有価証券報告書-第89期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
全社的リスク管理プロセス(ERM)として、サステナビリティ戦略会議において、長期視点に立ったリスクおよび事業活動におけるリスクの管理を行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 長期視点に立ったリスク
長期視点に立ったリスクは、持続的な企業価値向上を目指し、中長期的なスパンにおいてバックキャストの視点でリスクマネジメントが必要な、企業レベルの重要リスクとして捉えております。サステナビリティスローガン(基本方針)やマテリアリティ等にもとづき、成長におよぼす影響度と発現時期の観点から評価した6項目と気候変動リスクを併せた下記7項目について、シナリオ分析をした上で対応方針を策定し、モニタリングしています。
① 人財リスク(技術者不足)
国内の生産年齢人口の減少に伴う当社グループの基幹である土木および建築分野の技術者不足は、将来の事業継続および成長に支障をきたす大きな可能性があります。よって、技術者の人数や能力の充足状況、技術革新による生産性向上、離職率や採用動向、技術継承の進捗などを中心に対応方針に基づき施策の効果をモニタリングし、必要な場合はさらなる施策を講じていきます。
② 人財リスク(所長候補人財の不足)
年代別の従業員構成比率の不均衡や価値観の変化などに伴う所長候補人財不足は、将来の事業継続および成長へ支障をきたす大きな可能性があります。よって、事業戦略に基づく現場所長の要員数に対する候補者の充足、所長候補者世代の人数および能力の充足、所長職の魅力向上などを中心に対応方針に基づき施策の効果をモニタリングし、必要な場合はさらなる施策を講じていきます。
③ 建設業担い手不足のリスク
生産年齢人口の減少や建設業界の入職者の減少に伴う業界内の下請け構造の変化は、労務費の上昇や事業活動に不可欠な協力会社の確保に困難をきたす大きな可能性があります。よって、建設労働者数、サブコンおよび協力会社数、Nネット会員企業の状況、同業他社の動向等を中心にモニタリングを継続しながら必要な施策を検討および実行します。
④ 業界再編リスク
昨今の建設業界を取り巻く業界再編の動きは、経営戦略および事業戦略の遂行に大きな影響を及ぼす可能性があります。よって、本リスクについては、経営層による的確かつ迅速な対応のため、随時経営会議で業界動向などのモニタリングを行います。
⑤ 技術開発リスク
当社グループにおける技術開発や技術活用といった技術革新の遅れは、競争力の低下および受注の逸失による事業継続や成長への大きな影響を及ぼす可能性があります。よって、技術開発の進捗や社会のニーズへの適合、同業他社との優位性等を中心にモニタリングを行い、必要な場合はさらなる施策を講じていきます。
⑥ 長期市場リスク
国内の人口減少に伴う将来的な建設市場縮小は不可避であるため、当社グループが市場の変化に対応できない場合は、事業継続および成長に影響を及ぼす大きな可能性があります。よって、経済成長、建設投資額の動向、当社の得意分野における建設投資額の動向、社会のニーズや価値観の変化などについて、西松-Vision2035策定の前提条件と乖離が生じていないかモニタリングを行い、必要な場合は施策実行や前提条件の見直しなどを講じていきます。
⑦ 気候変動リスク
※気候変動リスクの詳細に関しては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動への対応」に記載のとおりです。
(2) 事業活動におけるリスク
事業活動におけるリスクは、四半期ごとに個別リスクの管理状況のモニタリングと有効性評価を行います。個別リスクは影響度と発生可能性を3段階でリスクマップを用いて評価し、影響度については、財務、資産保全に関する定量的な指標、および業務継続に関する定性的な指標を社内で定めています。ただし、以下は多岐にわたる個別リスクを主要なリスクとして、一部集約して記載しています。

リスクマップの抜粋(○の番号はリスク項目に対応する個別リスクです)
① 資材価格及び労務費等の上昇リスク
長期にわたる工事を受注する時点で将来の資材等調達価格を適切に予測することが困難な場合があるため、工期中に資材価格や調達の状況が大きく変わることがあります。これにより建設コストが大幅に増加することがありますが、当該建設コスト増加分を工事請負金額に反映させることができない場合には、受注時に計画していた工事損益が変動し、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため、工事請負契約の締結にあたり、適正な価格、適正な工期で工事を実施できるよう、発注者に対して協議の申し入れを行っております。また、施工条件や資材価格動向の精査による物価変動リスクの定量評価、主要資材の早期調達等により、工事損益の確保に努めております。
② 施工品質リスク
工事目的物の品質管理には万全を期しておりますが、重大な欠陥が発生した場合には、顧客からの信頼を損なうことに加え、契約不適合責任に基づく損害賠償金の支払等により、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため、各種の社内基準書に準拠した施工、品質パトロールの実施、社内組織を活用した施工管理検討の実施、契約不適合事例や不具合事例の全社水平展開、各種研修の実施等により、工事目的物の品質管理に努めております。
③ 長時間労働に関するリスク
長時間労働は、従業員の健康リスクを増大させるほか、エンゲージメントや生産性の低下および離職者の増加、さらには法令違反による行政指導を受けた場合の社会的信用の失墜など当社グループの事業遂行に重要な影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため、2017年度以降、フレックスタイム制度や在宅勤務制度の導入、現場工務革新センターの設置による現場業務の見直し、具体的な時間外労働削減の取組の全社共有などを進め、段階的に36協定届出の時間を低減してまいりました。また、時間外労働状況の見える化システムによるリスク管理を徹底し、工事進捗状況などにより長時間労働リスクの高まった現場に対しては、人員の増強、支社・支店による支援強化などの対策を適時に講じております。
④ コンプライアンスリスク
業務活動上の不祥事や重大なハラスメント行為は顧客や株主等の信頼を失い当社グループの業績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため、社外出身者を委員長とするコンプライアンス委員会を設置し、内部通報を含む各種情報について審査、処分を含む措置を決定するとともに、必要な対策を展開しております。また、コンプライアンス意識を浸透させ企業文化に高めるため、幹部を始め全従業員に対してレベルごとの研修を毎年実施し、隔年毎のコンプライアンス意識調査により従業員の意識レベルを把握するとともに、部署ごとの具体的なコンプライアンスリスク管理状況を確認するため、毎年コンプライアンス監査を実施し効果の確認と新たなリスク抽出に努めております。
⑤ 情報セキュリティリスク
当社グループの事業活動において、情報システムの利用とその重要性は増大しております。コンピュータウイルスその他の要因によって情報システムの機能に支障が生じた場合、当社グループの事業活動や業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、設計・施工をはじめとする事業活動を通じて構造物やお客様に関する情報、取引先の個人情報あるいは機密情報等を取り扱っております。これらの情報が外部からのサイバー攻撃(ランサムウェア、標的型メール等)や従業員の過失、内部不正等によって漏洩又は紛失した場合、損害賠償、復旧費用等の発生により、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため、当社グループで情報セキュリティポリシーを定め、外部からの不正アクセス防止、コンピュータウイルス対策、クラウドサービス利用の可視化・制御、内部不正対策等の技術的対策、ならびに従業員の教育や標的型メール訓練の実施等の人的対策を通じて、情報セキュリティ対策の継続的な強化に努めております。
⑥ 人財確保に関するリスク
事業活動に必要な専門性を持つ人財や、リーダーの確保と育成が推進できない場合には、経営計画の遂行
に影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため次の通り、人財の採用、育成、流出防止及び生産性向上に努めております。
採用は、少子化による新卒者数の減少を背景として、初任給の増額、現場勤務手当や若手社員の帰省旅費制度の創設など制度面の改定に加え、当社の魅力として評価されている「社員・社風の良さ」を体験してもらう機会としてのインターンシップや現場見学会の強化のためリクルーター制度などの新卒採用体制強化を図っております。また、アルムナイ採用やリファラル採用奨励を制度化したほか、各部門や支社支店の採用担当者と必要人財や求職応募者の情報共有を進め、全社的なキャリア採用体制強化も図っています。
育成は、専門力や一般教養を含めた多様な能力獲得の機会整備、マネジメント能力・リーダーシップ能力
の開発を目的とした社員研修カリキュラムの充実を進めております。人財の流出防止のため、対話の活性化
による心理的安全性の高い職場風土の醸成や柔軟な働き方の促進等を行うことでエンゲージメントの向上を
図っております。加えて、現場における生産性向上に向けて、デジタル技術活用による「スマート現場」の
実現をはじめとする、デジタルトランスフォーメーションの推進を積極的に進めております。
⑦ 労働災害リスク
施工中に予期せぬ重大事故や労働災害が発生した場合には、顧客その他ステークホルダーからの信頼を損なうとともに当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため、過去事例の全社水平展開や定期的な現場パトロールのほか、当社職員や協力会社の職長・作業員に対する安全教育の継続的な実施により、労働災害を未然に防止するよう努めております。
⑧ 事業環境の変化に関するリスク(市場)
景気悪化等による建設需要の減少や不動産市場の縮小等、当社事業に係る著しい環境変化が生じた場合には、建設工事受注高の減少や不動産販売事業・賃貸事業の低迷など、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため、当社グループは、長期ビジョン「西松-Vision2035」や「中期経営計画2028」を策定し、事業活動に取り組んでおります。また、計画時の想定を上回る事業環境の変化が生じた場合には、適宜計画の見直しを行い、業績等に与える影響の低減に取り組んでおります。
⑨ 開発事業・投資リスク(自社開発、投資)
不動産市況の悪化により出口戦略が予定どおり遂行されない場合の事業計画の変更や投資先の業績悪化等に伴う採算の悪化など、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため、事業管理体制の確立、プロジェクトリスク評価の実施、事業計画の適時見直し、代替出口戦略の確保等により、業績への影響を低減させるよう努めております。新規事業は、経験者・専門家・第三者の意見を取り入れリスク項目を抽出し、最大リスクを考慮した感度分析を実施して、そのリスクに対応していきます。
⑩ 自然災害・感染症リスク
大規模な地震や台風・洪水等の自然災害は、施工中案件の被災、工程遅延、自社所有建物等への被害等、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、感染症の拡大により、当社および協力会社の職員の感染症患者が多数発生した場合には、感染拡大防止措置に伴う工程遅延や工事中断による工事損益の変動等、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため、事業継続計画(BCP)の策定及び定期的なBCP訓練の実施により、建設会社の社会的責任としてインフラ復旧工事に積極的に協力し、被災地の復旧・支援やお客様の事業の早期再開に貢献できるよう努めております。また、自然災害に備え、施工中案件においてはリスクに応じて建設工事保険を、自社所有建物等においては損害保険等を付保し損害低減策を講じております。
⑪ 海外事業リスク(カントリーリスク、市場、戦略)
当社グループは東南アジア・南西アジアを中心に海外事業を展開しているため、進出国におけるテロの発生や政治経済情勢の変動、法制度の変更等があった場合には、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、進出国における外資企業の活動制限、日系企業の投資状況等による発注量の伸び悩み等により受注量が変動し、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
上記のカントリーリスクに対応するため、外務省海外安全ホームページによる危険度レベルの定期的な確認や、「リスク確認チェックシート」によるカントリーリスクの定期的な評価や「海外危機管理マニュアル」の周知等により、事業継続や工事への悪影響を最小限に抑えるよう努めております。また、海外建築事業に関しては、日系企業投資が鈍化する中でより事業を安定化させるため、これまでの日系工場案件中心の取り組みから、現地・外資系案件の取り組みを拡大することで入札機会を増やすとともに、アセットバリューアッド事業との連携を強化します。運営体制のローカル化により価格競争力を高め、戦略的な受注を目指します。
⑫ 為替変動リスク
為替相場の大幅な変動等が生じた場合には、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため、海外工事では原則、工事取下金と工事支出金の通貨を合致させることで為替リスクを回避し、為替レート毎の為替差損益の試算を行い、外貨残高の適正な管理を行います。国内工事では海外より資機材の調達を行う際には、為替予約等を検討することで、業績への影響を低減させるよう努めております。
全社的リスク管理プロセス(ERM)として、サステナビリティ戦略会議において、長期視点に立ったリスクおよび事業活動におけるリスクの管理を行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 長期視点に立ったリスク
長期視点に立ったリスクは、持続的な企業価値向上を目指し、中長期的なスパンにおいてバックキャストの視点でリスクマネジメントが必要な、企業レベルの重要リスクとして捉えております。サステナビリティスローガン(基本方針)やマテリアリティ等にもとづき、成長におよぼす影響度と発現時期の観点から評価した6項目と気候変動リスクを併せた下記7項目について、シナリオ分析をした上で対応方針を策定し、モニタリングしています。
① 人財リスク(技術者不足)
国内の生産年齢人口の減少に伴う当社グループの基幹である土木および建築分野の技術者不足は、将来の事業継続および成長に支障をきたす大きな可能性があります。よって、技術者の人数や能力の充足状況、技術革新による生産性向上、離職率や採用動向、技術継承の進捗などを中心に対応方針に基づき施策の効果をモニタリングし、必要な場合はさらなる施策を講じていきます。
② 人財リスク(所長候補人財の不足)
年代別の従業員構成比率の不均衡や価値観の変化などに伴う所長候補人財不足は、将来の事業継続および成長へ支障をきたす大きな可能性があります。よって、事業戦略に基づく現場所長の要員数に対する候補者の充足、所長候補者世代の人数および能力の充足、所長職の魅力向上などを中心に対応方針に基づき施策の効果をモニタリングし、必要な場合はさらなる施策を講じていきます。
③ 建設業担い手不足のリスク
生産年齢人口の減少や建設業界の入職者の減少に伴う業界内の下請け構造の変化は、労務費の上昇や事業活動に不可欠な協力会社の確保に困難をきたす大きな可能性があります。よって、建設労働者数、サブコンおよび協力会社数、Nネット会員企業の状況、同業他社の動向等を中心にモニタリングを継続しながら必要な施策を検討および実行します。
④ 業界再編リスク
昨今の建設業界を取り巻く業界再編の動きは、経営戦略および事業戦略の遂行に大きな影響を及ぼす可能性があります。よって、本リスクについては、経営層による的確かつ迅速な対応のため、随時経営会議で業界動向などのモニタリングを行います。
⑤ 技術開発リスク
当社グループにおける技術開発や技術活用といった技術革新の遅れは、競争力の低下および受注の逸失による事業継続や成長への大きな影響を及ぼす可能性があります。よって、技術開発の進捗や社会のニーズへの適合、同業他社との優位性等を中心にモニタリングを行い、必要な場合はさらなる施策を講じていきます。
⑥ 長期市場リスク
国内の人口減少に伴う将来的な建設市場縮小は不可避であるため、当社グループが市場の変化に対応できない場合は、事業継続および成長に影響を及ぼす大きな可能性があります。よって、経済成長、建設投資額の動向、当社の得意分野における建設投資額の動向、社会のニーズや価値観の変化などについて、西松-Vision2035策定の前提条件と乖離が生じていないかモニタリングを行い、必要な場合は施策実行や前提条件の見直しなどを講じていきます。
⑦ 気候変動リスク
※気候変動リスクの詳細に関しては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動への対応」に記載のとおりです。
(2) 事業活動におけるリスク
事業活動におけるリスクは、四半期ごとに個別リスクの管理状況のモニタリングと有効性評価を行います。個別リスクは影響度と発生可能性を3段階でリスクマップを用いて評価し、影響度については、財務、資産保全に関する定量的な指標、および業務継続に関する定性的な指標を社内で定めています。ただし、以下は多岐にわたる個別リスクを主要なリスクとして、一部集約して記載しています。

リスクマップの抜粋(○の番号はリスク項目に対応する個別リスクです)
① 資材価格及び労務費等の上昇リスク
長期にわたる工事を受注する時点で将来の資材等調達価格を適切に予測することが困難な場合があるため、工期中に資材価格や調達の状況が大きく変わることがあります。これにより建設コストが大幅に増加することがありますが、当該建設コスト増加分を工事請負金額に反映させることができない場合には、受注時に計画していた工事損益が変動し、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため、工事請負契約の締結にあたり、適正な価格、適正な工期で工事を実施できるよう、発注者に対して協議の申し入れを行っております。また、施工条件や資材価格動向の精査による物価変動リスクの定量評価、主要資材の早期調達等により、工事損益の確保に努めております。
② 施工品質リスク
工事目的物の品質管理には万全を期しておりますが、重大な欠陥が発生した場合には、顧客からの信頼を損なうことに加え、契約不適合責任に基づく損害賠償金の支払等により、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため、各種の社内基準書に準拠した施工、品質パトロールの実施、社内組織を活用した施工管理検討の実施、契約不適合事例や不具合事例の全社水平展開、各種研修の実施等により、工事目的物の品質管理に努めております。
③ 長時間労働に関するリスク
長時間労働は、従業員の健康リスクを増大させるほか、エンゲージメントや生産性の低下および離職者の増加、さらには法令違反による行政指導を受けた場合の社会的信用の失墜など当社グループの事業遂行に重要な影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため、2017年度以降、フレックスタイム制度や在宅勤務制度の導入、現場工務革新センターの設置による現場業務の見直し、具体的な時間外労働削減の取組の全社共有などを進め、段階的に36協定届出の時間を低減してまいりました。また、時間外労働状況の見える化システムによるリスク管理を徹底し、工事進捗状況などにより長時間労働リスクの高まった現場に対しては、人員の増強、支社・支店による支援強化などの対策を適時に講じております。
④ コンプライアンスリスク
業務活動上の不祥事や重大なハラスメント行為は顧客や株主等の信頼を失い当社グループの業績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため、社外出身者を委員長とするコンプライアンス委員会を設置し、内部通報を含む各種情報について審査、処分を含む措置を決定するとともに、必要な対策を展開しております。また、コンプライアンス意識を浸透させ企業文化に高めるため、幹部を始め全従業員に対してレベルごとの研修を毎年実施し、隔年毎のコンプライアンス意識調査により従業員の意識レベルを把握するとともに、部署ごとの具体的なコンプライアンスリスク管理状況を確認するため、毎年コンプライアンス監査を実施し効果の確認と新たなリスク抽出に努めております。
⑤ 情報セキュリティリスク
当社グループの事業活動において、情報システムの利用とその重要性は増大しております。コンピュータウイルスその他の要因によって情報システムの機能に支障が生じた場合、当社グループの事業活動や業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、設計・施工をはじめとする事業活動を通じて構造物やお客様に関する情報、取引先の個人情報あるいは機密情報等を取り扱っております。これらの情報が外部からのサイバー攻撃(ランサムウェア、標的型メール等)や従業員の過失、内部不正等によって漏洩又は紛失した場合、損害賠償、復旧費用等の発生により、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため、当社グループで情報セキュリティポリシーを定め、外部からの不正アクセス防止、コンピュータウイルス対策、クラウドサービス利用の可視化・制御、内部不正対策等の技術的対策、ならびに従業員の教育や標的型メール訓練の実施等の人的対策を通じて、情報セキュリティ対策の継続的な強化に努めております。
⑥ 人財確保に関するリスク
事業活動に必要な専門性を持つ人財や、リーダーの確保と育成が推進できない場合には、経営計画の遂行
に影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため次の通り、人財の採用、育成、流出防止及び生産性向上に努めております。
採用は、少子化による新卒者数の減少を背景として、初任給の増額、現場勤務手当や若手社員の帰省旅費制度の創設など制度面の改定に加え、当社の魅力として評価されている「社員・社風の良さ」を体験してもらう機会としてのインターンシップや現場見学会の強化のためリクルーター制度などの新卒採用体制強化を図っております。また、アルムナイ採用やリファラル採用奨励を制度化したほか、各部門や支社支店の採用担当者と必要人財や求職応募者の情報共有を進め、全社的なキャリア採用体制強化も図っています。
育成は、専門力や一般教養を含めた多様な能力獲得の機会整備、マネジメント能力・リーダーシップ能力
の開発を目的とした社員研修カリキュラムの充実を進めております。人財の流出防止のため、対話の活性化
による心理的安全性の高い職場風土の醸成や柔軟な働き方の促進等を行うことでエンゲージメントの向上を
図っております。加えて、現場における生産性向上に向けて、デジタル技術活用による「スマート現場」の
実現をはじめとする、デジタルトランスフォーメーションの推進を積極的に進めております。
⑦ 労働災害リスク
施工中に予期せぬ重大事故や労働災害が発生した場合には、顧客その他ステークホルダーからの信頼を損なうとともに当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため、過去事例の全社水平展開や定期的な現場パトロールのほか、当社職員や協力会社の職長・作業員に対する安全教育の継続的な実施により、労働災害を未然に防止するよう努めております。
⑧ 事業環境の変化に関するリスク(市場)
景気悪化等による建設需要の減少や不動産市場の縮小等、当社事業に係る著しい環境変化が生じた場合には、建設工事受注高の減少や不動産販売事業・賃貸事業の低迷など、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため、当社グループは、長期ビジョン「西松-Vision2035」や「中期経営計画2028」を策定し、事業活動に取り組んでおります。また、計画時の想定を上回る事業環境の変化が生じた場合には、適宜計画の見直しを行い、業績等に与える影響の低減に取り組んでおります。
⑨ 開発事業・投資リスク(自社開発、投資)
不動産市況の悪化により出口戦略が予定どおり遂行されない場合の事業計画の変更や投資先の業績悪化等に伴う採算の悪化など、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため、事業管理体制の確立、プロジェクトリスク評価の実施、事業計画の適時見直し、代替出口戦略の確保等により、業績への影響を低減させるよう努めております。新規事業は、経験者・専門家・第三者の意見を取り入れリスク項目を抽出し、最大リスクを考慮した感度分析を実施して、そのリスクに対応していきます。
⑩ 自然災害・感染症リスク
大規模な地震や台風・洪水等の自然災害は、施工中案件の被災、工程遅延、自社所有建物等への被害等、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、感染症の拡大により、当社および協力会社の職員の感染症患者が多数発生した場合には、感染拡大防止措置に伴う工程遅延や工事中断による工事損益の変動等、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため、事業継続計画(BCP)の策定及び定期的なBCP訓練の実施により、建設会社の社会的責任としてインフラ復旧工事に積極的に協力し、被災地の復旧・支援やお客様の事業の早期再開に貢献できるよう努めております。また、自然災害に備え、施工中案件においてはリスクに応じて建設工事保険を、自社所有建物等においては損害保険等を付保し損害低減策を講じております。
⑪ 海外事業リスク(カントリーリスク、市場、戦略)
当社グループは東南アジア・南西アジアを中心に海外事業を展開しているため、進出国におけるテロの発生や政治経済情勢の変動、法制度の変更等があった場合には、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、進出国における外資企業の活動制限、日系企業の投資状況等による発注量の伸び悩み等により受注量が変動し、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
上記のカントリーリスクに対応するため、外務省海外安全ホームページによる危険度レベルの定期的な確認や、「リスク確認チェックシート」によるカントリーリスクの定期的な評価や「海外危機管理マニュアル」の周知等により、事業継続や工事への悪影響を最小限に抑えるよう努めております。また、海外建築事業に関しては、日系企業投資が鈍化する中でより事業を安定化させるため、これまでの日系工場案件中心の取り組みから、現地・外資系案件の取り組みを拡大することで入札機会を増やすとともに、アセットバリューアッド事業との連携を強化します。運営体制のローカル化により価格競争力を高め、戦略的な受注を目指します。
⑫ 為替変動リスク
為替相場の大幅な変動等が生じた場合には、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対応するため、海外工事では原則、工事取下金と工事支出金の通貨を合致させることで為替リスクを回避し、為替レート毎の為替差損益の試算を行い、外貨残高の適正な管理を行います。国内工事では海外より資機材の調達を行う際には、為替予約等を検討することで、業績への影響を低減させるよう努めております。