有価証券報告書-第78期(平成27年1月1日-平成27年12月31日)

【提出】
2016/03/25 14:43
【資料】
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【項目】
127項目

対処すべき課題

国内の建設市場は、公的需要は前年に比べ減少したものの、企業業績が改善を続けるなか設備投資が増加したことに加え、都市部での再開発事業の進展や防災意識の高まりも要因となって、民間需要は全体として堅調に推移した。一方で、急激な需給バランスの変化に伴い、労働力不足の慢性化など予断を許さない状況が続いている。
海外の経済動向については、中国をはじめとする新興諸国では景気減速不安を抱え、米国、欧州などの先進国においても不透明な状況にある。一方で都市・インフラ建設等の建設需要は東南アジアを中心に引き続き底堅く、経済のボーダレス化や企業のグローバル化の進展に伴い、高度な建設ソリューションを世界各地で安定的に供給することが求められている。
このような状況下において当社グループは、2014年に制定した「竹中グループCSRビジョン」に基づき、グループの力を結集し、地域社会やステークホルダーとの対話を深め、まちづくりを通じて社会の課題を解決し、サステナブル社会の実現に貢献することが、経営上の重要課題であると考えている。そのためには、市場での競争力と収益力の強化により建設事業の業績の安定化を果たし、またグループの各事業間の緊密な連携と経営資源の有効活用により、社会やお客様の期待にグローバルなスケールで応えることができる幅広いソリューション力を備える必要がある。
この課題を解決するための具体的な取組みは以下のとおりとし、確実な実行に取組んでいる。
1.ものづくりに携わる全ての人々が堅実かつ基本に忠実なものづくりに徹し、安全の確保と作品の品質向上に不断の努力を続ける。
2.プロジェクトの初期段階から生産段階にわたる一貫したマネジメントによりお客様の課題解決に真摯に取組み、また省人化技術やBIM等のICTの活用により生産性を抜本的に改善するとともに、生産力を確保し、競争力と収益力の強化を図る。
3.グループの各事業の総力により、不動産開発から土木・建築工事、ファシリティマネジメント等、まちづくりの領域の全般にわたり、社会やお客様のニーズに応じた多様なサービスの提供に取組み、グループの持続的な成長の基盤構築に取組む。
4.開発事業においては、保有物件の資産価値の向上と新規物件の開発により競争力を強化し、長期にわたる安定的な収益基盤の確保を図る。
5.従業員の成長を促進し、いきいきと働くことのできる環境づくりとワークライフバランスの向上を図る。
当社グループは、引き続き震災復興に総力で取組むとともに、更なる安全・安心技術やエネルギー有効活用技術を新たな建築やまちづくりに活かし、人々が明るく豊かに暮らすためのサステナブル社会の実現に貢献していく。