有価証券報告書-第68期(2025/02/01-2026/01/31)
(戦略)
当社グループでは、気候変動による気温上昇や、それに伴う社会の変化や災害リスクを重要な課題と捉え、積極的に対応を進めております。その一環として、気候変動に関連する短期・中期・長期にわたる「リスク」と「機会」の特定に取り組み、シナリオ分析を実施いたしました。具体的には、1.5℃シナリオと4℃シナリオの二つを検討対象としております。
このアプローチは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次報告書やCOP(国連気候変動枠組条約締約国会議)に示されるように、産業革命以降の地球の平均気温上昇を1.5℃以内に抑えるべきとの国際的な目標を踏まえたものです。
また、政府や国際機関が公表する将来予測レポートを参考に、気候変動に伴う移行リスク(政策や法規制、市場、評判)、物理的リスク(急性リスク、慢性リスク)、さらに気候変動に適切に対応することで生まれる機会(製品・サービス、市場、レジリエンス)についても、包括的に検討しております。
シナリオの前提
シナリオ分析の対象範囲
シナリオ分析結果
機会
当社グループでは、気候変動による気温上昇や、それに伴う社会の変化や災害リスクを重要な課題と捉え、積極的に対応を進めております。その一環として、気候変動に関連する短期・中期・長期にわたる「リスク」と「機会」の特定に取り組み、シナリオ分析を実施いたしました。具体的には、1.5℃シナリオと4℃シナリオの二つを検討対象としております。
このアプローチは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次報告書やCOP(国連気候変動枠組条約締約国会議)に示されるように、産業革命以降の地球の平均気温上昇を1.5℃以内に抑えるべきとの国際的な目標を踏まえたものです。
また、政府や国際機関が公表する将来予測レポートを参考に、気候変動に伴う移行リスク(政策や法規制、市場、評判)、物理的リスク(急性リスク、慢性リスク)、さらに気候変動に適切に対応することで生まれる機会(製品・サービス、市場、レジリエンス)についても、包括的に検討しております。
シナリオの前提
| リスク 種類 | 設定 シナリオ | 参照シナリオ | 概要 | 考えられる自社事業活動への影響 |
| 移行 リスク | 1.5℃ シナリオ | 国際エネルギー機関(IEA), 「World Energy Outlook 2022」Net Zero Emissions by 2050 Scenario (NZEシナリオ) | 21世紀までの平均気温の上昇を1.5℃未満に抑えるシナリオ。 持続可能な発展を実現するため、大胆な政策や技術革新が起こり、その分脱炭素社会への移行にともなう社会変化が事業に影響を及ぼす可能性が高くなる。 | ・鉄鋼やコンクリート等、高排出な資材に対する炭素税をはじめとする規制対応費用の価格上乗せが発生する ・市場全体に環境配慮設計が求められるようになる ・低炭素資材や再生材が普及し、それらの採用が一般的になる ・サステナビリティへの取り組みが加速し、競合他社との差別化が求められる |
| 物理的 リスク | 4℃ シナリオ | 気候変動に関する政府間パネル(IPCC), 「IPCC第6次評価報告書(AR6)SSP5-8.5シナリオ」 | 21世紀までの平均気温の上昇が4℃程度上昇する。 成り行き任せに近く、社会の変化は起こらないが、気候変動に伴う異常気象や災害が事業に影響を及ぼす可能性が高くなる。 | ・自社サプライチェーン上での気候災害の発生頻度が上昇し、事業活動や調達への影響が増大する ・世界中での気候災害が頻発し、資材の原材料調達が難しくなる ・熱波の増加、深刻化により現場作業員へ悪影響が出る |
シナリオ分析の対象範囲
| 項目 | シナリオ分析対象範囲 |
| 地域 | 国内 |
| 対象事業範囲 | 事業(上流・下流のサプライチェーン全体を含む) |
| 企業範囲 | 連結全体 |
| 時間軸の定義 | 短期(1年以内)、中期(3年以内)、長期(3年以上)を想定 |
| インパクトの評価方法 | 社内のリスク評価方法に従い、発生確率と財務影響度(予想)の2軸で評価 |
シナリオ分析結果
| 区分 | リスク項目 | 時間軸 | 影響 | 影響度 | 対応策 |
| 政策・法規制 | 新たな規制や社会的義務の発生 | 中~長期 | 炭素税の発生および高排出な建材への規制強化による調達原料コストの増加 | 中 | ・炭素排出量の少ない代替品・調達先の選定 ・サプライチェーン全体の低炭素化 ・自社の排出量の抑制 ・サービスへの価格転嫁 |
| 区分 | リスク項目 | 時間軸 | 影響 | 影響度 | 対応策 |
| 市場 | 低炭素社会を指向する社会トレンドと事業ニーズの移行 | 短~長期 | 気候変動対応の遅れによる環境配慮型施設の受注機会喪失、売上減少 | 大 | ・低炭素型のソリューション開発 ・「環境配慮設計」「環境配慮施工」の強化・推進 |
| 外部資源の調達価格高騰、コスト上昇 | 短~長期 | 低炭素型製品・再生材需要増加による調達価格上昇および売上機会の減少 | 大 | ・サービスへの価格転嫁 ・代替品調達の検討 ・低炭素製品の供給サプライヤとの連携の強化 ・調達先の複数化 ・廃棄物削減や余剰資材の活用等によるコスト削減 | |
| 評判 | 温暖化ガスの排出抑制・省エネ等の環境負荷軽減の取り組み不足による評価・信頼の低下 | 短~長期 | 人的・物的被害発生(運営施設含む)およびライフラインの停止、サプライチェーン寸断による事業継続への支障による損失 | 中 | ・外部専門家等を活用した、適切かつ積極的な情報開示 ・風評関連の事象の発生に関するモニタリングの実施 ・環境負荷軽減のための取り組みの強化 |
| 急性物理的 | 気温上昇の常態化による資源の減少 | 短~長期 | 森林植生の変化による、資源調達の困難化および調達価格の高騰 | 中 | ・代替調達先の確保、調達先の複数化 |
| 慢性物理的 | 気温上昇の常態化による労働条件の悪化 | 中~長期 | ・真夏日が増加し健康配慮のために作業時間を調整することによる、工事期間の延長に伴う売上減少 ・作業環境向上のための対策コストの増加 ・労働環境悪化に伴い人材定着の阻害が生じる懸念 | 中 | ・サプライチェーン全体の労働環境の改善 ・健康管理の推進 |
機会
| 区分 | 機会項目 | 時間軸 | 影響 | 影響度 | 対応策 |
| リソースの効率化 | 資材運搬の効率化(地場産材等の活用含む) | 短~長期 | ・運搬費用・運搬時のCO2排出量削減 ・産廃処理費用の減少 | 小 | ・産廃削減策の実施 ・設計時・協力会社選定時の検討 ・地域と連携した、地場産材の活用強化 ・電化の推進 |
| 製品 および サービス | サステナビリティ対応促進による施設需要の変化・拡大 | 短~長期 | ・気温上昇により屋外環境が悪化する中、省エネ化や災害予防を備えた快適性の高い施設リニューアル需要増に伴う売上増加 ・脱炭素社会に向けた環境意識醸成等のための施設リニューアル需要増に伴う売上増加 | 大 | ・営業活動の強化・対象拡大 ・提案力の強化 ・対外発信の強化 |
| 炭素排出量の少ない素材・商品・サービスの活用・開発 | 短~長期 | 環境負荷低減商品・サービス需要拡大による売上増加 | 大 | ・低炭素型のソリューション開発 ・「環境配慮設計」「環境配慮施工」の強化・推進 ・社内啓発活動・対外発信活動の強化 ・専任部門の強化による、部門を横断した環境配慮提案の推進 ・流通・販路の拡大 ・カーボンオフセットを活用した室内空間の提案 | |
| 市場 | 新市場への参入 | 中~長期 | 炭素排出量削減に寄与する新たな事業の創出による売上増加 | 小 | ・リノベーション新事業の展開 ・新事業・新商品(ソリューション)の開発 |
| レジリエンス | 空間づくり事業の資源を活用した新規事業の創出 | 中~長期 | 新たな収益源の確保・需要変動リスクの分散 | 小 | ・新事業・新商品(ソリューション)の開発 ・他企業・クリエイターとの協業・共創の促進 ・新規顧客の開拓 |