訂正有価証券報告書(内国投資証券)-第1期(平成28年2月5日-平成28年12月31日)
(1) リスク要因
以下には、本投資証券への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。ただし、以下は本投資証券への投資に関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。本投資法人は、対応可能な限りにおいてこれらのリスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分である保証はありません。以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資証券の市場価格は下落し、発行価格に比べ低くなることもあると予想され、その結果、投資主が損失を被る可能性があります。また、本投資法人の純資産額の低下、その他財務状況の悪化による分配金の減少が生じる可能性があります。
各投資家は、自らの責任において、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で本投資証券に関する投資判断を行う必要があります。
なお、本書に記載の事項には、将来に関する事項が含まれますが、別段の記載のない限り、これら事項は本書の日付現在における本投資法人及び本資産運用会社の判断によるものです。
本項に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
① 本投資証券の商品性に関するリスク
(イ) 本投資証券の市場価格の変動に関するリスク
(ロ) 本投資証券の市場での取引に関するリスク
(ハ) 金銭の分配に関するリスク
(ニ) 収入及び支出の変動に関するリスク
(ホ) 投資口の追加発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
(へ) 投資主の権利が必ずしも株主の権利と同一でないリスク
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ) スポンサーパイプライン・サポート契約及びサポート協定に基づき想定どおりの物件取得が行えないリスク
(ロ) 不動産を取得又は処分できないリスク
(ハ) 投資口の追加発行、借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
(ニ) 有利子負債比率に関するリスク
(ホ) 敷金及び保証金に関するリスク
(へ) 投資対象を主として地方物件としていることによるリスク
(ト) 少数のテナントに依存していることによるリスク
(チ) シングルテナント物件に関するリスク
(リ) 少数の物件に収入が依存していることによるリスク
(ヌ) 運用資産の立地の地域的な偏在に関するリスク
(ル) ホテルに関するリスク
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ) マリモグループへの依存、利益相反に関するリスク
(ロ) リビタへの依存、利益相反に関するリスク
(ハ) 資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者に関するリスク
(ニ) PM会社に関するリスク
(ホ) 本投資法人の役員及び本資産運用会社の人材に依存しているリスク
(ヘ) 本投資法人及び本資産運用会社の歴史が浅いことによるリスク
(ト) 本投資法人の投資方針等の変更に関するリスク
(チ) 本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク
(イ) 不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク
(ロ) 不動産の境界に関するリスク
(ハ) 不動産の売却に伴う責任に関するリスク
(ニ) 賃貸借契約に関するリスク
(ホ) 災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
(へ) 不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
(ト) 不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
(チ) 水質汚濁防止法上の特定施設に関するリスク
(リ) 法令の制定・変更に関するリスク
(ヌ) 売主の倒産等の影響を受けるリスク
(ル) マスターリース会社に関するリスク
(ヲ) 転貸に関するリスク
(ワ) テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
(カ) 周辺環境の悪化等に関するリスク
(ヨ) 共有物件に関するリスク
(タ) 区分所有建物に関するリスク
(レ) 借地物件に関するリスク
(ソ) 借家物件に関するリスク
(ツ) 底地物件に関するリスク
(ネ) 開発物件に関するリスク
(ナ) フォワード・コミットメント等に係るリスク
(ラ) 有害物質に関するリスク
(ム) 不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
(ウ) 信託受益権の準共有等に関するリスク
⑤ 税制に関するリスク
(イ) 導管性要件に係るリスク
(ロ) 税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
(ハ) 不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(ニ) 一般的な税制の変更に係るリスク
⑥ その他
(イ) 不動産の鑑定評価士その他専門家の意見への依拠に関するリスク
(ロ) 減損会計の適用に関するリスク
(ハ) 匿名組合出資持分への投資に関するリスク
(ニ) 特定目的会社の優先出資証券への投資に関するリスク
(ホ) 本投資法人の資産規模が小規模であることに関するリスク
① 本投資証券の商品性に関するリスク
(イ) 本投資証券の市場価格の変動に関するリスク
本投資法人は、投資主からの請求による払戻しを行わないクローズド・エンド型であるため、投資主が本投資証券を換価する手段は、第三者に対する売却に限定されます(ただし、本投資法人は、投資主との合意により本投資法人の投資口を有償で取得することができます(規約第7条第2項)。)。
本投資証券の市場価格は、取引所における需給バランスにより影響を受け、一定の期間内に大量の売却が出た場合には、大きく価格が下落する可能性があります。また、市場価格は、金利情勢、経済情勢、不動産市況その他市場を取り巻く様々な要因の影響を受けて変動します。本投資法人若しくは本資産運用会社、又は他の投資法人若しくは他の資産運用会社に対して監督官庁による行政処分の勧告や行政処分が行われた場合にも、本投資証券の市場価格が下落することがあります。
本投資証券の市場価格が下落した場合、投資主は、本投資証券を取得した価格で売却できない可能性があり、その結果、損失を被る可能性があります。
(ロ) 本投資証券の市場での取引に関するリスク
本投資証券は東京証券取引所に上場していますが、一定期間金銭の分配を行わないこと、本投資法人の資産総額の減少、投資口の売買高の減少その他の東京証券取引所の定める有価証券上場規程に規定される上場不動産投資信託証券の上場廃止基準に抵触する場合には廃止されます。
本投資証券の上場が廃止される場合、投資主は、保有する本投資証券を相対で譲渡する他に換金の手段がないため、本投資証券を本投資法人の純資産額に比して相当に廉価で譲渡せざるを得ない場合や本投資証券の譲渡自体が事実上不可能となる場合があり、損害を受ける可能性があります。
(ハ) 金銭の分配に関するリスク
本投資法人は前記「2 投資方針 (3) 分配方針」に記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無及びその金額は、いかなる場合においても保証されるものではありません。本投資法人が取得する不動産及び不動産を裏付けとする資産の当該裏付け不動産(本「(1) リスク要因」の項において、以下「不動産」と総称します。)の賃貸状況、売却に伴う損益、減損損失の発生や建替えに伴う除却損等により、期間損益が変動し、投資主への分配金が増減することがあります。
さらに、利益超過分配については、営業期間の期末時点において保有する不動産等の鑑定評価額の合計が、当該期の不動産等の帳簿価格合計と次期の資本的支出予定額の合計を上回る場合に限り、修繕費や資本的支出への活用、借入金の返済、新規物件の取得資金への充当などの他の選択肢についても検討の上、投信協会の諸規則に定める額を上限として、当該営業期間の減価償却費の30%に相当する金額を限度として、本投資法人が決定した金額を、利益を超えた金銭として、分配する方針としますが、経済環境、不動産市況、本投資法人の財務状況等を勘案し、利益を超えた金銭の分配を行わない場合もあります。加えて、利益超過分配は投信協会の規則により規制されており、投信協会の規則の改正により、利益超過分配が当初の予定どおり実施できない可能性もあります。また、利益超過分配は手元資金の流出を伴うため、不測の事態に対応する場合や新たな不動産等を取得する場合等において必要な手元資金が不足する可能性があり、本投資法人の運用の制約要因となる可能性があります。
利益超過分配は本投資法人の純資産から支払われる出資の払戻しであり、これを実施することにより、本投資法人の資産総額及び純資産総額は減少していきます。この結果、本投資法人の規模が小さくなり、本投資法人の財務及び存続に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、資産総額又は純資産総額が一定金額未満となった場合、東京証券取引所の有価証券上場規程に定める上場廃止基準に抵触し、本投資口は上場廃止となる可能性があります。
また、利益超過分配が行われた場合、当該分配に係る計算期間の決算日における本投資口の1口当たり純資産価格は、直前計算期間の決算日における本投資口の1口当たり純資産価格と比較して下落し、また、分配金の水準は、必ずしも計算期間における本投資法人の収益率を示すものではありません。
本投資口に対して投下された投資主からの投資金額については、いかなる保証も付されておらず、金融機関の預金と異なり預金保険等の対象でもありません。本投資法人について破産その他の倒産手続が開始された場合や本投資法人が解散した場合には、投資主は配当・残余財産の分配等において最劣後の地位に置かれ、投資金額の全部又は一部の回収が不可能となる可能性があります。
(ニ) 収入及び支出の変動に関するリスク
本投資法人の収入は、不動産の賃料収入に主として依存しています。不動産に係る賃料収入は、不動産の稼働率の低下等により、大きく減少する可能性があるほか、賃借人との協議や賃借人からの請求等により賃料が減額されたり、契約どおりの増額改定を行えない可能性もあります(なお、これら不動産に係る賃料収入に関するリスクについては、後記「④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク (ニ) 賃貸借契約に関するリスク」をご参照ください。)。また、不動産に関して締結される賃貸借契約に基づく賃料が、一般的な賃料水準に比して適正な水準にあるとは限りません。
一方、収入の減少だけでなく、退去するテナントへの預り敷金及び保証金の返還、大規模修繕等に要する費用支出、多額の資本的支出、不動産の取得等に要する費用、その他不動産に関する支出が状況により増大し、キャッシュフローを減ずる要因となる可能性があります。
このように、不動産からの収入が減少する可能性があるとともに、不動産に関する支出は増大する可能性があり、これら双方又はいずれか一方の事由が生じた場合、投資主への分配金額が減少したり、本投資証券の市場価格が下落することがあります。
(ホ) 投資口の追加発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
本投資法人は、新規投資口を随時追加発行する予定ですが、かかる追加発行により既存の投資主の保有する投資口の持分割合が減少します。また、本投資法人の営業期間中に追加発行された投資口に対して、当該営業期間の期初から存在する投資口と同額の金銭の分配が行われる場合には、既存の投資主は、追加発行がなかった場合に比して、悪影響を受ける可能性があります。
さらに、追加発行の結果、本投資法人の投資口1口当たりの価値や市場における需給バランスが影響を受ける可能性があります。
(ヘ) 投資主の権利が必ずしも株主の権利と同一でないリスク
投資法人の投資主は、投資主総会を通じて、投資法人の意思決定に参画できるほか、投資法人に対して一定の権利を行使することができますが、かかる権利は株式会社における株主の権利とは必ずしも同一ではありません。例えば、金銭の分配に係る計算書を含む投資法人の計算書類等は、役員会の承認のみで確定し(投信法第131条第2項)、投資主総会の承認を得る必要はないことから、投資主総会は、必ずしも、決算期ごとに招集されるわけではありません。また、投資主が投資主総会に出席せず、かつ、議決権を行使しないときは、当該投資主はその投資主総会に提出された議案(複数の議案が提出された場合において、これらのうちに相反する趣旨の議案があるときは、当該議案のいずれをも除きます。)について賛成するものとみなされます(投信法第93条第1項及び規約第41条第1項)。
さらに、本投資法人は、資産の運用に係る業務その他の業務を本資産運用会社その他の第三者に委託しています。
これらの要因により、投資主による資産の運用に係る業務その他の業務に対する統制が効果的に行えない可能性もあります。
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ) スポンサーパイプライン・サポート契約及びサポート協定に基づき想定どおりの物件取得が行えないリスク
本投資法人及び本資産運用会社は、マリモ及びリビタとの間で、それぞれ、スポンサーパイプライン・サポート契約を締結し、また、三重銀行、みちのく銀行、東京スター銀行、中国銀行、関西アーバン銀行、広島銀行及び足利銀行との間でサポート協定を締結しています。マリモ及びリビタは、本投資法人及び本資産運用会社に対して優先的物件情報の提供及び優先的売買交渉権の付与を約しており、三重銀行、みちのく銀行、東京スター銀行、中国銀行、関西アーバン銀行関西アーバン銀行、広島銀行及び足利銀行は物件情報の提供を約しています(スポンサーパイプライン・サポート契約及びサポート協定については、前記「2 投資方針 (1) 投資方針 ④地域に根付き、「地方の創生」を実現するサポート体制を構築」をご参照ください。)。しかし、マリモ及びリビタとの間のスポンサーパイプライン・サポート契約は、本投資法人及び本資産運用会社に優先的に情報の提供を受ける権利や優先的売買交渉権を与えるものにすぎず、本投資法人に対して、不動産を本投資法人の希望する価格で売却する義務を負っているわけではありません。また、三重銀行、みちのく銀行、東京スター銀行、中国銀行、関西アーバン銀行、広島銀行及び足利銀行との間で合意する物件情報の提供は、第三者に優先してなされるものではなく、みちのく銀行、中国銀行、広島銀行及び足利銀行については、各行の判断により、任意で、物件情報の提供を行う内容となっています。したがって、本投資法人は、スポンサーパイプライン・サポート契約又はサポート協定により、本投資法人が適切であると判断する不動産を適切な価格で取得できることまで常に確保されているわけではありません。
前記に加え、更新条項はあるものの、スポンサー又はサポート会社は自ら申し出ることによりスポンサーパイプライン・サポート契約又はサポート協定を更新せずに終了することができます。スポンサーパイプライン・サポート契約及びサポート協定の有効期間が経過し、更新がなされずに契約が終了した場合には、各社からのサポートは受けられません。なお、リビタ、三重銀行及びみちのく銀行は、本資産運用会社の発行済株式のそれぞれ5%、2.5%、1.5%の株式を保有していますが、平成33年の一定の日以降、かかる株式について、マリモに対して買取りを請求することができる権利を有しています。リビタ、三重銀行又はみちのく銀行がかかる買取請求に伴い、スポンサーパイプライン・サポート契約又はサポート協定の終了を選択した場合、以後、サポートは受けられません。
したがって、本投資法人は、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない可能性があります。
(ロ) 不動産を取得又は処分できないリスク
不動産は、一般的にそれぞれの物件の個別性が強いために代替性がなく、流動性が低いため、希望する時期に希望する物件を取得又は処分できない可能性があります。また、必ずしも、本投資法人が取得を希望した不動産等及び不動産対応証券等を取得することができるとは限りません。取得が可能であったとしても、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。さらに、本投資法人が不動産等及び不動産対応証券等を取得した後にこれらを処分する場合にも、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。
以上の結果、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない可能性があり、またポートフォリオの組替えが適時に行えない可能性があります。
(ハ) 投資口の追加発行、借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
投資口の追加発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行の可能性及び条件は、本投資法人の経済的信用力、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、今後本投資法人の希望する時期及び条件で投資口の追加発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行を行うことができる保証はなく、その結果、予定した資産を取得できなかったり、予定しない資産の売却を余儀なくされたり、資金繰りがつかなくなったりする可能性があります。
また、本投資法人が金銭の借入れ又は投資法人債の発行を行う場合において、当該金銭の借入れ又は投資法人債の発行の条件として、資産・負債等に基づく一定の財務指標上の数値を維持する、本投資法人の信用状態に関する評価を一定の水準に維持する、投資主への金銭の分配を制約する等の財務制限条項が新たに設けられたり、運用資産に担保を新たに又は追加して設定することとなったり、規約の変更が制限されたりする等の可能性があり、このような制約が本投資法人の運営に支障をきたし、又は投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、これらの制限に違反した場合には、追加の担保設定や費用負担等を求められ、本投資法人の運営に重大な悪影響が生じる可能性があります。なお、本投資法人が現在行っている借入れについては、このような一般的な財務制限条項が設けられています。かかる財務制限条項には、本投資法人のLTV等の財務指標に関する数値が一定の数値を超過した場合の、現金その他の一定資産の留保義務、期限の利益喪失等に関する条件、投資主への分配の制約等が含まれるほか、保有物件の売却に対する制約が含まれます。
本投資法人の保有資産に担保が設定された場合、本投資法人が担保の設定された運用資産の売却を希望したとしても、担保の解除手続その他の事情により、希望どおりの時期に売却できない可能性又は希望する価格で売却できない可能性があります。また、収益性の悪化等により運用資産の評価額が引き下げられた場合又は他の借入れを行う場合等、一定の条件のもとに投資対象不動産に対して追加して担保を設定することを要求される可能性もあります。この場合、他の借入れ等のために担保が既に設定されているなどの理由で担保に供する適切な資産がない可能性もあります。また、担保不動産からのキャッシュフローが減少したり、その評価額が引き下げられたりした場合には、本投資法人の希望しない条件で借換資金を調達せざるを得なくなったり、本投資法人の希望しない時期及び条件で運用資産を処分せざるを得なくなったりする状況も想定され、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、担保に供する適切な資産がないために、本投資法人の希望どおりの借入れ等を行えない可能性もあります。
また、借入れ及び投資法人債の金利その他の条件やこれに関する費用は、借入れ時及び投資法人債発行時の市場動向並びに投資法人債に係る格付等に左右され、変動金利の場合には、その後の市場動向にも左右されます。借入れ及び投資法人債の金利が上昇し、又は、本投資法人の借入額及び投資法人債発行額が増加した場合には、本投資法人の利払額は増加します。このような利払額の増加により、投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ニ) 有利子負債比率に関するリスク
LTVの上限は、本資産運用会社の運用ガイドラインにより60%としていますが、資産の取得等に伴い一時的に60%を超えることがあります。一般にLTVの水準が高くなればなるほど、金利が低下しない限り利払額は増加し、また、金利上昇の影響を受けやすくなり、その結果、本投資法人の収益の安定性等に悪影響を及ぼしたり、投資主の分配額が減少したりするおそれがあります。
(ホ) 敷金及び保証金に関するリスク
本投資法人は、運用資産の賃借人が無利息又は低利で預託した敷金又は保証金を運用資産の取得資金の一部として利用する場合があります。しかし、賃貸市場の動向、賃借人との交渉等により、本投資法人の想定よりも賃借人からの敷金及び保証金の預託額が少なくなり、又は預託期間が短くなる可能性があり、この場合、必要な資金を借入れ等により調達せざるを得なくなります。また、敷金又は保証金を本投資法人が利用する条件として、本投資法人が敷金又は保証金の返還債務を負う場合があり、当該返還債務の履行に必要な資金を借入れ等により調達する可能性があります。これらの結果、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
(へ) 投資対象を主として地方物件としていることによるリスク
本投資法人は、地方創生の理念の下、地方に所在する物件を中心としたポートフォリオを構築することを想定していますが、東京圏に所在する物件と比較して、一般的に、地方に所在する物件においては、不動産売買市場への参加者が限定されていることから流動性が乏しく、また不動産の価格変動性が高くなる可能性もあるため、本投資法人の希望する条件で不動産を取得・売却することができない場合があります。また、物件のテナントとなり得る者も一般に限定される可能性があり、長期間の空室が生じ稼働率が低下したり、稼働率を向上するために賃料水準を引き下げたりすることを余儀なくされる可能性があります。これらの結果、本投資法人はその投資方針に従った運用ができず、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
加えて、本投資法人は、国が重要施策として掲げる「地方の創生」に貢献し、地方から日本を強くしていくことを基本理念としますが、今後の地方創生に関する地域経済動向や国の施策等により、東京圏と対比した地方の成長可能性や魅力が失われ、地方に所在する物件を中心としたポートフォリオを構築する方針を掲げる本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
(ト) 少数のテナントに依存していることによるリスク
本投資法人の保有資産のうち、2物件のエンドテナントは、株式会社ヤマダ電機となります。ヤマダ電機テックランド時津店における株式会社ヤマダ電機からの賃貸事業収益と、ヤマダ電機テックランド三原店における賃料固定型マスターリース会社であるマリモからの賃貸事業収益の合計は、本投資法人の収入の2割以上を占めます。株式会社ヤマダ電機の財政状態及び経営成績が悪化し、賃料支払が遅延したり、中途解約その他の理由により物件から退去したりした場合には、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
(チ) シングルテナント物件に関するリスク
本投資法人の保有資産のうち、7物件は、単一のテナントへ物件全体を賃貸するいわゆるシングルテナント物件となります。
シングルテナント物件のテナントが退去した場合、代替テナントが入居するまでの空室期間が長期化する可能性があります。その結果、当該物件の稼働率が大きく減少したり、代替テナント確保のために賃料水準を引き下げざるを得なくなることがあり、賃料収入に影響を与える可能性があります。
(リ) 少数の物件に収入が依存していることによるリスク
本投資法人のポートフォリオは17物件により構成されています。このうち、アルティザ仙台花京院が占める割合が、賃貸事業収益ベースでポートフォリオ全体の約17.9%に達し、収入が当該物件からの賃貸事業収益に大きく依存しています。したがって、アルティザ仙台花京院が何らかの理由で毀損、滅失若しくは劣化し、又はオペレーションが不可能となる事由が生じた場合、あるいはそのテナントの財政状態及び経営成績が悪化し、又は当該物件のテナントが中途解約等により退去した場合には、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
(ヌ) 運用資産の立地の地域的な偏在に関するリスク
本投資法人のポートフォリオのうち、6物件は九州地方に所在しています。当該6物件を合わせると賃料ベースで当初ポートフォリオ全体の約3割に達し、九州地方における地震その他の災害や、九州地方の経済情勢の悪化などの理由により、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
また、今後の運用次第では、本投資法人の運用資産の立地に新たな地域的な偏在が生じる可能性もあります。その場合、上記同様、当該地域に特有の事由により、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
(ル) ホテルに関するリスク
a. ホテルの収益が景気の悪化、災害等のホテル業界を取り巻く様々な外部要因や環境等の影響を受ける傾向にあるリスク
本投資法人は、不動産の中でも、ホテルに投資することがあります。このような場合、本投資法人の業績は、ホテル業界の全体的な傾向の影響を受けることがあります。ホテル業績は、ホテル業界の全体的な傾向に大きく依存しています。場合によっては、テナントが、賃料を約定どおり支払うことができなくなったり、賃貸借契約を解約して又は更新せずに退去したり、賃料の減額請求をすることがあります。これらの要因により、本投資法人の収益は悪影響を受けることがあります。また、本投資法人が、テナントとの間で賃貸借契約を締結する際に、固定賃料部分と変動賃料部分を組み合わせた賃料構成とした場合、テナントの売上減少又は利益の減少等が、賃料収入に直接的な悪影響を与えることになります。
更に、変動賃料部分の計算根拠となっている売上高の数値について、その正確性を十分に検証できず、本来支払われるべき変動賃料全額の支払いがなされず、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
ホテルは、物件の特性上、オペレーターが利用者に一定のサービスを提供することが必要とされます。このため、オペレーターによる運営管理が適切に行われなかった場合に、ホテルのレピュテーションの低下によりホテル利用者が減少し、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
ホテルの業績や収益は、以下のものを含む様々な要素により悪影響を受ける可能性があります。特に、本投資法人が投資することがあるシェア型複合ホテルは、通常の宿泊特化型ホテルに比してターゲットとしている客層が狭いため、一定の要素による影響を強く受ける可能性があります。
・国内の景気及び経済状況の悪化並びに災害、悪天候、伝染病の流行等による消費者行動の変化の影響を受けた旅行者数の減少
・政治及び外交上の出来事及び動向や為替要因等による、インバウンドの旅行者数の減少
・保有する設備や周辺環境の陳腐化又は交通環境の変化による集客力の低下
・周辺の特定の施設に集客力が依存している場合の当該施設の閉鎖等による集客力の低下
・当該施設や周辺において提供されている特定のサービスに集客力が依存している場合の当該サービス提供の終了、当該サービスに対する旅行者の選好の変化等による集客力の低下
・シェア型複合ホテルを含む特殊なコンセプト(注1)に基づいて運営されている施設の場合における、当該コンセプトの陳腐化、当該コンセプトに対する旅行者の選好の変化等による集客力の低下、類似するコンセプトのホテルとの競合による集客力の低下
・従業員等の故意又は過失による顧客情報の漏洩
・旅館業法(昭和23年法律第138号。その後の改正を含みます。)に基づく営業許可その他許認可の取消し
・シェア型複合ホテルにおいてシェアスペース等の施設の運営を行うオペレーターの知見・経験不足により、ホテル利用者のアイデア等をシェアする場を提供するというシェア型複合ホテルのコンセプトを実現できないことによる集客力の低下
また、ホテルの業績や収益は、季節的要因により変動します。一般的には、年末年始や大型連休などには収益が大きくなりますが、物件ごとに個別事情もあります。したがって、本投資法人の収益は6月末日で終了する営業期間と12月末日で終了する営業期間で異なることがあります。
b. 既存テナントが退去した場合に関するリスク
ホテルは、装置産業としての性格が強く、内装や温泉権のように、施設運営に不可欠の資産、権利等をオペレーターが有している場合もあり、また、運営に当たり高度な知識が要求されることから、賃貸借契約が解除され又は更新されずに既存オペレーターが退去した場合、代替するオペレーターとなりうる者が少ないために、代替テナントが入居するまでの空室期間が長期化し、不動産の稼働率が大きく低下すること、代替するオペレーター確保のために賃料水準を下げざるを得なくなること、運営の移行期間において十分な収益が実現できないこと、又は賃貸借契約の条件が不利になることがあり、その結果、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。特に、本投資法人が投資することがあるシェア型複合ホテルは、シェアスペース等の施設の運営ノウハウを有するオペレーターを確保する必要があります。
c. FF&Eの定期更新に関するリスク
ホテルは、競争力維持のためのいわゆるFF&E(注2)の定期的な更新投資及び単なる更新に留まらない競争力強化のための大規模投資が必要となります。特に、本投資法人が投資することがあるシェア型複合ホテルは、客室のみならず、様々なコンセプトを有するシェアスペース等の施設を有するため、FF&Eが通常の宿泊特化型ホテルに比して高額になる傾向にあります。FF&Eはその資産アイテム毎に、本投資法人とテナントとの間の資産区分及び初期投資、修繕、更新等の負担区分が賃貸借契約において規定されることが想定されます。かかる取決めにより、本投資法人がその多くを所有し、その負担能力を超えて初期投資、修繕、更新等を行うこととなった場合、本投資法人の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、これらの理由で工事が行われる場合、施設が相当期間閉鎖される場合もあり、この間オペレーターは収益をあげることができません。そのために、賃料等の減少の形で本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性もあります。また、かかるFF&Eの初期投資、修繕、更新等がホテルの売上又は利益増につながらず、期待どおりの効果が得られない場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(注1)シェア型複合ホテルにおける「特殊なコンセプト」とは、ホテルの空間や設備だけでなく、ホテルを利用する多様な人々のアイデアや知識、ライフスタイルや価値観をシェアする場を提供するというホテル運営の際のコンセプトをいいます。
(注2)FF&Eは、Furniture、Fixture & Equipmentの略であり、家具、什器、備品、装飾品並びに厨房機器等、ホテル運営に必要な資産をいいます。原則的にFF&Eは償却資産です。以下同じです。
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ) マリモグループへの依存、利益相反に関するリスク
本書の日付現在、株式会社マリモホールディングスは、本資産運用会社の親会社です。また、株式会社マリモホールディングスの子会社であるマリモは、本書の日付現在、本資産運用会社の主要な役職員の一部の出向元です。また、本投資法人及び本資産運用会社は、マリモとスポンサーパイプライン・サポート契約を締結しています(スポンサーパイプライン・サポート契約については、前記「2 投資方針 (1) 投資方針 ④ 地域に根付き、「地方の創生」を実現するサポート体制を構築」をご参照ください。)。本投資法人及び本資産運用会社は、マリモグループと密接な関係を有しており、本投資法人による安定した収益の確保と成長性に対するマリモグループの影響は極めて高いということができます。
したがって、本投資法人及び本資産運用会社がマリモグループとの間で、本書の日付現在における関係と同様の関係を維持できなくなった場合、マリモグループの事業方針の変更等によりマリモグループにおける本投資法人の位置付けが変化した場合、マリモグループのノウハウ、レピュテーション、ブランド力等が低下した場合、又はマリモグループの業績若しくは財政状態が悪化した場合等には、本投資法人に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、マリモグループのノウハウ、レピュテーション、ブランド力等はマリモグループの人材に大きく依存しています。したがって、当該人材の能力が著しく低下した場合又はマリモグループが当該人材を失った場合等は、マリモグループのノウハウ、レピュテーション、ブランド力等が低下し、本投資法人に悪影響が及ぶ可能性があります。
さらに、本投資法人や本資産運用会社が、資産運用活動その他を通じて、マリモグループとの間で取引を行う場合、本資産運用会社の利害関係人等取引規程に基づく手続の履践等、一定の利益相反対策は行っているものの、マリモグループの利益を図るために、本投資法人の投資主の利益に反する行為を行う可能性もあり、その場合には、本投資法人の投資主に損害が発生する可能性があります。
加えて、本投資法人及び本資産運用会社がマリモとの間で締結している契約は、マリモグループが、本投資法人と競合する事業を行うことを禁止するものではありません。マリモグループは、不動産に関わる取得、開発、保有・運営、再生、リーシング、マリモグループ以外の第三者からのPM業務の受託等、様々な形で本投資法人の運用資産と競合する不動産に関連する業務を行っています。したがって、本投資法人又は本資産運用会社とマリモグループとが、特定の資産の取得、賃貸借、管理運営、処分等に関して競合する可能性やその他利益相反が問題となる状況が生じる可能性は否定できません。
上記のような利益相反が問題となりうる場合としては、例えば、マリモグループからの物件取得に際しての取得価格その他の購入条件、マスターレッシー又はエンドテナントであるマリモグループに対する賃貸に関する条件、マリモグループに対する瑕疵担保責任の追及その他の権利行使、スポンサーパイプライン・サポート契約の更新の有無、PM業務の遂行などが挙げられます。
これらの問題により、本投資法人の利益が不当に害され、本投資法人の投資主に損害が発生する可能性があります。
(ロ) リビタへの依存、利益相反に関するリスク
リビタは、本書の日付現在、本資産運用会社の株主であり、本投資法人及び本資産運用会社は、リビタとスポンサーパイプライン・サポート契約を締結しています(スポンサーパイプライン・サポート契約については、前記「2 投資方針 (1) 投資方針 ④ 地域に根付き、「地方の創生」を実現するサポート体制を構築」をご参照ください。)。本投資法人及び本資産運用会社は、資産運用にあたってリビタから様々なサポートを受けることを予定しており、本投資法人による安定した収益の確保と成長性に対するリビタの影響は高いということができます。
したがって、本投資法人及び本資産運用会社がリビタとの間で、本書の日付現在における関係と同様の関係を維持できなくなった場合、リビタのノウハウ、レピュテーション、ブランド力等が低下した場合、又はリビタの業績若しくは財政状態が悪化した場合等には、本投資法人に悪影響が及ぶ可能性があります。
さらに、本投資法人や本資産運用会社が、資産運用活動その他を通じて、リビタとの間で取引を行う場合、本資産運用会社の利害関係人等取引規程に基づく手続の履践等、一定の利益相反対策は行っているものの、リビタの利益を図るために、本投資法人の投資主の利益に反する行為を行う可能性もあり、その場合には、本投資法人の投資主に損害が発生する可能性があります。
加えて、本投資法人及び本資産運用会社がリビタとの間で締結している契約は、リビタが、本投資法人と競合する事業を行うことを禁止するものではありません。リビタは、リノベーション分譲事業、コンサルティング事業、PMサブリース事業等、様々な形で本投資法人の運用資産と競合する不動産に関連する業務を行っています。したがって、本投資法人又は本資産運用会社とリビタとが、特定の資産の取得、賃貸借、管理運営、処分等に関して競合する可能性やその他利益相反が問題となる状況が生じる可能性は否定できません。
上記のような利益相反が問題となりうる場合としては、例えば、リビタからの物件取得に際しての取得価格その他の購入条件、リビタに対する瑕疵担保責任の追及その他の権利行使、スポンサーパイプライン・サポート契約の更新の有無、PM業務の遂行などがあげられます。
これらの問題により、本投資法人の利益が不当に害され、本投資法人の投資主に損害が発生する可能性があります。
(ハ) 資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者に関するリスク
a. 任務懈怠等に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、資産の運用を本資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に、それぞれ委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためにはこれらの関係法人の能力、経験及び知見に依拠するところが大きいと考えられますが、これらの関係法人が業務遂行に必要な人的・財政的基礎等を必ずしも維持できる保証はありません。本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者は、投信法及び金融商品取引法上委託を受けた業務の執行につき善良な管理者としての注意義務(以下「善管注意義務」といいます。)を負い、かつ法令、規約及び投資主総会の決議を遵守し投資法人のために忠実に職務を遂行する義務(以下「忠実義務」といいます。)を負っています(投信法第118条及び第209条並びに金融商品取引法第42条)が、これらの者による業務の懈怠その他義務違反があった場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
b. 利益相反に関するリスク
本資産運用会社、一般事務受託者、資産保管会社及び本資産運用会社の株主等、本投資法人に現在関与し又は将来関与する可能性がある法人は、それぞれの立場において本投資法人の利益を害し、自己又は第三者の利益を図ることが可能な立場にあります。これらの関係法人がそれぞれの立場において自己又は第三者の利益を図った場合は、本投資法人の利益が害される可能性があります。
本資産運用会社は、本投資法人に対し善管注意義務及び忠実義務を負う(金融商品取引法第42条)ほか、投信法及び金融商品取引法において業務遂行に関して行為準則が詳細に規定されており、さらに運用ガイドラインに基づく自主的なルールも定めています。
しかし、本資産運用会社が、前記に反して、自己又は第三者の利益を図るため、本投資法人の利益を害することとなる取引を行った場合には、投資主に損害が発生する可能性があります。
なお、本資産運用会社が、将来において本投資法人以外の投資法人等の資産運用を受託した場合、本投資法人及び本資産運用会社との間のみならず、本投資法人及び当該本投資法人以外の投資法人等との間でも、利益相反の問題が生じる可能性があります。投信法は、このような場合に備えて、投信法上の資産運用会社が、その資産の運用を行う投資法人相互間において取引を行うことを原則として禁止する等の規定を置いています。また、本資産運用会社においても、本投資法人以外の投資法人等の資産を運用することとなる場合には、他の投資法人等との間の利益相反の問題に対処するために必要な自主的ルールを策定することも想定されます。しかし、この場合に、本投資法人以外の投資法人等の利益を図るため、本投資法人の利益が害されるリスクが現実化しないという保証はありません。
c. 解約に関するリスク
一定の場合には、本資産運用会社、一般事務受託者及び資産保管会社との契約が解約されることがあります。投信法上、資産の運用、資産の保管及び一般事務に関して第三者へ委託することが要求されているため、各契約が解約された場合には、本投資法人は新たな受託者に委託する必要があります。しかし、本投資法人の希望する時期及び条件で現在と同等又はそれ以上の能力と専門性を有する新たな受託者を選任できる保証はなく、速やかに選任できない場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
d. 倒産等に関するリスク
本資産運用会社、一般事務受託者又は資産保管会社のそれぞれが、破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。以下「破産法」といいます。)上の破産手続、会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。以下「会社更生法」といいます。)上の会社更生手続、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。以下「民事再生法」といいます。)上の民事再生手続その他の倒産手続(以下「倒産手続等」と総称します。)により業務遂行能力を喪失する可能性があるほか、本投資法人は、それらの者に対する債権の回収に困難が生じるおそれがあり、さらに、それらの者との契約を解約されることがあります。これらにより、本投資法人の日常の業務遂行に影響を及ぼすことになり、また、場合によっては本投資口の上場が廃止される可能性もあります。そのような場合、投資主が損害を受ける可能性があります。
(ニ) PM会社に関するリスク
a. 能力に関するリスク
一般に、賃借人の管理、建物の保守管理等、不動産の管理全般の成否は、PM会社の能力、経験及び知見によるところが大きく、本投資法人が保有している不動産の管理についても、管理を委託するPM会社の業務遂行能力に大きく依拠することとなります。管理委託先を選定するにあたっては、当該PM会社の能力、経験、ノウハウ及び財務体質を十分考慮することが前提となりますが、当該PM会社における人的・財産的基盤が維持される保証はありません。
b. 利益相反に関するリスク
本投資法人の投資対象不動産に係るPM会社が、他の顧客(本投資法人以外の投資法人を含みます。)から当該他の顧客の不動産の管理及び運営業務を受託し、本投資法人の投資対象不動産に係るPM業務と類似又は同種の業務を行う可能性があります。これらの場合、当該PM会社は、本投資法人以外の顧客の利益を優先することにより、本投資法人の利益を害する可能性があります。
c. 解約に関するリスク
一定の場合には、PM会社との契約が解約されることがあります。後任のPM会社が選任されるまではPM会社不在又は機能不全のリスクが生じるため、一時的に当該投資対象不動産の管理状況が悪化する可能性があります。また、本投資法人の希望する時期及び条件で現在と同等又はそれ以上の能力と専門性を有する新たなPM会社を選任できる保証はなく、速やかに選任できない場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
d. 倒産等に関するリスク
PM会社が、倒産手続等により業務遂行能力を喪失する可能性があるほか、本投資法人は、それらの関係法人に対する債権の回収に困難が生じるおそれがあり、さらに、PM会社との契約を解約されることがあります。これらにより、本投資法人の日常の業務遂行に影響が及ぶことになり、投資主が損害を受ける可能性があります。
(ホ) 本投資法人の役員及び本資産運用会社の人材に依存しているリスク
本投資法人の運営は、本投資法人の役員及び本資産運用会社の人材に大きく依存しており、これらの人材が失われた場合、本投資法人の運営に悪影響をもたらす可能性があります。
(ヘ) 本投資法人及び本資産運用会社の歴史が浅いことによるリスク
本投資法人は、平成28年2月5日に設立され、平成28年8月1日に資産の運用を開始しました。また、本資産運用会社は、平成27年12月17日に投資運用業の登録を完了し、本投資法人が、投資法人の資産の運用を行う初めての登録投資法人となります。したがって、本投資法人及び本資産運用会社には、過去の実績が少ないため、過去の実績から今後の実績を予測することは困難です。
(ト) 本投資法人の投資方針等の変更に関するリスク
本投資法人の規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会及び本資産運用会社の取締役会が定めたより詳細な投資方針、ポートフォリオ構築方針、運用ガイドライン等については、投資主総会の承認を経ることなく、変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、これらが変更される可能性があります。
また、本投資法人の発行する投資証券について支配権獲得その他を意図した取得が行われた場合、投資主総会での決議等の結果として本投資法人の運用方針、運営形態等が他の投資主の想定しなかった方針、形態等に変更される可能性があります。
一方で、運用環境の変化に対応して、適切に本投資法人の運用方針、運用形態等を変更できない可能性もあり、そのような場合には、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
(チ) 本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
本投資法人は、破産法上の破産手続、民事再生法上の再生手続及び投信法上の特別清算手続(投信法第164条)に服する可能性があります。
本投資法人は、投信法に基づいて投資法人としての登録を受けていますが、一定の事由が発生した場合に投信法に従ってその登録が取り消される可能性があります(投信法第216条)。その場合には、本投資証券の上場が廃止され、本投資法人は解散し、清算手続に入ります。
本投資法人が清算される場合、投資主は、全ての債権者への弁済(投資法人債の償還を含みます。)後の残余財産の分配にあずかることによってしか投資金額を回収することができません。このため、投資主は、投資金額の全部又は一部について回収を得ることができない可能性があります。
④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク
本投資法人の主たる運用資産は、前記「2 投資方針 (2) 投資対象 ① 投資対象とする資産の種類」に記載のとおり、不動産等及び不動産対応証券です。本投資法人は、後記「5 運用状況 (2) 投資資産 ③ その他投資資産の主要なもの」に記載する不動産の信託の受益権を保有しています。不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産の所有者は、その信託財産である不動産又は裏付けとなる不動産を直接所有する場合と、経済的には、ほぼ同様の利益状況に置かれます。したがって、以下に記載する不動産に関するリスクは、不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産についても、ほぼ同様にあてはまります。
なお、信託の受益権特有のリスクについては、後記「(ム) 不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク」をご参照ください。
(イ) 不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク
不動産には権利、地盤、地質、構造等に関して欠陥、瑕疵等(工事における杭打ちを含む施工の不具合及び施工報告書の施工データの転用・加筆等を含みますが、これらに限りません。)が存在している可能性があり、また、かかる欠陥、瑕疵等が取得後に判明する可能性もあります。本資産運用会社が投資対象不動産等の選定・取得の判断を行うに当たっては、原則として投資対象不動産について定評のある専門業者から建物状況評価報告書を取得する等の物件精査を行うとともに、当該投資対象不動産等の前所有者又は前受益者から譲渡の時点における一定の表明及び保証を取得することとしています。また、状況に応じて、前所有者又は前受益者に対し一定の瑕疵担保責任を負担させる場合もあります。建築基準法等の行政法規が求める所定の手続を経由した不動産についても、一般的に、建物の施工を受託した建築会社又はその下請け業者において、建物が適正に施工されない場合がありうるほか、建築基準関係規定の求める安全性や構造耐力等を有するとの保証はありません。また、前所有者又は前受益者の表明及び保証が真実でなかったことを理由とする損害賠償責任や瑕疵担保責任を追及できたとしても、これらの責任の期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例であり、また、前所有者が解散したり無資力になっているために実効性がない場合もあります。
これらの場合には、当該欠陥、瑕疵等の程度によっては当該不動産の資産価値が低下することを防ぐために買主である本投資法人が当該欠陥、瑕疵、建替え等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるをえなくなることがあり、投資主に損害を与える可能性があります。
また、登記簿の記載を信じて取引した場合にも、買主は不動産に係る権利を取得できないことがあります。さらに、登記簿中の不動産の権利に関する事項が現況と一致していない場合もあります。加えて、権利に関する事項のみならず、登記簿中の不動産の表示に関する事項も現況と一致していない場合もあります。このような場合、上記と同じく、本投資法人は売主等に対して法律上又は契約上可能な範囲で責任を追及することとなりますが、その実効性があるとの保証はありません。
(ロ) 不動産の境界に関するリスク
本投資法人は、境界が確定していない物件であっても、紛争等の可能性や運営への影響等を検討の上で取得することがありますが、本投資法人の想定に反し、隣地との間で紛争が生じたり、境界確定の過程で運用資産の運営に不可欠の土地が隣地所有者の所有に属するものとされることなどにより、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
(ハ) 不動産の売却に伴う責任に関するリスク
本投資法人が不動産を売却する場合、本投資法人は、宅地建物取引業法上、宅地建物取引業者とみなされるため、同法に基づき、売却の相手方が宅地建物取引業者である場合を除いて、不動産の売買契約において、瑕疵担保責任に関し、買主に不利となる特約をすることが制限されています。したがって、本投資法人が不動産を売却する場合は、売却した不動産の欠陥、瑕疵等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主に損害を与える可能性があります。
加えて、不動産をめぐる権利義務関係の複雑さゆえに、不動産に関する権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受けたり、第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。その結果、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
さらに、賃貸不動産の売却においては、新所有者が賃借人に対する敷金返還債務等を承継するものと解されており、実務もこれにならうのが通常ですが、旧所有者が当該債務を免れることについて賃借人の承諾を得ていない場合には、旧所有者は新所有者とともに当該債務を負い続けると解される可能性があり、予想外の債務又は義務等を負う場合があり得ます。
(ニ) 賃貸借契約に関するリスク
a. 賃貸借契約の解約及び更新に関するリスク
賃借人が賃貸借契約上解約権を留保している場合等には契約期間中であっても賃貸借契約が終了することがあり、また、賃貸借契約の期間満了時に契約の更新がなされない場合もあるため、稼働率が低下し、不動産に係る賃料収入が減少することがあります。また、解約禁止条項、解約ペナルティ条項等を置いて期間中の解約権を制限している場合や更新料を定めている場合でも、裁判所によって所定の金額から減額されたり、かかる条項の効力が否定される可能性があります。
以上のような事由により、賃料収入等が減少した場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
他方で、賃貸人が、テナントとの賃貸借契約の更新を拒絶したり、解約を申し入れるためには、借地借家法上、正当の事由があると認められる場合であることが必要であり、賃貸人側の意向どおりに賃貸借契約を終了させることができないことにより、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、賃貸借契約を定期建物賃貸借契約とすれば、契約の更新がないこととすることが認められていますが、定期建物賃貸借契約の効力が認められるためには、借地借家法第38条所定の要件を充足する必要があるため、借地借家法第38条所定の要件が充足されなかった場合には、当該契約は、いわゆる普通建物賃貸借契約として取り扱われる可能性があります。その結果、建物賃貸借契約が所定の時期に終了しないこと等により、本投資法人の収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。
b. 賃料不払に関するリスク
賃借人の財務状況が悪化した場合又は破産法上の破産手続、民事再生法上の再生手続若しくは会社更生法上の更生手続その他の倒産手続(以下、併せて「倒産等手続」と総称します。)の対象となった場合、賃貸借契約に基づく賃料支払が滞る可能性があり、この延滞賃料等の債務の合計額が敷金及び保証金で担保される範囲を超える状況になった場合には、投資主に損害を与える可能性があります。
また、いわゆる保証会社が保証人となっている場合を中心として、賃借人の保証人との間の保証契約において、物件の売買等を理由として賃貸人が変更された場合に保証契約が承継されない旨の特約がなされる場合があります。この場合、本投資法人が物件を取得しても、保証会社による保証の対象外となります。
c. 賃料改定に係るリスク
テナントとの賃貸借契約の期間が比較的長期間である場合には、多くの場合、賃料等の賃貸借契約の内容について、定期的に見直しを行うこととされています。
したがって、本書の日付現在の賃料が今後も維持される保証はありません。賃料改定により賃料が減額された場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、定期的に賃料等を増額する旨の規定が賃貸借契約にある場合でも、賃借人との交渉いかんによっては、必ずしも、規定どおりに賃料を増額できるとは限りません。
d. 賃借人による賃料減額請求権行使のリスク
建物の賃借人は、定期建物賃貸借契約において借地借家法第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約を設けた場合を除いて、同条に基づく賃料減額請求をすることができます。請求が認められた場合、当該不動産から得られる賃料収入が減少し、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
ある建物賃貸借契約を定期建物賃貸借契約とした上で借地借家法第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約を設けた場合であっても、定期建物賃貸借契約の効力が認められるためには、借地借家法第38条所定の要件を充足する必要があるため、借地借家法第38条所定の要件が充足されなかった場合には、賃料減額請求権を排除することができず、物件から得られる賃料収入が減少し、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主が損失を被る可能性があります。
e. 変動賃料に関するリスク
本投資法人とテナントの間で締結される賃貸借契約において、固定賃料と売上実績に連動した変動賃料が組み合わさった賃料構成が採用されることがありますが、売上実績に連動した変動賃料の支払いを受ける場合には、売上げの減少が賃料総額の減少につながり、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、変動賃料の支払いを伴う賃貸借契約において、変動賃料の計算の基礎となる売上高等の数値について、賃貸人がその正確性について十分な検証を行えない場合があり得ます。その結果、本来支払われるべき金額全額の変動賃料の支払いがなされず、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
f. 定期建物賃貸借契約における賃料減額請求権排除特約に関するリスク
定期建物賃貸借契約の場合には、その有効期間中は契約中に定められた賃料をテナントに対して請求できるのが原則です。しかし、定期建物賃貸借契約においてテナントが早期解約した場合でも、残存期間全体についてのテナントに対する賃料請求が認められない可能性があります。なお、定期建物賃貸借契約において借地借家法第32条に基づく賃料増減請求権を排除する特約を設けた場合には、同条に基づく賃料増額請求もできなくなるため、かかる賃料が契約締結時に予期し得なかった事情により一般的な相場に比べて低額となり、通常の賃貸借契約の場合よりも低い賃料収入しか得られない可能性があります。
g. 更新料、敷引等に関するリスク
賃貸借契約において、賃貸借契約が更新される際の更新料、貸主が受領した敷金の一部を借主に返還しない旨のいわゆる敷引、また契約期間中に賃借人が解約した場合の違約金に関して敷金・保証金の没収について規定することがありますが、これらの規定は状況によってはその全部又は一部が無効とされ、その結果、本投資法人に予定外の収入の減少や費用負担が発生する可能性があります。
(ホ) 災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
火災、地震、液状化、津波、暴風雨、洪水、落雷、竜巻、火山の噴火、戦争、暴動、騒乱、テロ等(以下「災害等」といいます。)により不動産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が影響を受ける可能性があります。このような場合には、滅失、劣化又は毀損した個所を修復するため一定期間建物の稼働停止を余儀なくされることにより、賃料収入が減少し、又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主に損害を与える可能性があります。加えて、災害等の影響で周辺環境が悪化することにより、賃料収入が減少し、又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主に損害を与える可能性があります。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない災害等が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払が他の何らかの理由により行われず、減額され若しくは遅れる場合には、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主に損害を与える可能性があります。さらに、災害等により建物が滅失、劣化又は毀損した場合、建築から年月が経過していることなどの理由により、建物の建替え等に必要な図面や書面等が失われている不動産については、必要な修復を行うことができず、結果として当該不動産を従来の用途に利用することができなくなる可能性もあります。
(へ) 不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
運用資産である不動産を原因として、第三者の生命、身体又は財産等を侵害した場合に、損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損害を被る可能性があります。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合や生じた事故に対して保険金が支払われない場合、前記「(ホ) 災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク」と同様、本投資法人の収益等は悪影響を受ける可能性があります。
また、不動産につき滅失、毀損又は劣化等が生じ、修繕が必要となる場合には、かかる修繕に関連して多額の費用を要する可能性があります。また、かかる修繕が困難又は不可能な場合には、不動産から得られる賃料収入が減少し、不動産の価格が下落する可能性があります。
さらに、経済状況によっては、インフレーション、水道光熱費等の費用の高騰、不動産管理や建物管理に係る費用、備品調達等の管理コスト及び各種保険料等のコストの上昇、租税公課の増大その他の理由により、投資対象不動産の運用に関する費用が増加する可能性があります。
(ト) 不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例、都市計画法の改正、新たな立法、収用、再開発、区画整理等の行政行為の規定の施行又は適用の際、原則としてこれらの規定に適合しない現に存する建物(現に建築中のものを含みます。)又はその敷地については、当該規定が適用されない扱いとされています(いわゆる既存不適格)。しかし、かかる既存不適格の建物の建替え等を行う場合には、現行の規定が適用されるため、現行の規定に合致するよう手直しをする必要があり、追加的な費用負担が必要となる可能性があり、また、現状と同規模の建物を建築できない可能性やそもそも建物を再建築できない可能性もあります。さらに、建築から年月が経過していることなどの理由により、建物の建替え等に必要な図面や書面等が失われている不動産については、災害等により建物が滅失、劣化又は毀損した場合、必要な修復を行うことができず、結果として当該不動産を従来の用途に利用することができなくなる可能性もあります。
また、不動産に係る様々な行政法規や各地の条例による規制が運用資産である不動産に適用される可能性があります。例えば、都市計画法、地方公共団体の条例による風致地区内における建築等の規制、河川法(昭和39年法律第167号。その後の改正を含みます。)による河川保全区域における工作物の新築等の制限、文化財保護法(昭和25年法律第214号。その後の改正を含みます。)に基づく試掘調査義務、一定割合において住宅を付置する義務や、駐車場設置義務、福祉配慮設備設置義務、緑化推進義務及び雨水流出抑制施設設置義務等が挙げられます。このような義務が課せられている場合、当該不動産の処分及び建替え等に際して、事実上の困難が生じたり、これらの義務を遵守するための追加的な費用負担が生じたりする可能性があります。さらに、運用資産である不動産を含む地域が道路設置等の都市計画の対象となる場合には、当該都市計画対象部分に建築制限が付されたり、建物の敷地とされる面積が減少したりして収益が減少する可能性があります。また、当該不動産に関して建替え等を行う際に、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。
(チ) 水質汚濁防止法上の特定施設に関するリスク
本投資法人が不動産等を取得する場合において、当該不動産等に、水質汚濁防止法に規定される特定施設が設置されている場合があります。
水質汚濁防止法によれば、特定施設の設置者は、排水基準に適合しない排出水を排出するおそれがある場合には、都道府県知事により汚水等の処理の方法等の改善や特定施設の使用若しくは排出水の排出の一時停止を命ぜられることがあり、また、特定施設の破損その他の事故が発生し、有害物質等を含む水等が排出され又は地下に浸透したことにより人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるときには、有害物質等を含む水の排出又は浸透の防止のための応急の措置を講ずべき義務を負い、これを講じない場合には、都道府県知事により応急の措置を命ぜられることがあります。さらに、有害物質に該当する物質を含む水の地下への浸透があったことにより、現に人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、都道府県知事によりその被害を防止するため必要な限度において、地下水の水質の浄化のための措置を命ぜられることがあります。これらの場合、本投資法人に多額の費用の負担が生じる可能性があります。加えて、かかる有害物質が含まれた排水の排出又は地下への浸透により、人の生命又は身体を害したときは、当該排出又は地下への浸透をした者は、無過失責任を負うものとされていることから、特定施設において事故等が生じた場合には、本投資法人が第三者に対して多額の損害を賠償する義務が発生する可能性もあります。
これらの結果、本投資法人の収益等が悪影響を受け、投資主が損失を被る可能性があります。
(リ) 法令の制定・変更に関するリスク
土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改正を含みます。以下「土壌汚染対策法」といいます。)のほか、将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。
また、消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)その他不動産の管理に影響する関係法令の改正により、不動産の管理費用等が増加する可能性があるほか、エネルギー及び温室効果ガスの削減並びに耐震診断及び耐震改修の促進を目的とした法令、条例等の制定、適用、改正等によっても、追加的な費用負担等が発生する可能性があります。加えて、建築基準法、都市計画法の改正、新たな立法、収用、再開発、区画整理等の行政行為等により不動産に関する権利が制限される可能性があります。このような法令若しくは行政行為又はその変更等が本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
(ヌ) 売主の倒産等の影響を受けるリスク
本投資法人が、債務超過の状況にある等財務状態が実質的危機時期にあると認められる又はその疑義がある者を売主として不動産を取得した場合には、当該不動産の売買が売主の債権者により取り消される(詐害行為取消)可能性があります。また、本投資法人が不動産を取得した後、売主について倒産等手続が開始された場合には、不動産の売買が破産管財人、監督委員又は管財人により否認される可能性が生じます。
また、本投資法人が、ある売主から不動産を取得した別の者(本(ヌ)において、以下「買主」といいます。)からさらに不動産を取得した場合において、本投資法人が、当該不動産の取得時において、売主と買主間の当該不動産の売買が詐害行為として取消され又は否認される根拠となりうる事実関係を知っている場合には、本投資法人に対しても、売主・買主間の売買が否認され、その効果を主張される可能性があります。
本投資法人は、管財人等により売買が否認又は取消されるリスク等について諸般の事情を慎重に検討し、実務的に可能な限り管財人等により売買が否認又は取消されるリスク等を回避するよう努めますが、このリスクを完全に排除することは困難です。
さらに、取引の態様如何によっては売主と本投資法人との間の不動産の売買が、担保取引であると判断され、当該不動産は破産者である売主の破産財団の一部を構成し、又は更生会社若しくは再生債務者である売主の財産に属するとみなされる可能性(いわゆる真正譲渡でないとみなされるリスク)もあります。
(ル) マスターリース会社に関するリスク
本投資法人は、マスターレッシー(転貸人)が本投資法人又は信託受託者とマスターリース契約を締結した上で、各転借人に対して転貸するマスターリースの形態をとる物件を取得することがあります。
マスターリースの形態をとる物件においてマスターレッシーの財務状況が悪化した場合、転借人がマスターレッシーに賃料を支払ったとしても、マスターレッシーの債権者がマスターレッシーの転借人に対する賃料債権を差し押さえる等により、マスターレッシーから本投資法人又は信託受託者への賃料の支払が滞る可能性があります。
本投資法人、マスターレッシー及び信託受託者との間で締結されたマスターリース契約が、マスターレッシーの倒産又は契約期間満了等により終了した場合には、本投資法人が信託受託者との間で新たなマスターリース契約(以下「新マスターリース契約」といいます。)を締結し、本投資法人がそれまでのマスターレッシー(以下「旧マスターレッシー」といいます。)及びエンドテナントとの間の転貸借契約及び旧マスターレッシーのエンドテナントに対する権利及び義務等を承継することが規定されている場合があります。この場合において、本投資法人は、賃貸人である信託受託者に対して、新マスターリース契約に基づいて請求し得る敷金返還請求権等に比して過重な敷金返還債務等をエンドテナントに対して負担しなければならなくなる可能性があります。
また、本投資法人がエンドテナントに対して、賃貸人たる地位を承継した旨を通知する前に、エンドテナントが旧マスターリース会社に賃料等を支払った場合、本投資法人は賃貸人たる信託受託者に対して賃料を支払う必要があるにもかかわらず、エンドテナントに対して賃料を請求できなくなります。
これらの場合、旧マスターレッシーに対して求償権又は不当利得返還請求権を行使することは可能ですが、旧マスターレッシーが破綻状態に陥っており、十分に損害を回復できない場合には、本投資法人は損失を被ることになります。
(ヲ) 転貸に関するリスク
賃借人(転借人を含みます。)に、不動産の一部又は全部を転貸する権限を与えた場合、本投資法人は、不動産に入居するテナントを自己の意思により選択できなくなったり、退去させられなくなったりする可能性があるほか、賃借人の賃料が、転借人の賃借人に対する賃料に連動する場合、転借人の信用状態等が、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、賃貸借契約が合意解約された場合、又は債務不履行を理由に解除された場合であっても、賃貸借契約上、賃貸借契約終了の場合に転貸人の転借人に対する敷金等の返還義務が賃貸人に承継される旨規定されている場合等には、かかる敷金等の返還義務が、賃貸人に承継される可能性があります。このような場合、敷金等の返還原資は賃貸人の負担となり、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ワ) テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
テナントによる不動産の利用・管理状況により、当該不動産の資産価値や、本投資法人の収益に悪影響が及ぶ可能性があります。また、転借人や賃借権の譲受人の属性によっては、運用資産である不動産のテナント属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。
例えば、建物そのものが法令や条例等の基準を満たす場合であっても、テナントによる建物への変更工事、内装の変更その他利用状況等により、建築基準法、消防法その他の法令や条例等に違反する状態となり、本投資法人が、その改善のための費用を負担する必要が生じ、又は法令上不利益を被る可能性があります。また、賃貸借契約における規定の如何にかかわらず、テナントによる転貸や賃貸借の譲渡が本投資法人の承諾なしに行われる可能性があります。その他、転借人や賃借権の譲受人の属性によっては、テナントによる不動産の利用状況が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。賃貸人は賃借人と普通建物賃貸借契約を締結した場合又は定期建物賃貸借契約を締結したものの借地借家法第38条所定の要件が充足されないことにより定期建物賃貸借契約としての効力が否定された場合、正当の事由があると認められなければ、賃貸借期間が経過した場合であっても賃借人との賃貸借契約を終了することができず、テナントによる不動産の利用状況の悪化を阻止できない可能性があります。
(カ) 周辺環境の悪化等に関するリスク
本投資法人の運用資産である不動産の周辺環境が本投資法人の支配できない事由により悪化する可能性があり、その結果、本投資法人の運用資産である不動産の収益の低下や価値の下落が生じ、本投資法人に悪影響が生じる可能性があります。そのような事由として、例えば、周辺建物の建替え等により、騒音、振動等を発したり、静謐な環境を妨げる施設が誕生することによる環境の悪化、周辺建物のテナント属性の悪化に伴う地域の治安の悪化等があげられます。
(ヨ) 共有物件に関するリスク
運用資産である不動産が第三者との間で共有されている場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々のリスクがあります。
まず、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の価格に従い、その過半数で行うものとされているため(民法第252条本文)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の保有又は利用が妨げられるおそれがあります。
さらに、共有の場合、他の共有者からの共有物全体に対する分割請求権行使を受ける可能性(民法第256条第1項本文)、及び裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性(民法第258条第2項)があり、ある共有者の意図に反して他の共有者からの分割請求権行使によって共有物全体が処分されるリスクがあります。
この分割請求権を行使しないという共有者間の特約は有効ですが、この特約は5年を超えては効力を有しません。また、登記済みの不分割特約がある場合でも、特約をした者について倒産手続の対象となった場合には、管財人等はその換価処分権を確保するために分割請求ができるとされています。ただし、共有者は、倒産手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、民事再生法第48条、会社更生法第60条)。
他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、共有されていた物件全体について当該共有者(抵当権設定者)の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶことになると考えられています。したがって、運用資産である共有持分には抵当権が設定されていなくても、他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、分割後の運用資産についても、他の共有者の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶこととなるリスクがあります。
共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されていますが、共有不動産については、共有者間で共有持分の優先的購入権の合意をすることにより、共有者がその共有持分を第三者に売却する場合に他の共有者が優先的に購入できる機会を与えるようにする義務を負う場合があります。
不動産の共有者が賃貸人となる場合には、賃料債権は不可分債権となり敷金返還債務は不可分債務になると一般的には解されており、共有者は他の賃貸人である共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。
共有不動産については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(タ) 区分所有建物に関するリスク
「区分所有建物」とは建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分と共有となる共用部分及び建物の敷地部分から構成されます。区分所有建物の場合には、区分所有法上、法定の管理方法及び管理規約(管理規約の定めがある場合)によって管理方法が定められます。建替え決議等をする場合には集会において区分所有者及び議決権(管理規約に別段の定めのない限り、その有する専有部分の床面積の割合)の各5分の4以上の多数の建替え決議が必要とされる等(区分所有法第62条)、区分所有法の適用を受けない単独所有物件と異なり管理方法に制限があります。
区分所有建物の専有部分の処分は自由に行うことができますが、区分所有者間で優先的購入権の合意をすることがあることは、共有物件の場合と同様です。
区分所有建物と敷地の関係については以下のようなリスクがあります。
区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利を敷地利用権といいます。区分所有建物では、専有部分と敷地利用権の一体性を保持するために、法律で、専有部分とそれに係る敷地利用権を分離して処分することが原則として禁止されています(区分所有法第22条)。ただし、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の禁止を善意の第三者に対抗することができず、分離処分が有効となります(区分所有法第23条)。また、区分所有建物の敷地が数筆に分かれ、区分所有者が、それぞれ、その敷地のうちの一筆又は数筆の土地について、単独で、所有権、賃借権等を敷地利用権(いわゆる分有形式の敷地利用権)として有している場合には、分離して処分することが可能とされています。このように専有部分とそれに係る敷地利用権が分離して処分された場合、敷地利用権を有しない区分所有者が出現する可能性があります。
また、敷地利用権が使用借権及びそれに類似した権利である場合には、当該敷地が売却、競売等により第三者に移転された場合に、区分所有者が当該第三者に対して従前の敷地利用権を対抗できなくなる可能性があります。
このような区分所有建物と敷地の関係を反映して、区分所有建物の場合には、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(レ) 借地物件に関するリスク
借地権(転借地権を含みます。以下本「(レ) 借地物件に関するリスク」において同じです。)とその借地上に存在する建物については、自らが所有権を有する土地上に存在する建物と比べて特有のリスクがあります。借地権は、所有権と異なり永久に存続するものではなく、期限の到来により当然に消滅し(定期借地権の場合)又は期限到来時に借地権設定者が更新を拒絶しかつ更新を拒絶する正当事由がある場合に消滅します(普通借地権の場合)。また、借地権が地代の不払その他により解除その他の理由により消滅してしまう可能性もあります。借地権が消滅すれば、時価での建物買取りを請求できる場合(借地借家法第13条、旧借地法第4条第2項)を除き、借地上に存在する建物を取り壊した上で、土地を返還しなければなりません。普通借地権の場合、借地権の期限到来時の更新拒絶につき上記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、仮に建物の買取請求権を有する場合でも、買取価格が本投資法人が希望する価格以上である保証はありません。加えて、本投資法人又は信託受託者が有する権利が転借地権である場合、借地権(転借地権を除きます。)が解除その他の理由により消滅してしまうと、原則として、本投資法人又は信託受託者が有する転借地権も消滅します。
また、本投資法人又は信託受託者が借地権を有している土地の所有権が、他に転売されたり、借地権設定時に既に存在する土地上の抵当権等が実行されたりすることにより第三者に移転する可能性があります。この場合、借地権について適用のある法令に従い第三者対抗要件(借地権の登記又は借地権を有している土地上に借地権者が登記されている建物を所有していることが該当します。)が具備されていないときは、本投資法人又は信託受託者は、借地権を当該土地の新所有者に対して対抗できず、当該土地の明渡義務を負う可能性があります。
さらに、借地権が賃借権である場合、借地権を譲渡するには、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。借地上の建物の所有権を譲渡する場合には、当該借地に係る借地権も一緒に譲渡することになるので、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。かかる借地権設定者の承諾に関しては、借地権設定者への承諾料の支払が予め約束されていたり、約束されていなくても慣行を理由として借地権設定者が承諾料を承諾の条件として請求してきたりする場合があります(なお、法律上借地権設定者に当然に承諾料請求権が認められているものではありません。)。
加えて、借地権設定者の資力の悪化や倒産等により、借地権設定者に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があります。借地権設定者に対する敷金及び保証金等の返還請求権について担保設定や保証はなされないのが通例です。
借地権と借地上に建てられている建物については、敷地と建物を一括して所有している場合と比べて、上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(ソ) 借家物件に関するリスク
本投資法人は、建物(共有持分、区分所有権等を含みます。)を第三者から賃借の上又は信託受託者に賃借させた上、当該賃借部分を直接若しくは信託受託者を通じて保有する建物と一体的に又は当該賃借部分を単独で、テナントへ転貸することがあります。
この場合、建物の賃貸人の資力の悪化や倒産等により、建物の賃貸人に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があることは、前記「(レ) 借地物件に関するリスク」の場合と同じです。
加えて、民法上、本投資法人が第三者との間で直接又は信託受託者を通じて締結した賃貸借契約が何らかの理由により終了した場合、原則として、本投資法人又は当該受託者とテナントの間の転貸借契約も終了するとされているため、テナントから、転貸借契約の終了に基づく損害賠償請求等がなされるおそれがあります。
(ツ) 底地物件に関するリスク
本投資法人は、第三者が、土地所有者から借地権の設定を受け、その上に建物を所有している土地、いわゆる底地を取得することがあります。底地物件の場合は特有のリスクがあります。借地権は、定期借地権の場合は借地契約に定める期限の到来により当然に消滅し、普通借地権の場合には期限到来時に本投資法人が更新を拒絶しかつ本投資法人に更新を拒絶する正当事由がある場合に消滅します。借地権が消滅する場合、本投資法人は借地権者より時価での建物買取を請求される場合があります(借地借家法第13条及び旧借地法第4条第2項)。普通借地権の場合、借地権の期限到来時に更新拒絶につき前記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、借地権者より時価での建物買取を請求される場合においても、買取価格が本投資法人が希望する価格以下である保証はありません。
また、借地権者の財務状況が悪化した場合又は倒産等手続の対象となった場合、借地契約に基づく土地の賃料の支払が滞る可能性があり、この延滞賃料の合計額が敷金及び保証金等で担保される範囲を超える場合は投資主に損害を与える可能性があります。
加えて、借地契約では、多くの場合、賃料等の借地契約の内容について、定期的に見直しを行う旨を規定する条項が含まれています。当該条項に基づく賃料の改定により賃料が減額された場合、投資主に損害を与える可能性があります。借地権者は借地借家法第11条に基づく土地の借賃の減額請求をすることができ、これにより、当該底地から得られる賃料収入が減少し、投資主に損害を与える可能性があります。
さらに、借地権が賃借権である場合、借地権者による借地権の譲渡には、原則として、本投資法人の承諾が必要となりますが、裁判所が承諾に代わる許可をした場合(借地借家法第19条)や、借地契約上事前に一定範囲での借地権の譲渡を承諾している場合には、本投資法人の承諾なく借地権が譲渡される結果、財務状態に問題がある等の本投資法人が望まない者に借地権が譲渡される可能性があり、その結果、投資主に損害を与える可能性があります。
(ネ) 開発物件に関するリスク
本投資法人は、竣工後の物件を取得するために予め開発段階で売買契約を締結することはありません。しかしながら、本投資法人は、後記「⑥ その他 (ニ) 特定目的会社の優先出資証券への投資に関するリスク」に記載のとおり、資産流動化法に基づく特定目的会社がその資産の2分の1を超える額を不動産等に投資することを目的とする場合、その優先出資証券への投資を行うことがあり、かかる特定目的会社の投資先である不動産等の中に、開発段階の物件が存在する場合があります。かかる場合、当該特定目的会社は、既に完成した物件につき売買契約を締結して取得する場合とは異なり、様々な事由により、開発が遅延、変更又は中止されることにより、売買契約どおりの引渡しを受けられない可能性があります。この結果、当該特定目的会社が得る開発物件からの収益等が本投資法人の予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、又は予定されていない費用、損害若しくは損失を当該特定目的会社が負担し若しくは被ったりする可能性があり、その結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。また、竣工後のテナントの確保が当初の期待を下回り、見込みどおりの賃料収入を得られない可能性があり、その結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ナ) フォワード・コミットメント等に係るリスク
本投資法人は、不動産又は不動産を信託する信託の受益権を取得するにあたり、いわゆるフォワード・コミットメント等を行うことがあります。不動産売買契約が買主の事情により解約された場合には、買主は債務不履行による損害賠償義務を負担することとなります。また、損害額等の立証にかかわらず、不動産又は不動産を信託する信託の受益権の売買価格に対して一定の割合の違約金が発生する旨の合意がなされることも少なくありません。フォワード・コミットメント等の場合には、契約締結後、決済・物件引渡しまでに一定の期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が不動産取得資金を調達できない場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金等の支払により、本投資法人の財務状況等が悪影響を受ける可能性があります。
(ラ) 有害物質に関するリスク
本投資法人が土地又は土地の賃借権若しくは地上権又はこれらを信託する信託の受益権を取得する場合において、当該土地について産業廃棄物等の有害物質が埋蔵されている可能性や、自然由来と推定される原因によって有害物質が存在している可能性があり、かかる有害物質が埋蔵されている場合には当該土地の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替えや洗浄が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務を負う可能性があります。なお、土壌汚染対策法によれば、土地の所有者、管理者又は占有者は、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の特定有害物質による土地の土壌の汚染の状況について、都道府県知事により調査・報告を命ぜられることがあり、また、土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、都道府県知事によりその被害を防止するため必要な汚染の除去等の措置を命ぜられることがあります。
この場合、本投資法人に多額の負担が生じる可能性があり、また、本投資法人は、支出を余儀なくされた費用について、その原因となった者やその他の者から常に償還を受けられるとは限りません。
また、本投資法人が建物又は建物を信託する信託の受益権を取得する場合において、当該建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材が使用されているか若しくは使用されている可能性がある場合やPCBが保管されている場合等には、当該建物の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために建材の全面的若しくは部分的交換が必要となる場合又は有害物質の処分若しくは保管が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人にかかる損害を賠償する義務が発生する可能性があります。
将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課されたり、また有害物質に関連する会計基準の変更がされたりすること等により本投資法人の損益が悪影響を受ける可能性があります。
(ム) 不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
本投資法人は、不動産を信託の受益権の形式で取得することがあります。
信託受託者が信託財産としての不動産、不動産の賃借権、地上権又は地役権を所有し管理するのは受益者のためであり、その経済的利益と損失は、最終的には全て受益者に帰属することになります。したがって、本投資法人は、信託の受益権の保有に伴い、信託受託者を介して、運用資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを負担することになります。
信託契約上信託の受益権を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾を要求されるのが通常です。さらに、不動産、不動産の賃借権、地上権又は地役権を信託する信託の受益権については受益証券発行信託の受益証券でない限り私法上の有価証券としての性格を有していませんので、債権譲渡と同様の譲渡方法によって譲渡することになり、有価証券のような流動性がありません。
信託法(大正11年法律第62号。その後の改正を含みますが、信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)による改正前のもの。)及び信託法(平成18年法律第108号。その後の改正を含みます。)上、信託受託者が倒産等手続の対象となった場合に、信託の受益権の目的となっている不動産が信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託設定登記をする必要があり、仮にかかる登記が具備されていない場合には、本投資法人は、当該不動産が信託の受益権の目的となっていることを第三者に対抗できない可能性があります。
また、信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、又は信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負うことにより、不動産を信託する信託の受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。
さらに、信託契約上、信託開始時において既に存在していた信託不動産の欠陥、瑕疵等につき、当初委託者が信託財産の受託者に対し一定の瑕疵担保責任を負担する場合に、信託財産の受託者が、かかる瑕疵担保責任を適切に追及しない、又はできない結果、本投資法人が不測の損害を被り、投資主に損害を与える可能性があります。
(ウ) 信託受益権の準共有等に関するリスク
運用資産である不動産信託受益権が第三者との間で準共有されている場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々のリスクがあります。
まず、準共有されている権利の管理は、準共有者間で別段の定めをした場合を除き、準共有者の持分の価格に従い、その過半数で行うものとされているため(民法第252条本文)、本投資法人が準共有持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営についての信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
また、準共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されていますが、準共有されている信託受益権については、準共有者間で準共有持分の優先的購入権の合意をすることにより、準共有者がその準共有持分を第三者に売却する場合に他の準共有者が優先的に購入できる機会を与えるようにする義務を負う場合があります。
不動産信託受益権の準共有者が不動産信託受託者に対して有する信託交付金の請求権は不可分債権となり不動産信託受託者に対して負担する信託費用等の支払義務は不可分債務になると一般的には解されており、準共有者は他の準共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。
更に、前記のとおり、準共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されているため、準共有者は、他の準共有者が予期せず変動し、その結果、不利益を受ける可能性もあります。
準共有されている信託受益権については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
⑤ 税制に関するリスク
(イ) 導管性要件に係るリスク
税法上、投資法人に係る課税の特例規定により、一定の要件(導管性要件)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、利益の配当等を投資法人の損金に算入することが認められています。
本投資法人は、導管性要件を満たすよう努めていますが、今後、下記に記載した要因又はその他の要因により導管性要件を満たすことができない可能性があります。本投資法人が導管性要件を満たすことができなかった場合、利益の配当等を損金算入することができなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
a. 会計処理と税務処理との不一致によるリスク
会計処理と税務処理との不一致が生じた場合、会計上発生した費用・損失について、税務上その全部又は一部を損金に算入することができない等の理由により、法人税等の税負担が発生し、配当の原資となる会計上の利益は減少します。支払配当要件における配当可能利益の額(又は配当可能額)は会計上の税引前利益に基づき算定されることから、多額の法人税額が発生した場合には、配当可能利益の額の90%超の配当(又は配当可能額の90%超の金銭分配)ができず、支払配当要件を満たすことが困難となる可能性があります。
b. 資金不足により計上された利益の配当等の金額が制限されるリスク
借入先要件に基づく借入先等の制限や資産の処分の遅延等により機動的な資金調達ができない場合には、配当の原資となる資金の不足により支払配当要件を満たせない可能性があります。
c. 借入先要件に関するリスク
本投資法人が何らかの理由により機関投資家以外からの借入れを行わざるを得ない場合又は本投資法人の既存借入金に関する貸付債権が機関投資家以外に譲渡された場合、あるいはこの要件の下における借入金の定義が税法上において明確ではないためテナント等からの預り金等が借入金に該当すると解釈された場合においては、借入先要件を満たせなくなる可能性があります。
d. 投資主の異動について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
本投資口が市場で流通することにより、本投資法人のコントロールの及ばないところで、所有先要件あるいは非同族会社要件が満たされなくなる可能性があります。
(ロ) 税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、導管性要件に関する取扱いに関して、税務当局との見解の相違により更正処分を受け、過年度における導管性要件が事後的に満たされなくなる可能性があります。このような場合には、本投資法人が過年度において行った利益の配当等の損金算入が否認される結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ) 不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、規約において、特定不動産の価額の合計額の本投資法人の有する特定資産の価額の合計額に占める割合を100分の75以上となるよう資産運用を行うもの(規約第13条第3項)としています。本投資法人は、上記内容の投資方針を規約に定めること、及びその他の税法上の要件を充足することを前提として、直接に不動産を取得する場合の不動産流通税(登録免許税及び不動産取得税)の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更された場合には、軽減措置の適用を受けることができない可能性があります。
(ニ) 一般的な税制の変更に係るリスク
不動産、不動産信託受益権その他本投資法人の運用資産に関する税制若しくは本投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資口に係る利益の配当、資本の払戻し、譲渡等に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資口の保有若しくは売却による投資主の手取金の額が減少し、又は税務申告等の税務上の手続面での負担が投資主に生じる可能性があります。
⑥ その他
(イ) 不動産の鑑定評価士その他専門家の意見への依拠に関するリスク
本投資法人又は本資産運用会社は、不動産等を取得するに際して又は取得後、当該不動産等の鑑定評価を不動産鑑定士等に依頼し、鑑定評価書を取得することがありますが、不動産等の鑑定評価額は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正な不動産価格と一致するとは限りません。同じ物件について鑑定、調査を行った場合でも、不動産鑑定士等、評価方法又は調査の方法若しくは時期によって鑑定評価額の内容が異なる可能性があります。また、かかる鑑定等の結果は、現在及び将来において当該鑑定評価額による売買の可能性を保証又は約束するものではありません。
また、本投資法人又は本資産運用会社は、不動産等を取得するに際して又は取得後、当該不動産等の建物状況調査評価書及び地震リスク診断報告書並びに構造計算書の妥当性に関する第三者の報告書を取得することがありますが、建物状況調査評価書及び地震リスク診断報告書並びに構造計算書の妥当性に関する第三者の報告書は、建物の評価に関する専門家が、設計図書等の確認、現況の目視調査又は施設管理者への聞取り等を行うことにより、現在又は将来発生することが予想される建物の不具合、必要と考えられる修繕又は更新工事の抽出及びそれらに要する概算費用並びに再調達価格の算出、並びに建物の耐震性能及び地震による損失リスク等を検討した結果を記載したものであり、不動産に欠陥、瑕疵等が存在しないことを保証又は約束するものではありません。
さらに、不動産に関して算出されるPML値も個々の専門家の分析に基づく予想値にすぎません。PML値は、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる可能性があります。
加えて、本投資法人又は本資産運用会社は、不動産等を取得するに際して又は取得後、当該不動産等のマーケットレポートを取得することがあります。とりわけ、利害関係人等に不動産等を賃貸する場合はマーケットレポートを必ず取得することとしています。マーケットレポートにより提示される第三者によるマーケット分析、統計情報及び想定賃料水準等は、個々の調査会社の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正なエリア特性、需要と供給、マーケットにおける位置付け、市場の動向等と一致するとは限りません。同じ物件について調査分析を行った場合でも、調査会社及び調査の時期又は方法によってマーケット分析、統計情報及び想定賃料水準等の内容が異なる可能性があります。また、想定賃料水準は、現在及び将来において当該賃料水準による賃貸借の可能性を保証又は約束するものではありません。
(ロ) 減損会計の適用に関するリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日)及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日))が、平成17年4月1日以後開始する事業年度より強制適用されたことに伴い、本投資法人においても減損会計が適用されています。「減損会計」とは、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。減損会計の適用に伴い、地価の動向及び運用資産の収益状況等によっては、会計上減損損失が発生し、本投資法人の損益に悪影響を及ぼす可能性があり、また、税務上は当該資産の売却まで損金を認識することができない(税務上の評価損の損金算入要件を満たした場合や減損損失の額のうち税務上の減価償却費相当額を除きます。)ため、税務と会計の齟齬が発生することとなり、税務上のコストが増加する可能性があります。
景気情勢や不動産価格の変動等によって本投資法人の保有している資産の価格が大幅に下落した場合などに、会計上減損損失が発生する可能性があります。
(ハ) 匿名組合出資持分への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、不動産に関する匿名組合出資持分への投資を行うことがあります。本投資法人が出資するかかる匿名組合では、本投資法人の出資金を営業者が不動産等に投資しますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合や当該不動産等の価値が下落した場合等には、本投資法人が匿名組合員として得られる分配金や元本の償還金額等が減少し、その結果、本投資法人が営業者に出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、匿名組合出資持分については契約上譲渡が禁止若しくは制限されていることがあり、又は、確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があります。
(ニ) 特定目的会社の優先出資証券への投資に関するリスク
本投資法人は規約に基づき、資産流動化法に基づく特定目的会社がその資産の2分の1を超える額を不動産等に投資することを目的とする場合、その優先出資証券への投資を行うことがあります。かかる優先出資証券への投資を行う場合にも、本投資法人は、税法上の導管性要件(前記「⑤ 税制に関するリスク (イ) 導管性要件に係るリスク」をご参照ください。)に抵触することなく保有する意向です。また、規約に基づき中長期の安定運用を目標としているため、取得した優先出資証券につき短期間でその売却を行うことは意図しておりません。ただし、売却する方が本投資法人にとってより経済的な合理性があると判断される場合、その売却を行うことがあります。
しかし、優先出資証券については確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、したがって、売却を意図してもその売却が困難な場合があり、又は、予定より低い価額での売買を余儀なくされる可能性があります。また、特定目的会社の投資する不動産に関する収益が悪化した場合や当該不動産の価値が下落した場合又は特定目的会社の開発する不動産が予想した価格で売却できない場合、さらには導管体である特定目的会社において意図されない課税が生じた場合等には、当該特定目的会社の発行する優先出資証券に投資した本投資法人が当該優先出資証券より得られる運用益や分配される残余財産の減少等により損害を被るおそれがあります。また、優先出資証券の発行をした特定目的会社が自ら土地又は土地の賃借権を取得してその上に建物を建築する場合もあり、そのような場合には、前記「④不動産及び信託の受益権に関するリスク (ネ) 開発物件に関するリスク」に記載のリスクがあります。
(ホ) 本投資法人の資産規模が小規模であることに関するリスク
本投資法人の資産規模は比較的小さいため、各種費用が資産規模との関係で相対的に高くなり、結果として本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(2) 投資リスクに対する管理体制
本投資法人及び本資産運用会社は、以上のようなリスクが投資リスクであることを認識しており、その上でこのようなリスクに最大限対応できるようリスク管理体制を整備しています。
しかしながら、当該リスク管理体制については、十分に効果があることが保証されているものではなく、リスク管理体制が適切に機能しない場合、投資主に損害が及ぶおそれがあります。
① 本投資法人の体制
本投資法人においては、その役員会規程において、役員会を3か月に1回以上開催することと定めています。本投資法人の役員会においては、執行役員及び監督役員が出席し、本資産運用会社が同席の上、執行役員の職務執行状況並びに本資産運用会社、一般事務受託者及び資産保管会社の業務執行状況等について執行役員の報告が行われることとされており、役員会を通じた管理を行う内部管理体制を確立しています。なお、執行役員の職務執行状況並びに資産運用会社、一般事務受託者及び資産保管会社の業務執行状況の報告は3か月に1回以上行うこととされています。また、本書の日付現在、本投資法人の監督役員には、弁護士1名、公認会計士1名の計2名が選任されており、各監督役員は、これまでの実務経験と見識に基づき、執行役員の職務執行につき様々な見地から監督を行っています。
② 本資産運用会社の体制
本資産運用会社は、本投資法人の資産運用に関する諸リスクに対し、以下のとおりリスク管理体制を整備しています。
(イ) 運用ガイドライン及びリスク管理規程の策定・遵守
本資産運用会社は、本投資法人の規約の投資方針等の基本方針を実現するため、本投資法人の規約等に沿って運用ガイドラインを策定し、投資方針、利害関係人等との取引ルール、投資物件の取得及び売却並びに投資物件の運営管理に係る基本方針等を定めています。本資産運用会社は、運用ガイドラインを遵守することにより、投資運用に係るリスクの管理に努めます。
また、本資産運用会社は、リスク管理規程において、リスク管理の基本方針、リスク管理の統括者及び重大な問題の発見時の対応方法等を規定し、本資産運用会社が管理すべき主要なリスクとして、運用リスク、財務リスク、システムリスク、レピュテーション・リスク、コンプライアンスに関するリスク及び反社会的勢力に関するリスク等を定義し、取締役会や本資産運用会社のリスクに関する統括者であるコンプライアンス・オフィサー及び各部署のリスク管理に関する責任者である各部署の部長の役割を定めています。なお、リスクの状況については、コンプライアンス・オフィサーが、少なくとも半期ごとに1度又は必要な場合は随時、モニタリングの上、評価及び分析し、その結果につきコンプライアンス委員会及び取締役会に報告することとされており、リスク管理体制の適切性又は有効性については、コンプライアンス・オフィサーが統括する内部監査及び外部機関による監査等により検証を行うものとしています(かかる内部監査による検証の詳細については、後記「(ロ) 内部監査による検証」をご参照ください。)。
(ロ) 内部監査による検証
コンプライアンス・オフィサーは、内部監査を担当し、全部署に対して定期の内部監査を実施するほか、コンプライアンス・オフィサーの判断により、臨時の内部監査を実施することができるものとし、また、代表取締役社長が指示した場合には、特別監査を実施するものとします。内部監査は、各組織の業務及び運営が、金融商品取引法、投信法及び宅地建物取引業法等の法令、投信協会が定める諸規則及び本資産運用会社の社内規程等に従って、適切かつ効率的に行われているか否かの監査、不正又は重大な過失の発見及び未然防止のための監査、個人情報管理及び法人関係情報の管理を含む、各種の情報管理が適切に行われているか否かの監査、事務リスク管理態勢の監査、システムリスクに関する監査並びにその他必要な事項の内部監査等を含むものとされています。コンプライアンス・オフィサーは、内部監査を終了したときはすみやかに内部監査報告書を作成し、これを代表取締役社長及び取締役会に報告し、また、必要に応じて改善指示書を作成し、これを代表取締役社長及び取締役会に報告するとともに、代表取締役社長の承認を得た上で、被監査部長に内部監査報告書及び改善指示書を交付します。被監査部の責任者は、内部監査責任者から改善又は処置すべき事項について「内部監査報告書」及び「改善指示書」を受けた場合には、すみやかにその処理を行うとともに、その結果を「改善報告書」に記載しコンプライアンス・オフィサーを経由して代表取締役社長に報告しなければなりません。被監査部の責任者より「改善報告書」が提出された場合、コンプライアンス・オフィサーは意見のあるものについては、直ちに審議し再度意見を述べるものとし、実施事項については、処置の確認を行います。
(ハ) 利害関係人等取引規程
後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 利害関係人等取引規程」をご参照ください。
(ニ) 内部者取引等防止規程
本資産運用会社では、内部者取引等防止規程を制定し、本資産運用会社の役職員等によるインサイダー取引の防止に努めています。なお、同規程において、本資産運用会社の役職員は、本投資証券等の売買等を行ってはならないものとされています(ただし、本資産運用会社の役職員が本資産運用会社に入社する時点で本投資証券等を保有している場合又は入社後に相続等により本投資証券等を保有するにいたった場合は、法人関係情報管理責任者(本資産運用会社の財務管理部長がこれにあたります。)の許可を得た上で、かかる本投資証券等を売却することができるものとされています。)。
(ホ) フォワード・コミットメント等
フォワード・コミットメント等に係る物件は、決済までの間、本投資法人の貸借対照表には計上されずオフバランスとなりますが、当該期間中の当該物件の価格変動リスクは本投資法人に帰属することになります。このため、フォワード・コミットメント等を締結する際には、違約金の上限、物件の取得額の上限、契約締結から決済・物件引渡しまでの期間の上限及び決済資金の調達方法等についてのルールを定めたフォワード・コミットメント等に係る規程を遵守し、当該リスクを管理しています。
以下には、本投資証券への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。ただし、以下は本投資証券への投資に関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。本投資法人は、対応可能な限りにおいてこれらのリスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分である保証はありません。以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資証券の市場価格は下落し、発行価格に比べ低くなることもあると予想され、その結果、投資主が損失を被る可能性があります。また、本投資法人の純資産額の低下、その他財務状況の悪化による分配金の減少が生じる可能性があります。
各投資家は、自らの責任において、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で本投資証券に関する投資判断を行う必要があります。
なお、本書に記載の事項には、将来に関する事項が含まれますが、別段の記載のない限り、これら事項は本書の日付現在における本投資法人及び本資産運用会社の判断によるものです。
本項に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
① 本投資証券の商品性に関するリスク
(イ) 本投資証券の市場価格の変動に関するリスク
(ロ) 本投資証券の市場での取引に関するリスク
(ハ) 金銭の分配に関するリスク
(ニ) 収入及び支出の変動に関するリスク
(ホ) 投資口の追加発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
(へ) 投資主の権利が必ずしも株主の権利と同一でないリスク
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ) スポンサーパイプライン・サポート契約及びサポート協定に基づき想定どおりの物件取得が行えないリスク
(ロ) 不動産を取得又は処分できないリスク
(ハ) 投資口の追加発行、借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
(ニ) 有利子負債比率に関するリスク
(ホ) 敷金及び保証金に関するリスク
(へ) 投資対象を主として地方物件としていることによるリスク
(ト) 少数のテナントに依存していることによるリスク
(チ) シングルテナント物件に関するリスク
(リ) 少数の物件に収入が依存していることによるリスク
(ヌ) 運用資産の立地の地域的な偏在に関するリスク
(ル) ホテルに関するリスク
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ) マリモグループへの依存、利益相反に関するリスク
(ロ) リビタへの依存、利益相反に関するリスク
(ハ) 資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者に関するリスク
(ニ) PM会社に関するリスク
(ホ) 本投資法人の役員及び本資産運用会社の人材に依存しているリスク
(ヘ) 本投資法人及び本資産運用会社の歴史が浅いことによるリスク
(ト) 本投資法人の投資方針等の変更に関するリスク
(チ) 本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク
(イ) 不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク
(ロ) 不動産の境界に関するリスク
(ハ) 不動産の売却に伴う責任に関するリスク
(ニ) 賃貸借契約に関するリスク
(ホ) 災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
(へ) 不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
(ト) 不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
(チ) 水質汚濁防止法上の特定施設に関するリスク
(リ) 法令の制定・変更に関するリスク
(ヌ) 売主の倒産等の影響を受けるリスク
(ル) マスターリース会社に関するリスク
(ヲ) 転貸に関するリスク
(ワ) テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
(カ) 周辺環境の悪化等に関するリスク
(ヨ) 共有物件に関するリスク
(タ) 区分所有建物に関するリスク
(レ) 借地物件に関するリスク
(ソ) 借家物件に関するリスク
(ツ) 底地物件に関するリスク
(ネ) 開発物件に関するリスク
(ナ) フォワード・コミットメント等に係るリスク
(ラ) 有害物質に関するリスク
(ム) 不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
(ウ) 信託受益権の準共有等に関するリスク
⑤ 税制に関するリスク
(イ) 導管性要件に係るリスク
(ロ) 税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
(ハ) 不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(ニ) 一般的な税制の変更に係るリスク
⑥ その他
(イ) 不動産の鑑定評価士その他専門家の意見への依拠に関するリスク
(ロ) 減損会計の適用に関するリスク
(ハ) 匿名組合出資持分への投資に関するリスク
(ニ) 特定目的会社の優先出資証券への投資に関するリスク
(ホ) 本投資法人の資産規模が小規模であることに関するリスク
① 本投資証券の商品性に関するリスク
(イ) 本投資証券の市場価格の変動に関するリスク
本投資法人は、投資主からの請求による払戻しを行わないクローズド・エンド型であるため、投資主が本投資証券を換価する手段は、第三者に対する売却に限定されます(ただし、本投資法人は、投資主との合意により本投資法人の投資口を有償で取得することができます(規約第7条第2項)。)。
本投資証券の市場価格は、取引所における需給バランスにより影響を受け、一定の期間内に大量の売却が出た場合には、大きく価格が下落する可能性があります。また、市場価格は、金利情勢、経済情勢、不動産市況その他市場を取り巻く様々な要因の影響を受けて変動します。本投資法人若しくは本資産運用会社、又は他の投資法人若しくは他の資産運用会社に対して監督官庁による行政処分の勧告や行政処分が行われた場合にも、本投資証券の市場価格が下落することがあります。
本投資証券の市場価格が下落した場合、投資主は、本投資証券を取得した価格で売却できない可能性があり、その結果、損失を被る可能性があります。
(ロ) 本投資証券の市場での取引に関するリスク
本投資証券は東京証券取引所に上場していますが、一定期間金銭の分配を行わないこと、本投資法人の資産総額の減少、投資口の売買高の減少その他の東京証券取引所の定める有価証券上場規程に規定される上場不動産投資信託証券の上場廃止基準に抵触する場合には廃止されます。
本投資証券の上場が廃止される場合、投資主は、保有する本投資証券を相対で譲渡する他に換金の手段がないため、本投資証券を本投資法人の純資産額に比して相当に廉価で譲渡せざるを得ない場合や本投資証券の譲渡自体が事実上不可能となる場合があり、損害を受ける可能性があります。
(ハ) 金銭の分配に関するリスク
本投資法人は前記「2 投資方針 (3) 分配方針」に記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無及びその金額は、いかなる場合においても保証されるものではありません。本投資法人が取得する不動産及び不動産を裏付けとする資産の当該裏付け不動産(本「(1) リスク要因」の項において、以下「不動産」と総称します。)の賃貸状況、売却に伴う損益、減損損失の発生や建替えに伴う除却損等により、期間損益が変動し、投資主への分配金が増減することがあります。
さらに、利益超過分配については、営業期間の期末時点において保有する不動産等の鑑定評価額の合計が、当該期の不動産等の帳簿価格合計と次期の資本的支出予定額の合計を上回る場合に限り、修繕費や資本的支出への活用、借入金の返済、新規物件の取得資金への充当などの他の選択肢についても検討の上、投信協会の諸規則に定める額を上限として、当該営業期間の減価償却費の30%に相当する金額を限度として、本投資法人が決定した金額を、利益を超えた金銭として、分配する方針としますが、経済環境、不動産市況、本投資法人の財務状況等を勘案し、利益を超えた金銭の分配を行わない場合もあります。加えて、利益超過分配は投信協会の規則により規制されており、投信協会の規則の改正により、利益超過分配が当初の予定どおり実施できない可能性もあります。また、利益超過分配は手元資金の流出を伴うため、不測の事態に対応する場合や新たな不動産等を取得する場合等において必要な手元資金が不足する可能性があり、本投資法人の運用の制約要因となる可能性があります。
利益超過分配は本投資法人の純資産から支払われる出資の払戻しであり、これを実施することにより、本投資法人の資産総額及び純資産総額は減少していきます。この結果、本投資法人の規模が小さくなり、本投資法人の財務及び存続に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、資産総額又は純資産総額が一定金額未満となった場合、東京証券取引所の有価証券上場規程に定める上場廃止基準に抵触し、本投資口は上場廃止となる可能性があります。
また、利益超過分配が行われた場合、当該分配に係る計算期間の決算日における本投資口の1口当たり純資産価格は、直前計算期間の決算日における本投資口の1口当たり純資産価格と比較して下落し、また、分配金の水準は、必ずしも計算期間における本投資法人の収益率を示すものではありません。
本投資口に対して投下された投資主からの投資金額については、いかなる保証も付されておらず、金融機関の預金と異なり預金保険等の対象でもありません。本投資法人について破産その他の倒産手続が開始された場合や本投資法人が解散した場合には、投資主は配当・残余財産の分配等において最劣後の地位に置かれ、投資金額の全部又は一部の回収が不可能となる可能性があります。
(ニ) 収入及び支出の変動に関するリスク
本投資法人の収入は、不動産の賃料収入に主として依存しています。不動産に係る賃料収入は、不動産の稼働率の低下等により、大きく減少する可能性があるほか、賃借人との協議や賃借人からの請求等により賃料が減額されたり、契約どおりの増額改定を行えない可能性もあります(なお、これら不動産に係る賃料収入に関するリスクについては、後記「④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク (ニ) 賃貸借契約に関するリスク」をご参照ください。)。また、不動産に関して締結される賃貸借契約に基づく賃料が、一般的な賃料水準に比して適正な水準にあるとは限りません。
一方、収入の減少だけでなく、退去するテナントへの預り敷金及び保証金の返還、大規模修繕等に要する費用支出、多額の資本的支出、不動産の取得等に要する費用、その他不動産に関する支出が状況により増大し、キャッシュフローを減ずる要因となる可能性があります。
このように、不動産からの収入が減少する可能性があるとともに、不動産に関する支出は増大する可能性があり、これら双方又はいずれか一方の事由が生じた場合、投資主への分配金額が減少したり、本投資証券の市場価格が下落することがあります。
(ホ) 投資口の追加発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
本投資法人は、新規投資口を随時追加発行する予定ですが、かかる追加発行により既存の投資主の保有する投資口の持分割合が減少します。また、本投資法人の営業期間中に追加発行された投資口に対して、当該営業期間の期初から存在する投資口と同額の金銭の分配が行われる場合には、既存の投資主は、追加発行がなかった場合に比して、悪影響を受ける可能性があります。
さらに、追加発行の結果、本投資法人の投資口1口当たりの価値や市場における需給バランスが影響を受ける可能性があります。
(ヘ) 投資主の権利が必ずしも株主の権利と同一でないリスク
投資法人の投資主は、投資主総会を通じて、投資法人の意思決定に参画できるほか、投資法人に対して一定の権利を行使することができますが、かかる権利は株式会社における株主の権利とは必ずしも同一ではありません。例えば、金銭の分配に係る計算書を含む投資法人の計算書類等は、役員会の承認のみで確定し(投信法第131条第2項)、投資主総会の承認を得る必要はないことから、投資主総会は、必ずしも、決算期ごとに招集されるわけではありません。また、投資主が投資主総会に出席せず、かつ、議決権を行使しないときは、当該投資主はその投資主総会に提出された議案(複数の議案が提出された場合において、これらのうちに相反する趣旨の議案があるときは、当該議案のいずれをも除きます。)について賛成するものとみなされます(投信法第93条第1項及び規約第41条第1項)。
さらに、本投資法人は、資産の運用に係る業務その他の業務を本資産運用会社その他の第三者に委託しています。
これらの要因により、投資主による資産の運用に係る業務その他の業務に対する統制が効果的に行えない可能性もあります。
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ) スポンサーパイプライン・サポート契約及びサポート協定に基づき想定どおりの物件取得が行えないリスク
本投資法人及び本資産運用会社は、マリモ及びリビタとの間で、それぞれ、スポンサーパイプライン・サポート契約を締結し、また、三重銀行、みちのく銀行、東京スター銀行、中国銀行、関西アーバン銀行、広島銀行及び足利銀行との間でサポート協定を締結しています。マリモ及びリビタは、本投資法人及び本資産運用会社に対して優先的物件情報の提供及び優先的売買交渉権の付与を約しており、三重銀行、みちのく銀行、東京スター銀行、中国銀行、関西アーバン銀行関西アーバン銀行、広島銀行及び足利銀行は物件情報の提供を約しています(スポンサーパイプライン・サポート契約及びサポート協定については、前記「2 投資方針 (1) 投資方針 ④地域に根付き、「地方の創生」を実現するサポート体制を構築」をご参照ください。)。しかし、マリモ及びリビタとの間のスポンサーパイプライン・サポート契約は、本投資法人及び本資産運用会社に優先的に情報の提供を受ける権利や優先的売買交渉権を与えるものにすぎず、本投資法人に対して、不動産を本投資法人の希望する価格で売却する義務を負っているわけではありません。また、三重銀行、みちのく銀行、東京スター銀行、中国銀行、関西アーバン銀行、広島銀行及び足利銀行との間で合意する物件情報の提供は、第三者に優先してなされるものではなく、みちのく銀行、中国銀行、広島銀行及び足利銀行については、各行の判断により、任意で、物件情報の提供を行う内容となっています。したがって、本投資法人は、スポンサーパイプライン・サポート契約又はサポート協定により、本投資法人が適切であると判断する不動産を適切な価格で取得できることまで常に確保されているわけではありません。
前記に加え、更新条項はあるものの、スポンサー又はサポート会社は自ら申し出ることによりスポンサーパイプライン・サポート契約又はサポート協定を更新せずに終了することができます。スポンサーパイプライン・サポート契約及びサポート協定の有効期間が経過し、更新がなされずに契約が終了した場合には、各社からのサポートは受けられません。なお、リビタ、三重銀行及びみちのく銀行は、本資産運用会社の発行済株式のそれぞれ5%、2.5%、1.5%の株式を保有していますが、平成33年の一定の日以降、かかる株式について、マリモに対して買取りを請求することができる権利を有しています。リビタ、三重銀行又はみちのく銀行がかかる買取請求に伴い、スポンサーパイプライン・サポート契約又はサポート協定の終了を選択した場合、以後、サポートは受けられません。
したがって、本投資法人は、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない可能性があります。
(ロ) 不動産を取得又は処分できないリスク
不動産は、一般的にそれぞれの物件の個別性が強いために代替性がなく、流動性が低いため、希望する時期に希望する物件を取得又は処分できない可能性があります。また、必ずしも、本投資法人が取得を希望した不動産等及び不動産対応証券等を取得することができるとは限りません。取得が可能であったとしても、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。さらに、本投資法人が不動産等及び不動産対応証券等を取得した後にこれらを処分する場合にも、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。
以上の結果、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない可能性があり、またポートフォリオの組替えが適時に行えない可能性があります。
(ハ) 投資口の追加発行、借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
投資口の追加発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行の可能性及び条件は、本投資法人の経済的信用力、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、今後本投資法人の希望する時期及び条件で投資口の追加発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行を行うことができる保証はなく、その結果、予定した資産を取得できなかったり、予定しない資産の売却を余儀なくされたり、資金繰りがつかなくなったりする可能性があります。
また、本投資法人が金銭の借入れ又は投資法人債の発行を行う場合において、当該金銭の借入れ又は投資法人債の発行の条件として、資産・負債等に基づく一定の財務指標上の数値を維持する、本投資法人の信用状態に関する評価を一定の水準に維持する、投資主への金銭の分配を制約する等の財務制限条項が新たに設けられたり、運用資産に担保を新たに又は追加して設定することとなったり、規約の変更が制限されたりする等の可能性があり、このような制約が本投資法人の運営に支障をきたし、又は投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、これらの制限に違反した場合には、追加の担保設定や費用負担等を求められ、本投資法人の運営に重大な悪影響が生じる可能性があります。なお、本投資法人が現在行っている借入れについては、このような一般的な財務制限条項が設けられています。かかる財務制限条項には、本投資法人のLTV等の財務指標に関する数値が一定の数値を超過した場合の、現金その他の一定資産の留保義務、期限の利益喪失等に関する条件、投資主への分配の制約等が含まれるほか、保有物件の売却に対する制約が含まれます。
本投資法人の保有資産に担保が設定された場合、本投資法人が担保の設定された運用資産の売却を希望したとしても、担保の解除手続その他の事情により、希望どおりの時期に売却できない可能性又は希望する価格で売却できない可能性があります。また、収益性の悪化等により運用資産の評価額が引き下げられた場合又は他の借入れを行う場合等、一定の条件のもとに投資対象不動産に対して追加して担保を設定することを要求される可能性もあります。この場合、他の借入れ等のために担保が既に設定されているなどの理由で担保に供する適切な資産がない可能性もあります。また、担保不動産からのキャッシュフローが減少したり、その評価額が引き下げられたりした場合には、本投資法人の希望しない条件で借換資金を調達せざるを得なくなったり、本投資法人の希望しない時期及び条件で運用資産を処分せざるを得なくなったりする状況も想定され、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、担保に供する適切な資産がないために、本投資法人の希望どおりの借入れ等を行えない可能性もあります。
また、借入れ及び投資法人債の金利その他の条件やこれに関する費用は、借入れ時及び投資法人債発行時の市場動向並びに投資法人債に係る格付等に左右され、変動金利の場合には、その後の市場動向にも左右されます。借入れ及び投資法人債の金利が上昇し、又は、本投資法人の借入額及び投資法人債発行額が増加した場合には、本投資法人の利払額は増加します。このような利払額の増加により、投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ニ) 有利子負債比率に関するリスク
LTVの上限は、本資産運用会社の運用ガイドラインにより60%としていますが、資産の取得等に伴い一時的に60%を超えることがあります。一般にLTVの水準が高くなればなるほど、金利が低下しない限り利払額は増加し、また、金利上昇の影響を受けやすくなり、その結果、本投資法人の収益の安定性等に悪影響を及ぼしたり、投資主の分配額が減少したりするおそれがあります。
(ホ) 敷金及び保証金に関するリスク
本投資法人は、運用資産の賃借人が無利息又は低利で預託した敷金又は保証金を運用資産の取得資金の一部として利用する場合があります。しかし、賃貸市場の動向、賃借人との交渉等により、本投資法人の想定よりも賃借人からの敷金及び保証金の預託額が少なくなり、又は預託期間が短くなる可能性があり、この場合、必要な資金を借入れ等により調達せざるを得なくなります。また、敷金又は保証金を本投資法人が利用する条件として、本投資法人が敷金又は保証金の返還債務を負う場合があり、当該返還債務の履行に必要な資金を借入れ等により調達する可能性があります。これらの結果、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
(へ) 投資対象を主として地方物件としていることによるリスク
本投資法人は、地方創生の理念の下、地方に所在する物件を中心としたポートフォリオを構築することを想定していますが、東京圏に所在する物件と比較して、一般的に、地方に所在する物件においては、不動産売買市場への参加者が限定されていることから流動性が乏しく、また不動産の価格変動性が高くなる可能性もあるため、本投資法人の希望する条件で不動産を取得・売却することができない場合があります。また、物件のテナントとなり得る者も一般に限定される可能性があり、長期間の空室が生じ稼働率が低下したり、稼働率を向上するために賃料水準を引き下げたりすることを余儀なくされる可能性があります。これらの結果、本投資法人はその投資方針に従った運用ができず、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
加えて、本投資法人は、国が重要施策として掲げる「地方の創生」に貢献し、地方から日本を強くしていくことを基本理念としますが、今後の地方創生に関する地域経済動向や国の施策等により、東京圏と対比した地方の成長可能性や魅力が失われ、地方に所在する物件を中心としたポートフォリオを構築する方針を掲げる本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
(ト) 少数のテナントに依存していることによるリスク
本投資法人の保有資産のうち、2物件のエンドテナントは、株式会社ヤマダ電機となります。ヤマダ電機テックランド時津店における株式会社ヤマダ電機からの賃貸事業収益と、ヤマダ電機テックランド三原店における賃料固定型マスターリース会社であるマリモからの賃貸事業収益の合計は、本投資法人の収入の2割以上を占めます。株式会社ヤマダ電機の財政状態及び経営成績が悪化し、賃料支払が遅延したり、中途解約その他の理由により物件から退去したりした場合には、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
(チ) シングルテナント物件に関するリスク
本投資法人の保有資産のうち、7物件は、単一のテナントへ物件全体を賃貸するいわゆるシングルテナント物件となります。
シングルテナント物件のテナントが退去した場合、代替テナントが入居するまでの空室期間が長期化する可能性があります。その結果、当該物件の稼働率が大きく減少したり、代替テナント確保のために賃料水準を引き下げざるを得なくなることがあり、賃料収入に影響を与える可能性があります。
(リ) 少数の物件に収入が依存していることによるリスク
本投資法人のポートフォリオは17物件により構成されています。このうち、アルティザ仙台花京院が占める割合が、賃貸事業収益ベースでポートフォリオ全体の約17.9%に達し、収入が当該物件からの賃貸事業収益に大きく依存しています。したがって、アルティザ仙台花京院が何らかの理由で毀損、滅失若しくは劣化し、又はオペレーションが不可能となる事由が生じた場合、あるいはそのテナントの財政状態及び経営成績が悪化し、又は当該物件のテナントが中途解約等により退去した場合には、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
(ヌ) 運用資産の立地の地域的な偏在に関するリスク
本投資法人のポートフォリオのうち、6物件は九州地方に所在しています。当該6物件を合わせると賃料ベースで当初ポートフォリオ全体の約3割に達し、九州地方における地震その他の災害や、九州地方の経済情勢の悪化などの理由により、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
また、今後の運用次第では、本投資法人の運用資産の立地に新たな地域的な偏在が生じる可能性もあります。その場合、上記同様、当該地域に特有の事由により、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
(ル) ホテルに関するリスク
a. ホテルの収益が景気の悪化、災害等のホテル業界を取り巻く様々な外部要因や環境等の影響を受ける傾向にあるリスク
本投資法人は、不動産の中でも、ホテルに投資することがあります。このような場合、本投資法人の業績は、ホテル業界の全体的な傾向の影響を受けることがあります。ホテル業績は、ホテル業界の全体的な傾向に大きく依存しています。場合によっては、テナントが、賃料を約定どおり支払うことができなくなったり、賃貸借契約を解約して又は更新せずに退去したり、賃料の減額請求をすることがあります。これらの要因により、本投資法人の収益は悪影響を受けることがあります。また、本投資法人が、テナントとの間で賃貸借契約を締結する際に、固定賃料部分と変動賃料部分を組み合わせた賃料構成とした場合、テナントの売上減少又は利益の減少等が、賃料収入に直接的な悪影響を与えることになります。
更に、変動賃料部分の計算根拠となっている売上高の数値について、その正確性を十分に検証できず、本来支払われるべき変動賃料全額の支払いがなされず、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
ホテルは、物件の特性上、オペレーターが利用者に一定のサービスを提供することが必要とされます。このため、オペレーターによる運営管理が適切に行われなかった場合に、ホテルのレピュテーションの低下によりホテル利用者が減少し、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
ホテルの業績や収益は、以下のものを含む様々な要素により悪影響を受ける可能性があります。特に、本投資法人が投資することがあるシェア型複合ホテルは、通常の宿泊特化型ホテルに比してターゲットとしている客層が狭いため、一定の要素による影響を強く受ける可能性があります。
・国内の景気及び経済状況の悪化並びに災害、悪天候、伝染病の流行等による消費者行動の変化の影響を受けた旅行者数の減少
・政治及び外交上の出来事及び動向や為替要因等による、インバウンドの旅行者数の減少
・保有する設備や周辺環境の陳腐化又は交通環境の変化による集客力の低下
・周辺の特定の施設に集客力が依存している場合の当該施設の閉鎖等による集客力の低下
・当該施設や周辺において提供されている特定のサービスに集客力が依存している場合の当該サービス提供の終了、当該サービスに対する旅行者の選好の変化等による集客力の低下
・シェア型複合ホテルを含む特殊なコンセプト(注1)に基づいて運営されている施設の場合における、当該コンセプトの陳腐化、当該コンセプトに対する旅行者の選好の変化等による集客力の低下、類似するコンセプトのホテルとの競合による集客力の低下
・従業員等の故意又は過失による顧客情報の漏洩
・旅館業法(昭和23年法律第138号。その後の改正を含みます。)に基づく営業許可その他許認可の取消し
・シェア型複合ホテルにおいてシェアスペース等の施設の運営を行うオペレーターの知見・経験不足により、ホテル利用者のアイデア等をシェアする場を提供するというシェア型複合ホテルのコンセプトを実現できないことによる集客力の低下
また、ホテルの業績や収益は、季節的要因により変動します。一般的には、年末年始や大型連休などには収益が大きくなりますが、物件ごとに個別事情もあります。したがって、本投資法人の収益は6月末日で終了する営業期間と12月末日で終了する営業期間で異なることがあります。
b. 既存テナントが退去した場合に関するリスク
ホテルは、装置産業としての性格が強く、内装や温泉権のように、施設運営に不可欠の資産、権利等をオペレーターが有している場合もあり、また、運営に当たり高度な知識が要求されることから、賃貸借契約が解除され又は更新されずに既存オペレーターが退去した場合、代替するオペレーターとなりうる者が少ないために、代替テナントが入居するまでの空室期間が長期化し、不動産の稼働率が大きく低下すること、代替するオペレーター確保のために賃料水準を下げざるを得なくなること、運営の移行期間において十分な収益が実現できないこと、又は賃貸借契約の条件が不利になることがあり、その結果、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。特に、本投資法人が投資することがあるシェア型複合ホテルは、シェアスペース等の施設の運営ノウハウを有するオペレーターを確保する必要があります。
c. FF&Eの定期更新に関するリスク
ホテルは、競争力維持のためのいわゆるFF&E(注2)の定期的な更新投資及び単なる更新に留まらない競争力強化のための大規模投資が必要となります。特に、本投資法人が投資することがあるシェア型複合ホテルは、客室のみならず、様々なコンセプトを有するシェアスペース等の施設を有するため、FF&Eが通常の宿泊特化型ホテルに比して高額になる傾向にあります。FF&Eはその資産アイテム毎に、本投資法人とテナントとの間の資産区分及び初期投資、修繕、更新等の負担区分が賃貸借契約において規定されることが想定されます。かかる取決めにより、本投資法人がその多くを所有し、その負担能力を超えて初期投資、修繕、更新等を行うこととなった場合、本投資法人の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、これらの理由で工事が行われる場合、施設が相当期間閉鎖される場合もあり、この間オペレーターは収益をあげることができません。そのために、賃料等の減少の形で本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性もあります。また、かかるFF&Eの初期投資、修繕、更新等がホテルの売上又は利益増につながらず、期待どおりの効果が得られない場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(注1)シェア型複合ホテルにおける「特殊なコンセプト」とは、ホテルの空間や設備だけでなく、ホテルを利用する多様な人々のアイデアや知識、ライフスタイルや価値観をシェアする場を提供するというホテル運営の際のコンセプトをいいます。
(注2)FF&Eは、Furniture、Fixture & Equipmentの略であり、家具、什器、備品、装飾品並びに厨房機器等、ホテル運営に必要な資産をいいます。原則的にFF&Eは償却資産です。以下同じです。
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ) マリモグループへの依存、利益相反に関するリスク
本書の日付現在、株式会社マリモホールディングスは、本資産運用会社の親会社です。また、株式会社マリモホールディングスの子会社であるマリモは、本書の日付現在、本資産運用会社の主要な役職員の一部の出向元です。また、本投資法人及び本資産運用会社は、マリモとスポンサーパイプライン・サポート契約を締結しています(スポンサーパイプライン・サポート契約については、前記「2 投資方針 (1) 投資方針 ④ 地域に根付き、「地方の創生」を実現するサポート体制を構築」をご参照ください。)。本投資法人及び本資産運用会社は、マリモグループと密接な関係を有しており、本投資法人による安定した収益の確保と成長性に対するマリモグループの影響は極めて高いということができます。
したがって、本投資法人及び本資産運用会社がマリモグループとの間で、本書の日付現在における関係と同様の関係を維持できなくなった場合、マリモグループの事業方針の変更等によりマリモグループにおける本投資法人の位置付けが変化した場合、マリモグループのノウハウ、レピュテーション、ブランド力等が低下した場合、又はマリモグループの業績若しくは財政状態が悪化した場合等には、本投資法人に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、マリモグループのノウハウ、レピュテーション、ブランド力等はマリモグループの人材に大きく依存しています。したがって、当該人材の能力が著しく低下した場合又はマリモグループが当該人材を失った場合等は、マリモグループのノウハウ、レピュテーション、ブランド力等が低下し、本投資法人に悪影響が及ぶ可能性があります。
さらに、本投資法人や本資産運用会社が、資産運用活動その他を通じて、マリモグループとの間で取引を行う場合、本資産運用会社の利害関係人等取引規程に基づく手続の履践等、一定の利益相反対策は行っているものの、マリモグループの利益を図るために、本投資法人の投資主の利益に反する行為を行う可能性もあり、その場合には、本投資法人の投資主に損害が発生する可能性があります。
加えて、本投資法人及び本資産運用会社がマリモとの間で締結している契約は、マリモグループが、本投資法人と競合する事業を行うことを禁止するものではありません。マリモグループは、不動産に関わる取得、開発、保有・運営、再生、リーシング、マリモグループ以外の第三者からのPM業務の受託等、様々な形で本投資法人の運用資産と競合する不動産に関連する業務を行っています。したがって、本投資法人又は本資産運用会社とマリモグループとが、特定の資産の取得、賃貸借、管理運営、処分等に関して競合する可能性やその他利益相反が問題となる状況が生じる可能性は否定できません。
上記のような利益相反が問題となりうる場合としては、例えば、マリモグループからの物件取得に際しての取得価格その他の購入条件、マスターレッシー又はエンドテナントであるマリモグループに対する賃貸に関する条件、マリモグループに対する瑕疵担保責任の追及その他の権利行使、スポンサーパイプライン・サポート契約の更新の有無、PM業務の遂行などが挙げられます。
これらの問題により、本投資法人の利益が不当に害され、本投資法人の投資主に損害が発生する可能性があります。
(ロ) リビタへの依存、利益相反に関するリスク
リビタは、本書の日付現在、本資産運用会社の株主であり、本投資法人及び本資産運用会社は、リビタとスポンサーパイプライン・サポート契約を締結しています(スポンサーパイプライン・サポート契約については、前記「2 投資方針 (1) 投資方針 ④ 地域に根付き、「地方の創生」を実現するサポート体制を構築」をご参照ください。)。本投資法人及び本資産運用会社は、資産運用にあたってリビタから様々なサポートを受けることを予定しており、本投資法人による安定した収益の確保と成長性に対するリビタの影響は高いということができます。
したがって、本投資法人及び本資産運用会社がリビタとの間で、本書の日付現在における関係と同様の関係を維持できなくなった場合、リビタのノウハウ、レピュテーション、ブランド力等が低下した場合、又はリビタの業績若しくは財政状態が悪化した場合等には、本投資法人に悪影響が及ぶ可能性があります。
さらに、本投資法人や本資産運用会社が、資産運用活動その他を通じて、リビタとの間で取引を行う場合、本資産運用会社の利害関係人等取引規程に基づく手続の履践等、一定の利益相反対策は行っているものの、リビタの利益を図るために、本投資法人の投資主の利益に反する行為を行う可能性もあり、その場合には、本投資法人の投資主に損害が発生する可能性があります。
加えて、本投資法人及び本資産運用会社がリビタとの間で締結している契約は、リビタが、本投資法人と競合する事業を行うことを禁止するものではありません。リビタは、リノベーション分譲事業、コンサルティング事業、PMサブリース事業等、様々な形で本投資法人の運用資産と競合する不動産に関連する業務を行っています。したがって、本投資法人又は本資産運用会社とリビタとが、特定の資産の取得、賃貸借、管理運営、処分等に関して競合する可能性やその他利益相反が問題となる状況が生じる可能性は否定できません。
上記のような利益相反が問題となりうる場合としては、例えば、リビタからの物件取得に際しての取得価格その他の購入条件、リビタに対する瑕疵担保責任の追及その他の権利行使、スポンサーパイプライン・サポート契約の更新の有無、PM業務の遂行などがあげられます。
これらの問題により、本投資法人の利益が不当に害され、本投資法人の投資主に損害が発生する可能性があります。
(ハ) 資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者に関するリスク
a. 任務懈怠等に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、資産の運用を本資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に、それぞれ委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためにはこれらの関係法人の能力、経験及び知見に依拠するところが大きいと考えられますが、これらの関係法人が業務遂行に必要な人的・財政的基礎等を必ずしも維持できる保証はありません。本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者は、投信法及び金融商品取引法上委託を受けた業務の執行につき善良な管理者としての注意義務(以下「善管注意義務」といいます。)を負い、かつ法令、規約及び投資主総会の決議を遵守し投資法人のために忠実に職務を遂行する義務(以下「忠実義務」といいます。)を負っています(投信法第118条及び第209条並びに金融商品取引法第42条)が、これらの者による業務の懈怠その他義務違反があった場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
b. 利益相反に関するリスク
本資産運用会社、一般事務受託者、資産保管会社及び本資産運用会社の株主等、本投資法人に現在関与し又は将来関与する可能性がある法人は、それぞれの立場において本投資法人の利益を害し、自己又は第三者の利益を図ることが可能な立場にあります。これらの関係法人がそれぞれの立場において自己又は第三者の利益を図った場合は、本投資法人の利益が害される可能性があります。
本資産運用会社は、本投資法人に対し善管注意義務及び忠実義務を負う(金融商品取引法第42条)ほか、投信法及び金融商品取引法において業務遂行に関して行為準則が詳細に規定されており、さらに運用ガイドラインに基づく自主的なルールも定めています。
しかし、本資産運用会社が、前記に反して、自己又は第三者の利益を図るため、本投資法人の利益を害することとなる取引を行った場合には、投資主に損害が発生する可能性があります。
なお、本資産運用会社が、将来において本投資法人以外の投資法人等の資産運用を受託した場合、本投資法人及び本資産運用会社との間のみならず、本投資法人及び当該本投資法人以外の投資法人等との間でも、利益相反の問題が生じる可能性があります。投信法は、このような場合に備えて、投信法上の資産運用会社が、その資産の運用を行う投資法人相互間において取引を行うことを原則として禁止する等の規定を置いています。また、本資産運用会社においても、本投資法人以外の投資法人等の資産を運用することとなる場合には、他の投資法人等との間の利益相反の問題に対処するために必要な自主的ルールを策定することも想定されます。しかし、この場合に、本投資法人以外の投資法人等の利益を図るため、本投資法人の利益が害されるリスクが現実化しないという保証はありません。
c. 解約に関するリスク
一定の場合には、本資産運用会社、一般事務受託者及び資産保管会社との契約が解約されることがあります。投信法上、資産の運用、資産の保管及び一般事務に関して第三者へ委託することが要求されているため、各契約が解約された場合には、本投資法人は新たな受託者に委託する必要があります。しかし、本投資法人の希望する時期及び条件で現在と同等又はそれ以上の能力と専門性を有する新たな受託者を選任できる保証はなく、速やかに選任できない場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
d. 倒産等に関するリスク
本資産運用会社、一般事務受託者又は資産保管会社のそれぞれが、破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。以下「破産法」といいます。)上の破産手続、会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。以下「会社更生法」といいます。)上の会社更生手続、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。以下「民事再生法」といいます。)上の民事再生手続その他の倒産手続(以下「倒産手続等」と総称します。)により業務遂行能力を喪失する可能性があるほか、本投資法人は、それらの者に対する債権の回収に困難が生じるおそれがあり、さらに、それらの者との契約を解約されることがあります。これらにより、本投資法人の日常の業務遂行に影響を及ぼすことになり、また、場合によっては本投資口の上場が廃止される可能性もあります。そのような場合、投資主が損害を受ける可能性があります。
(ニ) PM会社に関するリスク
a. 能力に関するリスク
一般に、賃借人の管理、建物の保守管理等、不動産の管理全般の成否は、PM会社の能力、経験及び知見によるところが大きく、本投資法人が保有している不動産の管理についても、管理を委託するPM会社の業務遂行能力に大きく依拠することとなります。管理委託先を選定するにあたっては、当該PM会社の能力、経験、ノウハウ及び財務体質を十分考慮することが前提となりますが、当該PM会社における人的・財産的基盤が維持される保証はありません。
b. 利益相反に関するリスク
本投資法人の投資対象不動産に係るPM会社が、他の顧客(本投資法人以外の投資法人を含みます。)から当該他の顧客の不動産の管理及び運営業務を受託し、本投資法人の投資対象不動産に係るPM業務と類似又は同種の業務を行う可能性があります。これらの場合、当該PM会社は、本投資法人以外の顧客の利益を優先することにより、本投資法人の利益を害する可能性があります。
c. 解約に関するリスク
一定の場合には、PM会社との契約が解約されることがあります。後任のPM会社が選任されるまではPM会社不在又は機能不全のリスクが生じるため、一時的に当該投資対象不動産の管理状況が悪化する可能性があります。また、本投資法人の希望する時期及び条件で現在と同等又はそれ以上の能力と専門性を有する新たなPM会社を選任できる保証はなく、速やかに選任できない場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
d. 倒産等に関するリスク
PM会社が、倒産手続等により業務遂行能力を喪失する可能性があるほか、本投資法人は、それらの関係法人に対する債権の回収に困難が生じるおそれがあり、さらに、PM会社との契約を解約されることがあります。これらにより、本投資法人の日常の業務遂行に影響が及ぶことになり、投資主が損害を受ける可能性があります。
(ホ) 本投資法人の役員及び本資産運用会社の人材に依存しているリスク
本投資法人の運営は、本投資法人の役員及び本資産運用会社の人材に大きく依存しており、これらの人材が失われた場合、本投資法人の運営に悪影響をもたらす可能性があります。
(ヘ) 本投資法人及び本資産運用会社の歴史が浅いことによるリスク
本投資法人は、平成28年2月5日に設立され、平成28年8月1日に資産の運用を開始しました。また、本資産運用会社は、平成27年12月17日に投資運用業の登録を完了し、本投資法人が、投資法人の資産の運用を行う初めての登録投資法人となります。したがって、本投資法人及び本資産運用会社には、過去の実績が少ないため、過去の実績から今後の実績を予測することは困難です。
(ト) 本投資法人の投資方針等の変更に関するリスク
本投資法人の規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会及び本資産運用会社の取締役会が定めたより詳細な投資方針、ポートフォリオ構築方針、運用ガイドライン等については、投資主総会の承認を経ることなく、変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、これらが変更される可能性があります。
また、本投資法人の発行する投資証券について支配権獲得その他を意図した取得が行われた場合、投資主総会での決議等の結果として本投資法人の運用方針、運営形態等が他の投資主の想定しなかった方針、形態等に変更される可能性があります。
一方で、運用環境の変化に対応して、適切に本投資法人の運用方針、運用形態等を変更できない可能性もあり、そのような場合には、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
(チ) 本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
本投資法人は、破産法上の破産手続、民事再生法上の再生手続及び投信法上の特別清算手続(投信法第164条)に服する可能性があります。
本投資法人は、投信法に基づいて投資法人としての登録を受けていますが、一定の事由が発生した場合に投信法に従ってその登録が取り消される可能性があります(投信法第216条)。その場合には、本投資証券の上場が廃止され、本投資法人は解散し、清算手続に入ります。
本投資法人が清算される場合、投資主は、全ての債権者への弁済(投資法人債の償還を含みます。)後の残余財産の分配にあずかることによってしか投資金額を回収することができません。このため、投資主は、投資金額の全部又は一部について回収を得ることができない可能性があります。
④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク
本投資法人の主たる運用資産は、前記「2 投資方針 (2) 投資対象 ① 投資対象とする資産の種類」に記載のとおり、不動産等及び不動産対応証券です。本投資法人は、後記「5 運用状況 (2) 投資資産 ③ その他投資資産の主要なもの」に記載する不動産の信託の受益権を保有しています。不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産の所有者は、その信託財産である不動産又は裏付けとなる不動産を直接所有する場合と、経済的には、ほぼ同様の利益状況に置かれます。したがって、以下に記載する不動産に関するリスクは、不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産についても、ほぼ同様にあてはまります。
なお、信託の受益権特有のリスクについては、後記「(ム) 不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク」をご参照ください。
(イ) 不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク
不動産には権利、地盤、地質、構造等に関して欠陥、瑕疵等(工事における杭打ちを含む施工の不具合及び施工報告書の施工データの転用・加筆等を含みますが、これらに限りません。)が存在している可能性があり、また、かかる欠陥、瑕疵等が取得後に判明する可能性もあります。本資産運用会社が投資対象不動産等の選定・取得の判断を行うに当たっては、原則として投資対象不動産について定評のある専門業者から建物状況評価報告書を取得する等の物件精査を行うとともに、当該投資対象不動産等の前所有者又は前受益者から譲渡の時点における一定の表明及び保証を取得することとしています。また、状況に応じて、前所有者又は前受益者に対し一定の瑕疵担保責任を負担させる場合もあります。建築基準法等の行政法規が求める所定の手続を経由した不動産についても、一般的に、建物の施工を受託した建築会社又はその下請け業者において、建物が適正に施工されない場合がありうるほか、建築基準関係規定の求める安全性や構造耐力等を有するとの保証はありません。また、前所有者又は前受益者の表明及び保証が真実でなかったことを理由とする損害賠償責任や瑕疵担保責任を追及できたとしても、これらの責任の期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例であり、また、前所有者が解散したり無資力になっているために実効性がない場合もあります。
これらの場合には、当該欠陥、瑕疵等の程度によっては当該不動産の資産価値が低下することを防ぐために買主である本投資法人が当該欠陥、瑕疵、建替え等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるをえなくなることがあり、投資主に損害を与える可能性があります。
また、登記簿の記載を信じて取引した場合にも、買主は不動産に係る権利を取得できないことがあります。さらに、登記簿中の不動産の権利に関する事項が現況と一致していない場合もあります。加えて、権利に関する事項のみならず、登記簿中の不動産の表示に関する事項も現況と一致していない場合もあります。このような場合、上記と同じく、本投資法人は売主等に対して法律上又は契約上可能な範囲で責任を追及することとなりますが、その実効性があるとの保証はありません。
(ロ) 不動産の境界に関するリスク
本投資法人は、境界が確定していない物件であっても、紛争等の可能性や運営への影響等を検討の上で取得することがありますが、本投資法人の想定に反し、隣地との間で紛争が生じたり、境界確定の過程で運用資産の運営に不可欠の土地が隣地所有者の所有に属するものとされることなどにより、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
(ハ) 不動産の売却に伴う責任に関するリスク
本投資法人が不動産を売却する場合、本投資法人は、宅地建物取引業法上、宅地建物取引業者とみなされるため、同法に基づき、売却の相手方が宅地建物取引業者である場合を除いて、不動産の売買契約において、瑕疵担保責任に関し、買主に不利となる特約をすることが制限されています。したがって、本投資法人が不動産を売却する場合は、売却した不動産の欠陥、瑕疵等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主に損害を与える可能性があります。
加えて、不動産をめぐる権利義務関係の複雑さゆえに、不動産に関する権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受けたり、第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。その結果、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
さらに、賃貸不動産の売却においては、新所有者が賃借人に対する敷金返還債務等を承継するものと解されており、実務もこれにならうのが通常ですが、旧所有者が当該債務を免れることについて賃借人の承諾を得ていない場合には、旧所有者は新所有者とともに当該債務を負い続けると解される可能性があり、予想外の債務又は義務等を負う場合があり得ます。
(ニ) 賃貸借契約に関するリスク
a. 賃貸借契約の解約及び更新に関するリスク
賃借人が賃貸借契約上解約権を留保している場合等には契約期間中であっても賃貸借契約が終了することがあり、また、賃貸借契約の期間満了時に契約の更新がなされない場合もあるため、稼働率が低下し、不動産に係る賃料収入が減少することがあります。また、解約禁止条項、解約ペナルティ条項等を置いて期間中の解約権を制限している場合や更新料を定めている場合でも、裁判所によって所定の金額から減額されたり、かかる条項の効力が否定される可能性があります。
以上のような事由により、賃料収入等が減少した場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
他方で、賃貸人が、テナントとの賃貸借契約の更新を拒絶したり、解約を申し入れるためには、借地借家法上、正当の事由があると認められる場合であることが必要であり、賃貸人側の意向どおりに賃貸借契約を終了させることができないことにより、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、賃貸借契約を定期建物賃貸借契約とすれば、契約の更新がないこととすることが認められていますが、定期建物賃貸借契約の効力が認められるためには、借地借家法第38条所定の要件を充足する必要があるため、借地借家法第38条所定の要件が充足されなかった場合には、当該契約は、いわゆる普通建物賃貸借契約として取り扱われる可能性があります。その結果、建物賃貸借契約が所定の時期に終了しないこと等により、本投資法人の収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。
b. 賃料不払に関するリスク
賃借人の財務状況が悪化した場合又は破産法上の破産手続、民事再生法上の再生手続若しくは会社更生法上の更生手続その他の倒産手続(以下、併せて「倒産等手続」と総称します。)の対象となった場合、賃貸借契約に基づく賃料支払が滞る可能性があり、この延滞賃料等の債務の合計額が敷金及び保証金で担保される範囲を超える状況になった場合には、投資主に損害を与える可能性があります。
また、いわゆる保証会社が保証人となっている場合を中心として、賃借人の保証人との間の保証契約において、物件の売買等を理由として賃貸人が変更された場合に保証契約が承継されない旨の特約がなされる場合があります。この場合、本投資法人が物件を取得しても、保証会社による保証の対象外となります。
c. 賃料改定に係るリスク
テナントとの賃貸借契約の期間が比較的長期間である場合には、多くの場合、賃料等の賃貸借契約の内容について、定期的に見直しを行うこととされています。
したがって、本書の日付現在の賃料が今後も維持される保証はありません。賃料改定により賃料が減額された場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、定期的に賃料等を増額する旨の規定が賃貸借契約にある場合でも、賃借人との交渉いかんによっては、必ずしも、規定どおりに賃料を増額できるとは限りません。
d. 賃借人による賃料減額請求権行使のリスク
建物の賃借人は、定期建物賃貸借契約において借地借家法第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約を設けた場合を除いて、同条に基づく賃料減額請求をすることができます。請求が認められた場合、当該不動産から得られる賃料収入が減少し、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
ある建物賃貸借契約を定期建物賃貸借契約とした上で借地借家法第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約を設けた場合であっても、定期建物賃貸借契約の効力が認められるためには、借地借家法第38条所定の要件を充足する必要があるため、借地借家法第38条所定の要件が充足されなかった場合には、賃料減額請求権を排除することができず、物件から得られる賃料収入が減少し、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主が損失を被る可能性があります。
e. 変動賃料に関するリスク
本投資法人とテナントの間で締結される賃貸借契約において、固定賃料と売上実績に連動した変動賃料が組み合わさった賃料構成が採用されることがありますが、売上実績に連動した変動賃料の支払いを受ける場合には、売上げの減少が賃料総額の減少につながり、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、変動賃料の支払いを伴う賃貸借契約において、変動賃料の計算の基礎となる売上高等の数値について、賃貸人がその正確性について十分な検証を行えない場合があり得ます。その結果、本来支払われるべき金額全額の変動賃料の支払いがなされず、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
f. 定期建物賃貸借契約における賃料減額請求権排除特約に関するリスク
定期建物賃貸借契約の場合には、その有効期間中は契約中に定められた賃料をテナントに対して請求できるのが原則です。しかし、定期建物賃貸借契約においてテナントが早期解約した場合でも、残存期間全体についてのテナントに対する賃料請求が認められない可能性があります。なお、定期建物賃貸借契約において借地借家法第32条に基づく賃料増減請求権を排除する特約を設けた場合には、同条に基づく賃料増額請求もできなくなるため、かかる賃料が契約締結時に予期し得なかった事情により一般的な相場に比べて低額となり、通常の賃貸借契約の場合よりも低い賃料収入しか得られない可能性があります。
g. 更新料、敷引等に関するリスク
賃貸借契約において、賃貸借契約が更新される際の更新料、貸主が受領した敷金の一部を借主に返還しない旨のいわゆる敷引、また契約期間中に賃借人が解約した場合の違約金に関して敷金・保証金の没収について規定することがありますが、これらの規定は状況によってはその全部又は一部が無効とされ、その結果、本投資法人に予定外の収入の減少や費用負担が発生する可能性があります。
(ホ) 災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
火災、地震、液状化、津波、暴風雨、洪水、落雷、竜巻、火山の噴火、戦争、暴動、騒乱、テロ等(以下「災害等」といいます。)により不動産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が影響を受ける可能性があります。このような場合には、滅失、劣化又は毀損した個所を修復するため一定期間建物の稼働停止を余儀なくされることにより、賃料収入が減少し、又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主に損害を与える可能性があります。加えて、災害等の影響で周辺環境が悪化することにより、賃料収入が減少し、又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主に損害を与える可能性があります。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない災害等が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払が他の何らかの理由により行われず、減額され若しくは遅れる場合には、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主に損害を与える可能性があります。さらに、災害等により建物が滅失、劣化又は毀損した場合、建築から年月が経過していることなどの理由により、建物の建替え等に必要な図面や書面等が失われている不動産については、必要な修復を行うことができず、結果として当該不動産を従来の用途に利用することができなくなる可能性もあります。
(へ) 不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
運用資産である不動産を原因として、第三者の生命、身体又は財産等を侵害した場合に、損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損害を被る可能性があります。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合や生じた事故に対して保険金が支払われない場合、前記「(ホ) 災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク」と同様、本投資法人の収益等は悪影響を受ける可能性があります。
また、不動産につき滅失、毀損又は劣化等が生じ、修繕が必要となる場合には、かかる修繕に関連して多額の費用を要する可能性があります。また、かかる修繕が困難又は不可能な場合には、不動産から得られる賃料収入が減少し、不動産の価格が下落する可能性があります。
さらに、経済状況によっては、インフレーション、水道光熱費等の費用の高騰、不動産管理や建物管理に係る費用、備品調達等の管理コスト及び各種保険料等のコストの上昇、租税公課の増大その他の理由により、投資対象不動産の運用に関する費用が増加する可能性があります。
(ト) 不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例、都市計画法の改正、新たな立法、収用、再開発、区画整理等の行政行為の規定の施行又は適用の際、原則としてこれらの規定に適合しない現に存する建物(現に建築中のものを含みます。)又はその敷地については、当該規定が適用されない扱いとされています(いわゆる既存不適格)。しかし、かかる既存不適格の建物の建替え等を行う場合には、現行の規定が適用されるため、現行の規定に合致するよう手直しをする必要があり、追加的な費用負担が必要となる可能性があり、また、現状と同規模の建物を建築できない可能性やそもそも建物を再建築できない可能性もあります。さらに、建築から年月が経過していることなどの理由により、建物の建替え等に必要な図面や書面等が失われている不動産については、災害等により建物が滅失、劣化又は毀損した場合、必要な修復を行うことができず、結果として当該不動産を従来の用途に利用することができなくなる可能性もあります。
また、不動産に係る様々な行政法規や各地の条例による規制が運用資産である不動産に適用される可能性があります。例えば、都市計画法、地方公共団体の条例による風致地区内における建築等の規制、河川法(昭和39年法律第167号。その後の改正を含みます。)による河川保全区域における工作物の新築等の制限、文化財保護法(昭和25年法律第214号。その後の改正を含みます。)に基づく試掘調査義務、一定割合において住宅を付置する義務や、駐車場設置義務、福祉配慮設備設置義務、緑化推進義務及び雨水流出抑制施設設置義務等が挙げられます。このような義務が課せられている場合、当該不動産の処分及び建替え等に際して、事実上の困難が生じたり、これらの義務を遵守するための追加的な費用負担が生じたりする可能性があります。さらに、運用資産である不動産を含む地域が道路設置等の都市計画の対象となる場合には、当該都市計画対象部分に建築制限が付されたり、建物の敷地とされる面積が減少したりして収益が減少する可能性があります。また、当該不動産に関して建替え等を行う際に、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。
(チ) 水質汚濁防止法上の特定施設に関するリスク
本投資法人が不動産等を取得する場合において、当該不動産等に、水質汚濁防止法に規定される特定施設が設置されている場合があります。
水質汚濁防止法によれば、特定施設の設置者は、排水基準に適合しない排出水を排出するおそれがある場合には、都道府県知事により汚水等の処理の方法等の改善や特定施設の使用若しくは排出水の排出の一時停止を命ぜられることがあり、また、特定施設の破損その他の事故が発生し、有害物質等を含む水等が排出され又は地下に浸透したことにより人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるときには、有害物質等を含む水の排出又は浸透の防止のための応急の措置を講ずべき義務を負い、これを講じない場合には、都道府県知事により応急の措置を命ぜられることがあります。さらに、有害物質に該当する物質を含む水の地下への浸透があったことにより、現に人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、都道府県知事によりその被害を防止するため必要な限度において、地下水の水質の浄化のための措置を命ぜられることがあります。これらの場合、本投資法人に多額の費用の負担が生じる可能性があります。加えて、かかる有害物質が含まれた排水の排出又は地下への浸透により、人の生命又は身体を害したときは、当該排出又は地下への浸透をした者は、無過失責任を負うものとされていることから、特定施設において事故等が生じた場合には、本投資法人が第三者に対して多額の損害を賠償する義務が発生する可能性もあります。
これらの結果、本投資法人の収益等が悪影響を受け、投資主が損失を被る可能性があります。
(リ) 法令の制定・変更に関するリスク
土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改正を含みます。以下「土壌汚染対策法」といいます。)のほか、将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。
また、消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)その他不動産の管理に影響する関係法令の改正により、不動産の管理費用等が増加する可能性があるほか、エネルギー及び温室効果ガスの削減並びに耐震診断及び耐震改修の促進を目的とした法令、条例等の制定、適用、改正等によっても、追加的な費用負担等が発生する可能性があります。加えて、建築基準法、都市計画法の改正、新たな立法、収用、再開発、区画整理等の行政行為等により不動産に関する権利が制限される可能性があります。このような法令若しくは行政行為又はその変更等が本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
(ヌ) 売主の倒産等の影響を受けるリスク
本投資法人が、債務超過の状況にある等財務状態が実質的危機時期にあると認められる又はその疑義がある者を売主として不動産を取得した場合には、当該不動産の売買が売主の債権者により取り消される(詐害行為取消)可能性があります。また、本投資法人が不動産を取得した後、売主について倒産等手続が開始された場合には、不動産の売買が破産管財人、監督委員又は管財人により否認される可能性が生じます。
また、本投資法人が、ある売主から不動産を取得した別の者(本(ヌ)において、以下「買主」といいます。)からさらに不動産を取得した場合において、本投資法人が、当該不動産の取得時において、売主と買主間の当該不動産の売買が詐害行為として取消され又は否認される根拠となりうる事実関係を知っている場合には、本投資法人に対しても、売主・買主間の売買が否認され、その効果を主張される可能性があります。
本投資法人は、管財人等により売買が否認又は取消されるリスク等について諸般の事情を慎重に検討し、実務的に可能な限り管財人等により売買が否認又は取消されるリスク等を回避するよう努めますが、このリスクを完全に排除することは困難です。
さらに、取引の態様如何によっては売主と本投資法人との間の不動産の売買が、担保取引であると判断され、当該不動産は破産者である売主の破産財団の一部を構成し、又は更生会社若しくは再生債務者である売主の財産に属するとみなされる可能性(いわゆる真正譲渡でないとみなされるリスク)もあります。
(ル) マスターリース会社に関するリスク
本投資法人は、マスターレッシー(転貸人)が本投資法人又は信託受託者とマスターリース契約を締結した上で、各転借人に対して転貸するマスターリースの形態をとる物件を取得することがあります。
マスターリースの形態をとる物件においてマスターレッシーの財務状況が悪化した場合、転借人がマスターレッシーに賃料を支払ったとしても、マスターレッシーの債権者がマスターレッシーの転借人に対する賃料債権を差し押さえる等により、マスターレッシーから本投資法人又は信託受託者への賃料の支払が滞る可能性があります。
本投資法人、マスターレッシー及び信託受託者との間で締結されたマスターリース契約が、マスターレッシーの倒産又は契約期間満了等により終了した場合には、本投資法人が信託受託者との間で新たなマスターリース契約(以下「新マスターリース契約」といいます。)を締結し、本投資法人がそれまでのマスターレッシー(以下「旧マスターレッシー」といいます。)及びエンドテナントとの間の転貸借契約及び旧マスターレッシーのエンドテナントに対する権利及び義務等を承継することが規定されている場合があります。この場合において、本投資法人は、賃貸人である信託受託者に対して、新マスターリース契約に基づいて請求し得る敷金返還請求権等に比して過重な敷金返還債務等をエンドテナントに対して負担しなければならなくなる可能性があります。
また、本投資法人がエンドテナントに対して、賃貸人たる地位を承継した旨を通知する前に、エンドテナントが旧マスターリース会社に賃料等を支払った場合、本投資法人は賃貸人たる信託受託者に対して賃料を支払う必要があるにもかかわらず、エンドテナントに対して賃料を請求できなくなります。
これらの場合、旧マスターレッシーに対して求償権又は不当利得返還請求権を行使することは可能ですが、旧マスターレッシーが破綻状態に陥っており、十分に損害を回復できない場合には、本投資法人は損失を被ることになります。
(ヲ) 転貸に関するリスク
賃借人(転借人を含みます。)に、不動産の一部又は全部を転貸する権限を与えた場合、本投資法人は、不動産に入居するテナントを自己の意思により選択できなくなったり、退去させられなくなったりする可能性があるほか、賃借人の賃料が、転借人の賃借人に対する賃料に連動する場合、転借人の信用状態等が、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、賃貸借契約が合意解約された場合、又は債務不履行を理由に解除された場合であっても、賃貸借契約上、賃貸借契約終了の場合に転貸人の転借人に対する敷金等の返還義務が賃貸人に承継される旨規定されている場合等には、かかる敷金等の返還義務が、賃貸人に承継される可能性があります。このような場合、敷金等の返還原資は賃貸人の負担となり、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ワ) テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
テナントによる不動産の利用・管理状況により、当該不動産の資産価値や、本投資法人の収益に悪影響が及ぶ可能性があります。また、転借人や賃借権の譲受人の属性によっては、運用資産である不動産のテナント属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。
例えば、建物そのものが法令や条例等の基準を満たす場合であっても、テナントによる建物への変更工事、内装の変更その他利用状況等により、建築基準法、消防法その他の法令や条例等に違反する状態となり、本投資法人が、その改善のための費用を負担する必要が生じ、又は法令上不利益を被る可能性があります。また、賃貸借契約における規定の如何にかかわらず、テナントによる転貸や賃貸借の譲渡が本投資法人の承諾なしに行われる可能性があります。その他、転借人や賃借権の譲受人の属性によっては、テナントによる不動産の利用状況が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。賃貸人は賃借人と普通建物賃貸借契約を締結した場合又は定期建物賃貸借契約を締結したものの借地借家法第38条所定の要件が充足されないことにより定期建物賃貸借契約としての効力が否定された場合、正当の事由があると認められなければ、賃貸借期間が経過した場合であっても賃借人との賃貸借契約を終了することができず、テナントによる不動産の利用状況の悪化を阻止できない可能性があります。
(カ) 周辺環境の悪化等に関するリスク
本投資法人の運用資産である不動産の周辺環境が本投資法人の支配できない事由により悪化する可能性があり、その結果、本投資法人の運用資産である不動産の収益の低下や価値の下落が生じ、本投資法人に悪影響が生じる可能性があります。そのような事由として、例えば、周辺建物の建替え等により、騒音、振動等を発したり、静謐な環境を妨げる施設が誕生することによる環境の悪化、周辺建物のテナント属性の悪化に伴う地域の治安の悪化等があげられます。
(ヨ) 共有物件に関するリスク
運用資産である不動産が第三者との間で共有されている場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々のリスクがあります。
まず、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の価格に従い、その過半数で行うものとされているため(民法第252条本文)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の保有又は利用が妨げられるおそれがあります。
さらに、共有の場合、他の共有者からの共有物全体に対する分割請求権行使を受ける可能性(民法第256条第1項本文)、及び裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性(民法第258条第2項)があり、ある共有者の意図に反して他の共有者からの分割請求権行使によって共有物全体が処分されるリスクがあります。
この分割請求権を行使しないという共有者間の特約は有効ですが、この特約は5年を超えては効力を有しません。また、登記済みの不分割特約がある場合でも、特約をした者について倒産手続の対象となった場合には、管財人等はその換価処分権を確保するために分割請求ができるとされています。ただし、共有者は、倒産手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、民事再生法第48条、会社更生法第60条)。
他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、共有されていた物件全体について当該共有者(抵当権設定者)の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶことになると考えられています。したがって、運用資産である共有持分には抵当権が設定されていなくても、他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、分割後の運用資産についても、他の共有者の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶこととなるリスクがあります。
共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されていますが、共有不動産については、共有者間で共有持分の優先的購入権の合意をすることにより、共有者がその共有持分を第三者に売却する場合に他の共有者が優先的に購入できる機会を与えるようにする義務を負う場合があります。
不動産の共有者が賃貸人となる場合には、賃料債権は不可分債権となり敷金返還債務は不可分債務になると一般的には解されており、共有者は他の賃貸人である共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。
共有不動産については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(タ) 区分所有建物に関するリスク
「区分所有建物」とは建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分と共有となる共用部分及び建物の敷地部分から構成されます。区分所有建物の場合には、区分所有法上、法定の管理方法及び管理規約(管理規約の定めがある場合)によって管理方法が定められます。建替え決議等をする場合には集会において区分所有者及び議決権(管理規約に別段の定めのない限り、その有する専有部分の床面積の割合)の各5分の4以上の多数の建替え決議が必要とされる等(区分所有法第62条)、区分所有法の適用を受けない単独所有物件と異なり管理方法に制限があります。
区分所有建物の専有部分の処分は自由に行うことができますが、区分所有者間で優先的購入権の合意をすることがあることは、共有物件の場合と同様です。
区分所有建物と敷地の関係については以下のようなリスクがあります。
区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利を敷地利用権といいます。区分所有建物では、専有部分と敷地利用権の一体性を保持するために、法律で、専有部分とそれに係る敷地利用権を分離して処分することが原則として禁止されています(区分所有法第22条)。ただし、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の禁止を善意の第三者に対抗することができず、分離処分が有効となります(区分所有法第23条)。また、区分所有建物の敷地が数筆に分かれ、区分所有者が、それぞれ、その敷地のうちの一筆又は数筆の土地について、単独で、所有権、賃借権等を敷地利用権(いわゆる分有形式の敷地利用権)として有している場合には、分離して処分することが可能とされています。このように専有部分とそれに係る敷地利用権が分離して処分された場合、敷地利用権を有しない区分所有者が出現する可能性があります。
また、敷地利用権が使用借権及びそれに類似した権利である場合には、当該敷地が売却、競売等により第三者に移転された場合に、区分所有者が当該第三者に対して従前の敷地利用権を対抗できなくなる可能性があります。
このような区分所有建物と敷地の関係を反映して、区分所有建物の場合には、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(レ) 借地物件に関するリスク
借地権(転借地権を含みます。以下本「(レ) 借地物件に関するリスク」において同じです。)とその借地上に存在する建物については、自らが所有権を有する土地上に存在する建物と比べて特有のリスクがあります。借地権は、所有権と異なり永久に存続するものではなく、期限の到来により当然に消滅し(定期借地権の場合)又は期限到来時に借地権設定者が更新を拒絶しかつ更新を拒絶する正当事由がある場合に消滅します(普通借地権の場合)。また、借地権が地代の不払その他により解除その他の理由により消滅してしまう可能性もあります。借地権が消滅すれば、時価での建物買取りを請求できる場合(借地借家法第13条、旧借地法第4条第2項)を除き、借地上に存在する建物を取り壊した上で、土地を返還しなければなりません。普通借地権の場合、借地権の期限到来時の更新拒絶につき上記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、仮に建物の買取請求権を有する場合でも、買取価格が本投資法人が希望する価格以上である保証はありません。加えて、本投資法人又は信託受託者が有する権利が転借地権である場合、借地権(転借地権を除きます。)が解除その他の理由により消滅してしまうと、原則として、本投資法人又は信託受託者が有する転借地権も消滅します。
また、本投資法人又は信託受託者が借地権を有している土地の所有権が、他に転売されたり、借地権設定時に既に存在する土地上の抵当権等が実行されたりすることにより第三者に移転する可能性があります。この場合、借地権について適用のある法令に従い第三者対抗要件(借地権の登記又は借地権を有している土地上に借地権者が登記されている建物を所有していることが該当します。)が具備されていないときは、本投資法人又は信託受託者は、借地権を当該土地の新所有者に対して対抗できず、当該土地の明渡義務を負う可能性があります。
さらに、借地権が賃借権である場合、借地権を譲渡するには、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。借地上の建物の所有権を譲渡する場合には、当該借地に係る借地権も一緒に譲渡することになるので、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。かかる借地権設定者の承諾に関しては、借地権設定者への承諾料の支払が予め約束されていたり、約束されていなくても慣行を理由として借地権設定者が承諾料を承諾の条件として請求してきたりする場合があります(なお、法律上借地権設定者に当然に承諾料請求権が認められているものではありません。)。
加えて、借地権設定者の資力の悪化や倒産等により、借地権設定者に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があります。借地権設定者に対する敷金及び保証金等の返還請求権について担保設定や保証はなされないのが通例です。
借地権と借地上に建てられている建物については、敷地と建物を一括して所有している場合と比べて、上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(ソ) 借家物件に関するリスク
本投資法人は、建物(共有持分、区分所有権等を含みます。)を第三者から賃借の上又は信託受託者に賃借させた上、当該賃借部分を直接若しくは信託受託者を通じて保有する建物と一体的に又は当該賃借部分を単独で、テナントへ転貸することがあります。
この場合、建物の賃貸人の資力の悪化や倒産等により、建物の賃貸人に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があることは、前記「(レ) 借地物件に関するリスク」の場合と同じです。
加えて、民法上、本投資法人が第三者との間で直接又は信託受託者を通じて締結した賃貸借契約が何らかの理由により終了した場合、原則として、本投資法人又は当該受託者とテナントの間の転貸借契約も終了するとされているため、テナントから、転貸借契約の終了に基づく損害賠償請求等がなされるおそれがあります。
(ツ) 底地物件に関するリスク
本投資法人は、第三者が、土地所有者から借地権の設定を受け、その上に建物を所有している土地、いわゆる底地を取得することがあります。底地物件の場合は特有のリスクがあります。借地権は、定期借地権の場合は借地契約に定める期限の到来により当然に消滅し、普通借地権の場合には期限到来時に本投資法人が更新を拒絶しかつ本投資法人に更新を拒絶する正当事由がある場合に消滅します。借地権が消滅する場合、本投資法人は借地権者より時価での建物買取を請求される場合があります(借地借家法第13条及び旧借地法第4条第2項)。普通借地権の場合、借地権の期限到来時に更新拒絶につき前記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、借地権者より時価での建物買取を請求される場合においても、買取価格が本投資法人が希望する価格以下である保証はありません。
また、借地権者の財務状況が悪化した場合又は倒産等手続の対象となった場合、借地契約に基づく土地の賃料の支払が滞る可能性があり、この延滞賃料の合計額が敷金及び保証金等で担保される範囲を超える場合は投資主に損害を与える可能性があります。
加えて、借地契約では、多くの場合、賃料等の借地契約の内容について、定期的に見直しを行う旨を規定する条項が含まれています。当該条項に基づく賃料の改定により賃料が減額された場合、投資主に損害を与える可能性があります。借地権者は借地借家法第11条に基づく土地の借賃の減額請求をすることができ、これにより、当該底地から得られる賃料収入が減少し、投資主に損害を与える可能性があります。
さらに、借地権が賃借権である場合、借地権者による借地権の譲渡には、原則として、本投資法人の承諾が必要となりますが、裁判所が承諾に代わる許可をした場合(借地借家法第19条)や、借地契約上事前に一定範囲での借地権の譲渡を承諾している場合には、本投資法人の承諾なく借地権が譲渡される結果、財務状態に問題がある等の本投資法人が望まない者に借地権が譲渡される可能性があり、その結果、投資主に損害を与える可能性があります。
(ネ) 開発物件に関するリスク
本投資法人は、竣工後の物件を取得するために予め開発段階で売買契約を締結することはありません。しかしながら、本投資法人は、後記「⑥ その他 (ニ) 特定目的会社の優先出資証券への投資に関するリスク」に記載のとおり、資産流動化法に基づく特定目的会社がその資産の2分の1を超える額を不動産等に投資することを目的とする場合、その優先出資証券への投資を行うことがあり、かかる特定目的会社の投資先である不動産等の中に、開発段階の物件が存在する場合があります。かかる場合、当該特定目的会社は、既に完成した物件につき売買契約を締結して取得する場合とは異なり、様々な事由により、開発が遅延、変更又は中止されることにより、売買契約どおりの引渡しを受けられない可能性があります。この結果、当該特定目的会社が得る開発物件からの収益等が本投資法人の予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、又は予定されていない費用、損害若しくは損失を当該特定目的会社が負担し若しくは被ったりする可能性があり、その結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。また、竣工後のテナントの確保が当初の期待を下回り、見込みどおりの賃料収入を得られない可能性があり、その結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ナ) フォワード・コミットメント等に係るリスク
本投資法人は、不動産又は不動産を信託する信託の受益権を取得するにあたり、いわゆるフォワード・コミットメント等を行うことがあります。不動産売買契約が買主の事情により解約された場合には、買主は債務不履行による損害賠償義務を負担することとなります。また、損害額等の立証にかかわらず、不動産又は不動産を信託する信託の受益権の売買価格に対して一定の割合の違約金が発生する旨の合意がなされることも少なくありません。フォワード・コミットメント等の場合には、契約締結後、決済・物件引渡しまでに一定の期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が不動産取得資金を調達できない場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金等の支払により、本投資法人の財務状況等が悪影響を受ける可能性があります。
(ラ) 有害物質に関するリスク
本投資法人が土地又は土地の賃借権若しくは地上権又はこれらを信託する信託の受益権を取得する場合において、当該土地について産業廃棄物等の有害物質が埋蔵されている可能性や、自然由来と推定される原因によって有害物質が存在している可能性があり、かかる有害物質が埋蔵されている場合には当該土地の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替えや洗浄が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務を負う可能性があります。なお、土壌汚染対策法によれば、土地の所有者、管理者又は占有者は、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の特定有害物質による土地の土壌の汚染の状況について、都道府県知事により調査・報告を命ぜられることがあり、また、土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、都道府県知事によりその被害を防止するため必要な汚染の除去等の措置を命ぜられることがあります。
この場合、本投資法人に多額の負担が生じる可能性があり、また、本投資法人は、支出を余儀なくされた費用について、その原因となった者やその他の者から常に償還を受けられるとは限りません。
また、本投資法人が建物又は建物を信託する信託の受益権を取得する場合において、当該建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材が使用されているか若しくは使用されている可能性がある場合やPCBが保管されている場合等には、当該建物の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために建材の全面的若しくは部分的交換が必要となる場合又は有害物質の処分若しくは保管が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人にかかる損害を賠償する義務が発生する可能性があります。
将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課されたり、また有害物質に関連する会計基準の変更がされたりすること等により本投資法人の損益が悪影響を受ける可能性があります。
(ム) 不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
本投資法人は、不動産を信託の受益権の形式で取得することがあります。
信託受託者が信託財産としての不動産、不動産の賃借権、地上権又は地役権を所有し管理するのは受益者のためであり、その経済的利益と損失は、最終的には全て受益者に帰属することになります。したがって、本投資法人は、信託の受益権の保有に伴い、信託受託者を介して、運用資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを負担することになります。
信託契約上信託の受益権を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾を要求されるのが通常です。さらに、不動産、不動産の賃借権、地上権又は地役権を信託する信託の受益権については受益証券発行信託の受益証券でない限り私法上の有価証券としての性格を有していませんので、債権譲渡と同様の譲渡方法によって譲渡することになり、有価証券のような流動性がありません。
信託法(大正11年法律第62号。その後の改正を含みますが、信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)による改正前のもの。)及び信託法(平成18年法律第108号。その後の改正を含みます。)上、信託受託者が倒産等手続の対象となった場合に、信託の受益権の目的となっている不動産が信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託設定登記をする必要があり、仮にかかる登記が具備されていない場合には、本投資法人は、当該不動産が信託の受益権の目的となっていることを第三者に対抗できない可能性があります。
また、信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、又は信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負うことにより、不動産を信託する信託の受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。
さらに、信託契約上、信託開始時において既に存在していた信託不動産の欠陥、瑕疵等につき、当初委託者が信託財産の受託者に対し一定の瑕疵担保責任を負担する場合に、信託財産の受託者が、かかる瑕疵担保責任を適切に追及しない、又はできない結果、本投資法人が不測の損害を被り、投資主に損害を与える可能性があります。
(ウ) 信託受益権の準共有等に関するリスク
運用資産である不動産信託受益権が第三者との間で準共有されている場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々のリスクがあります。
まず、準共有されている権利の管理は、準共有者間で別段の定めをした場合を除き、準共有者の持分の価格に従い、その過半数で行うものとされているため(民法第252条本文)、本投資法人が準共有持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営についての信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
また、準共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されていますが、準共有されている信託受益権については、準共有者間で準共有持分の優先的購入権の合意をすることにより、準共有者がその準共有持分を第三者に売却する場合に他の準共有者が優先的に購入できる機会を与えるようにする義務を負う場合があります。
不動産信託受益権の準共有者が不動産信託受託者に対して有する信託交付金の請求権は不可分債権となり不動産信託受託者に対して負担する信託費用等の支払義務は不可分債務になると一般的には解されており、準共有者は他の準共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。
更に、前記のとおり、準共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されているため、準共有者は、他の準共有者が予期せず変動し、その結果、不利益を受ける可能性もあります。
準共有されている信託受益権については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
⑤ 税制に関するリスク
(イ) 導管性要件に係るリスク
税法上、投資法人に係る課税の特例規定により、一定の要件(導管性要件)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、利益の配当等を投資法人の損金に算入することが認められています。
| 投資法人の主な導管性要件 | |
| 支払配当要件 | 配当等の額が配当可能利益の額の90%超であること (利益超過分配を行った場合には、金銭の分配の額が配当可能額の90%超であること) |
| 国内50%超募集要件 | 投資法人規約において、投資口の発行価額の総額のうちに国内において募集される投資口の発行価額の占める割合が50%を超える旨の記載又は記録があること |
| 借入先要件 | 機関投資家(租税特別措置法第67条の15第1項第1号ロ(2)に規定するものをいいます。次の所有先要件において同じです。)以外の者から借入れを行っていないこと |
| 所有先要件 | 事業年度の終了の時において、発行済投資口が50人以上の者によって所有されていること又は機関投資家のみによって所有されていること |
| 非同族会社要件 | 事業年度の終了の時において、投資主の1人及びその特殊関係者により発行済投資口総数あるいは議決権総数の50%超を保有されている同族会社に該当していないこと |
| 会社支配禁止要件 | 他の法人の株式又は出資の50%以上を有していないこと(一定の海外子会社を除きます。) |
本投資法人は、導管性要件を満たすよう努めていますが、今後、下記に記載した要因又はその他の要因により導管性要件を満たすことができない可能性があります。本投資法人が導管性要件を満たすことができなかった場合、利益の配当等を損金算入することができなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
a. 会計処理と税務処理との不一致によるリスク
会計処理と税務処理との不一致が生じた場合、会計上発生した費用・損失について、税務上その全部又は一部を損金に算入することができない等の理由により、法人税等の税負担が発生し、配当の原資となる会計上の利益は減少します。支払配当要件における配当可能利益の額(又は配当可能額)は会計上の税引前利益に基づき算定されることから、多額の法人税額が発生した場合には、配当可能利益の額の90%超の配当(又は配当可能額の90%超の金銭分配)ができず、支払配当要件を満たすことが困難となる可能性があります。
b. 資金不足により計上された利益の配当等の金額が制限されるリスク
借入先要件に基づく借入先等の制限や資産の処分の遅延等により機動的な資金調達ができない場合には、配当の原資となる資金の不足により支払配当要件を満たせない可能性があります。
c. 借入先要件に関するリスク
本投資法人が何らかの理由により機関投資家以外からの借入れを行わざるを得ない場合又は本投資法人の既存借入金に関する貸付債権が機関投資家以外に譲渡された場合、あるいはこの要件の下における借入金の定義が税法上において明確ではないためテナント等からの預り金等が借入金に該当すると解釈された場合においては、借入先要件を満たせなくなる可能性があります。
d. 投資主の異動について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
本投資口が市場で流通することにより、本投資法人のコントロールの及ばないところで、所有先要件あるいは非同族会社要件が満たされなくなる可能性があります。
(ロ) 税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、導管性要件に関する取扱いに関して、税務当局との見解の相違により更正処分を受け、過年度における導管性要件が事後的に満たされなくなる可能性があります。このような場合には、本投資法人が過年度において行った利益の配当等の損金算入が否認される結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ) 不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、規約において、特定不動産の価額の合計額の本投資法人の有する特定資産の価額の合計額に占める割合を100分の75以上となるよう資産運用を行うもの(規約第13条第3項)としています。本投資法人は、上記内容の投資方針を規約に定めること、及びその他の税法上の要件を充足することを前提として、直接に不動産を取得する場合の不動産流通税(登録免許税及び不動産取得税)の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更された場合には、軽減措置の適用を受けることができない可能性があります。
(ニ) 一般的な税制の変更に係るリスク
不動産、不動産信託受益権その他本投資法人の運用資産に関する税制若しくは本投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資口に係る利益の配当、資本の払戻し、譲渡等に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資口の保有若しくは売却による投資主の手取金の額が減少し、又は税務申告等の税務上の手続面での負担が投資主に生じる可能性があります。
⑥ その他
(イ) 不動産の鑑定評価士その他専門家の意見への依拠に関するリスク
本投資法人又は本資産運用会社は、不動産等を取得するに際して又は取得後、当該不動産等の鑑定評価を不動産鑑定士等に依頼し、鑑定評価書を取得することがありますが、不動産等の鑑定評価額は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正な不動産価格と一致するとは限りません。同じ物件について鑑定、調査を行った場合でも、不動産鑑定士等、評価方法又は調査の方法若しくは時期によって鑑定評価額の内容が異なる可能性があります。また、かかる鑑定等の結果は、現在及び将来において当該鑑定評価額による売買の可能性を保証又は約束するものではありません。
また、本投資法人又は本資産運用会社は、不動産等を取得するに際して又は取得後、当該不動産等の建物状況調査評価書及び地震リスク診断報告書並びに構造計算書の妥当性に関する第三者の報告書を取得することがありますが、建物状況調査評価書及び地震リスク診断報告書並びに構造計算書の妥当性に関する第三者の報告書は、建物の評価に関する専門家が、設計図書等の確認、現況の目視調査又は施設管理者への聞取り等を行うことにより、現在又は将来発生することが予想される建物の不具合、必要と考えられる修繕又は更新工事の抽出及びそれらに要する概算費用並びに再調達価格の算出、並びに建物の耐震性能及び地震による損失リスク等を検討した結果を記載したものであり、不動産に欠陥、瑕疵等が存在しないことを保証又は約束するものではありません。
さらに、不動産に関して算出されるPML値も個々の専門家の分析に基づく予想値にすぎません。PML値は、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる可能性があります。
加えて、本投資法人又は本資産運用会社は、不動産等を取得するに際して又は取得後、当該不動産等のマーケットレポートを取得することがあります。とりわけ、利害関係人等に不動産等を賃貸する場合はマーケットレポートを必ず取得することとしています。マーケットレポートにより提示される第三者によるマーケット分析、統計情報及び想定賃料水準等は、個々の調査会社の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正なエリア特性、需要と供給、マーケットにおける位置付け、市場の動向等と一致するとは限りません。同じ物件について調査分析を行った場合でも、調査会社及び調査の時期又は方法によってマーケット分析、統計情報及び想定賃料水準等の内容が異なる可能性があります。また、想定賃料水準は、現在及び将来において当該賃料水準による賃貸借の可能性を保証又は約束するものではありません。
(ロ) 減損会計の適用に関するリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日)及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日))が、平成17年4月1日以後開始する事業年度より強制適用されたことに伴い、本投資法人においても減損会計が適用されています。「減損会計」とは、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。減損会計の適用に伴い、地価の動向及び運用資産の収益状況等によっては、会計上減損損失が発生し、本投資法人の損益に悪影響を及ぼす可能性があり、また、税務上は当該資産の売却まで損金を認識することができない(税務上の評価損の損金算入要件を満たした場合や減損損失の額のうち税務上の減価償却費相当額を除きます。)ため、税務と会計の齟齬が発生することとなり、税務上のコストが増加する可能性があります。
景気情勢や不動産価格の変動等によって本投資法人の保有している資産の価格が大幅に下落した場合などに、会計上減損損失が発生する可能性があります。
(ハ) 匿名組合出資持分への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、不動産に関する匿名組合出資持分への投資を行うことがあります。本投資法人が出資するかかる匿名組合では、本投資法人の出資金を営業者が不動産等に投資しますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合や当該不動産等の価値が下落した場合等には、本投資法人が匿名組合員として得られる分配金や元本の償還金額等が減少し、その結果、本投資法人が営業者に出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、匿名組合出資持分については契約上譲渡が禁止若しくは制限されていることがあり、又は、確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があります。
(ニ) 特定目的会社の優先出資証券への投資に関するリスク
本投資法人は規約に基づき、資産流動化法に基づく特定目的会社がその資産の2分の1を超える額を不動産等に投資することを目的とする場合、その優先出資証券への投資を行うことがあります。かかる優先出資証券への投資を行う場合にも、本投資法人は、税法上の導管性要件(前記「⑤ 税制に関するリスク (イ) 導管性要件に係るリスク」をご参照ください。)に抵触することなく保有する意向です。また、規約に基づき中長期の安定運用を目標としているため、取得した優先出資証券につき短期間でその売却を行うことは意図しておりません。ただし、売却する方が本投資法人にとってより経済的な合理性があると判断される場合、その売却を行うことがあります。
しかし、優先出資証券については確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、したがって、売却を意図してもその売却が困難な場合があり、又は、予定より低い価額での売買を余儀なくされる可能性があります。また、特定目的会社の投資する不動産に関する収益が悪化した場合や当該不動産の価値が下落した場合又は特定目的会社の開発する不動産が予想した価格で売却できない場合、さらには導管体である特定目的会社において意図されない課税が生じた場合等には、当該特定目的会社の発行する優先出資証券に投資した本投資法人が当該優先出資証券より得られる運用益や分配される残余財産の減少等により損害を被るおそれがあります。また、優先出資証券の発行をした特定目的会社が自ら土地又は土地の賃借権を取得してその上に建物を建築する場合もあり、そのような場合には、前記「④不動産及び信託の受益権に関するリスク (ネ) 開発物件に関するリスク」に記載のリスクがあります。
(ホ) 本投資法人の資産規模が小規模であることに関するリスク
本投資法人の資産規模は比較的小さいため、各種費用が資産規模との関係で相対的に高くなり、結果として本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(2) 投資リスクに対する管理体制
本投資法人及び本資産運用会社は、以上のようなリスクが投資リスクであることを認識しており、その上でこのようなリスクに最大限対応できるようリスク管理体制を整備しています。
しかしながら、当該リスク管理体制については、十分に効果があることが保証されているものではなく、リスク管理体制が適切に機能しない場合、投資主に損害が及ぶおそれがあります。
① 本投資法人の体制
本投資法人においては、その役員会規程において、役員会を3か月に1回以上開催することと定めています。本投資法人の役員会においては、執行役員及び監督役員が出席し、本資産運用会社が同席の上、執行役員の職務執行状況並びに本資産運用会社、一般事務受託者及び資産保管会社の業務執行状況等について執行役員の報告が行われることとされており、役員会を通じた管理を行う内部管理体制を確立しています。なお、執行役員の職務執行状況並びに資産運用会社、一般事務受託者及び資産保管会社の業務執行状況の報告は3か月に1回以上行うこととされています。また、本書の日付現在、本投資法人の監督役員には、弁護士1名、公認会計士1名の計2名が選任されており、各監督役員は、これまでの実務経験と見識に基づき、執行役員の職務執行につき様々な見地から監督を行っています。
② 本資産運用会社の体制
本資産運用会社は、本投資法人の資産運用に関する諸リスクに対し、以下のとおりリスク管理体制を整備しています。
(イ) 運用ガイドライン及びリスク管理規程の策定・遵守
本資産運用会社は、本投資法人の規約の投資方針等の基本方針を実現するため、本投資法人の規約等に沿って運用ガイドラインを策定し、投資方針、利害関係人等との取引ルール、投資物件の取得及び売却並びに投資物件の運営管理に係る基本方針等を定めています。本資産運用会社は、運用ガイドラインを遵守することにより、投資運用に係るリスクの管理に努めます。
また、本資産運用会社は、リスク管理規程において、リスク管理の基本方針、リスク管理の統括者及び重大な問題の発見時の対応方法等を規定し、本資産運用会社が管理すべき主要なリスクとして、運用リスク、財務リスク、システムリスク、レピュテーション・リスク、コンプライアンスに関するリスク及び反社会的勢力に関するリスク等を定義し、取締役会や本資産運用会社のリスクに関する統括者であるコンプライアンス・オフィサー及び各部署のリスク管理に関する責任者である各部署の部長の役割を定めています。なお、リスクの状況については、コンプライアンス・オフィサーが、少なくとも半期ごとに1度又は必要な場合は随時、モニタリングの上、評価及び分析し、その結果につきコンプライアンス委員会及び取締役会に報告することとされており、リスク管理体制の適切性又は有効性については、コンプライアンス・オフィサーが統括する内部監査及び外部機関による監査等により検証を行うものとしています(かかる内部監査による検証の詳細については、後記「(ロ) 内部監査による検証」をご参照ください。)。
(ロ) 内部監査による検証
コンプライアンス・オフィサーは、内部監査を担当し、全部署に対して定期の内部監査を実施するほか、コンプライアンス・オフィサーの判断により、臨時の内部監査を実施することができるものとし、また、代表取締役社長が指示した場合には、特別監査を実施するものとします。内部監査は、各組織の業務及び運営が、金融商品取引法、投信法及び宅地建物取引業法等の法令、投信協会が定める諸規則及び本資産運用会社の社内規程等に従って、適切かつ効率的に行われているか否かの監査、不正又は重大な過失の発見及び未然防止のための監査、個人情報管理及び法人関係情報の管理を含む、各種の情報管理が適切に行われているか否かの監査、事務リスク管理態勢の監査、システムリスクに関する監査並びにその他必要な事項の内部監査等を含むものとされています。コンプライアンス・オフィサーは、内部監査を終了したときはすみやかに内部監査報告書を作成し、これを代表取締役社長及び取締役会に報告し、また、必要に応じて改善指示書を作成し、これを代表取締役社長及び取締役会に報告するとともに、代表取締役社長の承認を得た上で、被監査部長に内部監査報告書及び改善指示書を交付します。被監査部の責任者は、内部監査責任者から改善又は処置すべき事項について「内部監査報告書」及び「改善指示書」を受けた場合には、すみやかにその処理を行うとともに、その結果を「改善報告書」に記載しコンプライアンス・オフィサーを経由して代表取締役社長に報告しなければなりません。被監査部の責任者より「改善報告書」が提出された場合、コンプライアンス・オフィサーは意見のあるものについては、直ちに審議し再度意見を述べるものとし、実施事項については、処置の確認を行います。
(ハ) 利害関係人等取引規程
後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 利害関係人等取引規程」をご参照ください。
(ニ) 内部者取引等防止規程
本資産運用会社では、内部者取引等防止規程を制定し、本資産運用会社の役職員等によるインサイダー取引の防止に努めています。なお、同規程において、本資産運用会社の役職員は、本投資証券等の売買等を行ってはならないものとされています(ただし、本資産運用会社の役職員が本資産運用会社に入社する時点で本投資証券等を保有している場合又は入社後に相続等により本投資証券等を保有するにいたった場合は、法人関係情報管理責任者(本資産運用会社の財務管理部長がこれにあたります。)の許可を得た上で、かかる本投資証券等を売却することができるものとされています。)。
(ホ) フォワード・コミットメント等
フォワード・コミットメント等に係る物件は、決済までの間、本投資法人の貸借対照表には計上されずオフバランスとなりますが、当該期間中の当該物件の価格変動リスクは本投資法人に帰属することになります。このため、フォワード・コミットメント等を締結する際には、違約金の上限、物件の取得額の上限、契約締結から決済・物件引渡しまでの期間の上限及び決済資金の調達方法等についてのルールを定めたフォワード・コミットメント等に係る規程を遵守し、当該リスクを管理しています。