有価証券報告書-第101期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
1.重大リスクの選定プロセス
当社グループでは、経営上、事業運営上の重大なリスクを、社会情勢や経営環境及びグループの経営課題等を踏まえ、執行役及び本社コーポレート部門にて毎年度網羅的に洗い出し評価しています。また、事業固有の重大なリスクについても、本社事業部門にて毎年度、洗い出し評価したうえで、全執行役が参加するサステナビリティ審議会を経て決定しています。
2.当社グループのリスクマネジメント体制及び運用状況
上記の重大リスクに、拠点で事業拠点固有のリスクを洗い出し、評価したものを加え、各拠点で実施計画を策定のうえ、リスクマネジメント活動を行っています。活動状況については、定期的にサステナビリティ・SCQ推進本部、戦略経営会議及び取締役会に報告され、リスクの状況を経営層でモニタリング/レビューしています。また、重大リスクは取締役会に報告され、取締役会はリスクマネジメントを含むリスクの状況を監督しています(図1参照)。
重大リスクをグループ全体に共通するリスク、グループ内の一定範囲に共通するリスク、事業固有のリスク(事業全体の運営に重大な影響を及ぼすリスク)、及び事業拠点固有のリスク(拠点運営に重大な影響を及ぼすリスク)として、各階層が担うべき役割(計画の策定、実行、支援、モニタリング/レビュー)を明確にしています。特に本社のコーポレート部門/事業部門は、本社・直轄拠点・グループ会社で確実に対策が実行されるよう、半期ごとにリスクコミュニケーションを図り、実施状況や課題を共有し必要な支援を協議のうえ実施しています(図2参照)。
また、個々の重大リスクのシナリオを策定し、統一化した評価基準に基づく、影響度と発生可能性の定量的/定性的な評価を行い、リスク発現時のイメージを具体化し、共有しています(図3参照)。
図1:リスクマネジメント体制

図2:リスクマネジメントサイクル

図3:リスクの評価基準
3.事業等のリスク
当社グループは、当社グループそのものが持続可能であり続けるという「自社のサステナビリティ」とともに、事業活動を通して環境や社会を持続可能なものにしていくという「環境・社会のサステナビリティ」の両面を実現するために、サステナビリティ課題を特定しています。サステナビリティ課題に適切に対応していくことで、経済的価値と社会的価値の両立による企業価値の向上、及び当社グループにおける様々なリスクの低減につながると考えています。
これを踏まえて、当社グループの経営陣が、当社グループのサステナビリティ課題及びそれに関連する主要なリスクとして認識している事項は、以下のとおりです。
なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は2026年6月22日現在において判断したものです。
また、当社グループのサステナビリティに関するガバナンスやリスク管理の考え方等については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)ガバナンス及びリスク管理に関する事項」をご参照下さい。
(1)資源循環の推進 (発生可能性:高、影響度:大)
世界的な人口増加・経済成長に伴い、資源・エネルギー消費量等の増大や廃棄物量の増加、地球温暖化をはじめとする環境問題は深刻度を増しています。今後、大量生産・大量消費・大量廃棄型の線形経済モデルは立ち行かなくなる可能性があり、資源枯渇を含む原材料の調達リスク、廃棄物処理の困難性が増大することが考えられます。
限りある資源を消費し続ける社会から、廃棄物の発生を抑制するとともに、資源を循環させて有効活用する社会への移行が求められるなか、当社グループの各事業においても資源循環を推進していかなければ、成長機会の逸失や産業界からの排除のリスクにつながりかねません。
こうした状況を踏まえ、当社グループは、2026年度から2028年度までを対象とする中期経営戦略において、「資源循環ビジネスで未来を創る企業へ」という基本方針を掲げ、二次原料製錬の拡大(グローバル展開)やタングステンリサイクル率の向上に取り組みます。資源循環ビジネスを通じ、限りある資源を最大限に活用、廃棄物を新たな価値へと転換することで、環境負荷の低減と経済的価値の両立を目指します。
(2)人的資本の強化 (発生可能性:高、影響度:中)
少子高齢化に伴う労働人口の減少や個人のキャリア・働き方に対するニーズの多様化により、人材の確保や中長期的な専門人材の育成が困難になってきています。海外への事業展開を強化するにあたっては、公平性を担保し、文化や価値観の多様性を認めながら個々の個性を尊重し、協働することが求められています。
このようななか、柔軟な働き方を支援する施策や人事制度等の設計・運用が不十分である場合、従業員エンゲージメントの低下や企業成長に必要な人材を確保することが困難となる可能性があります。
当社では、「人こそが新しい価値を創造し、当社グループの持続的成長の源泉である」という考えのもと、人材を資源やコストではなく資本として捉え、人事施策を通じて人的資本の強化を行っています。中期経営戦略においては、これまでに取り組んできた「人材の価値最大化」と「共創と成長」をさらに進化させ、「戦略的人材の採用・育成・配置」、「生産性と資本効率を高める変革」、「共創と成長を生み出す基盤づくり」を通じて当社グループの企業価値向上につなげていきます。
(3)地球環境問題対応の強化 (発生可能性:高、影響度:中)
気候変動に関しては、全世界的にカーボンニュートラルに向けた動きが加速しており、日本を含む多くの国で2050年のカーボンニュートラル実現への取り組みが宣言されています。気候変動に対する政策及び法規制が強化され、炭素価格制度(排出権取引制度や炭素税)が導入、強化された場合など、温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量に応じたコストが発生することにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、カーボンニュートラルに向けた取り組みにおいて、エネルギー分野では、再生可能エネルギーの積極的な活用も求められており、このような事業拡大の機会を逃すことで、当社グループの成長機会を逸失する可能性があります。
これらに加えて、自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させるネイチャーポジティブの取り組みへの注目も高まっており、自然環境に配慮した事業活動が求められています。
当社グループでは、2045年度のカーボンニュートラル実現という目標を掲げ、2030年度に向けたGHG削減目標においては、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの使用を拡大することにより、当社グループの事業活動により排出されるGHGの削減に取り組んでいます。また、当社グループ製品の市場競争力を向上するため、製造プロセスの改善や環境配慮型製品の開発、CO2回収・有効利用・貯留(CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)など環境負荷を低減する技術開発を推進しています。
一方、気候変動に関する政策等の強化により、省エネ・GHG排出削減に貢献する技術や製品・サービスの需要が拡大することが予想され、ビジネス機会が増大すると想定しています。当社グループでは、脱炭素化に貢献する素材・製品・技術の開発、地熱発電等の再生可能エネルギーの開発・利用促進、CO2回収・利用に関する実証試験・技術開発の推進、保有する山林の保全活動等に取り組んでいます。
(4)高付加価値製品・ソリューション提供 (発生可能性:高、影響度:大)
持続的な企業価値向上にむけた競争力を高めるためには、コスト削減や人件費削減などによる一時的な利益率の向上ではなく、長期目線で競争力のある事業に経営資源を集中させることや技術革新による事業・製品を生み出していくことが必要となります。中長期的な成長投資を含む価値創造の追求を推進していかなければ、企業としての競争力が損なわれる可能性があります。
当社グループでは、中期経営戦略において高付加価値製品・ソリューションを提供することを掲げています。超硬製品事業においては、航空・宇宙・医療・半導体分野に、より高付加価値な製品とソリューションを提供していきます。電子材料事業においては、半導体、xEV、ヘルスケア領域に向けて、コンセプト・インによる高付加価値な製品とソリューションを提供し、また、ソリューション型営業の強化を進めていきます。
(5)開発・生産技術力の強化 (発生可能性:高、影響度:中)
経営環境が急速に変化する中、持続的成長のためには、開発・生産技術力を強化し、製品の高付加価値化や生産効率の向上を図り、市場競争力を維持・拡大していくことが不可欠です。十分な開発・生産技術力の強化ができない場合、競合他社に技術的優位性を奪われ、市場シェアの縮小や収益基盤の弱体化を招くおそれがあります。
当社グループは、中期経営戦略において、サーキュラーエコノミーとGHG削減分野を注力分野として、基盤技術の強化や新規事業・新技術の創出に取り組みます。リサイクルやGHG削減技術の基盤強化、サーキュラーエコノミーに貢献する新たなマテリアルの創出、オープンイノベーションの活用による新規事業創出の推進を進めていきます。また、自律化をベースにした現場力強化によるものづくり基盤強化、5Sマネジメント、生産性向上、品質安定化やグローバルエンジニアリング人材の育成を通じたものづくり力とエンジニアリング力の強化にも取り組みます。
(6)デジタル戦略の強化 (発生可能性:高、影響度:中)
当社グループでは、AIの活用を加速し、中期経営戦略で掲げる資源循環ビジネスの拡大に向けて、MMDX(※)の効果拡大・発展を進めています。IT、通信などの分野で技術が大きく発達し、また、デジタル化の急速な進展により、世界規模で経済環境や社会が大きく変化し続けています。このような中で事業活動を行い、企業価値を向上するにはデジタル技術の活用が必須となっています。アナログ業務をIT化するだけでなく、ビジネス変革につなげることができなければ、企業としての競争力が損なわれる可能性があります。
また、重要な情報インフラとネットワークの故障、サイバー攻撃(サイバーテロ)等の不測の事態、情報の不正持ち出し、コンピュータシステムの不備や管理不十分、コンピュータウイルスや不正ソフトの関与による個人情報等の漏えいが発生した場合は、社会的信用の失墜等につながる可能性があります。
そのため、グローバル標準のIT基盤やセキュリティの整備、将来に向けた人材育成を通じて、経営基盤の強化に取り組みます。
※MMDX:三菱マテリアル・デジタル・ビジネス・トランスフォーメーション
(7)SCQ課題への対応強化 (発生可能性:高、影響度:大)
利益(E)だけを追求し、製造現場の安全・健康(S)を軽視し、法令遵守・環境保全(C)を怠り、基準に満たない品質の製品(Q)の供給を行った場合、法的な制裁だけでなく、社会的な信用の低下により、企業価値の低下につながる可能性があります。
当社グループは、当社グループの行動規範を補足する指針・業務遂行上の優先順位として、SCQDE(※)を定めるとともに、SCQ課題への対応強化のために、「サステナビリティ・SCQ推進本部」(本部長:執行役社長)を設置し、関係部署長等で構成する部会を設け、「安全・健康」「コンプライアンス遵守」「品質」などの企業活動の根幹となる部分に集中して取り組みを進めています。
※業務を行ううえでの判断の優先順位であり、行動規範を補足する指針
S:Safety & Health(安全・健康最優先)、C:Compliance & Environment(法令遵守、公正な活動、環境保全)、Q:Quality(「顧客」に提供する製品・サービス等の品質)、D:Delivery(納期厳守)、E:Earnings(適正利益)
当社グループでは、経営上、事業運営上の重大なリスクを、社会情勢や経営環境及びグループの経営課題等を踏まえ、執行役及び本社コーポレート部門にて毎年度網羅的に洗い出し評価しています。また、事業固有の重大なリスクについても、本社事業部門にて毎年度、洗い出し評価したうえで、全執行役が参加するサステナビリティ審議会を経て決定しています。
2.当社グループのリスクマネジメント体制及び運用状況
上記の重大リスクに、拠点で事業拠点固有のリスクを洗い出し、評価したものを加え、各拠点で実施計画を策定のうえ、リスクマネジメント活動を行っています。活動状況については、定期的にサステナビリティ・SCQ推進本部、戦略経営会議及び取締役会に報告され、リスクの状況を経営層でモニタリング/レビューしています。また、重大リスクは取締役会に報告され、取締役会はリスクマネジメントを含むリスクの状況を監督しています(図1参照)。
重大リスクをグループ全体に共通するリスク、グループ内の一定範囲に共通するリスク、事業固有のリスク(事業全体の運営に重大な影響を及ぼすリスク)、及び事業拠点固有のリスク(拠点運営に重大な影響を及ぼすリスク)として、各階層が担うべき役割(計画の策定、実行、支援、モニタリング/レビュー)を明確にしています。特に本社のコーポレート部門/事業部門は、本社・直轄拠点・グループ会社で確実に対策が実行されるよう、半期ごとにリスクコミュニケーションを図り、実施状況や課題を共有し必要な支援を協議のうえ実施しています(図2参照)。
また、個々の重大リスクのシナリオを策定し、統一化した評価基準に基づく、影響度と発生可能性の定量的/定性的な評価を行い、リスク発現時のイメージを具体化し、共有しています(図3参照)。
図1:リスクマネジメント体制
図2:リスクマネジメントサイクル

図3:リスクの評価基準
3.事業等のリスク
当社グループは、当社グループそのものが持続可能であり続けるという「自社のサステナビリティ」とともに、事業活動を通して環境や社会を持続可能なものにしていくという「環境・社会のサステナビリティ」の両面を実現するために、サステナビリティ課題を特定しています。サステナビリティ課題に適切に対応していくことで、経済的価値と社会的価値の両立による企業価値の向上、及び当社グループにおける様々なリスクの低減につながると考えています。
これを踏まえて、当社グループの経営陣が、当社グループのサステナビリティ課題及びそれに関連する主要なリスクとして認識している事項は、以下のとおりです。
なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は2026年6月22日現在において判断したものです。
また、当社グループのサステナビリティに関するガバナンスやリスク管理の考え方等については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)ガバナンス及びリスク管理に関する事項」をご参照下さい。
(1)資源循環の推進 (発生可能性:高、影響度:大)
世界的な人口増加・経済成長に伴い、資源・エネルギー消費量等の増大や廃棄物量の増加、地球温暖化をはじめとする環境問題は深刻度を増しています。今後、大量生産・大量消費・大量廃棄型の線形経済モデルは立ち行かなくなる可能性があり、資源枯渇を含む原材料の調達リスク、廃棄物処理の困難性が増大することが考えられます。
限りある資源を消費し続ける社会から、廃棄物の発生を抑制するとともに、資源を循環させて有効活用する社会への移行が求められるなか、当社グループの各事業においても資源循環を推進していかなければ、成長機会の逸失や産業界からの排除のリスクにつながりかねません。
こうした状況を踏まえ、当社グループは、2026年度から2028年度までを対象とする中期経営戦略において、「資源循環ビジネスで未来を創る企業へ」という基本方針を掲げ、二次原料製錬の拡大(グローバル展開)やタングステンリサイクル率の向上に取り組みます。資源循環ビジネスを通じ、限りある資源を最大限に活用、廃棄物を新たな価値へと転換することで、環境負荷の低減と経済的価値の両立を目指します。
(2)人的資本の強化 (発生可能性:高、影響度:中)
少子高齢化に伴う労働人口の減少や個人のキャリア・働き方に対するニーズの多様化により、人材の確保や中長期的な専門人材の育成が困難になってきています。海外への事業展開を強化するにあたっては、公平性を担保し、文化や価値観の多様性を認めながら個々の個性を尊重し、協働することが求められています。
このようななか、柔軟な働き方を支援する施策や人事制度等の設計・運用が不十分である場合、従業員エンゲージメントの低下や企業成長に必要な人材を確保することが困難となる可能性があります。
当社では、「人こそが新しい価値を創造し、当社グループの持続的成長の源泉である」という考えのもと、人材を資源やコストではなく資本として捉え、人事施策を通じて人的資本の強化を行っています。中期経営戦略においては、これまでに取り組んできた「人材の価値最大化」と「共創と成長」をさらに進化させ、「戦略的人材の採用・育成・配置」、「生産性と資本効率を高める変革」、「共創と成長を生み出す基盤づくり」を通じて当社グループの企業価値向上につなげていきます。
(3)地球環境問題対応の強化 (発生可能性:高、影響度:中)
気候変動に関しては、全世界的にカーボンニュートラルに向けた動きが加速しており、日本を含む多くの国で2050年のカーボンニュートラル実現への取り組みが宣言されています。気候変動に対する政策及び法規制が強化され、炭素価格制度(排出権取引制度や炭素税)が導入、強化された場合など、温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量に応じたコストが発生することにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、カーボンニュートラルに向けた取り組みにおいて、エネルギー分野では、再生可能エネルギーの積極的な活用も求められており、このような事業拡大の機会を逃すことで、当社グループの成長機会を逸失する可能性があります。
これらに加えて、自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させるネイチャーポジティブの取り組みへの注目も高まっており、自然環境に配慮した事業活動が求められています。
当社グループでは、2045年度のカーボンニュートラル実現という目標を掲げ、2030年度に向けたGHG削減目標においては、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの使用を拡大することにより、当社グループの事業活動により排出されるGHGの削減に取り組んでいます。また、当社グループ製品の市場競争力を向上するため、製造プロセスの改善や環境配慮型製品の開発、CO2回収・有効利用・貯留(CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)など環境負荷を低減する技術開発を推進しています。
一方、気候変動に関する政策等の強化により、省エネ・GHG排出削減に貢献する技術や製品・サービスの需要が拡大することが予想され、ビジネス機会が増大すると想定しています。当社グループでは、脱炭素化に貢献する素材・製品・技術の開発、地熱発電等の再生可能エネルギーの開発・利用促進、CO2回収・利用に関する実証試験・技術開発の推進、保有する山林の保全活動等に取り組んでいます。
(4)高付加価値製品・ソリューション提供 (発生可能性:高、影響度:大)
持続的な企業価値向上にむけた競争力を高めるためには、コスト削減や人件費削減などによる一時的な利益率の向上ではなく、長期目線で競争力のある事業に経営資源を集中させることや技術革新による事業・製品を生み出していくことが必要となります。中長期的な成長投資を含む価値創造の追求を推進していかなければ、企業としての競争力が損なわれる可能性があります。
当社グループでは、中期経営戦略において高付加価値製品・ソリューションを提供することを掲げています。超硬製品事業においては、航空・宇宙・医療・半導体分野に、より高付加価値な製品とソリューションを提供していきます。電子材料事業においては、半導体、xEV、ヘルスケア領域に向けて、コンセプト・インによる高付加価値な製品とソリューションを提供し、また、ソリューション型営業の強化を進めていきます。
(5)開発・生産技術力の強化 (発生可能性:高、影響度:中)
経営環境が急速に変化する中、持続的成長のためには、開発・生産技術力を強化し、製品の高付加価値化や生産効率の向上を図り、市場競争力を維持・拡大していくことが不可欠です。十分な開発・生産技術力の強化ができない場合、競合他社に技術的優位性を奪われ、市場シェアの縮小や収益基盤の弱体化を招くおそれがあります。
当社グループは、中期経営戦略において、サーキュラーエコノミーとGHG削減分野を注力分野として、基盤技術の強化や新規事業・新技術の創出に取り組みます。リサイクルやGHG削減技術の基盤強化、サーキュラーエコノミーに貢献する新たなマテリアルの創出、オープンイノベーションの活用による新規事業創出の推進を進めていきます。また、自律化をベースにした現場力強化によるものづくり基盤強化、5Sマネジメント、生産性向上、品質安定化やグローバルエンジニアリング人材の育成を通じたものづくり力とエンジニアリング力の強化にも取り組みます。
(6)デジタル戦略の強化 (発生可能性:高、影響度:中)
当社グループでは、AIの活用を加速し、中期経営戦略で掲げる資源循環ビジネスの拡大に向けて、MMDX(※)の効果拡大・発展を進めています。IT、通信などの分野で技術が大きく発達し、また、デジタル化の急速な進展により、世界規模で経済環境や社会が大きく変化し続けています。このような中で事業活動を行い、企業価値を向上するにはデジタル技術の活用が必須となっています。アナログ業務をIT化するだけでなく、ビジネス変革につなげることができなければ、企業としての競争力が損なわれる可能性があります。
また、重要な情報インフラとネットワークの故障、サイバー攻撃(サイバーテロ)等の不測の事態、情報の不正持ち出し、コンピュータシステムの不備や管理不十分、コンピュータウイルスや不正ソフトの関与による個人情報等の漏えいが発生した場合は、社会的信用の失墜等につながる可能性があります。
そのため、グローバル標準のIT基盤やセキュリティの整備、将来に向けた人材育成を通じて、経営基盤の強化に取り組みます。
※MMDX:三菱マテリアル・デジタル・ビジネス・トランスフォーメーション
(7)SCQ課題への対応強化 (発生可能性:高、影響度:大)
利益(E)だけを追求し、製造現場の安全・健康(S)を軽視し、法令遵守・環境保全(C)を怠り、基準に満たない品質の製品(Q)の供給を行った場合、法的な制裁だけでなく、社会的な信用の低下により、企業価値の低下につながる可能性があります。
当社グループは、当社グループの行動規範を補足する指針・業務遂行上の優先順位として、SCQDE(※)を定めるとともに、SCQ課題への対応強化のために、「サステナビリティ・SCQ推進本部」(本部長:執行役社長)を設置し、関係部署長等で構成する部会を設け、「安全・健康」「コンプライアンス遵守」「品質」などの企業活動の根幹となる部分に集中して取り組みを進めています。
※業務を行ううえでの判断の優先順位であり、行動規範を補足する指針
S:Safety & Health(安全・健康最優先)、C:Compliance & Environment(法令遵守、公正な活動、環境保全)、Q:Quality(「顧客」に提供する製品・サービス等の品質)、D:Delivery(納期厳守)、E:Earnings(適正利益)