有価証券報告書-第31期(平成28年7月1日-平成29年6月30日)

【提出】
2017/09/26 12:01
【資料】
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【項目】
99項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や金融政策を背景に緩やかな回復傾向が見られましたが、アジア新興国の景気減速やイギリスのEU離脱問題、アメリカ新政権の政策の国内景気への影響等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の中、主力であるいちご果実・青果事業におきましては、昨年9月の全国的な日照不足を端緒とする天候不順が特に上半期の業績に悪影響を及ぼしました。また、馬鈴薯事業におきましては、昨年4月の熊本地震、昨年8月の北海道での台風被害による影響を大きく受けた年度となりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は3,722,630千円(前期比17.0%減少)、営業損失は183,269千円(前期は営業損失68,752千円)、経常損失は177,013千円(前期は経常損失60,466千円)となりました。また、固定資産の減損損失による特別損失を計上したため、親会社株主に帰属する当期純損失は409,493千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失110,133千円)となりました。
当連結会計年度の当社グループが営む事業は、いちご果実・青果事業、種苗事業、馬鈴薯事業、運送事業の4事業となっております。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(いちご果実・青果事業)
いちご果実・青果事業の主力商品は業務用いちご果実であります。夏秋期は自社品種いちごと輸入いちごを、その後は国産促成いちご(とちおとめ、さがほのかなど)を主に販売しております。
当連結会計年度は、自社品種「ペチカプライム」「ペチカサンタ」に加え、新品種「ペチカほのか」(商品名「夏瑞/なつみずき」)の販売を本格的に開始し、いちご果実及びその他青果物の販売拡大に努めてまいりました。夏秋期におきましては、他品種を含めて7月中下旬頃に出荷量がピークを迎えることで、一時的に供給過剰となる傾向があることを想定し、業務用だけでなく、加工用などの新たな販路の開拓を行うとともに、食味の良い新品種「ペチカほのか」(商品名「夏瑞/なつみずき」)を生食用として積極的に販売展開してまいりました。しかしながら、業務用の販売数量の減少と9月の自社品種の出荷数量の落ち込みによって、販売数量の抑制を余儀なくされました。さらに10,11月の出荷数量も9月の全国的な日照不足の影響で回復せず、売上高、利益ともに前年を下回りました。
最需要期となるクリスマス期におきましては、促成いちごの定植時期となる9月の極端な日照不足が初期生育に影響し、市場への入荷量が例年に比べ少なく、いちご市場相場価格が高騰いたしました。これにより取引先への販売価格が上昇し、売上高は前年より増加しましたが、クリスマス期以降も小玉サイズを中心に高値傾向は続き、固定価格での販売先に対する利益が大幅に減少いたしました。年明け以降1~6月の販売数量、売上高はほぼ前年並みとなり、利益については前年に比べ増加いたしましたが、12月までの利益の落ち込みが累計期間の業績に大きく響く結果となりました。
その他青果物につきましては、取扱量の減少により、売上高、利益とも前年を下回ることとなりました。
この結果、当連結会計年度におけるいちご果実・青果事業の売上高は3,146,924千円(前期比0.1%増加)、営業損失は29,015千円(前期は営業利益9,712千円)となりました。
(種苗事業)
種苗事業は、自社いちご品種の「ペチカプライム」と「ペチカサンタ」に加えて、新品種の「ペチカほのか」と「ペチカエバー」を含めた4品種の種苗を生産販売しております。自社いちご品種苗の販売先となる生産者は、栽培契約に基づいて、生産するいちご果実を当社に出荷しております。
当連結会計年度におきましては、新品種「ペチカエバー」の種苗生産販売が始まり、産地栽培指導に一段の力を入れて取り組んでまいりました。しかしながら、生産者の高齢化や後継者不足の影響による栽培休止や規模縮小により、自社品種の種苗販売本数は、前期に比べて約10%の減少となりました。利益につきましては経費の圧縮に努めたことにより前期を上回りました。
この結果、当連結会計年度における種苗事業の売上高は42,046千円(前期比6.8%減少)、営業利益は8,332千円(前期比30.2%増加)となりました。
(馬鈴薯事業)
馬鈴薯事業は、主に種馬鈴薯の生産販売、仕入販売と、青果馬鈴薯の仕入販売からなり、主要売上品である種馬鈴薯には、秋から春にかけて販売する春作と夏に販売する秋作の2体系がありますが、そのメインは春作種馬鈴薯です。
当連結会計年度は、昨年4月に熊本地震が発生し、さらに北海道が昨年8月に台風や大雨による被害を受けたため、主な馬鈴薯の仕入産地で生産量が減少いたしました。このために馬鈴薯の仕入を十分に行うことができなかったことに加え、昨年10月に100%子会社であった株式会社ジャパンポテトを吸収合併したことによる馬鈴薯事業運営体制変更の影響もあり、売上高、利益ともに前期を下回ることとなりました。
この結果、当連結会計年度における馬鈴薯事業の売上高は450,442千円(前期比62.8%減少)、営業損失は17,043千円(前期は営業利益60,822千円)となりました。
(運送事業)
運送事業は、株式会社エス・ロジスティックスが行っております。関東圏を中心とした事業展開で、当社の商品配送を中核としつつ、一般荷主からの配送業務受託を積極的に推進して売上増加を図ってまいりました。
また、利益面につきましては、自社配送原価を抑制し、提携業者並びに共同配送業者を効率的かつ積極的に運用することで利益の確保に努めてまいりましたが、当連結会計年度におきましては、荷主のコスト削減の一環とした、配送コースの集約などがあり、売上高、利益を減少させることとなりました。
この結果、当連結会計年度における運送事業の売上高は83,217千円(前期比4.0%減少)、営業利益は19,594千円(前期比5.5%減少)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、期首残高から152,575千円減少し、当連結会計年度末現在において300,040千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果使用した資金は165,676千円(前期は15,177千円の取得)となりました。これは主に、現金支出を伴わない減損損失229,949千円があったものの、税金等調整前当期純損失408,020千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は48,547千円(前期は5,815千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出43,075千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果取得した資金は61,647千円(前期は11,551千円の使用)となりました。これは主に、長期借入による収入65,000千円によるものであります。