訂正有価証券報告書-第13期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/07/07 13:17
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【項目】
122項目

対処すべき課題

住宅業界においては、史上最低水準の金利の影響もあり回復基調にはありますが、少子高齢化や人口減少、世帯数減少による空き家の増加など様々な社会問題への対応が急務となっております。本年3月には、国土交通省から今後10年間の住宅政策の基本となる「住生活基本計画」(以下「基本計画」という。)が発表されました。これにより住宅市場は、新築中心からリフォームや既存住宅流通などの住宅ストック活用型市場への転換を求められました。
こうした中、当社グループは「住生活全般」を事業領域と定めた中期経営計画(平成26年度~平成28年度)の最終年度に入りました。同時に本年は、創立50周年の前年度にあたる重要な年でもあります。平成28年度は、新たな50年の始まりとして良いスタートが切れるよう、諸課題を確実に解決し、方向性を示していく年にしたいと存じます。
(基本方針)
戸建住宅事業、リフォーム事業、資産活用事業、不動産事業の住まいに関する4事業を中心に事業を展開してまいります。当社グループは、従来よりリフォーム事業、資産活用事業、不動産事業をストック関連事業として位置付け、強化してまいりましたが、基本計画を受け、今後はその領域を拡大しながら更なる強化を図り、住宅市場のストック活用型市場への転換に対応してまいります。
また、この基本計画では、新たな住宅循環システムの構築を求められております。当社グループは、すでに「住まいるりんぐシステム」として独自の住宅循環システムを構築しておりますが、このシステムを確実に循環させ、「住まいを通じて生涯のおつきあい」という理念の具現化に着手してまいります。
このほか、当社グループでは将来の住宅市場縮小を見据え、経営資源の最適配置により既存事業の再構築と成長分野への積極投資を継続して行うとともに、営業効率、業務効率の更なる向上を図るべく、グループ構造の抜本的改革を進めてまいります。
(主な施策)
・未対応領域への進出
面積が限られる都市部を中心に、土地を有効活用できる中層住宅の建設ニーズが高まっております。当社グループでは、重量鉄骨造の耐火5階建モデルハウスによる集客をはじめ、店舗や賃貸住戸の併設、二世帯三世代同居などのニーズに対応し商品化を進めることで、中層住宅市場での顧客獲得を目指してまいります。また、今後も需要が見込める独身者や高齢者向けコンパクトマンションや複合型施設の開発、大型物件のリノベーションなど、戸建住宅以外の分野にも積極的に進出してまいります。
・住生活関連市場のビジネスモデルの構築
基本計画では、従来の「住宅購入でゴール」のいわゆる「住宅すごろく」を超えた住宅循環システムの構築が期待されております。当社グループでは「住まいを通じて生涯のおつきあい」というコーポレートスローガンのもと、新築だけでなくメンテナンスやリフォーム、住まいの売却・住替え、土地活用など様々な要望に対応する体制を整え、住まいの循環システムとして「住まいるりんぐシステム」を推進しております。今後は基本計画を受け、重点項目として同システムの循環に注力し、成長分野である住生活関連市場における取り組みを進めてまいります。
具体的には、「住まいるアドバイザー」の訪問などによりミサワホームの50万人以上の入居者とのコミュニケーションを活性化するとともに、シニア向け住宅の案内や相続・資産活用に関する相談など住生活に関連する様々なサービスを提案し、その多様なニーズを「住まいるりんぐDesk」で受け付ける、という取り組みを展開してまいります。「住まいるりんぐDesk」は、昨年10月に全国の拠点に開設いたしましたが、すでに「空き家」、「相続」、「介護」、「高齢」などをキーワードとする相談が多数寄せられており、要望内容に応じた専門相談員が応対しております。今年度からは入居者以外の方にも展開し、幅広い需要を掴み新規顧客の獲得を目指してまいります。
・構造改革の完遂
昨年10月の首都圏の販売子会社4社に続き、本年4月には愛知・三重・岐阜を販売エリアとする「ミサワホーム東海株式会社」を吸収合併いたしました。当社は、事業の再編を目的に子会社の統合を行ってまいりましたが、今後も引き続き意思決定の迅速化や間接業務の効率化、機動的な販売・施工体制の構築を図ってまいります。また、従来より進めております生産の平準化を徹底し、コスト削減を図ることで安定した収益の確保に努めてまいります。