有価証券報告書(内国投資証券)-第2期(平成28年12月1日-平成29年5月31日)
(1)【投資方針】
① 本投資法人の基本理念
本投資法人は、温泉を中心とした時間消費型産業(注1)と資本市場をつなぐ担い手となり、温泉関連産業の発展に資する投資主体となることを目指し、大江戸温泉物語グループが運営する、大江戸モデルが導入された施設をはじめとする温泉・温浴関連施設へ重点投資を行い(注2)、地域の活性化及び温泉関連産業の大衆化に貢献することを基本理念としています。
本投資法人は、現在我が国が、少子高齢化及び都市部への人口集中等の社会・経済的課題に直面する中で、温泉を中心とした時間消費型産業は、このような課題が特に深刻な地方においても成立し得る地域産業(注3)として、地方の社会・経済活性化の切り札となる非常に重要な産業分野であると考えています。また、人口動態の変化による総需要の減少や、社会の情報化・高度化を経て、成熟消費社会(注4)へと突入した昨今、「モノ消費」(注5)から「コト消費」(注5)へと消費活動の軸足が変化していくなかで、消費者が支払う対価として、機能的な価値を提供するだけではなく、より直接的に消費者が満足感や高揚感を得られる、情緒的な価値を提供することが求められるようになってきています(注6)。このような状況のもと、「コト消費」の中でも、特に温泉を中心とした時間消費型産業への注目は、ますます高まりを見せていると本投資法人は考えています。そして、我が国また日本人にとって、古来より親しまれてきた温泉は、時間消費型産業の中心をなす存在であるとともに、リラクゼーションや癒しの効果を有し、家族や友人との親睦・語らいの場として、多くの人々を惹きつけてやまない文化とも呼べる存在であると本投資法人は考えています。
他方、厚生労働省が毎年調査内容を公表している「衛生行政報告例」によれば、近時、営業廃止となる旅館も数多く見られます。本投資法人は、このことについて、変化しつつある消費者のニーズへの対応、施設の更新及び魅力度の向上といった点において十分に対応しきれておらず、魅力を十分に訴求できていないことにより、時間消費型産業に該当する旅館業を廃止する件数が増加していると考えています。
かかる状況のもと、本投資法人は、温泉を中心とした時間消費型産業には、消費者ニーズを捉え、顧客満足度の継続的な向上を図るための新たなオペレーションの導入や施設の更新に必要な投資等において、資本市場からの良質な投資資金の活用が望まれると考えています。
本投資法人は、かかる基本理念のもと、その果実としての安定的なキャッシュ・フローを創出するとともに、これまでのJ-REITの歩みの中で、重点的な投資対象(コアポートフォリオ)として温泉・温浴関連施設を位置付ける初の銘柄として、当該セクターの発展に寄与し、投資主価値の継続的かつ安定的な向上を目指してまいります。
(注1) 「時間消費」とは、特定の場所で一定の時間を過ごすこと自体を目的とした消費を意味し、「時間消費型産業」とは、かかる時間消費を目的として構築された産業をいいます。以下同じです。
(注2) 本投資法人が対象とする資産の用途の別に従うと、本書の提出日現在において、大江戸温泉物語グループが運営する施設は、全て温泉・温浴関連施設に分類されますが、大江戸温泉物語グループは、温泉・温浴関連施設以外にも、主たる用途が旅館、ホテル、リゾート施設及びアミューズメントパークその他のレジャー施設(これらの複合用途を含みます。)である施設を取得し、運営することがあります(以下、これらの施設を「その他用途施設」と総称します。)。本投資法人は、本投資法人の重点的な投資対象(コアポートフォリオ)である温泉・温浴関連施設以外にも、温泉・温浴関連施設と関連性又は親和性が高い、大江戸温泉物語グループ又は第三者が運営するその他用途施設にも投資することがあります。なお、本投資法人のポートフォリオ構築方針については、後記「⑥ 投資方針 (イ) ポートフォリオ構築方針」をご参照下さい。
(注3) 「地域産業」とは、地方を含む特定の地域に根付いた産業をいいます。以下同じです。
(注4) 「成熟消費社会」とは、生活水準の上昇により従来消費の対象とされていた製品が広く普及したことに伴い、精神的豊かさや生活の質の向上を重視してなされる消費が重視されるようになった社会をいいます。
(注5) 「モノ消費」とは製品を購入して使用したり、物品の機能的なサービスを享受する形態の消費活動をいい、「コト消費」とは、個別の事象が連なった総体である「一連の体験」を目的とした消費活動をいいます。以下同じです。
(注6) 経済産業省地域経済産業グループによる平成27年9月付「平成27年度地域経済産業活性化対策調査(地域の魅力的な空間と機能づくりに関する調査)報告書」参照。
② 基本方針
(イ) 安定収益と継続的成長を見込むことができる大江戸モデルが導入された施設をはじめとする温泉・温浴関連施設への重点投資
本投資法人は、大江戸温泉物語グループが運営する、大江戸モデルが導入された施設をはじめとする温泉・温浴関連施設へ重点投資を行います。
大江戸モデルの特徴としては、i. 効率的なオペレーション、ii. 顧客目線のサービス及びiii. 集客を最大化するマーケティングの3点が挙げられます。
大江戸モデルが導入された温泉・温浴関連施設においては、食材や備品の集中購買方式の採用及びきめ細かなコストコントロール(原価管理)といった効率的なオペレーションを行いつつ、工夫を凝らした温泉設備や物販設備、顧客満足度の高いバイキング形式による供食及び館内エンターテインメント(大衆演劇等)の充実といった顧客目線のサービスを重視し、顧客満足度をより一層向上させるためのサービス及び設備が取り入れられています。
その結果、従来、特に温泉旅館は、ややもすれば、非日常的な特別の機会、すなわち「ハレの日」になされる「コト消費」としてぜいたくなイメージが抱かれがちであったのに対し、上記のような大江戸モデルの採用により、日常の延長として、「いつでも、気軽に、何度でも。」(大江戸温泉物語グループのキャッチフレーズより)訪れることができるお手頃な価格(注1)設定でありながら、食事やエンターテインメント等の新しい価値が付加された、顧客が価格を上回る満足感を得られるサービスの提供が可能となると本投資法人は考えています。
また、集客を最大化するマーケティングとして、予約センター及びウェブサイト等の自社チャネル経由(後記(注2)において定義します。)の集客により、各施設における予約対応の手間を省き、かつ、間接マージンを抑えるチャネル戦略(注2)を採用するとともに、大江戸温泉物語グループの本部主導の集客施策を実施することにより、効果的に集客に結びつけることが可能になると本投資法人は考えています。
さらに、大江戸モデルにおいては、施設の立地も重視され、特に集客の最大化の観点からは、各大都市圏からのアクセスが容易であることが重要であり、また、効率的なオペレーション、特にチェーンオペレーション(注3)の効率性の確保といった観点からも立地条件が重要であると、本投資法人は考えています。
なお、大江戸モデルの詳細については、後記「③ 大江戸温泉物語グループの概要 (ハ) 大江戸モデルの優位性 b. 大江戸温泉物語グループ独自のビジネスモデル(大江戸モデル)」をご参照下さい。
大江戸モデルの導入により、休日に比べて稼働率が低下しがちな平日においては、温泉需要の中心的な顧客層の1つであると考えられるシニア層(注4)をリピーターとして、その需要を取り込むことによって稼働率を向上させることが可能になっていると本投資法人は考えています。さらに、週末や夏休み、春休み等の温泉旅行への需要が集中するいわゆるハイシーズンには、二世代又は三世代にわたるファミリー(家族)を中心とした利用が多く見られます。
また、大江戸モデルが導入された温泉・温浴関連施設は、日常の延長として利用可能な価格設定がなされているため、高価格帯の温泉旅館に比較して、短期的な景気変動や観光需要の変動等に左右される度合いが小さく、シニア層を中心とする幅広い顧客層からの継続的な支持により、安定収益と持続的成長を見込むことができると本投資法人は考えています。
(注1) 「お手頃な価格」について明確な基準を示すことは困難ですが、本投資法人は、目安として、平日において大人2名で1室を利用する場合の標準的なプラン(1泊2食付)が1人当たり10,000円を下回る価格を想定しています。以下同じです。
(注2) 「チャネル戦略」とは、一般的に、商品やサービスが、その提供者から最終消費者に到達するまでの流通経路に関する戦略をいい、本書では、利用者が、大江戸温泉物語グループが運営する予約センター又はウェブサイト等を利用することにより、旅行代理店等を経由せず、直接、施設の利用予約をすること(以下「自社チャネル経由」といいます。)を可能にする戦略をいいます。
(注3) 「チェーンオペレーション」とは、出店計画、商品計画、仕入れ、宣伝等を本部が一括して管理することにより、効率的な多店舗展開を行う経営手法をいいます。以下同じです。なお、大江戸温泉物語グループが実施しているチェーンオペレーションの詳細については、後記「③ 大江戸温泉物語グループの概要 (ハ) 大江戸モデルの優位性 b. 大江戸温泉物語グループ独自のビジネスモデル(大江戸モデル)」をご参照下さい。
(注4) 「シニア層」とは、60歳以上の年代で構成された層をいいます。以下同じです。
<大江戸モデルの特徴>(ロ) 大江戸温泉物語グループからのサポートを最大限活用した成長戦略
本投資法人は、保有施設の運営において差別化された大江戸モデルという事業ノウハウを有する大江戸温泉物語グループからのスポンサーサポートを、利益相反に適切に配慮しつつ、成長戦略の柱として最大限活用します。
大江戸温泉物語グループは、これまで32物件(注1)3,299室の温泉・温浴関連施設(注2)に大江戸モデルを導入してきた運営実績(本書の提出日現在)を有し、温泉・温浴関連施設への大江戸モデルの導入に関する独自のノウハウを蓄積してきました。
本投資法人は、本資産運用会社とともに大江戸温泉物語との間でスポンサーサポート契約(以下「スポンサーサポート契約」といいます。)を締結し、優先交渉権の付与を受けることにより、大江戸モデルが導入された温泉・温浴関連施設を継続的に取得し、また、第三者の保有する物件情報の提供及びウェアハウジング機能(注3)の提供等の物件取得に向けたサポートを活用することで、外部成長を図る方針です。
また、本投資法人は、保有資産のテナントである大江戸温泉物語グループ各社との間で、キャッシュ・フローの安定性を長期的に確保しつつ、各施設の運営実績が良好な時期にはGOPに連動した賃料収入のアップサイドを追求することが可能となる賃料体系が設定された長期賃貸借契約(注4)を締結しており、また、部屋数の拡大、設備更新等の施設のバリューアップ工事及び施設運営について協働し、変化する消費者ニーズを捉え、運用資産の収益並びに施設競争力及び稼働率等の安定性の向上を図り、内部成長を図る方針です。
本投資法人は、これらの大江戸温泉物語グループからの多様なサポート及び大江戸温泉物語グループとの協働を、その成長戦略の柱として最大限活用し、大江戸温泉物語グループから施設を取得するとともに、取得した施設を大江戸温泉物語グループに賃貸し、その収益力の強化を図ることで、安定的な収益の確保と運用資産の着実な成長を実現し、投資主価値の向上を目指します。
他方で、大江戸温泉物語グループが運営し、保有する温泉・温浴関連施設を本投資法人が取得することにより、大江戸温泉物語グループは施設の売却資金を活用することによる運営規模の拡大に寄与するものと、本投資法人は考えています。また、本資産運用会社は、第三者の保有する物件の情報を独自に入手した場合、物件情報取得時には本投資法人の投資基準には適合しない物件であっても、大江戸温泉物語グループが当該物件を取得して大江戸モデルを導入することにより、本投資法人の将来の投資対象となり得ると判断した場合には、スポンサーサポート契約の規定に従い(注5)、大江戸温泉物語グループに対して積極的に当該物件情報の提供します。
本投資法人は、大江戸温泉物語グループからのスポンサーサポート及び本投資法人による大江戸温泉物語グループの運営基盤の長期的な確保を通じて、本投資法人と大江戸温泉物語グループとのWIN-WINの関係を構築し、相互成長を目指します。
なお、大江戸温泉物語グループの概要については、後記「③ 大江戸温泉物語グループの概要」を、本投資法人、本資産運用会社及び大江戸温泉物語との間で締結されたスポンサーサポート契約の概要については、後記「④ 成長戦略 (イ) 外部成長 a. スポンサーサポートの活用」を、それぞれご参照下さい。
(注1) 大江戸温泉物語グループが運営する施設のうち、「大江戸温泉物語 レオマリゾート」は、「ホテルレオマの森」及び「ニューレオマワールド」から構成された一体の施設です。また、保有資産ではない「大江戸温泉物語箕面観光ホテル」及び「箕面温泉スパーガーデン」についても、これらを一体の施設として区分しています。以下同じです。
(注2) 大江戸温泉物語グループが運営する各施設の分類については、本投資法人が対象とする資産の用途の別に従い記載しています。以下同じです。なお、大江戸温泉物語グループが運営する施設の概要については、後記「③ 大江戸温泉物語グループの概要 (ニ) 運営施設の状況」をご参照下さい。
(注3) 「ウェアハウジング機能」とは、大江戸温泉物語グループが、将来における本投資法人による投資適格不動産等(主たる用途が旅館、ホテル、温浴施設、リゾート施設及びアミューズメントパークその他のレジャー施設である不動産等(これらの複合用途を含みます。)で、本投資法人の投資基準に適合しない不動産等を含みます。)の取得を目的として、本投資法人による取得予定時期及び取得予定価格又は取得価格の決定方法等を提示した上で、第三者が保有している投資適格不動産等の取得及び一時的な保有を行った後、本投資法人に当該投資適格不動産等を売却する機能をいいます。以下同じです。
(注4) 「長期賃貸借契約」とは、契約期間が10年以上であり、かつ、契約上5年以上は中途解約が禁止されている賃貸借契約をいいます。以下同じです。
(注5) スポンサーサポート契約上、本資産運用会社が大江戸温泉物語グループに対して物件情報を提供する場合の詳細については、後記「④ 成長戦略 (イ) 外部成長 a. スポンサーサポートの活用」をご参照下さい。
<大江戸温泉物語グループからのサポートを最大限活用した成長戦略>③ 大江戸温泉物語グループの概要
(イ)大江戸温泉物語グループの概要
大江戸温泉物語グループは、平成13年11月に創業し、平成15年に東京お台場所在の「東京・お台場 大江戸温泉物語」を開業し、以来、温泉・温浴関連施設の運営事業を推進してきました。その後、平成19年以降、温泉・温浴関連施設の運営ノウハウを活用することにより、全国各地の温泉旅館を中心として、テーマパーク等のレジャー施設に付随する温泉・温浴関連施設の活性化事業を展開しており、本書の提出日現在、大江戸温泉物語グループは、32物件の温泉・温浴関連施設を運営するに至っています。
大江戸温泉物語グループは、平成27年にベインキャピタル・プライベートエクイティ・エルピー(Bain Capital Private Equity, LP)が投資助言を行う投資ファンドが発行済株式の全てを間接的に保有する持株会社に買収された後、平成28年にかけて順次グループ内再編を行っています。
本書の提出日現在、大江戸温泉物語グループは、大江戸温泉物語及び本資産運用会社を含めた連結子会社9社から構成されており、その保有・運営する温泉・温浴関連施設は、大江戸温泉物語及び(一部の施設については)その子会社により保有・運営がなされています(注)。
(注) 大江戸温泉物語グループが保有・運営する施設のうち、本投資法人の保有施設である「大江戸温泉物語レオマリゾート」は株式会社レオマユニティーが、「大江戸温泉物語箕面観光ホテル」及び「箕面温泉 スパーガーデン」は大阪観光株式会社が、「山代温泉山下家」は株式会社山下家が、「大江戸温泉物語ながやま」は片山津大江戸温泉物語株式会社がそれぞれ保有・運営しています。また株式会社大江戸温泉レインボーは、土産品店の経営を営んでいます。なお、上記各社は、いずれも大江戸温泉物語の連結子会社です。
<大江戸温泉物語の概要>
(注) パートタイマーやアルバイト等の非正規雇用従業員を除きます。
<大江戸温泉物語グループの概略図>(注) 出資比率を記載していない法人については、各親会社が100%出資しています。
a. 大江戸温泉物語グループについて
大江戸温泉物語グループは「いつでも、気軽に、何度でも。たくさんの笑顔が溢れる、温泉の賑わいを。」をキャッチフレーズとして、お客様に高品質のサービスをお手頃な価格で提供し、温泉の開放感や賑わいを気軽に楽しんでいただくこと及び全国各地の温泉・温浴関連施設を継続的に取得し、大江戸モデルを拡大運営することにより温泉旅館産業を活性化することを目指して事業を行っています。
b. 大江戸温泉物語グループの売上高、客室数及び運営施設数の推移
大江戸温泉物語グループは、全国各地の温泉旅館及び付随するテーマパークの活性化事業の展開を始めた平成19年以降、高品質のサービスをお手頃な価格で提供することを可能にする大江戸モデルを背景に、その売上高、客室数及び運営施設数において成長を続けています。
<大江戸温泉物語グループの売上高、客室数及び運営施設数の推移>出所: 大江戸温泉物語
(注1) 大江戸温泉物語グループは、平成25年度(平成26年2月期)より、決算期を従来の9月末日から2月末日に変更しています。なお、平成26年2月期の売上高については、期末までの直近1年間(平成25年3月1日から平成26年2月末日まで)を集計対象としています。したがって、平成25年3月1日から同年9月末日までの売上高は、平成24年度(平成25年9月期)と平成25年度(平成26年2月期)に、それぞれ重複して算入されています。
(注2) 客室数及び運営施設数は、各期末時点の数値を記載しています。
(注3) 本書の提出日現在において大江戸温泉物語グループが運営する施設のうち、本投資法人の保有施設である「大江戸温泉物語レオマリゾート」は、本投資法人による当該施設の取得以前から、大江戸温泉物語の連結子会社である株式会社レオマユニティーが運営しており、「大江戸温泉物語 箕面観光ホテル」及び「箕面温泉スパーガーデン」は、大江戸温泉物語の連結子会社である大阪観光株式会社が保有・運営しています。大江戸温泉物語グループは、株式会社レオマユニティー及び大阪観光株式会社を平成27年2月期に連結範囲に含めることにしたため、平成26年2月期までと平成27年2月期とで、大江戸温泉物語グループの連結範囲が異なります。さらに、大江戸温泉物語グループは、平成27年にベインキャピタル・プライベートエクイティ・エルピー(Bain Capital Private Equity, LP)が投資助言を行う投資ファンドが発行済株式の全てを間接的に保有する持株会社に買収された後、平成28年にかけて順次グループ内再編を行っています。大江戸温泉物語グループは、平成27年2月期は大江戸温泉ホールディングス株式会社及びその連結子会社により構成されていましたが、上記買収後の平成28年2月期は大江戸温泉物語(上記買収の一環として、上記持株会社が大江戸温泉ホールディングス株式会社を含むグループ会社の一部を吸収合併した後、大江戸温泉物語株式会社に商号を変更しています。)及びその連結子会社により構成されています。したがって、平成27年2月期と平成28年2月期とで、大江戸温泉物語グループの連結範囲は異なります。売上高、客室数及び運営施設数は、上記のような連結範囲の変動にかかわらず、各期間及び時点において大江戸温泉物語グループが運営している施設(当該期間又は時点において連結されていないものを含みます。)を集計対象としています。また、これらの数値は、平成28年2月期及び平成29年2月期の売上高を除き、監査を受けた財務諸表に基づく数値ではないため、不正確であるおそれがあります。
(注4) 上記には、保有資産以外の物件も含まれていますが、本書の提出日現在、本投資法人は大江戸温泉物語グループとの間でこれらの資産について具体的な交渉を行っておらず、現時点において取得する予定はなく、また、今後取得できる保証もありません。
(ロ)事業の状況
大江戸温泉物語グループの財政状態及び経営成績の状況(連結)は、以下のとおりです。
下表のとおり、営業収益は平成28年2月期の38,221百万円に対して平成29年2月期は41,834百万円と約9.4%増加し、キャッシュ・フローの創出力を示すEBITDAは平成28年2月期の5,297百万円に対して平成29年2月期で4,770百万円と約10%減少しています。
(決算情報)(注1)(注2)
(単位:百万円)
(参考情報)(注1)(注2)(注4)
(単位:百万円)
出所: 大江戸温泉物語
(注1) 上記数値のうち営業収益、当期純利益、総資産額、純資産額及び有利子負債並びに後記(注3)記載の各数値は、大江戸温泉物語が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成したものです。平成28年2月期及び平成29年2月期の連結計算書類の作成にあたっては、PwCあらた有限責任監査法人から会社法第436条第2項第1号に基づく監査に準ずる監査を受けていますが、金融商品取引法及び会社法において公認会計士又は監査法人による監査を行うことは要請されていないため、かかる法令に基づき要請される監査を経たものではありません。
(注2) 大江戸温泉物語は、平成29年2月期に本投資法人へ施設を売却すると同時に本投資法人から当該施設を賃借する取引(いわゆるセールス・アンド・リースバック取引)を開始しています。したがって平成28年2月期の数値と平成29年2月期の数値の比較可能性には限界があります。
(注3) 大江戸温泉物語グループは、平成27年にベインキャピタル・プライベートエクイティ・エルピー(Bain Capital Private Equity, LP)が投資助言を行う投資ファンドが発行済株式の全てを間接的に保有する持株会社に買収された後、平成28年にかけて順次グループ内再編を行っています。かかる買収及び組織再編等に係る一時的な費用として446百万円を計上しています。また、平成28年2月期は、かかる買収に伴う「企業結合に関する会計基準」の適用により、大江戸温泉物語グループが保有する資産の時価評価を行ったことに伴い、平成27年2月期より減価償却費が2,445百万円増加しています。
(注4) 「EBITDA」は、金利、税金及び償却費を控除する前の利益であり、以下の算式に基づき営業利益に現金の支出を伴わない費用を加算して算出しています。
EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
EBITDA(平成28年2月期)=営業利益216百万円+減価償却費4,729百万円+のれん償却費351百万円
EBITDA(平成29年2月期)=営業利益1,887百万円+減価償却費2,531百万円+のれん償却費351百万円
なお、「EBITDA」は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準により規定された指標ではなく、大江戸温泉物語グループが、投資家にとって大江戸温泉物語グループの業績を評価するために有用であると考える財務指標です。当該財務指標は、非現金支出項目の影響を除外しています。
(ハ)大江戸モデルの優位性
大江戸温泉物語グループは、「日本文化に根付いた安定した温泉需要」及び「大江戸温泉物語グループ独自のビジネスモデル(大江戸モデル)」をその成長要素として、これらの要素に着目することにより、過去に他の企業や個人事業主が運営していた温泉・温浴関連施設を高収益・安定稼働の施設へと転換することによるビジネスの成長を実現してきました。
<大江戸温泉物語グループの成長要素>a. 日本文化に根付いた安定した温泉需要
日本文化に根付いた温泉に対する需要は長期にわたり安定しており、また、高齢化社会の進展に伴い、大江戸温泉物語グループが想定する主要な顧客層(マスターゲット)のうちの1つであるシニア層から引き続き安定した需要を見込むことができると本投資法人は考えています。
さらに、大江戸温泉物語グループは、これまでは訪日外国人旅行者(インバウンド)の需要にあまり依存することなく事業を拡大してきましたが、近年、インバウンドの需要が増加傾向にあり、政府が進める観光立国政策と相まって、インバウンドによる温泉需要の拡大も期待されることから、中長期的には大江戸温泉物語グループの成長と安定性の強化に資すると本投資法人は考えています。
b. 大江戸温泉物語グループ独自のビジネスモデル(大江戸モデル)
大江戸モデルは、日本文化に根付いた安定した温泉需要に着目した上で、高品質のサービスをお手頃な価格で提供し、より多くのお客様に温泉を気軽に楽しんでいただく機会を創出していくというスタイルであり、大江戸温泉物語グループが想定している主要な顧客層(マスターゲット)であるシニア層及びファミリー層を取り込むことに適したビジネスモデルであると本投資法人は考えています。
大江戸温泉物語グループが運営する温泉・温浴関連施設は、チェーンオペレーションの導入により施設運営の合理化・効率化を図ることで、温泉入浴、食事及び館内エンターテインメント等において、高品質のサービスをお手頃な価格で提供すること(高品質のサービスとお手頃な価格の両立)が可能となり、その結果、平日はシニア層、休日はファミリー層を中心に、高い客室稼働率を維持できていると本投資法人は考えています。
また、大江戸温泉物語グループは、温泉のみではなく、各温泉・温浴関連施設に独自の特徴(顧客満足度の高いバイキング形式による供食及び館内エンターテインメント(大衆演劇等)等)を付加し、大都市のターミナル駅からバスでの送迎を実施する等、「お客様を待つ」商売から「お客様を運んでくる」商売へと一歩進んだ運営を実践しています。さらに、大江戸温泉物語グループは、独自のサービスとして、「いいふろ会員サービス」(注1)を導入しており、施設ごとに異なるクーポンの発行等、リピーターを増やす取組みも行われています(注2)。
これらの施策により、大江戸温泉物語グループが運営する温泉・温浴関連施設の延べ宿泊者数は、平成24年以降、着実に増加しています。
(注1) 「いいふろ会員サービス」とは、大江戸温泉物語グループの会員システムをいい、当該システムに登録している会員を「いいふろ会員」といいます。「いいふろ会員」は、大江戸温泉物語グループが運営する施設を割引料金で利用できるほか、大江戸温泉物語グループが運営する各施設に係る情報提供を受けることができます。
(注2) 今後も大江戸温泉物語グループがかかるサービスを提供できることを保証するものではありません。
<チェーンオペレーションの導入イメージ図><大江戸温泉物語グループの延べ宿泊者数の推移>出所:大江戸温泉物語
(注1) 平成25年9月期の実績を「平成24年度」に、平成26年2月期の実績を「平成25年度」に、平成27年2月期の実績を「平成26年度」に、平成28年2月期の実績を「平成27年度」に、平成29年2月期の実績を「平成28年度」に記載しています。なお、大江戸温泉物語グループは、平成25年度(平成26年2月期)より、決算期を従来の9月末日から2月末日に変更していますが、平成25年度(平成26年2月期)については、期末までの直近1年間(平成25年3月1日から平成26年2月末日まで)を集計対象としています。したがって、平成25年3月1日から同年9月末日までの実績は、平成24年度(平成25年9月期)と平成25年度(平成26年2月期)に、それぞれ重複して算入されています。
(注2) 本書の提出日現在において大江戸温泉物語グループが運営する施設のうち、本投資法人の保有資産である「大江戸温泉物語レオマリゾート」は、本投資法人の取得以前から、大江戸温泉物語の連結子会社である株式会社レオマユニティーが運営しており、「大江戸温泉物語箕面観光ホテル」及び「箕面温泉 スパーガーデン」は、大江戸温泉物語の連結子会社である大阪観光株式会社が保有・運営しています。大江戸温泉物語グループは、大阪観光株式会社株式会社レオマユニティーを平成27年2月期に連結範囲に含めることにしたため、平成26年2月期までと平成27年2月期とで、大江戸温泉物語グループの連結範囲が異なります。延べ宿泊者数については、かかる連結範囲の変動にかかわらず、各期間において大江戸温泉物語グループが運営している施設(当該期間において連結されていないものを含みます。)を集計対象としています。
また、大江戸温泉物語グループが運営する温泉・温浴関連施設全体における平成25年以降の各年の年間平均客室稼働率(注1)は80%以上を維持しており、平成24年以降の年間平均客室稼働率は、大江戸温泉物語グループが運営する温泉・温浴関連施設が分類されるリゾートホテル全体と比較した場合のみならず、シティホテル、ビジネスホテル及び旅館の各宿泊施設タイプ並びに宿泊施設タイプの全体と比較しても高い客室稼働率を実現しています(注2)。
大江戸モデルの特徴としては、i. 効率的なオペレーション、ii. 顧客目線のサービス、及びiii. 集客を最大化するマーケティングの3点が挙げられます(注3)。その概要は、以下のとおりです。
i. 効率的なオペレーション
・ バイキング形式で供用される食材、入浴関連備品、宿泊関連備品等につき、大江戸温泉物語グループの本部主導による取扱業者の集約及び共同購買
・ 清掃等外部委託業者の集約及び合理化(委託範囲の拡大を含みます。)による、人件費の効率化
ii. 顧客目線のサービス
[温泉・温浴設備]
・ 「薬湯風呂」(注4)等の温泉・温浴のバリエーションを広げた、再訪問につながる工夫
・ 眺望や開放感を意識した浴室の設置又はリニューアル
・ マッサージ等の温泉・温浴設備に付随するサービスについて、大江戸温泉物語グループが運営する各温泉・温浴関連施設における統一感のある内容及び価格設定
・ 顧客の選択肢を確保したバリエーションと機能性を付加した浴衣
[バイキング]
・ 共同購買食材に地元の四季折々の食材等を加えた豊富なメニュー
・ 食材を目の前で調理する「ライブキッチン」
・ 大江戸温泉物語グループの本部のサポートによる共通メニュー及び各施設の料理長による独自メニューの提供
[その他設備]
・ 漫画コーナー、ゲームコーナー、カラオケボックス、卓球等の世代を超えて飽きさせない娯楽施設の設置
・ 大衆演劇場、歌謡ステージ、寄席、ボーリング場、その他スポーツ施設等、日帰り客を含むリピーターを惹きつけるコンテンツ
・ 宿泊時利用の寝具、温泉関連商品、土産物等の充実した物販施設
iii. 集客を最大化するマーケティング
・ 主要顧客が在住する大都市又は主要駅と各施設を結ぶ往復バス便の運営
・ いいふろ会員の獲得と専用アプリによる施設でのクーポン券の発行等を通じたリピーター作り
・ 予約センター及びウェブサイト等を通じた、旅行代理店に依存しない自社チャネル経由の集客施策
前記i.からiii.までの施策の実施により、顧客別単価については、大江戸温泉物語グループによる取得前と比較して、より競争力のある価格帯まで引き下げる一方で、総利用客数については、日別・部屋別・グレード別のきめ細かな予約管理を通じた最大化を図り、その結果、施設売上げの増加を図っています。また、集中購買による食材原価低減及びバイキング形式の導入による廃棄コスト低減、オペレーション標準化及びそれを通じた多能工化による生産性向上による人件費低減、さらにリピーターを中心とする顧客基盤に対する直販比率の向上等を柱とした自社チャネル経由の効果的な集客施策を展開することでマーケティング(集客施策)コスト低減を図っています。
大江戸温泉物語グループが過去に取得してきた温泉・温浴関連施設において、大江戸モデルの導入によって収益改善を実現してきた実績から、今後大江戸温泉物語グループが取得することとなる施設についても同様に、大江戸モデルを導入することで収益性の改善を図ることが期待できると本投資法人は考えています。
(注1) 「年間平均客室稼働率」とは、以下の計算式によって求められる数値をいいます。以下同じです。
年間平均客室稼働率=当該年の販売客室数÷当該年の販売可能客室数×100(%)
(注2) 国土交通省観光庁が公表している分類によれば、大江戸温泉物語グループが運営する温泉・温浴関連施設は、全て「リゾートホテル」に分類されます。なお、同分類によれば、「リゾートホテル」は、ホテル(洋式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所(宿泊する場所を多数の人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業のものをいいます。以下、本(注2)において同じです。)以外のものをいいます。以下、本(注2)において同じです。)のうち、行楽地や保養地に建てられた、主に観光客を対象とするものをいい、「ビジネスホテル」は、ホテルのうち、主に出張ビジネスマンを対象とするものをいい、「シティホテル」は、ホテルのうち、リゾートホテル、ビジネスホテル以外の都市部に立地するものをいい、「旅館」とは、和式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所以外のものをいうとされています。
(注3) 大江戸モデルが導入された全施設においてこれらの全ての具体的な施策が採用されているものではありません。また、今後も大江戸温泉物語グループがかかるサービスを提供できることを保証するものではありません。
(注4) 「薬湯風呂」とは、各温泉・温浴関連施設に備えられた、薬剤や薬用植物を混合した風呂をいいます。
<大江戸モデルの導入による業績改善イメージ図><宿泊施設タイプ別の年間平均客室稼働率の推移>出所: 「シティホテル」、「ビジネスホテル」、「リゾートホテル」、「旅館」及び「全体」につき、国土交通省「平成28年度版観光白書」、「大江戸温泉物語グループ」につき、大江戸温泉物語株式会社
(注)平成28年の数値は速報値
c. 大江戸温泉物語グループの成長余地
時間消費型産業の中でも、温泉旅館産業は、個人事業主が経営している等、比較的経営規模の小さい温泉旅館も多く存在し、温泉旅館の後継者問題やいわゆる中小企業金融円滑化法(注1)の終了(平成27年3月)に伴う資金繰りの問題をはじめとした様々な問題を抱えており、運営施設の売却が検討されるケースが増えてきています。大江戸温泉物語グループは、チェーンオペレーションの導入による効率性の追求等、独自のビジネスモデルを活用することにより、過去に他の企業や個人事業主が運営していた温泉・温浴関連施設及びその他用途施設を、高収益・安定稼働の施設に転換することによるビジネスの成長を実現してきており、今後も大江戸温泉物語グループのビジネスの成長を支える外部要因が整っている状況にあると本投資法人は考えています。
また、環境省自然環境局「温泉利用状況」(平成26年度)によれば、全国には約1万3千軒の温泉旅館があり、その中でも大江戸温泉物語グループの取得対象となり得る施設は全国に多数存在していると本投資法人は考えています。
さらに、平成19年以降の大江戸温泉物語グループの施設取得実績の積上げにより、大江戸温泉物語グループへの持込み案件数は、平成26年以降増加傾向にあり、物件の持込みルートが多様化しています(注2)。今後も、温泉旅館産業を取り巻く外部要因の影響を受け、個人事業主が経営する旅館又はホテルを中心に売却案件が増加すると見込まれており、大江戸温泉物語グループへの持込み案件数も、増加が見込まれます。大江戸モデルを活用できる物件を厳選している等の理由により、物件の取得には至っていない事例もあるものの、今後も大江戸温泉物語グループのビジネスが成長していく外部要因が整っている状況にあると本投資法人は考えています。かかる持込み案件による大江戸温泉物語グループの平成28年度から平成29年6月末までの施設取得実績の一例として、平成28年5月に宮城県鳴子温泉に2施設、同年8月に長崎県長崎市の観光エリアと大分県別府温泉に各1施設、同年9月には静岡県熱海温泉に1施設、平成29年4月に岐阜県下呂温泉に1施設、平成29年6月に和歌山県串本温泉に1施設(注3)と、合計7施設の温泉・温浴関連施設を取得しています(注4)。
また、今後は、本投資法人の存在により、大江戸温泉物語グループへのさらなる持込み案件数の拡大が期待できると、本投資法人は考えています。
(注1) 「中小企業金融円滑化法」とは、中小企業等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律(平成21年法律第96号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注2) 本書の提出日現在、大江戸温泉物語グループへの物件の持込みルートは多様化していますが、大江戸温泉物語グループはかかる物件情報の提供主体と特別な契約関係にあるわけではなく、今後も継続して物件情報を取得できることを保証するものではありません。
(注3) 施設を所有する串本温泉ホテル株式会社の株式を取得しております。
(注4) 当該施設は、本投資法人の保有資産ではなく、また、本投資法人は大江戸温泉物語グループとの間で当該施設について具体的な交渉を行っておらず、現時点において取得する予定はなく、また、今後取得できる保証もありません。
(注5) 大江戸温泉物語グループが取得した物件の全てが本投資法人の取得基準に合致するとは限らず、本投資法人は、当該物件のうち、本投資法人の投資基準を満たす物件のみを、本投資法人の投資対象とする予定です。また、本投資法人が、今後、これらの物件を取得できる保証はありません。なお、本投資法人の投資基準については、後記「⑥ 投資方針 (イ) ポートフォリオ構築方針 a. 投資対象資産」をご参照下さい。
<大江戸温泉物語グル―プへの持込み案件数>出所:大江戸温泉物語
<物件の持込みルートの多様化>出所:大江戸温泉物語
(ニ)運営施設の状況
大江戸温泉物語グループは、本書の提出日現在、全国各地において、以下の32物件の温泉・温浴関連施設を運営しています。
<大江戸温泉物語グループの運営する温泉・温浴関連施設><全運営施設の概要>
(注1) 「用途」については、本投資法人が対象とする資産の用途の別に従って記載しています。
(注2) 「客室数」は、本書の提出日現在、宿泊用途として使用可能な客室の数を記載しています。
(注3) 大江戸温泉物語グループが運営する施設のうち、本投資法人の保有資産については、「★」を付しています。ただし、「伊東ホテルニュー岡部」のうち、本投資法人の保有資産である相模亭(客室数73)と渡り廊下で連結され、一体的な運営がなされている駿河亭(客室数36)については、本投資法人の保有資産に含まれていません。また、その他の「★」が付されている施設についても、一部の土地及び建物が本投資法人の保有資産に含まれていません。なお、本投資法人の保有資産の詳細については、後記「5運用状況 (2) 投資資産 ②投資不動産物件」をご参照下さい。
(注4) 上記には、本投資法人の保有資産以外の物件も含まれていますが、本書の提出日現在、本投資法人は大江戸温泉物語グループとの間でこれらの資産について具体的な交渉を行っておらず、現時点において取得する予定はなく、また、今後取得できる保証もありません。
(注5) 大江戸温泉物語は平成29年6月30日付で「串本温泉ホテル株式会社」の株式を取得しておりますが、上記には同社が所有するホテルは記載しておりません。
<ポートフォリオマップ>(注) 本書の提出日現在、施設の一部を減築していますが、減築前の写真を掲載しています。
④ 成長戦略
本投資法人は、本資産運用会社にその資産の運用を委託し、大江戸温泉物語グループが保有する温泉・温浴関連施設の運営、プロパティ・マネジメント等に関する情報、ノウハウ及び経営資源等を本投資法人の運用資産の安定的な運営と着実な外部成長に最大限活用していく方針です。
(イ)外部成長
前記「③ 大江戸温泉物語グループの概要 (ハ) 大江戸モデルの優位性 c. 大江戸温泉物語グループの成長余地」に記載のとおり、大江戸温泉物語グループへの持込み案件数は、平成26年以降増加傾向にあり、今後も、適切なリノベーション等によって再生した後に本投資法人の取得対象となり得る温泉・温浴関連施設を含め、大きな拡大ポテンシャルが存在するものと、本投資法人は考えています。本投資法人は、今後も大江戸温泉物語グループから継続的に運用資産を取得する方針であり、スポンサーサポート契約を活用し、大江戸温泉物語グループが保有又は開発する物件を中心に取得していく予定です。
具体的には、本投資法人は、スポンサーサポート契約に基づき、大江戸温泉物語グループから、大江戸温泉物語グループが保有する施設の取得に係る優先交渉権の付与、大江戸温泉物語グループが入手した第三者による物件売却情報の優先的提供及び本投資法人の物件取得に向けたウェアハウジング機能の提供を受け、これらの物件取得に係るスポンサーサポートを通じて、大江戸モデルが導入された温泉・温浴関連施設の継続的な取得を図ります。
また、大江戸モデル導入によるオペレーションの強化等、本投資法人が既存の温泉・温浴関連施設を取得する前提となる大江戸温泉物語グループからのビジネスプラン策定のサポートを受け、大江戸温泉物語グループの温泉・温浴関連施設の再生ノウハウ及びチェーンオペレーションの活用を図ります。
さらに、本投資法人は、大江戸温泉物語グループが保有又は開発する資産を主たる投資対象としつつ、本資産運用会社独自の取得チャネルにより、高収益・安定稼働が見込まれる、第三者保有施設の取得も検討する予定です。本投資法人が重点的な投資対象とする温泉・温浴関連施設には、宿泊施設のほか、日帰り型の温泉・温浴施設、温泉・温浴施設を含む健康、美容等増進施設、レジャー施設や商業施設が複合された温泉・温浴施設をはじめとして、温泉又は温浴の提供をその施設の主要な機能の1つとする、幅広い投資対象が存在します。多様な温泉・温浴関連施設等の取得を通じてポートフォリオの分散や資産クラスとしての流動性の向上を図ることができると本投資法人は考えています。
<優先交渉権の対象となる大江戸温泉物語グループの主な保有資産>(注) 本書の提出日現在、本投資法人は大江戸温泉物語グループとの間で上記各資産について具体的な交渉を行っておらず、現時点において取得する予定はなく、また、今後取得できる保証もありません。
<全国施設数>出所:温浴ビジネス白書2015
a. スポンサーサポートの活用
本投資法人及び本資産運用会社は、大江戸温泉物語との間で、平成28年7月29日付でスポンサーサポート契約を締結しています。
スポンサーサポート契約の概要は、以下のとおりです(注)。
(注) スポンサーサポート契約には、外部成長とは直接関係しない項目も含まれていますが、これらの概要についても一括して以下で記載しています。
<スポンサーサポート契約の概要>
b. 優先交渉権
前記のとおり、本投資法人及び本資産運用会社は、大江戸温泉物語グループから、大江戸温泉物語グループが保有又は開発する温泉・温浴関連施設の取得に関する優先交渉権の付与を受けることができます。本投資法人は、かかる優先交渉権の活用により、大江戸温泉物語グループが運営する大江戸モデルが導入された温泉・温浴関連施設への重点投資を行い、投資主価値の安定的かつ継続的な向上を目指します。
c. ウェアハウジング機能を活用した機動的な不動産の取得
前記のとおり、本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーサポート契約に基づき、大江戸温泉物語グループからウェアハウジング機能の提供を受けることができます。本投資法人は、ウェアハウジング機能の活用により、資金調達の時期や投資基準との整合性の理由で本投資法人が直ちに取得できない不動産について、本投資法人の機動的な取得機会を確保します。
d. 本資産運用会社独自の情報収集
本資産運用会社は、大江戸温泉物語グループからの物件情報に加え、本資産運用会社独自の情報収集力を獲得し、向上させることで、競争力の高い物件の取得に努めます。
(ロ) 内部成長
a. キャッシュ・フローの安定性を確保しつつ、賃料収入のアップサイドを取り込む賃料体系
本投資法人は、投資主の立場に即して、本投資法人の保有する施設から得られる運営上のキャッシュ・フロー及びその賃貸収入を厳格に管理し、その維持・向上を図ります。そのため、本投資法人は、本書の提出日現在における保有資産のテナントである大江戸温泉物語グループ各社との間の各長期賃貸借契約において、高い構成比の(注1)固定賃料部分に加え、一定の条件を満たす場合にGOPに連動して発生する変動賃料(注2)(注3)(注4)部分を組み合わせた賃料(以下「第一賃料」といいます。)に、各施設の不動産運営費(注5)相当額と同額の賃料(以下「第二賃料」といいます。)を加えた賃料体系を採用しています。
キャッシュ・フローの長期安定化につながる長期賃貸借契約における固定賃料及び賃料収入のアップサイドを取り込むための施設ごとのGOPに連動した変動賃料で構成される第一賃料に加え、不動産運営に関して生じる費用をまかなうための第二賃料を設定することにより、キャッシュ・フローの安定性が支えられると本投資法人は考えています。また、各長期賃貸借契約においては、本投資法人の保有資産に係る修繕費の負担については原則テナントが負うこととされており、この点においてキャッシュ・フローの安定性に寄与していると本投資法人は考えています。(注6)
(注1) 本資産運用会社の試算に基づきます。
(注2) 第1期の変動賃料は生じず、第2期の変動賃料は各施設に係る各賃貸借契約に定められた固定額になります。
(注3) 第3期以降の変動賃料は、各施設に関する直近1年間(毎年12月からの6か月間(以下「前期」といいます。)については当年3月から翌年2月までの1年間をいい、毎年6月からの6か月間(以下「後期」といいます。)については前年9月から当年8月までの1年間をいいます。)(以下、これらの1年間を「修正後GOP計算期間」といいます。)における各施設の修正後GOP(※)に各賃貸借契約に定められた一定の料率(以下「変動賃料率」といいます。)を乗じた額となります(年額。月額はその12分の1)。ただし、各施設の修正後GOPに各賃貸借契約に定められた一定の料率(以下「基準賃料負担率」といい、変動賃料率とは異なります。)を乗じて得られる額(以下「変動賃料発生基準額」といいます。)が1年分の固定賃料相当額を上回る場合に、変動賃料が発生します。
(※) 「修正後GOP」とは、修正後GOP計算期間に係る各施設のGOPから、テナントが負担する本物件に関する不動産関係費用(租税公課、損害保険料及び地代家賃を含みますが、これに限定されません。ただし、第二賃料相当額を除きます。)を控除した額をいいます。以下同じです。
(注4) 前期の各月については前年9月から当年8月における、後期の各月については前年3月から当年2月における各施設の修正後GOPに変動賃料率を乗じた額(年額。月額はその12分の1。ただし、当該修正後GOP計算期間に係る変動賃料発生基準額が固定賃料相当額の1年分以下である場合はゼロとします。以下「暫定変動賃料額」といいます。)が暫定的に支払われ、前期及び後期の各最終月に、当該暫定変動賃料額と前期又は後期の各変動賃料額との差額が精算されます。
(注5) 「不動産運営費」とは、本投資法人が保有する各施設につき、本投資法人が負担すべき公租公課及び損害保険料並びにその他費用の合計額をいいます。
(注6) 各保有資産に係る賃貸借契約においては、かかる賃料体系が採用されていますが、本投資法人が今後取得する施設に係る賃貸借契約において、同様の賃料体系が採用されることを保証するものではありません。
<キャッシュ・フローの安定性を確保しつつ、賃料収入のアップサイドを取り込む賃料体系>(注1) 本投資法人及びテナントは、賃貸借期間開始日から3年間は賃料を改定することができず、賃貸借期間開始日から3年間を経過した後は、3年ごとに、賃料の改定について協議します。
(注2) 各保有資産の賃料の詳細については、後記「5運用状況 (2) 投資資産 ② 投資不動産物件(ワ)保有資産の個別不動産の概要」をご参照下さい。
b. 大江戸温泉物語グループとの協働による戦略的な資本的支出の実施
本資産運用会社は、適切であると考えられる業者にプロパティ・マネジメント業務を委託し、施設競争力の維持・向上のための運営・管理・リニューアルを実施し、ポートフォリオの収益力の強化を目指します。
特に、戦略的な資本的支出の実施については、温泉・温浴関連施設への付加価値創造ノウハウのある大江戸温泉物語グループと協働し、保有施設のバリューアップを図ります。例えば、大江戸温泉物語グループにおいては、集客力の向上を図るべく、建物の用途変更や空敷地への増築による客室の増室、露天風呂(注)や温泉・温浴関連施設の更新・増設等の設備更新を行っています。本投資法人は、大江戸温泉物語グループとの協働によるバリューアップを通して、中長期的な賃料収入の安定・向上を指向しています。
大江戸温泉物語グループによるバリューアップの実績事例として、大江戸温泉物語あたみでは、遊休部分を活用した客室の増室及び露天風呂の増設を行っています。
(注) 「露天風呂」とは、各温泉・温浴関連施設に備えられた屋外の浴場をいいます。以下同じです。
<大江戸温泉物語グループとの協働による戦略的な資本的支出の実施>(ハ) 本投資法人と大江戸温泉物語グループのWIN-WINの関係の構築について
a. 基本方針
i. 本投資法人のメリット
本投資法人は、スポンサーである大江戸温泉物語と締結しているスポンサーサポート契約を活用し、大江戸温泉物語グループが保有する施設の売却情報等を優先的に入手し、競争力及び安定性が見込めるとの判断に至った場合、当該施設を取得する方針です。本投資法人は大江戸モデルという独自の施設運営の仕組みを有する大江戸温泉物語グループが運営を行う施設等に投資を行い、その施設から生まれる収益を享受することによって本投資法人のポートフォリオの安定性と成長性の向上を目指します。
ii. 大江戸温泉物語グループのメリット
大江戸温泉物語グループにとっては、その特徴である大江戸モデルのより一層の強化に向け、運営施設数を継続的に増やすべく、新規の施設を取得するために必要な資金を、保有する施設を本投資法人に売却することによって調達することが可能となります。この資金サイクルは大江戸温泉物語グループの経営規模の拡大に寄与することとなり、宿泊施設運営企業としての競争力向上に貢献します。
b. 本投資法人と大江戸温泉物語グループの双方にメリットのある投資主優待制度の導入
本投資法人は、本投資法人が投資する温泉・温浴施設について、その特徴を体験し理解を深める機会を投資主に提供することを目的として、投資主優待制度の導入を決定しました。
i. 開始時期及び対象投資主
平成29年11月30日(基準日)の本投資法人の投資主名簿に記載又は記録された投資主を対象に開始します。東京証券取引所における権利付最終取引日は平成29年11月27日となる見込みです。本投資法人は、以降、各決算期末日を基準日として本投資主優待制度を運営していく方針です。
ii. 送付される優待券の利用対象者
無記名とし、投資主本人以外でも利用可能です。
iii. 投資主優待の提供者
大江戸温泉物語グループ(注1)
iv. 優待内容
宿泊利用料金について、1枚につき1,000円相当の割引を受けられる優待券を送付します。
送付枚数は、各投資主の保有投資口数に応じて以下のとおりとします。なお、保有投資口数が5口未満の投資主に対しては、優待券の送付は行わないものとします。
① 5口以上10口未満の場合 優待券1枚
② 10口以上の場合 優待券2枚
v. 対象施設
本投資法人が所有し、大江戸温泉物語グループが賃借している一定の温泉・温浴関連施設
本投資法人は、投資主優待制度の導入により、本投資法人の投資主に大江戸モデルが導入された温泉・温浴関連施設の利用機会を提供することにより、投資主の満足度のさらなる向上を実現させる一方で、大江戸温泉物語グループにとっては、新規顧客の獲得につながり、大江戸温泉物語グループ全体の売上高の増加に寄与するという効果が期待できると考えています。
(注1) 本資産運用会社は除きます。
(注2) 本優待制度の内容等は今後変更され、又は実施が停止される場合があります。
⑤ 投資主利益を重視した仕組みの導入
本投資法人は、その資産運用に際して、投資主の利益と大江戸温泉物語グループの利益の一体化を図ると共に、利益相反対策と第三者性を確保した運営体制を採用することとし、中立的かつ透明性の高いガバナンス(企業統治)体制の整備・充実を図る方針です。
(イ)利益相反取引に関するガバナンス体制
本投資法人による資産の取得等の際、利害関係人等との取引の場合やチーフ・コンプライアンス・オフィサーが必要と判断した場合には、コンプライアンス委員会における承認が必要となります。なお、コンプライアンス委員会の承認を受ける前に本資産運用会社の投資委員会における決議が必要となります。
本資産運用会社は、コンプライアンス委員会と投資委員会の双方に外部委員を選任し、資産の取得等に係るコンプライアンス委員会の決議は、対象となる議案について議決権を有する過半数の委員が出席して(ただし、チーフ・コンプライアンス・オフィサー及び外部委員の出席は必須とします。)、対象となる議案について議決権を有する出席委員のうち、委員長(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)及び外部委員を含む過半数の委員の賛成により決定されます。また、投資委員会の決議は、対象となる議案について議決権を有する出席委員(ただし、チーフ・コンプライアンス・オフィサー及び外部委員の出席は必須とします。)のうち、外部委員を含む過半数の委員の賛成により決定されます。
また、運用資産の譲渡その他の処分に関する事項は、運用資産の取得等の場合と同様の運営体制にて実行されます。
本資産運用会社は、かかる運営体制を採用することにより、投資判断等につき、第三者性を確保します。
本投資法人は、利害関係人等との取引における利益相反対策を含め、投資主の利益保護の観点から適切な価格・条件での資産取得を行えるような体制を構築しています。利害関係人等との取引制限については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限」をご参照下さい。
(ロ)スポンサーによるセイムボート出資
本投資法人は、投資主の利益と大江戸温泉物語グループの利益を一致させ、本投資法人と大江戸温泉物語グループが共同して事業を行う体制を築き、本投資法人及び大江戸温泉物語グループの相互の利益向上を図るため、大江戸温泉物語との間で、同社が本投資法人への出資を維持するよう努めることについて合意しています。
なお、本書の提出日現在、大江戸温泉物語は、本投資法人の投資口を9,246口所有しており、かかる投資口を今後も継続して所有する意向を有しています。
(ハ)資産運用報酬体系における業績連動型の導入
本投資法人は、運用総資産額に連動する運用報酬のほかに、1口当たり分配金に連動する運用報酬を導入しています。詳細については、後記「4 手数料等及び税金 (3) 管理報酬等」をご参照下さい。
⑥ 投資方針
(イ)ポートフォリオ構築方針
a. 投資対象資産
本投資法人は、中長期にわたり安定した収益を確保するとともに、運用資産の着実な成長を図るため、温泉・温浴関連施設を重点的な投資対象(コアポートフォリオ)とすることを基本戦略とし、その比率は80%以上(取得価格ベース)を目安とします。
また、中長期にわたり安定したキャッシュ・フロー又は安定性をベースとした資産価値の成長が期待できるレジャー施設等のコアポートフォリオと関連性又は親和性が高いその他用途施設にも投資し、投資エリアは全国における主要な観光地、温泉地として認知度の高いエリアを中心に投資していく方針です。
<用途別のポートフォリオ構築方針>
(注) 上記はあくまでも目安であって、本投資法人の用途別のポートフォリオが上記比率のとおりに構築されることを保証するものではありません。
以下では、本投資法人の主たる投資対象である国内不動産の投資に関して、投資対象である各用途につき、本投資法人が考える投資基準及びその特性を記載しています。
(ロ) 投資基準
a. 立地
全国における主要な観光地、温泉地として認知度の高いエリアを中心に投資していく方針です。
b. 取得価格
投資に際しては、鑑定評価額を参考に、本資産運用会社の評価額を基本として総合的に判断します。
利害関係人等から不動産、不動産の賃借権、地上権並びに不動産、不動産の賃借権及び地上権を信託する信託受益権(以下、本「b. 取得価格」において「対象資産」と総称します。)を取得する場合は、原則として、利害関係人等でない不動産鑑定士(法人を含みます。以下同じです。)が鑑定した鑑定評価額を超えて取得してはなりません。ただし、当該対象資産を鑑定評価額を上回る価格で取得することに合理的な理由がある場合には、鑑定評価額の110%の価格を上限として取得することができます。この場合、本資産運用会社の投資委員会、コンプライアンス委員会及び取締役会並びに本投資法人の役員会において、鑑定評価額を上回って取得することの適切性について説明し、決議を得なければなりません。なお、鑑定評価額は、対象資産そのものの価格であり、税金、取得費用、信託設定に要する費用、信託勘定内の積立金、信託収益、固定資産税等の期間按分精算額等を含みません。
また、利害関係人等から対象資産以外の特定資産を取得する場合は、時価が把握できるものは時価とし、それ以外は上記に準ずるものとします。
c. 建物構造
建物構造については、温泉・温浴関連施設の目的に照らして必要な強度を有し、宿泊施設として安全性に問題がないと判断できる物件に投資します。特に、築年の古い建築物(以下「築古物件」といいます。)に投資する際には、現地での建物の目視調査を含む非破壊調査を行い、消防法等を含む関連法令に照らし必要と判断される場合は、修繕を実施する等、安全性に配慮し、また、オペレーション上の支障がないことも確認した上で、投資の是非を慎重に判断する方針です。
特に、耐震性能の観点からは、温泉旅館の特性に鑑み、宿泊施設としての安全性が確保されていることを専門家レポート(耐震診断について十分な知識と経験を有する専門家が、外観調査、使用履歴、修繕履歴等により、建物の安全性について調査した結果をまとめたレポート)等で確認していること、PML(注)を確認すること等を条件に、新耐震基準の水準以下の建物構造に投資を行うことができるものとします。詳細については、後記「⑦ デュー・ディリジェンス基準」をご参照下さい。
(注) 「PML(Probable Maximum Loss)」とは、地震による予想最大損失率を意味します。PML値は個別建築物に関するものと、ポートフォリオに関するものに分けられます。PML値についての統一された厳密な定義はありませんが、本書においては、想定した予定使用期間(50年=一般的建物の耐用年数)中に想定される最大規模の地震(475年に一度起こる大地震=50年間に起こる可能性が10%の大地震)によりどの程度の被害を被るかを、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率(%)で示したものを意味します。以下同じです。
d. 付保方針
付保については、投資対象施設の特徴、想定されるリスクと損失予想等を総合的に勘案して、付保の方針を決定するものとし、原則として建物の再調達価格に基づき、財物保険、賠償責任保険の付保を行い、また必要に応じて利益保険の付保を検討するものとします。
また、地震発生の可能性とそれに基づき予想される個別不動産及びポートフォリオ全体への影響(ポートフォリオPML値が10%以上の場合)と、保険料等の負担の収益への影響等を比較検討した上で、地震保険の付保の判断を行います。ただし、1物件のPML値が20%以上の物件がある場合には、原則としてその物件について個別に地震保険を付保する方針です。
e. テナント
テナントの選定にあたっては、当該事業者の社会的信用力を確認し、営業状況、財務状況、及び投資対象施設の運営における優位性等を勘案し、中長期的な賃料収入の安定性が期待できると判断できるテナントを選定します。
f. 権利関係
当該物件の特性に照らし、本投資法人による運用に支障がないと判断できる権利関係であることを原則とします。具体的には、完全所有権、地上権、借地権、温泉権、水利権等権利の態様を確認した上で、共有、区分所有又は借地の場合は、物件の特性を総合的に勘案し、権利関係者の属性等を考慮の上、運営・管理における制約事項が少ないことを原則とします。
g. 運営実績
本投資法人は、原則として、過去の運営実績がない温泉・温浴関連施設への投資は行いません。ただし、未稼働の温泉・温浴関連施設であっても、運営開始後の安定した運営が十分に見込まれ、本投資法人が取得した後に安定した収益が得られるものと判断した場合には、未稼働の物件に対しても、投資を行うことができるものとします。
⑦ デュー・ディリジェンス基準
本投資法人は、不動産関連資産へ投資するに際しては、本資産運用会社において、不動産関連資産の本体をなす不動産又はその裏付けとなる不動産の予想収益、立地エリアの将来性及び安定性等の経済的調査、建築仕様、建物設備、耐震性能、建物管理状況、環境及び土壌汚染調査等の物理的調査並びに建物に係る権利関係等の法的調査を行い、これらの総合的な検証を行います。
また、各調査項目について専門性を有する調査業者等の活用等を含め、本資産運用会社において、その手法、委託先選定の妥当性等につき十分な検討を行うものとします。
(注1) 「大浴場」とは、各温泉・温浴関連施設に備えられた屋内共同浴場をいいます。以下同じです。
(注2) 「ADR」とは、平均客室販売単価(Average Daily Rate)をいい、一定期間の宿泊売上高合計を同期間の販売客室数(稼働した延べ客室数)合計で除した値をいいます。以下同じです。
(注3) 「RevPAR」とは、1日当たり販売可能客室数当たり宿泊売上高合計(Revenue Per Available Room)をいい、一定期間の宿泊売上高合計を同期間の販売可能客室数合計で除した値をいい、ADRと客室稼働率の積にて計算される数値と同値となります。以下同じです。
(注4) 大江戸温泉物語グループをテナントに選定する場合は、当該項目の調査は原則として行いません。
⑧ フォワード・コミットメント等
フォワード・コミットメント等を行う場合には、解約違約金の上限、取得額の上限、契約締結から物件引渡しまでの期間の上限等のルールを定めたフォワード・コミットメント等に係る規程に基づき、当該リスクを管理しています。
⑨ ポートフォリオ運営・管理方針
(イ) 基本方針
運用資産の運用については、投資主のニーズに合致した高品質で魅力的な運用商品を提供するために、運用資産からの安定した収益の確保と資産価値の向上を目指し、透明性の高い運用を行うことを基本方針としています。
(ロ) テナントによる運営パフォーマンスのモニタリング
賃料収入に大きな影響を与えることとなるテナントによる運営パフォーマンスについて、本資産運用会社がモニタリングを行います。前記「④ 成長戦略 (ロ) 内部成長 a. キャッシュ・フローの安定性を確保しつつ、賃料収入のアップサイドを取り込む賃料体系」に記載のとおり、本投資法人は、保有資産のテナントである大江戸温泉物語グループ各社との間の長期賃貸借契約において、固定賃料部分にGOPに連動した変動賃料部分を組み合わせた第一賃料に、各施設の不動産運営費相当額と同額の第二賃料を加えた賃料体系を採用しています。かかる賃料体系においては、テナントによる運営パフォーマンスが各施設の賃貸収入に大きな影響を与えるため、テナントとの間の各長期賃貸借契約において、テナントに対して各施設の運営状況に係る報告義務を課すとともに、テナントによる運営パフォーマンスについて、各施設の売上高やGOP等の経営指標を参考に、本資産運用会社がモニタリングを行います。
(ハ) 修繕・資本的支出
a. 本投資法人が行う修繕・資本的支出の範囲
中長期的な運用資産の収益の維持及び向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性、テナントニーズ等を考慮した個別物件ごとの修繕及び資本的支出に関する計画をPM会社と協議の上策定し、必要な修繕・資本的支出を行います。
修繕及び資本的支出は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費も勘案して判断するものとします。
修繕積立金は、中長期的なポートフォリオ運営を考慮し、減価償却費、並びに修繕及び資本的支出に関する計画を考慮した上で、必要な額を積み立てます。
b. 修繕・資本的支出の原資
本投資法人は、資本的支出について、基本的には毎期計上する減価償却費の額の範囲内で対応しますが、必要に応じて借入等により調達することがあります。
c. 計画策定プロセス
毎期作成される年度運用計画において、本資産運用会社は、テナントの意見を参考に、費用対効果分析を綿密に行って、大規模修繕計画等、資本的支出に係る方針を策定します。資本的支出の実行においては、可能な限り業者からの入札プロセスを採用し、市場水準に比較して価格的及び質的に適切な内容となるよう努めます。
⑩ 財務方針
(イ)エクイティ・ファイナンス
新投資口の発行は、中長期的観点から、本投資法人の運用資産の着実な成長を目指し、金融環境を的確に把握するとともに、投資口の希薄化に配慮しつつ機動的に実施します。
(ロ)デット・ファイナンス
資金調達環境の変化による影響を低減しつつ、低廉な資金調達コストを実現するため、固定金利借入れの割合、借入期間、担保設定の有無等の借入条件を、借入先候補となる適格機関投資家と交渉の上、比較して決定を行います。
(ハ)LTV
LTV(注)の水準は、資金余力の確保に留意しつつ、原則として60%を上限としますが、資産の取得等に伴い、一時的に60%を超えることがあります。
(注) 「LTV」は、以下の計算式により算出されます。
LTV=(借入金残高+投資法人債発行残高)÷総資産額(*)×100
(*)「総資産額」とは、直近の決算期の貸借対照表記載の総資産額をいいます。
(ニ)キャッシュ・マネジメント
手元資金については、計画的に管理し、突発的な資金支出や機動的な資産取得等に備えた必要額を留保し、必要以上の余剰資金は留保せず、負債の返済等を優先します。一定期間にわたり余剰資金の運用が必要な場合は、元本保証のある預金等にて運用します。
⑪ 情報開示方針
(イ)情報開示については、内部情報、機密情報の取扱いについて十分留意しつつ、常に投資家の視点に立ち、迅速、正確、かつ公平に情報を開示することに努めます。
(ロ)適時開示すべき事由に該当する情報が決定又は発生した場合は、速やかに当該情報を開示するものとし、開示の方法については、東京証券取引所の定める有価証券上場規程に従います。
(ハ)金融商品取引法、会社法及び投信法等の関連法を遵守し、本投資法人の情報を適正に開示を行います。
① 本投資法人の基本理念
本投資法人は、温泉を中心とした時間消費型産業(注1)と資本市場をつなぐ担い手となり、温泉関連産業の発展に資する投資主体となることを目指し、大江戸温泉物語グループが運営する、大江戸モデルが導入された施設をはじめとする温泉・温浴関連施設へ重点投資を行い(注2)、地域の活性化及び温泉関連産業の大衆化に貢献することを基本理念としています。
本投資法人は、現在我が国が、少子高齢化及び都市部への人口集中等の社会・経済的課題に直面する中で、温泉を中心とした時間消費型産業は、このような課題が特に深刻な地方においても成立し得る地域産業(注3)として、地方の社会・経済活性化の切り札となる非常に重要な産業分野であると考えています。また、人口動態の変化による総需要の減少や、社会の情報化・高度化を経て、成熟消費社会(注4)へと突入した昨今、「モノ消費」(注5)から「コト消費」(注5)へと消費活動の軸足が変化していくなかで、消費者が支払う対価として、機能的な価値を提供するだけではなく、より直接的に消費者が満足感や高揚感を得られる、情緒的な価値を提供することが求められるようになってきています(注6)。このような状況のもと、「コト消費」の中でも、特に温泉を中心とした時間消費型産業への注目は、ますます高まりを見せていると本投資法人は考えています。そして、我が国また日本人にとって、古来より親しまれてきた温泉は、時間消費型産業の中心をなす存在であるとともに、リラクゼーションや癒しの効果を有し、家族や友人との親睦・語らいの場として、多くの人々を惹きつけてやまない文化とも呼べる存在であると本投資法人は考えています。
他方、厚生労働省が毎年調査内容を公表している「衛生行政報告例」によれば、近時、営業廃止となる旅館も数多く見られます。本投資法人は、このことについて、変化しつつある消費者のニーズへの対応、施設の更新及び魅力度の向上といった点において十分に対応しきれておらず、魅力を十分に訴求できていないことにより、時間消費型産業に該当する旅館業を廃止する件数が増加していると考えています。
かかる状況のもと、本投資法人は、温泉を中心とした時間消費型産業には、消費者ニーズを捉え、顧客満足度の継続的な向上を図るための新たなオペレーションの導入や施設の更新に必要な投資等において、資本市場からの良質な投資資金の活用が望まれると考えています。
本投資法人は、かかる基本理念のもと、その果実としての安定的なキャッシュ・フローを創出するとともに、これまでのJ-REITの歩みの中で、重点的な投資対象(コアポートフォリオ)として温泉・温浴関連施設を位置付ける初の銘柄として、当該セクターの発展に寄与し、投資主価値の継続的かつ安定的な向上を目指してまいります。
(注1) 「時間消費」とは、特定の場所で一定の時間を過ごすこと自体を目的とした消費を意味し、「時間消費型産業」とは、かかる時間消費を目的として構築された産業をいいます。以下同じです。
(注2) 本投資法人が対象とする資産の用途の別に従うと、本書の提出日現在において、大江戸温泉物語グループが運営する施設は、全て温泉・温浴関連施設に分類されますが、大江戸温泉物語グループは、温泉・温浴関連施設以外にも、主たる用途が旅館、ホテル、リゾート施設及びアミューズメントパークその他のレジャー施設(これらの複合用途を含みます。)である施設を取得し、運営することがあります(以下、これらの施設を「その他用途施設」と総称します。)。本投資法人は、本投資法人の重点的な投資対象(コアポートフォリオ)である温泉・温浴関連施設以外にも、温泉・温浴関連施設と関連性又は親和性が高い、大江戸温泉物語グループ又は第三者が運営するその他用途施設にも投資することがあります。なお、本投資法人のポートフォリオ構築方針については、後記「⑥ 投資方針 (イ) ポートフォリオ構築方針」をご参照下さい。
(注3) 「地域産業」とは、地方を含む特定の地域に根付いた産業をいいます。以下同じです。
(注4) 「成熟消費社会」とは、生活水準の上昇により従来消費の対象とされていた製品が広く普及したことに伴い、精神的豊かさや生活の質の向上を重視してなされる消費が重視されるようになった社会をいいます。
(注5) 「モノ消費」とは製品を購入して使用したり、物品の機能的なサービスを享受する形態の消費活動をいい、「コト消費」とは、個別の事象が連なった総体である「一連の体験」を目的とした消費活動をいいます。以下同じです。
(注6) 経済産業省地域経済産業グループによる平成27年9月付「平成27年度地域経済産業活性化対策調査(地域の魅力的な空間と機能づくりに関する調査)報告書」参照。
② 基本方針
(イ) 安定収益と継続的成長を見込むことができる大江戸モデルが導入された施設をはじめとする温泉・温浴関連施設への重点投資
本投資法人は、大江戸温泉物語グループが運営する、大江戸モデルが導入された施設をはじめとする温泉・温浴関連施設へ重点投資を行います。
大江戸モデルの特徴としては、i. 効率的なオペレーション、ii. 顧客目線のサービス及びiii. 集客を最大化するマーケティングの3点が挙げられます。
大江戸モデルが導入された温泉・温浴関連施設においては、食材や備品の集中購買方式の採用及びきめ細かなコストコントロール(原価管理)といった効率的なオペレーションを行いつつ、工夫を凝らした温泉設備や物販設備、顧客満足度の高いバイキング形式による供食及び館内エンターテインメント(大衆演劇等)の充実といった顧客目線のサービスを重視し、顧客満足度をより一層向上させるためのサービス及び設備が取り入れられています。
その結果、従来、特に温泉旅館は、ややもすれば、非日常的な特別の機会、すなわち「ハレの日」になされる「コト消費」としてぜいたくなイメージが抱かれがちであったのに対し、上記のような大江戸モデルの採用により、日常の延長として、「いつでも、気軽に、何度でも。」(大江戸温泉物語グループのキャッチフレーズより)訪れることができるお手頃な価格(注1)設定でありながら、食事やエンターテインメント等の新しい価値が付加された、顧客が価格を上回る満足感を得られるサービスの提供が可能となると本投資法人は考えています。
また、集客を最大化するマーケティングとして、予約センター及びウェブサイト等の自社チャネル経由(後記(注2)において定義します。)の集客により、各施設における予約対応の手間を省き、かつ、間接マージンを抑えるチャネル戦略(注2)を採用するとともに、大江戸温泉物語グループの本部主導の集客施策を実施することにより、効果的に集客に結びつけることが可能になると本投資法人は考えています。
さらに、大江戸モデルにおいては、施設の立地も重視され、特に集客の最大化の観点からは、各大都市圏からのアクセスが容易であることが重要であり、また、効率的なオペレーション、特にチェーンオペレーション(注3)の効率性の確保といった観点からも立地条件が重要であると、本投資法人は考えています。
なお、大江戸モデルの詳細については、後記「③ 大江戸温泉物語グループの概要 (ハ) 大江戸モデルの優位性 b. 大江戸温泉物語グループ独自のビジネスモデル(大江戸モデル)」をご参照下さい。
大江戸モデルの導入により、休日に比べて稼働率が低下しがちな平日においては、温泉需要の中心的な顧客層の1つであると考えられるシニア層(注4)をリピーターとして、その需要を取り込むことによって稼働率を向上させることが可能になっていると本投資法人は考えています。さらに、週末や夏休み、春休み等の温泉旅行への需要が集中するいわゆるハイシーズンには、二世代又は三世代にわたるファミリー(家族)を中心とした利用が多く見られます。
また、大江戸モデルが導入された温泉・温浴関連施設は、日常の延長として利用可能な価格設定がなされているため、高価格帯の温泉旅館に比較して、短期的な景気変動や観光需要の変動等に左右される度合いが小さく、シニア層を中心とする幅広い顧客層からの継続的な支持により、安定収益と持続的成長を見込むことができると本投資法人は考えています。
(注1) 「お手頃な価格」について明確な基準を示すことは困難ですが、本投資法人は、目安として、平日において大人2名で1室を利用する場合の標準的なプラン(1泊2食付)が1人当たり10,000円を下回る価格を想定しています。以下同じです。
(注2) 「チャネル戦略」とは、一般的に、商品やサービスが、その提供者から最終消費者に到達するまでの流通経路に関する戦略をいい、本書では、利用者が、大江戸温泉物語グループが運営する予約センター又はウェブサイト等を利用することにより、旅行代理店等を経由せず、直接、施設の利用予約をすること(以下「自社チャネル経由」といいます。)を可能にする戦略をいいます。
(注3) 「チェーンオペレーション」とは、出店計画、商品計画、仕入れ、宣伝等を本部が一括して管理することにより、効率的な多店舗展開を行う経営手法をいいます。以下同じです。なお、大江戸温泉物語グループが実施しているチェーンオペレーションの詳細については、後記「③ 大江戸温泉物語グループの概要 (ハ) 大江戸モデルの優位性 b. 大江戸温泉物語グループ独自のビジネスモデル(大江戸モデル)」をご参照下さい。
(注4) 「シニア層」とは、60歳以上の年代で構成された層をいいます。以下同じです。
<大江戸モデルの特徴>(ロ) 大江戸温泉物語グループからのサポートを最大限活用した成長戦略
本投資法人は、保有施設の運営において差別化された大江戸モデルという事業ノウハウを有する大江戸温泉物語グループからのスポンサーサポートを、利益相反に適切に配慮しつつ、成長戦略の柱として最大限活用します。
大江戸温泉物語グループは、これまで32物件(注1)3,299室の温泉・温浴関連施設(注2)に大江戸モデルを導入してきた運営実績(本書の提出日現在)を有し、温泉・温浴関連施設への大江戸モデルの導入に関する独自のノウハウを蓄積してきました。
本投資法人は、本資産運用会社とともに大江戸温泉物語との間でスポンサーサポート契約(以下「スポンサーサポート契約」といいます。)を締結し、優先交渉権の付与を受けることにより、大江戸モデルが導入された温泉・温浴関連施設を継続的に取得し、また、第三者の保有する物件情報の提供及びウェアハウジング機能(注3)の提供等の物件取得に向けたサポートを活用することで、外部成長を図る方針です。
また、本投資法人は、保有資産のテナントである大江戸温泉物語グループ各社との間で、キャッシュ・フローの安定性を長期的に確保しつつ、各施設の運営実績が良好な時期にはGOPに連動した賃料収入のアップサイドを追求することが可能となる賃料体系が設定された長期賃貸借契約(注4)を締結しており、また、部屋数の拡大、設備更新等の施設のバリューアップ工事及び施設運営について協働し、変化する消費者ニーズを捉え、運用資産の収益並びに施設競争力及び稼働率等の安定性の向上を図り、内部成長を図る方針です。
本投資法人は、これらの大江戸温泉物語グループからの多様なサポート及び大江戸温泉物語グループとの協働を、その成長戦略の柱として最大限活用し、大江戸温泉物語グループから施設を取得するとともに、取得した施設を大江戸温泉物語グループに賃貸し、その収益力の強化を図ることで、安定的な収益の確保と運用資産の着実な成長を実現し、投資主価値の向上を目指します。
他方で、大江戸温泉物語グループが運営し、保有する温泉・温浴関連施設を本投資法人が取得することにより、大江戸温泉物語グループは施設の売却資金を活用することによる運営規模の拡大に寄与するものと、本投資法人は考えています。また、本資産運用会社は、第三者の保有する物件の情報を独自に入手した場合、物件情報取得時には本投資法人の投資基準には適合しない物件であっても、大江戸温泉物語グループが当該物件を取得して大江戸モデルを導入することにより、本投資法人の将来の投資対象となり得ると判断した場合には、スポンサーサポート契約の規定に従い(注5)、大江戸温泉物語グループに対して積極的に当該物件情報の提供します。
本投資法人は、大江戸温泉物語グループからのスポンサーサポート及び本投資法人による大江戸温泉物語グループの運営基盤の長期的な確保を通じて、本投資法人と大江戸温泉物語グループとのWIN-WINの関係を構築し、相互成長を目指します。
なお、大江戸温泉物語グループの概要については、後記「③ 大江戸温泉物語グループの概要」を、本投資法人、本資産運用会社及び大江戸温泉物語との間で締結されたスポンサーサポート契約の概要については、後記「④ 成長戦略 (イ) 外部成長 a. スポンサーサポートの活用」を、それぞれご参照下さい。
(注1) 大江戸温泉物語グループが運営する施設のうち、「大江戸温泉物語 レオマリゾート」は、「ホテルレオマの森」及び「ニューレオマワールド」から構成された一体の施設です。また、保有資産ではない「大江戸温泉物語箕面観光ホテル」及び「箕面温泉スパーガーデン」についても、これらを一体の施設として区分しています。以下同じです。
(注2) 大江戸温泉物語グループが運営する各施設の分類については、本投資法人が対象とする資産の用途の別に従い記載しています。以下同じです。なお、大江戸温泉物語グループが運営する施設の概要については、後記「③ 大江戸温泉物語グループの概要 (ニ) 運営施設の状況」をご参照下さい。
(注3) 「ウェアハウジング機能」とは、大江戸温泉物語グループが、将来における本投資法人による投資適格不動産等(主たる用途が旅館、ホテル、温浴施設、リゾート施設及びアミューズメントパークその他のレジャー施設である不動産等(これらの複合用途を含みます。)で、本投資法人の投資基準に適合しない不動産等を含みます。)の取得を目的として、本投資法人による取得予定時期及び取得予定価格又は取得価格の決定方法等を提示した上で、第三者が保有している投資適格不動産等の取得及び一時的な保有を行った後、本投資法人に当該投資適格不動産等を売却する機能をいいます。以下同じです。
(注4) 「長期賃貸借契約」とは、契約期間が10年以上であり、かつ、契約上5年以上は中途解約が禁止されている賃貸借契約をいいます。以下同じです。
(注5) スポンサーサポート契約上、本資産運用会社が大江戸温泉物語グループに対して物件情報を提供する場合の詳細については、後記「④ 成長戦略 (イ) 外部成長 a. スポンサーサポートの活用」をご参照下さい。
<大江戸温泉物語グループからのサポートを最大限活用した成長戦略>③ 大江戸温泉物語グループの概要
(イ)大江戸温泉物語グループの概要
大江戸温泉物語グループは、平成13年11月に創業し、平成15年に東京お台場所在の「東京・お台場 大江戸温泉物語」を開業し、以来、温泉・温浴関連施設の運営事業を推進してきました。その後、平成19年以降、温泉・温浴関連施設の運営ノウハウを活用することにより、全国各地の温泉旅館を中心として、テーマパーク等のレジャー施設に付随する温泉・温浴関連施設の活性化事業を展開しており、本書の提出日現在、大江戸温泉物語グループは、32物件の温泉・温浴関連施設を運営するに至っています。
大江戸温泉物語グループは、平成27年にベインキャピタル・プライベートエクイティ・エルピー(Bain Capital Private Equity, LP)が投資助言を行う投資ファンドが発行済株式の全てを間接的に保有する持株会社に買収された後、平成28年にかけて順次グループ内再編を行っています。
本書の提出日現在、大江戸温泉物語グループは、大江戸温泉物語及び本資産運用会社を含めた連結子会社9社から構成されており、その保有・運営する温泉・温浴関連施設は、大江戸温泉物語及び(一部の施設については)その子会社により保有・運営がなされています(注)。
(注) 大江戸温泉物語グループが保有・運営する施設のうち、本投資法人の保有施設である「大江戸温泉物語レオマリゾート」は株式会社レオマユニティーが、「大江戸温泉物語箕面観光ホテル」及び「箕面温泉 スパーガーデン」は大阪観光株式会社が、「山代温泉山下家」は株式会社山下家が、「大江戸温泉物語ながやま」は片山津大江戸温泉物語株式会社がそれぞれ保有・運営しています。また株式会社大江戸温泉レインボーは、土産品店の経営を営んでいます。なお、上記各社は、いずれも大江戸温泉物語の連結子会社です。
<大江戸温泉物語の概要>
| 商号 | 大江戸温泉物語株式会社 |
| 本社所在地 | 東京都中央区日本橋本町一丁目9番4号 |
| 代表者 | 代表取締役 森田 満昌 |
| 設立年月日 | 平成26年9月26日(創業 平成13年11月) |
| 資本金 | 112百万円(平成29年2月末日現在) |
| 事業内容 | 全国で温泉旅館、ホテル、温浴施設、テーマパークの活性化事業を展開 江戸文化をモチーフにした温泉テーマパーク「大江戸温泉物語」をはじめ、本書の提出日現在32物件の温泉・温浴関連施設を運営 |
| 従業員数 | 1,104名(注)(平成29年2月末日現在、連結ベース) |
| 業績・財務 (平成29年2月期) | 連結売上高: 41,834百万円 連結総資産: 62,570百万円 純 資 産: 10,879百万円 |
(注) パートタイマーやアルバイト等の非正規雇用従業員を除きます。
<大江戸温泉物語グループの概略図>(注) 出資比率を記載していない法人については、各親会社が100%出資しています。
a. 大江戸温泉物語グループについて
大江戸温泉物語グループは「いつでも、気軽に、何度でも。たくさんの笑顔が溢れる、温泉の賑わいを。」をキャッチフレーズとして、お客様に高品質のサービスをお手頃な価格で提供し、温泉の開放感や賑わいを気軽に楽しんでいただくこと及び全国各地の温泉・温浴関連施設を継続的に取得し、大江戸モデルを拡大運営することにより温泉旅館産業を活性化することを目指して事業を行っています。
b. 大江戸温泉物語グループの売上高、客室数及び運営施設数の推移
大江戸温泉物語グループは、全国各地の温泉旅館及び付随するテーマパークの活性化事業の展開を始めた平成19年以降、高品質のサービスをお手頃な価格で提供することを可能にする大江戸モデルを背景に、その売上高、客室数及び運営施設数において成長を続けています。
<大江戸温泉物語グループの売上高、客室数及び運営施設数の推移>出所: 大江戸温泉物語
(注1) 大江戸温泉物語グループは、平成25年度(平成26年2月期)より、決算期を従来の9月末日から2月末日に変更しています。なお、平成26年2月期の売上高については、期末までの直近1年間(平成25年3月1日から平成26年2月末日まで)を集計対象としています。したがって、平成25年3月1日から同年9月末日までの売上高は、平成24年度(平成25年9月期)と平成25年度(平成26年2月期)に、それぞれ重複して算入されています。
(注2) 客室数及び運営施設数は、各期末時点の数値を記載しています。
(注3) 本書の提出日現在において大江戸温泉物語グループが運営する施設のうち、本投資法人の保有施設である「大江戸温泉物語レオマリゾート」は、本投資法人による当該施設の取得以前から、大江戸温泉物語の連結子会社である株式会社レオマユニティーが運営しており、「大江戸温泉物語 箕面観光ホテル」及び「箕面温泉スパーガーデン」は、大江戸温泉物語の連結子会社である大阪観光株式会社が保有・運営しています。大江戸温泉物語グループは、株式会社レオマユニティー及び大阪観光株式会社を平成27年2月期に連結範囲に含めることにしたため、平成26年2月期までと平成27年2月期とで、大江戸温泉物語グループの連結範囲が異なります。さらに、大江戸温泉物語グループは、平成27年にベインキャピタル・プライベートエクイティ・エルピー(Bain Capital Private Equity, LP)が投資助言を行う投資ファンドが発行済株式の全てを間接的に保有する持株会社に買収された後、平成28年にかけて順次グループ内再編を行っています。大江戸温泉物語グループは、平成27年2月期は大江戸温泉ホールディングス株式会社及びその連結子会社により構成されていましたが、上記買収後の平成28年2月期は大江戸温泉物語(上記買収の一環として、上記持株会社が大江戸温泉ホールディングス株式会社を含むグループ会社の一部を吸収合併した後、大江戸温泉物語株式会社に商号を変更しています。)及びその連結子会社により構成されています。したがって、平成27年2月期と平成28年2月期とで、大江戸温泉物語グループの連結範囲は異なります。売上高、客室数及び運営施設数は、上記のような連結範囲の変動にかかわらず、各期間及び時点において大江戸温泉物語グループが運営している施設(当該期間又は時点において連結されていないものを含みます。)を集計対象としています。また、これらの数値は、平成28年2月期及び平成29年2月期の売上高を除き、監査を受けた財務諸表に基づく数値ではないため、不正確であるおそれがあります。
(注4) 上記には、保有資産以外の物件も含まれていますが、本書の提出日現在、本投資法人は大江戸温泉物語グループとの間でこれらの資産について具体的な交渉を行っておらず、現時点において取得する予定はなく、また、今後取得できる保証もありません。
(ロ)事業の状況
大江戸温泉物語グループの財政状態及び経営成績の状況(連結)は、以下のとおりです。
下表のとおり、営業収益は平成28年2月期の38,221百万円に対して平成29年2月期は41,834百万円と約9.4%増加し、キャッシュ・フローの創出力を示すEBITDAは平成28年2月期の5,297百万円に対して平成29年2月期で4,770百万円と約10%減少しています。
(決算情報)(注1)(注2)
(単位:百万円)
| 平成28年2月期 | 平成29年2月期 | |
| 営業収益 | 38,221 | 41,834 |
| 当期純利益 | △700(注3) | 11,572 |
| 総資産額 | 64,478 | 62,570 |
| 純資産額 | 15,532 | 10,879 |
| 有利子負債 | 30,775 | 32,570 |
(参考情報)(注1)(注2)(注4)
(単位:百万円)
| 平成28年2月期 | 平成29年2月期 | |
| EBITDA | 5,297 | 4,770 |
出所: 大江戸温泉物語
(注1) 上記数値のうち営業収益、当期純利益、総資産額、純資産額及び有利子負債並びに後記(注3)記載の各数値は、大江戸温泉物語が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成したものです。平成28年2月期及び平成29年2月期の連結計算書類の作成にあたっては、PwCあらた有限責任監査法人から会社法第436条第2項第1号に基づく監査に準ずる監査を受けていますが、金融商品取引法及び会社法において公認会計士又は監査法人による監査を行うことは要請されていないため、かかる法令に基づき要請される監査を経たものではありません。
(注2) 大江戸温泉物語は、平成29年2月期に本投資法人へ施設を売却すると同時に本投資法人から当該施設を賃借する取引(いわゆるセールス・アンド・リースバック取引)を開始しています。したがって平成28年2月期の数値と平成29年2月期の数値の比較可能性には限界があります。
(注3) 大江戸温泉物語グループは、平成27年にベインキャピタル・プライベートエクイティ・エルピー(Bain Capital Private Equity, LP)が投資助言を行う投資ファンドが発行済株式の全てを間接的に保有する持株会社に買収された後、平成28年にかけて順次グループ内再編を行っています。かかる買収及び組織再編等に係る一時的な費用として446百万円を計上しています。また、平成28年2月期は、かかる買収に伴う「企業結合に関する会計基準」の適用により、大江戸温泉物語グループが保有する資産の時価評価を行ったことに伴い、平成27年2月期より減価償却費が2,445百万円増加しています。
(注4) 「EBITDA」は、金利、税金及び償却費を控除する前の利益であり、以下の算式に基づき営業利益に現金の支出を伴わない費用を加算して算出しています。
EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
EBITDA(平成28年2月期)=営業利益216百万円+減価償却費4,729百万円+のれん償却費351百万円
EBITDA(平成29年2月期)=営業利益1,887百万円+減価償却費2,531百万円+のれん償却費351百万円
なお、「EBITDA」は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準により規定された指標ではなく、大江戸温泉物語グループが、投資家にとって大江戸温泉物語グループの業績を評価するために有用であると考える財務指標です。当該財務指標は、非現金支出項目の影響を除外しています。
(ハ)大江戸モデルの優位性
大江戸温泉物語グループは、「日本文化に根付いた安定した温泉需要」及び「大江戸温泉物語グループ独自のビジネスモデル(大江戸モデル)」をその成長要素として、これらの要素に着目することにより、過去に他の企業や個人事業主が運営していた温泉・温浴関連施設を高収益・安定稼働の施設へと転換することによるビジネスの成長を実現してきました。
<大江戸温泉物語グループの成長要素>a. 日本文化に根付いた安定した温泉需要
日本文化に根付いた温泉に対する需要は長期にわたり安定しており、また、高齢化社会の進展に伴い、大江戸温泉物語グループが想定する主要な顧客層(マスターゲット)のうちの1つであるシニア層から引き続き安定した需要を見込むことができると本投資法人は考えています。
さらに、大江戸温泉物語グループは、これまでは訪日外国人旅行者(インバウンド)の需要にあまり依存することなく事業を拡大してきましたが、近年、インバウンドの需要が増加傾向にあり、政府が進める観光立国政策と相まって、インバウンドによる温泉需要の拡大も期待されることから、中長期的には大江戸温泉物語グループの成長と安定性の強化に資すると本投資法人は考えています。
b. 大江戸温泉物語グループ独自のビジネスモデル(大江戸モデル)
大江戸モデルは、日本文化に根付いた安定した温泉需要に着目した上で、高品質のサービスをお手頃な価格で提供し、より多くのお客様に温泉を気軽に楽しんでいただく機会を創出していくというスタイルであり、大江戸温泉物語グループが想定している主要な顧客層(マスターゲット)であるシニア層及びファミリー層を取り込むことに適したビジネスモデルであると本投資法人は考えています。
大江戸温泉物語グループが運営する温泉・温浴関連施設は、チェーンオペレーションの導入により施設運営の合理化・効率化を図ることで、温泉入浴、食事及び館内エンターテインメント等において、高品質のサービスをお手頃な価格で提供すること(高品質のサービスとお手頃な価格の両立)が可能となり、その結果、平日はシニア層、休日はファミリー層を中心に、高い客室稼働率を維持できていると本投資法人は考えています。
また、大江戸温泉物語グループは、温泉のみではなく、各温泉・温浴関連施設に独自の特徴(顧客満足度の高いバイキング形式による供食及び館内エンターテインメント(大衆演劇等)等)を付加し、大都市のターミナル駅からバスでの送迎を実施する等、「お客様を待つ」商売から「お客様を運んでくる」商売へと一歩進んだ運営を実践しています。さらに、大江戸温泉物語グループは、独自のサービスとして、「いいふろ会員サービス」(注1)を導入しており、施設ごとに異なるクーポンの発行等、リピーターを増やす取組みも行われています(注2)。
これらの施策により、大江戸温泉物語グループが運営する温泉・温浴関連施設の延べ宿泊者数は、平成24年以降、着実に増加しています。
(注1) 「いいふろ会員サービス」とは、大江戸温泉物語グループの会員システムをいい、当該システムに登録している会員を「いいふろ会員」といいます。「いいふろ会員」は、大江戸温泉物語グループが運営する施設を割引料金で利用できるほか、大江戸温泉物語グループが運営する各施設に係る情報提供を受けることができます。
(注2) 今後も大江戸温泉物語グループがかかるサービスを提供できることを保証するものではありません。
<チェーンオペレーションの導入イメージ図><大江戸温泉物語グループの延べ宿泊者数の推移>出所:大江戸温泉物語
(注1) 平成25年9月期の実績を「平成24年度」に、平成26年2月期の実績を「平成25年度」に、平成27年2月期の実績を「平成26年度」に、平成28年2月期の実績を「平成27年度」に、平成29年2月期の実績を「平成28年度」に記載しています。なお、大江戸温泉物語グループは、平成25年度(平成26年2月期)より、決算期を従来の9月末日から2月末日に変更していますが、平成25年度(平成26年2月期)については、期末までの直近1年間(平成25年3月1日から平成26年2月末日まで)を集計対象としています。したがって、平成25年3月1日から同年9月末日までの実績は、平成24年度(平成25年9月期)と平成25年度(平成26年2月期)に、それぞれ重複して算入されています。
(注2) 本書の提出日現在において大江戸温泉物語グループが運営する施設のうち、本投資法人の保有資産である「大江戸温泉物語レオマリゾート」は、本投資法人の取得以前から、大江戸温泉物語の連結子会社である株式会社レオマユニティーが運営しており、「大江戸温泉物語箕面観光ホテル」及び「箕面温泉 スパーガーデン」は、大江戸温泉物語の連結子会社である大阪観光株式会社が保有・運営しています。大江戸温泉物語グループは、大阪観光株式会社株式会社レオマユニティーを平成27年2月期に連結範囲に含めることにしたため、平成26年2月期までと平成27年2月期とで、大江戸温泉物語グループの連結範囲が異なります。延べ宿泊者数については、かかる連結範囲の変動にかかわらず、各期間において大江戸温泉物語グループが運営している施設(当該期間において連結されていないものを含みます。)を集計対象としています。
また、大江戸温泉物語グループが運営する温泉・温浴関連施設全体における平成25年以降の各年の年間平均客室稼働率(注1)は80%以上を維持しており、平成24年以降の年間平均客室稼働率は、大江戸温泉物語グループが運営する温泉・温浴関連施設が分類されるリゾートホテル全体と比較した場合のみならず、シティホテル、ビジネスホテル及び旅館の各宿泊施設タイプ並びに宿泊施設タイプの全体と比較しても高い客室稼働率を実現しています(注2)。
大江戸モデルの特徴としては、i. 効率的なオペレーション、ii. 顧客目線のサービス、及びiii. 集客を最大化するマーケティングの3点が挙げられます(注3)。その概要は、以下のとおりです。
i. 効率的なオペレーション
・ バイキング形式で供用される食材、入浴関連備品、宿泊関連備品等につき、大江戸温泉物語グループの本部主導による取扱業者の集約及び共同購買
・ 清掃等外部委託業者の集約及び合理化(委託範囲の拡大を含みます。)による、人件費の効率化
ii. 顧客目線のサービス
[温泉・温浴設備]
・ 「薬湯風呂」(注4)等の温泉・温浴のバリエーションを広げた、再訪問につながる工夫
・ 眺望や開放感を意識した浴室の設置又はリニューアル
・ マッサージ等の温泉・温浴設備に付随するサービスについて、大江戸温泉物語グループが運営する各温泉・温浴関連施設における統一感のある内容及び価格設定
・ 顧客の選択肢を確保したバリエーションと機能性を付加した浴衣
[バイキング]
・ 共同購買食材に地元の四季折々の食材等を加えた豊富なメニュー
・ 食材を目の前で調理する「ライブキッチン」
・ 大江戸温泉物語グループの本部のサポートによる共通メニュー及び各施設の料理長による独自メニューの提供
[その他設備]
・ 漫画コーナー、ゲームコーナー、カラオケボックス、卓球等の世代を超えて飽きさせない娯楽施設の設置
・ 大衆演劇場、歌謡ステージ、寄席、ボーリング場、その他スポーツ施設等、日帰り客を含むリピーターを惹きつけるコンテンツ
・ 宿泊時利用の寝具、温泉関連商品、土産物等の充実した物販施設
iii. 集客を最大化するマーケティング
・ 主要顧客が在住する大都市又は主要駅と各施設を結ぶ往復バス便の運営
・ いいふろ会員の獲得と専用アプリによる施設でのクーポン券の発行等を通じたリピーター作り
・ 予約センター及びウェブサイト等を通じた、旅行代理店に依存しない自社チャネル経由の集客施策
前記i.からiii.までの施策の実施により、顧客別単価については、大江戸温泉物語グループによる取得前と比較して、より競争力のある価格帯まで引き下げる一方で、総利用客数については、日別・部屋別・グレード別のきめ細かな予約管理を通じた最大化を図り、その結果、施設売上げの増加を図っています。また、集中購買による食材原価低減及びバイキング形式の導入による廃棄コスト低減、オペレーション標準化及びそれを通じた多能工化による生産性向上による人件費低減、さらにリピーターを中心とする顧客基盤に対する直販比率の向上等を柱とした自社チャネル経由の効果的な集客施策を展開することでマーケティング(集客施策)コスト低減を図っています。
大江戸温泉物語グループが過去に取得してきた温泉・温浴関連施設において、大江戸モデルの導入によって収益改善を実現してきた実績から、今後大江戸温泉物語グループが取得することとなる施設についても同様に、大江戸モデルを導入することで収益性の改善を図ることが期待できると本投資法人は考えています。
(注1) 「年間平均客室稼働率」とは、以下の計算式によって求められる数値をいいます。以下同じです。
年間平均客室稼働率=当該年の販売客室数÷当該年の販売可能客室数×100(%)
(注2) 国土交通省観光庁が公表している分類によれば、大江戸温泉物語グループが運営する温泉・温浴関連施設は、全て「リゾートホテル」に分類されます。なお、同分類によれば、「リゾートホテル」は、ホテル(洋式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所(宿泊する場所を多数の人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業のものをいいます。以下、本(注2)において同じです。)以外のものをいいます。以下、本(注2)において同じです。)のうち、行楽地や保養地に建てられた、主に観光客を対象とするものをいい、「ビジネスホテル」は、ホテルのうち、主に出張ビジネスマンを対象とするものをいい、「シティホテル」は、ホテルのうち、リゾートホテル、ビジネスホテル以外の都市部に立地するものをいい、「旅館」とは、和式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所以外のものをいうとされています。
(注3) 大江戸モデルが導入された全施設においてこれらの全ての具体的な施策が採用されているものではありません。また、今後も大江戸温泉物語グループがかかるサービスを提供できることを保証するものではありません。
(注4) 「薬湯風呂」とは、各温泉・温浴関連施設に備えられた、薬剤や薬用植物を混合した風呂をいいます。
<大江戸モデルの導入による業績改善イメージ図><宿泊施設タイプ別の年間平均客室稼働率の推移>出所: 「シティホテル」、「ビジネスホテル」、「リゾートホテル」、「旅館」及び「全体」につき、国土交通省「平成28年度版観光白書」、「大江戸温泉物語グループ」につき、大江戸温泉物語株式会社
(注)平成28年の数値は速報値
c. 大江戸温泉物語グループの成長余地
時間消費型産業の中でも、温泉旅館産業は、個人事業主が経営している等、比較的経営規模の小さい温泉旅館も多く存在し、温泉旅館の後継者問題やいわゆる中小企業金融円滑化法(注1)の終了(平成27年3月)に伴う資金繰りの問題をはじめとした様々な問題を抱えており、運営施設の売却が検討されるケースが増えてきています。大江戸温泉物語グループは、チェーンオペレーションの導入による効率性の追求等、独自のビジネスモデルを活用することにより、過去に他の企業や個人事業主が運営していた温泉・温浴関連施設及びその他用途施設を、高収益・安定稼働の施設に転換することによるビジネスの成長を実現してきており、今後も大江戸温泉物語グループのビジネスの成長を支える外部要因が整っている状況にあると本投資法人は考えています。
また、環境省自然環境局「温泉利用状況」(平成26年度)によれば、全国には約1万3千軒の温泉旅館があり、その中でも大江戸温泉物語グループの取得対象となり得る施設は全国に多数存在していると本投資法人は考えています。
さらに、平成19年以降の大江戸温泉物語グループの施設取得実績の積上げにより、大江戸温泉物語グループへの持込み案件数は、平成26年以降増加傾向にあり、物件の持込みルートが多様化しています(注2)。今後も、温泉旅館産業を取り巻く外部要因の影響を受け、個人事業主が経営する旅館又はホテルを中心に売却案件が増加すると見込まれており、大江戸温泉物語グループへの持込み案件数も、増加が見込まれます。大江戸モデルを活用できる物件を厳選している等の理由により、物件の取得には至っていない事例もあるものの、今後も大江戸温泉物語グループのビジネスが成長していく外部要因が整っている状況にあると本投資法人は考えています。かかる持込み案件による大江戸温泉物語グループの平成28年度から平成29年6月末までの施設取得実績の一例として、平成28年5月に宮城県鳴子温泉に2施設、同年8月に長崎県長崎市の観光エリアと大分県別府温泉に各1施設、同年9月には静岡県熱海温泉に1施設、平成29年4月に岐阜県下呂温泉に1施設、平成29年6月に和歌山県串本温泉に1施設(注3)と、合計7施設の温泉・温浴関連施設を取得しています(注4)。
また、今後は、本投資法人の存在により、大江戸温泉物語グループへのさらなる持込み案件数の拡大が期待できると、本投資法人は考えています。
(注1) 「中小企業金融円滑化法」とは、中小企業等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律(平成21年法律第96号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注2) 本書の提出日現在、大江戸温泉物語グループへの物件の持込みルートは多様化していますが、大江戸温泉物語グループはかかる物件情報の提供主体と特別な契約関係にあるわけではなく、今後も継続して物件情報を取得できることを保証するものではありません。
(注3) 施設を所有する串本温泉ホテル株式会社の株式を取得しております。
(注4) 当該施設は、本投資法人の保有資産ではなく、また、本投資法人は大江戸温泉物語グループとの間で当該施設について具体的な交渉を行っておらず、現時点において取得する予定はなく、また、今後取得できる保証もありません。
(注5) 大江戸温泉物語グループが取得した物件の全てが本投資法人の取得基準に合致するとは限らず、本投資法人は、当該物件のうち、本投資法人の投資基準を満たす物件のみを、本投資法人の投資対象とする予定です。また、本投資法人が、今後、これらの物件を取得できる保証はありません。なお、本投資法人の投資基準については、後記「⑥ 投資方針 (イ) ポートフォリオ構築方針 a. 投資対象資産」をご参照下さい。
<大江戸温泉物語グル―プへの持込み案件数>出所:大江戸温泉物語
<物件の持込みルートの多様化>出所:大江戸温泉物語
(ニ)運営施設の状況
大江戸温泉物語グループは、本書の提出日現在、全国各地において、以下の32物件の温泉・温浴関連施設を運営しています。
<大江戸温泉物語グループの運営する温泉・温浴関連施設><全運営施設の概要>
| 施設名 | 所在地 | 用途 (注1) | 客室数 (注2) | 本投資法人 保有資産 (注3) (注4) |
| 東京・お台場 大江戸温泉物語 | 東京都江東区 | 温泉・温浴 関連施設 | 22 | |
| 大江戸温泉物語 浦安万華郷 | 千葉県浦安市 | 温泉・温浴 関連施設 | 41 | |
| 大江戸温泉物語 天下泰平の湯 すんぷ夢ひろば | 静岡県静岡市 | 温泉・温浴 関連施設 | 14 | |
| 大江戸温泉物語 君津の森 | 千葉県君津市 | 温泉・温浴 関連施設 | 41 | ★ |
| 大江戸温泉物語 日光霧降 | 栃木県日光市 | 温泉・温浴 関連施設 | 98 | |
| ホテル壮観 | 宮城県宮城郡 松島町 | 温泉・温浴 関連施設 | 133 | |
| 大江戸温泉物語 東山グランドホテル | 福島県 会津若松市 | 温泉・温浴 関連施設 | 123 | |
| 大江戸温泉物語 あいづ | 福島県 会津若松市 | 温泉・温浴 関連施設 | 35 | |
| 大江戸温泉物語 仙台コロナの湯 | 宮城県仙台市 | 温泉・温浴 関連施設 | - | |
| 大江戸温泉物語 伊香保 | 群馬県渋川市 | 温泉・温浴 関連施設 | 40 | ★ |
| ホテルニュー塩原 | 栃木県 那須塩原市 | 温泉・温浴 関連施設 | 271 | |
| 鬼怒川観光ホテル | 栃木県日光市 | 温泉・温浴 関連施設 | 172 | |
| ホテル鬼怒川御苑 | 栃木県日光市 | 温泉・温浴 関連施設 | 206 | |
| 大江戸温泉物語 かもしか荘 | 栃木県 那須塩原市 | 温泉・温浴 関連施設 | 60 | ★ |
| 大江戸温泉物語 あたみ | 静岡県熱海市 | 温泉・温浴 関連施設 | 76 | ★ |
| 伊東 ホテルニュー岡部 | 静岡県伊東市 | 温泉・温浴 関連施設 | 109 | ★ |
| 大江戸温泉物語 土肥マリンホテル | 静岡県伊豆市 | 温泉・温浴 関連施設 | 64 | ★ |
| ホテル新光 | 山梨県笛吹市 | 温泉・温浴 関連施設 | 107 | |
| 大江戸温泉物語 鹿教湯 藤館・桜館 | 長野県上田市 | 温泉・温浴 関連施設 | 78 | |
| 山代温泉 山下家 | 石川県加賀市 | 温泉・温浴 関連施設 | 110 | |
| 大江戸温泉物語 ながやま | 石川県加賀市 | 温泉・温浴 関連施設 | 116 | |
| 大江戸温泉物語 あわら | 福井県 あわら市 | 温泉・温浴 関連施設 | 95 | ★ |
| 大江戸温泉物語 きのさき | 兵庫県豊岡市 | 温泉・温浴 関連施設 | 103 | |
| 大江戸温泉物語 箕面観光ホテル/ 箕面温泉 スパーガーデン | 大阪府箕面市 | 温泉・温浴 関連施設 | 231 | |
| 大江戸温泉物語 伊勢志摩 | 三重県志摩市 | 温泉・温浴 関連施設 | 83 | ★ |
| 大江戸温泉物語 レオマリゾート | 香川県丸亀市 | 温泉・温浴 関連施設 | 241 | ★ |
| 大江戸温泉物語 幸雲閣 | 宮城県大崎市 | 温泉・温浴 関連施設 | 98 | |
| 大江戸温泉物語 ますや | 宮城県大崎市 | 温泉・温浴 関連施設 | 70 | |
| 大江戸温泉物語 長崎ホテル清風 | 長崎県長崎市 | 温泉・温浴 関連施設 | 100 | |
| 大江戸温泉物語 別府清風 | 大分県別府市 | 温泉・温浴 関連施設 | 161 | |
| 大江戸温泉物語 熱海伊豆山 ホテル水葉亭 | 静岡県熱海市 | 温泉・温浴 関連施設 | 102 | |
| 大江戸温泉物語 下呂新館 | 岐阜県下呂市 | 温泉・温浴 関連施設 | 99 |
(注1) 「用途」については、本投資法人が対象とする資産の用途の別に従って記載しています。
(注2) 「客室数」は、本書の提出日現在、宿泊用途として使用可能な客室の数を記載しています。
(注3) 大江戸温泉物語グループが運営する施設のうち、本投資法人の保有資産については、「★」を付しています。ただし、「伊東ホテルニュー岡部」のうち、本投資法人の保有資産である相模亭(客室数73)と渡り廊下で連結され、一体的な運営がなされている駿河亭(客室数36)については、本投資法人の保有資産に含まれていません。また、その他の「★」が付されている施設についても、一部の土地及び建物が本投資法人の保有資産に含まれていません。なお、本投資法人の保有資産の詳細については、後記「5運用状況 (2) 投資資産 ②投資不動産物件」をご参照下さい。
(注4) 上記には、本投資法人の保有資産以外の物件も含まれていますが、本書の提出日現在、本投資法人は大江戸温泉物語グループとの間でこれらの資産について具体的な交渉を行っておらず、現時点において取得する予定はなく、また、今後取得できる保証もありません。
(注5) 大江戸温泉物語は平成29年6月30日付で「串本温泉ホテル株式会社」の株式を取得しておりますが、上記には同社が所有するホテルは記載しておりません。
<ポートフォリオマップ>(注) 本書の提出日現在、施設の一部を減築していますが、減築前の写真を掲載しています。
④ 成長戦略
本投資法人は、本資産運用会社にその資産の運用を委託し、大江戸温泉物語グループが保有する温泉・温浴関連施設の運営、プロパティ・マネジメント等に関する情報、ノウハウ及び経営資源等を本投資法人の運用資産の安定的な運営と着実な外部成長に最大限活用していく方針です。
(イ)外部成長
前記「③ 大江戸温泉物語グループの概要 (ハ) 大江戸モデルの優位性 c. 大江戸温泉物語グループの成長余地」に記載のとおり、大江戸温泉物語グループへの持込み案件数は、平成26年以降増加傾向にあり、今後も、適切なリノベーション等によって再生した後に本投資法人の取得対象となり得る温泉・温浴関連施設を含め、大きな拡大ポテンシャルが存在するものと、本投資法人は考えています。本投資法人は、今後も大江戸温泉物語グループから継続的に運用資産を取得する方針であり、スポンサーサポート契約を活用し、大江戸温泉物語グループが保有又は開発する物件を中心に取得していく予定です。
具体的には、本投資法人は、スポンサーサポート契約に基づき、大江戸温泉物語グループから、大江戸温泉物語グループが保有する施設の取得に係る優先交渉権の付与、大江戸温泉物語グループが入手した第三者による物件売却情報の優先的提供及び本投資法人の物件取得に向けたウェアハウジング機能の提供を受け、これらの物件取得に係るスポンサーサポートを通じて、大江戸モデルが導入された温泉・温浴関連施設の継続的な取得を図ります。
また、大江戸モデル導入によるオペレーションの強化等、本投資法人が既存の温泉・温浴関連施設を取得する前提となる大江戸温泉物語グループからのビジネスプラン策定のサポートを受け、大江戸温泉物語グループの温泉・温浴関連施設の再生ノウハウ及びチェーンオペレーションの活用を図ります。
さらに、本投資法人は、大江戸温泉物語グループが保有又は開発する資産を主たる投資対象としつつ、本資産運用会社独自の取得チャネルにより、高収益・安定稼働が見込まれる、第三者保有施設の取得も検討する予定です。本投資法人が重点的な投資対象とする温泉・温浴関連施設には、宿泊施設のほか、日帰り型の温泉・温浴施設、温泉・温浴施設を含む健康、美容等増進施設、レジャー施設や商業施設が複合された温泉・温浴施設をはじめとして、温泉又は温浴の提供をその施設の主要な機能の1つとする、幅広い投資対象が存在します。多様な温泉・温浴関連施設等の取得を通じてポートフォリオの分散や資産クラスとしての流動性の向上を図ることができると本投資法人は考えています。
<優先交渉権の対象となる大江戸温泉物語グループの主な保有資産>(注) 本書の提出日現在、本投資法人は大江戸温泉物語グループとの間で上記各資産について具体的な交渉を行っておらず、現時点において取得する予定はなく、また、今後取得できる保証もありません。
<全国施設数>出所:温浴ビジネス白書2015
a. スポンサーサポートの活用
本投資法人及び本資産運用会社は、大江戸温泉物語との間で、平成28年7月29日付でスポンサーサポート契約を締結しています。
スポンサーサポート契約の概要は、以下のとおりです(注)。
(注) スポンサーサポート契約には、外部成長とは直接関係しない項目も含まれていますが、これらの概要についても一括して以下で記載しています。
<スポンサーサポート契約の概要>
| i. 大江戸温泉物語グループ保有物件情報の優先的提供及び優先交渉権の付与 | ・大江戸温泉物語は、大江戸温泉物語グループが保有又は開発する、国内所在の不動産等(規約に定めるものをいいます。)のうち、その主たる用途が旅館、ホテル、温浴施設、リゾート施設及びアミューズメントパークその他のレジャー施設であるもの(これらの複合用途を含みます。以下、本スポンサーサポート契約の概要において同じです。)(本投資法人の投資基準に適合しない不動産等を含み、以下、本スポンサーサポート契約の概要において「投資適格不動産等」といいます。)を売却しようとする場合には、本投資法人及び本資産運用会社に対し、第三者に先立ち、当該投資適格不動産等に関する情報を優先的に提供し、優先的に売買交渉をする権利(以下、本スポンサーサポート契約の概要において「優先交渉権」といいます。)を付与し、又は当該投資適格不動産等を保有する大江戸温泉物語グループの他の法人をして付与させ、後記<優先交渉権の概要>の記載に従い優先的売買優先交渉権が消滅するまでの間、大江戸温泉物語は、第三者との間で当該投資適格不動産等の売却に関する交渉を行わず、また、当該投資適格不動産等を保有する大江戸温泉物語グループの他の法人をして当該投資適格不動産等の売却に関する交渉を行わせません。 <優先交渉権の概要>・スポンサーサポート契約の定めに従い本投資法人及び本資産運用会社に対し優先交渉権が付与された場合、上記に従い情報の提供を受けた日(同日を含みません。)から10銀行営業日(以下、本スポンサーサポート契約の概要において「優先検討期間」といいます。)以内に、本投資法人又は本資産運用会社は、当該投資適格不動産等の取得の意向の有無を優先交渉権を付与した者(以下、本スポンサーサポート契約の概要において「優先交渉権付与者」といいます。)に回答します。なお、優先交渉権付与者と本投資法人又は本資産運用会社とが別途合意した場合、優先検討期間は、当該合意した期間延長されます。 ・優先交渉権付与者は、優先検討期間内に本投資法人又は本資産運用会社から当該投資適格不動産等の取得の意向がある旨を回答された場合、本投資法人又は本資産運用会社と当該投資適格不動産等の売却の条件について誠実に協議し、合意に達した場合、優先交渉権付与者は、本投資法人に対し、当該投資適格不動産等を売却します。 ・本投資法人又は本資産運用会社が、優先交渉権付与者に対し、(i) 優先検討期間内に取得の意向がある旨を回答しなかった場合、(ii) 取得の意向がない旨を回答した場合、又は(iii) 取得の意向がある旨を回答したものの当該回答を優先交渉権付与者が受領した日(同日を含みません。)から10銀行営業日又は優先交渉権付与者と本投資法人若しくは本資産運用会社とが別途合意して延長された期間内に売却の条件について合意に達しなかった場合、優先交渉権は消滅します。 |
| i. 大江戸温泉物語グループ保有物件情報の優先的提供及び優先交渉権の付与 | <適用除外>以下の事由がある場合には、優先交渉権の付与は行われません。 ・組織再編その他の理由により大江戸温泉物語グループ内において投資適格不動産等の移転を行う場合 ・大江戸温泉物語グループが組成に関与し、匿名組合出資又は優先出資その他の出資を行っているファンド等への投資適格不動産等の移転を行う場合(ただし、この場合には、当該ファンド等を大江戸温泉物語グループとみなして、優先交渉権の付与を行います。) ・大江戸温泉物語グループが行政機関からの要請に基づいて投資適格不動産等を処分する場合 ・大江戸温泉物語グループが当該投資適格不動産等を取得する前からその売却について第三者との協議を開始している場合 ・大江戸温泉物語グループがスポンサーサポート契約締結前に締結済みの第三者との間の契約に基づき、当該第三者に対して優先交渉権を付与する場合 ・大江戸温泉物語グループが第三者と投資適格不動産等を共有又は区分所有している場合で、当該第三者に対して当該投資適格不動産等を譲渡又は優先交渉権を付与することを予め合意している場合、又は本投資法人若しくは本資産運用会社への情報提供につき当該第三者から同意が得られない場合 ・大江戸温泉物語グループが投資適格不動産等について、第三者との間で共同事業又は共同開発を実施している場合で、当該第三者に対して当該投資適格不動産等を譲渡又は優先交渉権を付与することを予め合意している場合、又は本投資法人若しくは本資産運用会社への情報提供につき当該第三者から同意が得られない場合 ・その他やむを得ない事情のある場合 |
| ii. 第三者保有物件情報の相互提供 | ・大江戸温泉物語は、第三者が所有、開発又は運営する投資適格不動産等について、当該投資適格不動産等の所有者が売却を検討していることを知った場合、売主、所有者その他関係当事者の事前承諾が得られることを条件に、その裁量で、本投資法人及び本資産運用会社に対し、当該投資適格不動産等に関する情報を提供するものとし、また、本投資法人及び本資産運用会社に当該情報を提供するまでは、第三者(ただし、大江戸温泉物語の貸付人及びアドバイザーを除きます。)に当該情報を提供しないものとします。また、大江戸温泉物語がスポンサーサポート契約締結前に締結済みである又はスポンサーサポート契約締結後に締結する第三者との契約に基づき優先交渉権の付与を受ける場合で、大江戸温泉物語の指定する第三者が取得主体となることが可能な場合には、本投資法人に対しても優先交渉権を付与するよう努めます。ただし、当該投資適格不動産等が大江戸温泉物語の投資基準に合致する場合には、大江戸温泉物語は、本投資法人及び本資産運用会社に先立ち、当該投資適格不動産等の取得の検討を行うことができます。 ・本資産運用会社が独自に、第三者が所有、開発又は運営する不動産等について、当該不動産等の所有者が売却を検討していることを知り、当該不動産等が大江戸温泉物語の投資基準に合致する場合には、第三者に先立ち、大江戸温泉物語に対し、当該不動産等に関する情報を提供するよう努めます。また、本投資法人又は本資産運用会社がスポンサーサポート契約締結後に締結する第三者との契約に基づき優先交渉権の付与を受ける場合で、自己又は本投資法人若しくは本資産運用会社の指定する第三者に対して優先交渉権の付与を受けることができる場合には、大江戸温泉物語に対しても優先交渉権を付与するよう努めます。ただし、当該不動産等が投資適格不動産等に該当する場合には、本投資法人又は本資産運用会社は、大江戸温泉物語に先立ち、当該不動産等の取得の検討を行うことができます。 |
| iii. ウェアハウジング機能の提供 | ・本投資法人及び本資産運用会社は、将来における本投資法人による投資適格不動産等の取得を目的として、取得予定時期及び取得予定価格又は取得価格の決定方法等を提示した上で、第三者が保有している投資適格不動産等の取得及び一時的な保有(以下、本スポンサーサポート契約の概要において「ウェアハウジング」といいます。)を大江戸温泉物語に依頼することができます。この場合、大江戸温泉物語は、かかる依頼を真摯に検討し、当該依頼を受けた日(同日を含みません。)から10銀行営業日以内に、受諾の意向の有無を本投資法人及び本資産運用会社に対し回答します。 ・大江戸温泉物語が上記に定めるところに従いウェアハウジングの依頼を受諾する意向を表明した場合、大江戸温泉物語、本投資法人及び本資産運用会社は、ウェアハウジングによる取得、保有及び本投資法人への売却等に関する詳細について協議の上、大江戸温泉物語は、当該協議の上合意した内容に従い、必要な場合には貸付人その他の関係者から同意を取得した上で、ウェアハウジングを実施し、当該投資適格不動産等を自ら取得して保有し、又は大江戸温泉物語グループの他の法人若しくはスポンサーが匿名組合出資、優先出資その他の投資を行う特別目的会社(以下、本スポンサーサポート契約の概要において「ウェアハウジングSPC」といいます。)をして取得、保有させるよう努めます。大江戸温泉物語は、ウェアハウジングとして投資適格不動産等を保有している間、本投資法人及び本資産運用会社と合意するところに従い、大江戸温泉物語が有するノウハウを最大限活用し、当該投資適格不動産等の魅力をより高めるよう最大限努力します。 ・大江戸温泉物語は、上記に基づき大江戸温泉物語又は大江戸温泉物語グループの他の法人若しくはウェアハウジングSPCが当該投資適格不動産等を取得した場合、本投資法人及び本資産運用会社の提示した取得予定時期が経過するまでの間、本投資法人及び本資産運用会社の事前の書面による承諾なくして、本投資法人以外の第三者に当該投資適格不動産等の売却その他の処分の申入れをしてはならず、大江戸温泉物語グループの他の法人又はウェアハウジングSPCをして、当該投資適格不動産等の売却その他の処分の申入れをさせてはならず、第三者との間で当該投資適格不動産等の売却に関する交渉を行わず、当該投資適格不動産等を保有する大江戸温泉物語グループの他の法人又はウェアハウジングSPCをして当該投資適格不動産等の売却に関する交渉を行わせません。また、かかる期間内に本投資法人及び本資産運用会社が取得を申し出た場合、大江戸温泉物語、本投資法人及び本資産運用会社との間で取得予定不動産等の売却に関する詳細を合意の上、当該投資適格不動産等を本投資法人に売却します。 ・本投資法人及び本資産運用会社は、本投資法人及び本資産運用会社が提示した取得予定時期に当該取得予定不動産等を取得することが困難となった場合には、大江戸温泉物語に対してその旨及び希望する延長後の取得予定時期を通知することができます。この場合、大江戸温泉物語は、不合理に、取得予定時期の延長を拒絶しないものとします。 |
| iv. 賃貸借契約の締結協議 | ・本資産運用会社が必要と判断した場合、本資産運用会社は大江戸温泉物語に対して、賃料固定型その他の形態の賃貸借契約の締結を申し出ることができ、大江戸温泉物語は、自己又は大江戸温泉物語グループの他の会社をして、当該賃貸借契約を締結することを真摯に検討します。 |
| v. 投資戦略及び物件取得に関する協力 | ・大江戸温泉物語は、本資産運用会社から要請(投資運用業又は投資助言・代理業務に該当する協力要請を含まないものとします。)されたときは、合理的かつ適用法令に反しない範囲で、本投資法人及び本資産運用会社に対し、(i) 旅館、ホテル、温浴施設、リゾート施設及びアミューズメントパークその他のレジャー施設並びに宿泊、レジャー業界に関する知見、情報の提供による投資戦略に関する助言、並びに、(ii) 投資適格不動産等の取得及び運用に関するサポートを行います。ただし、本v.は、本資産運用会社が、大江戸温泉物語に対し、資産の運用に係る権限の全部又は一部の付与を行うものではありません。 |
| vi. 人材確保に関する協力 | ・大江戸温泉物語グループは、本資産運用会社の独自性を尊重しつつ、本投資法人から受託する資産運用業務の遂行に必要な不動産運営管理のノウハウを本資産運用会社に承継させ、かつ、発展させるため、必要とされる人材を大江戸温泉物語グループから本資産運用会社に出向させる等、本資産運用会社及び本投資法人の成長に伴い必要とされる人材の確保に合理的な範囲で努めます。 |
| vii. 投資主優待制度 | ・本投資法人、本資産運用会社及び大江戸温泉物語は、スポンサーサポート契約締結日以降、本投資法人又は大江戸温泉物語グループが保有している旅館、ホテル、温浴施設、リゾート施設及びアミューズメントパークその他のレジャー施設について、その特徴を体験し理解を深める機会を投資主に提供すること等を目的とした投資主優待制度(以下、本vii.において「本優待制度」といいます。)の導入の有無、導入する場合の内容等についての協議を行うものとします。 ・本投資法人及び本資産運用会社が本優待制度として、大江戸温泉物語が管理運営する旅館、ホテル、温浴施設、リゾート施設及びアミューズメントパークその他のレジャー施設について投資主に広く利用させる目的で、宿泊に際し宿泊代金より一定額又は一定料率の割引を受けられる優待券の贈呈その他の方法による優待を行う場合、大江戸温泉物語は、本投資法人及び本資産運用会社と誠実に協議の上合意するところに従い、当該優待券を発行する等、これに協力します。 ・本優待制度に伴い生じる費用等の負担については、別途合意の上定めます。 |
| viii. 投資口の取得及び保有 | ・大江戸温泉物語は、本投資法人及び本資産運用会社に対し、大江戸温泉物語が本投資法人の投資口を取得した場合、本投資法人の投資口の保有を継続するよう努めます。 ・大江戸温泉物語は、本投資法人の投資口の全部又は一部を売却しようとする場合には、本投資法人及び本資産運用会社に対してその旨通知し、誠実に協議します。 |
| ix. 商標の使用許諾 | ・大江戸温泉物語は、本投資法人及び本資産運用会社に対し、大江戸温泉物語の保有する商標(登録第5694250号を含みますがこれに限られません。商標権の存続期間の更新登録がなされた場合の更新登録後の登録商標を含み、以下、本ix.において「本件商標」といいます。)について、本件商標における指定役務の範囲内において使用することを非独占的に許諾します。 ・大江戸温泉物語は、本投資法人及び本資産運用会社が、目論見書、有価証券届出書及び資産運用報告等の開示書類並びにプレスリリース、アナリスト説明会資料及びウェブサイト等のIR媒体において、本投資法人の投資方針及び本投資法人の保有する本件商標を冠した物件に係る情報等の記載として本件商標を記載又は掲載することができることを確認します。 ・本件商標に類似する商標が使用され、本件商標権が侵害されたことが判明した場合、大江戸温泉物語は、大江戸温泉物語の責任と費用負担で当該侵害行為を排除するものとし、本投資法人及び本資産運用会社は、大江戸温泉物語の請求に応じてその対応に協力します。 ・スポンサーサポート契約が終了した場合、スポンサーサポート契約の当事者は、スポンサーサポート契約終了後の本件商標が付された物品、資産等の取扱いについて、誠実に協議し、合意の上定めるものとします。なお、大江戸温泉物語は、かかる協議にあたり、本投資法人及び本資産運用会社に対し、本件商標の使用を中止するために必要な合理的な移行期間を提供するものとします。 |
| x. その他の支援 | ・大江戸温泉物語は、本投資法人及び本資産運用会社から依頼(投資運用業又は投資助言・代理業務に該当する業務を含まないものとします。)された場合、本資産運用会社に対し、合理的かつ適用法令に反しない範囲で、本資産運用会社の役職員に対する研修の提供その他の必要な支援を行います。ただし、本x.は、本資産運用会社が、大江戸温泉物語に対し、資産の運用に係る権限の全部又は一部の付与を行うものではありません。 |
| xi. 報酬 | ・本投資法人及び本資産運用会社並びに大江戸温泉物語は、スポンサーサポート契約の当事者間で別途合意した場合を除き、前記i.からx.までに定める業務について相互に報酬を支払いません。 |
b. 優先交渉権
前記のとおり、本投資法人及び本資産運用会社は、大江戸温泉物語グループから、大江戸温泉物語グループが保有又は開発する温泉・温浴関連施設の取得に関する優先交渉権の付与を受けることができます。本投資法人は、かかる優先交渉権の活用により、大江戸温泉物語グループが運営する大江戸モデルが導入された温泉・温浴関連施設への重点投資を行い、投資主価値の安定的かつ継続的な向上を目指します。
c. ウェアハウジング機能を活用した機動的な不動産の取得
前記のとおり、本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーサポート契約に基づき、大江戸温泉物語グループからウェアハウジング機能の提供を受けることができます。本投資法人は、ウェアハウジング機能の活用により、資金調達の時期や投資基準との整合性の理由で本投資法人が直ちに取得できない不動産について、本投資法人の機動的な取得機会を確保します。
d. 本資産運用会社独自の情報収集
本資産運用会社は、大江戸温泉物語グループからの物件情報に加え、本資産運用会社独自の情報収集力を獲得し、向上させることで、競争力の高い物件の取得に努めます。
(ロ) 内部成長
a. キャッシュ・フローの安定性を確保しつつ、賃料収入のアップサイドを取り込む賃料体系
本投資法人は、投資主の立場に即して、本投資法人の保有する施設から得られる運営上のキャッシュ・フロー及びその賃貸収入を厳格に管理し、その維持・向上を図ります。そのため、本投資法人は、本書の提出日現在における保有資産のテナントである大江戸温泉物語グループ各社との間の各長期賃貸借契約において、高い構成比の(注1)固定賃料部分に加え、一定の条件を満たす場合にGOPに連動して発生する変動賃料(注2)(注3)(注4)部分を組み合わせた賃料(以下「第一賃料」といいます。)に、各施設の不動産運営費(注5)相当額と同額の賃料(以下「第二賃料」といいます。)を加えた賃料体系を採用しています。
キャッシュ・フローの長期安定化につながる長期賃貸借契約における固定賃料及び賃料収入のアップサイドを取り込むための施設ごとのGOPに連動した変動賃料で構成される第一賃料に加え、不動産運営に関して生じる費用をまかなうための第二賃料を設定することにより、キャッシュ・フローの安定性が支えられると本投資法人は考えています。また、各長期賃貸借契約においては、本投資法人の保有資産に係る修繕費の負担については原則テナントが負うこととされており、この点においてキャッシュ・フローの安定性に寄与していると本投資法人は考えています。(注6)
(注1) 本資産運用会社の試算に基づきます。
(注2) 第1期の変動賃料は生じず、第2期の変動賃料は各施設に係る各賃貸借契約に定められた固定額になります。
(注3) 第3期以降の変動賃料は、各施設に関する直近1年間(毎年12月からの6か月間(以下「前期」といいます。)については当年3月から翌年2月までの1年間をいい、毎年6月からの6か月間(以下「後期」といいます。)については前年9月から当年8月までの1年間をいいます。)(以下、これらの1年間を「修正後GOP計算期間」といいます。)における各施設の修正後GOP(※)に各賃貸借契約に定められた一定の料率(以下「変動賃料率」といいます。)を乗じた額となります(年額。月額はその12分の1)。ただし、各施設の修正後GOPに各賃貸借契約に定められた一定の料率(以下「基準賃料負担率」といい、変動賃料率とは異なります。)を乗じて得られる額(以下「変動賃料発生基準額」といいます。)が1年分の固定賃料相当額を上回る場合に、変動賃料が発生します。
(※) 「修正後GOP」とは、修正後GOP計算期間に係る各施設のGOPから、テナントが負担する本物件に関する不動産関係費用(租税公課、損害保険料及び地代家賃を含みますが、これに限定されません。ただし、第二賃料相当額を除きます。)を控除した額をいいます。以下同じです。
(注4) 前期の各月については前年9月から当年8月における、後期の各月については前年3月から当年2月における各施設の修正後GOPに変動賃料率を乗じた額(年額。月額はその12分の1。ただし、当該修正後GOP計算期間に係る変動賃料発生基準額が固定賃料相当額の1年分以下である場合はゼロとします。以下「暫定変動賃料額」といいます。)が暫定的に支払われ、前期及び後期の各最終月に、当該暫定変動賃料額と前期又は後期の各変動賃料額との差額が精算されます。
(注5) 「不動産運営費」とは、本投資法人が保有する各施設につき、本投資法人が負担すべき公租公課及び損害保険料並びにその他費用の合計額をいいます。
(注6) 各保有資産に係る賃貸借契約においては、かかる賃料体系が採用されていますが、本投資法人が今後取得する施設に係る賃貸借契約において、同様の賃料体系が採用されることを保証するものではありません。
<キャッシュ・フローの安定性を確保しつつ、賃料収入のアップサイドを取り込む賃料体系>(注1) 本投資法人及びテナントは、賃貸借期間開始日から3年間は賃料を改定することができず、賃貸借期間開始日から3年間を経過した後は、3年ごとに、賃料の改定について協議します。
(注2) 各保有資産の賃料の詳細については、後記「5運用状況 (2) 投資資産 ② 投資不動産物件(ワ)保有資産の個別不動産の概要」をご参照下さい。
b. 大江戸温泉物語グループとの協働による戦略的な資本的支出の実施
本資産運用会社は、適切であると考えられる業者にプロパティ・マネジメント業務を委託し、施設競争力の維持・向上のための運営・管理・リニューアルを実施し、ポートフォリオの収益力の強化を目指します。
特に、戦略的な資本的支出の実施については、温泉・温浴関連施設への付加価値創造ノウハウのある大江戸温泉物語グループと協働し、保有施設のバリューアップを図ります。例えば、大江戸温泉物語グループにおいては、集客力の向上を図るべく、建物の用途変更や空敷地への増築による客室の増室、露天風呂(注)や温泉・温浴関連施設の更新・増設等の設備更新を行っています。本投資法人は、大江戸温泉物語グループとの協働によるバリューアップを通して、中長期的な賃料収入の安定・向上を指向しています。
大江戸温泉物語グループによるバリューアップの実績事例として、大江戸温泉物語あたみでは、遊休部分を活用した客室の増室及び露天風呂の増設を行っています。
(注) 「露天風呂」とは、各温泉・温浴関連施設に備えられた屋外の浴場をいいます。以下同じです。
<大江戸温泉物語グループとの協働による戦略的な資本的支出の実施>(ハ) 本投資法人と大江戸温泉物語グループのWIN-WINの関係の構築について
a. 基本方針
i. 本投資法人のメリット
本投資法人は、スポンサーである大江戸温泉物語と締結しているスポンサーサポート契約を活用し、大江戸温泉物語グループが保有する施設の売却情報等を優先的に入手し、競争力及び安定性が見込めるとの判断に至った場合、当該施設を取得する方針です。本投資法人は大江戸モデルという独自の施設運営の仕組みを有する大江戸温泉物語グループが運営を行う施設等に投資を行い、その施設から生まれる収益を享受することによって本投資法人のポートフォリオの安定性と成長性の向上を目指します。
ii. 大江戸温泉物語グループのメリット
大江戸温泉物語グループにとっては、その特徴である大江戸モデルのより一層の強化に向け、運営施設数を継続的に増やすべく、新規の施設を取得するために必要な資金を、保有する施設を本投資法人に売却することによって調達することが可能となります。この資金サイクルは大江戸温泉物語グループの経営規模の拡大に寄与することとなり、宿泊施設運営企業としての競争力向上に貢献します。
b. 本投資法人と大江戸温泉物語グループの双方にメリットのある投資主優待制度の導入
本投資法人は、本投資法人が投資する温泉・温浴施設について、その特徴を体験し理解を深める機会を投資主に提供することを目的として、投資主優待制度の導入を決定しました。
i. 開始時期及び対象投資主
平成29年11月30日(基準日)の本投資法人の投資主名簿に記載又は記録された投資主を対象に開始します。東京証券取引所における権利付最終取引日は平成29年11月27日となる見込みです。本投資法人は、以降、各決算期末日を基準日として本投資主優待制度を運営していく方針です。
ii. 送付される優待券の利用対象者
無記名とし、投資主本人以外でも利用可能です。
iii. 投資主優待の提供者
大江戸温泉物語グループ(注1)
iv. 優待内容
宿泊利用料金について、1枚につき1,000円相当の割引を受けられる優待券を送付します。
送付枚数は、各投資主の保有投資口数に応じて以下のとおりとします。なお、保有投資口数が5口未満の投資主に対しては、優待券の送付は行わないものとします。
① 5口以上10口未満の場合 優待券1枚
② 10口以上の場合 優待券2枚
v. 対象施設
本投資法人が所有し、大江戸温泉物語グループが賃借している一定の温泉・温浴関連施設
本投資法人は、投資主優待制度の導入により、本投資法人の投資主に大江戸モデルが導入された温泉・温浴関連施設の利用機会を提供することにより、投資主の満足度のさらなる向上を実現させる一方で、大江戸温泉物語グループにとっては、新規顧客の獲得につながり、大江戸温泉物語グループ全体の売上高の増加に寄与するという効果が期待できると考えています。
(注1) 本資産運用会社は除きます。
(注2) 本優待制度の内容等は今後変更され、又は実施が停止される場合があります。
⑤ 投資主利益を重視した仕組みの導入
本投資法人は、その資産運用に際して、投資主の利益と大江戸温泉物語グループの利益の一体化を図ると共に、利益相反対策と第三者性を確保した運営体制を採用することとし、中立的かつ透明性の高いガバナンス(企業統治)体制の整備・充実を図る方針です。
(イ)利益相反取引に関するガバナンス体制
本投資法人による資産の取得等の際、利害関係人等との取引の場合やチーフ・コンプライアンス・オフィサーが必要と判断した場合には、コンプライアンス委員会における承認が必要となります。なお、コンプライアンス委員会の承認を受ける前に本資産運用会社の投資委員会における決議が必要となります。
本資産運用会社は、コンプライアンス委員会と投資委員会の双方に外部委員を選任し、資産の取得等に係るコンプライアンス委員会の決議は、対象となる議案について議決権を有する過半数の委員が出席して(ただし、チーフ・コンプライアンス・オフィサー及び外部委員の出席は必須とします。)、対象となる議案について議決権を有する出席委員のうち、委員長(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)及び外部委員を含む過半数の委員の賛成により決定されます。また、投資委員会の決議は、対象となる議案について議決権を有する出席委員(ただし、チーフ・コンプライアンス・オフィサー及び外部委員の出席は必須とします。)のうち、外部委員を含む過半数の委員の賛成により決定されます。
また、運用資産の譲渡その他の処分に関する事項は、運用資産の取得等の場合と同様の運営体制にて実行されます。
本資産運用会社は、かかる運営体制を採用することにより、投資判断等につき、第三者性を確保します。
本投資法人は、利害関係人等との取引における利益相反対策を含め、投資主の利益保護の観点から適切な価格・条件での資産取得を行えるような体制を構築しています。利害関係人等との取引制限については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限」をご参照下さい。
(ロ)スポンサーによるセイムボート出資
本投資法人は、投資主の利益と大江戸温泉物語グループの利益を一致させ、本投資法人と大江戸温泉物語グループが共同して事業を行う体制を築き、本投資法人及び大江戸温泉物語グループの相互の利益向上を図るため、大江戸温泉物語との間で、同社が本投資法人への出資を維持するよう努めることについて合意しています。
なお、本書の提出日現在、大江戸温泉物語は、本投資法人の投資口を9,246口所有しており、かかる投資口を今後も継続して所有する意向を有しています。
(ハ)資産運用報酬体系における業績連動型の導入
本投資法人は、運用総資産額に連動する運用報酬のほかに、1口当たり分配金に連動する運用報酬を導入しています。詳細については、後記「4 手数料等及び税金 (3) 管理報酬等」をご参照下さい。
⑥ 投資方針
(イ)ポートフォリオ構築方針
a. 投資対象資産
本投資法人は、中長期にわたり安定した収益を確保するとともに、運用資産の着実な成長を図るため、温泉・温浴関連施設を重点的な投資対象(コアポートフォリオ)とすることを基本戦略とし、その比率は80%以上(取得価格ベース)を目安とします。
また、中長期にわたり安定したキャッシュ・フロー又は安定性をベースとした資産価値の成長が期待できるレジャー施設等のコアポートフォリオと関連性又は親和性が高いその他用途施設にも投資し、投資エリアは全国における主要な観光地、温泉地として認知度の高いエリアを中心に投資していく方針です。
<用途別のポートフォリオ構築方針>
| 用途 | 比率 |
| 温泉・温浴関連施設 | 80%以上 |
| その他用途施設 | 20%未満 |
(注) 上記はあくまでも目安であって、本投資法人の用途別のポートフォリオが上記比率のとおりに構築されることを保証するものではありません。
以下では、本投資法人の主たる投資対象である国内不動産の投資に関して、投資対象である各用途につき、本投資法人が考える投資基準及びその特性を記載しています。
| 用途 | 投資基準 |
| 温泉・温浴関連施設 | ・中長期にわたる、テナントにおける運営収益に対する賃料負担率が適正であるかを、施設稼働率、平均客単価等の運営指標の実績及び将来見込み、並びに施設の主要な顧客層の安定性や競合環境、立地特性等に基づいて評価し、中長期にわたり安定的な賃料収入が見込めること ・将来にわたる追加投資の必要性や建物の状況に関して想定されるリスクとその対応策等を総合的に勘案し、安定的な賃貸事業収益が見込まれること ・テナントの営業状況、財務状況に大きな懸念点がないこと ・施設が対象とする商圏の特性や人口動態、顧客の需要動向、その他の市場の動向を踏まえ、安定的な運営が期待されること |
| その他用途施設 | ・温泉・温浴関連施設における投資基準に準じた評価を行い、中長期における安定的なキャッシュ・フローが想定されるとともに、当該施設の業界の動向、地域における優位性等を踏まえ、安定性、成長性について評価されることを前提に、投資判断を行うものとする |
(ロ) 投資基準
a. 立地
全国における主要な観光地、温泉地として認知度の高いエリアを中心に投資していく方針です。
b. 取得価格
投資に際しては、鑑定評価額を参考に、本資産運用会社の評価額を基本として総合的に判断します。
利害関係人等から不動産、不動産の賃借権、地上権並びに不動産、不動産の賃借権及び地上権を信託する信託受益権(以下、本「b. 取得価格」において「対象資産」と総称します。)を取得する場合は、原則として、利害関係人等でない不動産鑑定士(法人を含みます。以下同じです。)が鑑定した鑑定評価額を超えて取得してはなりません。ただし、当該対象資産を鑑定評価額を上回る価格で取得することに合理的な理由がある場合には、鑑定評価額の110%の価格を上限として取得することができます。この場合、本資産運用会社の投資委員会、コンプライアンス委員会及び取締役会並びに本投資法人の役員会において、鑑定評価額を上回って取得することの適切性について説明し、決議を得なければなりません。なお、鑑定評価額は、対象資産そのものの価格であり、税金、取得費用、信託設定に要する費用、信託勘定内の積立金、信託収益、固定資産税等の期間按分精算額等を含みません。
また、利害関係人等から対象資産以外の特定資産を取得する場合は、時価が把握できるものは時価とし、それ以外は上記に準ずるものとします。
c. 建物構造
建物構造については、温泉・温浴関連施設の目的に照らして必要な強度を有し、宿泊施設として安全性に問題がないと判断できる物件に投資します。特に、築年の古い建築物(以下「築古物件」といいます。)に投資する際には、現地での建物の目視調査を含む非破壊調査を行い、消防法等を含む関連法令に照らし必要と判断される場合は、修繕を実施する等、安全性に配慮し、また、オペレーション上の支障がないことも確認した上で、投資の是非を慎重に判断する方針です。
特に、耐震性能の観点からは、温泉旅館の特性に鑑み、宿泊施設としての安全性が確保されていることを専門家レポート(耐震診断について十分な知識と経験を有する専門家が、外観調査、使用履歴、修繕履歴等により、建物の安全性について調査した結果をまとめたレポート)等で確認していること、PML(注)を確認すること等を条件に、新耐震基準の水準以下の建物構造に投資を行うことができるものとします。詳細については、後記「⑦ デュー・ディリジェンス基準」をご参照下さい。
(注) 「PML(Probable Maximum Loss)」とは、地震による予想最大損失率を意味します。PML値は個別建築物に関するものと、ポートフォリオに関するものに分けられます。PML値についての統一された厳密な定義はありませんが、本書においては、想定した予定使用期間(50年=一般的建物の耐用年数)中に想定される最大規模の地震(475年に一度起こる大地震=50年間に起こる可能性が10%の大地震)によりどの程度の被害を被るかを、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率(%)で示したものを意味します。以下同じです。
d. 付保方針
付保については、投資対象施設の特徴、想定されるリスクと損失予想等を総合的に勘案して、付保の方針を決定するものとし、原則として建物の再調達価格に基づき、財物保険、賠償責任保険の付保を行い、また必要に応じて利益保険の付保を検討するものとします。
また、地震発生の可能性とそれに基づき予想される個別不動産及びポートフォリオ全体への影響(ポートフォリオPML値が10%以上の場合)と、保険料等の負担の収益への影響等を比較検討した上で、地震保険の付保の判断を行います。ただし、1物件のPML値が20%以上の物件がある場合には、原則としてその物件について個別に地震保険を付保する方針です。
e. テナント
テナントの選定にあたっては、当該事業者の社会的信用力を確認し、営業状況、財務状況、及び投資対象施設の運営における優位性等を勘案し、中長期的な賃料収入の安定性が期待できると判断できるテナントを選定します。
f. 権利関係
当該物件の特性に照らし、本投資法人による運用に支障がないと判断できる権利関係であることを原則とします。具体的には、完全所有権、地上権、借地権、温泉権、水利権等権利の態様を確認した上で、共有、区分所有又は借地の場合は、物件の特性を総合的に勘案し、権利関係者の属性等を考慮の上、運営・管理における制約事項が少ないことを原則とします。
g. 運営実績
本投資法人は、原則として、過去の運営実績がない温泉・温浴関連施設への投資は行いません。ただし、未稼働の温泉・温浴関連施設であっても、運営開始後の安定した運営が十分に見込まれ、本投資法人が取得した後に安定した収益が得られるものと判断した場合には、未稼働の物件に対しても、投資を行うことができるものとします。
⑦ デュー・ディリジェンス基準
本投資法人は、不動産関連資産へ投資するに際しては、本資産運用会社において、不動産関連資産の本体をなす不動産又はその裏付けとなる不動産の予想収益、立地エリアの将来性及び安定性等の経済的調査、建築仕様、建物設備、耐震性能、建物管理状況、環境及び土壌汚染調査等の物理的調査並びに建物に係る権利関係等の法的調査を行い、これらの総合的な検証を行います。
また、各調査項目について専門性を有する調査業者等の活用等を含め、本資産運用会社において、その手法、委託先選定の妥当性等につき十分な検討を行うものとします。
| 調査 | 項目 | 内容 |
| 事業性調査 | 施設・設備 | ・ 客室 客室数/客室タイプ/客室面積等 ・ レストラン・大浴場(注1)・その他施設・機能 施設数・施設構成等 |
| マーケット | ・ 地域経済・マーケット全般 ・ 立地 周辺環境/立地・アクセス/周辺施設/ 交通インフラ/温泉湯量等 | |
| 運営実績 | ・ 運営主要指標の調査 ・ 運営実績に基づく賃料負担力の調査 客室稼働率、ADR(注2)、RevPAR(注3)等 | |
| テナント | ・ テナント調査 テナントの信用力/業績/実績等 | |
| 物理的調査 | 建物の遵法性 | ・ 建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。)(以下「建築基準法」といいます。)や都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)(以下「都市計画法」といいます。)等の建築関連法令等の遵守状況の確認 ・ 既存不適格の有無・程度 ・ 建築関連法令、条例、協定等による建築制限等の有無 |
| 建物の状況 | ・ アスベスト、ポリ塩化ビフェニル(PCB)等の有害汚染物質の含有機器及び含有廃棄物の有無 ・ 建築基準法、消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)(以下「消防法」といいます。)、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和45年法律第20号。その後の改正を含みます。)等の建物管理関連法令に沿った各種定期調査報告実施状況 ・ 建物管理状況 | |
| 建物の修繕・ 資本的支出 | ・ 緊急修繕必要箇所の有無 ・ 長期修繕計画 ・ 過去の修繕状況 | |
| 地震リスク・ 耐震性能調査、土壌環境汚染調査 | ・ 個別物件のPML値の算出 ・ ポートフォリオ全体のPML値の算出 ・ 土壌調査 | |
| 法的調査 | 境界調査 | ・ 境界確認の有無(境界に関する訴訟その他の紛争の有無) ・ 越境・被越境物の有無 ・ 未登記建物の有無 |
| 権利関係の確認 | ・ 土地及び建物に関する権利関係の確認(完全所有権、地上権、借地権、共有、分有、区分所有等) ・ 権利に付随する各種契約書等(温泉権又は水利権に関するものを含みます。)の内容 | |
| テナント属性 | ・ テナント関連契約(賃貸借契約、転貸借契約、使用貸借契約等)の調査 ・ 運営委託関連契約の調査 ・ 反社会的勢力の調査(注4) |
(注1) 「大浴場」とは、各温泉・温浴関連施設に備えられた屋内共同浴場をいいます。以下同じです。
(注2) 「ADR」とは、平均客室販売単価(Average Daily Rate)をいい、一定期間の宿泊売上高合計を同期間の販売客室数(稼働した延べ客室数)合計で除した値をいいます。以下同じです。
(注3) 「RevPAR」とは、1日当たり販売可能客室数当たり宿泊売上高合計(Revenue Per Available Room)をいい、一定期間の宿泊売上高合計を同期間の販売可能客室数合計で除した値をいい、ADRと客室稼働率の積にて計算される数値と同値となります。以下同じです。
(注4) 大江戸温泉物語グループをテナントに選定する場合は、当該項目の調査は原則として行いません。
⑧ フォワード・コミットメント等
フォワード・コミットメント等を行う場合には、解約違約金の上限、取得額の上限、契約締結から物件引渡しまでの期間の上限等のルールを定めたフォワード・コミットメント等に係る規程に基づき、当該リスクを管理しています。
⑨ ポートフォリオ運営・管理方針
(イ) 基本方針
運用資産の運用については、投資主のニーズに合致した高品質で魅力的な運用商品を提供するために、運用資産からの安定した収益の確保と資産価値の向上を目指し、透明性の高い運用を行うことを基本方針としています。
(ロ) テナントによる運営パフォーマンスのモニタリング
賃料収入に大きな影響を与えることとなるテナントによる運営パフォーマンスについて、本資産運用会社がモニタリングを行います。前記「④ 成長戦略 (ロ) 内部成長 a. キャッシュ・フローの安定性を確保しつつ、賃料収入のアップサイドを取り込む賃料体系」に記載のとおり、本投資法人は、保有資産のテナントである大江戸温泉物語グループ各社との間の長期賃貸借契約において、固定賃料部分にGOPに連動した変動賃料部分を組み合わせた第一賃料に、各施設の不動産運営費相当額と同額の第二賃料を加えた賃料体系を採用しています。かかる賃料体系においては、テナントによる運営パフォーマンスが各施設の賃貸収入に大きな影響を与えるため、テナントとの間の各長期賃貸借契約において、テナントに対して各施設の運営状況に係る報告義務を課すとともに、テナントによる運営パフォーマンスについて、各施設の売上高やGOP等の経営指標を参考に、本資産運用会社がモニタリングを行います。
(ハ) 修繕・資本的支出
a. 本投資法人が行う修繕・資本的支出の範囲
中長期的な運用資産の収益の維持及び向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性、テナントニーズ等を考慮した個別物件ごとの修繕及び資本的支出に関する計画をPM会社と協議の上策定し、必要な修繕・資本的支出を行います。
修繕及び資本的支出は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費も勘案して判断するものとします。
修繕積立金は、中長期的なポートフォリオ運営を考慮し、減価償却費、並びに修繕及び資本的支出に関する計画を考慮した上で、必要な額を積み立てます。
b. 修繕・資本的支出の原資
本投資法人は、資本的支出について、基本的には毎期計上する減価償却費の額の範囲内で対応しますが、必要に応じて借入等により調達することがあります。
c. 計画策定プロセス
毎期作成される年度運用計画において、本資産運用会社は、テナントの意見を参考に、費用対効果分析を綿密に行って、大規模修繕計画等、資本的支出に係る方針を策定します。資本的支出の実行においては、可能な限り業者からの入札プロセスを採用し、市場水準に比較して価格的及び質的に適切な内容となるよう努めます。
⑩ 財務方針
(イ)エクイティ・ファイナンス
新投資口の発行は、中長期的観点から、本投資法人の運用資産の着実な成長を目指し、金融環境を的確に把握するとともに、投資口の希薄化に配慮しつつ機動的に実施します。
(ロ)デット・ファイナンス
資金調達環境の変化による影響を低減しつつ、低廉な資金調達コストを実現するため、固定金利借入れの割合、借入期間、担保設定の有無等の借入条件を、借入先候補となる適格機関投資家と交渉の上、比較して決定を行います。
(ハ)LTV
LTV(注)の水準は、資金余力の確保に留意しつつ、原則として60%を上限としますが、資産の取得等に伴い、一時的に60%を超えることがあります。
(注) 「LTV」は、以下の計算式により算出されます。
LTV=(借入金残高+投資法人債発行残高)÷総資産額(*)×100
(*)「総資産額」とは、直近の決算期の貸借対照表記載の総資産額をいいます。
(ニ)キャッシュ・マネジメント
手元資金については、計画的に管理し、突発的な資金支出や機動的な資産取得等に備えた必要額を留保し、必要以上の余剰資金は留保せず、負債の返済等を優先します。一定期間にわたり余剰資金の運用が必要な場合は、元本保証のある預金等にて運用します。
⑪ 情報開示方針
(イ)情報開示については、内部情報、機密情報の取扱いについて十分留意しつつ、常に投資家の視点に立ち、迅速、正確、かつ公平に情報を開示することに努めます。
(ロ)適時開示すべき事由に該当する情報が決定又は発生した場合は、速やかに当該情報を開示するものとし、開示の方法については、東京証券取引所の定める有価証券上場規程に従います。
(ハ)金融商品取引法、会社法及び投信法等の関連法を遵守し、本投資法人の情報を適正に開示を行います。