有価証券報告書-第65期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/27 13:11
【資料】
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【項目】
107項目
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度における日本経済は、政府の大型景気対策の効果と海外経済の拡大により長期に亘る景気回復が続いておりますが、一方で、米国の輸入制限の波紋や英国のEU離脱交渉の行方など海外情勢の不確実性の高まりにより、先行きが不透明な状況となっております。
当社グループの主要な事業分野であります情報通信事業分野の内、ブロードバンドサービス市場では、光アクセスサービスの契約数が平成29年12月末に前年同月と比べ113万件増の3,007万件と微増で推移しております。光アクセスサービスは、光コラボレーションを通じて幅広い産業と融合し、業界の垣根を越えた新たな価値を創造するプラットフォームとなっております。
移動通信事業分野では、新たな携帯キャリア事業者の参入による競争環境の変化や電波割当制度の見直しに注目が集まる一方、超高速・大容量の通信システムである5Gの導入に向けたネットワーク環境整備への投資拡大が予想されております。
情報サービス事業においては、AI(人工知能)やITの進化を原動力に、様々な分野で付加価値の高いサービスの提供、新しいビジネスモデルの創出が本格化しております。農業や建設現場などでは熟練技術者の経験に依存していた作業がセンサーや映像解析技術の向上により自動化され、労働環境改善や生産性向上に寄与するなど、今後ビッグデータの分析を基にしたイノベーションのさらなる進展が期待されております。
このような事業環境下、当社グループにおきましては、中期経営計画「SGK2020」(平成28年度~32年度)STAGEⅠの2年目として、事業構造の変革への取り組みを加速させSTAGEⅡへの飛躍につなげていく年度と位置付け、既存事業の拡大や生産性の向上とともに、新たな事業領域へ積極的に挑戦してまいりました。具体的には、社会インフラ分野での公共工事の入札競争が一層激化する中、自治体からの引き合いが強いアンダーパス冠水対策工事などの受注拡大を図り、一般設備工事の売上確保に努めてまいりました。さらに、情報サービス事業では、IoTを活用した鳥獣被害対策ソリューションの実証実験に参画するなど新規事業開拓への取組みに加えて、教育現場におけるひとり1台タブレット時代を先取りした教育ICTセミナーを開催するなど実績のある文教分野の深耕にも注力してまいりました。
アクセス工事においては、光コラボレーションや保守工事の増加により堅調に推移する業務を着実に遂行すると同時に、移動通信のトラフィック増大に伴う設備増強や通信エリア拡大に対応するため、コスト効率化施策の推進と複合技術者の計画的育成による戦力底上げなど、さらなる生産性の向上に取り組んでまいりました。
また、働き方改革においては、グループ一体となり働きやすい職場づくりを進めてきた結果、名古屋市より子育て支援企業および女性の活躍推進企業の認定を受けました。
このように、「SGK2020」(平成28年度~32年度)のSTAGEⅠでグループ一体による様々な施策展開を積み重ねてきた結果、当社グループの当連結会計年度の業績につきましては、受注高610億72百万円(前期比106.0%)、売上高598億32百万円(前期比107.6%)、営業利益31億31百万円(前期比172.7%)、経常利益34億83百万円(前期比170.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益22億12百万円(前期比180.3%)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
① 通信建設事業
受注高は491億43百万円(前期比108.3%)、売上高は479億3百万円(前期比110.4%)となり、セグメント利益(営業利益)は25億92百万円(前期比170.0%)となりました。
② 情報サービス事業
売上高は119億29百万円(前期比97.7%)となり、セグメント利益(営業利益)は4億80百万円(前期比211.0%)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ19億75百万円増加し、99億16百万円となりました。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は29億15百万円(前年同期:21億11百万円資金増加)となりました。これは、主として税金等調整前当期純利益を35億5百万円計上したことによります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により使用した資金は4億48百万円(前年同期:10億86百万円資金減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出6億81百万円によるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により使用した資金は4億91百万円(前年同期:4億29百万円資金減少)となりました。これは、主に配当金の支払額3億77百万円によるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1)受注実績
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)
通信建設事業49,143108.3
情報サービス事業11,92997.7
合計61,072106.0

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。なお、「生産、受注及び販売の実績」においては、いずれの金額にも消費税等は含まれておりません。
(2)販売実績
セグメントの名称売上高(百万円)前期比(%)
通信建設事業47,903110.4
情報サービス事業11,92997.7
合計59,832107.6

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であり「生産の実績」は記載しておりません。
3 売上総額に対する割合が100分の10以上の相手先別売上高及びその割合は、次のとおりであります。
第64期
西日本電信電話㈱20,287百万円36.5%

第65期
西日本電信電話㈱21,998百万円36.8%

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては貸倒引当金、有価証券、退職給付債務及び繰延税金資産等の見積りは会計基準に基づき、適正に見積り評価しております。なお、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
(2)当連結会計年度の財政状態の分析
① 資産
流動資産は、前連結会計年度に比べて、14.0%増加し、324億24百万円となりました。これは、主として受取手形・完成工事未収入金等が21億21百万円増加したことによります。固定資産は、前連結会計年度に比べて、0.9%増加し、196億54百万円となりました。これは、主として投資有価証券が12億69百万円増加したことによります。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて8.7%増加し、520億79百万円となりました。
② 負債
流動負債は、前連結会計年度に比べて、22.2%増加し、125億89百万円となりました。これは、主として1年内返済予定の長期借入金が7億46百万円増加したことによります。固定負債は、前連結会計年度に比べて、25.0%減少し、27億68百万円となりました。これは、主として長期借入金が7億97百万円減少したことによります。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて9.7%増加し、153億57百万円となりました。
③ 純資産
純資産合計は、前連結会計年度に比べて、8.2%増加し、367億21百万円となりました。これは、主として利益剰余金が22億15百万円増加したことによります。
(3)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績については、連結売上高は前連結会計年度に比べ7.6%増加し、598億32百万円となりました。
また、連結営業利益は、前連結会計年度に比べ72.7%増加し31億31百万円となり、連結経常利益は、前連結会計年度に比べ70.6%増加し34億83百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ80.3%増加し22億12百万円となりました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループを取り巻く通信事業環境は競争が激しく、また情報通信事業の設備投資は年度により大きく変動し、その設備投資動向により、経営成績に大きな影響を受けることがありますが、営業の強化、技術者の増強、技術力の複合化並びに低コスト施工体制の強化により経営成績の安定化を図っていくこととしております。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ19億75百万円増加し、99億16百万円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は29億15百万円(前年同期:21億11百万円資金増加)となりました。これは、主として税金等調整前当期純利益を35億5百万円計上したことによります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は4億48百万円(前年同期:10億86百万円資金減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出6億81百万円によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は4億91百万円(前年同期:4億29百万円資金減少)となりました。これは、主に配当金の支払額3億77百万円によるものであります。