訂正有価証券報告書-第68期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2016/07/29 13:59
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【項目】
122項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調で推移いたしましたものの、政府による各種経済対策や、大幅な金融緩和を背景に円安が進む中、輸出関連企業と原材料等の調達コスト増となる企業との間で景況感に違いが見られるとともに、消費税率引き上げに伴う個人消費の低迷等もあり、先行きに不透明な状況が継続いたしました。
当社グループの関連するプラント業界におきましては、一部に受注環境が好転する動きもありましたが、グローバル経済に対応するためのお客様の国内設備の海外移転や統廃合が進む中、総じて熾烈な価格競争が継続いたしました。
このような状況下、当社グループといたしましては、平成24年度から平成26年度までを実施期間とする『中期経営計画』の最終年度として、基本方針であります「TAKADAグループとして将来の飛躍に向け、攻めの姿勢で拡大を志向する」のもと、各事業における確実な戦略遂行と経営基盤の強化を図ってまいりました。また、外部環境の変化に対応していくため、新たな重点施策として、「エンジニアリング技術の強化・拡大」、「施工体制の再構築」、「本社管理業務の効率化」を追加のうえ、構造的変革への取り組みを推進してまいりました。
当連結会計年度における主要施策の進捗状況は、次のとおりであります。
○事業戦略
◇ プラント事業
お客様の国内設備は、産業競争力強化に伴い縮小の動きもある中、マザープラントとしての役割に加
え、高付加価値・高機能化製品の生産・プロセス開発に軸足が向けられております。
当社グループといたしましては、保全事業の維持拡大に努めるとともに、新規のお客様の開拓を進めて
てまいりました。また、お客様のプラント設備全体のマネジメント(価値提案)を行えるよう、技術先導に
よる事業創造を目指すため、「エンジニアリング技術の強化・拡大」の一環として、組織体制の整備等を
実施してまいりました。さらに、技能社員の工事管理・監督能力の向上並びに協力会社の管理・育成強化
を推進することで、「施工体制の再構築」に努めてまいりました。
◇ 海外事業
東南アジア地域を中心とした海外事業につきましては、当社グループ一体となった体制のもと、今後の経済成長が期待される諸国への営業を含めた活動を展開してまいりました。
既存拠点であるシンガポール・タカダ・インダストリーズ・プライベート・リミテッド(シンガポール高田工業)、スリ・タカダ・インダストリーズ(マレーシア)・エスディエヌ・ビーエッチディ(高田マレーシア)につきましては、大型プロジェクトの工事案件や新規メンテナンスエリアの拡大などに努めてまいりました。
また、タイ・タカダ・カンパニー・リミテッド(タイ高田)につきましては、政情不安等のカントリーリスクもありましたが、タイ国内における事業基盤の構築に取り組んでまいりました。
◇ 原子力事業
原子力発電は、中長期的なエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」のもと、「重要なベースロード電源」と位置付けられており、電力会社各社が、原子力発電所の再稼働に向けて対応中であります。
当社グループといたしましては、お客様である電力会社各社のニーズに沿った対応を実施しており、「新規制基準」で要求される消火設備の強化工事をはじめ、非常電源用燃料タンク製作、東京電力福島第一原子力発電所向けの汚染水タンク製作等に取り組んでまいりました。
なお、その他のエネルギー分野につきましても、LNG基地建設に関する配管工事をはじめとした工事案件に取り組んでまいりました。
◇ 装置事業
装置事業につきましては、スマートフォン・タブレット型端末の普及や電子化が進んでいる自動車関連の需要に牽引され、国内エレクトロニクス関連メーカーは、分野別にみると明暗が分かれているものの、徐々に回復傾向にあります。当社グループ装置の主たるフィールドである特殊半導体分野は国内半導体・部品メーカーが強みを持つ分野であり、販売拡大に努めてまいりました。
「超音波カッティング装置」につきましては、電子部品などの製品開発や品質検査における断面観察工程に寄与する装置において順調に実績を伸ばしており、量産機においても、販売実績を上げることができました。
また、「枚葉式ウェット処理装置」につきましては、MEMSやLED向けに販路が広がっており、海外においても販売実績が上がり、超音波カッティング装置も含めた今後の海外展開の足掛かりとなりました。
○財務・経営資源戦略
◇ 投資・財務計画
設備投資につきましては、投資効果のある機械設備の更新をはじめ、当社グループの施工能力を担保するために必要な内容を実施してまいりました。
また、財務戦略につきましては、「安定した配当」と「優先株式の処理」に必要な純資産の確保を図るために、固定費・間接費・有利子負債等の削減に努めてまいりました。
なお、優先株式につきましては、当連結会計年度に具体的な処理はありませんでした。
◇ 人材育成
人材育成につきましては、当社グループ社員一人ひとりが能力を伸ばし、生産性向上を図ることを目的とした人事諸施策を検討してまいりました。
技能社員につきましては、「施工体制の再構築」の一環として、施工体制上の職務レベル向上を進めていくため、工事計画・管理が出来る人材を育成・活用すべく、職能資格制度の体系を改正し、「工事マネジメントコース」の整備を図ってまいりました。
また、事務社員につきましては、「本社管理業務の効率化」の一環として、女性事務社員が活躍する職場づくりを推進していくため、所属毎に女性が活躍できる職務領域及び期待像を検討してまいりました。
このような諸施策を推進することにより、売上面につきましては、化学プラントの定修工事、製鉄プラントの保全工事、電力設備の建設工事等が増加いたしました結果、連結売上高は、80億円増の476億3千7百万円(前期比20.2%増)となりました。
また、損益面につきましては、売上高が増加したことに加え、工事運営の効率化、コストダウンの推進による原価率の低減に努めてまいりました結果、連結営業利益は13億6千万円増の19億2百万円(前期比251.0%増)、連結経常利益は13億8百万円増の18億4千1百万円(前期比245.1%増)、連結当期純利益は6億8千万円増の9億1千4百万円(前期比291.4%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ4千4百万円増加し、19億6千8百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金収支は10億5千8百万円の収入(前連結会計年度8億3千7百万円の支出)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益17億2千2百万円、減価償却費3億6千4百万円、未成工事支出金の減少額8億1千8百万円、仕入債務の増加額11億2千2百万円の収入と、売上債権の増加額38億9千4百万円の支出によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は1億6千4百万円の支出(前連結会計年度比41.4%減少)となりました。
これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出2億3千2百万円と、投資有価証券の売却による収入7千1百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は9億3百万円の支出(前連結会計年度7億2千4百万円の収入)となりました。
これは主に、短期借入金の純減少額4億円の支出と長期借入金の返済による支出3億5千9百万円、配当金の支払額1億8百万円の支出によるものです。
(注)「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等を含んでいません。