過去3年間において債務超過ではないこと。
(c) その他、当該資産の運営を行うのに必要な財務状況を有することに合理的な疑いを生じさせる事項がないこと。
ⅴ 反社会的勢力非該当性
本資産運用会社が定める「反社会的勢力対応マニュアル」に定める反社会的勢力である以下の者でないこととします。
(a) 暴力団
(b) 暴力団員
(c) 暴力団準構成員
(d) 暴力団関係企業
(e) 総会屋等、社会運動等標ぼうゴロ又は特殊知能暴力集団等
(f) その他前各号に準ずる者又は団体
(g) 以下のいずれかに該当する行為を行った者又は団体
(i) 暴力的な要求行為
(ii) 法的な責任を超えた不当な要求行為
(iii)取引に関して、脅迫的な言動をし、又は暴力を用いる行為
(iv) 風説を流布し、偽計を用い又は威力を用いて本資産運用会社の信用を毀損し、又は本資産運用会社の業務を妨害する行為
(v) その他前記(i)から(iv)までに準ずる行為
c. オペレーターに対する再生可能エネルギー発電設備等の維持・管理等の委託
本投資法人は、オペレーターに対して再生可能エネルギー発電設備等の維持・管理等を委託することができるものとし、その場合その対価としてオペレーター報酬を支払うことができるものとします。
d. オペレーターによる運営のパフォーマンスのモニタリング
賃借人に対し、発電設備の操業実績等のオペレーターの運営状況や、賃借人又はオペレーターの財務状況について賃貸借契約の中で一定の報告義務を課すことを基本方針とします。ただし、報告義務の内容については、賃貸借契約における実績連動賃料部分の有無を合理的に考慮して資産ごとに異なるものとすることができるものとします。
e. 賃貸条件の決定方針
本投資法人は、収入の安定化を図るため、再生可能エネルギー発電設備等の賃貸借契約において、賃料は、原則として、最低保証賃料と実績連動賃料を組み合わせた形態にし、かつ、その大部分が最低保証賃料となるように設定することにより、本投資法人の賃料収入の安定化を図ります。
最低保証賃料は、原則として、NEDOがまとめた年間時別日射量データベース等を基礎としてテクニカルレポートの作成者その他の専門家によって算出されたいずれかの超過確率P(パーセンタイル)の発電量予測値に基づき算定された将来の月ごとの想定売電金額の100%(同額)とします。
実績連動賃料は、原則として、賃借人から報告される実際の発電量に基づく月ごとの売電金額を基準とします(注)。
ただし、賃借人がSPCである場合は、上記以外の賃貸条件を採用することを妨げず、本投資法人の利益に資するよう合理的に決定するものとします。
調達期間を勘案して、実務上可能な限り、賃貸借契約の契約期間を長期にし、かつ、賃借人の選択による同契約の解約を制限します。
インフレーションが生じた場合、賃借人は、本投資法人の要請に従い、売電先の変更に向けた検討を行うものとし、検討の結果、売電先が変更された場合は、賃貸人たる本投資法人との間で新たな売電先への販売価格を踏まえ、賃料について増額改定を協議する旨の規定を賃貸借契約に設けるよう努力します。
太陽光発電設備等以外の再生可能エネルギー発電設備等に投資する際には、原則として、上記に準じた決定方針によるものとします。
(注) 太陽光発電設備について接続電気事業者又は買取電気事業者から出力の抑制が求められ、出力抑制に係る出力抑制補償金が接続電気事業者又は買取電気事業者から支払われる場合、売電金額の計算にあたっては当該補償金の額を加算します。出力抑制の概要は、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ⑤ 発電事業に係る権利・法制度に関するリスク (ハ) 出力抑制を求められるリスク」をご参照ください。また、賃借人が被保険者として受領する利益保険の保険金の金額も、売電金額の計算に当たって加算されます。
f. 資産管理基本方針
資産管理については原則として、再生可能エネルギー発電設備等の保有者たる賃貸人(本投資法人の場合を含みます。)若しくは賃借人(オペレーターを兼ねる場合を含みます。)のいずれか適切な者又はその両者からO&M業者に委託するものとします。このうち、再生可能エネルギー発電設備の保守管理等の業務については、オペレーターとは別のO&M業者に委託します。委託者は、委託に際し、中長期にわたる安定した収益の確保と資産価値の維持及び向上を目指し、発電量、売電収入、適切な管理及び修繕の実施、管理コストの適正化及び効率化並びに再委託先への再委託状況についてモニタリングします(本投資法人が必要と認めるときは、再委託先に対する直接のモニタリングを行います。)。本投資法人からO&M業者に委託する場合、本投資法人は、O&M業者の管理に関する業務をオペレーターに委託して行わせます。
なお、賃借人がO&M業者に資産管理を委託する場合、委託状況のモニタリングは第一次的には委託者である賃借人が行いますが、本投資法人も賃借人との賃貸借契約等を通じて間接的に行うこととします。
g. O&M業者の選定及びモニタリング
O&M業者を選定するにあたっては、再生可能エネルギー発電設備の運営・管理の経験や能力、対象となる運用資産における実績、運用計画に沿った業務遂行の実現性、コスト水準、運用の継続性等を総合的に勘案し、本投資法人の総合的な収益向上に寄与すると認められる会社を選定するものとします。また、委託者がO&M業者のモニタリングを行うとともに、モニタリングにあたっては、O&M業者の事業環境・運営状況につき適時モニタリングするとともに、必要があれば、財務状況のモニタリングによるO&M業者のクレジット・リスクの管理等を行うことで業務水準等についての評価を定期的に行い、適正な業務遂行レベルが維持できない場合は、契約の解除を行うこと又は契約の更新を行わないことを検討するものとします。
h. 修繕計画の基本方針
中長期的な運用資産の収益の維持向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性等を考慮した個別資産ごとの修繕計画を、オペレーター及びO&M業者と協議の上策定し、必要な修繕及び資本的支出を行うものとします。修繕及び資本的支出は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費もあわせて勘案して本投資法人が判断するものとします。ただし、運用資産のパフォーマンスの維持及び向上に資するものと本投資法人が合理的に判断したものについては、早期に実施するものとします。
なお、運営期間中に発生する再生可能エネルギー発電設備等の維持、管理、修繕等に要する費用(再生可能エネルギー発電設備等に賦課される公租公課、再生可能エネルギー発電設備等に係る資本的支出、再生可能エネルギー発電設備を構成する機器又は部品の交換に係る新たな機器又は部品の代金、O&M業者又はオペレーターに支払うべき委託料その他の費用、本投資法人が保険契約者又は被保険者となる再生可能エネルギー発電設備に係る保険の保険料を含みます。)は再生可能エネルギー発電設備等の保有者たる賃貸人が負担することとし、それ以外の再生可能エネルギー発電設備等の日常的な維持、管理、修繕等に要する費用は原則として賃借人が負担することとします。
i. 付保方針
火災又は事故等に起因する設備への損害、第三者からの損害賠償請求等のリスク、又は落雷若しくは風水災等偶然かつ突発的な事故により再生可能エネルギー発電設備等が損壊し、復旧するまでの間、発電(売電)が不可能になった場合の逸失利益に対処するため、必要な火災保険、損害賠償保険及び利益保険等を運用資産に付保するものとします。ただし、予想される個別設備等及びポートフォリオ全体に対する影響と保険の実効性を勘案して、付保しないこともあります。
j. 買取期間満了後の再生可能エネルギー発電設備
買取期間が満了し、固定価格買取制度の適用外となった再生可能エネルギー発電設備等については、(i)当該再生可能エネルギー発電設備により発電した電気を小売電気事業者等に対して直接若しくは卸電力取引所を通じて売却するか、又は、(ii)当該再生可能エネルギー発電設備等を売却するものとします。かかる選択においては、当該満了時における売電市場、卸電力取引所、当該再生可能エネルギー発電設備のセカンダリー取引市場の動向及びそれらを踏まえた具体的な売却条件等を勘案するものとし、当該再生可能エネルギー発電設備等を売却する場合は、下記「(チ) 売却方針」についても考慮します。
k. 賃借人の契約上の地位の移転
将来の賃借人の変更に備えて、あらかじめ円滑な賃借人の地位の承継を行うための手続(例えば、再生可能エネルギー発電設備に係る再生可能エネルギー発電事業計画についての認定上の発電事業者たる地位並びに買取電気事業者及び接続電気事業者との間の契約上の地位の移転に関する地位譲渡予約並びに買取電気事業者若しくは接続電気事業者の承諾等)を講じることを検討します。
賃借人の破たんその他の事由により賃貸借契約が終了し、又は終了するおそれが生じた場合、事前に上記の地位譲渡予約及びその承諾等が得られている場合には、賃借人の交代を早急に検討し、状況に応じて交代を行います。事前に地位譲渡予約及びその承諾等が得られていない場合には、早急に地位譲渡及びその承諾等に関する交渉を行います。
(チ) 売却方針
原則として短期的な資産の売却は行いませんが、ポートフォリオ全体の構成、ニーズの変化、個別資産の状況、収益性の見通し、周辺環境の変化、インフレーション等経済環境の変化に伴う収益力の変化、セカンダリー市場の形成状況等を総合的に判断した結果、当該資産の売却がポートフォリオの収益の安定に資するものと判断される場合には、適切な時期での売却を検討することがあります。
(リ) 財務戦略
中長期的な収益の維持及び向上並びに運用資産の規模と価値の成長を実現するために、安定的かつ健全な財務運営を構築することを基本方針とします。
a. エクイティ戦略
新投資口の発行は、有利子負債比率や投資資産の取得時期等を総合的に勘案し、投資口の希薄化に配慮した上で実行します。
b. デット戦略
i 資金の借入れは、以下の方針に基づき適切に行います。
(a) 金利変動リスクを軽減するため、長期・短期の借入期間、固定・変動の金利形態等のバランスを図ります。ただし、日本相互証券株式会社の公表する新発10年国債利回りの各営業日の終値が60営業日連続で1.0%を超える金利環境となった場合においては、原則として、金利スワップ契約又は金利キャップ契約等を締結することにより変動金利の実質的固定化を図ります。
(b) リファイナンスリスクを軽減するため、返済期限や借入先の分散を図ります。
(c) 借入先は、金融商品取引法第2条第3項第1号に規定する適格機関投資家(租税特別措置法第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)に限ります。
(d) 借入先の選定に当たっては、借入期間、金利、担保提供の要否、手数料等の諸条件につき複数の金融機関と交渉し、マーケット水準とも比べながら、その内容を総合的に考慮して効率的な資金調達を図ります。
(e) 各種必要資金の機動的な調達を目的として、極度貸付枠設定契約やコミットメントライン契約等、事前の借入枠設定又は随時借入予約契約の締結を必要に応じて検討します。
(f) 借入れに際しては、無担保・無保証を原則としますが、円滑な資金調達を目的として運用資産を担保として提供する場合があります。
ⅱ 投資法人債の発行は、長期かつ安定的な資金調達と調達先の分散を目的として適切に行います。
ⅲ 当面のデット調達における借入期間、金利形態等については、年度運用計画において定めるものとします。
iv 借入金及び投資法人債発行の限度額は、それぞれ1兆円とし、かつ、その合計額が1兆円を超えないものとします。
ⅴ 本投資法人は、デリバティブ取引に係る権利(投信法施行令第3条第2号に規定するものをいいます。)への投資を、本投資法人に係る負債から生じる為替リスク、金利変動リスクその他のリスクをヘッジすることを目的としたものに限って行うことがあります。
ⅵ 有利子負債比率は、原則として60%を上限とします。ただし、資産の取得に伴い、一時的に60%を超えることがあります。なお、当面の間はポートフォリオ規模等を考慮して50%を目途に保守的に運用します。
(ヌ) 利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)及び自己投資口の取得
本投資法人の投資対象である太陽光発電設備等は、その多くが都市部以外の地域に所在し、土地の価格が相対的に安いため、資産全体に占める償却資産の割合が一般的な不動産投資法人(いわゆるJ-REIT)に比べて相対的に高くなることが想定され、結果として高い減価償却費を計上することが見込まれます。他方で、太陽光発電設備に対する資本的支出や修繕費は、その資産の特性から減価償却費に比べて低額となる傾向があります。
このため、本投資法人は、長期修繕計画に基づき想定される各計算期間の資本的支出の額に鑑み、長期修繕計画に影響を及ぼさず、かつ、資金需要(投資対象資産の新規取得、保有資産の維持・向上に向けて必要となる資本的支出等、本投資法人の運転資金、債務の返済及び分配金の支払等)に対応するため、融資枠等の設定状況を勘案の上、本投資法人が妥当と考える現預金を留保した残額を、原則として全額、毎計算期間分配する方針とし、このうち、利益の額を超える額は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)として分配します。ただし、これらの分配は、本投資法人の財務状態に悪影響を及ぼさない範囲で、かつ、法令等(投信協会の定める規則を含みます。)に定める金額を限度(注1)とします(注2)。
本投資法人は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)額の目途を設けることはせずに本投資法人が妥当と考える現金を留保した上でその残額を全額投資主に対して分配することで、必要な金銭を留保しつつ、できる限り多くの金銭を投資主に分配することが可能となると考えています。そして、本投資法人は、かかる留保された金銭を効率的に活用して資産の取得及び運用を行うことで純利益に基づく分配金の増額を図り、上記の方針に基づく利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と併せて投資主への分配金の向上を目指すことが、最終的には、本投資法人、ひいては投資主の利益に資すると考えています。
以上の考え方に従い、本投資法人は、利益超過分配を抑制するとともに、再投資を重視して純利益に基づいた分配金の最大化を目指します。
第9期(2020年5月期)については、上記の方針に従い、本投資法人は、本投資法人が妥当と考える現預金を留保した残額を全額分配し、このうち、利益の額を超える額は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)として分配します。
こうした方針の下、減価償却費855,253千円、前払費用償却額99,914千円、投資口交付費償却10,460千円及び創立費償却28千円の合計額965,656千円から借入金の返済による支出798,529千円及び本投資法人に留保すべき金額111,691千円を控除した残額55,435千円を、利益を超えた金銭の分配といたしました。
結果、当期の利益を超えた金銭の分配は減価償却費の約6.5%になっています。さらに、第10期(2020年11月期)以降の計算期間についても、上記の方針に基づき、本投資法人が妥当と考える現預金を留保した残額を、原則として全額、毎計算期間分配する方針とし、このうち利益の額を超える額は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)として分配します。ただし、経済環境、再生可能エネルギー発電事業に関する市場環境、本投資法人の財務状況等諸般の事情を総合的に考慮した上で、修繕や資本的支出への活用、借入金の返済、新規物件の取得資金への充当、自己投資口の取得などの他の選択肢についても検討の上、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施しない場合もあります。
なお、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)の実施は手元資金の減少を伴うため、突発的な事象等により本投資法人の想定を超えて資本的支出等を行う必要が生じた場合に手元資金の不足が生じる可能性や、機動的な物件取得に当たり資金面での制約となる可能性があります。利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施した場合、当該金額は出資総額又は出資剰余金から控除されます。
また、本投資法人は、投資主との合意により当該投資法人の投資口を有償で取得することができる旨を規約第5条第2項で定めており、当該規定に基づき、主として本投資法人の投資口が上場している東京証券取引所において、自己投資口を取得する可能性があります。自己投資口の取得は、経済的には利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と同一の効果を有し、会計上も自己投資口の取得を実施した場合、当該金額は出資総額等の控除項目として計上されます。
本投資法人は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)に代えて又は利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と同時に自己投資口の取得を行う場合がありますが、自己投資口の取得も利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)とみなして、上記の利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)に関する方針に従って、その実施の有無、金額等を決定するものとします。なお、第9期(2020年5月期)については、自己投資口の取得は実施しません。
(注1)クローズド・エンド型の投資法人は計算期間の末日に計上する減価償却費の100分の60に相当する金額を限度として、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を行うことが可能とされています(投信協会「インフラ投資信託及びインフラ投資法人に関する規則」)。
(注2)当期末各保有資産に係るイー・アンド・イーソリューションズ株式会社によるテクニカルレポートに記載の大規模部品交換及び修繕に係る費用を保有資産(計32物件)について合計した額の6か月平均額は約24.6百万円です(本数値は経済耐用年数の期間における費用を便宜的に6か月平均した数値です。)。また、本投資法人は、減価償却費の算出方法につき、定額法を採用しています。保有資産(計32物件)の減価償却費(予想)は月額平均約142.1百万円を想定しています。以上の金額から借入金の元本返済等を行った後の金額を利益超過分配の原資とすることを予定しています。
図:利益分配、利益超過分配及び金銭の留保を通じた再投資のイメージ図
(注)上記はあくまでイメージであり、本投資法人の損益における賃貸収入や利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)又は自己投資口の取得の金額等の比率等を示すものではありません。実際には、毎計算期間の利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)又は自己投資口の取得の額は変動する可能性があります。また、経済環境、再生可能エネルギー発電事業に関する市場環境、本投資法人の財務状況等諸般の事情を総合的に考慮した上で、修繕や資本的支出への活用、借入金の返済、新規物件の取得資金への充当などの他の選択肢についても検討の上、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)又は自己投資口の取得を実施しない場合もあります。
(ル) 情報開示方針
本投資法人は、以下のとおり、透明性確保の観点から、法定開示に加えて、有用かつ適切と判断される投資情報を、情報の透明性及び分かりやすさに配慮し、正確かつ迅速に開示します。
a. 本投資法人は、投信法及び金融商品取引法等の諸規則、東京証券取引所、投信協会等がそれぞれ要請する内容及び様式に従って、情報の透明性や分かりやすさに配慮し、投資主の投資判断に必要な情報を適時かつ適切に開示を行います。
b. 法定開示事項以外にも投資主にとって有益かつ重要な情報についても、可能な限り適時かつ適切な開示を努めるものとします。
① 基本理念等
(イ) 本投資法人の基本理念
本投資法人は、タカラレーベンをスポンサーとして、2015年8月5日に設立され、2016年6月2日に株式会社東京証券取引所インフラファンド市場に、国内第1号のインフラファンドとして上場しました。
本投資法人は、主として、再生可能エネルギー発電設備等の特定資産への投資を通じて、安定的なキャッシュ・フロー及び収益を維持するとともに、運用資産の規模拡大や収益の向上を実現することを目指します。また、地球にやさしい持続的な環境づくりに貢献することを基本理念とし、自然エネルギーの活用を通じて価値を創造し、地域社会における雇用創出及び社会経済の発展、地球温暖化対策並びにエネルギー自給率の向上に寄与することを目指します。本投資法人は、これらの社会貢献投資を通じた安定的なキャッシュ・フロー及び収益により、投資主価値を最大化することを目指します。
本投資法人はこれらの基本理念を追求するため、再生可能エネルギー発電設備等のうち、特に太陽光発電設備等に主として投資を行います。そして、本投資法人は、取得した太陽光発電設備等を賃借人に賃貸して運用します。
図:本投資法人の基本理念(ロ) 本投資法人の投資方針(太陽光発電設備等への投資)
a. 安定的かつ成長可能性のある太陽光発電市場への投資機会の提供
本投資法人の主な投資対象は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が適用され(同制度の概要については、後記「③ 太陽光発電事業の概要について (ロ) 固定価格買取制度の概要」をご参照ください。)、かつ、原則として既に稼働している太陽光発電設備等であり、設備自体から安定的なキャッシュフローが見込まれます。さらに、本投資法人は、運用資産である太陽光発電設備等を賃貸することにより運用しますが、各運用資産の賃料は、原則として発電量予測値に基づく最低保証賃料と賃借人が賃借した太陽光発電設備に係る売電収入に連動する実績連動賃料を組み合わせ、かつ、その大部分が実際の売電収入の変動に連動しない最低保証賃料となるように設定しており、本投資法人においても安定的なキャッシュフローが見込めます。本投資法人の主な投資対象である太陽光発電設備等によるエネルギー導入量(注)は、後記「②再生可能エネルギー発電設備を取り巻く環境 (ロ)再生可能エネルギーの中における太陽光発電の位置付け b.太陽光発電のシェアと市場の拡大」に記載の経済産業省による見通しによれば、今後さらに増加する余地があるものとされており、本投資法人としても、太陽光発電市場は、今後さらに拡大する市場であると考えています。
本投資法人は、資本市場においてこのように安定的かつ成長可能性のある太陽光発電市場への投資の機会を広く提供することを目指しています。
以上の状況に加え、後記「⑤本投資法人の特徴 (ロ)運用戦略と成長戦略 a.運営サポート体制(タカラレーベンのスポンサーサポート体制) ⅲ.スポンサーサポートの活用」に記載のとおり、スポンサーであるタカラレーベンによる、タカラレーベングループの保有物件情報の優先的提供及び優先的売買交渉権の付与を始めとした多種多様なスポンサーサポートがなされており、これらのスポンサーサポートに基づく本投資法人特有の安定性・成長性も期待できるものと本投資法人は考えています。
(注)「導入」の意義については、後記「② 再生可能エネルギー発電設備を取り巻く環境 (ロ) 再生可能エネルギーの中における太陽光発電の位置付け b. 太陽光発電のシェアと市場の拡大 ⅰ 経済産業省による見通し」をご参照ください。以下同じです。
b. 環境改善等に資する社会資本への社会貢献投資
地球温暖化が世界的な課題となっている中、発電時において温室効果ガスであるCO2(二酸化炭素)の発生を抑制する再生可能エネルギーの導入は、環境の改善に貢献するとともに、国際社会における日本のプレゼンス向上にも繋がるものと考えられます。また、一般に、発電のための化石燃料につき海外からの輸入に大きく依存している中での再生可能エネルギーの普及によるエネルギー自給率の向上は、エネルギーの安定供給の確保の面でも意義があり、また同時に海外からの燃料調達コストの削減にも繋がると考えられます。さらに、再生可能エネルギー発電設備等の管理業務の一部を現地の業者に委託することを通じた再生可能エネルギー関連による地域社会における雇用の創出や、遊休土地の活用を始めとした地域活性化等の効果も期待されます。本投資法人は、太陽光発電設備等への投資を通じて、以上のような社会貢献も可能であると考えています。
c. アセットの特徴を活かした、投資主への還元方針(豊富なキャッシュを活かした効率的な分配方針)
本投資法人の投資対象である太陽光発電設備等は、その多くが都市部以外の地域に所在し、土地の価格が相対的に安いため、資産全体に占める償却資産の割合が一般的な不動産投資法人(いわゆるJ-REIT)に比べて相対的に高くなることが想定され、結果として多額の減価償却費を計上することが見込まれます。他方で、太陽光発電設備に対する資本的支出や修繕費は、その資産の特性から減価償却費に比べて少額となる傾向があります。このため、本投資法人は、長期修繕計画に基づき想定される各計算期間の資本的支出の額に鑑み、長期修繕計画に影響を及ぼさず、かつ、資金需要(投資対象資産の新規取得、保有資産の維持・向上に向けて必要となる資本的支出等、本投資法人の運転資金、債務の返済及び分配金の支払等)に対応するため、融資枠等の設定状況を勘案の上、本投資法人が妥当と考える現預金を留保した残額を、原則として全額、毎計算期間分配する方針とし、このうち、利益の額を超える額は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)として分配します。ただし、本投資法人の財務状態に悪影響を及ぼさない範囲で、かつ、法令等(投信協会の定める規則を含みます。)に定める金額を限度とします。これらの分配を行うことにより投資主への還元を行います。
本投資法人は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)額の目途を設けることはせずに本投資法人が妥当と考える現金を留保した上でその残額を全額投資主に対して分配することで、必要な金銭を留保しつつ、できる限り多くの金銭を投資主に分配することが可能となると考えています。本投資法人は、かかる留保された金銭を効率的に活用して資産の取得及び運用を行うことで純利益に基づく分配金の増額を図り、上記の方針に基づく利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と併せて投資主への分配金の向上を目指すことが、最終的には、本投資法人、ひいては投資主の利益に資するものと考えています。
以上の考え方に従い、本投資法人は、利益超過分配を抑制するとともに、再投資を重視して純利益に基づいた分配金の最大化を目指します。
第9期(2020年5月期)については、上記の方針に従い、本投資法人は、本投資法人が妥当と考える現預金を留保した残額を全額分配し、このうち、利益の額を超える額は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)として分配します。
こうした方針の下、減価償却費855,253千円、前払費用償却額99,914千円、投資口交付費償却10,460千円及び創立費償却28千円の合計額965,656千円から借入金の返済による支出798,529千円及び本投資法人に留保すべき金額111,691千円を控除した残額55,435千円を、利益を超えた金銭の分配とすることを決定しています。
結果、当期の利益を超えた金銭の分配は減価償却費の約6.5%になっています。さらに、第10期(2020年11月期)以降の計算期間についても、上記の方針に基づき、本投資法人が妥当と考える現預金を留保した残額を、原則として全額、毎計算期間分配する方針とし、このうち利益の額を超える額は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)として分配します。ただし、経済環境、再生可能エネルギー発電事業(再エネ特措法第9条第1項の定める意味によります。以下同じです。)に関する市場環境、本投資法人の財務状況等諸般の事情を総合的に考慮した上で、修繕や資本的支出への活用、借入金の返済、新規物件の取得資金への充当、自己投資口の取得などの他の選択肢についても検討の上、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施しない場合もあります。
なお、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)の実施は手元資金の減少を伴うため、突発的な事象等により本投資法人の想定を超えて資本的支出等を行う必要が生じた場合に手元資金の不足が生じる可能性や、機動的な物件取得に当たり資金面での制約となる可能性があります。利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施した場合、当該金額は出資総額又は出資剰余金から控除されます。
また、本投資法人は、投資主との合意により当該投資法人の投資口を有償で取得することができる旨を規約第5条第2項で定めており、当該規定に基づき、主として本投資法人の投資口が上場している東京証券取引所において、自己投資口を取得する可能性があります。自己投資口の取得は、経済的には利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と同一の効果を有し、会計上も自己投資口の取得を実施した場合、当該金額は出資総額等の控除項目として計上されます。
本投資法人は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)に代えて又は利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と同時に自己投資口の取得を行う場合がありますが、自己投資口の取得も利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)とみなして、上記の利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)に関する方針に従って、その実施の有無、金額等を決定するものとします。なお、第9期(2020年5月期)については、自己投資口の取得は実施しません。
d. 発電量予測値に基づく最低保証賃料の設定による安定した収入の確保(本投資法人の安定性の源泉)
本投資法人は、賃借人兼オペレーターから受領する賃料について、一定の超過確率P(パーセンタイル)(注)の発電量予測値に基づく最低保証賃料と実際の売電収入に連動した実績連動賃料を組み合わせることを基本方針としています。かかる最低保証賃料の設定により、本投資法人は、安定した収入を確保することが可能になるものと考えています。なお、最低保証賃料は、無補償の出力抑制や天候不順等の外部要因により実際の発電量が当該予測値を下回った場合でも賃借人より収受できる賃料として設定されています。
(注)超過確率P(パーセンタイル)については後記「⑤本投資法人の特徴 (ロ)運用戦略と成長戦略 b. 本投資法人の運用戦略 ⅰ 収入の安定化 (b)賃料形態について」をご参照ください。
e. 安定性の高い財務基盤(アセットの特徴を捉えた最適な調達構造)
本投資法人は、上場インフラファンド(後記「④ インフラファンド市場について (イ) インフラファンド市場」に定義されます。以下同じです。)としては初めて、信用格付業者である株式会社日本格付研究所(JCR)より、長期発行体格付(見通し)として、「A-(安定的)」を取得し、本書の日付現在において「A-(ポジティブ)」の格付けを取得しています。
本投資法人は、本書の日付現在、合計22の金融機関から借入れを行うとともに、これらの金融機関との間で基本的な借入れ条件を合意しており、借入先を多様化しています。限られたスケジュールでの資産取得、大規模案件の取得機会、運用資産のメンテナンスに必要な資金捻出等の突発的な資金需要に対応できる態勢を整備しておくことは本投資法人の外部成長及び内部成長に繋がるものと考えられます。本投資法人はかかる強固なレンダーフォーメーションを維持するとともに、新たな取引金融機関を開拓していくことで、本投資法人の安定的な成長及びそれによる投資主価値の向上を目指します。
f. 国内第1号上場による先発優位性
本投資法人は、インフラファンド市場(同市場の概要については、後記「④ インフラファンド市場について (イ)インフラファンド市場」をご参照ください。以下同じです。)における国内第1号の上場インフラファンドであり、上場を機に、本資産運用会社への第三者からの発電所の売却情報に関する持込案件数は増加しています。本投資法人は、かかる情報を活用して本投資法人及び本資産運用会社独自のネットワークを拡大し、それにより資産規模を早期に拡大する機会の増加を目指します。また、いわゆる経験効果として、本投資法人、本資産運用会社及びスポンサーは、インフラファンド市場における経験及び知識を、他の市場関係者に先んじて蓄積することができ、また、金融機関や発電設備の運営・保守・管理業者、発電設備関連機器のメーカー等からの支援を比較的得られやすい等の先行者利益を享受することができるものと考えています。本投資法人は、国内第1号の上場インフラファンドとして、これらの先発優位性を活用し、投資主への長期安定的な配当享受の機会の提供を目指していきます。
② 再生可能エネルギー発電設備を取り巻く環境
(イ) 日本国内におけるエネルギー利用の動向
2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、わが国のエネルギー政策については抜本的な変更がなされています。
東日本大震災等の影響により、これまでエネルギー自給率に貢献していた原子力発電所は、定期点検を境に順次運転を停止し、2013年9月には、原子力発電所はすべて停止しました。また、運転を停止した原子力発電所は、運転再開について地元の同意を得ることが難しくなったり、安全基準の見直しとそれへの対応のため、定期点検後の運転再開が容易ではなくなっており、その後、一部の原子力発電所が再稼働したものの、発電量に占める割合は2018年度で6.4%と依然として極めて低い水準にとどまっています。代替のエネルギーは、概ね石炭・LNG・石油等によって賄われており、震災前に約60%であった国内発電量に占める火力発電の比率は、2012年度には約90%まで上昇し、2018年度においても76.4%と依然高い水準となっています。
また、当該比率の震災後の上昇傾向は、化石燃料の輸入に対する依存度が高まったことを表しており、海外に依存するエネルギー供給体制が以前よりも強まったといえます。経済産業省によれば、2018年における日本の一次エネルギー自給率(推計値)は11.8%と、東日本大震災前の2010年における19.9%から大幅に低下しています。これは、海外においてエネルギー資源の供給について問題が発生した場合、わが国が自律的に資源を確保することが困難となり得る状況であり、早期に対処すべき課題といえます。現在、政府において、震災前の水準をさらに上回る概ね25%程度を目標に、一次エネルギー自給率の向上が検討されています。以上に加え、世界的に温室効果ガスの排出量削減が目標とされるなか、2015年7月17日に国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局へ提出した日本の約束草案においては、2030年度には1,042百万トン(2015年度の温室効果ガスの排出量(速報値)は1,321百万トン)とすることを目標としており、かかる目標を達成するためには、国内発電量に占める再生可能エネルギーの比率を高め、火力発電への依存度を下げることに注力する必要があります。
再生可能エネルギーの導入及び比率の向上は、自然エネルギーの活用による一次エネルギー自給率の向上や発電時における温室効果ガスであるCO2の発生の抑制を通じて、上記の日本のエネルギー政策における課題の解決に繋がるものと考えられます。
このような中、経済産業省による2015年7月時点の長期エネルギー需給見通しでは、2030年度の総発電電力量における再生可能エネルギーの割合は22~24%程度(うち太陽光は7%程度)と見込まれています。そして、2018年7月3日に閣議決定された、第5次エネルギー基本計画においては、電力構成比率の2030年度目標が維持されるとともに再生可能エネルギーを「経済的に自立し脱炭素化した主力電源」にするための取組みを進める方針が明確にされています。
(注)2015年度までは10電力計、2016年度以降は10エリア計。「石油等」にはLPG、その他ガスを含みます。また、「新エネルギー」は太陽光、風力、地熱の合計値です。図:電源別発電電力量構成比
出所:電気事業連合会「FEPC INFOBASE 2019」資料のデータを基に本資産運用会社作成
図:日本の一次エネルギー国内供給構成及び自給率の推移(2018年:推計値)出所:経済産業省資源エネルギー庁「令和元年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2020)」図第211-4-1のデータを基に本
資産運用会社作成
(ロ) 再生可能エネルギーの中における太陽光発電の位置付け
a. 太陽光発電の概要
太陽光発電設備は、発電コストや日照状況による短時間での出力変動、発電効率等について課題はあるものの、メンテナンスが比較的容易かつ燃料調達の必要がないため、安定的な発電が期待できる発電施設です。
また、開発期間の点では、その他の再生可能エネルギーが環境影響評価や地元調整等によって数年程度要することが一般的であるのに対し、出力1MW(1,000kW)以上の大規模な太陽光発電(以下「メガソーラー」といいます。)のための設備でも1年程度と比較的短く、技術的な観点からも、比較的開発・運営が容易な電源といえます。
なお、調達価格等算定委員会による意見を受け、経済産業大臣は、出力が10kW以上の太陽光発電設備の価格目標に関し、固定価格買取制度からの電源自立化に向けて、発電コストの水準が、2020年に14円/kWh、2025年に7円/kWhとなることを目指すとしています。
また、周波数変動対策や余剰電力対策のために、発電予測、蓄電池、系統運用等に関する技術開発も進められています。特に蓄電池に関しては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」といいます。)が策定した「NEDO二次電池技術開発ロードマップ2013」(2013年8月)においては、現状の開発レベルと将来見込みを勘案して設定した2020年のコスト目標(パワーコンディショナー(PCS)を含めた「電池システム」としての値)として、長周期変動調整用二次電池(需給調整用二次電池)について2.3万円/kWh(2012年度末時点のコストは5~10万円/kWh)、短周期変動調整用二次電池については8.5万円/kWh(2012年度末時点のコストは20万円/kWh)という値が示されています。
このような技術革新が実現した場合には、前記の発電コストや日照状況による短時間での出力変動、発電効率等についての課題を一定程度克服できるものと考えられます。
本投資法人は、太陽光発電が、当面の間、再生可能エネルギーの中でも中心的な役割を果たすとともに、中長期的にも重要な電源になると考えており、太陽光発電設備等を本投資法人の主な投資対象としていく方針です。また、本投資法人の主な投資対象は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が適用され、かつ、原則として既に稼働している太陽光発電設備等です。
| 各再生可能エネルギー発電設備 | 開発期間 |
| 太陽光(メガソーラー) | 1年前後(特別高圧(注1)案件で2年程度) |
| 陸上風力 | 5~8年程度 |
| バイオマス(木質専焼)(注2) | 4~5年程度 |
| 地熱 | 11~13年程度 |
| 小水力(注3) | 3~5年程度 |
(注1)「特別高圧」とは、電気設備に関する技術基準を定める省令(平成9年通商産業省令第52号。その後の改正を含みます。)
において7,000ボルトを超える電圧の種別と定義されています。以下同じです。
(注2)「バイオマス(木質専焼)」は、木質バイオマスのみを燃料源とするバイオマス発電設備を意味します。
(注3)「小水力」は、出力が小規模の水力発電設備を意味します。
図:各再生可能エネルギー発電設備の開発期間
出所:経済産業省調達価格等算定委員会第20回配布資料「再生可能エネルギーの導入状況と固定価格買取制度見直しに関する検討状
況について」(2016年1月 経済産業省資源エネルギー庁のデータを基に本資産運用会社作成)
b. 太陽光発電のシェアと市場の拡大
ⅰ 経済産業省による見通し
固定価格買取制度の導入後、認定を受けた10kW以上の太陽光発電設備(非住宅用)の容量は、2020年3月末時点において、約67.1GW(注1)となっており、うち実際に導入(注2)されたものは約43.2GWとなっています。過去の新規認定・導入の推移からは、前記のとおり開発期間が1年程度であるにもかかわらず、認定から当該期間が経過した後も導入されていないケースが多いことが推定され、現時点においては開発見込みがないものが相応にあると考えられます。他方、経済産業省による2015年7月時点の長期エネルギー需給見通しでは、2030年度には約64GW(うち非住宅用は約55GW)の導入が見込まれるとされています。また、経済産業省によると、固定価格買取制度開始後に新規導入された再生可能エネルギーの容量における10kW以上の太陽光発電の割合は2020年3月末時点で90.8%を占めています。
(注1)2017年4月1日施行の再エネ特措法の改正に伴い、旧制度下での認定については、原則として2017年3月31日までに電力会社との接続契約を締結する必要があり、期限までに未締結の場合は認定が失効することとなっています。ただし、経過措置として2016年7月1日から2017年3月31日までの間の新規認定案件については、認定日の翌日から9か月以内に電力会社との接続契約を締結する必要があり、期限までに未締結の場合には認定が失効することとなっています。2020年3月末日時点の認定状況については、2017年3月末日時点までの失効分及び経過措置による2017年4月以降の失効分(2020年7月時点で確認できているもの)が反映されています。
(注2)「導入」とは、固定価格買取制度の下で買取が開始された状態をいいます。以下同じです。
(注1)「2030年度導入見込み」については、太陽光発電設備に関する報告徴収や聴聞の結果を踏まえ、認定量の6割程度が導入されるものとして、認定された太陽光発電設備のうち実際に運転を開始する正味の導入量及び既導入量の合計を6,100万kW程度と見込んだ上で、太陽光発電設備によって発電された電気の買取のために2030年度に合計約2.3兆円の買取費用が活用されることを見越して追加的に見込まれる導入量を計算して、合計約6,400万kWが導入されるものとし、そのうち非住宅用については約5,500万kWが導入されるものと見込んでいます。(注2)2017年4月から8月、2017年10月・11月、2018年1月・2月、2018年4月・5月、2018年7月・8月、2018年10月・11月、2019年1月・2月、2019年4月・5月、2019年7月・8月、2019年10月・11月及び2020年1月・2月の数値は公表されていません。
図:再エネ特措法施行以降の太陽光発電設備の新設・導入推移(10kW以上)及び2030年度太陽光発電設備(非住宅用)の導入見込み
出所:(i)2020年3月までは、経済産業省資源エネルギー庁「固定価格買取制度情報公表用ウェブサイト」のデータを基に本資産運用会社作成、(ii)2030年度導入見込みは、経済産業省「長期エネルギー需給見通し」関連資料(2015年7月 経済産業省資源エネルギー庁)のデータを基に本資産運用会社作成

(注)固定価格買取制度開始後に新たに認定を受け、同制度の下で買取が開始された各発電設備の容量(万kW)の2020年3月末時点の割合
を表示しています。
図:固定価格買取制度開始後に新規導入された再生可能エネルギーの容量割合(太陽光は10kW以上のものを対象)
出所:経済産業省資源エネルギー庁「固定価格買取制度情報公表用ウェブサイト」のデータを基に本資産運用会社作成
ⅱ 政府による見通し
政府作成による「第5次エネルギー基本計画」(2018年7月)においては、「長期的に安定した持続的・自立的なエネルギー供給により、我が国経済社会の更なる発展と国民生活の向上、世界の持続的な発展への貢献を目指す」という基本方針のもと、総発電電力量における再生可能エネルギーの割合を2030年度に22~24%(うち太陽光は7%程度)とするエネルギーミックスの確実な実現に向けた取組みの更なる強化を行うとともに、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた取組みを行う旨が示されています。
そして、現行再エネ特措法においても再生可能エネルギー源の利用の促進が掲げられています。
以上から、本投資法人は、太陽光発電市場の拡大、ひいては太陽光発電設備等の取得による本投資法人のポートフォリオの拡大を実現する環境がさらに整備されていく可能性があるものと考えています。
c. セカンダリー取引に対する今後の期待
新たに認定及び導入される太陽光発電設備に加えて、認定後の発電事業の権利の譲渡や、稼働済み発電所の譲渡等の取引も今後活発化する可能性があります。この点、インフラファンド市場の創設は、このようなセカンダリー取引市場の成長を促進する効果も期待されます。なお、上場を機に本資産運用会社には第三者から発電所の売却情報が持ち込まれるようになっています。
d. 太陽光発電導入における課題
一般社団法人太陽光発電協会によれば、太陽光発電によるエネルギーを含む再生可能エネルギーの導入を大量化するためには具体的に以下の課題に対応することが考えられるとされています。これらの課題には経済産業省によって議論されているものも含まれており、導入拡大に向けた措置が政策的に検討されています。
① 高度かつ効率的な出力抑制技術による需給最適化
② 広域的地域間連系ネットワークへの革新による縦横無尽なエネルギーコントロールを可能にする
(系統システムの高度化、①を含めた最適化運用)
③ 現状との比較精査を含めた、火力・水力等における系統電源調整能力の更なる技術的進化と活用
④ 蓄電池、水素等によるエネルギー貯蔵技術システムの活用
⑤ 「捨てるより使う」という観点に立ち、ダイナミック・プライシング等を用いた需要の能動化
③ 太陽光発電事業の概要について
(イ) 太陽光発電設備の概要
a. 太陽電池の原理
一般的な太陽電池の仕組みは、太陽光を半導体に当てることによって光エネルギーを電気に交換するものです。一般的な太陽電池は負の電荷を引き寄せるn型半導体と正の電荷を引き寄せるp型半導体の2種類を積み重ねた構造となっています。太陽電池の表面に光が当たると正と負を持った粒子(正孔と電子)が発生し、電子はn型半導体の方へ、正孔はp型半導体の方へ移動します。この移動は光を当てている間持続し、電子が押し出されることで、電流が生じます。
b. 太陽光発電設備の構成
太陽光発電設備は、以下で構成されます。

| ① | 太陽電池モジュール | 太陽電池の一枚全体を正式には「モジュール」といいます。太陽電池は「電池」という文字が付いていますが、乾電池のように電気をためるものではなく発電装置です。この「モジュール」の中に「セル」と呼ばれるものが数十枚、ブロックのように配列・配線されています。この「セル」が太陽電池の本体です。実際の発電は「セル」が行います。 |
| ② | 接続箱 | 太陽電池モジュールで発電した直流電力を統合し、集電箱へ供給します。 |
| ③ | 集電箱 | 複数の接続箱から出力される直流電力を集電してパワーコンディショナーへ供給します。 |
| パワーコンディショナー(PCS) | パワーコンディショナーは、太陽電池モジュールで発電した直流電力を、家庭で使用する交流電力に変換する機器です。 | |
| ④ | 高圧(注1)変電設備 | 高圧変電設備は、断路器、遮断器、変圧器、制御装置等で構成されており、安全かつ確実に電気を接続電気事業者(注2)又は特別高圧変電設備に接続するための機器です。 |
| ⑤ | 特別高圧変電設備 | 安全かつ確実に電気を接続電気事業者(注2)に送電するための機器です(注3)。 |
| ⑥ | 気象計測器 | 太陽電池モジュールの発電効率を監視するための日射計や気温計等の測定器です。 |
| ⑦ | モニタリング盤 | モニタリング盤は、パワーコンディショナーの発電量を測定しており、発電量の計測、異常連絡を行う機器です。 |
| ⑧ | 表示装置 | 表示装置には、発電量が表示されます。 |
| ⑨ | 監視カメラ | 災害等の問題発生時にリアルタイムで状況を把握するため、24時間作動の監視カメラを設置しています。 |
(注1)「高圧」とは、交流にあっては、600ボルトを超え、7,000ボルト以下の電圧をいいます(電気設備に関する技術基準を定める省令第2条第1項第2号)。以下同じです。
(注2)後記「(ロ) 固定価格買取制度の概要 a. 固定価格買取制度の基本的な仕組み」に定義します。
(注3)上記構成は特別高圧案件の構成であり、高圧案件の構成では⑤が含まれません。
図:太陽光発電設備の構成(「LS那須那珂川発電所」の例)
(ロ) 固定価格買取制度の概要
a. 固定価格買取制度の基本的な仕組み
再生可能エネルギーの固定価格買取制度とは、再生可能エネルギー源を利用して発電した電気を、経済産業大臣が定める固定の調達価格で一定の調達期間、電気事業者に買い取ることを義務づける制度で、再エネ特措法に基づき、2012年7月1日にスタートしました。本投資法人は、原則として、同制度の下で調達価格及び調達期間が確定し、かつ特定契約(以下に定義します。)に基づく発電事業者(以下に定義します。)による電気の供給及び電気事業者による電気の買取が既に開始された太陽光発電設備等を投資対象とします。
同制度は、発電事業に必要となる費用の大半である、発電所の建設コストを安定的に資金回収できるよう長期にわたって電気の買取を保証することで積極的な再生可能エネルギー発電への投資を促すことを狙いとしています。具体的には、発電事業者から電気を買い取る電気事業者(以下「買取電気事業者」といいます。)による電力の買取資金の原資として、小売電気事業者等(注1)が電気の使用者から電気料金とともに再生可能エネルギー賦課金を徴収し、費用負担調整機関が全国の小売電気事業者等から再生可能エネルギー賦課金を原資とする納付金を徴収し、各買取電気事業者に対して、買取実績に応じた交付金を支払う仕組みとなっています。
図:固定価格買取制度の基本的な仕組み出所:経済産業省資源エネルギー庁新エネルギー対策課「再生可能エネルギーの固定価格買取制度について」(2012年7月)
のデータを基に本資産運用会社作成
(注1)再エネ特措法第31条第1項に規定する小売電気事業者等をいいます。以下同じです。
(注2)「費用負担調整機関」とは、地域ごとに再生可能エネルギーの導入状況が異なる中で、地域間の負担の公平性を保つた
めに、地域間調整(再生可能エネルギー賦課金単価の全国一律化)を行う機関をいいます。
(注3)発電設備の種類・規模によっては、入札により買取価格が定められる場合があります。
発電事業者(注1)がこの制度を利用するには、電気事業者(以下「接続電気事業者」といいます。)との間で接続契約(注2)を締結の上、再生可能エネルギー発電事業の実施に関する計画(以下「再生可能エネルギー発電事業計画」といいます。)について経済産業大臣による認定を受け、発電事業者の再生可能エネルギー発電設備を接続電気事業者の電気工作物(電気事業法第2条第1項第18号に定義される意味によります。以下同じです。)に電気的に接続するとともに、買取電気事業者と再エネ特措法第2条第5項に定める特定契約(調達期間を越えない範囲の期間にわたり、認定を受けた者が電気事業者に対し再生可能エネルギー発電設備で発電した電気を供給することを約し、電気事業者が調達価格によりこれを調達することを約する契約をいい、以下「売電契約」ともいいます。以下同じです。)を締結する必要があります。
買取電気事業者が買い取った電気は、原則として卸電力取引所に売却されますが、発電事業者と小売電気事業者の間で合意が成立している場合には、当該小売電気事業者に引き渡すことも可能です。
なお、旧再エネ特措法に基づく認定を受けた案件で、平成28年再エネ特措法改正法の施行日(2017年4月1日)までに運転開始又は接続契約の締結に至っている案件その他一定の要件を満たすものについては、当該改正後の再エネ特措法に基づく事業計画認定を受けたものとみなされています。本投資法人の全ての保有資産は、かかる要件を満たしており、事業計画認定を受けたものとみなされています。
(注1)本書において、「発電事業」とは、別段の記載のない限り、再生可能エネルギー発電設備を用いて電気を発電する事業をいい、電気事業法第2条第1項第14号に規定する発電事業に限られません。また、「発電事業者」とは、別段の記載のない限り、再生可能エネルギー発電設備を用いて電気を発電する事業を営む者をいい、電気事業法第2条第1項第15号に規定する発電事業者に限られません。以下同じです。
(注2)「接続契約」とは、発電事業者が用いる認定を受けた再生可能エネルギー発電事業計画に係る再生可能エネルギー発電設備を接続電気事業者の電線路に電気的に接続すること及びその条件を定める契約をいいます。なお、発電事業者が2016年3月31日以前に東京電力株式会社(当時)と締結した特定契約兼接続契約上の同社の地位及びこれに付随する権利義務は、2016年4月1日を効力発生日とする同社の会社分割により、東京電力エナジーパートナー株式会社が承継し、同日より、同契約における電気工作物等の接続その他の送配電に係る事項については、東京電力パワーグリッド株式会社が、東京電力エナジーパートナー株式会社との契約に基づき実施しています。また、発電事業者は、東京電力パワーグリッド株式会社が定める託送供給等約款(以下「託送供給等約款」といいます。)における発電者に関する事項(給電指令(出力抑制)の実施、託送供給等に伴う協力、発電場所の立ち入り等)について遵守する必要があります。以下同じです。
b. 調達価格その他電気の買取に関する制度の動向
再生可能エネルギー電気(再生可能エネルギー発電設備を用いて再生可能エネルギー源を変換して得られる電気をいいます。以下同じです。)の買取価格及び買取期間は、原則として、毎年度、経済産業大臣が調達価格等算定員会の意見を聴いた上で定めるものとされています。なお、発電設備の種類・規模によっては、入札により調達価格が定められる場合があります。
発電出力が10kW以上の太陽光発電の買取価格は、技術革新や市場競争による建設コストの低下により、下記のとおり推移しています。
| 年度 | 買取価格(税抜) | 買取期間 |
| 2012年度(7月1日以降) | 40円/kWh | 20年 |
| 2013年度 | 36円/kWh | 20年 |
| 2014年度 | 32円/kWh | 20年 |
| 2015年度(4月1日から6月30日まで) | 29円/kWh | 20年 |
| 2015年度(7月1日以降) | 27円/kWh | 20年 |
| 2016年度 | 24円/kWh | 20年 |
| 2017年度 | 21円/kWh(注1) | 20年 |
| 2018年度 | 18円/kWh(注1) | 20年 |
| 2019年度 | 14円/kWh(注1) | 20年 |
| 2020年度 | (注1)(注2) | 20年 |
(注1)2017年度及び2018年度は出力2,000kW以上、2019年度は出力500kW以上、2020年度は出力250kW以上の太陽光発電設備が、それぞれ入札制度の対象となり調達価格の額は、落札者が入札した額(円/kWh)に消費税及び地方消費税の額に相当する額を加えて得た額となります。
(注2)2020年度の買取価格は、発電出力が10kW以上50kW未満の場合は13円、50kW以上250kW未満の場合は12円となります。
図:出力が10kW以上の太陽光発電設備の買取価格及び買取期間
しかし、各太陽光発電設備について、一度確定した買取価格及び調達期間は、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ⑤ 発電事業に係る権利・法制度に関するリスク (ニ) 調達価格又は調達期間が変更されるリスク」に記載される例外的な場合を除いて、調達期間が満了するまで変更されることはありません。
なお、平成28年再エネ特措法改正法により、地熱等のリードタイム(注)の長い電源について、事業の予見可能性をより一層高め、事業化決定を促すため、これまで各年度ごとに決定されてきた再生可能エネルギー電気の調達価格及び調達期間について、翌年度以降の調達価格等もあらかじめ決定できる仕組みが導入されました。
また、将来の買取価格の予見可能性を向上させるとともに、その目標に向けた事業者の努力やイノベーションによるコスト低減を促す観点から、電源ごとに中長期的な調達価格の目標が設定されています。さらに、同様の観点から、数年先の認定案件の買取価格まであらかじめ提示する(価格低減のスケジュールを示す)こともできるものとされています。
(注)「リードタイム」とは、事業の検討開始から実際に商用運転を開始するまでの期間をいいます。
発電事業者は、各再生可能エネルギー発電設備について、需給調整や保安上の理由により接続電気事業者から出力抑制を求められる場合があります。出力抑制については、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ⑤ 発電事業に係る権利・法制度に関するリスク (ハ) 出力抑制を求められるリスク」をご参照ください。
c. 事業計画認定後の措置
再生可能エネルギーの固定価格買取制度の適正な運用のため、再エネ特措法には、事業計画認定後にも発電事業者に対して一定の措置をとることができることが定められています。
景観や安全上のトラブルが発生している状況を踏まえて、事業計画認定を受けた案件については、認定事業者名及び代表者の氏名、認定に係る発電設備の識別番号並びに発電設備の所在地等が公表されます。
また、経済産業大臣は、認定事業者に対して、再生可能エネルギー発電事業の適確な実施に必要な指導及び助言を行い、事業計画認定を受けた再生可能エネルギー発電事業計画(以下「認定計画」といいます。)に従って再生可能エネルギー発電事業を実施していない場合、改善命令を出すことができます。さらに、認定事業者が認定計画に従って再生可能エネルギー発電事業を行っていない場合、認定基準に適合しなくなった場合、改善命令に違反した場合には、事業計画認定を取り消すことができるものとされています。
d. 未稼働案件に対する措置
再生可能エネルギーの固定価格買取制度施行後、認定を取得したにもかかわらず運転開始に至っていない未稼働案件が太陽光案件を中心に大量に発生し、制度開始直後の高い調達価格による買取が国民負担を増大させる懸念や未稼働案件が系統接続枠を押さえ続けていることによって実現性の高い新規案件が系統接続枠を利用できないという問題が生じたことから、国は、未稼働案件に対する次のような措置を行っています。
まず、平成28年再エネ特措法改正法により旧再エネ特措法に基づく既存の認定を失効させ、一定の要件を満たすもののみ、改正後の再エネ特措法に基づく事業計画認定を受けたものとみなすこととしたことに加え、改正後の再生可能エネルギーの固定価格買取制度においては、事業計画認定を受けた日から一定期間以内に運転を開始する計画であることが求められています。また、2016年8月1日以降に一般送配電事業者等(注)との接続契約が締結された発電出力が10kW以上の太陽光発電設備については、認定から3年という期間が設定され、3年を経過したものは経過した期間分だけ買取期間が月単位で短縮されます。
さらに、2012年度から2014年度までに認定を取得し、2016年7月31日以前に一般送配電事業者等との接続契約が締結され、運転を開始していない発電出力が10kW以上の太陽光発電設備については、原則として、2018年12月5日時点で既に電気事業法に基づく工事計画届出が受理されている発電出力2MW以上の案件を除き、事業用地の利用権の確保、許認可の取得等の一定の要件を満たした上で、一般送配電事業者等に対して系統連系工事着工申込みを提出しなくてはならないものとされており、これが一定の時期までに受理されない場合には調達価格が変更されます。また、かかる系統連系工事着工申込みを提出しなければならない案件については、当該受領期限から1年後に運転開始期限を設け、これを経過したものは経過した期間分だけ買取期間が月単位で短縮されます。なお、本投資法人の全ての保有資産は、電気事業者による電気の買取が既に開始された太陽光発電設備等であり、かかる措置の対象ではありません。
(注)一般送配電事業者、送電事業者(電気事業法第2条第1項第11号に規定する送電事業者をいいます。)及び特定送配電事
業者を併せて「一般送配電事業者等」といいます。以下同じです。)
e. 制度見直しの動向
2020年6月5日付で再エネ特措法を改正する法律が成立し、令和2年改正法が2022年4月1日より施行される予定です。
令和2年改正法により、再生可能エネルギー発電設備の廃棄等費用の積立てを担保するための新たな制度が創設されます。これにより、認定事業者が経済産業大臣の指定する「積立対象区分等」に該当する発電設備により発電した電気を供給するときには、原則として、当該設備の解体等に要する費用に充てるための金銭を「解体等積立金」として電力広域的運営推進機関に積み立てること(外部積立て)が求められます。「積立対象区分等」の内容、積立金額の水準、期間、頻度といった制度の具体的な内容は令和2年改正法には定められておらず、経済産業大臣の指定や経済産業省令の定めに委ねられていますが、2019年12月10日付で太陽光発電設備の廃棄等費用の確保に関するワーキンググループが公表した中間整理においては、再エネ特措法に基づく認定を受けた10kW以上の全ての太陽光発電事業を対象に、調達価格の算定において想定した廃棄等費用を基準として算出される金額を調達期間終了前10年間にわたり売電収入から源泉徴収的に積み立てる制度設計が提言されており、今後、かかる提言に沿って制度決定されていくものと予想されます。他方、積立金額、積立方法その他経済産業省令に定める事項を発電事業計画に記載し、経済産業大臣の認定を受けたときは、例外として内部積立て、すなわち発電事業者が自ら積立てを行う方法によることができるものとされています。
また、令和2年改正法により、競争力ある電源への成長が見込まれる再エネ電源(競争電源)については、他の電源と同様に市場等で取引する仕組みを導入するとともに、市場価格に一定のプレミアムを上乗せして交付する制度(Feed in Premium = FIP制度)が創設されます。FIP制度は、発電した電気を卸電力取引市場や相対取引で取引させつつ、基準価格(FIP価格)(固定)と市場価格に基づく価格(参照価格)(一定期間内は固定、長期的には変動)の差額(プレミアム。令和2年改正法では「供給促進交付金」と定義されています。)を上乗せして交付する制度です。FIP制度の対象となる案件は、令和2年改正法上、「交付対象区分等」と定義されていますが、いかなる案件が「交付対象区分等」に該当するかは経済産業大臣が告示で定めることとされています。なお、2020年2月に公表された主力電源化小委員会中間取りまとめによれば、FIP制度の対象は、「競争力ある電源への成長が見込まれる電源(競争電源)」あるいは「発電コストが着実に低減している電源又は低廉な電源として活用し得る電源」とされ、具体的には「大規模事業用太陽光発電、風力発電等」と提言されています。また、同小委員会における議論や中間取りまとめによれば、投資インセンティブの確保と市場価格を意識した発電行動の両立を目指すために、参照価格は一定期間固定しつつ長期的には変更するものとする方向で検討されているものと考えられます。ただし、本投資法人の保有物件は、既にFIT制度による売電が開始されているところ、これまでの主力電源化小委員会での議論や国会審議での答弁からして、これらについては引き続き現在のFIT制度の対象となり、FIP制度に移行する訳ではないと考えています。そのため、本投資法人は、仮に、令和2年改正法が施行されてFIP制度が導入されたとしても、本投資法人が保有する太陽光発電所の売電方法や買取価格に影響を与える可能性は低いと考えています。
さらに、令和2年改正法では、長期未稼働案件により空押さえされた系統容量を開放する観点から、経済産業大臣の認定について、認定失効制度が新たに導入されることになります。ただし、本投資法人の保有物件は、既にFIT制度による売電が開始されているところ、令和2年改正法が施行されて認定失効制度が導入されても、これにより本投資法人が保有する太陽光発電所の認定が失効することはありません。
また、令和2年改正法による改正事項ではありませんが、いわゆる発電側基本料金の導入が検討されています。
④ インフラファンド市場について
(イ) インフラファンド市場
東京証券取引所は、インフラストラクチャー(以下「インフラ」といいます。)に対する投資ニーズの高まりやインフラ整備の社会的意義等を踏まえ、専門家・有識者による「上場インフラ市場研究会」を開催するなど、わが国における再生可能エネルギー発電設備を運用対象とする投資信託の受益証券又は投資法人の投資証券の取引市場(以下「インフラファンド市場」といいます。また、インフラファンド市場に上場する投資信託又は投資法人を以下「上場インフラファンド」といいます。)の創設に向けた検討を実施してきましたが、投信法の改正により同法上の特定資産に再生可能エネルギー発電設備や公共施設等運営権(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成11年法律第117号。その後の改正を含みます。)第2条第7項に規定する公共施設等運営権をいいます。以下同じです。)が追加されたことなどを踏まえ、2015年4月30日、再生可能エネルギー発電設備等その他のインフラ資産等(注)を投資対象とするインフラファンド市場を創設しました。この市場は、「震災復興への活用はもちろんのこと、エネルギー源の多様化や高度経済成長期に集中整備したインフラの維持・更新、また、アジア経済圏の成長の基盤となるインフラ運営への活用など」(上場インフラ市場研究会報告書(2013年5月))も期待されています。そのような状況の中、本投資法人は、2016年6月2日に初の上場インフラファンドとして当該市場に上場しました。その後、同市場に上場する他の投資法人も現れており、今後のインフラファンド市場の活性化が期待されます。
(注)東京証券取引所の有価証券上場規程及び同施行規則に定義される「インフラ資産等」とは、インフラ資産及びインフラ有価証券をいいます。このうち、上場インフラファンドの中核的な投資対象となることが想定されている「インフラ資産」には、再生可能エネルギー発電設備や公共施設等運営権に留まらず幅広い資産が含まれています。他方、2014年の投信法の改正により投信法で定める特定資産として追加されたのは、再生可能エネルギー発電設備及び公共施設等運営権のみとなっています。ただし、東京証券取引所の有価証券上場規程及び同施行規則に定義されるインフラ資産のうち不動産であるものは、不動産として投信法上の特定資産に該当します。
図:インフラファンド市場への上場までの経緯(ロ) 導管性要件について
税務上の導管性(投資法人と投資主との間の二重課税を排除するために認められている配当等の額を投資法人の損金の額に算入すること)を充足するための要件(以下「導管性要件」といいます。)の一つとして、投資法人の保有する特定資産(再生可能エネルギー発電設備及び公共施設等運営権を除きます。また、投信法施行令第3条第1号に掲げる有価証券のうち匿名組合契約等に基づく権利及び同条第8号に掲げる匿名組合出資持分にあっては、主として同条第1号に掲げる有価証券のうち匿名組合契約等に基づく権利以外のもの及び同条第2号から第7号までに掲げる資産に対する投資として運用することを約する契約に係るものに限ります。)の帳簿価額が、その時において本投資法人が有する総資産の帳簿価額の50%超となることが原則とされています。
ただし、例外的に、規約上再生可能エネルギー発電設備の運用の方法(その締結する匿名組合契約等の目的である事業に係る財産に含まれる再生可能エネルギー発電設備の運用の方法を含みます。)が賃貸のみである旨が規定されている上場投資法人については、2023年3月31日までの期間内に再生可能エネルギー発電設備を取得(当該投資法人が締結している匿名組合契約等の目的である事業に係る財産としての当該匿名組合契約等に基づいて出資を受ける者による取得及び匿名組合契約等(その目的である事業に係る財産のうちに再生可能エネルギー発電設備を含むものに限ります。)に基づいて出資をした者からの当該匿名組合契約等に係る地位の承継を含みます。以下、本「(ロ) 導管性要件について」において同じです。)した場合、そのはじめての取得の日からその取得をした再生可能エネルギー発電設備をはじめて貸付けの用に供した日以後20年を経過するまでの間に終了する各事業年度の間は、再生可能エネルギー発電設備並びに主として再生可能エネルギー発電設備に対する投資として運用することを約する匿名組合契約等に基づく権利及び投信法施行令第3条第8号に掲げる匿名組合出資持分も前記総資産の帳簿価額の50%超の判定に際し分子に含めて計算してよいものとされており、本投資法人は同例外要件によって上記の導管性要件を充足する見込みです。したがって、現状の税法上は、本投資法人の導管性は2036年5月31日までに限り充足することが可能な見込みです。
なお、運用資産等の総額に占めるインフラ資産等の比率に係る上場廃止基準等が適用されない特例インフラファンド(東京証券取引所の有価証券上場規程第1521条第1項)の制度を利用すること等により、運用資産に占める再生可能エネルギー発電設備及び公共施設等運営権以外の特定資産の割合を増加させ、2036年6月1日以降も引き続き導管性要件を充足できるような形態で運用を継続することも可能ですが、本資産運用会社は、本書の日付現在、本投資法人についてそのような運用を行う予定はありません。
導管性要件の詳細については、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ① 本投資証券の商品性に関するリスク (ト) 現時点の税制の下では、インフラファンドの投資法人については導管性を維持できる期間が20年に限定されるリスク」をご参照ください。
⑤ 本投資法人の特徴
(イ) 本投資法人の仕組みと特性
本投資法人は、太陽光発電設備等を主とする再生可能エネルギー発電設備等へ投資します。税務上の導管性を充足するため、本投資法人は、投資した再生可能エネルギー発電設備等については賃借人へ賃貸し、賃借人から賃料を受領します。保有資産(「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」を除きます。)については、すべてタカラレーベンが賃借人兼オペレーターとなります。「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」の賃借人は特別目的会社(以下「SPC」といいます。)であり、オペレーターはタカラレーベンです。本投資法人、SPC及びタカラレーベンの間でプロジェクト契約を締結し、本投資法人及びSPCは、タカラレーベンに対し、太陽光発電設備等の運営・維持管理等を委託します。ただし、今後取得する資産についてはタカラレーベン以外が賃借人やオペレーターとなる可能性があります。
賃料は、原則として、最低保証賃料を基本としつつも、売電収入に連動する実績連動賃料も組み合わせた形態とする方針です。本投資法人は、当該賃料の中から投資法人の運営に必要となる各種費用を支払い、その後投資主に分配金を支払います。保有資産に関する、本投資法人における各関係者との契約関係・役務関係の各概念図は以下のとおりです。
[従来の方式]
<契約関係>

<役務関係>

[SPC方式]
<契約関係>

<役務関係>
(注1)上記<契約関係>及び<役務関係>の図では、O&M業者との契約は本投資法人との二者間の契約ですが、実際には、自家用電気工作物に係る主任技術者の外部選任、外部委託等に関連する保安監督業務、保安管理業務等の委託契約につき、発電事業者である賃借人又はオペレーターを含めた三者間の契約となる場合もあります。(注2)上記<契約関係>及び<役務関係>の図では、地権者から土地賃貸・地上権設定を受ける形となっていますが、本投資法人は、敷地等を自ら所有する場合や地権者から土地賃貸・地上権設定を受けた第三者から土地を転借する場合もあります。
a. 本投資法人
本投資法人は、主として、太陽光発電設備等を中心とした再生可能エネルギー発電設備等に投資します。そして、本投資法人は、再生可能エネルギー発電設備等を賃貸することにより運用します。保有資産(「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」を除きます。)については、再生可能エネルギー発電設備等を賃借人兼オペレーターに賃貸し、賃借人兼オペレーターより最低保証賃料及び売電収入に連動した実績連動賃料を受領します。また、本投資法人は、再生可能エネルギー発電設備等の管理委託契約に基づき、その維持・管理等を賃借人兼オペレーターに委託します。「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」については、再生可能エネルギー発電設備等を賃借人に賃貸し、賃借人より最低保証賃料及び売電収入に連動した実績連動賃料を受領します。また、本投資法人及び賃借人は、プロジェクト契約に基づき、再生可能エネルギー発電設備等の運営・維持管理等をオペレーターに委託します。本投資法人では、賃借人及びオペレーターの経営状況並びに再生可能エネルギー発電設備等の運営状況等について継続的にモニタリングを行うとともに、原則として、賃借人との賃貸借契約又はオペレーターとの管理委託契約若しくはプロジェクト契約において、賃借人又はオペレーターの財務状態が悪化した場合等において賃貸借契約又は管理委託契約若しくはプロジェクト契約を解除できる旨の規定を設け、かかる場合に再生可能エネルギー発電設備等を他の賃借人に賃貸するとともに、その運営・維持管理等を他のオペレーターに委託することを可能とする方針です。
b. 本資産運用会社
本投資法人の資産運用会社である本資産運用会社は、タカラレーベンの連結子会社であり、本投資法人から資産運用業務を受託します。タカラレーベンからのサポートを受けつつ、本投資法人のために、再生可能エネルギー発電設備等への投資、投資した再生可能エネルギー発電設備等の資産管理、賃借人及びオペレーターの経営状況並びに再生可能エネルギー発電設備等の運営状況のモニタリング等を行います。
c. スポンサー
スポンサーとしてのタカラレーベンは、スポンサーサポート契約(タカラレーベンが本投資法人及び本資産運用会社との間で、本投資法人に対するサポート等に関し、2015年12月15日付で締結したスポンサーサポート契約(その後の変更を含みます。)をいいます。以下同じです。)において、本投資法人とタカラレーベングループが、相互の事業の発展のための継続的協力関係を確立し、相互の事業の拡大発展を達成することを目的とし、タカラレーベンの本投資法人への出資の一定程度の維持(セイムボート出資)、タカラレーベングループが保有する再生可能エネルギー発電設備・不動産関連資産の物件情報の優先的提供及び優先的に売買交渉をする権利(以下「優先的売買交渉権」といいます。)の付与、第三者保有物件情報の提供、資産取得業務等の支援、ウェアハウジング機能の提供、資産の共有に関する協議、賃貸借契約の締結協議、オペレーターの選定等支援、O&M業者の選定等支援、資産売却に関する情報の提供、固定価格買取期間終了後の電力売却支援、融資に関する情報提供等、境界紛争に係る対応支援、土壌汚染に係る対応支援その他のサポートを行います。スポンサーサポート契約の詳細については、後記「(ロ) 運用戦略と成長戦略 a. 運営サポート体制(タカラレーベンのスポンサーサポート体制) ⅲ. スポンサーサポートの活用」をご参照ください。
d. 賃借人
保有資産(「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」を除きます。)についてはすべてタカラレーベンが賃借人(兼オペレーター)となります。「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」についてはSPCが賃借人となります。
また、今後取得する資産についてもタカラレーベンが賃借人(兼オペレーター)となる場合がありますが、その他の事業者が賃借人(兼オペレーター)となる場合もあり得ます。また、賃借人がいわゆるSPCの場合等では、賃借人とオペレーターが異なる場合もあり得ます(この場合、賃借人たるSPCはオペレーターに太陽光発電設備等の運営・維持管理等を委託します。)。いずれの場合も賃借人が買取電気事業者から売電収入を受領し、本投資法人に対して賃料を支払います(注1)(注2)(注3)。
(注1)本投資法人は、賃借人(兼オペレーター兼発電事業者)であるタカラレーベンに対して保有する賃料債権その他の運用資産(SPC方式の資産を除きます。以下本(注1)において同じです。)に係る賃貸借契約に基づく債権を被担保債権として、(i)タカラレーベンとの間で、2016年4月4日付で、タカラレーベンが特定契約及び接続契約の相手方である買取電気事業者及び接続電気事業者(タカラレーベンが2016年3月31日以前に東京電力株式会社(当時)と締結した特定契約兼接続契約については東京電力エナジーパートナー株式会社)に対して特定契約及び接続契約に基づき保有する一切の債権(ただし、当該相手方が当該担保権の設定についての承諾の範囲を限定した場合には、当該限定された範囲の債権とします。以下、本(注1)において「対象債権」といいます。)に対する債権譲渡担保契約を締結しており、当該譲渡担保契約に基づき、タカラレーベンに本投資法人のために各運用資産の取得日付で当該運用資産に係る対象債権に対して譲渡担保権を設定させ、また、(ii)タカラレーベンとの間で、2016年4月4日付で、タカラレーベンが保険会社に対して企業費用・利益総合保険の保険契約に基づき保有する一切の請求権(以下、本(注1)において「対象保険金請求権」といいます。)に対する保険金請求権質権設定契約を締結しており、当該質権設定契約に基づき、タカラレーベンに本投資法人のために各運用資産の取得日付で当該運用資産に係る対象保険金請求権に対して質権を設定させ、さらに、(iii)タカラレーベンとの間で、2016年4月4日付で、タカラレーベンと買取電気事業者及び接続電気事業者(タカラレーベンが2016年3月31日以前に東京電力株式会社(当時)と締結した特定契約兼接続契約については東京電力エナジーパートナー株式会社)との間の特定契約及び接続契約上の地位(以下、本(注1)において「対象地位」といいます。)の譲渡予約契約を締結しており、当該地位の譲渡予約契約に基づき、タカラレーベンに本投資法人のために各運用資産の取得日付で当該運用資産に係る対象地位の譲渡に係る予約完結権を設定させるとともに、(iv)各運用資産の取得にあたり、上記の譲渡担保権の設定及び地位の譲渡予約に係る買取電気事業者及び接続電気事業者(タカラレーベンが2016年3月31日以前に東京電力株式会社(当時)と締結した特定契約兼接続契約については東京電力エナジーパートナー株式会社)からの承諾並びに上記の質権の設定に係る保険会社からの承諾を取得します。
(注2)本投資法人は、賃借人(兼発電事業者)であるSPCに対して保有する賃料債権その他の運用資産(SPC方式の資産に限ります。以下本(注2)において同じです。)に係る賃貸借契約に基づく債権を被担保債権として、(i)SPCとの間で、SPCが特定契約及び接続契約の相手方である買取電気事業者及び接続電気事業者(SPCが2016年3月31日以前に東京電力株式会社(当時)と締結した特定契約兼接続契約については東京電力エナジーパートナー株式会社)に対して特定契約及び接続契約に基づき保有する一切の債権(ただし、当該相手方が当該担保権の設定についての承諾の範囲を限定した場合には、当該限定された範囲の債権とします。以下本(注2)において「対象債権」といいます。)に対する債権譲渡担保契約を締結し、当該譲渡担保契約に基づき、SPCに本投資法人のために各運用資産の取得日付で当該運用資産に係る対象債権に対して譲渡担保権を設定させ、(ii)SPCとの間で、SPCが保険会社に対して企業費用・利益総合保険の保険契約に基づき保有する一切の請求権(以下本(注2)において「対象保険金請求権」といいます。)に対する保険金請求権質権設定契約を締結し、当該質権設定契約に基づき、SPCに本投資法人のために各運用資産の取得日付で当該運用資産に係る対象保険金請求権に対して質権を設定させ、(iii)SPCとの間で、SPCと買取電気事業者及び接続電気事業者(SPCが2016年3月31日以前に東京電力株式会社(当時)と締結した特定契約兼接続契約については東京電力エナジーパートナー株式会社)との間の特定契約及び接続契約上の地位(以下本(注2)において「対象地位」といいます。)の譲渡予約契約を締結し、当該地位の譲渡予約契約に基づき、SPCに本投資法人のために各運用資産の取得日付で当該運用資産に係る対象地位の譲渡に係る予約完結権を設定させ、(iv)SPC及びその社員との間で、当該社員が保有する当該SPCの社員持分に対する社員持分質権設定契約を締結し、当該質権設定契約に基づき、当該社員に本投資法人のために各運用資産の取得日付で当該運用資産に係るSPCの社員持分に対して質権を設定させ、(v)タカラレーベン及びSPCとの間で、タカラレーベンが保有するSPCに対する匿名組合出資持分に対する匿名組合出資持分質権設定契約を締結し、当該質権設定契約に基づき、タカラレーベンに本投資法人のために各運用資産の取得日付で当該運用資産に係るSPCに対する匿名組合出資持分(追加出資が行われた場合における、当該追加出資に係る持分も含む。)に対して質権を設定させるとともに、(vi)各運用資産の取得にあたり、上記の譲渡担保権の設定及び地位の譲渡予約に係る買取電気事業者及び接続電気事業者(SPCが2016年3月31日以前に東京電力株式会社(当時)と締結した特定契約兼接続契約については東京電力エナジーパートナー株式会社)からの承諾並びに上記の各質権の設定に係る保険会社及びSPCからの承諾を取得します。
(注3)SPC方式の場合、実際の売電収入が最低保証賃料額等、SPCの公租公課その他のSPCが支出すべき支払に対して十分でないときは、通常SPCに余剰の支払原資はなく、これらの支払が滞る可能性があります。SPC方式を利用する「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」については、タカラレーベンがSPCによる本投資法人に対する最低保証賃料額の支払債務を連帯保証するほか、SPCの公租公課や第三者に支払うべき費用に充てる資金が不足する場合にSPCに対し匿名組合出資その他の方法により必要資金の拠出を行う予定です。
e. オペレーター
本投資法人(賃借人がSPCの場合は、本投資法人及び賃借人)は、保有資産のオペレーターであるタカラレーベンに対し、当該資産の運営・維持管理等を委託します(注1)(注2)。
(注1)SPC方式を利用する物件以外の物件に関しては、本投資法人及びタカラレーベンの間で再生可能エネルギー発電設備等の管理委託基本契約が締結されており、当該契約において、本投資法人は、新規に再生可能エネルギー発電設備等を取得しそれを賃貸する賃貸借契約をタカラレーベンと締結した場合には、当該再生可能エネルギー発電設備等を運営委託契約の対象とする管理委託追加契約を両者間で締結し、その運営・維持管理等をタカラレーベンに委託し、タカラレーベンはそれを受託するものとされています。
(注2)SPC方式を利用する「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」に関しては、それぞれ、本投資法人、賃借人であるSPC及びタカラレーベンの間でプロジェクト契約が締結され、当該契約において、本投資法人は、太陽光発電設備等の維持、管理等をタカラレーベンに委託し、賃借人であるSPCは、太陽光発電設備等の運営・維持管理等をタカラレーベンに委託し、タカラレーベンは、これらの業務を受託するとともに、SPCによる本投資法人に対する最低保証賃料額の支払債務を連帯保証するほか、SPCの公租公課や第三者に支払うべき費用に充てる資金が不足する場合にSPCに対し匿名組合出資その他の方法により必要資金の拠出を行うことを約束しています。本投資法人及びタカラレーベンの間で再生可能エネルギー発電設備等の管理委託基本契約が締結されており、当該契約において、本投資法人は、新規に再生可能エネルギー発電設備等を取得しそれを賃貸する賃貸借契約をタカラレーベンと締結した場合には、当該再生可能エネルギー発電設備等を運営委託契約の対象とする管理委託追加契約を両者間で締結し、その運営・維持管理等をタカラレーベンに委託し、タカラレーベンはそれを受託するものとされています。
f. 地権者等
後記「(ニ) ポートフォリオ構築方針 i. 太陽光発電設備の設置、保守、運用に必要な用地の確保」に記載のとおり、本投資法人は、太陽光発電設備の設置、保守、運用に必要な用地(当該設置場所から電力会社の系統に接続する地点までの送電線が経由する土地(以下「送電線敷設用地」といいます。)を除きます。)を、賃借権若しくは転借権又は地上権によって確保することがあり、この場合、地権者又は転貸人が本投資法人の関係者となります。当該賃借権若しくは転借権又は地上権は、原則として、その敷地等に係る太陽光発電設備の調達期間中存続する(契約の更新又は再締結を含みます。)ことを本投資法人が合理的に判断できるものであることを必要とします。
g. O&M業者
保有資産に関しては、O&M業務は賃貸人である本投資法人から委託しています(注)。本投資法人は、委託に際し、中長期にわたる安定した収益の確保と資産価値の維持及び向上を目指し、発電量、売電収入、適切な管理及び修繕の実施、管理コストの適正化及び効率化並びに再委託先への再委託状況についてモニタリングします(本資産運用会社が必要と認めるときは、再委託先に対する直接のモニタリングを行います。)。また、本投資法人は、保有資産に関して、O&M業者の管理に関する業務をオペレーターに委託して行わせます。
なお、将来的に賃借人がO&M業者に資産管理を委託する場合、委託状況のモニタリングは第一次的には委託者である賃借人が行いますが、本投資法人も賃借人との賃貸借契約等を通じて間接的に行うこととします。
(注)O&M業者との契約は、基本的には本投資法人との二者間の契約ですが、実際には、自家用電気工作物に係る主任技術者の外部選任、外部委託等に関連する保安監督業務、保安管理業務等の委託契約につき、発電事業者である賃借人又はオペレーターを含めた三者間の契約となる場合もあります。
h. 接続電気事業者
賃借人兼オペレーターとして保有資産(「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」を除きます。)に係る発電事業者となるタカラレーベン又は賃借人として「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」に係る発電事業者となるSPCとの間で接続契約(注)を締結します。接続契約に従い、保有資産である再生可能エネルギー発電設備と接続電気事業者の電線路を電気的に接続します。
(注)接続契約の詳細については、前記「③ 太陽光発電事業の概要について (ロ) 固定価格買取制度の概要 a. 固定価格買取制度の基本的な仕組み」をご参照ください。
i. 買取電気事業者
賃借人兼オペレーターとして保有資産(「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」を除きます。)に係る発電事業者となるタカラレーベン又は賃借人として「LS千葉山武東・西発電所」及び「LS広島三原発電所」に係る発電事業者となるSPCとの間で、再生可能エネルギーの固定価格買取制度に基づき、特定契約を締結します。特定契約に従い、タカラレーベン又はSPCから当該再生可能エネルギー発電設備で発電した電気を調達価格により調達します。
j. 保険会社
本資産運用会社は、火災又は事故等に起因する設備への損害、第三者からの損害賠償請求等のリスク、又は落雷若しくは風水災等偶然かつ突発的な事故により再生可能エネルギー発電設備等が損壊し、復旧するまでの間、発電(売電)が不可能になった場合の逸失利益に対処するため、必要な火災保険、損害賠償保険及び利益保険等を運用資産に付保する方針です。ただし、予想される個別の資産又はポートフォリオ全体に対する影響と保険の実効性を勘案して、付保しないこともあります。
(ロ) 運用戦略と成長戦略
本投資法人は、スポンサーであるタカラレーベンによるサポートを活用しつつ、本資産運用会社独自のネットワークの活用等の取組みも組み合わせながら、投資主価値を最大化することを目指します。
本投資法人は、スポンサーであるタカラレーベン及び本資産運用会社との間で本投資法人に対する支援等に関し、スポンサーサポート契約を締結しています。同契約において、本投資法人とタカラレーベングループは、相互の事業の発展のための継続的協力関係を確立し、相互の事業の拡大発展を達成すること及び本投資法人の中長期的な安定かつ継続的な成長を目指すこととしています。
a. 運営サポート体制(タカラレーベンのスポンサーサポート体制)
i タカラレーベンの概要
スポンサーであるタカラレーベンは、1972年9月に設立され、戸建分譲事業及び分譲マンション事業を展開し、2001年にJASDAQ上場、2003年に東京証券取引所市場第二部上場、2004年に東京証券取引所市場第一部に上場しました。株式会社不動産経済研究所(以下「不動産経済研究所」といいます。)によれば、2019年全国マンション供給戸数ランキングにおいてはタカラレーベンは8位となっています。
ⅱ タカラレーベンにおける太陽光発電事業の実績
タカラレーベンは、太陽光発電マンションのパイオニアとして、2013年よりメガソーラー事業にも参入しており、2020年7月末時点で、既に稼働させている太陽光発電設備等は35箇所で合計110.4MW規模(注1)、開発中の太陽光発電設備等は4箇所で合計62.2MW規模(注1)のパネル出力になります。また、2020年5月26日付で2021年3月期の目標として、発電事業において250MWの発電規模を目指す(注2)ことを公表しています。なお、タカラレーベンは、電気事業法等の一部を改正する法律(平成26年法律第72号)附則第8条第3項に基づき、2016年5月11日に電気事業法第2条第1項第14号に規定する発電事業(注3)の届出を行い、同日以降、同項第15号に規定する発電事業者(注4)となり、かつ、同法により加入が義務付けられている電力広域的運営推進機関の会員となっています。
(注1)本投資法人の保有資産に係る太陽光発電設備のパネル出力が含まれています。なお、2020年7月末時点の実績については、スポンサーから受領した資料により確認した情報です。
(注2)株式会社タカラレーベン2020年3月期決算説明会プレゼンテーション資料によります。なお、当該発電規模の目標値を達成できるとは限りません。
(注3)電気事業法第2条第1項第14号に規定する「発電事業」とは、自らが維持し、及び運用する発電用の電気工作物を用いて小売電気事業、一般送配電事業又は特定送配電事業の用に供するための電気を発電する事業であって、その事業の用に供する発電用の電気工作物が経済産業省令で定める一定の規模を超えるものをいいます。ここでいう「小売電気事業」、「一般送配電事業」及び「特定送配電事業」とは、それぞれ、電気事業法第2条第1項第2号、第8号及び第12号に定義される意味によります。
(注4)電気事業法第2条第1項第15号に規定する「発電事業者」とは、電気事業法第2条第1項第14号に規定する発電事業を営むことについて、電気事業法及び経済産業省令で定める事項を経済産業大臣に届け出た者をいいます。
図:タカラレーベンの開発した太陽光発電所用地タカラレーベンが関東を中心に分譲マンション事業及び戸建分譲事業を展開しており、当該地域におけるネットワークを有していることから、タカラレーベンの太陽光発電所用地は、東京電力パワーグリッド株式会社管内である関東地方において多く開発されています。新規接続申込に対して適用される出力抑制ルール(注1)は地域によって適用されるルールが異なりますが、東京電力パワーグリッド株式会社が管轄するエリアは、人口が多く接続可能量が大きいため、2020年8月26日現在、同社は指定電気事業者(注2)に指定されておらず、太陽光発電に係る新規接続申込に対して360時間ルール(注1)が適用されています。したがって、本投資法人は、後記「ⅲ スポンサーサポートの活用」に記載のスポンサーサポートの活用によりスポンサーから資産を取得することがあるところ、その場合、スポンサーのパイプラインは出力抑制の影響が比較的小さい地域の太陽光発電設備が中心になることが見込まれます。
なお、本投資法人は、賃借人であるタカラレーベン又はSPCとの保有資産に係る賃貸借契約において、無補償の出力抑制があった場合においても最低保証賃料を受け取れること(注3)とされています。
(注1)「適用される出力抑制ルール」は、接続電気事業者が電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則(平成24年経済産業省令第46号。その後の改正を含みます。以下「再エネ特措法施行規則」といいます。)に定める回避措置を講じたとしてもなお、接続電気事業者における電気の供給量がその需要量を上回ることが見込まれる場合において接続契約上無補償で出力の抑制が求められ得る期間の上限に関して適用があるルールを記載しています。「30日ルール」とは、かかる期間の上限が年間30日である場合をいい、「360時間ルール」とは、かかる期間の上限が年間360時間である場合をいい、「指定ルール」とは、上記のような期間の上限なく無制限に無補償で出力の抑制が求められ得る場合をいいます。なお、指定ルールは、下記(注2)記載の指定電気事業者がその接続申込量が接続可能量を超過した場合にのみ採用することができます(再エネ特措法施行規則第14条第1項第11号)。
(注2)「指定電気事業者」とは、再エネ特措法施行規則第14条第1項第11号に定める指定電気事業者を意味し、同項第8号イの規定により特定契約電気事業者(同規則第14条第1項第1号に定める意味によります。)が損害の補償をすることなく特定契約申込者(同規則第14条第1項第2号に定める意味によります。)に求めることができる種類の認定発電設備(認定に係る再生可能エネルギー発電設備をいい、経済産業大臣が指定する種類の再生可能エネルギー発電設備に限ります。)の出力の抑制の上限を超えて出力の抑制を行わなければ当該再生可能エネルギー発電設備により発電された電気を追加的に受け入れることができなくなることが見込まれる電気事業者として経済産業大臣が指定する電気事業者をいいます。以下同じです。
(注3)出力抑制に関して指定ルールが適用されるLS長崎諫早発電所については、出力抑制が実施された場合、最低保証賃料が無補償出力抑制調整額(注4)だけ減額されます。これに関するリスクについては、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ⑤ 発電事業に係る権利・法制度に関するリスク (ハ) 出力抑制を求められるリスク」をご参照ください。以下同じです。
(注4)「無補償出力抑制調整額」とは、想定売電収入から当該月に行われた出力抑制により実績売電収入が減少した金額として以下に定める方法により算出する金額をいいます。以下同じです。
各月について以下(a)及び(b)の算定式により算出される金額のうちいずれか低い方の金額(消費税及び地方消費税別途)とする。なお、以下の計算の結果、1円未満の端数を生じた場合は、当該端数は切り捨てる。
(a)想定売電収入-実績売電収入
(b)出力抑制時想定売電収入
上記において、「出力抑制時想定売電収入」は、当該月について、以下の算定式により算出される数値とする。
出力抑制時想定売電収入 =出力抑制時想定発電量 × 本件調達価格
出力抑制時想定発電量 = 当該月に実施された出力抑制の時間(分)× 1分当たりの当月想定発電量
1分当たりの当月想定発電量 =当該月の想定発電量÷当該月の日照時間(分)(イー・アンド・イーソリューションズ株式会社作成の「テクニカルレポート」に記載される雲仙岳の気象データの平年値としての日照時間)
ⅲ スポンサーサポートの活用
タカラレーベンは、これまでの太陽光発電設備の開発及び太陽光発電事業の運営を通して、高い事業運営ノウハウを有しています。本投資法人及び本資産運用会社は、以下の内容を有するスポンサーサポート契約及び商標の使用等に関する覚書(タカラレーベンが本投資法人及び本資産運用会社との間で、本投資法人に対するサポート等に関し、2015年12月15日付で締結した商標の使用等に関する覚書(その後の変更を含みます。)をいいます。以下同じです。)をタカラレーベンとの間で締結しています。これらにより、外部成長及び内部成長に関連するスポンサーからの様々なサポートやスポンサーのブランド力を活用することが可能となり、今後の本投資法人の成長に寄与するものと本投資法人は考えています。
<スポンサーサポート契約の内容(外部成長戦略関連)>(a) タカラレーベングループ保有物件情報の優先的提供及び優先的売買交渉権の付与
タカラレーベングループが保有している再生可能エネルギー発電設備・不動産関連資産(本投資法人及び本資産運用会社の投資方針に合致する資産に限ります。以下「適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等」といいます。)を売却しようとする場合には、本投資法人及び本資産運用会社に対し、第三者に先立ち当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等に関する情報を優先的に提供し、優先的売買交渉権を付与するものとします。
前記に従い適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等に関する情報の提供を受けた日(同日を含みます。)から60銀行営業日(以下「優先検討期間」といいます。)以内に、本投資法人及び本資産運用会社は、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の取得の意向の有無を優先的売買交渉権を付与した者(以下「優先交渉権付与者」といいます。)に回答するものとします。なお、優先交渉権付与者と本投資法人又は本資産運用会社とが別途合意した場合、検討期間は、当該合意した期間延長されます。
優先交渉権付与者は、優先検討期間内に本投資法人又は本資産運用会社から当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の取得の意向がある旨を回答された場合、本投資法人又は本資産運用会社と当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の売却の条件について誠実に協議し、合意に達した場合、優先交渉権付与者は、本投資法人に対し、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等を売却します。
本投資法人及び本資産運用会社が、優先交渉権付与者に対し、(i)優先検討期間内に取得の意向がある旨を回答しなかった場合、(ii)取得の意向がない旨を回答した場合又は(iii)取得の意向がある旨を回答したものの当該回答を優先交渉権付与者が受領した日(同日を含みます。)から60銀行営業日又は優先交渉権付与者と本投資法人若しくは本資産運用会社とが別途合意して定める期間内に売却の条件について合意に達しなかった場合、優先的売買交渉権は消滅します。
なお、前記物件情報の優先的提供及び優先的売買交渉権の付与は、(i)タカラレーベングループが行政機関の要請に基づいて適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等を売却する場合及び(ii)タカラレーベングループがスポンサーサポート契約締結前に締結済みの第三者との契約に基づき、当該第三者に対して優先的売買交渉権を付与することを要する場合には適用されません。
(b) 第三者保有物件情報の提供
スポンサーは、第三者が所有、開発又は運営する適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等について、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の所有者が売却を検討していることを知った場合には、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の所有者の意向等で情報を提供することができない場合を除き、本投資法人及び本資産運用会社に対し、遅くとも第三者に情報を提供すると同時に当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等に関する情報を提供します。ただし、スポンサーがスポンサーサポート契約締結前に締結済みの第三者との契約に基づき、当該第三者に対して優先的に情報提供することを要する場合(優先的売買交渉権を付与することを要する場合を含みます。)はこの限りではありません。
(c) 資産取得業務等の支援
スポンサーは、本投資法人がタカラレーベングループ以外の第三者から適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等を取得しようとする場合において本資産運用会社から要請されたときは、タカラレーベングループが保有する人的及び物的資源、インフラ産業や再生可能エネルギー分野における知識、経験及び再生ノウハウ並びに国内外のネットワークその他の資源を利用して、本投資法人の資産取得業務等を効率的に行うことを目的として、本投資法人及び本資産運用会社のために、本投資法人及び本資産運用会社の要請に応じ、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等に関する情報収集及び提供、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等における運営計画及び広報戦略等の立案及び検討、当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の改善計画の立案及び検討その他の支援業務を行い、本資産運用会社による当該適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の取得業務等を支援するものとします。
(d) ウェアハウジング機能の提供
本投資法人及び本資産運用会社は、将来における本投資法人による適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の取得を目的として、取得予定時期並びに取得予定価格又は取得価格の決定方法等を提示した上で、第三者が保有又は運用している適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の取得及び一時的な保有(ウェアハウジング)をスポンサーに依頼することができ、スポンサーは、かかる依頼を誠実に検討し、当該依頼を受けた日(同日を含みます。)から15銀行営業日以内に、受諾の可否を本投資法人及び本資産運用会社に対し回答します。
(e) 資産の共有に関する協議
本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーに対して、本投資法人との間で適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等を共有(準共有を含みます。)することを申し入れることができ、スポンサーは、かかる申入れについて真摯に検討するものとします。
<スポンサーサポート契約の内容(内部成長戦略関連)>(a) 賃貸借契約の締結協議
本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーが本資産運用会社の定めるオペレーターの選定基準(以下「オペレーター選定基準」といいます。同基準の詳細については、後記「(ト) 資産管理方針 a. オペレーターの選定基本方針」及び同「b. オペレーターの選定基準」をご参照ください。)を満たすことを条件に、賃借人兼オペレーターとして賃貸借契約を締結することをスポンサーに申し入れることができ、スポンサーは、かかる申入れについて真摯に検討するものとします。
(b) オペレーターの選定等支援
スポンサーは、本投資法人の運用資産の運営に係るオペレーターの選定、期中管理、交代等の業務について支援するものとします(適切なオペレーターの探索及び確保、前記(a)の申入れに基づきスポンサー自身がオペレーターとなること等を含みますがこれらに限られません。)。
(c) O&M業者の選定等支援
スポンサーは、O&M業者の選定、期中管理、交代等の業務について支援するものとします(適切なO&M業者の探索及び確保、スポンサー自身によるO&M業務の一部又は全部の遂行等を含みますがこれらに限られません。)。
(d) 売却資産に関する情報の提供
スポンサーは、本投資法人及び本資産運用会社から保有資産の売却を予定している旨の通知を受けた場合には、当該売却予定の資産を購入する意欲があると合理的に見込まれる購入希望者の情報(スポンサー自身が購入を希望する場合はその旨の情報を含みます。)を、本投資法人及び本資産運用会社に対し、第三者に先立ち優先的に提供するものとします。
(e) 固定価格買取期間終了後の電力売却支援
スポンサーは、本投資法人及び本資産運用会社から依頼された場合、本投資法人が保有する再生可能エネルギー発電設備における固定価格買取期間が終了した後、当該設備に係る売電事業者(当該設備の賃借人を含みます。)が、当該設備において発電する再生可能エネルギー電気の売却手段を早期に確保(当該再生可能エネルギー電気の新たな買取先となる電気事業者の確保による場合を含みますがこれに限られません。)できるよう支援するものとします。
(f) 融資に関する情報提供等
スポンサーは、本投資法人及び本資産運用会社から依頼された場合、本投資法人の融資による資金調達に関する情報提供及びアドバイスの提供を行うものとします。
(g) 境界紛争に係る対応支援
スポンサーは、本投資法人が保有する土地の境界に関して隣地所有者その他の者との間で紛争又はその可能性が生じた場合において、本投資法人及び本資産運用会社から依頼された場合、当該紛争の相手方との協議、交渉その他の対応について支援するものとします。
また、本投資法人がタカラレーベングループから土地を購入又は賃借する場合(借地権等の承継を行う場合を含みます。以下、本(g)において同じです。)であって、本投資法人による購入又は賃借前の調査の結果、境界に関する紛争が生じる合理的可能性があると認められその他これに準ずる事由があると本投資法人又は本資産運用会社が判断し、スポンサーに要請したときは、スポンサーは、当該土地等の譲渡人又は賃貸人等となるタカラレーベングループに属する者が、本投資法人との間で締結する土地等の売買契約又は賃貸借契約において、①自ら又は地主をして境界について隣地所有者との間で交渉を行い、境界確認書の締結等本投資法人が合理的に要請する措置を講じるよう最大限努力するとともに、②これらの事由に起因して本投資法人が損害等を被り又は何らかの負担をする場合には、本投資法人に対し、かかる損害等を賠償する旨を約するよう、必要な措置を講じるものとします。
(h) 土壌汚染に係る対応支援
スポンサーは、土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改正を含みます。)(以下「土壌汚染対策法」といいます。)その他の環境関連法令等に基づき本投資法人に対しその保有する土地につき土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課され、又は課されるおそれが生じた場合において、本投資法人及び本資産運用会社から依頼された場合、当該義務の履行その他の対応について支援するものとします。
また、本投資法人がタカラレーベングループから土地を購入又は賃借する場合(借地権等の承継を行う場合を含みます。以下、本(h)において同じです。)であって、本投資法人による購入又は賃借前の調査の結果、土壌、地下水等の汚染に関する問題が生じる合理的可能性があると認められその他これに準ずる事由があると本投資法人又は本資産運用会社が判断し、スポンサーに要請したときは、スポンサーは、当該土地等の譲渡人又は賃貸人等となるタカラレーベングループに属する者が、本投資法人との間で締結する土地等の売買契約又は賃貸借契約において、①当該問題を解決するために本投資法人が合理的に要請する措置を講じるよう最大限努力するとともに、②これらの事由に起因して本投資法人が損害等を被り又は何らかの負担をする場合には、本投資法人に対し、かかる損害等を賠償する旨を約するよう、必要な措置を講じるものとします。
(i) その他の支援(人的サポート・ノウハウの提供等)
スポンサーは、本投資法人及び本資産運用会社から依頼された場合、本資産運用会社に対し、適用法令に反しない範囲で、(i)適格再生可能エネルギー発電設備・不動産等の取得及び運用(本投資法人の賃貸先又は業務委託先の管理(選定、期中管理、交代等)を含みます。)に関する助言・補助、(ii)人材の派遣を含め必要とされる人材確保への協力、並びに(iii)本資産運用会社の役職員に対する研修の提供その他の必要な支援を行うものとします。
<スポンサーサポート契約の内容(本投資法人の投資口の保有)>スポンサーは、本投資法人が新たに投資口を発行する場合には、当該投資口の一部を取得することについて真摯に検討し、本投資法人の投資口を取得した場合、特段の事情がない限り、本投資法人の投資口の保有を継続するものとします。
<商標の使用等に関する覚書の内容>商標(タカラレーベンブランド)の使用
本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーとの間で、商標の使用等に関する覚書を締結し、本投資法人及び本資産運用会社が事業を推進するに当たり、本投資法人が保有する物件が「タカラレーベン」及び「レーベンソーラー」の名称並びにそのロゴマークについてスポンサーが保有する商標を無償で、非独占的に使用することの許諾を受けています。
本投資法人は、商標(タカラレーベンブランド)の使用により、スポンサーのブランド力を活用することが可能となり、今後の本投資法人の成長に寄与するものと考えています。
b. 本投資法人の運用戦略
i 収入の安定化
(a) 組入資産について
(i)本投資法人は、前記「②再生可能エネルギー発電設備を取り巻く環境」で説明のとおり、太陽光発電設備は、発電コストや日照状況による短時間での出力変動、発電効率等について課題はあるものの、メンテナンスが比較的容易かつ燃料調達の必要がないため、安定的な発電が期待できる発電施設であり、また、固定価格買取制度により長期の買取価格が保証されていることから、安定したキャッシュ・フローを生み出す施設であると考えています。
(ii)本投資法人への組入資産については、以下の基準を原則として、収入の安定化を実現します。
I 取得資産は原則として稼働済みの太陽光発電設備等であること
II 各発電設備に対し、火災保険、利益保険及び賠償責任保険を付すこと
III O&M業務の外部委託により、適切なメンテナンスを実施すること
(b) 賃料形態について
本投資法人は、再生可能エネルギー発電設備等の賃貸借契約において、賃料は、原則として、一定の発電量予測値に基づく最低保証賃料と実績連動賃料を組み合わせた形態にし、かつ、その大部分が最低保証賃料となるように設定することにより、本投資法人の賃料収入の安定化を図ります。
具体的には、最低保証賃料は、原則として、NEDOがまとめた年間時別日射量データベース等を基礎としてテクニカルレポート(技術デュー・ディリジェンス業務報告書)の作成者その他の専門家によって算出されたいずれかの超過確率P(パーセンタイル)の発電量予測値に基づき算定された将来の月ごとの想定売電収入(以下「想定売電収入」といいます。)の100%(同額)とします。超過確率P(パーセンタイル)とは20年間の発電量の分布から得られる、ある発電量を上回ることとなる確率であり、例えば、「超過確率P(パーセンタイル)50の発電量が『X』MWhである」とは、「50%の確率で発電量が『X』MWhを上回ると想定される」ことを意味します。また、「超過確率P(パーセンタイル)75の発電量が『Y』MWhである」とは、「75%の確率で発電量が『Y』MWhを上回ると想定される」ことを意味します。したがって、最低保証賃料の計算においては、その前提とされる発電量予測値の算定に用いられる超過確率P(パーセンタイル)の数値が低いほど、高額の最低保証賃料を収受することが可能となります。本投資法人は、最低保証賃料が設定されていることで本投資法人の収入の安定化に寄与するものと考えています。なお、最低保証賃料は、無補償の出力抑制や天候不順等の外部要因により実際の発電量が当該予測値を下回った場合でも賃借人より収受できる賃料として設定されています。
そして、実績連動賃料は、原則として、賃借人から報告される実際の発電量に基づく月ごとの売電金額を基準とします。
なお、本投資法人は、上場に際しては、原則として、超過確率P(パーセンタイル)50の発電量予測値を基準として算定された将来の想定売電金額の100%(同額)を最低保証賃料とし、賃借人から報告される実際の発電量に基づく売電金額が当該最低保証賃料額の110%相当額よりも大きい場合に当該差額部分の50%を実績連動賃料とする方針を採用し、それに基づき上場時取得資産(上場後に取得した保有資産(以下「上場後保有資産」といいます。)以外の保有資産をいいます。以下同じです。)の賃料形態を定めました。
しかし、資産の大部分が償却資産であり減価償却費の割合が高いインフラファンドにおいては新規の物件を継続的に取得することにより外部成長を継続することが重要であるところ、上場時のように最低保証賃料の算定の基礎となる発電量予測値を超過確率P(パーセンタイル)50に固定化することにより物件取得の可能性が限定され、外部成長の制約となり得ることが上場後の運用を行う中で課題として本資産運用会社により認識されるに至りました。その上で、最低保証賃料を算定する基礎となる発電量予測値の超過確率P(パーセンタイル)については、取得を検討する資産の特性やその時点における資本市場、太陽光発電所を巡る市況等、諸般の事情を考慮して適切と判断される数値を都度採用できるようにする方が、売主との取得価格を含めた売買条件及び賃貸条件に係る柔軟な対応が可能となり、取得可能な再生可能エネルギー発電設備の選択肢が広がるため、本投資法人の外部成長の可能性を高めることができ、最終的には、本投資法人、ひいては投資主の利益に資すると判断し、この点についての方針を2017年1月20日付で変更することにしました。なお、最低保証賃料の算定の基礎となる発電量予測値についてどの超過確率P(パーセンタイル)に係るものを採用するかは当該発電所の本投資法人にとっての収益力に影響を与えることになりますが、バリュエーションレポート及び本資産運用会社における評価に際してはこの点を考慮して適切な評価額及び取得価格を算定します。
その上で、上場後保有資産については、超過確率P(パーセンタイル)75の発電量予測値を基準として算定された将来の想定売電金額の100%(同額)を最低保証賃料とし、賃借人から報告される実際の発電量に基づく売電金額が当該最低保証賃料額よりも大きい場合に当該差額部分の50%を実績連動賃料とすることとしました。
なお、賃借人がSPCである場合は、上記以外の賃貸条件を採用することを妨げず、本投資法人の利益に資するよう合理的に決定するものとします。
図:上場後保有資産の賃料形態
図:上場時取得資産の賃料形態(注1)賃借人がSPCである場合、最低保証賃料は、超過確率P(パーセンタイル)75の発電量予測値を基準として算定された想定売電金額の100%相当額からSPCに課される事業税相当額や住民税の均等割額が控除された後の金額とな
り、実績連動賃料は、実際の発電量に基づく売電金額が上記想定売電金額の100%相当額よりも大きい場合に当
該差額部分の50%の金額となります。なお、実際の売電収入が最低保証賃料額等、SPCの公租公課その他のSPCが
支出すべき支払に対して十分でないときは、通常SPCに余剰の支払原資はなく、これらの支払が滞る可能性があ
ります。SPC方式を利用する取得予定資産については、タカラレーベンがSPCによる本投資法人に対する最低保証
賃料額の支払債務を連帯保証するほか、SPCの公租公課や第三者に支払うべき費用に充てる資金が不足する場合
にSPCに対し匿名組合出資その他の方法により必要資金の拠出を行う予定です。
(注2)「LS静岡御前崎発電所」及び「LS三重四日市発電所」については、賃借人兼発電事業者であるタカラレーベンとみんな電力株式会社(以下「みんな電力」といいます。)間で特定卸供給に関する契約(以下「特定卸関連契約」といいます。)を締結しており、賃料形態は、(A)最低保証賃料と(B)実績連動賃料の合計に、同契約に基づきタカラレーベンがみんな電力より受領する約定プレミアム料金等(注3)の50%を加えた合計となります。
(注3)「約定プレミアム料金等」とは、当該発電所の発電設備を用いて発電され、一般送配電事業者である中部電力を通じてみんな電力に特定卸供給され、みんな電力の需要家である消費者に販売された電力量に、約定プレミアム単価(円/kWh)を乗じた金額(1円未満の端数は切り捨て)(以下「約定プレミアム料金」といいます。)に約定プレミアム料金に対する消費税及び地方消費税相当額を加算した金額をいいます。ただし、再エネ特措法第29条第2号で定める回避可能費用(回避可能費用とは、電気事業者が特定契約に基づき調達する再生可能エネルギー電気を使用した量に相当する量の電気を自ら発電し、又は調達するとしたならばその発電又は調達に要することとなる費用の額として経済産業省令で定める方法により算定した額であり、当該金額はFIT 制度の下で電気事業者が費用負担調整機関から交付を受ける再生可能エネルギー電気の買取費用から控除されます。)(注4)の算定が変更されたときは、みんな電力は約定プレミアム単価をタカラレーベンと協議の上、変更できます。また、約定プレミアム料金等は、初年度(又は契約延長時)をもって廃止又は変更されることがあります。
(注4)電気事業者がFIT制度の下で費用負担調整機関から再生可能エネルギー電気の買取り費用の交付を受ける仕組みについては、「第一部 ファンド情報 第1 ファンドの状況 2 投資方針(1) 投資方針 ③ 太陽光発電事業の概要について (ロ) 固定価格買取制度の概要 a. 固定価格買取制度の基本的な仕組み」をご参照ください。
(注5)太陽光発電設備について接続電気事業者(発電事業者と接続契約(注6)を締結する電気事業者をいいます。以下同じです。)から出力の抑制が求められ、出力抑制に係る出力抑制補償金が接続電気事業者から支払われる場
合、売電金額の計算にあたっては当該補償金の額を加算します。詳細については、後記「3 投資リスク (1) リ
スク要因 ⑤ 発電事業に係る権利・法制度に関するリスク (ハ) 出力抑制を求められるリスク」をご参照くだ
さい。また、賃借人が被保険者として受領する利益保険の保険金の金額も、売電金額の計算にあたって加算され
ます。ただし、利益保険は、特約がない限り、出力の抑制による収入の減少を保障の対象とするものではありま
せん。
(注6)接続契約の詳細については、前記「第一部 ファンド情報 第1 ファンドの状況 2 投資方針(1) 投資方針 ③ 太陽光発電事業の概要について (ロ) 固定価格買取制度の概要 a. 固定価格買取制度の基本的な仕組み」をご参照ください。以下同じです。
(c) 安定したキャッシュ・フローの確保
本投資法人は、原則として、調達価格及び調達期間が確定し、かつ特定契約に基づく発電事業者による電気の供給及び電気事業者による電気の買取が既に開始された太陽光発電設備等を投資対象とします。固定価格買取制度に基づく発電事業は安定したキャッシュ・フローが見込めることから、上記「(b)賃料形態について」に記載のような最低保証賃料を設定することが可能となり、その結果、本投資法人においても安定したキャッシュ・フローの確保が見込めるものと考えられます。
図:「キャッシュ・フロー」ⅱ オペレーターの選定方針
本投資法人は、オペレーターの財務状況(安全性、収益性、規模)や太陽光発電設備の運営に係るノウハウ等を勘案の上、規約に定めるオペレーターの選定基本方針及びオペレーター選定基準に従い、中長期的な安定運用に資するオペレーターを選定します。
ⅲ オペレーター報酬
本投資法人は、オペレーターに対して再生可能エネルギー発電設備等の維持・管理等を委託することができるものとし、その場合その対価としてオペレーター報酬を支払うことができるものとします。なお、当該報酬額は、上場時取得資産に係る維持・管理等については無償とし、上場後に新たに取得する運用資産に係る維持・管理等については各運用資産について個別に締結される契約にて定めるものとします。
本投資法人は、現在タカラレーベンが賃借人兼オペレーターの資産について、従前、賃借人であるタカラレーベンに対しかかる業務の委託を行うこととはしておらず、あくまでも再生可能エネルギー発電設備を賃借する賃借人であるタカラレーベンがその設備を用いて発電事業を行う一環として当該設備の維持・管理等を自ら行うものとしていました。しかし、本投資法人からかかる業務の委託を行うこととし、当該業務の対価として適切な報酬を支払うこととする方が、対価が発生することにより、より高い水準の業務提供が期待できるとともに、賃借人であるタカラレーベンは当該業務遂行に当たって当該報酬額に見合う水準の善管注意義務を負うことになり、かかる義務の下で当該設備に対し適切な維持・管理等を行うことが期待できることから、賃借人であるタカラレーベンに対してかかる業務委託を行うこととしました。
(注)上場後保有資産のオペレーター報酬については、後記「4 手数料等及び税金 (3) 管理報酬等 ⑤ オペレーター報酬」をご参照ください。
ⅳ オペレーターリスクの軽減
原則として、オペレーターの業況悪化時に、本投資法人のみの裁量によりオペレーターとの契約を解除できるような仕組みとすること、また、契約終了時において、新たなオペレーターへの承継に協力することを義務化することにより、オペレーターの業況悪化時における新オペレーターへの交替を可能とし、オペレーターリスクの軽減を図ります。
(注)なお、法律上かかる仕組みが有効と認められる保証はない点にご留意ください。詳細は、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ④ 運用資産に関わる関係者に関するリスク (イ) オペレーターに関するリスク d. 財務状況の悪化、倒産等に関するリスク」をご参照ください。
c. 成長戦略
i 外部成長戦略
(a) 本資産運用会社のネットワーク
本投資法人の資産運用を受託する本資産運用会社は、タカラレーベングループの一員として、主に太陽光発電設備等に特化した資産運用を受託しています。本投資法人は、タカラレーベンが培った太陽光発電事業全般における運営ノウハウを享受するとともに、本資産運用会社独自のノウハウにより、本投資法人の中長期的な成長に寄与することができるものと考えています。また、本資産運用会社は、本投資法人の主な投資対象である太陽光発電設備等の取得機会の拡大・促進を図るため、タカラレーベングループ以外の情報網の拡大を図り、資産情報を収集します。本投資法人は、かかる本資産運用会社が収集する資産情報を基に、タカラレーベングループ以外の第三者からも太陽光発電設備等を取得(稼働済みの太陽光発電設備等のセカンダリー取引による取得を含みます。)することを目指します。本投資法人はインフラファンド市場の開設後、同市場に上場した初の上場インフラファンドであり、上場を機に本資産運用会社には第三者から発電所の売却情報が持ち込まれるようになっています。本投資法人は、タカラレーベングループの情報ネットワークに加えてかかる本資産運用会社独自の情報ネットワークを活用することで、継続的な外部成長を追求していきます。
(b) スポンサーグループによるサポート
本投資法人及び本資産運用会社は、前記「a. 運営サポート体制(タカラレーベンのスポンサーサポート体制) ⅲ. スポンサーサポートの活用」に記載のとおり、外部成長に関連するスポンサーからの様々なサポートを活用することが可能であり、今後の外部成長に寄与するものと考えています。スポンサーでは、2020年7月末時点で、35箇所で合計110.4MW規模(注)のパネル出力を有する太陽光発電設備等を既に稼働させており、また、4箇所で合計62.2MW規模(注)のパネル出力を有する太陽光発電設備等を開発中です。本投資法人は、今後、スポンサーから付与された優先的売買交渉権を活用することにより、資産の拡大を図る方針です。また、スポンサーは、これまでの太陽光発電事業を通じて、太陽光発電事業を営む他の事業会社、ファンド運営会社、個人事業主などの第三者とのリレーションやネットワークを有しており、かかるネットワークを通じて取得した第三者保有物件の売却情報についても、スポンサーサポート契約において、本投資法人が情報提供を受けることができるものとされており、今後の本投資法人の外部成長に資するものと本投資法人は考えています。
(注)本投資法人の保有資産に係る太陽光発電設備のパネル出力が含まれています。なお、2020年7月末時点の実績については、スポンサーから受領した資料により確認した情報です。
ⅱ 内部成長戦略
(a) 適切な保守メンテナンス体制の維持
本投資法人は、自ら又は賃借人をして、太陽光発電設備のO&M業務を技術的なノウハウを有する業者に委託し、運用資産に係る適切な設備の点検や修繕及び設備更新を図ることにより、中長期的な視点から資産価値の維持・向上を図り、中長期的な収益の安定を図ります。
賃借人兼オペレーターであるタカラレーベンは太陽光発電事業における運営・企画・保守や施設管理を専門で行う事業部を有しており、当該事業部には電気設備工事の監督経験者が在籍しています。タカラレーベンは当該態勢のもと、太陽光発電設備等の監視・点検を行うとともに、O&M業者との連携をとり太陽光発電設備等の運営管理を行っています。
(b) 資産価値の維持・向上に資する修繕計画
本投資法人は、中長期的な運用資産の収益の維持向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性等を考慮した個別資産ごとの修繕計画を、オペレーター及びO&M業者と協議の上策定し、必要な修繕及び資本的支出を行うものとします。修繕及び資本的支出は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費もあわせて勘案して本投資法人が判断するものとします。ただし、運用資産のパフォーマンスの維持及び向上に資するものと本投資法人が合理的に判断したものについては、早期に実施するものとします。
なお、運営期間中に発生する再生可能エネルギー発電設備等の維持、管理、修繕等に要する費用(再生可能エネルギー発電設備等に賦課される公租公課、再生可能エネルギー発電設備等に係る資本的支出、再生可能エネルギー発電設備を構成する機器又は部品の交換に係る新たな機器又は部品の代金、O&M業者又はオペレーターに支払うべき委託料その他の費用、本投資法人が保険契約者又は被保険者となる再生可能エネルギー発電設備に係る保険の保険料を含みます。)は再生可能エネルギー発電設備等の保有者たる賃貸人が負担することとし、それ以外の再生可能エネルギー発電設備等の日常的な維持、管理、修繕等に要する費用は原則として賃借人が負担することとします。
ⅲ その他
運用資産等の総額に占めるインフラ資産等の比率に係る上場廃止基準等が適用されない特例インフラファンド(東京証券取引所の有価証券上場規程第1521条第1項)の制度を利用すること等により、運用資産に占める再生可能エネルギー発電設備及び公共施設等運営権以外の特定資産の割合を増加させ、2036年6月1日以降も引き続き導管性要件を充足できるような形態で運用を継続することも可能ですが、本資産運用会社は、本書の日付現在、本投資法人についてそのような運用を行う予定はありません。
(ハ) 投資主の利益とスポンサーの利益の一体化
タカラレーベンは、投資主の利益とスポンサーであるタカラレーベンの利益の一体化を図ることを目的として、本投資法人の投資口を保有する方針です。
タカラレーベンは、本投資法人の投資主の利益と自社の利益を共通のものとする目的から、スポンサーサポート契約において、本投資法人が発行する投資口に関して、本投資法人が新たに投資口を発行する場合には、当該投資口の一部を取得することについて真摯に検討を行うこと、また、本投資法人の投資口を保有する場合には、保有した投資口について、特段の事情が無い限り、継続して保有することを約束しています。
なお、タカラレーベンは、2020年8月26日時点において発行済投資口の総口数の10.15%(19,686口)(注)を保有しています。
(注)タカラレーベングループにおいては、タカラレーベンの他、レーベンコミュニティ株式会社が2020年8月26日時点に
おいて発行済投資口の総口数の0.42%(809口)を保有しています。
(ニ) ポートフォリオ構築方針
a. ポートフォリオ構築方針の基本的考え方
本投資法人は、再生可能エネルギー発電設備等を主たる投資対象とします。再生可能エネルギー発電設備等のうち、太陽光発電設備等への投資割合は90%以上、それ以外の再生可能エネルギー発電設備等への投資割合は10%以下とします(比率は、いずれも取得価格ベースとします。以下、比率について同じです。)。
太陽光発電設備等への投資に際しては、設備規模、日射量及び気候その他の気象条件、接続電気事業者の電線路との接続の容易性その他の立地条件、太陽電池モジュール(太陽光パネル)及びパワーコンディショナーその他の機器・資材の製造業者及び性能その他の技術的要件、当該発電設備の過去における発電実績(もしあれば)、再エネ特措法に基づく固定価格買取制度における調達価格及び残存する調達期間その他の固定価格買取制度の適用条件、並びに敷地等の取得・使用条件又は賃借等の条件を総合的に検討し、投資対象の選定を行います。
太陽光発電設備等以外の再生可能エネルギー発電設備等への投資に際しても、太陽光発電設備等への投資に準じた検討を行います。
b. 立地地域
本投資法人が取得を検討する太陽光発電設備等は、原則として、日本国内に立地するものとします。なお、日本国内の地域別の投資割合は特に定めないものとします。
海外に所在する太陽光発電設備等への投資は全体の10%以下とします。本投資法人は、国外にある太陽光発電設備等を取得する場合には、立地する国又は地域の特性及び情勢、発電事業に関する制度及び規制、電気の買取に関する法制度、オフテーカーの属性、信用力等及び電気の買取及び系統接続の条件その他の事情を総合的に考慮します。
c. 固定価格買取制度の適用等
本投資法人が取得を検討する日本国内の太陽光発電設備は、原則として、以下のすべての条件を満たす稼働中の太陽光発電設備とします。ただし、東京証券取引所の有価証券上場規程その他関連諸法令及び諸規則に従い認められる限度で、未稼働の太陽光発電設備等にも投資することができるものとします。
(1)発電事業者が、当該太陽光発電設備に係る再生可能エネルギー発電事業計画について再エネ特措法に基づく認定を受けていること。
(2)当該太陽光発電設備と接続電気事業者の電線路とが電気的に接続されていること。
(3)発電事業者と買取電気事業者との間で特定契約が締結されており、当該契約に基づき、当該太陽光発電設備を用いて発電した電気の電気事業者に対する供給が既に開始されていること。
本投資法人は、固定価格買取制度の適用を受ける太陽光発電設備に投資する際には、当該時点における物価水準等の経済環境を踏まえて、当該太陽光発電設備に適用される調達価格、残存する調達期間及び出力抑制のルールその他の固定価格買取制度の適用条件を考慮します。
本投資法人は、太陽光発電設備に投資する際には、当該太陽光発電設備について締結されている特定契約及び接続契約の条件を考慮します。なお、特定契約に基づく電気の買取価格は、当該太陽光発電設備に適用ある調達価格と同額又は実質的にそれ以上の金額とします。
d. 発電出力
本投資法人が取得を検討する太陽光発電設備の発電出力は、原則として500kW以上とします。ただし、発電出力が500kW未満である太陽光発電設備についても投資資産の収益性、オペレーター及び地域性等を勘案の上、厳選して取得を行うことができるものとします。
e. 環境条件
本投資法人は、太陽光発電設備に投資する際には、当該太陽光発電設備の設置場所、当該太陽光発電設備の設置場所又は近接する適当な箇所における日射量その他の気象条件、自然災害等リスク、当該太陽光発電設備に係る太陽電池の容量・効率等、パワーコンディショナーの容量・効率等、当該太陽電池モジュールの配置、角度等、日影等の周辺環境を踏まえて第三者によって算定された推定発電量を考慮するものとします。
本投資法人は、立地地域の気象条件等(降雪量、降雨量、降灰量及び風量を含みます。)や設置場所の地形、地盤、その他自然災害等のリスク等を考慮し、それらに適合する設計及び仕様により設置されたと判断した太陽光発電設備の取得を検討します。
f. 接続電気事業者との系統連系その他の立地条件
本投資法人は、太陽光発電設備に投資する際には、当該太陽光発電設備と接続電気事業者の系統との接続地点までの距離、電源線及び鉄塔等の送電設備の設置状況及び当該設置場所に関する権利関係、その他の立地条件を考慮するものとします。
g. 太陽電池モジュールの製造業者及び性能その他技術的要件
本投資法人は、太陽光発電設備に投資する際には、当該太陽光発電設備に用いられている太陽電池モジュール、パワーコンディショナーその他の機器・資材について、製造業者が提供する保証の内容、製造業者の立地、能力及び信用力等について検証し、考慮します。
本投資法人は、太陽光発電設備に用いられている太陽電池モジュール、パワーコンディショナーその他の機器・資材の性能その他の技術的要件につき、当該太陽光発電設備が立地する場所の気象条件、地理条件その他の立地条件を踏まえ、本投資法人が適正と考える一定の水準を満たすと判断したものの取得を検討します。
h. 過去における発電実績
本投資法人は、太陽光発電設備に投資する際には、当該太陽光発電設備における過去における発電実績があれば、当該実績を考慮します。
i. 太陽光発電設備の設置、保守、運用に必要な用地の確保
太陽光発電設備の設置、保守、運用に必要な用地(太陽光発電設備の送電線の送電線敷設用地を除きます。)は、原則として、所有権、賃借権若しくは転借権又は地上権によって確保することとし、原則として、登記により対抗要件を具備するものとします。また、賃借権若しくは転借権又は地上権は、原則として、その敷地等に係る太陽光発電設備の調達期間中存続する(契約の更新又は再締結を含みます。)ことが合理的に判断できるものであることを必要とするものとします。
送電線敷設用地は、その属性及び使用目的に従い適切な使用権原又は使用のための許認可を確保することとします。
j. 事業用地の境界確定に関する方針
i 境界確定を実施する場合(原則)
本投資法人が太陽光発電設備を取得するにあたっては、本投資法人がその事業用地を取得するか否かにかかわらず、隣地との間の境界が確定していることを原則とし、境界が確定していない場合には境界確定を実施します。
ⅱ 境界確定を実施しない場合(例外)
他方、各隣地との境界が以下のいずれかに該当する場合その他境界未確定のリスクが限定的と判断する場合には、例外的に、当該境界の確定を実施しないことができるものとします。
・当該境界について現況測量が実施されており、かつ、隣地所有者との間で境界に関する紛争が生じていない場合。
・当該境界と太陽光発電設備との間に十分なバッファーがある場合(注)において、隣地所有者の属性、隣地所有者と当該敷地等の現所有者との関係及び当該敷地等に設置されている太陽光発電設備に対する隣地所有者の認識その他の状況を総合的に勘案し、隣地所有者との間で境界に関する紛争が生じる可能性が低いと判断できる場合。
・当該境界について境界確定を行うことが実務上難しい場合で、隣地の所有者又は管理者から境界に関する指摘がなされておらず、隣地所有者との間で境界に関する紛争が生じる可能性が低いと判断できる場合。なお、再生可能エネルギー発電設備の取得にあたって、原則として、当該隣地の所有者に対して、境界に関する問題を認識しているか否かの確認を行います。
・太陽光発電設備に係る売買契約において、境界未確定の部分においてフェンス、アレイその他の設備が隣地に越境していることが判明した場合、当該設備の移設その他越境の解消に要する費用を売主に負担させることが合意されており、境界未確定のリスクが発現した場合においても本投資法人が損害を被るおそれが限定的と判断できる場合。なお、売主に対して費用請求できる期間については、一定の制限(原則として、2年間を下限とします。)を設けることができるものとします。
(注)「境界と太陽光発電設備との間に十分なバッファーがある場合」に該当するか否かは、本資産運用会社の社内規程に基づき、境界とフェンス、アレイその他の設備との距離並びに境界部分及びその周辺の地形その他の状況を総合的に勘案して判断します。かかる文脈における「境界」とは、公図、現地の状況、周辺の境界標等を勘案して境界が存在すると推測される箇所をいいます。
k. 太陽光発電設備等以外の再生可能エネルギー発電設備等
本投資法人は、太陽光発電設備等以外の再生可能エネルギー発電設備等に投資する際には、当該再生可能エネルギー発電設備の種類及び特徴を勘案の上、前記a.ないしj.を準用し、又は必要に応じ運用ガイドラインの変更を行って検討を行い、太陽光発電設備等への投資と同等の利益が得られるものとして本投資法人が適正と考える一定の水準を満たすと判断したものに投資するものとします。
(ホ) デュー・ディリジェンスの実施
運用資産を取得するに際しては、下記にあげる調査項目に基づき、経済的調査、物理的調査及び法律的調査を十分実施し、当該運用資産の投資対象としての妥当性を検討します。なお、前記調査プロセスにおいては、原則として、公正かつ調査能力・経験があると認めた第三者の専門家によるバリュエーションレポート、不動産鑑定評価書、テクニカルレポートを取得するほか、必要と判断する場合にはその他の第三者の専門家の報告書等を取得し、これらの内容についても考慮します。
| 評価項目 | 調査事項 | |
| 経済的調査 | 取得価格の 妥当性 | 不動産鑑定(注1)及びバリュエーションレポート(注2)の適格性・妥当性の検証 本資産運用会社によるバリュエーションと不動産鑑定評価書及びバリュエーションレポートとの比較検証(注3) |
| オペレーター等事業調査 | オペレーターの事業の内容、財務の状況、当該再生可能エネルギー発電設備の運営に従事する人員の状況、再生可能エネルギー発電設備の運営の実績その他業務遂行能力に関する事項(反社会的勢力に該当しないことの調査を含みます。) オペレーターの発電事業に必要となる許認可等の取得状況、維持状況等 買取電気事業者との間の再生可能エネルギー発電設備に係る特定契約等の締結状況、契約内容等 発電事業中断リスクに関する状況等 再生可能エネルギー発電設備等の賃貸借契約の妥当性の検証 | |
| 収益関係(市場調査) | 投資資産の収入及び支出についての調査 今後の電力需給の見通し 賃貸借契約の条件 電力の買取価格の変動の可能性 国又は地方公共団体等からの補助金又は助成金等の見込み 修繕保守履歴及び将来予想される修繕保守費用の見通し | |
| 物理的調査 | 投資資産の基本情報 | 売主開示資料の内容精査 テクニカルレポートによる資産基本情報の確認(注3) 本資産運用会社による現地調査 |
| 発電設備・ 仕様概要 | テクニカルレポートによる発電設備の主要項目(主要構造、設計・製造業者・設備仕様等)の確認、立地条件への適合性 再生可能エネルギー発電事業計画の遵守状況、再生可能エネルギー発電事業計画の再エネ特措法第9条第3項第1号から第3号までへの適合性の確認 本資産運用会社による現地調査 | |
| 耐震性能判断 | 地震PML(予想最大損失率)分析及び検証 専門家レポートによる耐震性及び地震リスクの確認 | |
| 重要書類の 確認 | 不動産に関する引渡書類(境界確認書、確認申請書、確認申請図、検査済証、竣工図、賃貸借契約書等)の確認 設備に関する引渡書類(パネル設置図、送電線設備ルート図、性能試験等に関する資料、運用状況に関する資料、系統連系に関する資料等)の確認 | |
| 将来の資本的支出及び修繕費用 | テクニカルレポートによる将来の修繕費見込み 過去の修繕履歴による検証 製造業者からの保証及びアフターサービスの内容及び承継 | |
| 環境・土壌等 | 土壌汚染調査レポートによる環境調査等 |
| 評価項目 | 調査事項 | |
| 法律的調査 | 違法性 | 専門家レポート(テクニカルレポートを含みます。)による関係法規(建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。)、消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)、都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)(以下「都市計画法」といいます。)その他建築関連法規及び自治体による指導要綱等、並びに再エネ特措法、電気事業法その他の電気事業関連法規及び自治体による指導要綱等)の遵守状況等 法定点検資料に基づく、各種指摘事項に関する内容の精査 本資産運用会社による現地調査 |
| 許認可等 | 開発許可、農地法(昭和27年法律第229号。その後の改正を含みます。)(以下「農地法」といいます。)に基づく転用許可等 再エネ特措法に基づく認定の取得状況 | |
| 敷地等の権利関係 | 本投資法人が敷地等に関する完全な所有権を取得できることの確認 共有、借地物件等、本投資法人が完全な所有権を有しない場合、それぞれ以下の点の適切性を確認 ・共有持分の場合 他の共有者の属性及び保有する権利の内容、共有者間協定書の有無、共有物分割請求権及び共有物分割等に関する措置 ・借地権の場合 借地人の属性、地代の適正性、借地権に対する対抗要件の具備状況、借地権売却時の承諾料の有無及び金額 ・送電線敷設用地の場合 使用権原又は許認可の有無及びその内容、対抗要件の具備状況の確認 | |
| 発電設備の権利関係 | 本投資法人が発電設備に関する完全な所有権を取得できることの確認 | |
| 権利の付着 | 不法占拠、抵当権、根抵当権、地役権、通行権、質権、根質権、留置権等第三者による権利の付着の有無 | |
| 契約関係 | 設計、建設請負契約(以下「EPC契約」といいます。)、売買契約、保守管理契約(O&M業者との契約(以下「O&M契約」といいます。)を含みます。)、保証書等の発電設備等に関する契約内容の確認 特定契約、接続契約等の電力受給、系統連系に関する契約内容の確認 賃貸借契約の契約内容の確認 その他第三者との契約内容の有無及び内容の確認 | |
| 境界・越境物 調査 | 境界確定の状況、実測面積の確認、越境物の有無とその状況 |
(注1)「不動産鑑定」とは、不動産の鑑定評価に関する法律(昭和38年法律第152号。その後の改正を含みます。)(以下「不動産の鑑定評価に関する法律」といいます。)並びに国土交通省の定める不動産鑑定評価基準及び不動産鑑定評価基準運用上の留意事項に基づき、土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の権利の経済価値を判定し、その結果を価額に表示することをいいます。
(注2)「バリュエーションレポート」とは、投信法等の諸法令、投信協会の定める諸規則並びに本投資法人の規約に定める資産評価の方法及び基準に基づき、再生可能エネルギー発電設備の価格等の調査をし、その結果の報告を行う書類をいいます。
(注3)デュー・ディリジェンスの結果を踏まえて取得価格を算定する際、バリュエーションレポート、不動産鑑定評価書及びテクニカルレポートの記載内容等を活用する方針ですが、例外的に活用しない場合には、採用した数値等の妥当性を検証するとともに、その根拠を記録保存します。
(へ) フォワード・コミットメントに関する方針
本投資法人は、フォワード・コミットメント等の締結に際しては、過大なフォワード・コミットメント等が本投資法人の財務に与える影響の大きさを勘案し、フォワード・コミットメント等の実行に際しては、あらかじめ慎重に検討し対応します。
フォワード・コミットメント等を締結する際には、違約金の上限、物件の取得額の上限、契約締結から物件引渡しまでの期間の上限及び決済資金の調達方法等についてのルールを定めたフォワード・コミットメント等に係る規則を遵守するものとします。また、フォワード・コミットメント等を行った場合には、速やかに、その事実及び行ったフォワード・コミットメント等の概要を開示するものとします。その際には、設定理由、解約条件及び履行できない場合の本投資法人の財務に与える影響についても概要を開示するものとします。
(ト) 資産管理方針
a. オペレーターの選定基本方針
本投資法人は、その資産の運営を円滑に行うための経営体制、財務基盤及び業務執行体制を有している者をオペレーターとして選定します。そのため、オペレーターの選定に際しては、以下のオペレーター選定基準に従い、オペレーターが運営をすることとなる種類の資産の運営に関する実績、運営の対象となる資産が立地する地域における運営体制、オペレーターが運営をすることとなる種類の資産の運営業務に係る社内体制、財務状況及び反社会的勢力非該当性を確認するものとします。また、オペレーターがオペレーター選定基準を満たさなくなったことを、オペレーターとの契約の解除事由とし、かかる場合において、本投資法人は、オペレーターの変更を検討します。
b. オペレーターの選定基準
本投資法人が運用する資産のオペレーターは、以下の基準を満たす者から選定するものとします。オペレーターに本投資法人の運用資産を賃貸する場合には、運営状況等についての評価を定期的に行い、適正な業務遂行が維持できない場合には、契約の解除を行うこと又は契約の更新を行わないことを検討するものとします。
また、オペレーターとの契約に、かかる検討の障害となるような条項を設けてはならないこととします。なお、タカラレーベンをオペレーターとして、同社に本投資法人の運用資産を賃貸する場合には、利益相反取引防止の観点から、利害関係人等取引規程に基づく所定の手続に従って行うものとします。
i オペレーターが運営をすることとなる種類の資産の運営に関する実績
オペレーターを選定するに際しては、原則として、当該選定対象者が運営する資産が再生可能エネルギー発電設備である場合には、当該種類の資産の運営に関して以下の実績があることとします。
(a) 当該種類の発電設備の運営に関する実績が2年以上あること。
(b) 直近事業年度における、当該種類の発電設備の運営事業に係る売上高の合計が1億円以上であること。
(c) 過去2年間において当該種類の発電設備の運営に関する実績が5件以上あること。ただし、その出力が500kw以上で、かつ、商業運転段階において半年以上運営を継続したものに限ります。
ⅱ 運営の対象となる資産が立地する地域における運営体制
オペレーターを選定するに際しては、当該資産が立地する地域における適切な運営体制を有していることとします。本ⅱ.の基準の判定に際しては、以下の点を含む運営体制に関する状況を総合的に判断するものとします。
(a) 当該資産が立地する地域において発電設備についてモニタリングするための組織が構築されていること(例えば、実際の発電状況等について一括モニタリングできるようなシステムが構築されている等)。
(b) 各発電設備の保守管理等の業務(O&M業務)を、当該選定者から第三者に委託する場合、当該委託状況のモニタリングを第一次的に行うための組織が構築されていること(それにより、本投資法人も賃貸借契約等を通じて間接的にモニタリングを行うことができること。)。
ⅲ オペレーターが運営をすることとなる種類の資産の運営業務に係る社内体制
(a) 当該種類の資産の運営業務に携わる人員が常時5名以上(そのうち1年以上の当該業務経験を有している者が3名以上)存在し、そのうち責任者の地位にある者は、2年以上の当該業務経験及び当該業務に係る十分な知識を有していること。
(b) コンプライアンス(法令遵守)に関する十分な社内体制を有していること(例えば、(i)オペレーターが金融商品取引所に上場されている等により当該事項を確認できる公表資料(金融商品取引法又は東京証券取引所の規則に基づく開示書類を含みます。)が存在する場合であれば、当該公表資料を精査し、(ii)オペレーターが金融商品取引所に上場されている場合であれば、定期的な内部監査を受けていることを確認し、かつ、(iii)あらかじめコンプライアンスに関する社内体制について質問(法令等遵守態勢、内部通報制度、苦情等への対応、顧客情報等の保護、内部者取引の防止、反社会的勢力への対応、犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成19年法律第22号。その後の改正を含みます。)への対応、リスク管理態勢、危機管理態勢、内部監査態勢等に関するもの)を行い、書面による回答を精査して確認します。)。
ⅳ 財務状況
財務状況に関し、原則として、以下の基準を満たすこととします。
(a) 当該選定対象者の各年度の決算期における(i)(連結財務諸表を作成していない場合には、)単体の損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失となっているものではなく、また、(ii)(連結財務諸表を作成している場合には、)単体及び連結の損益計算書に示される経常損益がいずれも2期連続して損失となっているものではないこと。
(b) 当該選定対象者が過去3年間において債務超過ではないこと。
(c) その他、当該資産の運営を行うのに必要な財務状況を有することに合理的な疑いを生じさせる事項がないこと。
ⅴ 反社会的勢力非該当性
本資産運用会社が定める「反社会的勢力対応マニュアル」に定める反社会的勢力である以下の者でないこととします。
(a) 暴力団
(b) 暴力団員
(c) 暴力団準構成員
(d) 暴力団関係企業
(e) 総会屋等、社会運動等標ぼうゴロ又は特殊知能暴力集団等
(f) その他前各号に準ずる者又は団体
(g) 以下のいずれかに該当する行為を行った者又は団体
(i) 暴力的な要求行為
(ii) 法的な責任を超えた不当な要求行為
(iii)取引に関して、脅迫的な言動をし、又は暴力を用いる行為
(iv) 風説を流布し、偽計を用い又は威力を用いて本資産運用会社の信用を毀損し、又は本資産運用会社の業務を妨害する行為
(v) その他前記(i)から(iv)までに準ずる行為
c. オペレーターに対する再生可能エネルギー発電設備等の維持・管理等の委託
本投資法人は、オペレーターに対して再生可能エネルギー発電設備等の維持・管理等を委託することができるものとし、その場合その対価としてオペレーター報酬を支払うことができるものとします。
d. オペレーターによる運営のパフォーマンスのモニタリング
賃借人に対し、発電設備の操業実績等のオペレーターの運営状況や、賃借人又はオペレーターの財務状況について賃貸借契約の中で一定の報告義務を課すことを基本方針とします。ただし、報告義務の内容については、賃貸借契約における実績連動賃料部分の有無を合理的に考慮して資産ごとに異なるものとすることができるものとします。
e. 賃貸条件の決定方針
本投資法人は、収入の安定化を図るため、再生可能エネルギー発電設備等の賃貸借契約において、賃料は、原則として、最低保証賃料と実績連動賃料を組み合わせた形態にし、かつ、その大部分が最低保証賃料となるように設定することにより、本投資法人の賃料収入の安定化を図ります。
最低保証賃料は、原則として、NEDOがまとめた年間時別日射量データベース等を基礎としてテクニカルレポートの作成者その他の専門家によって算出されたいずれかの超過確率P(パーセンタイル)の発電量予測値に基づき算定された将来の月ごとの想定売電金額の100%(同額)とします。
実績連動賃料は、原則として、賃借人から報告される実際の発電量に基づく月ごとの売電金額を基準とします(注)。
ただし、賃借人がSPCである場合は、上記以外の賃貸条件を採用することを妨げず、本投資法人の利益に資するよう合理的に決定するものとします。
調達期間を勘案して、実務上可能な限り、賃貸借契約の契約期間を長期にし、かつ、賃借人の選択による同契約の解約を制限します。
インフレーションが生じた場合、賃借人は、本投資法人の要請に従い、売電先の変更に向けた検討を行うものとし、検討の結果、売電先が変更された場合は、賃貸人たる本投資法人との間で新たな売電先への販売価格を踏まえ、賃料について増額改定を協議する旨の規定を賃貸借契約に設けるよう努力します。
太陽光発電設備等以外の再生可能エネルギー発電設備等に投資する際には、原則として、上記に準じた決定方針によるものとします。
(注) 太陽光発電設備について接続電気事業者又は買取電気事業者から出力の抑制が求められ、出力抑制に係る出力抑制補償金が接続電気事業者又は買取電気事業者から支払われる場合、売電金額の計算にあたっては当該補償金の額を加算します。出力抑制の概要は、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ⑤ 発電事業に係る権利・法制度に関するリスク (ハ) 出力抑制を求められるリスク」をご参照ください。また、賃借人が被保険者として受領する利益保険の保険金の金額も、売電金額の計算に当たって加算されます。
f. 資産管理基本方針
資産管理については原則として、再生可能エネルギー発電設備等の保有者たる賃貸人(本投資法人の場合を含みます。)若しくは賃借人(オペレーターを兼ねる場合を含みます。)のいずれか適切な者又はその両者からO&M業者に委託するものとします。このうち、再生可能エネルギー発電設備の保守管理等の業務については、オペレーターとは別のO&M業者に委託します。委託者は、委託に際し、中長期にわたる安定した収益の確保と資産価値の維持及び向上を目指し、発電量、売電収入、適切な管理及び修繕の実施、管理コストの適正化及び効率化並びに再委託先への再委託状況についてモニタリングします(本投資法人が必要と認めるときは、再委託先に対する直接のモニタリングを行います。)。本投資法人からO&M業者に委託する場合、本投資法人は、O&M業者の管理に関する業務をオペレーターに委託して行わせます。
なお、賃借人がO&M業者に資産管理を委託する場合、委託状況のモニタリングは第一次的には委託者である賃借人が行いますが、本投資法人も賃借人との賃貸借契約等を通じて間接的に行うこととします。
g. O&M業者の選定及びモニタリング
O&M業者を選定するにあたっては、再生可能エネルギー発電設備の運営・管理の経験や能力、対象となる運用資産における実績、運用計画に沿った業務遂行の実現性、コスト水準、運用の継続性等を総合的に勘案し、本投資法人の総合的な収益向上に寄与すると認められる会社を選定するものとします。また、委託者がO&M業者のモニタリングを行うとともに、モニタリングにあたっては、O&M業者の事業環境・運営状況につき適時モニタリングするとともに、必要があれば、財務状況のモニタリングによるO&M業者のクレジット・リスクの管理等を行うことで業務水準等についての評価を定期的に行い、適正な業務遂行レベルが維持できない場合は、契約の解除を行うこと又は契約の更新を行わないことを検討するものとします。
h. 修繕計画の基本方針
中長期的な運用資産の収益の維持向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性等を考慮した個別資産ごとの修繕計画を、オペレーター及びO&M業者と協議の上策定し、必要な修繕及び資本的支出を行うものとします。修繕及び資本的支出は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費もあわせて勘案して本投資法人が判断するものとします。ただし、運用資産のパフォーマンスの維持及び向上に資するものと本投資法人が合理的に判断したものについては、早期に実施するものとします。
なお、運営期間中に発生する再生可能エネルギー発電設備等の維持、管理、修繕等に要する費用(再生可能エネルギー発電設備等に賦課される公租公課、再生可能エネルギー発電設備等に係る資本的支出、再生可能エネルギー発電設備を構成する機器又は部品の交換に係る新たな機器又は部品の代金、O&M業者又はオペレーターに支払うべき委託料その他の費用、本投資法人が保険契約者又は被保険者となる再生可能エネルギー発電設備に係る保険の保険料を含みます。)は再生可能エネルギー発電設備等の保有者たる賃貸人が負担することとし、それ以外の再生可能エネルギー発電設備等の日常的な維持、管理、修繕等に要する費用は原則として賃借人が負担することとします。
i. 付保方針
火災又は事故等に起因する設備への損害、第三者からの損害賠償請求等のリスク、又は落雷若しくは風水災等偶然かつ突発的な事故により再生可能エネルギー発電設備等が損壊し、復旧するまでの間、発電(売電)が不可能になった場合の逸失利益に対処するため、必要な火災保険、損害賠償保険及び利益保険等を運用資産に付保するものとします。ただし、予想される個別設備等及びポートフォリオ全体に対する影響と保険の実効性を勘案して、付保しないこともあります。
j. 買取期間満了後の再生可能エネルギー発電設備
買取期間が満了し、固定価格買取制度の適用外となった再生可能エネルギー発電設備等については、(i)当該再生可能エネルギー発電設備により発電した電気を小売電気事業者等に対して直接若しくは卸電力取引所を通じて売却するか、又は、(ii)当該再生可能エネルギー発電設備等を売却するものとします。かかる選択においては、当該満了時における売電市場、卸電力取引所、当該再生可能エネルギー発電設備のセカンダリー取引市場の動向及びそれらを踏まえた具体的な売却条件等を勘案するものとし、当該再生可能エネルギー発電設備等を売却する場合は、下記「(チ) 売却方針」についても考慮します。
k. 賃借人の契約上の地位の移転
将来の賃借人の変更に備えて、あらかじめ円滑な賃借人の地位の承継を行うための手続(例えば、再生可能エネルギー発電設備に係る再生可能エネルギー発電事業計画についての認定上の発電事業者たる地位並びに買取電気事業者及び接続電気事業者との間の契約上の地位の移転に関する地位譲渡予約並びに買取電気事業者若しくは接続電気事業者の承諾等)を講じることを検討します。
賃借人の破たんその他の事由により賃貸借契約が終了し、又は終了するおそれが生じた場合、事前に上記の地位譲渡予約及びその承諾等が得られている場合には、賃借人の交代を早急に検討し、状況に応じて交代を行います。事前に地位譲渡予約及びその承諾等が得られていない場合には、早急に地位譲渡及びその承諾等に関する交渉を行います。
(チ) 売却方針
原則として短期的な資産の売却は行いませんが、ポートフォリオ全体の構成、ニーズの変化、個別資産の状況、収益性の見通し、周辺環境の変化、インフレーション等経済環境の変化に伴う収益力の変化、セカンダリー市場の形成状況等を総合的に判断した結果、当該資産の売却がポートフォリオの収益の安定に資するものと判断される場合には、適切な時期での売却を検討することがあります。
(リ) 財務戦略
中長期的な収益の維持及び向上並びに運用資産の規模と価値の成長を実現するために、安定的かつ健全な財務運営を構築することを基本方針とします。
a. エクイティ戦略
新投資口の発行は、有利子負債比率や投資資産の取得時期等を総合的に勘案し、投資口の希薄化に配慮した上で実行します。
b. デット戦略
i 資金の借入れは、以下の方針に基づき適切に行います。
(a) 金利変動リスクを軽減するため、長期・短期の借入期間、固定・変動の金利形態等のバランスを図ります。ただし、日本相互証券株式会社の公表する新発10年国債利回りの各営業日の終値が60営業日連続で1.0%を超える金利環境となった場合においては、原則として、金利スワップ契約又は金利キャップ契約等を締結することにより変動金利の実質的固定化を図ります。
(b) リファイナンスリスクを軽減するため、返済期限や借入先の分散を図ります。
(c) 借入先は、金融商品取引法第2条第3項第1号に規定する適格機関投資家(租税特別措置法第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)に限ります。
(d) 借入先の選定に当たっては、借入期間、金利、担保提供の要否、手数料等の諸条件につき複数の金融機関と交渉し、マーケット水準とも比べながら、その内容を総合的に考慮して効率的な資金調達を図ります。
(e) 各種必要資金の機動的な調達を目的として、極度貸付枠設定契約やコミットメントライン契約等、事前の借入枠設定又は随時借入予約契約の締結を必要に応じて検討します。
(f) 借入れに際しては、無担保・無保証を原則としますが、円滑な資金調達を目的として運用資産を担保として提供する場合があります。
ⅱ 投資法人債の発行は、長期かつ安定的な資金調達と調達先の分散を目的として適切に行います。
ⅲ 当面のデット調達における借入期間、金利形態等については、年度運用計画において定めるものとします。
iv 借入金及び投資法人債発行の限度額は、それぞれ1兆円とし、かつ、その合計額が1兆円を超えないものとします。
ⅴ 本投資法人は、デリバティブ取引に係る権利(投信法施行令第3条第2号に規定するものをいいます。)への投資を、本投資法人に係る負債から生じる為替リスク、金利変動リスクその他のリスクをヘッジすることを目的としたものに限って行うことがあります。
ⅵ 有利子負債比率は、原則として60%を上限とします。ただし、資産の取得に伴い、一時的に60%を超えることがあります。なお、当面の間はポートフォリオ規模等を考慮して50%を目途に保守的に運用します。
(ヌ) 利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)及び自己投資口の取得
本投資法人の投資対象である太陽光発電設備等は、その多くが都市部以外の地域に所在し、土地の価格が相対的に安いため、資産全体に占める償却資産の割合が一般的な不動産投資法人(いわゆるJ-REIT)に比べて相対的に高くなることが想定され、結果として高い減価償却費を計上することが見込まれます。他方で、太陽光発電設備に対する資本的支出や修繕費は、その資産の特性から減価償却費に比べて低額となる傾向があります。
このため、本投資法人は、長期修繕計画に基づき想定される各計算期間の資本的支出の額に鑑み、長期修繕計画に影響を及ぼさず、かつ、資金需要(投資対象資産の新規取得、保有資産の維持・向上に向けて必要となる資本的支出等、本投資法人の運転資金、債務の返済及び分配金の支払等)に対応するため、融資枠等の設定状況を勘案の上、本投資法人が妥当と考える現預金を留保した残額を、原則として全額、毎計算期間分配する方針とし、このうち、利益の額を超える額は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)として分配します。ただし、これらの分配は、本投資法人の財務状態に悪影響を及ぼさない範囲で、かつ、法令等(投信協会の定める規則を含みます。)に定める金額を限度(注1)とします(注2)。
本投資法人は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)額の目途を設けることはせずに本投資法人が妥当と考える現金を留保した上でその残額を全額投資主に対して分配することで、必要な金銭を留保しつつ、できる限り多くの金銭を投資主に分配することが可能となると考えています。そして、本投資法人は、かかる留保された金銭を効率的に活用して資産の取得及び運用を行うことで純利益に基づく分配金の増額を図り、上記の方針に基づく利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と併せて投資主への分配金の向上を目指すことが、最終的には、本投資法人、ひいては投資主の利益に資すると考えています。
以上の考え方に従い、本投資法人は、利益超過分配を抑制するとともに、再投資を重視して純利益に基づいた分配金の最大化を目指します。
第9期(2020年5月期)については、上記の方針に従い、本投資法人は、本投資法人が妥当と考える現預金を留保した残額を全額分配し、このうち、利益の額を超える額は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)として分配します。
こうした方針の下、減価償却費855,253千円、前払費用償却額99,914千円、投資口交付費償却10,460千円及び創立費償却28千円の合計額965,656千円から借入金の返済による支出798,529千円及び本投資法人に留保すべき金額111,691千円を控除した残額55,435千円を、利益を超えた金銭の分配といたしました。
結果、当期の利益を超えた金銭の分配は減価償却費の約6.5%になっています。さらに、第10期(2020年11月期)以降の計算期間についても、上記の方針に基づき、本投資法人が妥当と考える現預金を留保した残額を、原則として全額、毎計算期間分配する方針とし、このうち利益の額を超える額は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)として分配します。ただし、経済環境、再生可能エネルギー発電事業に関する市場環境、本投資法人の財務状況等諸般の事情を総合的に考慮した上で、修繕や資本的支出への活用、借入金の返済、新規物件の取得資金への充当、自己投資口の取得などの他の選択肢についても検討の上、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施しない場合もあります。
なお、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)の実施は手元資金の減少を伴うため、突発的な事象等により本投資法人の想定を超えて資本的支出等を行う必要が生じた場合に手元資金の不足が生じる可能性や、機動的な物件取得に当たり資金面での制約となる可能性があります。利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施した場合、当該金額は出資総額又は出資剰余金から控除されます。
また、本投資法人は、投資主との合意により当該投資法人の投資口を有償で取得することができる旨を規約第5条第2項で定めており、当該規定に基づき、主として本投資法人の投資口が上場している東京証券取引所において、自己投資口を取得する可能性があります。自己投資口の取得は、経済的には利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と同一の効果を有し、会計上も自己投資口の取得を実施した場合、当該金額は出資総額等の控除項目として計上されます。
本投資法人は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)に代えて又は利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と同時に自己投資口の取得を行う場合がありますが、自己投資口の取得も利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)とみなして、上記の利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)に関する方針に従って、その実施の有無、金額等を決定するものとします。なお、第9期(2020年5月期)については、自己投資口の取得は実施しません。
(注1)クローズド・エンド型の投資法人は計算期間の末日に計上する減価償却費の100分の60に相当する金額を限度として、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を行うことが可能とされています(投信協会「インフラ投資信託及びインフラ投資法人に関する規則」)。
(注2)当期末各保有資産に係るイー・アンド・イーソリューションズ株式会社によるテクニカルレポートに記載の大規模部品交換及び修繕に係る費用を保有資産(計32物件)について合計した額の6か月平均額は約24.6百万円です(本数値は経済耐用年数の期間における費用を便宜的に6か月平均した数値です。)。また、本投資法人は、減価償却費の算出方法につき、定額法を採用しています。保有資産(計32物件)の減価償却費(予想)は月額平均約142.1百万円を想定しています。以上の金額から借入金の元本返済等を行った後の金額を利益超過分配の原資とすることを予定しています。
図:利益分配、利益超過分配及び金銭の留保を通じた再投資のイメージ図(注)上記はあくまでイメージであり、本投資法人の損益における賃貸収入や利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)又は自己投資口の取得の金額等の比率等を示すものではありません。実際には、毎計算期間の利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)又は自己投資口の取得の額は変動する可能性があります。また、経済環境、再生可能エネルギー発電事業に関する市場環境、本投資法人の財務状況等諸般の事情を総合的に考慮した上で、修繕や資本的支出への活用、借入金の返済、新規物件の取得資金への充当などの他の選択肢についても検討の上、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)又は自己投資口の取得を実施しない場合もあります。
(ル) 情報開示方針
本投資法人は、以下のとおり、透明性確保の観点から、法定開示に加えて、有用かつ適切と判断される投資情報を、情報の透明性及び分かりやすさに配慮し、正確かつ迅速に開示します。
a. 本投資法人は、投信法及び金融商品取引法等の諸規則、東京証券取引所、投信協会等がそれぞれ要請する内容及び様式に従って、情報の透明性や分かりやすさに配慮し、投資主の投資判断に必要な情報を適時かつ適切に開示を行います。
b. 法定開示事項以外にも投資主にとって有益かつ重要な情報についても、可能な限り適時かつ適切な開示を努めるものとします。