有価証券報告書-第52期(平成29年3月1日-平成30年2月28日)

【提出】
2018/05/23 10:17
【資料】
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【項目】
126項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における日本経済は、好調な企業業績や堅調な個人消費に支えられ全般的には景気回復基調にあったと思われます。しかしながら、世界的に保護主義の広がりが見られることなど、予断が許されない状況であります。食肉業界においては、原材料費や流通経費の値上がり、雇用状況の変化など、経営環境が流動的であり、変化への対応力が問われております。
このような状況において、当社グループは、企業の安定的発展を進めるため、食肉の生産から小売・外食までの食肉に関わる事業を一貫して取り組む垂直統合を事業戦略として推進してまいりました。
食肉等の製造・卸売事業においては、第一に食肉原料の調達力の強化及び拡大に力を注いでおります。ブランド戦略としては北海道の豚肉ブランド「ゆめの大地」、米国の高級牛肉ブランド「オーロラビーフ」などの基盤整備、強化及び販売促進に取り組んでまいりました。また、新たに平成29年10月に鶏肉事業を行う日鶏食産株式会社をグループ化し、鶏肉事業の強化にも努めてまいりました。製品事業では、定番商品である「こてっちゃん」や「こてっちゃん牛もつ鍋」などの販売基盤を強化し、株式会社フードリエを中心に、ハム・ソーセージ事業の再編成と、グループ各社の協力体制の下、新製品の開発と販売促進に取り組みました。国産牛の輸出に関しては、本年度新たに解禁となった台湾への輸出を開始するなど、着実に実績を重ねてまいりました。
食肉等の小売事業においては、既存店活性化、新規ディベロッパーへの出店、新店の立ち上げや新業態店舗への取り組み、パックセンターの新設を行うとともに、不採算店の閉鎖を実施し収益力改善を図ってまいりました。また、さらなる競争力向上のための人材開発等施策にも取り組み、より専門知識を持った従業員育成のための肉のマイスター制度の定着化、パート・アルバイトスタッフの教育制度の充実、作業オペレーションの改善等を実施しております。また各種イベントに沿った提案型の販売は、全店が参加の上、情報を相互に共有し、より効果的な提案の実現を図ってまいりました。
食肉等の外食事業においては、焼肉・しゃぶしゃぶチェーン事業とステーキレストランチェーン事業のそれぞれにおいてメニュー及び料金の改定や店舗リニューアル等、競争力向上のための施策を実施するとともに、不採算店の閉鎖を実施し、収益力向上を目指しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は3,164億1千1百万円(前連結会計年度比12.5%増)、営業利益は109億5千9百万円(前連結会計年度比3.8%増)、経常利益は114億8千2百万円(前連結会計年度比5.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は77億6千万円(前連結会計年度比19.4%増)と増収増益になりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
①食肉等の製造・卸売事業
売上高は2,844億1千7百万円(前連結会計年度比14.2%増)、セグメント利益は103億3百万円(前連結会計年度比6.7%増)となりました。
②食肉等の小売事業
売上高は231億1千2百万円(前連結会計年度比0.7%減)、セグメント利益は12億8千万円(前連結会計年度比8.4%減)となりました。
③食肉等の外食事業
売上高は76億1千2百万円(前連結会計年度比0.1%減)、セグメント利益4億7百万円(前連結会計年度比17.7%減)となりました。
④その他
売上高は12億6千9百万円(前連結会計年度比0.9%減)、セグメント利益は1億1千8百万円(前連結会計年度比9.9%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度より1億3千万円減少して353億1千万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、56億1百万円の収入(前連結会計年度は99億1千4百万円の収入)で、増加要因として税金等調整前当期純利益112億6千6百万円、減価償却費32億4千3百万円及び仕入債務の増加10億5千2百万円などがあった一方、減少要因としてたな卸資産の増加24億6千6百万円、売上債権の増加34億6千2百万円及び法人税等の支払額43億2千3百万円などがありました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、88億4千6百万円の支出(前連結会計年度は42億9千3百万円の支出)で、支出の主なものは有形固定資産の取得による支出68億8百万円、投資有価証券の取得による支出16億7千1百万円及び貸付けによる支出15億4千6百万円で、収入の主なものは投資有価証券の売却による収入7億6千5百万円及び貸付金の回収による収入3億8百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、31億6千5百万円の収入(前連結会計年度は27億7千万円の収入)で、収入の主なものは短期借入金の純増減額26億7百万円及び長期借入れによる収入44億2千万円で、支出の主なものは長期借入金の返済による支出34億1百万円及び配当金の支払額11億6百万円であります。