有価証券報告書-第128期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 13:15
【資料】
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【項目】
176項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針及び経営戦略
当社グループは、2024年に創業110周年を迎えたことを契機として、社会における当社の存在意義および目指す姿を明確化するため、新たにパーパスを策定するとともに、ビジョンおよび行動指針を改定いたしました。当該パーパスのもと、企業価値の持続的向上に向けた各種施策に取り組んでおります。
2024年5月20日に公表した中期経営計画(2024年度~2026年度)につきましては、その後の事業環境の変化や設備老朽化への対応の必要性等を踏まえ、当初想定していた経営指標の達成が困難となる見通しとなりました。このため、当社グループは中期経営計画の運用を見直し、事業環境の変化に柔軟に対応することを目的として、計画を毎年度更新するローリング方式へ移行しております。
本ローリング方式のもとでは、事業環境および経営課題の変化を機動的に計画へ反映することにより、戦略の実効性を高めるとともに、迅速な意思決定を可能とし、パーパスの実現と持続的な企業価値向上を図ってまいります。
◎パーパス
「小麦の持つ無限の可能性で、世界の多様なニーズに挑戦し続ける」
◎ビジョン
「事業基盤の強化により持続的に成長する企業となる」
「能動的に細かなニーズを捉え、新規領域での成長に挑戦し続ける」
◎行動指針
「環境に配慮した製品・サービスの開発と提供により、社会に貢献し続ける」
「法令と社会規範を遵守し、誇りを持って仕事に臨み続ける」
「グローバルな視野をもち、多様な文化を受け入れ、すべてのステークホルダーの満足度を高め続ける」
◎「中期経営計画 Rolling Plan」
1. 事業戦略
① 製販統括機能の強化
調達・開発営業・生産の一体化により製販統括機能を強化し、統合データ基盤の再構築による需給管理の
精緻化を通じて、生産効率の改善と、多様な顧客ニーズに対する最適な供給体制構築を実現してまいります。
② エンジニアリング体制の強化
エンジニアリング人財の育成・確保と技術力の標準化を進め、中長期視点での施設管理体制を強化します。
③ 老朽化対策の徹底
設備更新・修繕対応の再整備を進め、安全・安定供給の基盤を強化、生産効率の向上を図ります。
④ スリーラインモデルの導入
工場・本社・監査の三層による品質管理体制を導入、各機能の役割を明確化することで、食品安全に関する
ガバナンスを強化します。
⑤ 消費者ニーズを先取りした提案型営業
顧客課題の解決を起点とした提案型営業を推進することで、 多様な顧客ニーズへの対応力強化を図って
まいります。
⑥ 特徴のある製品の開発・拡販
独自性のある原料・製品の開発と拡販を推進し、収益力の向上を図ります。
⑦ 海外事業の拡大及び自立化
成長市場における拡販の推進と共に、海外拠点の自立的な経営基盤を確立します。
⑧ 既存事業と親和性が高い事業領域への展開
余剰資金・資産の入替えを成長投資に活用し、隣接領域への事業拡大を推進します。
また新規領域で培った技術・知見を既存事業に還元し、付加価値の向上と新たなニーズの創出につなげます。
⑨ 稼ぐDXと支えるDXの推進
稼ぐDX(収益機会の拡大)と支えるDX(業務基盤の高度化)の両輪で推進し、持続的に企業価値を向上し
てまいります。
⑩ 2025年度に導入した新人事制度の運用・キャリアプランニングの強化
2025年に導入した人事制度の運用促進による組織力の強化、人財開発の強化による個の成長支援、多様性
の推進を通じ、持続的な成長を支える人的資本基盤の充実を図ります。
⑪ 財務健全性と持続的成長を前提とした安定的な株主還元
累進配当方針を堅持し、基礎収益の拡大を通じた持続的かつ安定的な株主還元の充実を目指します。
⑫ サステナビリティへの対応
サステナビリティへの対応を推進し、環境・社会的要請への適合と持続的成長を目指します。
2. 財務KPI、非財務目標
中期財務目標
(2028年度) 連結純利益 35億円以上 / 連結ROE 6.9%以上
基礎収益 25億円以上 / 基礎収益ROA 3.6%以上
※基礎収益の定義:「営業利益-配合飼料用副産物損益」×(1-実効税率)+事業投資損益(持分利益)
中期非財務目標
・GHG削減比率 2030年のGHGの30%削減達成(2020年対比)に向けた環境対策の推進
・ダイバーシティ関連 役職者(部長等)女性比率向上
特定技能制度活用による外国人労働者・技術者の活用
(2)経営環境及び対処すべき課題
2026年度のわが国の経済は、雇用・所得環境の底堅さを背景に、内需は緩やかな回復基調を維持することが期待されます。一方で、海外情勢の不確実性が高まる中、全体としては力強さを欠く展開が見込まれます。特に、米国とイランを巡る緊張の高まりに伴う中東情勢の不安定化は、ホルムズ海峡を中心としたエネルギー輸送への影響が懸念されます。同海峡は世界の原油および液化天然ガス供給の約2割を担う要衝であり、通航制約や軍事的緊張の継続は、原油価格の高騰やエネルギー調達コストの上昇を招き、企業活動および個人消費に広範な影響を及ぼす可能性があります。
このような環境のもと、製粉業界におきましては、エネルギー価格の上昇に伴う製粉工程での電力・燃料費の増加に加え、輸入小麦の海上運賃上昇による調達コストの増大が見込まれ、製造原価全体への上昇圧力が一層強まると想定されます。さらに、肥料や農業資材価格の上昇を通じた穀物価格への波及や、物流費高騰による流通コストの増加も重なり、コスト負担は一段と増加する見込みです。これに伴う製品価格の見直しは需要動向への影響も懸念され、経営環境は引き続き厳しい状況が続くものと考えております。
また、当社におきましては、工場の老朽化や人材需給の逼迫といった構造的課題に加え、顧客ニーズの多様化により生産計画や在庫管理の複雑化が進んでおり、従来の部門最適型の運営では機動的な対応が難しくなっております。これらの課題に対応するためには、サプライチェーン全体を俯瞰した統合的な需給管理体制の構築が不可欠であります。
このような認識のもと、当社は、今回公表の「中期経営計画 Rolling Plan」において、供給体制の強靭化と製販統括機能の強化を重要課題として位置付けております。調達・開発・営業・生産の一体運営を推進するとともに、統合データ基盤の再構築により需給管理の精緻化を図ってまいります。さらに、S&OP(Sales & Operations Planning)を中核とした全社横断の意思決定プロセスを確立し、SCM(Supply Chain Management)基盤の再構築を通じて業務の標準化および見える化を推進することで、全体最適の実現と迅速かつ柔軟な供給体制の構築に取り組んでまいります。また、三菱商事グループ各社との連携強化や、株式会社増田製粉所との開発および営業面でのシナジー創出を一層推進することで、これらの環境変化を成長機会として捉え、業績拡大につなげてまいります。

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