有価証券報告書-第71期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/30 9:18
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114項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善傾向が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復基調で推移した。
当社グループの主な事業領域である情報通信分野においては、AIやビッグデータ、IoTなどの新たな技術の活用が進み、環境が大きく変化しつつある。固定通信の領域では光コラボレーションモデルを中心に利用拡大に向けた取り組みが推進されるとともに、モバイル領域ではネットワークの更なる高速化に向けた継続的な設備投資が進められている。また、各種政策の後押しや東京オリンピック・パラリンピックの開催などを背景とした社会インフラの整備やICTの活用が進展するなど、多様な投資の拡大が期待される状況で推移した。
このような状況のもと、当社グループは「事業環境が変化する時代に高い技術力と創造力を有する人材により、新たなステージへ飛躍する企業グループを目指す」を新たなビジョンとして掲げ、中期経営計画(2017年~2020年)をスタートさせた。この計画において当社は①成長事業確立への挑戦、②既存事業の筋肉質な体質への変革、③信頼され続ける会社への進化、④事業を支える人づくりを柱とした取り組みを進め、安定成長のための構造転換を目指している。中期経営計画の初年度となる第71期においては、「SOLCOM流改善で未来に向けた改革を進めよう!」をスローガンに掲げ、当社グループ一丸となって中期経営計画の実現に向けた取り組みを推進してきた。
①成長事業確立への挑戦
・IT事業や土木事業を中心とする成長分野での受注拡大に向けベンダとのアライアンスやパートナー会社との連携強化を進めるとともに、子会社を含むグループ内での営業機能の最適配置や、互いの強みを活かした営業活動での連携を進め、グループとして事業の拡大に取り組んだ。
・新たな領域での業務量の増大やエリア毎の需要変化に応じた効率的な人員配置を進め、効率的な運営体制の構築に取り組んだ。
②既存事業の筋肉質な体質への変革
・通信事業者様の工事を中心とした既存事業において、工事材料の現場直送や調達ロットの最適化を進めるとともに調達の一元化を進めるなど、コストの低減に取り組んだ。
・通信事業者様の設備更改工事について、柔軟で効率的な実施体制の整備や原価管理の強化を進めるなど、工事の効率的な実施に取り組んだ。
・各組織が責任を持ってPDCAサイクルを実践する「施策マネジメント」を更に強化するとともに、SOLCOM流改善活動の浸透・活性化に努め、業務の改善・変革に取り組んだ。
③信頼され続ける会社への進化
・安全意識の浸透と安全行動の自律化を目指す安全中期計画を策定し、「チーム安全力向上運動」を進めるなど、安全文化の醸成に取り組んだ。
・労働時間管理の強化を進めるとともに、ハラスメント防止や個人情報保護に関する研修を進めるなど、CSRの推進に取り組んだ。
④事業を支える人づくり
・新たな事業分野において必要となるスキルに関する研修を進めるとともに、既存事業における技能の継承を含めた技能競技会の開催や研修の充実を進め、事業環境にマッチした人材の育成に取り組んだ。
・中堅社員の意識改革とマネジメントスキル向上に向けた新たな研修を追加するなど、階層別育成体系の整備を進め、事業を支える人づくりに取り組んだ。
以上のように、当社グループ一丸となって、中期経営計画の実現に向けた取り組みを進めてきた。
その結果、当連結会計年度における受注高は440億3百万円(前年同期比3.0%増)、売上高は高速道路の非常電話や電柱の更改工事などの完成が増加したことなどにより425億77百万円(前年同期比9.2%増)、営業利益は売上高の増加などにより18億27百万円(前年同期比44.7%増)、経常利益は21億90百万円(前年同期比40.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14億46百万円(前年同期比51.2%増)となった。
セグメントごとの状況は、次のとおりである。
(建設事業)
情報通信設備関連工事等における受注高は388億61百万円(前年同期比2.1%増)、完成工事高は374億35百万
円(前年同期比9.0%増)、セグメント利益は23億45百万円(前年同期比25.4%増)となった。
(販売事業)
OA機器やソフトウェア等の販売活動における受注高及び売上高は42億19百万円(前年同期比12.7%増)、セグメント利益は1億2百万円(前年同期比16.3%増)となった。
(その他)
不動産関連、警備、運送及びリースに関する事業における受注高及び売上高は9億22百万円(前年同期比0.8%増)、セグメント損失は22百万円(前年同期は87百万円の損失)となった。
「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ11億63百万円増加し57億29百万円となった。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は20億25百万円(前連結会計年度は1億94百万円の使用)となった。
これは主に、税金等調整前当期純利益が21億29百万円(前連結会計年度は15億56百万円)、売上債権の増加による支出が1億15百万円(前連結会計年度は10億38百万円)、未成工事支出金の増加による支出が5億47百万円(前連結会計年度は12億69百万円)、未成工事受入金の増加による収入が2億70百万円(前連結会計年度は減少による支出が8百万円)、たな卸資産の増加による支出が2億17百万円(前連結会計年度は減少による収入が1億46百万円)、仕入債務の増加による収入が2億39百万円(前連結会計年度は3億83百万円)となったことによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は1億62百万円と前連結会計年度と比べ1億39百万円の増加となった。
これは主に、その他に含まれていた長期性預金の繰上償還による収入がなかった(前連結会計年度は1億円の収入)ことによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は7億円と前連結会計年度と比べ2億8百万円の増加となった。
これは主に、配当金の支払額が2億64百万円(前連結会計年度は2億11百万円)、自己株式の取得による支出が2億78百万円(前連結会計年度は0百万円)、短期借入金の純増加額が18百万円(前連結会計年度は40百万円の純減少)となったことによるものである。