有価証券報告書-第10期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/26 14:45
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対処すべき課題

当社は平成26年4月1日に当社の連結子会社である株式会社マルハニチロ水産(マルハニチロ株式会社に商号変更)を存続会社として合併し、消滅いたしました。
存続会社であるマルハニチロ株式会社の対処すべき課題は以下のとおりです。
(1)マルハニチログループの信頼回復
当社グループは、『私たちマルハニチログループは誠実を旨とし、本物・安心・健康な「食」の提供を通じて、人々の豊かな生活文化の創造に貢献します。』という理念のもと、社会から求められ、信頼される企業グループを目指してまいりましたが、株式会社アクリフーズ群馬工場において、平成25年年末に発生した農薬混入事件により、お客様、お取引先様、株主様をはじめ広く全国の皆様に多大なご迷惑とご不安、ご心配をおかけする事態を招きました。
この事態を受け、外部有識者からなる『アクリフーズ「農薬混入事件に関する第三者検証委員会」』から、平成26年4月30日にいただいた中間報告を真摯に受け止め、速やかに再発防止策及び危機管理再構築計画を策定・実施しているところであります。具体的には、平成26年4月1日に社長の直轄組織として設置した「危機管理再構築委員会」において、次の課題に対する再構築の企画検討、実施推進に取り組んでおります。
さらに、平成26年5月29日に『アクリフーズ「農薬混入事件に関する第三者検証委員会」』よりいただきました最終報告に盛り込まれました提言内容を踏まえた施策も検討・実施してまいります。
①グループガバナンスの強化
農薬混入事件発生後、当社グループ理念から大きく逸脱する対応を行ったことは、一連の問題において最も反省すべきことと認識しております。当社グループが食品企業として社会から何を求められているかという原点に立ち戻り、グループ理念を再確認し、役職員への定着を徹底してまいります。また、現在のグループ経営体制における責任と権限の明確化も図ってまいります。
②食品安全・フードディフェンスの再構築
当社グループで従来行っていた食品安全対策に加え、当社グループの生産拠点、物流拠点におけるフードディフェンスの取り組みとして、「外部侵入や異物混入を防止する施設整備」、「フードディフェンスルールの策定及び運用」、「フードディフェンスに対する意識の醸成」及び「風通しの良い職場環境の整備」の4点を実施するとともに、これらの活動を継続的に見直してまいります。
③品質保証体制の再構築
当社グループの品質保証体制を再構築するために、「品質保証関連規程類の見直し及びグループ企業への周知徹底」、「お客様からのお申し出の中で重大案件を察知し、関係者で共有するシステムの構築」、「製品品質リスクの調査・分析・評価の定常的な実施」、「食品衛生・関係法令に関する社員教育の実施及び専門家の育成」及び「万一、大規模な食品事故が発生した際のマニュアル策定と定期的な現場演習」を実施してまいります。
④危機管理体制の再構築
当社グループの危機管理体制を再構築するため、食品事故を含む様々な事業上の危機的事態が発生した際の初期対応体制の整備及び責任と権限の明確化を行うとともに、定期的な現場演習を実施してまいります。また、危機的事態の発生を抑制するリスクの分析及び対応策の策定、並びにお客様との双方向のコミュニケーションを図るなど、リスクへの感度を上げる活動も行ってまいります。さらに、リスク管理と食品安全を管理強化する組織体制の再整備も検討いたします。
⑤労務問題の改善
当社グループの生産拠点及び物流拠点における労務問題を抽出し、その改善を図るとともに、各種労務規則や労務管理手法を見直してまいります。
(2)成長路線への転換
当社グループは、グループの総合力が発揮できるシンプルな経営体制の構築を目指して、平成26年4月1日にグループの中核会社6社(株式会社マルハニチロホールディングス、株式会社マルハニチロ水産、株式会社マルハニチロ食品、株式会社マルハニチロ畜産、株式会社マルハニチロマネジメント及び株式会社アクリフーズ)が合併し、純粋持株会社体制から事業持株会社体制に転換いたしました。
事業持株会社である当社を推進エンジンとして、マルハとニチロの統合10周年となる平成29年を見据え、平成26年度から平成29年度までの中期4ヵ年経営計画「Challenge toward 2017」を平成26年5月に策定いたしました。前述の信頼回復策を最優先課題に据えていることに加え、次の課題に取り組んでまいります。
①成長路線の遂行
事業持株会社体制を基軸とした持続的成長の追求を基本方針とし、責任体制が明確で効率的なグループ経営を目指します。そのために、11の事業領域から構成されるユニットを中心とした経営を推進し、より戦略的に、より具体的に、より効果的に成長戦略を実行しやすい体制を構築します。また、ユニット内及びユニット間の協業や成長分野への戦略投資などの施策をタイムリーに推進することによりグループの成長を創出いたします。
国内外の中核事業の強化のための投資及び新規案件の投資を推進し、戦略投資を含めた期間中の設備投融資合計額として、750億円程度を計画しております。
②グローバル領域での収益拡大
水産物と加工食品の世界的な需要拡大が見込まれるなか、グローバル市場で成長を遂げることを、当社グループが持続的な発展を実現していくための重要戦略と位置付けます。
③財務体質の改善
財務体質の改善を目標とし、運転資本の効率化による有利子負債の削減と自己資本比率の改善を進めてまいります。
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