有価証券報告書-第81期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/03/27 10:47
【資料】
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【項目】
227項目

対処すべき課題

(1) 経営方針
当社は、「最良の作品を世に遺し、社会に貢献する」という経営理念を使命とし、「社是」を基本姿勢として、お客様満足や社会の信用を得て企業の社会的価値を高める「品質経営」に継続して取り組んでいる。また当社グループにおいては、ステークホルダーとの対話を深めることを示した「竹中グループCSRビジョン」と、当ビジョンを含む企業理念、品質経営基本方針の考え方を表現した「竹中グループメッセージ」を定め、ビジョンの実現に向けた取り組みを推進している。

ビジョンを実現するため、当社グループは2014年に「2025年のグループ成長戦略」を策定し、長期的な視野で経営計画を展開している。グループ全体の事業領域を「まち」として捉え、「まちづくりの全てのステージ」で最良の品質とソリューションを提供し、建設とサービスを融合した新たな価値をつくり、社会とお客様にとって最良のパートナーとなることを目指していく。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
国内の建設市場は、企業収益の改善等を背景に設備投資に持ち直しの動きがみられ、都市部での再開発事業の進展や防災意識の高まりも要因となって、民間需要は全体として底堅く、公共投資にも支えられて概ね堅調に推移している。一方で、慢性的な労働力不足の懸念など予断を許さない状況が続いている。
海外においては、米中貿易摩擦による影響や欧州における政治体制の不透明感による影響に留意する必要があるものの、総じて堅調に推移している。都市・インフラ建設等の建設需要は東南アジアを中心に引き続き底堅く、経済のボーダレス化や企業のグローバル化の進展に伴い、高度な建設ソリューションを世界各地で安定的に供給することが求められている。
また政府による働き方改革の取り組みの進展に伴い、生産性の向上やダイバーシティの推進が企業の共通課題となった。特に建設業においては、担い手確保と併せて働き方改革が重要な経営課題となっている。
このような状況下において当社グループの具体的な取組みは以下のとおりとし、着実に遂行している。
1.ものづくりに携わる全ての人々が堅実かつ基本に忠実なものづくりに徹し、安全の確保と作品の品質向上に不断の努力を続ける。
2.プロジェクトの初期段階から企画、生産、運用段階にわたる一貫したマネジメントによりお客様の課題解決に真摯に取組み、また省人化技術やBIM等のICTの活用により生産性を抜本的に改善するとともに、生産力を確保し、競争力と収益力の強化を図る。
3.グループの各事業の総力により、まちづくりの全てのステージで社会やお客様のニーズに応えるビジネスモデルやソリューションを創造し、地域社会の持続的発展と低炭素な社会の実現に取り組む。
4.開発事業においては、保有物件の資産価値の向上と新規物件の開発により競争力を強化し、長期にわたる安定的な収益基盤の確保を図る。
5.従業員の成長を促進し、心身ともに健康で活躍できる環境を整え、抜本的生産性向上と働き方改革を実現し、ワークライフバランスの向上を図る。
当社グループは、更なる安全・安心技術やエネルギー有効活用技術を建築を含む様々な社会システムの構築に活かし、「まちづくり総合エンジニアリング企業」に成長する事を目指して、まちづくりを通して人々が明るく豊かに暮らすためのサステナブル社会の実現に貢献していく。