有価証券報告書(内国投資証券)-第13期(2022/06/01-2022/11/30)
(1)【投資方針】
① 本投資法人の基本理念
本投資法人は、温泉・温浴に代表される時間消費型産業(注1)と資本市場をつなぐ担い手となり、人々の余暇活用に貢献する各種サービス事業の発展に資する投資主体となることで、余暇活用型産業(注2)の発展に貢献することを基本理念としています。なかでも、大江戸温泉物語グループが運営する、大江戸モデルが導入された施設を中心とした温泉・温浴関連施設を重点投資対象として(注3)、温泉関連産業の大衆化に資すること及び温泉・温浴関連施設が立地する地域の発展に寄与することを目指しています。本投資法人は、我が国において少子高齢化及び都市部への人口集中等が進み、人口動態の変化による総需要の減少や、社会の情報化・高度化を経て、成熟消費社会(注4)へと突入した昨今、「モノ消費」(注5)から「コト消費」、特により限定的に「体験型消費」と呼ばれるものへと消費活動の軸足が変化していきつつあると考えています。そうした中で、消費者が支払う対価として、機能的な価値を提供するだけではなく、より直接的に消費者が満足感や高揚感を得られる、情緒的な価値を提供することが求められるようになってきています(注6)。
国内においては、離職者を含む高齢人口(65歳以上)の増加に伴う余暇時間の増加(注7)や、働き方改革関連法(正式名称「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成30年法律第71号)」)の制定の背景に見られるような労働時間の短縮と余暇時間増加への動きがあり、さらに新型コロナウイルス感染症への対策が開始されて以降は、いわゆるテレワークの増加が余暇時間増加を促進する部分もあると本投資法人は考えています。こうした中、当面は新型コロナウイルス感染症による需要供給両面への影響からの回復を待つ必要がありますが、中長期的には余暇活用施設における感染症の予防や衛生面での安全・安心の確保が加味された新しい運営方法や、人々が重視する要素や求めるライフスタイルに適合した業態の開発なども含めて、余暇活用型産業への注目は、ますます高まりを見せていくと本投資法人は考えています。
また、海外からの需要(以下、訪日外国人旅行者を「インバウンド」といい、訪日外国人旅行者数を「インバウンド数」といいます。)に関しては、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復は国内需要に比べ時間を要するものと考えていますが、中長期的には日本へのインバウンドの長期的増加トレンドは継続するものと本投資法人は考えています。
以上のような考察に基づき、本投資法人は余暇活用型産業の長期的な成長ポテンシャルは高いと判断しており、その成長を不動産の側面から支え、貢献することを望んでいます。また、余暇活用型産業の中でも温泉関連産業については、人口が集中する都市部の大消費地の消費者と地方を結びつけることで、都市部への人口集中が進む中でも地方においても成立し得る地域産業(注8)として、地方の社会・経済活性化の切り札となる産業となり得るだけでなく、日本人にとって古来より親しまれてきた文化とも呼べる存在が温泉であり、さらに近年(新型コロナ感染症の影響が及ぶ前)では海外からの観光客にも人気が高く、今後も余暇活用型産業の中心をなす存在であることは変わらないと本投資法人は考えています。
他方、厚生労働省が毎年調査内容を公表している「衛生行政報告例」によれば、近年において、営業廃止となる旅館も数多く見られます。本投資法人は、このことについて、長期化する新型コロナウイルス感染症の影響を受けている時期を除き、中長期的には潜在的な温泉への消費者ニーズは安定し、かつ旺盛である反面、供給側としての温泉宿泊施設の多くが、時代に即した消費者のライフスタイルやニーズに十分に対応しきれていないため、魅力を十分に訴求できず、かつては支持された有名施設であっても、営業の不振や財務的な問題等によって、旅館業を廃止する件数が増加していると考えています。
かかる状況のもと、現代の消費者ニーズを捉え、顧客満足度の継続的な向上を図るために、温泉宿泊施設には新たなオペレーションの導入や施設の更新に必要な投資等が求められており、資本市場からの良質な投資資金の活用が望まれると本投資法人は考えています。
本投資法人は、かかる基本理念のもと、その果実としての安定的なキャッシュ・フローを創出するとともに、これまでJ-REITが主たる投資対象としていなかった温泉・温浴関連施設を重点的な投資対象(コアポートフォリオ)としながら、さらに幅広く余暇活用型施設に投資することでポートフォリオの分散やバランスを確保しつつ、投資主価値の継続的かつ安定的な向上を目指します。
(注1) 「時間消費」とは、特定の場所で一定の時間を過ごすこと自体を目的とした消費を意味し、「時間消費型産業」とは、かかる時間消費を目的として構築された産業をいいます。以下同じです。
(注2) 「余暇活用型産業」とは、消費者に対し「愉しみ」、「コミュニケーション」、「癒しとリラクゼーション」、「健康と知的な充実」など、現代人が求める余暇活用と充実した時間の過ごし方を提供することを事業の目的とした産業をいい、その事業の用に供される施設を以下「余暇活用型施設」といいます。
(注3) 本投資法人が対象とする資産の用途の別に従うと、本書の提出日現在において、本投資法人が保有し大江戸温泉物語グループ に賃貸する施設は、全て温泉・温浴関連施設に分類されますが、本投資法人は、温泉・温浴関連施設以外にも、主たる用途が旅館、ホテルその他の宿泊の用に供され、又は供されることが可能な施設、並びにリゾート施設及びアミューズメントパークその他の余暇活用型施設(これらの複合用途を含みます。)についても投資対象としています。なお、本投資法人のポートフォリオ構築方針については、後記「⑥ 投資方針 (イ) ポートフォリオ構築方針」をご参照下さい。また、本投資法人は、その投資対象とする不動産の主たる用途について、ポートフォリオ利回りを確保しつつリスク分散を図るという観点から、従来の温泉・温浴関連施設をはじめとする余暇活用型施設に加え、新たに賃貸住宅その他の住宅の用に供されるアコモデーション施設への投資を可能とするため、本議案を2023年2月27日開催予定の本投資主総会に上程しています。
(注4) 「成熟消費社会」とは、生活水準の上昇により従来消費の対象とされていた製品が広く普及したことに伴い、精神的豊かさや生活の質の向上を重視してなされる消費が重視されるようになった社会をいいます。
(注5) 「モノ消費」とは製品を購入して使用したり、物品の機能的なサービスを享受したりする形態の消費活動をいいます。
(注6) 経済産業省地域経済産業グループによる2015年9月付「平成27年度地域経済産業活性化対策調査(地域の魅力的な空間と機能づくりに関する調査)報告書」参照。
(注7) 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」参照。
(注8) 「地域産業」とは、地方を含む特定の地域に根付いた産業をいいます。以下同じです。
② 基本方針
(イ) 重点投資対象である温泉・温浴関連施設をはじめとする多様な余暇活用型施設への投資を通じたポートフォリオの構築
本投資法人は、重点投資対象とする温泉・温浴関連施設については、大江戸温泉物語グループが運営し、大江戸モデルが導入された施設に加えて、様々なタイプの温泉・温浴関連施設に投資し、コアポートフォリオの形成を目指します。
さらに本投資法人は、温泉・温浴関連施設以外の多様な余暇活用型施設も投資対象とすることで、将来的には、よりバランスと分散の効いたポートフォリオの形成を目指しています。
本投資法人の投資対象である不動産関連資産の本体をなす不動産又はその裏付けとなる不動産の主たる用途は、旅館、ホテルその他の宿泊の用に供され、又は供されることが可能な施設、並びに温浴施設、リゾート施設及びアミューズメントパークその他の余暇活用型施設(これらの複合用途を含みます。)であり、温泉・温浴関連施設以外の具体的な例としては、都市部に立地する観光客向けの宿泊施設、スポーツやアミューズメントを提供する施設、エンターテインメント施設など、さらにそれらが複合した施設等が考えられます。
これらの様々な余暇活用型施設への投資により、ポートフォリオ全体の規模拡大と多様性を高めていくことで、ポートフォリオの安定性の強化とリスク分散を進め、ポートフォリオの価値の向上、ひいては投資主価値の向上に寄与するものと本投資法人は考えています。
具体的には、温泉・温浴関連施設については大江戸温泉物語グループが運営する施設に加えて、高い収益性や安定した顧客層を持つ多様なタイプの温泉宿泊施設やリゾート施設、さらには都市部及び都市近郊の日帰りを中心とした温泉・温浴施設、都市部の温泉・温浴機能付きのホテルなどの取得も検討していきます。
また、温泉・温浴関連施設以外のその他の余暇活用型施設についても、テナントによるオペレーションの特徴や継続性、顧客マーケットの安定性などを重視するほか、立地の特性、建物のスペック、代替テナントの可能性や、用途代替性にも着目して、今後において厳選投資を行っていきます。
<大江戸温泉リート投資法人の投資対象>
(ロ) 重点投資対象とする温泉・温浴関連施設への投資におけるコアとしての、大江戸モデル導入施設の組み入れと安定運用
本投資法人は、重点投資対象とする温泉・温浴関連施設の中でも大江戸温泉物語グループが運営する、大江戸モデルが導入された施設が、ポートフォリオの安定的かつ継続的な成長のための基礎となると考えています。
大江戸モデルの特徴としては、i.温泉・温浴に限らず、顧客が繰り返し利用したくなるような複合的で顧客目線のサービス、及びⅱ.チェーンオペレーション(注1)を活用し、効果的なマーケティングによる大量集客と効率的なオペレーションで実現されるお手頃な価格(注2)が挙げられます。大江戸モデルが導入された施設については、顧客目線で複数のサービスが一体となった体験、時間消費をお手頃な価格設定で提供することが可能です。
サービスについては、様々な温泉・温浴のスタイル、豊富なメニューと出来立てを提供する工夫が施されたバイキング方式の食事、館内でのエンターテインメントなどがセットとして提供され、多くのリピーターからの支持を得ています。
また、独自のチェーンオペレーションによって、食材や備品の集中購買や、きめ細かなコストコントロール(原価管理)といった効率的なオペレーションを行いつつ、大江戸温泉物語グループの本部組織が主導する予約センター及びウェブサイト等の自社チャネル(注3)を経由することにより集客の最大化を可能にすることで、お手頃な価格でのサービス提供を実現しています。
さらに、大江戸モデルの導入、特に集客の最大化の観点からは、各大都市圏からのアクセスが容易であることが重要であり、また、効率的なオペレーションの確保といった観点からも立地条件が重要であると、本投資法人は考えています。
大江戸モデルの導入により、休日に比べて稼働率が低下しがちな平日においては、温泉需要の中心的な顧客層の1つであると考えられるシニア層(注4)をリピーターとして、その需要を取り込むことによって稼働率を向上させることが可能になっていると本投資法人は考えています。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響が継続している時期を除き、週末や夏休み、春休み等の温泉旅行への需要が集中する時期においては、二世代又は三世代にわたるファミリー(家族)を中心とした利用が多く見られます。
また、大江戸モデルが導入された温泉・温浴関連施設は、日常の延長として利用可能な価格設定がなされているため、高価格帯の温泉旅館に比較して、短期的な景気変動や観光需要の変動等に左右される度合いが小さく、シニア層を中心にファミリー客等を加えた幅広い顧客層からの継続的な支持により、安定収益と持続的成長を見込むことができると本投資法人は考えています。
また、本投資法人は、大江戸温泉物語グループ各社がテナントとして運営する施設において、部屋数の拡大、設備更新等の施設のバリューアップ工事及び施設運営について協働します。さらに、本投資法人は、今後、大江戸温泉物語グループ各社以外をテナントとする温泉・温浴関連施設を取得、保有する場合についても、大江戸温泉物語グループが有するノウハウを活用し、変化する消費者ニーズを捉え、運用資産の収益並びに施設競争力の向上及び稼働率等の安定性の向上を図り、内部成長を図る方針です。
(注1) 「チェーンオペレーション」とは、出店計画、商品計画、仕入れ、宣伝等を本部が一括して管理することにより、効率的な多店舗展開を行う経営手法をいいます。以下同じです。
(注2) 「お手頃な価格」について明確な基準を示すことは困難ですが、本投資法人は、目安として、平日において大人3名で1室を利用する場合の標準的なプラン(1泊2食付)が1人当たり10,000円を下回る価格を想定しています。以下同じです。
(注3) 「自社チャネル」とは、一般的に、商品やサービスが、その提供者から最終消費者に到達するまでの流通経路のうち提供者自らが運営または管理するものをいい、本書では、利用者が、大江戸温泉物語グループが運営する予約センター又はウェブサイト等を利用することにより、旅行代理店等を経由せず、直接、施設の利用予約をすることを可能にする戦略をいいます。
(注4) 「シニア層」とは、60歳以上の年代で構成された層をいいます。以下同じです。
<大江戸モデルの特徴>
(ハ)大江戸温泉物語グループからのサポートと本資産運用会社のネットワークを活用した外部成長
本投資法人は、独自の大江戸モデルという事業ノウハウを有する大江戸温泉物語グループからのスポンサーサポートを、利益相反に適切に配慮しつつ、成長戦略の柱として最大限活用します。
大江戸温泉物語グループは、これまで数多くの物件に大江戸モデルを導入してきた運営実績を有しています。本書の提出日現在、全国で37物件(注1)約4,000室の温泉・温浴関連施設(注2)を運営し、大江戸モデルの運営ノウハウを蓄積してきました。
本投資法人は、本資産運用会社とともに大江戸温泉物語株式会社及び大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社との間でスポンサーサポート契約を締結し、優先交渉権の付与を受けることにより、大江戸モデルが導入された温泉・温浴関連施設を継続的に取得し、また、第三者の保有する物件情報の提供及びウェアハウジング機能(注3)の提供等のサポートを活用することで、外部成長を図る方針です。
本投資法人は、これらの大江戸温泉物語グループからのサポートと協働を、その成長戦略の柱として最大限活用いたします。
なお、大江戸温泉物語グループの概要については、後記「④ 大江戸温泉物語グループの概要」を、本投資法人、本資産運用会社、大江戸温泉物語株式会社及び大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社との間で締結されたスポンサーサポート契約の概要については、後記「③ 成長戦略 (イ) 外部成長(本投資法人のユニークな投資対象と投資機会) c. スポンサーサポートの活用」を、それぞれご参照下さい。
本投資法人は、かかるスポンサーサポートに加えて、本資産運用会社が有する、不動産開発業者、売買仲介業者その他の関係者とのネットワーク、並びに温浴、宿泊、観光、リゾート、レジャー・アミューズメント等様々な業界の事業者、店舗資産等の所有者等とのネットワークを最大限活用し、安定的な賃貸事業収益や内部成長が見込める多様な余暇活用型施設の取得を積極的に行っていきます。本投資法人は、余暇活用型施設を将来的にも成長が見込める分野であり、投資機会も豊富に存在すると考えており、そうした機会をとらえた外部成長が本投資法人の成長戦略の中核をなしています。
こうした外部成長によるポートフォリオの規模拡大、リスク分散の進展と資産価値の向上が、投資主価値を長期的な視点で高めていくことにつながるものと本投資法人は考えています。
(注1) 大江戸温泉物語グループが運営する施設のうち、「大江戸温泉物語 レオマリゾート」は、「ホテルレオマの森」及び「ニューレオマワールド」から構成された一体の施設です。また、保有資産ではない「大江戸温泉物語箕面観光ホテル」及び「箕面温泉スパーガーデン」についても、これらを一体の施設として区分しています。以下同じです。
(注2) 大江戸温泉物語グループが運営する各施設の分類については、本投資法人が対象とする資産の用途の別に従い記載しています。以下同じです。なお、大江戸温泉物語グループが運営する施設の概要については、後記「④ 大江戸温泉物語グループの概要 (ハ) 運営施設の状況」をご参照下さい。
(注3) 「ウェアハウジング機能」とは、大江戸温泉物語グループが、将来における本投資法人による投資適格不動産等(主たる用途が、旅館、ホテルその他の宿泊の用に供され、又は供されることが可能な施設、並びに温浴施設、リゾート施設及びアミューズメントパークその他の余暇活用型施設(これらの複合用途を含みます。)で、本投資法人の投資基準に適合しない不動産等を含みます。)の取得を目的として、本投資法人による取得予定時期及び取得予定価格又は取得価格の決定方法等を提示した上で、第三者が保有している投資適格不動産等の取得及び一時的な保有を行った後、本投資法人に当該投資適格不動産等を売却する機能をいいます。以下同じです。
③ 成長戦略
本投資法人は、本資産運用会社にその資産の運用を委託し、本資産運用会社が保有する不動産投資に関する情報、ノウハウに加えて、大江戸温泉物語グループが保有する温泉・温浴関連施設の運営に関する様々な情報、ノウハウ及び経営資源等を本投資法人の運用資産の安定的な運営と内部成長、並びに着実な外部成長に最大限活用していく方針です。なお、当面は新型コロナウイルス感染症がテナントの業況に与える影響が大きく、本投資法人の賃料収入の確保、並びに借入金の借換え等の資金調達及びキャッシュマネジメントなど、収益面、財務面のリスクへの万全な対応を最優先しますが、今後の外部環境の改善時には機動的な成長戦略を打ち出せるよう努めていきます。
(イ)外部成長(本投資法人のユニークな投資対象と投資機会)
a. 投資主価値の継続的かつ安定的な向上をもたらし得る「温泉・温浴関連施設」
本投資法人は、温泉・温浴関連施設について、後継者不足や施設老朽化による競争力低下等の理由から、廃業に踏み切る旅館やホテルの売却案件は継続的に多いと考えています。さらに、当面は新型コロナウイルス感染症の影響による業績の急激な悪化による売却や、生き残りのために必要な資金の調達を目的とする施設不動産の売却なども見込まれます。
このような環境下において、本投資法人は、中長期的な視点を重視し、投資主価値向上に資する物件取得に際して、大江戸温泉物語グループのスポンサー・パイプラインを活用するとともに、本資産運用会社独自のネットワークの活用による多様な温泉・温浴関連施設への取組みにも注力しています。
本投資法人が重点投資対象とする温泉・温浴関連施設は、J-REITにおいてもユニークな投資対象であると本投資法人は考えており、具体的な投資対象としては、旅館・ホテルの形態をとる施設に加え、日帰りでの利用を想定した温泉・温浴関連施設及び温浴施設をその中心的な用途の一つとして含むリゾート施設及び余暇活用型施設等の温泉・温浴関連施設が含まれます。
本投資法人が温泉・温浴関連施設を重点投資対象とする背景として、昨今の「モノ」から「コト」への消費態様の変化も背景とした安定的な温泉需要があること、大江戸温泉物語グループ独自の温泉・温浴関連施設運営モデルである「大江戸モデル」の存在とその導入による活性化対象となり得る旧来型の温泉・温浴関連施設が全国に一定程度あると考えていること、並びに温泉・温浴関連施設は高い成長のポテンシャルを持ったカテゴリーであるということ等があります。
b. 温泉・温浴関連施設と共通するマーケットのポテンシャルがあり、投資主価値の向上に資すると本投資法人が考える、温泉・温浴関連施設以外の余暇活用型施設
成熟消費社会といわれる中にあって、愉しみや、人々とのコミュニケーション、癒しとリラクゼーション、健康と知的な充実といった現代人が余暇活用に求める充実した時間の過ごし方には、温泉・温浴に限らず、宿泊を伴う旅行、スポーツ、エンターテインメント、アミューズメント、健康や美容の増進のための活動など、様々なものがあります。
本投資法人は、温泉・温浴関連施設を軸としつつ、消費者に楽しく豊かな余暇の過ごし方を提供する幅広い余暇活用型施設を投資対象としています。余暇活用型施設の多くは複数のサービスが複合している場合もあり、さらに一部に飲食やショッピングなどが付属しているケースも多くみられます。
こうした施設にはこれまでJ-REITの主たる投資対象とされることが少なかったカテゴリーのものも含まれています。また、かかる施設の所有者の立場からすると、不動産所有にかかるリスクのコントロールの観点や事業拡大等のための財務的ニーズなどから、潜在的な売却のニーズも大きいのではないかと本投資法人は考えています。コト消費へのシフトが進み、インバウンド需要も長期のトレンドとしては増加が見込まれる日本においては、こうした余暇活用型施設の新規供給も増えていく可能性があり、さらに、新しいタイプの余暇活用型施設の登場も予想され、将来にわたる投資機会は大きいと考えています。
c. スポンサーサポートの活用
本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーとの間で、2017年11月1日付で締結したスポンサーサポート契約に規定される条件に従い、大江戸温泉物語グループが保有又は開発する温泉・温浴関連施設について、本投資法人に対して取得に係る優先交渉権が付与されます。かかるスポンサーサポートに基づき提供されるパイプラインは、今後の大江戸温泉物語グループによる新規物件取得による増加が期待されます。本投資法人は、かかるパイプラインに基づき、本投資法人の投資基準を満たす温泉・温浴関連施設を継続的に取得する方針です。
スポンサーサポート契約の概要は、以下のとおりです(注)。
(注) スポンサーサポート契約には、外部成長とは直接関係しない項目も含まれていますが、これらの概要についても一括して以下で記載しています。
<スポンサーサポート契約の概要>
(注) なお、2021年5月31日の投資主名簿に記載又は記録された投資主に対する優待券の送付を最終として、第11期(2021年11月期)より投資主優待制度を廃止しました。
d. 本資産運用会社による、スポンサー・パイプライン以外の物件取得活動
本投資法人は、拡大・多様化する余暇市場のニーズに応え得る施設の供給が、未だ不足していると考えており、さらに新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、新たなライフスタイルに対応した新しいタイプの施設も必要であり、中長期的には余暇活用、時間消費への流れや、グローバルな人の動きが益々拡大していくものと考えています。
本資産運用会社の独自のネットワークの活用により、余暇活用型施設に関する多くの売却情報が入手されており、新型コロナウイルス感染症の経験からの市場変化も見据えた宿泊業やレジャー業界の新しい動きを見極めつつ、現状ポートフォリオのバランス改善とリスク分散に寄与する、都市型立地物件、新規開発物件や築浅物件など、多様な施設の取得に向けて活動していきます。
また、インバウンド需要を主要なターゲットとした施設に関しても、インバウンドのみならず国内客に関しても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による移動の抑制や自粛により抑えられた潜在的な需要のリバウンド効果も期待できることや、長期トレンドとしてのインバウンドの増加は続くと本投資法人は考えていることから、中長期的な投資対象としては取り組んでいきます。
なお、こうした新規取得の実現に向けては、ブリッジストラクチャーの活用等による優先交渉権の確保を引き続き進めていきます(注)。投資を検討する不動産には、開発業者との協働による新築物件や、既存物件の改修やテナント入れ替えを前提とした物件などが含まれます。特に改修が必要な物件は、大江戸温泉物語グループの活性化に関するノウハウを活用することで、長期保有にふさわしい案件となり得ます。
さらに、ホテルやリゾートその他の事業者とのリレーションを通じて、事業者の戦略に沿った適切なスペックや立地の物件を紹介することで、将来的な物件取得に繋げることが期待できるほか、本投資法人が保有する物件の代替テナントを確保する観点からも、こうした戦略的な取り組みを推進していきます。
また、本投資法人が投資対象とする物件には、高い収益性や安定性、成長性などを見込める小規模物件も多くあり、これら物件を複数まとめて取得することで、規模的なメリットも追求しながら、バスケットとしてのリスク分散も効かせるといった取得も検討してまいります。
なお、新規取得の検討においては、業種や業態の競争力、テナントのオペレーション能力や信用力、立地の適合性、建物スペックなど、多角的な観点から検討を加えます。その際、例えば温泉宿泊施設については大江戸温泉物語グループが有する知見を活用するなど、スポンサーによるサポートも重要となります。
また、スポンサーからの情報提供も物件取得活動における大きな力の一つとなります。2017年11月1日付でスポンサーとの間で締結したスポンサーサポート契約において、大江戸温泉物語グループが入手した第三者による物件売却情報の優先的提供が行われます。
(注) 本投資法人が、今後、これらの物件を取得できる保証はありません。
e. ウェアハウジング機能を活用した機動的な不動産の取得
本投資法人は、資金調達の時期や投資基準との整合性の理由で本投資法人が直ちに取得できない不動産について、ウェアハウジング機能の活用により機動的な取得機会を確保します。
本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーサポート契約に基づき、大江戸温泉物語グループからウェアハウジング機能の提供を受けることができます。それに加え、不動産事業会社、ファンド運営会社などの不動産市場参加者の中には、上場投資法人への売却をメインシナリオとして、比較的短期間の不動産保有を行なう先も多くあります。
取り組み方には様々な形態がありますが、実質的なウェアハウジング機能を提供していただけるこうした不動産プレーヤー各社に対して、Win-Winの関係構築により取引を進めていくことも、積極的に検討していきます。
(ロ) 内部成長
a. 安定性を優先した賃料ストラクチャー
本投資法人は、保有施設から得られるキャッシュ・フローの維持・向上を図り、ポートフォリオ収益力の強化と安定化を目指しています。具体的には、本投資法人は、現在のポートフォリオの全物件のテナントである大江戸温泉物語グループ各社との間の長期賃貸借契約において、固定賃料(注1)を中心とし、これに施設ごとのGOPに連動した変動賃料(注1)を加えることで、賃貸収入の長期安定を図っています。さらに施設ごとのGOPをモニタリングするため、宿泊施設の売上高、客室稼働率、ADR(注2)及びRevPAR(注3)の推移を注視しています。そして、これらの指標とGOPの改善を目指し、大江戸温泉物語グループ各社と協働して参ります。
本投資法人は、今後取得する施設について、大江戸温泉物語グループがテナントとなる施設に限らず、他のテナントが入居する施設についても、当面は固定賃料を中心とした安定性重視の賃貸借構造を導入すべくテナントと協議していく方針ですが、一方で将来的なアップサイドが見込める物件においては変動賃料の導入も重要であると考えています。
(注1) 「固定賃料」及び「変動賃料」の意味その他の賃料ストラクチャーの詳細については、後記「<大江戸温泉物語グループとの賃貸借ストラクチャー>~実質的なトリプルネットリースによるキャッシュ・フローの高い安定性~」をご参照下さい。
(注2) 「ADR」とは、平均客室販売単価(Average Daily Rate)をいい、一定期間の宿泊売上高合計を同期間の販売客室数(稼働した延べ客室数)合計で除した値をいいます。以下同じです。
(注3) 「RevPAR」とは、1日当たり販売可能客室数当たり宿泊売上高合計(Revenue Per Available Room)をいい、一定期間の宿泊売上高合計を同期間の販売可能客室数合計で除した値をいい、ADRと客室稼働率の積にて計算される数値と同値となります。以下同じです。
<大江戸温泉物語グループとの賃貸借ストラクチャー>~実質的なトリプルネットリース(注1)によるキャッシュ・フローの高い安定性~
本投資法人は、本書の提出日現在における保有資産のテナントである大江戸温泉物語グループ各社との間の長期賃貸借契約において、高い構成比率を占める(注2)固定部分(注3)に加え、一定の条件を満たす場合にGOPに連動して発生する変動部分(注4)(注5)(注6)を組み合わせた賃料(以下「第一賃料」といいます。)に、各施設の不動産関連費用(注7)相当額と同額(注8)の賃料(以下「第二賃料」といいます。)を加えた、賃料体系を採用しています(注9)。
この賃料体系に加えて、修繕費は原則テナント負担とすることで、キャッシュ・フローの長期安定が図られると本投資法人は考えています。
(注1) 「トリプルネットリース」は、不動産の賃貸借条件を示す用語の一つで、純粋な賃料に加えて、税金・修繕費用・保険料の3種類の費用を全て賃借人が負担する賃貸借をいいます。
(注2) 本資産運用会社の試算に基づきます。
(注3) 「固定部分」とは、各施設に係る各賃貸借契約に定められた月額の固定賃料をいいます。以下同じです。
(注4) 「変動部分」とは、各施設に係る各賃貸借契約に定められた変動賃料をいいます。以下同じです。各物件の賃貸借開始後、最初の期の変動部分は生じておらず、賃貸借開始後2期目の変動部分は各施設に係る各賃貸借契約に定められた固定額になります。
(注5) 賃貸借開始後3期目以降の変動部分は、各施設に関する直近1年間(毎年12月からの6か月間(以下「前期」といいます。)については当年3月から翌年2月までの1年間をいい、毎年6月からの6か月間(以下「後期」といいます。)については前年9月から当年8月までの1年間をいいます。)(以下、これらの1年間を「修正後GOP計算期間」といいます。)における各施設の修正後GOP(※)に各賃貸借契約に定められた一定の料率(以下「変動賃料率」といいます。)を乗じた額となります(年額。月額はその12分の1)。ただし、各施設の修正後GOPに各賃貸借契約に定められた一定の係数(以下「変動賃料発生係数」といい、変動賃料率とは異なります。)を乗じて得られる額(以下「変動賃料発生基準額」といいます。)が1年分の固定部分相当額を上回る場合に、変動部分が発生します。
(※) 「修正後GOP」とは、修正後GOP計算期間に係る各施設のGOPから、テナントが負担する不動産関係費用(租税公課、損害保険料及び地代家賃を含みますが、これに限定されません。ただし、第二賃料相当額を除きます。)を控除した額をいいます。以下同じです。
(注6) 前期の各月については前年9月から当年8月における、後期の各月については前年3月から当年2月における各施設の修正後GOPに変動賃料率を乗じた額(年額。月額はその12分の1。ただし、当該修正後GOP計算期間に係る変動賃料発生基準額が固定部分相当額の1年分以下である場合はゼロとします。以下「暫定変動賃料額」といいます。)が暫定的に支払われ、前期及び後期の各最終月に、当該暫定変動賃料額と前期又は後期の各変動賃料額との差額が精算されます。ただし、各物件の賃貸借開始後3期目についての暫定変動賃料は、賃貸借開始後2期目の変動賃料として各賃貸借契約書に定められた固定額となります。
(注7) 「不動産関連費用」とは、本投資法人が保有する各施設につき、本投資法人が負担すべき公租公課及び損害保険料並びにその他費用の合計額をいいます。以下同じです。
(注8) 各施設の不動産関連費用の実際の変動時期と、それを反映した第二賃料の改定時期についてはずれが生じることがあり、必ずしも同一期間の不動産関連費用の実績と第二賃料が同額となるものではありません。
(注9) 各保有資産に係る各賃貸借契約においては、かかる賃料体系が採用されていますが、本投資法人が今後取得する施設に係る賃貸借契約において、同様の賃料体系が採用されることを保証するものではありません。
(注10) 各保有資産の賃料の詳細については、後記「5 運用状況 (2) 投資資産 ② 投資不動産物件 (ワ) 保有資産の個別不動産の概要」をご参照下さい。
(注11) 「契約期間」及び「途中解約不可期間」は、各施設に係る各賃貸借契約の契約締結時における契約期間及び中途解約不可期間を記載しており、各施設に係る各賃貸借契約の契約期間及び中途解約不可期間の残存期間ではありません。
(注12) 本投資法人及びテナントは、賃貸借期間開始日から3年間は賃料を改定することができず、賃貸借期間開始日から3年間を経過した後は、3年ごとに、賃料の改定について協議します。
b. 安定収益実現の基礎となる温泉需要と大江戸モデル
i. 安定した温泉需要
日本の人口動態の2大ボリュームゾーンであるファミリー層及びシニア層が、大江戸温泉物語グループが想定する主要な顧客層(マスターゲット)であることから、今後も本投資法人の保有資産は、安定的な需要に支えられると本投資法人は考えています。
国立社会保障・人口問題研究所による「日本の将来推計人口(平成29年推計)」によれば、日本の65歳以上の高齢人口は、2042年に3,935万人まで増加していくと予想されており、総人口減少の中にあってもシニア層の温泉需要は底堅いものと期待されます。
またインバウンドの需要に関しては、政府が進める観光立国政策と相まって、近年増加傾向にあった温泉需要も、当面は新型コロナウイルス感染症の影響により激減しているものの、中長期的には拡大が期待されることから、大江戸温泉物語グループの成長と安定性の強化に資すると本投資法人は考えています。さらに、インバウンドが訪問する観光地等も、徐々に地方に広がっていくものと考えられることから、有名温泉地に多く立地する大江戸温泉物語グループの各施設にとっては、中長期的な収益に良い影響をもたらす可能性があると本投資法人は考えています。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響を受けるまでの近年においては、アジア各国からの旅行者の層について、一部の富裕層中心から中間所得層へと広がりが見られてきたと、本投資法人は考えています。こうした所得層にとっても、日本国内と同様に、モノ消費からコト消費への流れはあるとみており、大江戸モデルが導入された温泉・温浴関連施設は高い支持を得られる可能性があると本投資法人は考えています。
ii. 大江戸温泉物語グループ独自のビジネスモデル(大江戸モデル)
大江戸温泉物語グループ独自のビジネスモデルである大江戸モデルは、日本文化に根付き、安定した温泉需要に着目した上で、高品質のサービスをお手頃な価格で提供し、より多くのお客様に温泉を気軽に楽しんでいただく機会を創出していくスタイルであり、大江戸温泉物語グループが想定している主要な顧客層であるシニア層及びファミリー層を取り込むことに適したビジネスモデルであると本投資法人は考えています。
また、大江戸温泉物語グループが過去に取得してきた温泉・温浴関連施設において、大江戸モデルの導入によって収益改善を実現してきた実績から、今後大江戸温泉物語グループが取得することとなる施設についても同様に、大江戸モデルを導入することで収益性の改善を図ることが期待できると本投資法人は考えています。
c. 戦略的CAPEXとテナントとの協働
i. 戦略的CAPEXによる、施設収益力の向上と賃料収入の増加
本投資法人は、適切なプロパティ・マネジメント、施設競争力の維持・向上のための運営・管理・リニューアルを実施するとともに、バリューアップ・ポテンシャルを有する物件には、温泉・温浴関連施設への付加価値創造ノウハウのある大江戸温泉物語グループと協働し、戦略的CAPEXを積極的に実施することで、本来発揮すべき潜在的な収益の追求を図ります。
高い客室稼働率でありながら有効活用可能な未利用スペースを有するなどのバリューアップ・ポテンシャルを有する物件に対しては、賃料収入の拡大のための空敷地への増築投資による客室増加等、収益拡大に向けて戦略的CAPEXを積極的に検討していきます。
ii. テナントとの協働による、施設競争力の向上と変動賃料の増加
本投資法人は、テナントのオペレーションについても、テナントと可能な限り意見交換を行い協働します。例えば温泉・温浴関連施設においては露天風呂(注)や設備の更新・増設等、造作等の変更、集客につながるサービスメニューの追加など、施設競争力の向上につながる諸施策について、中長期的な視点からテナントに必要な承認を与えるなど所有者の立場で協働します。そして、テナント収益の拡大を通じて、変動賃料が導入された施設についてはその増加を図ります。
また中長期的には、インバウンド顧客の取り込みについても、現テナントである大江戸温泉物語グループ各社との意見交換を行い、様々な提案を行うなど協働します。
(注) 「露天風呂」とは、各温泉・温浴関連施設に備えられた屋外の浴場をいいます。以下同じです。
④ 大江戸温泉物語グループの概要
(イ) 大江戸温泉物語グループの概要
大江戸温泉物語グループは、2001年11月に創業し、2003年に東京お台場所在の「東京・お台場 大江戸温泉物語」(注1)を開業し、以来、温泉・温浴関連施設の運営事業を推進してきました。その後、2007年以降、温泉・温浴関連施設の運営ノウハウを活用することにより、全国各地の温泉旅館を中心として、テーマパーク等の余暇活用型施設に付随する温泉・温浴関連施設の活性化事業を展開しており、本書の提出日現在、大江戸温泉物語グループは、37施設(注2)の温泉・温浴関連施設を運営するに至っています。
本書の提出日現在、大江戸温泉物語グループは、大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社及び大江戸温泉物語株式会社並びに本資産運用会社を含めた連結子会社の計9社から構成されており、その保有・運営する温泉・温浴関連施設は、大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社及び(一部の施設については)その子会社により保有・運営がなされています(注3)。
(注1) 本施設は東京都を地権者とする事業用定期借地権設定契約の終了に伴い、2021年9月5日に営業を終了し、閉館しました。
(注2) 大江戸温泉物語グループが運営する施設のうち、「大江戸温泉物語 レオマリゾート」のほか、保有資産ではない「大江戸温泉物語 箕面観光ホテル」及び「箕面温泉 スパーガーデン」についても、これらを一体の施設として区分しています。以下同じです。
(注3) 大江戸温泉物語グループが保有・運営する施設のうち、本投資法人の保有資産である「大江戸温泉物語 レオマリゾート」は株式会社レオマユニティーが、「大江戸温泉物語 箕面観光ホテル」及び「箕面温泉 スパーガーデン」は大阪観光株式会社が、「大江戸温泉物語 山下家」は株式会社山下家が、「大江戸温泉物語 ながやま」は片山津大江戸温泉物語株式会社がそれぞれ保有・運営しています。また、株式会社大江戸温泉レインボーは、土産品店の経営を営んでいます。なお、上記各社は、いずれも大江戸温泉物語グループの連結子会社です。
<大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社の概要>
(注1) 2022年2月末現在の従業員数を記載しており、パートタイマーやアルバイト等の非正規雇用従業員を除きます。
(注2) 大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社の連結財務諸表については、PwCあらた有限責任監査法人から会社法第436条第2項第1号に基づく監査に準ずる監査を受けていますが、金融商品取引法及び会社法において公認会計士又は監査法人による監査を行うことは要請されていないため、かかる法令に基づき要請される監査を経たものではありません。以下同じです。
<大江戸温泉物語グループの資本関係図>
(注) 出資比率を記載していない法人については、各親会社が100%出資しています。
a. 大江戸温泉物語グループについて
大江戸温泉物語グループは「いつでも、気軽に、何度でも。たくさんの笑顔が溢れる、温泉の賑わいを。」をキャッチフレーズとして、お客様に高品質のサービスをお手頃な価格で提供し、温泉の開放感や賑わいを気軽に楽しんでいただくこと及び全国各地の温泉・温浴関連施設を継続的に取得し、大江戸モデルを拡大運営することにより温泉旅館産業を活性化することを目指して事業を行っています。
b. 大江戸温泉物語グループの運営施設数の推移
大江戸温泉物語グループは、全国各地の温泉旅館及び付随するテーマパークの活性化事業の展開を始めた2007年以降、高品質のサービスをお手頃な価格で提供することを可能にする大江戸モデルを背景に成長を続けています。
<大江戸温泉物語グループの運営施設数の推移>
出所: 大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社
(注1) 運営施設数は、各期末時点の数値を記載しています。なお、大江戸温泉物語グループの運営施設のうち、東京・お台場大江戸温泉物語は、東京都を地権者とする事業用定期借地権設定契約の終了に伴い、2021年9月5日に営業を終了し、閉館しました。
(注2) 上記には、保有資産以外の物件も含まれていますが、本書の提出日現在、保有資産を除き、本投資法人は大江戸温泉物語グループとの間でこれらの資産について具体的な交渉を行っておらず、現時点において取得する予定はなく、また、今後取得できる保証もありません。
(ロ) 事業の状況
大江戸温泉物語グループの財政状態及び経営成績の状況(連結)は、以下のとおりです。
本書の提出日現在、大江戸温泉物語グループは、大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社及び大江戸温泉物語株式会社並びに本資産運用会社を含めた連結子会社の計9社から構成されております。
(決算情報)(注1)(注2)
(参考情報)(注1)(注3)
出所: 大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社
(注1) 上記数値のうち営業収益、当期純利益、総資産額、純資産額及び有利子負債の各数値は、大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成したものです。連結財務諸表の作成にあたっては、PwCあらた有限責任監査法人から会社法第436条第2項第1号に基づく監査に準ずる監査を受けていますが、金融商品取引法及び会社法において公認会計士又は監査法人による監査を行うことは要請されていないため、かかる法令に基づき要請される監査を経たものではありません。
(注2) 「EBITDA」は、金利、税金及び償却費を控除する前の利益であり、以下の算式に基づき営業利益に現金の支出を伴わない費用を加算して算出しています。
EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
EBITDA(2021年2月期)=営業利益△12,815百万円+減価償却費2,963百万円+のれん償却費1,572百万円
EBITDA(2022年2月期)=営業利益△10,296百万円+減価償却費2,303百万円+のれん償却費1,572百万円
なお、「EBITDA」は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準により規定された指標ではなく、本投資法人が、投資家にとって大江戸温泉物語グループの業績を評価するために有用であると考える財務指標です。当該財務指標は、非現金支出項目の影響を除外しています。
(ハ)運営施設の状況
大江戸温泉物語グループは、本書の提出日現在、全国各地において、以下の37施設の温泉・温浴関連施設を運営しています。
<全運営施設の概要>
(注1) 「用途」については、本投資法人が対象とする資産の用途の別に従って記載しています。
(注2) 大江戸温泉物語グループが運営する施設のうち、本投資法人の保有資産については、「★」を付しています。ただし、「伊東ホテルニュー岡部」のうち、本投資法人の保有資産である相模亭と渡り廊下で連結され、一体的な運営がなされている駿河亭については、本投資法人の保有資産に含まれていません。また、その他の「★」が付されている施設についても、一部の土地及び建物が本投資法人の保有資産に含まれていません。なお、本投資法人の保有資産の詳細については、後記「5運用状況 (2) 投資資産 ②投資不動産物件 (ワ) 保有資産の個別不動産の概要」をご参照下さい。
(注3) 上記には、本投資法人の保有資産以外の物件も含まれていますが、本書の提出日現在、本投資法人の保有資産を除き、本投資法人は大江戸温泉物語グループとの間でこれらの資産について具体的な交渉を行っておらず、現時点において取得する予定はなく、また、今後取得できる保証もありません。
(注4) 本投資法人は、2022年11月30日付で本資産を譲渡しました。
(注5) 本投資法人は、2022年11月30日付で共有持分30%を譲渡しました。2023年2月28日付で共有持分70%を譲渡します。
⑤ 投資主利益を重視した仕組みの導入
本投資法人は、その資産運用に際して、投資主の利益と大江戸温泉物語グループの利益の一体化を図ると共に、利益相反対策と第三者性を確保した運営体制を採用することとし、中立的かつ透明性の高いガバナンス(企業統治)体制の整備・充実を図る方針です。
(イ)利益相反取引に関するガバナンス体制
本投資法人による資産の取得等の際、利害関係人等との取引の場合やチーフ・コンプライアンス・オフィサーが必要と判断した場合には、コンプライアンス委員会における承認が必要となります。なお、コンプライアンス委員会の承認を受ける前に本資産運用会社の投資委員会における決議が必要となります。
本資産運用会社は、コンプライアンス委員会と投資委員会の双方に外部委員を選任し、資産の取得等に係るコンプライアンス委員会の決議は、対象となる議案について議決権を有する過半数の委員が出席して(ただし、チーフ・コンプライアンス・オフィサー及び外部委員の出席は必須とします。)、対象となる議案について議決権を有する出席委員のうち、委員長(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)及び外部委員を含む過半数の委員の賛成により決定されます。また、投資委員会の決議は、対象となる議案について議決権を有する出席委員(ただし、チーフ・コンプライアンス・オフィサー及び外部委員の出席は必須とします。)のうち、外部委員を含む過半数の委員の賛成により決定されます。
また、運用資産の譲渡その他の処分に関する事項は、運用資産の取得等の場合と同様の運営体制にて実行されます。
本資産運用会社は、かかる運営体制を採用することにより、投資判断等につき、第三者性を確保します。
本投資法人は、利害関係人等との取引における利益相反対策を含め、投資主の利益保護の観点から適切な価格・条件での資産取得を行えるような体制を構築しています。利害関係人等との取引制限については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 利害関係人等取引規程」をご参照下さい。
(ロ)スポンサーによるセイムボート出資
本投資法人は、投資主の利益と大江戸温泉物語グループの利益を一致させ、本投資法人と大江戸温泉物語グループが共同して事業を行う体制を築き、本投資法人及び大江戸温泉物語グループの相互の利益向上を図るため、スポンサーとの間で、同社が本投資法人への出資を維持するよう努めることについて合意しています。
なお、本書の提出日現在、大江戸温泉物語株式会社は、発行済投資口の総口数の3.9%を所有しており、かかる投資口を今後も継続して所有する意向を有しています。
(ハ)資産運用報酬体系における業績連動型の導入
本投資法人は、運用総資産額に連動する運用報酬のほかに、1口当たり分配金に連動する運用報酬を導入しています。詳細については、後記「4 手数料等及び税金 (3) 管理報酬等」をご参照下さい。
⑥ 投資方針
(イ)ポートフォリオ構築方針
a. 投資対象資産
本投資法人は、余暇活用型施設特化リートとして中長期にわたり安定した収益を確保するとともに、運用資産の着実な成長を図るため、温泉・温浴関連施設を重点投資対象としながら、国内・海外ともに需要の増加が見込める「体験型消費」に着目し、消費者から支持される「豊かな余暇の過ごし方を提供する施設」に特化したポートフォリオの構築を目指します。
(注) 本議案の承認可決により、本投資法人の投資対象にアコモデーション施設が含まれることになるため、本議案が原案どおりに
承認可決されることを条件として、これを温泉・温浴関連施設と並ぶ重点的な投資対象(コアポートフォリオ)と位置付ける
とともに、重点的な投資対象(コアポートフォリオ)における投資比率の見直しを行い、アコモデーション施設への投資に際
する投資基準やデュー・ディリジェンスにおける調査項目について設定すること等を目的として、本資産運用会社の運用実務
ガイドラインの一部を変更することを、2023年2月24日開催の本資産運用会社取締役会において決定しています。
<用途別のポートフォリオ構築方針>
(注) 上記はあくまでも目安であって、本投資法人の用途別のポートフォリオが上記比率のとおりに構築されることを保証するものではありません。
以下では、本投資法人の主たる投資対象である国内不動産の投資に関して、投資対象である各用途につき、本投資法人が考える投資基準及びその特性を記載しています。
(ロ) 投資基準
a. 立地
全国における主要な観光地、温泉地として認知度の高いエリアを中心に投資していく方針です。
b. 取得価格
投資に際しては、鑑定評価額を参考に、本資産運用会社の評価額を基本として総合的に判断します。
利害関係人等から不動産、不動産の賃借権、地上権並びに不動産、不動産の賃借権及び地上権を信託する信託受益権(以下、本「b. 取得価格」において「対象資産」と総称します。)を取得する場合は、原則として、利害関係人等でない不動産鑑定士(法人を含みます。以下同じです。)が鑑定した鑑定評価額を超えて取得してはなりません。ただし、当該対象資産を鑑定評価額を上回る価格で取得することに合理的な理由がある場合には、鑑定評価額の110%の価格を上限として取得することができます。この場合、本資産運用会社の投資委員会、コンプライアンス委員会及び取締役会並びに本投資法人の役員会において、鑑定評価額を上回って取得することの適切性について説明し、決議を得なければなりません。なお、鑑定評価額は、対象資産そのものの価格であり、税金、取得費用、信託設定に要する費用、信託勘定内の積立金、信託収益、固定資産税等の期間按分精算額等を含みません。
また、利害関係人等から対象資産以外の特定資産を取得する場合は、時価が把握できるものは時価とし、それ以外は上記に準ずるものとします。
c. 建物構造
建物構造については、温泉・温浴関連施設の目的に照らして必要な強度を有し、宿泊施設として安全性に問題がないと判断できる物件に投資します。特に、築年の古い建築物(以下「築古物件」といいます。)に投資する際には、現地での建物の目視調査を含む非破壊調査を行い、消防法等を含む関連法令に照らし必要と判断される場合は、修繕を実施する等、安全性に配慮し、また、オペレーション上の支障がないことも確認した上で、投資の是非を慎重に判断する方針です。
特に、耐震性能の観点からは、温泉旅館の特性に鑑み、宿泊施設としての安全性が確保されていることを専門家レポート(耐震診断について十分な知識と経験を有する専門家が、外観調査、使用履歴、修繕履歴等により、建物の安全性について調査した結果をまとめたレポート)等で確認していること、PML(注)を確認すること等を条件に、新耐震基準の水準以下の建物構造に投資を行うことができるものとします。詳細については、後記「⑦ デュー・ディリジェンス基準」をご参照下さい。
(注) 「PML(Probable Maximum Loss)」とは、地震による予想最大損失率を意味します。PML値は個別建築物に関するものと、ポートフォリオに関するものに分けられます。PML値についての統一された厳密な定義はありませんが、本書においては、想定した予定使用期間(50年=一般的建物の耐用年数)中に想定される最大規模の地震(475年に一度起こる大地震=50年間に起こる可能性が10%の大地震)によりどの程度の被害を被るか、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率(%)で示したものを意味します。以下同じです。
d. 付保方針
付保については、投資対象施設の特徴、想定されるリスクと損失予想等を総合的に勘案して、付保の方針を決定するものとし、原則として建物の再調達価格に基づき、財物保険、賠償責任保険の付保を行い、また必要に応じて利益保険の付保を検討するものとします。
また、地震発生の可能性とそれに基づき予想される個別不動産及びポートフォリオ全体への影響(ポートフォリオPML値が10%以上の場合)と、保険料等の負担の収益への影響等を比較検討した上で、地震保険の付保の判断を行います。ただし、1物件のPML値が20%以上の物件がある場合には、原則としてその物件について個別に地震保険を付保する方針です。
e. テナント
テナントの選定にあたっては、当該事業者の社会的信用力を確認し、営業状況、財務状況、及び投資対象施設の運営における優位性等を勘案し、中長期的な賃料収入の安定性が期待できると判断できるテナントを選定します。
f. 権利関係
当該物件の特性に照らし、本投資法人による運用に支障がないと判断できる権利関係であることを原則とします。具体的には、完全所有権、地上権、借地権、温泉権、水利権等権利の態様を確認した上で、共有、区分所有又は借地の場合は、物件の特性を総合的に勘案し、権利関係者の属性等を考慮の上、運営・管理における制約事項が少ないことを原則とします。
g. 運営実績
本投資法人は、原則として、過去の運営実績がない温泉・温浴関連施設への投資は行いません。ただし、未稼働の温泉・温浴関連施設であっても、運営開始後の安定した運営が十分に見込まれ、本投資法人が取得した後に安定した収益が得られるものと判断した場合には、未稼働の物件に対しても、投資を行うことができるものとします。
⑦ デュー・ディリジェンス基準
本投資法人は、不動産関連資産へ投資するに際しては、本資産運用会社において、不動産関連資産の本体をなす不動産又はその裏付けとなる不動産の予想収益、立地エリアの将来性及び安定性等の経済的調査、建築仕様、建物設備、耐震性能、建物管理状況、環境及び土壌汚染調査等の物理的調査並びに建物に係る権利関係等の法的調査を行い、これらの総合的な検証を行います。
また、各調査項目について専門性を有する調査業者等の活用等を含め、本資産運用会社において、その手法、委託先選定の妥当性等につき十分な検討を行うものとします。
(注1) 「大浴場」とは、各温泉・温浴関連施設に備えられた屋内共同浴場をいいます。以下同じです。
(注2) 「ADR」とは、平均客室販売単価(Average Daily Rate)をいい、一定期間の宿泊売上高合計を同期間の販売客室数(稼働した延べ客室数)合計で除した値をいいます。以下同じです。
(注3) 「RevPAR」とは、1日当たり販売可能客室数当たり宿泊売上高合計(Revenue Per Available Room)をいい、一定期間の宿泊売上高合計を同期間の販売可能客室数合計で除した値をいい、ADRと客室稼働率の積にて計算される数値と同値となります。以下同じです。
(注4) 大江戸温泉物語グループをテナントに選定する場合は、当該項目の調査は原則として行いません。
⑧ フォワード・コミットメント等
フォワード・コミットメント等を行う場合には、解約違約金の上限、取得額の上限、契約締結から物件引渡しまでの期間の上限等のルールを定めたフォワード・コミットメント等に係る規程に基づき、当該リスクを管理しています。
⑨ ポートフォリオ運営・管理方針
(イ) 基本方針
運用資産の運用については、投資主のニーズに合致した高品質で魅力的な運用商品を提供するために、運用資産からの安定した収益の確保と資産価値の向上を目指し、透明性の高い運用を行うことを基本方針としています。
(ロ) テナントによる運営パフォーマンスのモニタリング
賃料収入に大きな影響を与えることとなるテナントによる運営パフォーマンスについて、本資産運用会社がモニタリングを行います。前記「③ 成長戦略 (ロ) 内部成長 <大江戸温泉物語グループとの賃貸借ストラクチャー>~実質的なトリプルネットリースによるキャッシュ・フローの高い安定性~」に記載のとおり、本投資法人は、保有資産のテナントである大江戸温泉物語グループ各社との間の長期賃貸借契約において、固定部分にGOPに連動した変動部分を組み合わせた第一賃料に、各施設の不動産関連費用相当額と同額の第二賃料を加えた賃料体系を採用しています。かかる賃料体系においては、テナントによる運営パフォーマンスが各施設の賃貸収入に大きな影響を与えるため、テナントとの間の各長期賃貸借契約において、テナントに対して各施設の運営状況に係る報告義務を課すとともに、テナントによる運営パフォーマンスについて、各施設の売上高やGOP等の経営指標を参考に、本資産運用会社がモニタリングを行います。
(ハ) 修繕・資本的支出
a. 本投資法人が行う修繕・資本的支出の範囲
中長期的な運用資産の収益の維持及び向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性、テナントニーズ等を考慮した個別物件ごとの修繕及び資本的支出に関する計画をPM会社と協議の上策定し、必要な修繕・資本的支出を行います。
修繕及び資本的支出は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費も勘案して判断するものとします。
修繕積立金は、中長期的なポートフォリオ運営を考慮し、減価償却費、並びに修繕及び資本的支出に関する計画を考慮した上で、必要な額を積み立てます。
b. 修繕・資本的支出の原資
本投資法人は、資本的支出について、基本的には毎期計上する減価償却費の額の範囲内で対応しますが、必要に応じて借入等により調達することがあります。
c. 計画策定プロセス
毎期作成される年度運用計画において、本資産運用会社は、テナントの意見を参考に、費用対効果分析を綿密に行って、大規模修繕計画等、資本的支出に係る方針を策定します。資本的支出の実行においては、可能な限り業者からの入札プロセスを採用し、市場水準に比較して価格的及び質的に適切な内容となるよう努めます。
⑩ 財務方針
本投資法人は、以下の基本方針を維持しながら保守的な財務基盤維持を重視しつつ、当面は新型コロナウイルス感染症の影響によるリスクへの対応を最優先していきます。
(イ)エクイティ・ファイナンス
新投資口の発行は、投資口の中長期的な価値向上の観点から、本投資法人の運用資産の着実な成長を目指し、金融環境を的確に把握するとともに、中長期的な投資主価値の向上と、1口当たり分配金の希薄化に配慮しつつ機動的に実施します。
(ロ)デット・ファイナンス
資金調達環境の変化による影響を低減しつつ、低廉な資金調達コストを実現するため、固定金利借入れの割合、借入期間、担保設定の有無等の借入条件を、借入先候補となる適格機関投資家と交渉の上、比較して決定を行うことを基本的な方針としています。
なお、具体的には、今後外部成長を図っていく中での資産規模の拡大に伴う必要資金の調達を確保すべく、既存の借入先との良好な関係を維持、強化するとともに資金調達先の多様化を図ってまいります。
また、ポートフォリオの規模拡大とテナントや立地等のリスク分散の推進によりリスクプレミアムの低下を図り、金融コストの低減とともに、高格付けの取得や資金調達手段の多様化、負債の平均年限の長期化や固定金利の導入などを目指します。
(ハ)LTV
LTV(注)の水準は、資金余力の確保に留意しつつ、原則として60%を上限としますが、資産の取得等に伴い、一時的に60%を超えることがあります。なお、かかる基本方針のもと、当面は新型コロナウイルス感染症の影響など資金調達におけるリスクに留意した低めのレベルにコントロールし、巡航ベースでのLTVも40%程度を目安として保守的な水準を維持していく方針です。
(注) 「LTV」は、以下の計算式により算出されます。
LTV=(借入金残高+投資法人債発行残高)÷総資産額(*)×100
(*)「総資産額」とは、直近の決算期の貸借対照表記載の総資産額をいいます。
(ニ)キャッシュマネジメント
手元資金については、計画的に管理し、突発的な資金支出や機動的な資産取得等に備えた必要額を留保するとともに、資金調達環境の状況に応じた必要レベル以上の余剰資金は留保せず、負債の返済等を優先します。一定期間にわたり余剰資金の運用が必要な場合は、元本保証のある預金等にて運用します。
⑪ 情報開示方針
(イ)情報開示については、内部情報、機密情報の取扱いについて十分留意しつつ、常に投資家の視点に立ち、迅速、正確、かつ公平に情報を開示することに努めます。
(ロ)適時開示すべき事由に該当する情報が決定又は発生した場合は、速やかに当該情報を開示するものとし、開示の方法については、東京証券取引所の定める有価証券上場規程に従います。
(ハ)金融商品取引法、会社法及び投信法等の関連法を遵守し、本投資法人の情報を適正に開示を行います。
① 本投資法人の基本理念
本投資法人は、温泉・温浴に代表される時間消費型産業(注1)と資本市場をつなぐ担い手となり、人々の余暇活用に貢献する各種サービス事業の発展に資する投資主体となることで、余暇活用型産業(注2)の発展に貢献することを基本理念としています。なかでも、大江戸温泉物語グループが運営する、大江戸モデルが導入された施設を中心とした温泉・温浴関連施設を重点投資対象として(注3)、温泉関連産業の大衆化に資すること及び温泉・温浴関連施設が立地する地域の発展に寄与することを目指しています。本投資法人は、我が国において少子高齢化及び都市部への人口集中等が進み、人口動態の変化による総需要の減少や、社会の情報化・高度化を経て、成熟消費社会(注4)へと突入した昨今、「モノ消費」(注5)から「コト消費」、特により限定的に「体験型消費」と呼ばれるものへと消費活動の軸足が変化していきつつあると考えています。そうした中で、消費者が支払う対価として、機能的な価値を提供するだけではなく、より直接的に消費者が満足感や高揚感を得られる、情緒的な価値を提供することが求められるようになってきています(注6)。
国内においては、離職者を含む高齢人口(65歳以上)の増加に伴う余暇時間の増加(注7)や、働き方改革関連法(正式名称「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成30年法律第71号)」)の制定の背景に見られるような労働時間の短縮と余暇時間増加への動きがあり、さらに新型コロナウイルス感染症への対策が開始されて以降は、いわゆるテレワークの増加が余暇時間増加を促進する部分もあると本投資法人は考えています。こうした中、当面は新型コロナウイルス感染症による需要供給両面への影響からの回復を待つ必要がありますが、中長期的には余暇活用施設における感染症の予防や衛生面での安全・安心の確保が加味された新しい運営方法や、人々が重視する要素や求めるライフスタイルに適合した業態の開発なども含めて、余暇活用型産業への注目は、ますます高まりを見せていくと本投資法人は考えています。
また、海外からの需要(以下、訪日外国人旅行者を「インバウンド」といい、訪日外国人旅行者数を「インバウンド数」といいます。)に関しては、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復は国内需要に比べ時間を要するものと考えていますが、中長期的には日本へのインバウンドの長期的増加トレンドは継続するものと本投資法人は考えています。
以上のような考察に基づき、本投資法人は余暇活用型産業の長期的な成長ポテンシャルは高いと判断しており、その成長を不動産の側面から支え、貢献することを望んでいます。また、余暇活用型産業の中でも温泉関連産業については、人口が集中する都市部の大消費地の消費者と地方を結びつけることで、都市部への人口集中が進む中でも地方においても成立し得る地域産業(注8)として、地方の社会・経済活性化の切り札となる産業となり得るだけでなく、日本人にとって古来より親しまれてきた文化とも呼べる存在が温泉であり、さらに近年(新型コロナ感染症の影響が及ぶ前)では海外からの観光客にも人気が高く、今後も余暇活用型産業の中心をなす存在であることは変わらないと本投資法人は考えています。
他方、厚生労働省が毎年調査内容を公表している「衛生行政報告例」によれば、近年において、営業廃止となる旅館も数多く見られます。本投資法人は、このことについて、長期化する新型コロナウイルス感染症の影響を受けている時期を除き、中長期的には潜在的な温泉への消費者ニーズは安定し、かつ旺盛である反面、供給側としての温泉宿泊施設の多くが、時代に即した消費者のライフスタイルやニーズに十分に対応しきれていないため、魅力を十分に訴求できず、かつては支持された有名施設であっても、営業の不振や財務的な問題等によって、旅館業を廃止する件数が増加していると考えています。
かかる状況のもと、現代の消費者ニーズを捉え、顧客満足度の継続的な向上を図るために、温泉宿泊施設には新たなオペレーションの導入や施設の更新に必要な投資等が求められており、資本市場からの良質な投資資金の活用が望まれると本投資法人は考えています。
本投資法人は、かかる基本理念のもと、その果実としての安定的なキャッシュ・フローを創出するとともに、これまでJ-REITが主たる投資対象としていなかった温泉・温浴関連施設を重点的な投資対象(コアポートフォリオ)としながら、さらに幅広く余暇活用型施設に投資することでポートフォリオの分散やバランスを確保しつつ、投資主価値の継続的かつ安定的な向上を目指します。
(注1) 「時間消費」とは、特定の場所で一定の時間を過ごすこと自体を目的とした消費を意味し、「時間消費型産業」とは、かかる時間消費を目的として構築された産業をいいます。以下同じです。
(注2) 「余暇活用型産業」とは、消費者に対し「愉しみ」、「コミュニケーション」、「癒しとリラクゼーション」、「健康と知的な充実」など、現代人が求める余暇活用と充実した時間の過ごし方を提供することを事業の目的とした産業をいい、その事業の用に供される施設を以下「余暇活用型施設」といいます。
(注3) 本投資法人が対象とする資産の用途の別に従うと、本書の提出日現在において、本投資法人が保有し大江戸温泉物語グループ に賃貸する施設は、全て温泉・温浴関連施設に分類されますが、本投資法人は、温泉・温浴関連施設以外にも、主たる用途が旅館、ホテルその他の宿泊の用に供され、又は供されることが可能な施設、並びにリゾート施設及びアミューズメントパークその他の余暇活用型施設(これらの複合用途を含みます。)についても投資対象としています。なお、本投資法人のポートフォリオ構築方針については、後記「⑥ 投資方針 (イ) ポートフォリオ構築方針」をご参照下さい。また、本投資法人は、その投資対象とする不動産の主たる用途について、ポートフォリオ利回りを確保しつつリスク分散を図るという観点から、従来の温泉・温浴関連施設をはじめとする余暇活用型施設に加え、新たに賃貸住宅その他の住宅の用に供されるアコモデーション施設への投資を可能とするため、本議案を2023年2月27日開催予定の本投資主総会に上程しています。
(注4) 「成熟消費社会」とは、生活水準の上昇により従来消費の対象とされていた製品が広く普及したことに伴い、精神的豊かさや生活の質の向上を重視してなされる消費が重視されるようになった社会をいいます。
(注5) 「モノ消費」とは製品を購入して使用したり、物品の機能的なサービスを享受したりする形態の消費活動をいいます。
(注6) 経済産業省地域経済産業グループによる2015年9月付「平成27年度地域経済産業活性化対策調査(地域の魅力的な空間と機能づくりに関する調査)報告書」参照。
(注7) 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」参照。
(注8) 「地域産業」とは、地方を含む特定の地域に根付いた産業をいいます。以下同じです。
② 基本方針
(イ) 重点投資対象である温泉・温浴関連施設をはじめとする多様な余暇活用型施設への投資を通じたポートフォリオの構築
本投資法人は、重点投資対象とする温泉・温浴関連施設については、大江戸温泉物語グループが運営し、大江戸モデルが導入された施設に加えて、様々なタイプの温泉・温浴関連施設に投資し、コアポートフォリオの形成を目指します。
さらに本投資法人は、温泉・温浴関連施設以外の多様な余暇活用型施設も投資対象とすることで、将来的には、よりバランスと分散の効いたポートフォリオの形成を目指しています。
本投資法人の投資対象である不動産関連資産の本体をなす不動産又はその裏付けとなる不動産の主たる用途は、旅館、ホテルその他の宿泊の用に供され、又は供されることが可能な施設、並びに温浴施設、リゾート施設及びアミューズメントパークその他の余暇活用型施設(これらの複合用途を含みます。)であり、温泉・温浴関連施設以外の具体的な例としては、都市部に立地する観光客向けの宿泊施設、スポーツやアミューズメントを提供する施設、エンターテインメント施設など、さらにそれらが複合した施設等が考えられます。
これらの様々な余暇活用型施設への投資により、ポートフォリオ全体の規模拡大と多様性を高めていくことで、ポートフォリオの安定性の強化とリスク分散を進め、ポートフォリオの価値の向上、ひいては投資主価値の向上に寄与するものと本投資法人は考えています。
具体的には、温泉・温浴関連施設については大江戸温泉物語グループが運営する施設に加えて、高い収益性や安定した顧客層を持つ多様なタイプの温泉宿泊施設やリゾート施設、さらには都市部及び都市近郊の日帰りを中心とした温泉・温浴施設、都市部の温泉・温浴機能付きのホテルなどの取得も検討していきます。
また、温泉・温浴関連施設以外のその他の余暇活用型施設についても、テナントによるオペレーションの特徴や継続性、顧客マーケットの安定性などを重視するほか、立地の特性、建物のスペック、代替テナントの可能性や、用途代替性にも着目して、今後において厳選投資を行っていきます。
<大江戸温泉リート投資法人の投資対象>

(ロ) 重点投資対象とする温泉・温浴関連施設への投資におけるコアとしての、大江戸モデル導入施設の組み入れと安定運用
本投資法人は、重点投資対象とする温泉・温浴関連施設の中でも大江戸温泉物語グループが運営する、大江戸モデルが導入された施設が、ポートフォリオの安定的かつ継続的な成長のための基礎となると考えています。
大江戸モデルの特徴としては、i.温泉・温浴に限らず、顧客が繰り返し利用したくなるような複合的で顧客目線のサービス、及びⅱ.チェーンオペレーション(注1)を活用し、効果的なマーケティングによる大量集客と効率的なオペレーションで実現されるお手頃な価格(注2)が挙げられます。大江戸モデルが導入された施設については、顧客目線で複数のサービスが一体となった体験、時間消費をお手頃な価格設定で提供することが可能です。
サービスについては、様々な温泉・温浴のスタイル、豊富なメニューと出来立てを提供する工夫が施されたバイキング方式の食事、館内でのエンターテインメントなどがセットとして提供され、多くのリピーターからの支持を得ています。
また、独自のチェーンオペレーションによって、食材や備品の集中購買や、きめ細かなコストコントロール(原価管理)といった効率的なオペレーションを行いつつ、大江戸温泉物語グループの本部組織が主導する予約センター及びウェブサイト等の自社チャネル(注3)を経由することにより集客の最大化を可能にすることで、お手頃な価格でのサービス提供を実現しています。
さらに、大江戸モデルの導入、特に集客の最大化の観点からは、各大都市圏からのアクセスが容易であることが重要であり、また、効率的なオペレーションの確保といった観点からも立地条件が重要であると、本投資法人は考えています。
大江戸モデルの導入により、休日に比べて稼働率が低下しがちな平日においては、温泉需要の中心的な顧客層の1つであると考えられるシニア層(注4)をリピーターとして、その需要を取り込むことによって稼働率を向上させることが可能になっていると本投資法人は考えています。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響が継続している時期を除き、週末や夏休み、春休み等の温泉旅行への需要が集中する時期においては、二世代又は三世代にわたるファミリー(家族)を中心とした利用が多く見られます。
また、大江戸モデルが導入された温泉・温浴関連施設は、日常の延長として利用可能な価格設定がなされているため、高価格帯の温泉旅館に比較して、短期的な景気変動や観光需要の変動等に左右される度合いが小さく、シニア層を中心にファミリー客等を加えた幅広い顧客層からの継続的な支持により、安定収益と持続的成長を見込むことができると本投資法人は考えています。
また、本投資法人は、大江戸温泉物語グループ各社がテナントとして運営する施設において、部屋数の拡大、設備更新等の施設のバリューアップ工事及び施設運営について協働します。さらに、本投資法人は、今後、大江戸温泉物語グループ各社以外をテナントとする温泉・温浴関連施設を取得、保有する場合についても、大江戸温泉物語グループが有するノウハウを活用し、変化する消費者ニーズを捉え、運用資産の収益並びに施設競争力の向上及び稼働率等の安定性の向上を図り、内部成長を図る方針です。
(注1) 「チェーンオペレーション」とは、出店計画、商品計画、仕入れ、宣伝等を本部が一括して管理することにより、効率的な多店舗展開を行う経営手法をいいます。以下同じです。
(注2) 「お手頃な価格」について明確な基準を示すことは困難ですが、本投資法人は、目安として、平日において大人3名で1室を利用する場合の標準的なプラン(1泊2食付)が1人当たり10,000円を下回る価格を想定しています。以下同じです。
(注3) 「自社チャネル」とは、一般的に、商品やサービスが、その提供者から最終消費者に到達するまでの流通経路のうち提供者自らが運営または管理するものをいい、本書では、利用者が、大江戸温泉物語グループが運営する予約センター又はウェブサイト等を利用することにより、旅行代理店等を経由せず、直接、施設の利用予約をすることを可能にする戦略をいいます。
(注4) 「シニア層」とは、60歳以上の年代で構成された層をいいます。以下同じです。
<大江戸モデルの特徴>

(ハ)大江戸温泉物語グループからのサポートと本資産運用会社のネットワークを活用した外部成長
本投資法人は、独自の大江戸モデルという事業ノウハウを有する大江戸温泉物語グループからのスポンサーサポートを、利益相反に適切に配慮しつつ、成長戦略の柱として最大限活用します。
大江戸温泉物語グループは、これまで数多くの物件に大江戸モデルを導入してきた運営実績を有しています。本書の提出日現在、全国で37物件(注1)約4,000室の温泉・温浴関連施設(注2)を運営し、大江戸モデルの運営ノウハウを蓄積してきました。
本投資法人は、本資産運用会社とともに大江戸温泉物語株式会社及び大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社との間でスポンサーサポート契約を締結し、優先交渉権の付与を受けることにより、大江戸モデルが導入された温泉・温浴関連施設を継続的に取得し、また、第三者の保有する物件情報の提供及びウェアハウジング機能(注3)の提供等のサポートを活用することで、外部成長を図る方針です。
本投資法人は、これらの大江戸温泉物語グループからのサポートと協働を、その成長戦略の柱として最大限活用いたします。
なお、大江戸温泉物語グループの概要については、後記「④ 大江戸温泉物語グループの概要」を、本投資法人、本資産運用会社、大江戸温泉物語株式会社及び大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社との間で締結されたスポンサーサポート契約の概要については、後記「③ 成長戦略 (イ) 外部成長(本投資法人のユニークな投資対象と投資機会) c. スポンサーサポートの活用」を、それぞれご参照下さい。
本投資法人は、かかるスポンサーサポートに加えて、本資産運用会社が有する、不動産開発業者、売買仲介業者その他の関係者とのネットワーク、並びに温浴、宿泊、観光、リゾート、レジャー・アミューズメント等様々な業界の事業者、店舗資産等の所有者等とのネットワークを最大限活用し、安定的な賃貸事業収益や内部成長が見込める多様な余暇活用型施設の取得を積極的に行っていきます。本投資法人は、余暇活用型施設を将来的にも成長が見込める分野であり、投資機会も豊富に存在すると考えており、そうした機会をとらえた外部成長が本投資法人の成長戦略の中核をなしています。
こうした外部成長によるポートフォリオの規模拡大、リスク分散の進展と資産価値の向上が、投資主価値を長期的な視点で高めていくことにつながるものと本投資法人は考えています。
(注1) 大江戸温泉物語グループが運営する施設のうち、「大江戸温泉物語 レオマリゾート」は、「ホテルレオマの森」及び「ニューレオマワールド」から構成された一体の施設です。また、保有資産ではない「大江戸温泉物語箕面観光ホテル」及び「箕面温泉スパーガーデン」についても、これらを一体の施設として区分しています。以下同じです。
(注2) 大江戸温泉物語グループが運営する各施設の分類については、本投資法人が対象とする資産の用途の別に従い記載しています。以下同じです。なお、大江戸温泉物語グループが運営する施設の概要については、後記「④ 大江戸温泉物語グループの概要 (ハ) 運営施設の状況」をご参照下さい。
(注3) 「ウェアハウジング機能」とは、大江戸温泉物語グループが、将来における本投資法人による投資適格不動産等(主たる用途が、旅館、ホテルその他の宿泊の用に供され、又は供されることが可能な施設、並びに温浴施設、リゾート施設及びアミューズメントパークその他の余暇活用型施設(これらの複合用途を含みます。)で、本投資法人の投資基準に適合しない不動産等を含みます。)の取得を目的として、本投資法人による取得予定時期及び取得予定価格又は取得価格の決定方法等を提示した上で、第三者が保有している投資適格不動産等の取得及び一時的な保有を行った後、本投資法人に当該投資適格不動産等を売却する機能をいいます。以下同じです。
③ 成長戦略
本投資法人は、本資産運用会社にその資産の運用を委託し、本資産運用会社が保有する不動産投資に関する情報、ノウハウに加えて、大江戸温泉物語グループが保有する温泉・温浴関連施設の運営に関する様々な情報、ノウハウ及び経営資源等を本投資法人の運用資産の安定的な運営と内部成長、並びに着実な外部成長に最大限活用していく方針です。なお、当面は新型コロナウイルス感染症がテナントの業況に与える影響が大きく、本投資法人の賃料収入の確保、並びに借入金の借換え等の資金調達及びキャッシュマネジメントなど、収益面、財務面のリスクへの万全な対応を最優先しますが、今後の外部環境の改善時には機動的な成長戦略を打ち出せるよう努めていきます。
(イ)外部成長(本投資法人のユニークな投資対象と投資機会)
a. 投資主価値の継続的かつ安定的な向上をもたらし得る「温泉・温浴関連施設」
本投資法人は、温泉・温浴関連施設について、後継者不足や施設老朽化による競争力低下等の理由から、廃業に踏み切る旅館やホテルの売却案件は継続的に多いと考えています。さらに、当面は新型コロナウイルス感染症の影響による業績の急激な悪化による売却や、生き残りのために必要な資金の調達を目的とする施設不動産の売却なども見込まれます。
このような環境下において、本投資法人は、中長期的な視点を重視し、投資主価値向上に資する物件取得に際して、大江戸温泉物語グループのスポンサー・パイプラインを活用するとともに、本資産運用会社独自のネットワークの活用による多様な温泉・温浴関連施設への取組みにも注力しています。
本投資法人が重点投資対象とする温泉・温浴関連施設は、J-REITにおいてもユニークな投資対象であると本投資法人は考えており、具体的な投資対象としては、旅館・ホテルの形態をとる施設に加え、日帰りでの利用を想定した温泉・温浴関連施設及び温浴施設をその中心的な用途の一つとして含むリゾート施設及び余暇活用型施設等の温泉・温浴関連施設が含まれます。
本投資法人が温泉・温浴関連施設を重点投資対象とする背景として、昨今の「モノ」から「コト」への消費態様の変化も背景とした安定的な温泉需要があること、大江戸温泉物語グループ独自の温泉・温浴関連施設運営モデルである「大江戸モデル」の存在とその導入による活性化対象となり得る旧来型の温泉・温浴関連施設が全国に一定程度あると考えていること、並びに温泉・温浴関連施設は高い成長のポテンシャルを持ったカテゴリーであるということ等があります。
b. 温泉・温浴関連施設と共通するマーケットのポテンシャルがあり、投資主価値の向上に資すると本投資法人が考える、温泉・温浴関連施設以外の余暇活用型施設
成熟消費社会といわれる中にあって、愉しみや、人々とのコミュニケーション、癒しとリラクゼーション、健康と知的な充実といった現代人が余暇活用に求める充実した時間の過ごし方には、温泉・温浴に限らず、宿泊を伴う旅行、スポーツ、エンターテインメント、アミューズメント、健康や美容の増進のための活動など、様々なものがあります。
本投資法人は、温泉・温浴関連施設を軸としつつ、消費者に楽しく豊かな余暇の過ごし方を提供する幅広い余暇活用型施設を投資対象としています。余暇活用型施設の多くは複数のサービスが複合している場合もあり、さらに一部に飲食やショッピングなどが付属しているケースも多くみられます。
こうした施設にはこれまでJ-REITの主たる投資対象とされることが少なかったカテゴリーのものも含まれています。また、かかる施設の所有者の立場からすると、不動産所有にかかるリスクのコントロールの観点や事業拡大等のための財務的ニーズなどから、潜在的な売却のニーズも大きいのではないかと本投資法人は考えています。コト消費へのシフトが進み、インバウンド需要も長期のトレンドとしては増加が見込まれる日本においては、こうした余暇活用型施設の新規供給も増えていく可能性があり、さらに、新しいタイプの余暇活用型施設の登場も予想され、将来にわたる投資機会は大きいと考えています。
c. スポンサーサポートの活用
本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーとの間で、2017年11月1日付で締結したスポンサーサポート契約に規定される条件に従い、大江戸温泉物語グループが保有又は開発する温泉・温浴関連施設について、本投資法人に対して取得に係る優先交渉権が付与されます。かかるスポンサーサポートに基づき提供されるパイプラインは、今後の大江戸温泉物語グループによる新規物件取得による増加が期待されます。本投資法人は、かかるパイプラインに基づき、本投資法人の投資基準を満たす温泉・温浴関連施設を継続的に取得する方針です。
スポンサーサポート契約の概要は、以下のとおりです(注)。
(注) スポンサーサポート契約には、外部成長とは直接関係しない項目も含まれていますが、これらの概要についても一括して以下で記載しています。
<スポンサーサポート契約の概要>
| i. 大江戸温泉物語グループ保有物件情報の優先的提供及び優先交渉権の付与 | ・スポンサーは、大江戸温泉物語グループが保有又は開発する、国内所在の不動産等(規約に定めるものをいいます。)のうち、その主たる用途が旅館、ホテル、温浴施設、リゾート施設及びアミューズメントパークその他のレジャー施設であるもの(これらの複合用途を含みます。以下、本スポンサーサポート契約の概要において同じです。)(本投資法人の投資基準に適合しない不動産等を含み、以下、本スポンサーサポート契約の概要において「投資適格不動産等」といいます。)を売却しようとする場合には、本投資法人及び本資産運用会社に対し、第三者に先立ち、当該投資適格不動産等に関する情報を優先的に提供し、優先的に売買交渉をする権利(以下、本スポンサーサポート契約の概要において「優先交渉権」といいます。)を付与し、又は当該投資適格不動産等を保有する大江戸温泉物語グループの他の法人をして付与させ、後記<優先交渉権の概要>の記載に従い優先的売買優先交渉権が消滅するまでの間、スポンサーは、第三者との間で当該投資適格不動産等の売却に関する交渉を行わず、また、当該投資適格不動産等を保有する大江戸温泉物語グループの他の法人をして当該投資適格不動産等の売却に関する交渉を行わせません。 <優先交渉権の概要>・スポンサーサポート契約の定めに従い本投資法人及び本資産運用会社に対し優先交渉権が付与された場合、上記に従い情報の提供を受けた日(同日を含みません。)から10銀行営業日(以下、本スポンサーサポート契約の概要において「優先検討期間」といいます。)以内に、本投資法人又は本資産運用会社は、当該投資適格不動産等の取得の意向の有無を優先交渉権を付与した者(以下、本スポンサーサポート契約の概要において「優先交渉権付与者」といいます。)に回答します。なお、優先交渉権付与者と本投資法人又は本資産運用会社とが別途合意した場合、優先検討期間は、当該合意した期間延長されます。 ・優先交渉権付与者は、優先検討期間内に本投資法人又は本資産運用会社から当該投資適格不動産等の取得の意向がある旨を回答された場合、本投資法人又は本資産運用会社と当該投資適格不動産等の売却の条件について誠実に協議し、合意に達した場合、優先交渉権付与者は、本投資法人に対し、当該投資適格不動産等を売却します。 ・本投資法人又は本資産運用会社が、優先交渉権付与者に対し、(i) 優先検討期間内に取得の意向がある旨を回答しなかった場合、(ii) 取得の意向がない旨を回答した場合、又は(iii) 取得の意向がある旨を回答したものの当該回答を優先交渉権付与者が受領した日(同日を含みません。)から10銀行営業日又は優先交渉権付与者と本投資法人若しくは本資産運用会社とが別途合意して延長された期間内に売却の条件について合意に達しなかった場合、優先交渉権は消滅します。 |
| i. 大江戸温泉物語グループ保有物件情報の優先的提供及び優先交渉権の付与 | <適用除外>以下の事由がある場合には、優先交渉権の付与は行われません。 ・組織再編その他の理由により大江戸温泉物語グループ内において投資適格不動産等の移転を行う場合 ・大江戸温泉物語グループが組成に関与し、匿名組合出資又は優先出資その他の出資を行っているファンド等への投資適格不動産等の移転を行う場合(ただし、この場合には、当該ファンド等を大江戸温泉物語グループとみなして、優先交渉権の付与を行います。) ・大江戸温泉物語グループが行政機関からの要請に基づいて投資適格不動産等を処分する場合 ・大江戸温泉物語グループが当該投資適格不動産等を取得する前からその売却について第三者との協議を開始している場合 ・大江戸温泉物語グループがスポンサーサポート契約締結前に締結済みの第三者との間の契約に基づき、当該第三者に対して優先交渉権を付与する場合 ・大江戸温泉物語グループが第三者と投資適格不動産等を共有又は区分所有している場合で、当該第三者に対して当該投資適格不動産等を譲渡又は優先交渉権を付与することを予め合意している場合、又は本投資法人若しくは本資産運用会社への情報提供につき当該第三者から同意が得られない場合 ・大江戸温泉物語グループが投資適格不動産等について、第三者との間で共同事業又は共同開発を実施している場合で、当該第三者に対して当該投資適格不動産等を譲渡又は優先交渉権を付与することを予め合意している場合、又は本投資法人若しくは本資産運用会社への情報提供につき当該第三者から同意が得られない場合 ・その他やむを得ない事情のある場合 |
| ii. 第三者保有物件情報の相互提供 | ・スポンサーは、第三者が所有、開発又は運営する投資適格不動産等について、当該投資適格不動産等の所有者が売却を検討していることを知った場合、売主、所有者その他関係当事者の事前承諾が得られることを条件に、その裁量で、本投資法人及び本資産運用会社に対し、当該投資適格不動産等に関する情報を提供するものとし、また、本投資法人及び本資産運用会社に当該情報を提供するまでは、第三者(ただし、スポンサーの貸付人及びアドバイザーを除きます。)に当該情報を提供しないものとします。また、スポンサーがスポンサーサポート契約締結前に締結済みである又はスポンサーサポート契約締結後に締結する第三者との契約に基づき優先交渉権の付与を受ける場合で、スポンサーの指定する第三者が取得主体となることが可能な場合には、本投資法人に対しても優先交渉権を付与するよう努めます。ただし、当該投資適格不動産等がスポンサーの投資基準に合致する場合には、スポンサーは、本投資法人及び本資産運用会社に先立ち、当該投資適格不動産等の取得の検討を行うことができます。 ・本資産運用会社が独自に、第三者が所有、開発又は運営する不動産等について、当該不動産等の所有者が売却を検討していることを知り、当該不動産等がスポンサーの投資基準に合致する場合には、第三者に先立ち、スポンサーに対し、当該不動産等に関する情報を提供するよう努めます。また、本投資法人又は本資産運用会社がスポンサーサポート契約締結後に締結する第三者との契約に基づき優先交渉権の付与を受ける場合で、自己又は本投資法人若しくは本資産運用会社の指定する第三者に対して優先交渉権の付与を受けることができる場合には、スポンサーに対しても優先交渉権を付与するよう努めます。ただし、当該不動産等が投資適格不動産等に該当する場合には、本投資法人又は本資産運用会社は、スポンサーに先立ち、当該不動産等の取得の検討を行うことができます。 |
| iii. ウェアハウジング機能の提供 | ・本投資法人及び本資産運用会社は、将来における本投資法人による投資適格不動産等の取得を目的として、取得予定時期及び取得予定価格又は取得価格の決定方法等を提示した上で、第三者が保有している投資適格不動産等の取得及び一時的な保有(以下、本スポンサーサポート契約の概要において「ウェアハウジング」といいます。)をスポンサーに依頼することができます。この場合、スポンサーは、かかる依頼を真摯に検討し、当該依頼を受けた日(同日を含みません。)から10銀行営業日以内に、受諾の意向の有無を本投資法人及び本資産運用会社に対し回答します。 ・スポンサーが上記に定めるところに従いウェアハウジングの依頼を受諾する意向を表明した場合、スポンサー、本投資法人及び本資産運用会社は、ウェアハウジングによる取得、保有及び本投資法人への売却等に関する詳細について協議の上、スポンサーは、当該協議の上合意した内容に従い、必要な場合には貸付人その他の関係者から同意を取得した上で、ウェアハウジングを実施し、当該投資適格不動産等を自ら取得して保有し、又はスポンサーグループの他の法人若しくはスポンサーが匿名組合出資、優先出資その他の投資を行う特別目的会社(以下、本スポンサーサポート契約の概要において「ウェアハウジングSPC」といいます。)をして取得、保有させるよう努めます。スポンサーは、ウェアハウジングとして投資適格不動産等を保有している間、本投資法人及び本資産運用会社と合意するところに従い、スポンサーが有するノウハウを最大限活用し、当該投資適格不動産等の魅力をより高めるよう最大限努力します。 ・スポンサーは、上記に基づきスポンサー又は大江戸温泉物語グループの他の法人若しくはウェアハウジングSPCが当該投資適格不動産等を取得した場合、本投資法人及び本資産運用会社の提示した取得予定時期が経過するまでの間、本投資法人及び本資産運用会社の事前の書面による承諾なくして、本投資法人以外の第三者に当該投資適格不動産等の売却その他の処分の申入れをしてはならず、大江戸温泉物語グループの他の法人又はウェアハウジングSPCをして、当該投資適格不動産等の売却その他の処分の申入れをさせてはならず、第三者との間で当該投資適格不動産等の売却に関する交渉を行わず、当該投資適格不動産等を保有する大江戸温泉物語グループの他の法人又はウェアハウジングSPCをして当該投資適格不動産等の売却に関する交渉を行わせません。また、かかる期間内に本投資法人及び本資産運用会社が取得を申し出た場合、スポンサー、本投資法人及び本資産運用会社との間で取得予定不動産等の売却に関する詳細を合意の上、当該投資適格不動産等を本投資法人に売却します。 ・本投資法人及び本資産運用会社は、本投資法人及び本資産運用会社が提示した取得予定時期に当該取得予定不動産等を取得することが困難となった場合には、スポンサーに対してその旨及び希望する延長後の取得予定時期を通知することができます。この場合、スポンサーは、不合理に、取得予定時期の延長を拒絶しないものとします。 |
| iv. 賃貸借契約の締結協議 | ・本資産運用会社が必要と判断した場合、本資産運用会社はスポンサーに対して、賃料固定型その他の形態の賃貸借契約の締結を申し出ることができ、スポンサーは、自己又は大江戸温泉物語グループの他の会社をして、当該賃貸借契約を締結することを真摯に検討します。 |
| v. 投資戦略及び物件取得に関する協力 | ・スポンサーは、本資産運用会社から要請(投資運用業又は投資助言・代理業務に該当する協力要請を含まないものとします。)されたときは、合理的かつ適用法令に反しない範囲で、本投資法人及び本資産運用会社に対し、(i) 旅館、ホテル、温浴施設、リゾート施設及びアミューズメントパークその他のレジャー施設並びに宿泊、レジャー業界に関する知見、情報の提供による投資戦略に関する助言、並びに、(ii) 投資適格不動産等の取得及び運用に関するサポートを行います。ただし、本v.は、本資産運用会社が、スポンサーに対し、資産の運用に係る権限の全部又は一部の付与を行うものではありません。 |
| vi. 人材確保に関する協力 | ・大江戸温泉物語グループは、本資産運用会社の独自性を尊重しつつ、本投資法人から受託する資産運用業務の遂行に必要な不動産運営管理のノウハウを本資産運用会社に承継させ、かつ、発展させるため、必要とされる人材を大江戸温泉物語グループから本資産運用会社に出向させる等、本資産運用会社及び本投資法人の成長に伴い必要とされる人材の確保に合理的な範囲で努めます。 |
| vii. 投資主優待制度(注) | ・本投資法人、本資産運用会社及びスポンサーは、スポンサーサポート契約締結日以降、本投資法人又は大江戸温泉物語グループが保有している旅館、ホテル、温浴施設、リゾート施設及びアミューズメントパークその他のレジャー施設について、その特徴を体験し理解を深める機会を投資主に提供すること等を目的とした投資主優待制度(以下、本vii.において「本優待制度」といいます。)の導入の有無、導入する場合の内容等についての協議を行うものとします。 ・本投資法人及び本資産運用会社が本優待制度として、スポンサーが管理運営する旅館、ホテル、温浴施設、リゾート施設及びアミューズメントパークその他のレジャー施設について投資主に広く利用させる目的で、宿泊に際し宿泊代金より一定額又は一定料率の割引を受けられる優待券の贈呈その他の方法による優待を行う場合、スポンサーは、本投資法人及び本資産運用会社と誠実に協議の上合意するところに従い、当該優待券を発行する等、これに協力します。 ・本優待制度に伴い生じる費用等の負担については、別途合意の上定めます。 |
| viii. 投資口の取得及び保有 | ・スポンサーは、本投資法人及び本資産運用会社に対し、スポンサーが本投資法人の投資口を取得した場合、本投資法人の投資口の保有を継続するよう努めます。 ・スポンサーは、本投資法人の投資口の全部又は一部を売却しようとする場合には、本投資法人及び本資産運用会社に対してその旨通知し、誠実に協議します。 |
| ix. 商標の使用許諾 | ・スポンサーは、本投資法人及び本資産運用会社に対し、スポンサーの保有する商標(登録第5694250号を含みますがこれに限られません。商標権の存続期間の更新登録がなされた場合の更新登録後の登録商標を含み、以下、本ix.において「本件商標」といいます。)について、本件商標における指定役務の範囲内において使用することを非独占的に許諾します。 ・スポンサーは、本投資法人及び本資産運用会社が、目論見書、有価証券届出書及び資産運用報告等の開示書類並びにプレスリリース、アナリスト説明会資料及びウェブサイト等のIR媒体において、本投資法人の投資方針及び本投資法人の保有する本件商標を冠した物件に係る情報等の記載として本件商標を記載又は掲載することができることを確認します。 ・本件商標に類似する商標が使用され、本件商標権が侵害されたことが判明した場合、スポンサーは、スポンサーの責任と費用負担で当該侵害行為を排除するものとし、本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーの請求に応じてその対応に協力します。 ・スポンサーサポート契約が終了した場合、スポンサーサポート契約の当事者は、スポンサーサポート契約終了後の本件商標が付された物品、資産等の取扱いについて、誠実に協議し、合意の上定めるものとします。なお、スポンサーは、かかる協議にあたり、本投資法人及び本資産運用会社に対し、本件商標の使用を中止するために必要な合理的な移行期間を提供するものとします。 |
| x. その他の支援 | ・スポンサーは、本投資法人及び本資産運用会社から依頼(投資運用業又は投資 助言・代理業務に該当する業務を含まないものとします。)された場合、本資 産運用会社に対し、合理的かつ適用法令に反しない範囲で、本資産運用会社の 役職員に対する研修の提供その他の必要な支援を行います。ただし、本x.は、本資産運用会社が、スポンサーに対し、資産の運用に係る権限の全部又は一部 の付与を行うものではありません。 |
| xi. 報酬 | ・本投資法人及び本資産運用会社並びにスポンサーは、スポンサーサポート契約 の当事者間で別途合意した場合を除き、前記i.からx.までに定める業務につい て相互に報酬を支払いません。 |
(注) なお、2021年5月31日の投資主名簿に記載又は記録された投資主に対する優待券の送付を最終として、第11期(2021年11月期)より投資主優待制度を廃止しました。
d. 本資産運用会社による、スポンサー・パイプライン以外の物件取得活動
本投資法人は、拡大・多様化する余暇市場のニーズに応え得る施設の供給が、未だ不足していると考えており、さらに新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、新たなライフスタイルに対応した新しいタイプの施設も必要であり、中長期的には余暇活用、時間消費への流れや、グローバルな人の動きが益々拡大していくものと考えています。
本資産運用会社の独自のネットワークの活用により、余暇活用型施設に関する多くの売却情報が入手されており、新型コロナウイルス感染症の経験からの市場変化も見据えた宿泊業やレジャー業界の新しい動きを見極めつつ、現状ポートフォリオのバランス改善とリスク分散に寄与する、都市型立地物件、新規開発物件や築浅物件など、多様な施設の取得に向けて活動していきます。
また、インバウンド需要を主要なターゲットとした施設に関しても、インバウンドのみならず国内客に関しても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による移動の抑制や自粛により抑えられた潜在的な需要のリバウンド効果も期待できることや、長期トレンドとしてのインバウンドの増加は続くと本投資法人は考えていることから、中長期的な投資対象としては取り組んでいきます。
なお、こうした新規取得の実現に向けては、ブリッジストラクチャーの活用等による優先交渉権の確保を引き続き進めていきます(注)。投資を検討する不動産には、開発業者との協働による新築物件や、既存物件の改修やテナント入れ替えを前提とした物件などが含まれます。特に改修が必要な物件は、大江戸温泉物語グループの活性化に関するノウハウを活用することで、長期保有にふさわしい案件となり得ます。
さらに、ホテルやリゾートその他の事業者とのリレーションを通じて、事業者の戦略に沿った適切なスペックや立地の物件を紹介することで、将来的な物件取得に繋げることが期待できるほか、本投資法人が保有する物件の代替テナントを確保する観点からも、こうした戦略的な取り組みを推進していきます。
また、本投資法人が投資対象とする物件には、高い収益性や安定性、成長性などを見込める小規模物件も多くあり、これら物件を複数まとめて取得することで、規模的なメリットも追求しながら、バスケットとしてのリスク分散も効かせるといった取得も検討してまいります。
なお、新規取得の検討においては、業種や業態の競争力、テナントのオペレーション能力や信用力、立地の適合性、建物スペックなど、多角的な観点から検討を加えます。その際、例えば温泉宿泊施設については大江戸温泉物語グループが有する知見を活用するなど、スポンサーによるサポートも重要となります。
また、スポンサーからの情報提供も物件取得活動における大きな力の一つとなります。2017年11月1日付でスポンサーとの間で締結したスポンサーサポート契約において、大江戸温泉物語グループが入手した第三者による物件売却情報の優先的提供が行われます。
(注) 本投資法人が、今後、これらの物件を取得できる保証はありません。
e. ウェアハウジング機能を活用した機動的な不動産の取得
本投資法人は、資金調達の時期や投資基準との整合性の理由で本投資法人が直ちに取得できない不動産について、ウェアハウジング機能の活用により機動的な取得機会を確保します。
本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーサポート契約に基づき、大江戸温泉物語グループからウェアハウジング機能の提供を受けることができます。それに加え、不動産事業会社、ファンド運営会社などの不動産市場参加者の中には、上場投資法人への売却をメインシナリオとして、比較的短期間の不動産保有を行なう先も多くあります。
取り組み方には様々な形態がありますが、実質的なウェアハウジング機能を提供していただけるこうした不動産プレーヤー各社に対して、Win-Winの関係構築により取引を進めていくことも、積極的に検討していきます。
(ロ) 内部成長
a. 安定性を優先した賃料ストラクチャー
本投資法人は、保有施設から得られるキャッシュ・フローの維持・向上を図り、ポートフォリオ収益力の強化と安定化を目指しています。具体的には、本投資法人は、現在のポートフォリオの全物件のテナントである大江戸温泉物語グループ各社との間の長期賃貸借契約において、固定賃料(注1)を中心とし、これに施設ごとのGOPに連動した変動賃料(注1)を加えることで、賃貸収入の長期安定を図っています。さらに施設ごとのGOPをモニタリングするため、宿泊施設の売上高、客室稼働率、ADR(注2)及びRevPAR(注3)の推移を注視しています。そして、これらの指標とGOPの改善を目指し、大江戸温泉物語グループ各社と協働して参ります。
本投資法人は、今後取得する施設について、大江戸温泉物語グループがテナントとなる施設に限らず、他のテナントが入居する施設についても、当面は固定賃料を中心とした安定性重視の賃貸借構造を導入すべくテナントと協議していく方針ですが、一方で将来的なアップサイドが見込める物件においては変動賃料の導入も重要であると考えています。
(注1) 「固定賃料」及び「変動賃料」の意味その他の賃料ストラクチャーの詳細については、後記「<大江戸温泉物語グループとの賃貸借ストラクチャー>~実質的なトリプルネットリースによるキャッシュ・フローの高い安定性~」をご参照下さい。
(注2) 「ADR」とは、平均客室販売単価(Average Daily Rate)をいい、一定期間の宿泊売上高合計を同期間の販売客室数(稼働した延べ客室数)合計で除した値をいいます。以下同じです。
(注3) 「RevPAR」とは、1日当たり販売可能客室数当たり宿泊売上高合計(Revenue Per Available Room)をいい、一定期間の宿泊売上高合計を同期間の販売可能客室数合計で除した値をいい、ADRと客室稼働率の積にて計算される数値と同値となります。以下同じです。
<大江戸温泉物語グループとの賃貸借ストラクチャー>~実質的なトリプルネットリース(注1)によるキャッシュ・フローの高い安定性~
本投資法人は、本書の提出日現在における保有資産のテナントである大江戸温泉物語グループ各社との間の長期賃貸借契約において、高い構成比率を占める(注2)固定部分(注3)に加え、一定の条件を満たす場合にGOPに連動して発生する変動部分(注4)(注5)(注6)を組み合わせた賃料(以下「第一賃料」といいます。)に、各施設の不動産関連費用(注7)相当額と同額(注8)の賃料(以下「第二賃料」といいます。)を加えた、賃料体系を採用しています(注9)。
この賃料体系に加えて、修繕費は原則テナント負担とすることで、キャッシュ・フローの長期安定が図られると本投資法人は考えています。
(注1) 「トリプルネットリース」は、不動産の賃貸借条件を示す用語の一つで、純粋な賃料に加えて、税金・修繕費用・保険料の3種類の費用を全て賃借人が負担する賃貸借をいいます。(注2) 本資産運用会社の試算に基づきます。
(注3) 「固定部分」とは、各施設に係る各賃貸借契約に定められた月額の固定賃料をいいます。以下同じです。
(注4) 「変動部分」とは、各施設に係る各賃貸借契約に定められた変動賃料をいいます。以下同じです。各物件の賃貸借開始後、最初の期の変動部分は生じておらず、賃貸借開始後2期目の変動部分は各施設に係る各賃貸借契約に定められた固定額になります。
(注5) 賃貸借開始後3期目以降の変動部分は、各施設に関する直近1年間(毎年12月からの6か月間(以下「前期」といいます。)については当年3月から翌年2月までの1年間をいい、毎年6月からの6か月間(以下「後期」といいます。)については前年9月から当年8月までの1年間をいいます。)(以下、これらの1年間を「修正後GOP計算期間」といいます。)における各施設の修正後GOP(※)に各賃貸借契約に定められた一定の料率(以下「変動賃料率」といいます。)を乗じた額となります(年額。月額はその12分の1)。ただし、各施設の修正後GOPに各賃貸借契約に定められた一定の係数(以下「変動賃料発生係数」といい、変動賃料率とは異なります。)を乗じて得られる額(以下「変動賃料発生基準額」といいます。)が1年分の固定部分相当額を上回る場合に、変動部分が発生します。
(※) 「修正後GOP」とは、修正後GOP計算期間に係る各施設のGOPから、テナントが負担する不動産関係費用(租税公課、損害保険料及び地代家賃を含みますが、これに限定されません。ただし、第二賃料相当額を除きます。)を控除した額をいいます。以下同じです。
(注6) 前期の各月については前年9月から当年8月における、後期の各月については前年3月から当年2月における各施設の修正後GOPに変動賃料率を乗じた額(年額。月額はその12分の1。ただし、当該修正後GOP計算期間に係る変動賃料発生基準額が固定部分相当額の1年分以下である場合はゼロとします。以下「暫定変動賃料額」といいます。)が暫定的に支払われ、前期及び後期の各最終月に、当該暫定変動賃料額と前期又は後期の各変動賃料額との差額が精算されます。ただし、各物件の賃貸借開始後3期目についての暫定変動賃料は、賃貸借開始後2期目の変動賃料として各賃貸借契約書に定められた固定額となります。
(注7) 「不動産関連費用」とは、本投資法人が保有する各施設につき、本投資法人が負担すべき公租公課及び損害保険料並びにその他費用の合計額をいいます。以下同じです。
(注8) 各施設の不動産関連費用の実際の変動時期と、それを反映した第二賃料の改定時期についてはずれが生じることがあり、必ずしも同一期間の不動産関連費用の実績と第二賃料が同額となるものではありません。
(注9) 各保有資産に係る各賃貸借契約においては、かかる賃料体系が採用されていますが、本投資法人が今後取得する施設に係る賃貸借契約において、同様の賃料体系が採用されることを保証するものではありません。
(注10) 各保有資産の賃料の詳細については、後記「5 運用状況 (2) 投資資産 ② 投資不動産物件 (ワ) 保有資産の個別不動産の概要」をご参照下さい。
(注11) 「契約期間」及び「途中解約不可期間」は、各施設に係る各賃貸借契約の契約締結時における契約期間及び中途解約不可期間を記載しており、各施設に係る各賃貸借契約の契約期間及び中途解約不可期間の残存期間ではありません。
(注12) 本投資法人及びテナントは、賃貸借期間開始日から3年間は賃料を改定することができず、賃貸借期間開始日から3年間を経過した後は、3年ごとに、賃料の改定について協議します。
b. 安定収益実現の基礎となる温泉需要と大江戸モデル
i. 安定した温泉需要
日本の人口動態の2大ボリュームゾーンであるファミリー層及びシニア層が、大江戸温泉物語グループが想定する主要な顧客層(マスターゲット)であることから、今後も本投資法人の保有資産は、安定的な需要に支えられると本投資法人は考えています。
国立社会保障・人口問題研究所による「日本の将来推計人口(平成29年推計)」によれば、日本の65歳以上の高齢人口は、2042年に3,935万人まで増加していくと予想されており、総人口減少の中にあってもシニア層の温泉需要は底堅いものと期待されます。
またインバウンドの需要に関しては、政府が進める観光立国政策と相まって、近年増加傾向にあった温泉需要も、当面は新型コロナウイルス感染症の影響により激減しているものの、中長期的には拡大が期待されることから、大江戸温泉物語グループの成長と安定性の強化に資すると本投資法人は考えています。さらに、インバウンドが訪問する観光地等も、徐々に地方に広がっていくものと考えられることから、有名温泉地に多く立地する大江戸温泉物語グループの各施設にとっては、中長期的な収益に良い影響をもたらす可能性があると本投資法人は考えています。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響を受けるまでの近年においては、アジア各国からの旅行者の層について、一部の富裕層中心から中間所得層へと広がりが見られてきたと、本投資法人は考えています。こうした所得層にとっても、日本国内と同様に、モノ消費からコト消費への流れはあるとみており、大江戸モデルが導入された温泉・温浴関連施設は高い支持を得られる可能性があると本投資法人は考えています。
ii. 大江戸温泉物語グループ独自のビジネスモデル(大江戸モデル)
大江戸温泉物語グループ独自のビジネスモデルである大江戸モデルは、日本文化に根付き、安定した温泉需要に着目した上で、高品質のサービスをお手頃な価格で提供し、より多くのお客様に温泉を気軽に楽しんでいただく機会を創出していくスタイルであり、大江戸温泉物語グループが想定している主要な顧客層であるシニア層及びファミリー層を取り込むことに適したビジネスモデルであると本投資法人は考えています。
また、大江戸温泉物語グループが過去に取得してきた温泉・温浴関連施設において、大江戸モデルの導入によって収益改善を実現してきた実績から、今後大江戸温泉物語グループが取得することとなる施設についても同様に、大江戸モデルを導入することで収益性の改善を図ることが期待できると本投資法人は考えています。
c. 戦略的CAPEXとテナントとの協働
i. 戦略的CAPEXによる、施設収益力の向上と賃料収入の増加
本投資法人は、適切なプロパティ・マネジメント、施設競争力の維持・向上のための運営・管理・リニューアルを実施するとともに、バリューアップ・ポテンシャルを有する物件には、温泉・温浴関連施設への付加価値創造ノウハウのある大江戸温泉物語グループと協働し、戦略的CAPEXを積極的に実施することで、本来発揮すべき潜在的な収益の追求を図ります。
高い客室稼働率でありながら有効活用可能な未利用スペースを有するなどのバリューアップ・ポテンシャルを有する物件に対しては、賃料収入の拡大のための空敷地への増築投資による客室増加等、収益拡大に向けて戦略的CAPEXを積極的に検討していきます。
ii. テナントとの協働による、施設競争力の向上と変動賃料の増加
本投資法人は、テナントのオペレーションについても、テナントと可能な限り意見交換を行い協働します。例えば温泉・温浴関連施設においては露天風呂(注)や設備の更新・増設等、造作等の変更、集客につながるサービスメニューの追加など、施設競争力の向上につながる諸施策について、中長期的な視点からテナントに必要な承認を与えるなど所有者の立場で協働します。そして、テナント収益の拡大を通じて、変動賃料が導入された施設についてはその増加を図ります。
また中長期的には、インバウンド顧客の取り込みについても、現テナントである大江戸温泉物語グループ各社との意見交換を行い、様々な提案を行うなど協働します。
(注) 「露天風呂」とは、各温泉・温浴関連施設に備えられた屋外の浴場をいいます。以下同じです。
④ 大江戸温泉物語グループの概要
(イ) 大江戸温泉物語グループの概要
大江戸温泉物語グループは、2001年11月に創業し、2003年に東京お台場所在の「東京・お台場 大江戸温泉物語」(注1)を開業し、以来、温泉・温浴関連施設の運営事業を推進してきました。その後、2007年以降、温泉・温浴関連施設の運営ノウハウを活用することにより、全国各地の温泉旅館を中心として、テーマパーク等の余暇活用型施設に付随する温泉・温浴関連施設の活性化事業を展開しており、本書の提出日現在、大江戸温泉物語グループは、37施設(注2)の温泉・温浴関連施設を運営するに至っています。
本書の提出日現在、大江戸温泉物語グループは、大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社及び大江戸温泉物語株式会社並びに本資産運用会社を含めた連結子会社の計9社から構成されており、その保有・運営する温泉・温浴関連施設は、大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社及び(一部の施設については)その子会社により保有・運営がなされています(注3)。
(注1) 本施設は東京都を地権者とする事業用定期借地権設定契約の終了に伴い、2021年9月5日に営業を終了し、閉館しました。
(注2) 大江戸温泉物語グループが運営する施設のうち、「大江戸温泉物語 レオマリゾート」のほか、保有資産ではない「大江戸温泉物語 箕面観光ホテル」及び「箕面温泉 スパーガーデン」についても、これらを一体の施設として区分しています。以下同じです。
(注3) 大江戸温泉物語グループが保有・運営する施設のうち、本投資法人の保有資産である「大江戸温泉物語 レオマリゾート」は株式会社レオマユニティーが、「大江戸温泉物語 箕面観光ホテル」及び「箕面温泉 スパーガーデン」は大阪観光株式会社が、「大江戸温泉物語 山下家」は株式会社山下家が、「大江戸温泉物語 ながやま」は片山津大江戸温泉物語株式会社がそれぞれ保有・運営しています。また、株式会社大江戸温泉レインボーは、土産品店の経営を営んでいます。なお、上記各社は、いずれも大江戸温泉物語グループの連結子会社です。
<大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社の概要>
| 商号 | 大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社 |
| 本社所在地 | 東京都中央区銀座7丁目16番21号 |
| 代表者 | 代表取締役 森田 満昌 |
| 設立年月日 | 2017年12月5日(創業 2001年11月) |
| 資本金 | 100百万円(2022年11月30日現在) |
| 事業内容 | 旅館、ホテルの経営等 |
| 従業員数 | 1,254名(注1)(連結ベース) |
| 業績・財務(注2) (2022年2月期) | 連結売上高: 24,761百万円 連結総資産: 69,272百万円 連結純資産: 16,695百万円 |
(注1) 2022年2月末現在の従業員数を記載しており、パートタイマーやアルバイト等の非正規雇用従業員を除きます。
(注2) 大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社の連結財務諸表については、PwCあらた有限責任監査法人から会社法第436条第2項第1号に基づく監査に準ずる監査を受けていますが、金融商品取引法及び会社法において公認会計士又は監査法人による監査を行うことは要請されていないため、かかる法令に基づき要請される監査を経たものではありません。以下同じです。
<大江戸温泉物語グループの資本関係図>

(注) 出資比率を記載していない法人については、各親会社が100%出資しています。
a. 大江戸温泉物語グループについて
大江戸温泉物語グループは「いつでも、気軽に、何度でも。たくさんの笑顔が溢れる、温泉の賑わいを。」をキャッチフレーズとして、お客様に高品質のサービスをお手頃な価格で提供し、温泉の開放感や賑わいを気軽に楽しんでいただくこと及び全国各地の温泉・温浴関連施設を継続的に取得し、大江戸モデルを拡大運営することにより温泉旅館産業を活性化することを目指して事業を行っています。
b. 大江戸温泉物語グループの運営施設数の推移
大江戸温泉物語グループは、全国各地の温泉旅館及び付随するテーマパークの活性化事業の展開を始めた2007年以降、高品質のサービスをお手頃な価格で提供することを可能にする大江戸モデルを背景に成長を続けています。
<大江戸温泉物語グループの運営施設数の推移>

出所: 大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社
(注1) 運営施設数は、各期末時点の数値を記載しています。なお、大江戸温泉物語グループの運営施設のうち、東京・お台場大江戸温泉物語は、東京都を地権者とする事業用定期借地権設定契約の終了に伴い、2021年9月5日に営業を終了し、閉館しました。
(注2) 上記には、保有資産以外の物件も含まれていますが、本書の提出日現在、保有資産を除き、本投資法人は大江戸温泉物語グループとの間でこれらの資産について具体的な交渉を行っておらず、現時点において取得する予定はなく、また、今後取得できる保証もありません。
(ロ) 事業の状況
大江戸温泉物語グループの財政状態及び経営成績の状況(連結)は、以下のとおりです。
本書の提出日現在、大江戸温泉物語グループは、大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社及び大江戸温泉物語株式会社並びに本資産運用会社を含めた連結子会社の計9社から構成されております。
(決算情報)(注1)(注2)
| (単位:百万円) |
| 2021年2月期 | 2022年2月期 | |
| 営業収益 | 20,809 | 24,761 |
| 当期純利益 | △11,220 | △14,741 |
| 総資産額 | 78,295 | 69,272 |
| 純資産額 | 9,603 | 16,695 |
| 有利子負債 | 57,780 | 39,500 |
(参考情報)(注1)(注3)
| (単位:百万円) |
| 2021年2月期 | 2022年2月期 | |
| EBITDA | △8,279 | △6,419 |
出所: 大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社
(注1) 上記数値のうち営業収益、当期純利益、総資産額、純資産額及び有利子負債の各数値は、大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成したものです。連結財務諸表の作成にあたっては、PwCあらた有限責任監査法人から会社法第436条第2項第1号に基づく監査に準ずる監査を受けていますが、金融商品取引法及び会社法において公認会計士又は監査法人による監査を行うことは要請されていないため、かかる法令に基づき要請される監査を経たものではありません。
(注2) 「EBITDA」は、金利、税金及び償却費を控除する前の利益であり、以下の算式に基づき営業利益に現金の支出を伴わない費用を加算して算出しています。
EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
EBITDA(2021年2月期)=営業利益△12,815百万円+減価償却費2,963百万円+のれん償却費1,572百万円
EBITDA(2022年2月期)=営業利益△10,296百万円+減価償却費2,303百万円+のれん償却費1,572百万円
なお、「EBITDA」は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準により規定された指標ではなく、本投資法人が、投資家にとって大江戸温泉物語グループの業績を評価するために有用であると考える財務指標です。当該財務指標は、非現金支出項目の影響を除外しています。
(ハ)運営施設の状況
大江戸温泉物語グループは、本書の提出日現在、全国各地において、以下の37施設の温泉・温浴関連施設を運営しています。
<全運営施設の概要>
| 施設名 | 所在地 | 用途 (注1) | 本投資法人の 保有資産 (注2)(注3) |
| 大江戸温泉物語 浦安万華郷 | 千葉県浦安市 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 君津の森 | 千葉県君津市 | 温泉・温浴 関連施設 | ★ |
| 大江戸温泉物語 日光霧降 | 栃木県日光市 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 ホテル壮観 | 宮城県宮城郡 松島町 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 東山グランドホテル | 福島県 会津若松市 | 温泉・温浴 関連施設 | ★ |
| 大江戸温泉物語 あいづ | 福島県 会津若松市 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 仙台コロナの湯 | 宮城県仙台市 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 伊香保 | 群馬県渋川市 | 温泉・温浴 関連施設 | ★ |
| 大江戸温泉物語 ホテルニュー塩原 | 栃木県 那須塩原市 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 鬼怒川観光ホテル | 栃木県日光市 | 温泉・温浴 関連施設 | ★ |
| 大江戸温泉物語 ホテル鬼怒川御苑 | 栃木県日光市 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 かもしか荘 | 栃木県 那須塩原市 | 温泉・温浴 関連施設 | (注4) |
| 大江戸温泉物語 あたみ | 静岡県熱海市 | 温泉・温浴 関連施設 | ★ |
| 大江戸温泉物語 伊東ホテルニュー岡部 | 静岡県伊東市 | 温泉・温浴 関連施設 | ★ |
| 大江戸温泉物語 土肥マリンホテル | 静岡県伊豆市 | 温泉・温浴 関連施設 | ★ |
| 大江戸温泉物語 ホテル新光 | 山梨県笛吹市 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 鹿教湯 | 長野県上田市 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 山下家 | 石川県加賀市 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 ながやま | 石川県加賀市 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 あわら | 福井県 あわら市 | 温泉・温浴 関連施設 | ★ |
| 大江戸温泉物語 きのさき | 兵庫県豊岡市 | 温泉・温浴 関連施設 | ★(注5) |
| 大江戸温泉物語 箕面観光ホテル/ 箕面温泉 スパーガーデン | 大阪府箕面市 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 伊勢志摩 | 三重県志摩市 | 温泉・温浴 関連施設 | ★ |
| 大江戸温泉物語 レオマリゾート | 香川県丸亀市 | 温泉・温浴 関連施設 | ★ |
| 大江戸温泉物語 幸雲閣 | 宮城県大崎市 | 温泉・温浴 関連施設 | ★ |
| 大江戸温泉物語 ますや | 宮城県大崎市 | 温泉・温浴 関連施設 |
| 施設名 | 所在地 | 用途 (注1) | 本投資法人の 保有資産 (注2)(注3) |
| 大江戸温泉物語 長崎ホテル清風 | 長崎県長崎市 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 別府清風 | 大分県別府市 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 ホテル水葉亭 | 静岡県熱海市 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 下呂新館 | 岐阜県下呂市 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 南紀串本 | 和歌山県東牟婁郡 串本町 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 ホテル木曽路 | 長野県木曽郡 南木曽町 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 TAOYA志摩 | 三重県鳥羽市 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 西海橋コラソンホテル | 長崎県佐世保市 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 天草ホテル亀屋 | 熊本県上天草市 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 汐美荘 | 新潟県村上市 | 温泉・温浴 関連施設 | |
| 大江戸温泉物語 仙台秋保温泉 岩沼屋 | 宮城県仙台市 | 温泉・温浴 関連施設 |
(注1) 「用途」については、本投資法人が対象とする資産の用途の別に従って記載しています。
(注2) 大江戸温泉物語グループが運営する施設のうち、本投資法人の保有資産については、「★」を付しています。ただし、「伊東ホテルニュー岡部」のうち、本投資法人の保有資産である相模亭と渡り廊下で連結され、一体的な運営がなされている駿河亭については、本投資法人の保有資産に含まれていません。また、その他の「★」が付されている施設についても、一部の土地及び建物が本投資法人の保有資産に含まれていません。なお、本投資法人の保有資産の詳細については、後記「5運用状況 (2) 投資資産 ②投資不動産物件 (ワ) 保有資産の個別不動産の概要」をご参照下さい。
(注3) 上記には、本投資法人の保有資産以外の物件も含まれていますが、本書の提出日現在、本投資法人の保有資産を除き、本投資法人は大江戸温泉物語グループとの間でこれらの資産について具体的な交渉を行っておらず、現時点において取得する予定はなく、また、今後取得できる保証もありません。
(注4) 本投資法人は、2022年11月30日付で本資産を譲渡しました。
(注5) 本投資法人は、2022年11月30日付で共有持分30%を譲渡しました。2023年2月28日付で共有持分70%を譲渡します。
⑤ 投資主利益を重視した仕組みの導入
本投資法人は、その資産運用に際して、投資主の利益と大江戸温泉物語グループの利益の一体化を図ると共に、利益相反対策と第三者性を確保した運営体制を採用することとし、中立的かつ透明性の高いガバナンス(企業統治)体制の整備・充実を図る方針です。
(イ)利益相反取引に関するガバナンス体制
本投資法人による資産の取得等の際、利害関係人等との取引の場合やチーフ・コンプライアンス・オフィサーが必要と判断した場合には、コンプライアンス委員会における承認が必要となります。なお、コンプライアンス委員会の承認を受ける前に本資産運用会社の投資委員会における決議が必要となります。
本資産運用会社は、コンプライアンス委員会と投資委員会の双方に外部委員を選任し、資産の取得等に係るコンプライアンス委員会の決議は、対象となる議案について議決権を有する過半数の委員が出席して(ただし、チーフ・コンプライアンス・オフィサー及び外部委員の出席は必須とします。)、対象となる議案について議決権を有する出席委員のうち、委員長(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)及び外部委員を含む過半数の委員の賛成により決定されます。また、投資委員会の決議は、対象となる議案について議決権を有する出席委員(ただし、チーフ・コンプライアンス・オフィサー及び外部委員の出席は必須とします。)のうち、外部委員を含む過半数の委員の賛成により決定されます。
また、運用資産の譲渡その他の処分に関する事項は、運用資産の取得等の場合と同様の運営体制にて実行されます。
本資産運用会社は、かかる運営体制を採用することにより、投資判断等につき、第三者性を確保します。
本投資法人は、利害関係人等との取引における利益相反対策を含め、投資主の利益保護の観点から適切な価格・条件での資産取得を行えるような体制を構築しています。利害関係人等との取引制限については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 利害関係人等取引規程」をご参照下さい。
(ロ)スポンサーによるセイムボート出資
本投資法人は、投資主の利益と大江戸温泉物語グループの利益を一致させ、本投資法人と大江戸温泉物語グループが共同して事業を行う体制を築き、本投資法人及び大江戸温泉物語グループの相互の利益向上を図るため、スポンサーとの間で、同社が本投資法人への出資を維持するよう努めることについて合意しています。
なお、本書の提出日現在、大江戸温泉物語株式会社は、発行済投資口の総口数の3.9%を所有しており、かかる投資口を今後も継続して所有する意向を有しています。
(ハ)資産運用報酬体系における業績連動型の導入
本投資法人は、運用総資産額に連動する運用報酬のほかに、1口当たり分配金に連動する運用報酬を導入しています。詳細については、後記「4 手数料等及び税金 (3) 管理報酬等」をご参照下さい。
⑥ 投資方針
(イ)ポートフォリオ構築方針
a. 投資対象資産
本投資法人は、余暇活用型施設特化リートとして中長期にわたり安定した収益を確保するとともに、運用資産の着実な成長を図るため、温泉・温浴関連施設を重点投資対象としながら、国内・海外ともに需要の増加が見込める「体験型消費」に着目し、消費者から支持される「豊かな余暇の過ごし方を提供する施設」に特化したポートフォリオの構築を目指します。
(注) 本議案の承認可決により、本投資法人の投資対象にアコモデーション施設が含まれることになるため、本議案が原案どおりに
承認可決されることを条件として、これを温泉・温浴関連施設と並ぶ重点的な投資対象(コアポートフォリオ)と位置付ける
とともに、重点的な投資対象(コアポートフォリオ)における投資比率の見直しを行い、アコモデーション施設への投資に際
する投資基準やデュー・ディリジェンスにおける調査項目について設定すること等を目的として、本資産運用会社の運用実務
ガイドラインの一部を変更することを、2023年2月24日開催の本資産運用会社取締役会において決定しています。
<用途別のポートフォリオ構築方針>
| 用途 | 比率 |
| 温泉・温浴関連施設 | 80%以上 |
| その他用途施設 | 20%未満 |
(注) 上記はあくまでも目安であって、本投資法人の用途別のポートフォリオが上記比率のとおりに構築されることを保証するものではありません。
以下では、本投資法人の主たる投資対象である国内不動産の投資に関して、投資対象である各用途につき、本投資法人が考える投資基準及びその特性を記載しています。
| 用途 | 投資基準 |
| 温泉・温浴関連施設 | ・中長期にわたる、テナントにおける運営収益に対する賃料負担率が適正であるかを、施設稼働率、平均客単価等の運営指標の実績及び将来見込み、並びに施設の主要な顧客層の安定性や競合環境、立地特性等に基づいて評価し、中長期にわたり安定的な賃料収入が見込めること ・将来にわたる追加投資の必要性や建物の状況に関して想定されるリスクとその対応策等を総合的に勘案し、安定的な賃貸事業収益が見込まれること ・テナントの営業状況、財務状況に大きな懸念点がないこと ・施設が対象とする商圏の特性や人口動態、顧客の需要動向、その他の市場の動向を踏まえ、安定的な運営が期待されること |
| その他用途施設 | ・温泉・温浴関連施設における投資基準に準じた評価を行い、中長期における安定的なキャッシュ・フローが想定されるとともに、当該施設の業界の動向、地域における優位性等を踏まえ、安定性、成長性について評価されることを前提に、投資判断を行うものとする |
(ロ) 投資基準
a. 立地
全国における主要な観光地、温泉地として認知度の高いエリアを中心に投資していく方針です。
b. 取得価格
投資に際しては、鑑定評価額を参考に、本資産運用会社の評価額を基本として総合的に判断します。
利害関係人等から不動産、不動産の賃借権、地上権並びに不動産、不動産の賃借権及び地上権を信託する信託受益権(以下、本「b. 取得価格」において「対象資産」と総称します。)を取得する場合は、原則として、利害関係人等でない不動産鑑定士(法人を含みます。以下同じです。)が鑑定した鑑定評価額を超えて取得してはなりません。ただし、当該対象資産を鑑定評価額を上回る価格で取得することに合理的な理由がある場合には、鑑定評価額の110%の価格を上限として取得することができます。この場合、本資産運用会社の投資委員会、コンプライアンス委員会及び取締役会並びに本投資法人の役員会において、鑑定評価額を上回って取得することの適切性について説明し、決議を得なければなりません。なお、鑑定評価額は、対象資産そのものの価格であり、税金、取得費用、信託設定に要する費用、信託勘定内の積立金、信託収益、固定資産税等の期間按分精算額等を含みません。
また、利害関係人等から対象資産以外の特定資産を取得する場合は、時価が把握できるものは時価とし、それ以外は上記に準ずるものとします。
c. 建物構造
建物構造については、温泉・温浴関連施設の目的に照らして必要な強度を有し、宿泊施設として安全性に問題がないと判断できる物件に投資します。特に、築年の古い建築物(以下「築古物件」といいます。)に投資する際には、現地での建物の目視調査を含む非破壊調査を行い、消防法等を含む関連法令に照らし必要と判断される場合は、修繕を実施する等、安全性に配慮し、また、オペレーション上の支障がないことも確認した上で、投資の是非を慎重に判断する方針です。
特に、耐震性能の観点からは、温泉旅館の特性に鑑み、宿泊施設としての安全性が確保されていることを専門家レポート(耐震診断について十分な知識と経験を有する専門家が、外観調査、使用履歴、修繕履歴等により、建物の安全性について調査した結果をまとめたレポート)等で確認していること、PML(注)を確認すること等を条件に、新耐震基準の水準以下の建物構造に投資を行うことができるものとします。詳細については、後記「⑦ デュー・ディリジェンス基準」をご参照下さい。
(注) 「PML(Probable Maximum Loss)」とは、地震による予想最大損失率を意味します。PML値は個別建築物に関するものと、ポートフォリオに関するものに分けられます。PML値についての統一された厳密な定義はありませんが、本書においては、想定した予定使用期間(50年=一般的建物の耐用年数)中に想定される最大規模の地震(475年に一度起こる大地震=50年間に起こる可能性が10%の大地震)によりどの程度の被害を被るか、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率(%)で示したものを意味します。以下同じです。
d. 付保方針
付保については、投資対象施設の特徴、想定されるリスクと損失予想等を総合的に勘案して、付保の方針を決定するものとし、原則として建物の再調達価格に基づき、財物保険、賠償責任保険の付保を行い、また必要に応じて利益保険の付保を検討するものとします。
また、地震発生の可能性とそれに基づき予想される個別不動産及びポートフォリオ全体への影響(ポートフォリオPML値が10%以上の場合)と、保険料等の負担の収益への影響等を比較検討した上で、地震保険の付保の判断を行います。ただし、1物件のPML値が20%以上の物件がある場合には、原則としてその物件について個別に地震保険を付保する方針です。
e. テナント
テナントの選定にあたっては、当該事業者の社会的信用力を確認し、営業状況、財務状況、及び投資対象施設の運営における優位性等を勘案し、中長期的な賃料収入の安定性が期待できると判断できるテナントを選定します。
f. 権利関係
当該物件の特性に照らし、本投資法人による運用に支障がないと判断できる権利関係であることを原則とします。具体的には、完全所有権、地上権、借地権、温泉権、水利権等権利の態様を確認した上で、共有、区分所有又は借地の場合は、物件の特性を総合的に勘案し、権利関係者の属性等を考慮の上、運営・管理における制約事項が少ないことを原則とします。
g. 運営実績
本投資法人は、原則として、過去の運営実績がない温泉・温浴関連施設への投資は行いません。ただし、未稼働の温泉・温浴関連施設であっても、運営開始後の安定した運営が十分に見込まれ、本投資法人が取得した後に安定した収益が得られるものと判断した場合には、未稼働の物件に対しても、投資を行うことができるものとします。
⑦ デュー・ディリジェンス基準
本投資法人は、不動産関連資産へ投資するに際しては、本資産運用会社において、不動産関連資産の本体をなす不動産又はその裏付けとなる不動産の予想収益、立地エリアの将来性及び安定性等の経済的調査、建築仕様、建物設備、耐震性能、建物管理状況、環境及び土壌汚染調査等の物理的調査並びに建物に係る権利関係等の法的調査を行い、これらの総合的な検証を行います。
また、各調査項目について専門性を有する調査業者等の活用等を含め、本資産運用会社において、その手法、委託先選定の妥当性等につき十分な検討を行うものとします。
| 調査 | 項目 | 内容 |
| 事業性調査 | 施設・設備 | ・ 客室 客室数/客室タイプ/客室面積等 ・ レストラン・大浴場(注1)・その他施設・機能 施設数・施設構成等 |
| マーケット | ・ 地域経済・マーケット全般 ・ 立地 周辺環境/立地・アクセス/周辺施設/ 交通インフラ/温泉湯量等 | |
| 運営実績 | ・ 運営主要指標の調査 ・ 運営実績に基づく賃料負担力の調査 客室稼働率、ADR(注2)、RevPAR(注3)等 | |
| テナント | ・ テナント調査 テナントの信用力/業績/実績等 | |
| 物理的調査 | 建物の遵法性 | ・ 建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。)(以下「建築基準法」といいます。)や都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)(以下「都市計画法」といいます。)等の建築関連法令等の遵守状況の確認 ・ 既存不適格の有無・程度 ・ 建築関連法令、条例、協定等による建築制限等の有無 |
| 建物の状況 | ・ アスベスト、ポリ塩化ビフェニル(PCB)等の有害汚染物質の含有機器及び含有廃棄物の有無 ・ 建築基準法、消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)(以下「消防法」といいます。)、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和45年法律第20号。その後の改正を含みます。)等の建物管理関連法令に沿った各種定期調査報告実施状況 ・ 建物管理状況 | |
| 建物の修繕・ 資本的支出 | ・ 緊急修繕必要箇所の有無 ・ 長期修繕計画 ・ 過去の修繕状況 | |
| 地震リスク・ 耐震性能調査、土壌環境汚染調査 | ・ 個別物件のPML値の算出 ・ ポートフォリオ全体のPML値の算出 ・ 土壌調査 | |
| 法的調査 | 境界調査 | ・ 境界確認の有無(境界に関する訴訟その他の紛争の有無) ・ 越境・被越境物の有無 ・ 未登記建物の有無 |
| 権利関係の確認 | ・ 土地及び建物に関する権利関係の確認(完全所有権、地上権、借地権、共有、分有、区分所有等) ・ 権利に付随する各種契約書等(温泉権又は水利権に関するものを含みます。)の内容 | |
| テナント属性 | ・ テナント関連契約(賃貸借契約、転貸借契約、使用貸借契約等)の調査 ・ 運営委託関連契約の調査 ・ 反社会的勢力の調査(注4) |
(注1) 「大浴場」とは、各温泉・温浴関連施設に備えられた屋内共同浴場をいいます。以下同じです。
(注2) 「ADR」とは、平均客室販売単価(Average Daily Rate)をいい、一定期間の宿泊売上高合計を同期間の販売客室数(稼働した延べ客室数)合計で除した値をいいます。以下同じです。
(注3) 「RevPAR」とは、1日当たり販売可能客室数当たり宿泊売上高合計(Revenue Per Available Room)をいい、一定期間の宿泊売上高合計を同期間の販売可能客室数合計で除した値をいい、ADRと客室稼働率の積にて計算される数値と同値となります。以下同じです。
(注4) 大江戸温泉物語グループをテナントに選定する場合は、当該項目の調査は原則として行いません。
⑧ フォワード・コミットメント等
フォワード・コミットメント等を行う場合には、解約違約金の上限、取得額の上限、契約締結から物件引渡しまでの期間の上限等のルールを定めたフォワード・コミットメント等に係る規程に基づき、当該リスクを管理しています。
⑨ ポートフォリオ運営・管理方針
(イ) 基本方針
運用資産の運用については、投資主のニーズに合致した高品質で魅力的な運用商品を提供するために、運用資産からの安定した収益の確保と資産価値の向上を目指し、透明性の高い運用を行うことを基本方針としています。
(ロ) テナントによる運営パフォーマンスのモニタリング
賃料収入に大きな影響を与えることとなるテナントによる運営パフォーマンスについて、本資産運用会社がモニタリングを行います。前記「③ 成長戦略 (ロ) 内部成長 <大江戸温泉物語グループとの賃貸借ストラクチャー>~実質的なトリプルネットリースによるキャッシュ・フローの高い安定性~」に記載のとおり、本投資法人は、保有資産のテナントである大江戸温泉物語グループ各社との間の長期賃貸借契約において、固定部分にGOPに連動した変動部分を組み合わせた第一賃料に、各施設の不動産関連費用相当額と同額の第二賃料を加えた賃料体系を採用しています。かかる賃料体系においては、テナントによる運営パフォーマンスが各施設の賃貸収入に大きな影響を与えるため、テナントとの間の各長期賃貸借契約において、テナントに対して各施設の運営状況に係る報告義務を課すとともに、テナントによる運営パフォーマンスについて、各施設の売上高やGOP等の経営指標を参考に、本資産運用会社がモニタリングを行います。
(ハ) 修繕・資本的支出
a. 本投資法人が行う修繕・資本的支出の範囲
中長期的な運用資産の収益の維持及び向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性、テナントニーズ等を考慮した個別物件ごとの修繕及び資本的支出に関する計画をPM会社と協議の上策定し、必要な修繕・資本的支出を行います。
修繕及び資本的支出は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費も勘案して判断するものとします。
修繕積立金は、中長期的なポートフォリオ運営を考慮し、減価償却費、並びに修繕及び資本的支出に関する計画を考慮した上で、必要な額を積み立てます。
b. 修繕・資本的支出の原資
本投資法人は、資本的支出について、基本的には毎期計上する減価償却費の額の範囲内で対応しますが、必要に応じて借入等により調達することがあります。
c. 計画策定プロセス
毎期作成される年度運用計画において、本資産運用会社は、テナントの意見を参考に、費用対効果分析を綿密に行って、大規模修繕計画等、資本的支出に係る方針を策定します。資本的支出の実行においては、可能な限り業者からの入札プロセスを採用し、市場水準に比較して価格的及び質的に適切な内容となるよう努めます。
⑩ 財務方針
本投資法人は、以下の基本方針を維持しながら保守的な財務基盤維持を重視しつつ、当面は新型コロナウイルス感染症の影響によるリスクへの対応を最優先していきます。
(イ)エクイティ・ファイナンス
新投資口の発行は、投資口の中長期的な価値向上の観点から、本投資法人の運用資産の着実な成長を目指し、金融環境を的確に把握するとともに、中長期的な投資主価値の向上と、1口当たり分配金の希薄化に配慮しつつ機動的に実施します。
(ロ)デット・ファイナンス
資金調達環境の変化による影響を低減しつつ、低廉な資金調達コストを実現するため、固定金利借入れの割合、借入期間、担保設定の有無等の借入条件を、借入先候補となる適格機関投資家と交渉の上、比較して決定を行うことを基本的な方針としています。
なお、具体的には、今後外部成長を図っていく中での資産規模の拡大に伴う必要資金の調達を確保すべく、既存の借入先との良好な関係を維持、強化するとともに資金調達先の多様化を図ってまいります。
また、ポートフォリオの規模拡大とテナントや立地等のリスク分散の推進によりリスクプレミアムの低下を図り、金融コストの低減とともに、高格付けの取得や資金調達手段の多様化、負債の平均年限の長期化や固定金利の導入などを目指します。
(ハ)LTV
LTV(注)の水準は、資金余力の確保に留意しつつ、原則として60%を上限としますが、資産の取得等に伴い、一時的に60%を超えることがあります。なお、かかる基本方針のもと、当面は新型コロナウイルス感染症の影響など資金調達におけるリスクに留意した低めのレベルにコントロールし、巡航ベースでのLTVも40%程度を目安として保守的な水準を維持していく方針です。
(注) 「LTV」は、以下の計算式により算出されます。
LTV=(借入金残高+投資法人債発行残高)÷総資産額(*)×100
(*)「総資産額」とは、直近の決算期の貸借対照表記載の総資産額をいいます。
(ニ)キャッシュマネジメント
手元資金については、計画的に管理し、突発的な資金支出や機動的な資産取得等に備えた必要額を留保するとともに、資金調達環境の状況に応じた必要レベル以上の余剰資金は留保せず、負債の返済等を優先します。一定期間にわたり余剰資金の運用が必要な場合は、元本保証のある預金等にて運用します。
⑪ 情報開示方針
(イ)情報開示については、内部情報、機密情報の取扱いについて十分留意しつつ、常に投資家の視点に立ち、迅速、正確、かつ公平に情報を開示することに努めます。
(ロ)適時開示すべき事由に該当する情報が決定又は発生した場合は、速やかに当該情報を開示するものとし、開示の方法については、東京証券取引所の定める有価証券上場規程に従います。
(ハ)金融商品取引法、会社法及び投信法等の関連法を遵守し、本投資法人の情報を適正に開示を行います。