有価証券報告書-第83期(2024/04/01-2025/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
① 経営成績の状況
当連結会計年度の国内経済は、原材料価格の高騰や物価上昇等の影響があったものの、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大などにより緩やかな回復の動きがみられた。一方、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが国内経済を下押しするリスクとなった。
当建設業界における受注環境は、公共投資は底堅く推移しており、民間設備投資は持ち直しの動きがみられた。
当社グループを取り巻く経営環境は、各鉄道会社の旅客収入の回復に伴う設備投資の増加をはじめ、駅前大規模開発やデータセンターなど成長分野の建設需要及び既存設備の更新需要が堅調であり、設備工事の需要が拡大した。
このような状況の中で、当社グループは前連結会計年度からの豊富な繰越工事の効率的な施工に加え、グループを挙げて新規工事の受注確保に努めた結果、当連結会計年度の連結受注高は2,237億円(前連結会計年度比108%)、連結売上高は2,169億円(前連結会計年度比112%)となり、連結繰越高は1,830億円(前連結会計年度比105%)と全てにおいて過去最高となった。
利益についても、連結営業利益は179億34百万円(前連結会計年度比133%)、連結経常利益は194億0百万円(前連結会計年度比130%)、親会社株主に帰属する当期純利益は131億92百万円(前連結会計年度比131%)と全てにおいて過去最高となった。
なお、当連結会計年度から、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、一定の期間にわたり収益を認識する方法の適用範囲を拡大したことによる影響として、連結売上高は34億1百万円増加し、連結営業利益及び連結経常利益は25億79百万円それぞれ増加している。
部門別の状況は次のとおりである。
なお、当連結会計年度から部門の区分を変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいて記載している。
鉄道電気工事部門
当連結会計年度は、東日本旅客鉄道株式会社をはじめとするJR各社、公営鉄道及び民営鉄道等に対して組織的営業を展開し受注の確保に努めた結果、連結受注工事高は1,201億円(前連結会計年度比104%)となり、連結完成工事高は1,171億円(前連結会計年度比109%)となった。また、連結繰越工事高は857億円(前連結会計年度比104%)となった。
一般電気工事部門
当連結会計年度は、大規模工事を中心に顧客志向に基づいた営業活動を展開し受注の確保に努めた結果、連結受注工事高は588億円(前連結会計年度比99%)となり、連結完成工事高は600億円(前連結会計年度比126%)となった。また、連結繰越工事高は685億円(前連結会計年度比98%)となった。
情報通信工事部門
当連結会計年度は、得意先等に対し全社的な受注の確保に努めた結果、連結受注工事高は338億円(前連結会計年度比127%)となり、連結完成工事高は281億円(前連結会計年度比104%)となった。また、連結繰越工事高は223億円(前連結会計年度比134%)となった。
環境エネルギー工事部門
当連結会計年度は、再生可能エネルギーや空調衛生の駅周辺再開発工事などを中心に顧客志向に基づいた営業活動を展開し受注の確保に努めた結果、連結受注工事高は67億円(前連結会計年度比227%)となり、連結完成工事高は53億円(前連結会計年度比107%)となった。また、連結繰越工事高は45億円(前連結会計年度比144%)となった。
関連事業等
当連結会計年度は、保有不動産を活用した賃貸事業と工事施工に関わる周辺分野の事業を展開し収益の確保に努めた結果、連結受注高は41億円(前連結会計年度比126%)となり、連結売上高は61億円(前連結会計年度比91%)となった。
(注) 「関連事業等」には、不動産業及びビル総合管理、電気設備の保守点検、資材等の販売、ソフトウェアの開発及び電気設備の設計等を含んでいるが、不動産の賃貸・管理等は受注生産を行っていないため、連結受注高に金額は含まれていない。
② 財政状態の状況
資産
当連結会計年度末における資産の残高は、2,963億88百万円(前連結会計年度末は2,825億97百万円)となり、137億91百万円増加した。
負債
当連結会計年度末における負債の残高は、867億39百万円(前連結会計年度末は834億82百万円)となり、32億56百万円増加した。
純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は、2,096億49百万円(前連結会計年度末は1,991億15百万円)となり、105億34百万円増加した。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、財務活動による資金の増加があったものの、営業活動及び投資活動による資金の減少により、前連結会計年度末から99億46百万円減少し、259億49百万円となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、43億41百万円の資金減少(前連結会計年度比117億24百万円減少)となった。これは、税金等調整前当期純利益202億16百万円の計上等による資金増加要因と、売上債権の増加額163億66百万円及び法人税等の支払額58億88百万円並びに仕入債務の減少額44億88百万円等による資金減少要因によるものである。なお、仕入債務が減少した主な要因は、支払サイトの短縮によるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローは、57億74百万円の資金減少(前連結会計年度比15億95百万円減少)となった。これは、有形固定資産の取得による支出47億77百万円及び投資有価証券の取得による支出23億55百万円等による資金減少要因によるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1億69百万円の資金増加(前連結会計年度比81億2百万円増加)となった。これは、短期借入金の純増加額40億0百万円等による資金増加要因と、配当金の支払額27億70百万円等による資金減少要因によるものである。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 受注実績
(注) 1.当連結会計年度から部門の区分を変更しており、前連結会計年度の受注実績は、変更後の部門の区分に基づ
いて記載している。
2.「関連事業等」のうち受注生産を行っていない不動産の賃貸・管理等は、上記金額には含まれていない。
b. 売上実績
(注) 1.当連結会計年度から部門の区分を変更しており、前連結会計年度の売上実績は、変更後の部門の区分に基づ
いて記載している。
2.当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載していない。
3.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。
建設業における受注工事高及び完成工事高の状況
(a) 受注工事高、完成工事高及び繰越工事高
前事業年度 自 2023年4月1日 至 2024年3月31日
(注) 1.当事業年度から部門の区分を変更しており、前事業年度の受注工事高、完成工事高及び繰越工事高は、変更後の部門の区分に基づいて記載している。
2.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。
3.「関連事業等」の当期完成工事高には、受注生産を行っていない不動産の賃貸等の売上高が含まれているため、当期完成工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-次期繰越工事高)に一致しない。
当事業年度 自 2024年4月1日 至 2025年3月31日
(注) 1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。
2.「関連事業等」の当期完成工事高には、受注生産を行っていない不動産の賃貸等の売上高が含まれているため、当期完成工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-次期繰越工事高)に一致しない。
(b) 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別される。
(注) 1.当事業年度から部門の区分を変更しており、前事業年度の受注工事高の受注方法別比率は、変更後の部門の区分に基づいて記載している。
2.百分比は請負金額比である。
(c) 完成工事高
(注) 1.当事業年度から部門の区分を変更しており、前事業年度の完成工事高は、変更後の部門の区分に基づいて記載している。
2.完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
前事業年度の完成工事のうち主なもの
当事業年度の完成工事のうち主なもの
3.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。
(d) 次期繰越工事高(2025年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりである。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績の状況に関する分析・検討内容
「日本電設3ヶ年経営計画2024」の初年度である2025年3月期の連結受注高は、旅客収入回復に伴う東日本旅客鉄道株式会社の投資増加のほか、建設需要及び既存設備の更新需要の回復傾向を受け、一般電気工事にて手持工事量や採算性を考慮した選別受注を継続した中でも、前連結会計年度比で大幅な増加となった。
連結売上高及び連結営業利益については、高水準の手持工事が順調に進捗したことで連結売上高も前連結会計年度比で大幅な増加となり、工事量増加による施工効率改善や工事単価の引き上げにより、連結営業利益においても大幅な増益となった。
これらにより連結受注高・連結売上高・連結営業利益はいずれも過去最高となり、好調な受注を受け連結次期繰越高についても過去最高となった。
なお、当連結会計年度から、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、一定の期間にわたり収益を認識する方法の適用範囲を拡大したことにより、連結売上高、連結営業利益及び連結経常利益が増加する影響があった。
セグメントごとの経営成績の分析・検討内容については、当社グループは設備工事業の単一セグメントであるため、設備工事業の部門別の内容を記載している。
鉄道電気工事部門
連結受注工事高は、遅れが見られた東日本旅客鉄道株式会社の発注が下期に増加したほか、民営鉄道各社への営業を強化したことにより、前連結会計年度比で増加した。
連結完成工事高は、東日本旅客鉄道株式会社の投資拡大による受注増や繰越工事の順調な進捗により、前連結会計年度比で大幅に増加した。
一般電気工事部門
連結受注工事高は、手持工事量や採算性を考慮した選別受注を継続しつつ高水準の受注高を維持することができた。
連結完成工事高は、高水準の手持工事が順調に進捗したことにより、前連結会計年度比で大幅に増加した。
情報通信工事部門
連結受注工事高は、大型のネットワーク案件の落札等により、前連結会計年度比で大幅に増加した。
連結完成工事高は、鉄道通信工事の受注増等により、前連結会計年度比で増加した。
環境エネルギー工事部門
連結受注工事高は、風力発電所関連の大型工事や空調衛生と電気が一体の駅前再開発案件等の受注により、前連結会計年度比で大幅に増加した。
連結完成工事高は、受注増や手持工事の契約変更により、前連結会計年度比で増加した。
② 財政状態の状況に関する分析・検討内容
資産
当連結会計年度末においては、工事量の変動に伴い受取手形・完成工事未収入金等が増加した。
負債
当連結会計年度末においては、支払サイトの短縮に伴い電子記録債務が減少したものの、短期借入金及び未成工事受入金が増加した。
純資産
当連結会計年度末においては、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことに伴い利益剰余金が増加し、自己資本比率は66.0%となった。
利益剰余金のうち提出会社の繰越利益剰余金については、2025年6月20日開催の第83期定時株主総会において、下記のとおり決議された。
1株当たり配当額 90円
配当総額 5,419百万円
別途積立金の積立 5,900百万円
なお、配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」の項目を参照のこと。
③ キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における「現金及び現金同等物の期末残高」(以下「資金」という。)は、財務活動による資金の増加があったものの、営業活動及び投資活動による資金の減少により、前連結会計年度末から99億46百万円減少し、259億49百万円となった。
なお、詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」の項目を参照のこと。
b. キャッシュ・フロー指標のトレンド
(注) 1.自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出している。
3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出している。
4.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用している。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としている。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用している。
5. 2025年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載していない。
c.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、現金及び現金同等物並びに営業活動によるキャッシュ・フローを資金の源泉としている。一方、資金需要については、運転資金をはじめ、成長投資や経営基盤の強化として、人材の確保、育成・教育、技術開発、DXの推進、軌陸車等の工事用機材の配備、事業所整備、M&A、新規事業、施工体制強化等の支出のほか、自己株式取得及び株主の皆様への配当である。
資金の流動性については、これらの資金需要に対して自己資金により対応できる適切な水準を維持することを基本方針としているが、不足が見込まれる場合には金融機関から調達することとしており、当連結会計年度末は、現金及び現金同等物259億49百万円を確保し必要な流動性水準を維持している。
また、当社は資金需要に備えるため、複数の金融機関と当座貸越契約を締結している。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いているが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりである。
a. 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率に基づき、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に債権の回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上している。
将来の不確実な経済条件の変動等により、貸倒実績率を補正すること等が必要となった場合、引当金の金額が増減する可能性がある。
b. 完成工事補償引当金
完成工事に係る契約不適合責任により要する費用に備えるため、当連結会計年度の完成工事高に対し、過去の完成工事に係る補償額の実績を基に将来の発生見込額を加味して計上している。
見積りを超える費用が発生した場合、引当金の追加計上が必要となる可能性がある。一方、実際の費用が引当金の金額を下回った場合は引当金戻入益を計上することとなる。
c. 工事損失引当金
受注工事に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における手持受注工事のうち、損失が確実視されその金額を合理的に見積ることができる工事について、損失見込額を計上している。
損失見込額の見積りは、工事契約ごとに策定した実行予算に基づき算定している。また、実行予算は、作成時点で入手可能な情報に基づき、作業内容や原材料価格等について仮定し策定している。工事の進捗等に伴い継続して実行予算の見直しを行っているが、工事契約の変更や仕様変更、工事着手後の状況の変化等が発生した場合は、引当金の金額が増減する可能性がある。
d. 退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算定しており、これらの前提条件には、割引率、予定昇給率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれている。
将来の不確実な経済条件の変動等により前提条件の見直しが必要となった場合、退職給付債務及び退職給付費用に影響を与える可能性がある。
e.固定資産の減損
固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしている。
将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性がある。
f. 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性については毎期見直しており、過年度の業績、納税状況及び将来の業績予測等を総合的に勘案し、課税所得の額を合理的に見積ることにより判断している。
将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、繰延税金資産が減額され税金費用が発生する可能性がある。
g. 履行義務の充足に係る進捗度を見積り、一定の期間にわたり認識した収益
履行義務の充足に係る進捗度の測定は、当連結会計年度末までに発生した工事原価が、予想される工事原価総額に占める割合(原価比例法)に基づいて行っている。
工事原価総額は、工事契約ごとに策定した実行予算に基づき算定している。また、実行予算は、作成時点で入手可能な情報に基づき、作業内容や原材料価格等について仮定し策定している。工事の進捗等に伴い継続して実行予算の見直しを行っているが、工事契約の変更や仕様変更、工事着手後の状況の変化等が発生した場合は、完成工事高及び完成工事原価に影響を与える可能性がある。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
① 経営成績の状況
当連結会計年度の国内経済は、原材料価格の高騰や物価上昇等の影響があったものの、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大などにより緩やかな回復の動きがみられた。一方、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが国内経済を下押しするリスクとなった。
当建設業界における受注環境は、公共投資は底堅く推移しており、民間設備投資は持ち直しの動きがみられた。
当社グループを取り巻く経営環境は、各鉄道会社の旅客収入の回復に伴う設備投資の増加をはじめ、駅前大規模開発やデータセンターなど成長分野の建設需要及び既存設備の更新需要が堅調であり、設備工事の需要が拡大した。
このような状況の中で、当社グループは前連結会計年度からの豊富な繰越工事の効率的な施工に加え、グループを挙げて新規工事の受注確保に努めた結果、当連結会計年度の連結受注高は2,237億円(前連結会計年度比108%)、連結売上高は2,169億円(前連結会計年度比112%)となり、連結繰越高は1,830億円(前連結会計年度比105%)と全てにおいて過去最高となった。
利益についても、連結営業利益は179億34百万円(前連結会計年度比133%)、連結経常利益は194億0百万円(前連結会計年度比130%)、親会社株主に帰属する当期純利益は131億92百万円(前連結会計年度比131%)と全てにおいて過去最高となった。
なお、当連結会計年度から、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、一定の期間にわたり収益を認識する方法の適用範囲を拡大したことによる影響として、連結売上高は34億1百万円増加し、連結営業利益及び連結経常利益は25億79百万円それぞれ増加している。
部門別の状況は次のとおりである。
なお、当連結会計年度から部門の区分を変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいて記載している。
鉄道電気工事部門
当連結会計年度は、東日本旅客鉄道株式会社をはじめとするJR各社、公営鉄道及び民営鉄道等に対して組織的営業を展開し受注の確保に努めた結果、連結受注工事高は1,201億円(前連結会計年度比104%)となり、連結完成工事高は1,171億円(前連結会計年度比109%)となった。また、連結繰越工事高は857億円(前連結会計年度比104%)となった。
一般電気工事部門
当連結会計年度は、大規模工事を中心に顧客志向に基づいた営業活動を展開し受注の確保に努めた結果、連結受注工事高は588億円(前連結会計年度比99%)となり、連結完成工事高は600億円(前連結会計年度比126%)となった。また、連結繰越工事高は685億円(前連結会計年度比98%)となった。
情報通信工事部門
当連結会計年度は、得意先等に対し全社的な受注の確保に努めた結果、連結受注工事高は338億円(前連結会計年度比127%)となり、連結完成工事高は281億円(前連結会計年度比104%)となった。また、連結繰越工事高は223億円(前連結会計年度比134%)となった。
環境エネルギー工事部門
当連結会計年度は、再生可能エネルギーや空調衛生の駅周辺再開発工事などを中心に顧客志向に基づいた営業活動を展開し受注の確保に努めた結果、連結受注工事高は67億円(前連結会計年度比227%)となり、連結完成工事高は53億円(前連結会計年度比107%)となった。また、連結繰越工事高は45億円(前連結会計年度比144%)となった。
関連事業等
当連結会計年度は、保有不動産を活用した賃貸事業と工事施工に関わる周辺分野の事業を展開し収益の確保に努めた結果、連結受注高は41億円(前連結会計年度比126%)となり、連結売上高は61億円(前連結会計年度比91%)となった。
(注) 「関連事業等」には、不動産業及びビル総合管理、電気設備の保守点検、資材等の販売、ソフトウェアの開発及び電気設備の設計等を含んでいるが、不動産の賃貸・管理等は受注生産を行っていないため、連結受注高に金額は含まれていない。
② 財政状態の状況
資産
当連結会計年度末における資産の残高は、2,963億88百万円(前連結会計年度末は2,825億97百万円)となり、137億91百万円増加した。
負債
当連結会計年度末における負債の残高は、867億39百万円(前連結会計年度末は834億82百万円)となり、32億56百万円増加した。
純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は、2,096億49百万円(前連結会計年度末は1,991億15百万円)となり、105億34百万円増加した。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、財務活動による資金の増加があったものの、営業活動及び投資活動による資金の減少により、前連結会計年度末から99億46百万円減少し、259億49百万円となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、43億41百万円の資金減少(前連結会計年度比117億24百万円減少)となった。これは、税金等調整前当期純利益202億16百万円の計上等による資金増加要因と、売上債権の増加額163億66百万円及び法人税等の支払額58億88百万円並びに仕入債務の減少額44億88百万円等による資金減少要因によるものである。なお、仕入債務が減少した主な要因は、支払サイトの短縮によるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローは、57億74百万円の資金減少(前連結会計年度比15億95百万円減少)となった。これは、有形固定資産の取得による支出47億77百万円及び投資有価証券の取得による支出23億55百万円等による資金減少要因によるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1億69百万円の資金増加(前連結会計年度比81億2百万円増加)となった。これは、短期借入金の純増加額40億0百万円等による資金増加要因と、配当金の支払額27億70百万円等による資金減少要因によるものである。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 受注実績
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||
| 鉄道電気工事(百万円) | 115,832 | 120,114 | (3.7%増) | |
| 一般電気工事(百万円) | 59,247 | 58,808 | (0.7%減) | |
| 情報通信工事(百万円) | 26,697 | 33,885 | (26.9%増) | |
| 環境エネルギー工事(百万円) | 2,983 | 6,771 | (126.9%増) | |
| 関連事業等(百万円) | 3,274 | 4,137 | (26.4%増) | |
| 合計(百万円) | 208,036 | 223,718 | (7.5%増) | |
(注) 1.当連結会計年度から部門の区分を変更しており、前連結会計年度の受注実績は、変更後の部門の区分に基づ
いて記載している。
2.「関連事業等」のうち受注生産を行っていない不動産の賃貸・管理等は、上記金額には含まれていない。
b. 売上実績
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||
| 鉄道電気工事(百万円) | 107,643 | 117,160 | (8.8%増) | |
| 一般電気工事(百万円) | 47,584 | 60,092 | (26.3%増) | |
| 情報通信工事(百万円) | 27,057 | 28,156 | (4.1%増) | |
| 環境エネルギー工事(百万円) | 5,006 | 5,378 | (7.4%増) | |
| 関連事業等(百万円) | 6,740 | 6,134 | (9.0%減) | |
| 合計(百万円) | 194,031 | 216,922 | (11.8%増) | |
(注) 1.当連結会計年度から部門の区分を変更しており、前連結会計年度の売上実績は、変更後の部門の区分に基づ
いて記載している。
2.当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載していない。
3.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 東日本旅客鉄道㈱ | 96,390 | 49.7 | 110,662 | 51.0 |
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。
建設業における受注工事高及び完成工事高の状況
(a) 受注工事高、完成工事高及び繰越工事高
前事業年度 自 2023年4月1日 至 2024年3月31日
| 区分 | 前期繰越工事高 (百万円) | 当期受注工事高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期完成工事高 (百万円) | 次期繰越工事高 (百万円) |
| 鉄道電気工事 | 58,419 | 82,825 | 141,245 | 76,135 | 65,109 |
| 一般電気工事 | 58,151 | 58,962 | 117,114 | 47,569 | 69,544 |
| 情報通信工事 | 15,711 | 21,889 | 37,600 | 22,398 | 15,202 |
| 環境エネルギー工事 | 4,765 | 2,357 | 7,123 | 4,554 | 2,569 |
| 関連事業等 | 1,447 | 1,688 | 3,136 | 5,114 | 998 |
| 合計 | 138,496 | 167,724 | 306,220 | 155,773 | 153,424 |
(注) 1.当事業年度から部門の区分を変更しており、前事業年度の受注工事高、完成工事高及び繰越工事高は、変更後の部門の区分に基づいて記載している。
2.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。
3.「関連事業等」の当期完成工事高には、受注生産を行っていない不動産の賃貸等の売上高が含まれているため、当期完成工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-次期繰越工事高)に一致しない。
当事業年度 自 2024年4月1日 至 2025年3月31日
| 区分 | 前期繰越工事高 (百万円) | 当期受注工事高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期完成工事高 (百万円) | 次期繰越工事高 (百万円) |
| 鉄道電気工事 | 65,109 | 83,734 | 148,844 | 81,679 | 67,164 |
| 一般電気工事 | 69,544 | 58,171 | 127,715 | 59,853 | 67,861 |
| 情報通信工事 | 15,202 | 28,916 | 44,118 | 23,570 | 20,548 |
| 環境エネルギー工事 | 2,569 | 6,361 | 8,930 | 4,551 | 4,379 |
| 関連事業等 | 998 | 2,477 | 3,476 | 4,421 | 1,692 |
| 合計 | 153,424 | 179,660 | 333,084 | 174,075 | 161,646 |
(注) 1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。
2.「関連事業等」の当期完成工事高には、受注生産を行っていない不動産の賃貸等の売上高が含まれているため、当期完成工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-次期繰越工事高)に一致しない。
(b) 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別される。
| 期別 | 区分 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) | |
| 前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 鉄道電気工事 | 83.3 | 16.7 | 100 | |
| 一般電気工事 | 32.0 | 68.0 | 100 | ||
| 情報通信工事 | 87.2 | 12.8 | 100 | ||
| 環境エネルギー工事 | 40.0 | 60.0 | 100 | ||
| 関連事業等 | 51.0 | 49.0 | 100 | ||
| 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 鉄道電気工事 | 88.0 | 12.0 | 100 | |
| 一般電気工事 | 37.3 | 62.7 | 100 | ||
| 情報通信工事 | 79.1 | 20.9 | 100 | ||
| 環境エネルギー工事 | 37.0 | 63.0 | 100 | ||
| 関連事業等 | 92.4 | 7.6 | 100 | ||
(注) 1.当事業年度から部門の区分を変更しており、前事業年度の受注工事高の受注方法別比率は、変更後の部門の区分に基づいて記載している。
2.百分比は請負金額比である。
(c) 完成工事高
| 期別 | 区分 | 民間 (百万円) | 官公庁 (百万円) | 合計 (百万円) |
| 前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 鉄道電気工事 | 66,784 | 9,351 | 76,135 |
| 一般電気工事 | 39,171 | 8,398 | 47,569 | |
| 情報通信工事 | 20,040 | 2,358 | 22,398 | |
| 環境エネルギー工事 | 4,499 | 55 | 4,554 | |
| 関連事業等 | 4,564 | 550 | 5,114 | |
| 合計 | 135,059 | 20,713 | 155,773 | |
| 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 鉄道電気工事 | 76,050 | 5,628 | 81,679 |
| 一般電気工事 | 49,352 | 10,500 | 59,853 | |
| 情報通信工事 | 22,874 | 695 | 23,570 | |
| 環境エネルギー工事 | 4,470 | 80 | 4,551 | |
| 関連事業等 | 3,882 | 539 | 4,421 | |
| 合計 | 156,631 | 17,444 | 174,075 |
(注) 1.当事業年度から部門の区分を変更しており、前事業年度の完成工事高は、変更後の部門の区分に基づいて記載している。
2.完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
前事業年度の完成工事のうち主なもの
| 東日本旅客鉄道㈱ | 高崎線岡部構内・本庄間電車線路修繕工事 |
| (独)鉄道・運輸機構 | 北陸新幹線455k4・敦賀車両基地間電力設備工事 |
| 国立大学法人北海道大学 | 北海道大学総合研究棟(資源工学系)新営電気設備工事 |
| 四国電設工業㈱ | 四国電設工業㈱松山営業所新築工事 ZEB事業 |
| 地方独立行政法人 東京都立病院機構 | 都立駒込病院新院内ネットワーク整備工事 |
当事業年度の完成工事のうち主なもの
| 東日本旅客鉄道㈱ | 東大宮操車場連動装置取替信号設備改良工事 |
| 北九州高速鉄道㈱ | 北九州モノレール高配ケーブル張替工事 |
| 社会医療法人社団 カレスサッポロ | カレス記念病院建設電気設備工事 |
| 東日本旅客鉄道㈱ | 秋葉原外4駅駅構内5Gインフラ設備新設工事 |
| ㈱ユニマットハーヴェスト レジデンス | (仮称)八街ハーヴェストレジデンス第1期新築工事(機械設備工事) |
3.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。
| 前事業年度 | 東日本旅客鉄道㈱ | 65,833百万円 | 42.3% |
| 当事業年度 | 東日本旅客鉄道㈱ | 76,743百万円 | 44.1% |
(d) 次期繰越工事高(2025年3月31日現在)
| 区分 | 民間 (百万円) | 官公庁 (百万円) | 合計 (百万円) |
| 鉄道電気工事 | 63,996 | 3,168 | 67,164 |
| 一般電気工事 | 47,116 | 20,745 | 67,861 |
| 情報通信工事 | 17,861 | 2,686 | 20,548 |
| 環境エネルギー工事 | 4,227 | 151 | 4,379 |
| 関連事業等 | 1,341 | 350 | 1,692 |
| 合計 | 134,543 | 27,102 | 161,646 |
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりである。
| 東日本旅客鉄道㈱ | 東電鳩ヶ谷・蕨間保蔵物先行改良工事 |
| 横浜市交通局 | 市営地下鉄弘明寺駅電気室更新工事 |
| 東京都 | 東京国際展示場(6)東展示棟改修電気設備工事 |
| 京都市役所 | 京都市中央卸売市場第一市場整備工事 ただし、新青果棟(仮称)電気設備工事 |
| JR東日本ビルテック㈱ | TAKANAWA GATEWAY CITY 携帯電話不感知対策工事 |
| ENEOSリニューアブル・エナジー㈱ | JRE富川太陽光発電所建設工事 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績の状況に関する分析・検討内容
「日本電設3ヶ年経営計画2024」の初年度である2025年3月期の連結受注高は、旅客収入回復に伴う東日本旅客鉄道株式会社の投資増加のほか、建設需要及び既存設備の更新需要の回復傾向を受け、一般電気工事にて手持工事量や採算性を考慮した選別受注を継続した中でも、前連結会計年度比で大幅な増加となった。
連結売上高及び連結営業利益については、高水準の手持工事が順調に進捗したことで連結売上高も前連結会計年度比で大幅な増加となり、工事量増加による施工効率改善や工事単価の引き上げにより、連結営業利益においても大幅な増益となった。
これらにより連結受注高・連結売上高・連結営業利益はいずれも過去最高となり、好調な受注を受け連結次期繰越高についても過去最高となった。
なお、当連結会計年度から、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、一定の期間にわたり収益を認識する方法の適用範囲を拡大したことにより、連結売上高、連結営業利益及び連結経常利益が増加する影響があった。
セグメントごとの経営成績の分析・検討内容については、当社グループは設備工事業の単一セグメントであるため、設備工事業の部門別の内容を記載している。
鉄道電気工事部門
連結受注工事高は、遅れが見られた東日本旅客鉄道株式会社の発注が下期に増加したほか、民営鉄道各社への営業を強化したことにより、前連結会計年度比で増加した。
連結完成工事高は、東日本旅客鉄道株式会社の投資拡大による受注増や繰越工事の順調な進捗により、前連結会計年度比で大幅に増加した。
一般電気工事部門
連結受注工事高は、手持工事量や採算性を考慮した選別受注を継続しつつ高水準の受注高を維持することができた。
連結完成工事高は、高水準の手持工事が順調に進捗したことにより、前連結会計年度比で大幅に増加した。
情報通信工事部門
連結受注工事高は、大型のネットワーク案件の落札等により、前連結会計年度比で大幅に増加した。
連結完成工事高は、鉄道通信工事の受注増等により、前連結会計年度比で増加した。
環境エネルギー工事部門
連結受注工事高は、風力発電所関連の大型工事や空調衛生と電気が一体の駅前再開発案件等の受注により、前連結会計年度比で大幅に増加した。
連結完成工事高は、受注増や手持工事の契約変更により、前連結会計年度比で増加した。
② 財政状態の状況に関する分析・検討内容
資産
当連結会計年度末においては、工事量の変動に伴い受取手形・完成工事未収入金等が増加した。
負債
当連結会計年度末においては、支払サイトの短縮に伴い電子記録債務が減少したものの、短期借入金及び未成工事受入金が増加した。
純資産
当連結会計年度末においては、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことに伴い利益剰余金が増加し、自己資本比率は66.0%となった。
利益剰余金のうち提出会社の繰越利益剰余金については、2025年6月20日開催の第83期定時株主総会において、下記のとおり決議された。
1株当たり配当額 90円
配当総額 5,419百万円
別途積立金の積立 5,900百万円
なお、配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」の項目を参照のこと。
③ キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における「現金及び現金同等物の期末残高」(以下「資金」という。)は、財務活動による資金の増加があったものの、営業活動及び投資活動による資金の減少により、前連結会計年度末から99億46百万円減少し、259億49百万円となった。
なお、詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」の項目を参照のこと。
b. キャッシュ・フロー指標のトレンド
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 66.9 | 67.8 | 65.7 | 66.0 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 37.8 | 37.3 | 44.5 | 41.6 |
| キャッシュ・フロー対有利子 負債比率(年) | 0.1 | 0.1 | 0.1 | ― |
| インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍) | ― | ― | ― | ― |
(注) 1.自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出している。
3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出している。
4.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用している。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としている。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用している。
5. 2025年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載していない。
c.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、現金及び現金同等物並びに営業活動によるキャッシュ・フローを資金の源泉としている。一方、資金需要については、運転資金をはじめ、成長投資や経営基盤の強化として、人材の確保、育成・教育、技術開発、DXの推進、軌陸車等の工事用機材の配備、事業所整備、M&A、新規事業、施工体制強化等の支出のほか、自己株式取得及び株主の皆様への配当である。
資金の流動性については、これらの資金需要に対して自己資金により対応できる適切な水準を維持することを基本方針としているが、不足が見込まれる場合には金融機関から調達することとしており、当連結会計年度末は、現金及び現金同等物259億49百万円を確保し必要な流動性水準を維持している。
また、当社は資金需要に備えるため、複数の金融機関と当座貸越契約を締結している。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いているが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりである。
a. 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率に基づき、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に債権の回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上している。
将来の不確実な経済条件の変動等により、貸倒実績率を補正すること等が必要となった場合、引当金の金額が増減する可能性がある。
b. 完成工事補償引当金
完成工事に係る契約不適合責任により要する費用に備えるため、当連結会計年度の完成工事高に対し、過去の完成工事に係る補償額の実績を基に将来の発生見込額を加味して計上している。
見積りを超える費用が発生した場合、引当金の追加計上が必要となる可能性がある。一方、実際の費用が引当金の金額を下回った場合は引当金戻入益を計上することとなる。
c. 工事損失引当金
受注工事に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における手持受注工事のうち、損失が確実視されその金額を合理的に見積ることができる工事について、損失見込額を計上している。
損失見込額の見積りは、工事契約ごとに策定した実行予算に基づき算定している。また、実行予算は、作成時点で入手可能な情報に基づき、作業内容や原材料価格等について仮定し策定している。工事の進捗等に伴い継続して実行予算の見直しを行っているが、工事契約の変更や仕様変更、工事着手後の状況の変化等が発生した場合は、引当金の金額が増減する可能性がある。
d. 退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算定しており、これらの前提条件には、割引率、予定昇給率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれている。
将来の不確実な経済条件の変動等により前提条件の見直しが必要となった場合、退職給付債務及び退職給付費用に影響を与える可能性がある。
e.固定資産の減損
固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしている。
将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性がある。
f. 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性については毎期見直しており、過年度の業績、納税状況及び将来の業績予測等を総合的に勘案し、課税所得の額を合理的に見積ることにより判断している。
将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、繰延税金資産が減額され税金費用が発生する可能性がある。
g. 履行義務の充足に係る進捗度を見積り、一定の期間にわたり認識した収益
履行義務の充足に係る進捗度の測定は、当連結会計年度末までに発生した工事原価が、予想される工事原価総額に占める割合(原価比例法)に基づいて行っている。
工事原価総額は、工事契約ごとに策定した実行予算に基づき算定している。また、実行予算は、作成時点で入手可能な情報に基づき、作業内容や原材料価格等について仮定し策定している。工事の進捗等に伴い継続して実行予算の見直しを行っているが、工事契約の変更や仕様変更、工事着手後の状況の変化等が発生した場合は、完成工事高及び完成工事原価に影響を与える可能性がある。