有価証券報告書-第97期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/25 15:40
【資料】
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【項目】
124項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)主要原材料の市況変動について
当社が生産する製品の主原料でありますナチュラルチーズはその大半を海外から調達していることから、海外生産地における気候や国際的な乳製品需給等の条件によって、価格が変動することがあり、その価格動向が当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社では、購入契約の方法、時期等を十分検討して対処しております。
(2)為替相場の変動について
当社が生産する製品の主原料でありますナチュラルチーズはその大半を海外から調達していることから、為替相場の変動の影響を受けます。為替レートが円安に進行した場合には原価の上昇要因となり当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社は為替相場の変動によるリスクをヘッジするため、外貨建債務の一部について為替先物予約取引を行うことがありますが、すべてのリスクを回避するものではありません。
(3)市場競合について
当社は、事業を展開する多くの市場において厳しい競争に直面しております。そのため、当社では競争優位を得るべく新製品の開発、発売に努めておりますが、厳しい価格競争は当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、WTO(世界貿易機関)農業交渉やTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、FTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)等の交渉および発効において乳製品の関税水準が引き下げられた場合、原料チーズ調達の面ではメリットになりますが、販売市場において海外からの直接輸入が進行し、市場競争等が激化した場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)食品の安全性について
昨今、消費者の食の安全・安心に対する関心は一層高まっております。当社では、食の安全性については最重要課題と位置づけ、神戸工場と長野工場では「食品マネジメントシステムFSSC 22000」を認証取得し、原材料・製品の自主検査体制や原材料の調達から製造工程に至る履歴確認等を行い、品質管理の強化に努めております。しかしながら、当社固有の品質問題のみならず社会全般にわたる一般的な品質問題が発生した場合や、食品業界に対する風評などによって当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)自然災害について
地震等の大規模な自然災害の発生で当社の生産拠点が損害を被り長期間操業を停止する等商品供給に支障をきたした場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)年金債務について
当社が採用する退職給付制度は、退職金規定に基づく退職一時金制度、確定給付型の企業年金制度及び確定拠出型の企業年金制度であります。確定給付型の企業年金につきましては、その年金資産の運用成績、資産の評価あるいは制度の帰趨等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)設備投資ついて
当社は、生産能力拡大や製品の競争力向上を目指し、2019年、新基幹工場となる神戸工場を建設し、2020年度にかけて稲美工場からの生産ライン移設という大規模な設備投資を実施いたしました。今後、市況や事業環境の悪化により想定しているような生産数量の規模拡大を図れない場合には、減価償却費を主とした製造固定費の負担による利益率の低下等が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、既存設備の遊休化や稼働率の低下等により、保有資産から得られる将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合、固定資産の減損会計の適用による減損損失が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)特定の取引先への依存
当社は、製品の販売及び主要な原材料の仕入において、特定の取引先に依存しております。これは、販売においては請求・回収業務の省力化並びに信用リスクの低減を、仕入においては原材料の効率的・安定的調達を図ることを目的としたものであります。当該販売先・仕入先との取引関係は安定しておりますが、当該取引関係に急激な変化が生じた場合や契約条件に大幅な変更が生じた場合には、販路・仕入経路の変更や、取引数量及び取引価格の変動等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(9)情報システムについて
当社は、社内情報システムのセキュリティ強化のために、情報管理体制の徹底、システム障害等に対する保守、保全、ウイルス対策等セキュリティ対策を講じておりますが、不測の事態によりシステム障害が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)新型コロナウイルス感染症の影響について
新型コロナウイルス感染症については、未だ収束の兆しが見えない状況にあります。当社においては、外食産業向け需要の減少により業務用製品等において販売が減少しておりますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による事業全体への大きな影響はなく、現時点で顕在化している重大なリスクはありません。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化した場合には、経済活動が悪化し景気が停滞することで、販売低迷の長期化や国際的な乳製品需給および為替相場の変動による原価上昇等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。
なお、当社は新型コロナウイルス感染症に関する情報収集を行うとともに、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、出張および会議の制限、Web会議システム等オンラインツールの活用、在宅勤務や時差出勤の適用等、対策を実施しております。