訂正有価証券報告書-第67期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

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2016/07/29 13:44
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業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済対策、日本銀行の大規模な金融緩和策などを背景に、円安・株高傾向で推移し、企業収益に持ち直しの動きが見られるとともに、消費税率引き上げ前の駆け込み需要など、景気回復の裾野に広がりが見られました。その一方で、海外経済の減速や欧州債務問題など、景気を下押しするリスクもあり、依然として予断を許さない状況で推移いたしました。
当社グループの関連するプラント業界におきましては、お客様の競争力強化のため、国内設備の海外移転や統廃合が進んでおり、熾烈な価格競争が継続しておりますが、景気回復に伴い、お客様の業績が改善されていく動きがある中、徐々にではありますが、工事案件は増加の傾向に転じてきました。
このような状況下、当社グループといたしましては、平成24年度から平成26年度までを実施期間とする『中期経営計画』の2年目として、各事業(プラント事業、海外事業、原子力事業、装置事業)の基本方針・事業戦略を確実に実行していくとともに、外部環境の変化を考慮した修正(「受注量の確保及び生産・利益管理統制のための体制強化」、「採算性の改善」、「固定費の削減」)を図りながら、業績の改善及び早期の復配を目指してまいりました。
当連結会計年度における主要施策の進捗状況は、次のとおりであります。
○事業戦略
◇ プラント事業
お客様が必要としているニーズを掴み、更なる販路拡大を目指すとともに、成長分野として考えられる環境・エネルギー分野の関連工事の受注拡大を推進してまいりました。
また、国内の市場規模縮小の動きに伴う合理化関連工事の拡販に努めるとともに、市場変化のスピードに対応した営業活動を実施してまいりました。
併せて、グループ間ネットワークの有効活用により、より一層お客様に密着した営業活動を展開してまいりました。
しかしながら、当連結会計年度は大型定修工事の端境期であったこと、総じてお客様の設備投資案件が縮小傾向にあったことから、工事量の確保が困難な状況で推移いたしました。
◇ 海外事業
引き続き経済成長が見込まれる、東南アジア地域を中心とした海外事業拡大の実現に向け、事業拠点であるシンガポール・タカダ・インダストリーズ・プライベート・リミテッド(シンガポール高田工業)及びスリ・タカダ・インダストリーズ(マレーシア)・エスディエヌ・ビーエッチディ(高田マレーシア)の事業の安定・発展並びに新規事業拠点であるタイ・タカダ・カンパニー・リミテッド(タイ高田)の事業基盤の構築に取り組んでまいりました。
また、大型プロジェクトを含む建設工事への対応力強化、メンテナンス事業拡大に向けた体制・機能強化、新規のお客様の開拓に向けた営業力の強化に注力してまいりました。
なお、従来、非連結子会社でありましたスリ・タカダ・インダストリーズ(マレーシア)・エスディエヌ・ビーエッチディ(高田マレーシア)につきましては、今後の事業展開を勘案し、当連結会計年度より連結子会社といたしました。
◇ 原子力事業
原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所での事故の教訓や海外の規制動向を踏まえ、従来の安全基準(設計基準)の強化と重大事故(シビアアクシデント)への対策を含めた新たな安全基準「新規制基準」を決定し、平成25年7月に本基準が施行されました。
当社グループのお客様である電力会社各社につきましては、新規制基準のもと、原子力発電所の再稼働に関する審査手続を進めている状況下にあります。
当社グループといたしましては、本基準に則った対策工事に、電力会社各社のニーズに沿った対応を行えるよう、原子力工事施工体制の維持管理を図るとともに、受注拡大に努めてまいりました。
◇ 装置事業
スマートフォン・タブレット型端末の爆発的な普及や、急速に電子化が進展している自動車関連の需要に牽引され、国内エレクトロニクス関連メーカーは業績を回復しつつあり、競争力や付加価値の高い製品の増産・生産性向上投資や、将来の製品に繋がる開発投資などの動きが加速する中、当社グループとしましては装置の拡販に努めてまいりました。
「超音波カッティング装置」につきましては、電子部品などの製品開発や品質検査における断面観察用試料製作工程を効率化する「断面観察用超音波カッティング装置CSX-100シリーズ」の販売実績をあげてまいりました。電子部品・材料メーカーを中心に、幅広いお客様にお使いいただける装置として販路を広げております。
また、パワー半導体やLED、MEMS、高周波デバイスなどの半導体製造工程で多くの採用実績を誇る「枚葉式ウェット処理装置」につきましては、多くのリピート発注をいただいた「TWPシリーズ」とともに、研究所や試作ライン向け装置としてコンパクト化した「TWPmシリーズ」(平成24年12月リリース)についても、自動車関連メーカー向けにリリース後、初の受注を獲得することができました。
○財務・経営資源戦略
◇ 投資・財務計画
当連結会計年度につきましては、前連結会計年度に引き続き、積極的な設備投資の実行を抑制するとともに、固定費・間接費の削減に努め、確実に利益を確保し、純資産の回復を図ってまいりました。
また、優先株式の処理につきましては、平成25年9月20日以降、新株予約権が交付された場合、優先株主である株式会社福岡銀行殿の権利行使により、普通株式に転換することが可能な状態となっておりますが、当連結会計年度に具体的な動きはありませんでした。
なお、ご参考ですが、平成25年7月16日付で実施された、株式会社東京証券取引所及び株式会社大阪証券取引所(現株式会社大阪取引所)の現物市場の統合に伴い、当社が上場していた株式会社大阪証券取引所市場第二部の普通株式は、株式会社東京証券取引所市場第二部の普通株式となり、当社の上場証券取引所は株式会社東京証券取引所市場第二部及び証券会員制法人福岡証券取引所となりました。新たなマーケットにおける、パブリックカンパニーとして、株主の皆様が、より投資しやすい環境が整うとともに、当社グループといたしましても、円滑かつ多様な資本政策を実施する場合の強固な基盤整備が図られました。
◇ 人材育成
「様々な可能性に挑み、人を育てながら事業拡大を目指し、将来の飛躍につなげていく」という基本方針のもと、最適要員配置体制を築くための人材育成施策を進めてまいりました。
なお、今後のものづくり職場の健全な運営を実現するため、当連結会計年度より「監督者特別教育」を実施することで、技能社員の工事管理、監督能力の向上を図ってまいりました。加えて、協力会社の管理・育成強化を推進することで、当社グループ施工体制のレベルアップに努めてまいりました。
このような諸施策を推進してまいりました結果、売上面につきましては、主要分野である化学プラントの建設及び大型保全工事が減少したものの、石油・天然ガスプラント、エレクトロニクス関連設備、製鉄プラント等の工事が増加しました結果、連結売上高は、17億5千4百万円増の396億3千7百万円(前連結会計年度比4.6%増)となりました。
また、損益面につきましては、熾烈な価格競争による受注価格の下落が継続したものの、工事運営の効率化、販管費等の経費削減等に努めてまいりました結果、連結営業利益は5億4千1百万円(前連結会計年度は連結営業損失6億4千6百万円)、連結経常利益は5億3千3百万円(前連結会計年度は連結経常損失6億8千3百万円)、連結当期純利益は2億3千3百万円(前連結会計年度は連結当期純損失5億1千2百万円)となりました。

(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ
1億3千7百万円増加し、19億2千4百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金収支は8億3千7百万円の支出(前連結会計年度5億5千2百万円の収入)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益5億7百万円、仕入債務の増加額11億5千8百万円の収入と、売上債権の増加額15億1千4百万円、未成工事支出金の増加額9億5千1百万円の支出によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は2億8千万円の支出(前連結会計年度比97.9%増加)となりました。
これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出2億1千9百万円、貸付けによる支出3千3百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は7億2千4百万円の収入(前連結会計年度3億7千4百万円の支出)となりました。
これは主に、短期借入金の純増加額11億7千万円の収入と長期借入金の返済による支出4億1千6百万円、によるものです。
(注)「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等を含んでいません。