訂正有価証券報告書-第99期(2022/04/01-2023/03/31)
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当社グループが本報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)サステナビリティ戦略
① ガバナンス
(サステナビリティに関する各組織の役割・機能)
[取締役会]
取締役会では、経営会議を通じてサステナビリティ委員会から定期的(年4回)に報告を受け、サステナビリティ基本方針や重要課題、重要課題に対する目標の最終決定、気候変動に関するリスク及び機会への対応方針の決定を行うとともに、気候変動対応を含めサステナビリティ全般に関する執行側の取り組みを監督しております。
[サステナビリティ委員会]
当社では、経営会議の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会は、定期的(年4回)に開催され、代表取締役社長を委員長とし、委員長が任命する取締役、主要な事業会社であるDM三井製糖㈱の執行役員、外部有識者で構成され、以下の役割を担っております。
・グループ推進体制及び運営方針策定
・当社グループとしてのサステナビリティに関する基本方針及び活動テーマ等の方針策定
・気候変動に関するリスク及び機会に関する方針策定
・気候変動を含むサステナビリティに関する重要課題のKPI設定
・進捗状況のモニタリング
[サステナビリティ推進室]
当社グループのサステナビリティへの取り組みを推進するため、当社及び主要な事業会社であるDM三井製糖㈱にサステナビリティ推進室を設置しております。当社グループの各子会社と連携を図り、サステナビリティ経営上の基本方針や重要課題、目標設定、戦略、アクションプラン等の立案や、具体的な活動の推進、サステナビリティに関する研修企画や啓発活動、対外的な情報発信を行っております。
なお、実施した活動と今後の計画についてはサステナビリティ委員会及び経営会議を通じて定期的に当社の取締役会にて報告を行い、持続的な成長に資するよう取締役会で議論のうえ、評価・改善を行ってまいります。
② リスク管理
当社のサステナビリティ戦略上のリスク管理体制の整備状況については、全社的なリスク管理体制の下でリスク管理規則に基づき、代表取締役社長をリスク管理最高責任者、各部門の担当執行役員等をリスク管理部門責任者、当社グループの各子会社については、原則として、当該会社の代表取締役社長をリスク管理部門責任者とした上で、リスク管理事務局である法務・コンプライアンスグループを中心に、定期的なリスク評価や規程類の整備などに努めております。
(当社に関する重要課題の特定結果)
持続可能な社会の実現への貢献とグループの持続的な成長のために、10項目を重要課題として特定いたしました。

(重要課題の特定プロセス)
重要課題の特定にあたっては、以下の3つのステップで検討いたしました。当社のサステナビリティ推進室メンバーによるワークショップを中心に文献調査、社外有識者に対するヒアリングを通じて当社グループを取り巻く課題を抽出し、ステークホルダーの関心度・当社グループへの影響度分析を行うなど、幅広い視点から検討を行いました。
1.わが国及び当社グループを取り巻く課題の抽出・分析
当社のサステナビリティ推進室メンバー9名によるワークショップ、文献調査、社外有識者に対するヒアリングを通じて20項目の課題を抽出し、各課題の具体的なリスク及び機会やその影響例について分析いたしました。
2.ステークホルダーの関心・当社グループへの影響度分析
ステークホルダーの関心度、当社グループが生じさせる好影響と悪影響、当社グループの操業・業績への影響度を分析いたしました。
3.重要課題の特定
1、2の結果を勘案し、当社グループが重点的に取り組むべき課題の優先順位付けを行い、重要課題を特定いたしました。
③ 戦略及び④ 指標と目標
当社グループは、サステナビリティ基本方針に掲げる5つの「寄り添い」を通じて、持続可能な社会の実現を目指します。事業の源である自然への感謝を忘れずに、その恵みを様々な姿かたちで広く社会に届け、企業を取り巻く地球環境や社会の課題に真摯に向き合い、その解決を図りながら新たな価値を生み出します。
また、特定した重要課題に対しては、指標と目標を設定することで、サステナビリティ戦略の方向性を明確にし、各目標の進捗状況をモニタリングし、取り組みに反映しております。
5つの「寄り添い」を通じた重要課題への取り組みと目標
(2)気候変動への対応(TCFD提言への取り組み)
当社は、2023年6月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同を表明し、TCFDコンソーシアムに参加いたしました。
自然の恵みを大切に使わせて頂きながら主力事業を行う当社グループにとって、気候変動による様々な影響は、優先の高い課題であると認識しております。
TCFD提言に沿ってシナリオ分析に基づいたリスク・機会の検討を進めており、識別されたリスク・機会を事業推進上のリスクマネジメント及び経営戦略に反映するとともに、今後その進捗を積極的に開示してまいります。そして社会全体の脱炭素化に貢献しながら、さらなる成長を目指してまいります。
① ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティ戦略のガバナンスに組み込まれております。詳細については、「(1)サステナビリティ戦略 ① ガバナンス」をご参照ください。
② リスク管理
気候変動に関するリスク管理は、サステナビリティ戦略のリスクに含めて管理しております。詳細については、「(1)サステナビリティ戦略 ② リスク管理」をご参照ください。
③ 戦略
当社グループの事業は、原材料の大半が気候変動リスクの影響を大きく受ける農産物であること、また製造・加工・販売の過程において多くのエネルギーを消費しており低炭素社会への移行リスクの影響を大きく受けることから、気候変動を重要なリスクと認識しております。
当社グループでは、当社の中期経営計画との時期整合性、またパリ協定、日本政府の掲げる目標年といった外部環境要素を踏まえ、気候変動による影響について時間的範囲を、2050年度をゴールとし、その中間目標年を2030年度と定めております。
(重要リスクの特定)
気候変動に関するリスク及び機会については、当社の主力事業である国内製糖事業を対象に、農林水産省が公開している資料を基に網羅的なリストアップを行いました。さらに、当社事業への財務的影響の大きさ等に鑑み、「気象災害の激甚化による当社グループ工場等の被害額増大」を短期及び中期の物理的リスクとして、「炭素税の導入による費用増加」を長期の移行リスクとして、特に重要なリスクとして特定いたしました。
重要なリスクについては、シナリオに基づく評価を行いました。物理的リスクについては、当社グループの精製糖工場が沿岸域に位置することから4℃シナリオにおける日本沿岸域の被害想定額増加率、移行リスクについては、1.5℃シナリオにおける炭素価格を、それぞれWRI(世界資源研究所)、IEA(国際エネルギー機関)が公開している資料からパラメーターとして設定し、当社における影響額を推計しております。
また当社グループでは、既に取り組んでいる対応策も含め、リスクの最小化に向けて体制を整備しております。
なお、気候変動が及ぼす農作物の収穫量の変化や、異常気象等に伴う原材料の調達への影響については、今後、分析してまいります。
(識別した重要リスクへの対応策)
「気象災害の激甚化による当社グループ工場等の被害額増大」については、過去に国内工場で高潮被害を受けている他、大型台風による設備への風害も発生しております。
気候変動によるリスク顕在化の不確実性に対応するため、当社グループでは、予防の観点で設備の定期メンテナンスを実施し、自社工場の千葉、神戸、福岡に加えて、製糖委託工場を含む6工場による供給網の他、定期的なBCP訓練やその見直し、原材料調達先との連携や複数購買など、当該事象発生時において主要事業の早期復旧を図るための体制を整備しております。さらには、緊急時の供給体制を構築し、基礎調味料であり重要なエネルギー源でもある砂糖の安定供給を確かにすることで、サプライヤーとしての信頼を構築することは気候変動における機会になりうると考えております。
「炭素税の導入による費用増加」については、当社の中核である精製糖事業では主に生産プロセスで大量のエネルギーを必要とすることから、創エネ、省エネ、脱炭素エネルギーの採用(グリーン電力の購入、バイオマス燃料等)による2050年CO2排出量実質ゼロに向けた取り組みを推進する他、サプライヤーや顧客と連携したCO2削減や商品及び価格体系の見直しによって、財務リスクの最小化に取り組んでまいります。
今後は、重要なリスクについての更なる精査や、他の気候変動にかかるリスクと機会の検証を進め、当社グループの気候変動に対するレジリエンス強化に取り組んでまいります。
④ 指標と目標
サステナビリティ委員会では、リスクについて方針を策定、あるいは気候変動を含むサステナビリティに関するKPI(評価指標)を設定し、進捗状況をモニタリングしております。これらの検討、審議された内容は経営会議及び取締役会に報告し、取締役会からの意見や助言を反映しております。
今後、当社グループではCO2排出量について「2030年度までに2015年度比で46%削減」し、さらに「2050年度までにカーボンニュートラル達成(スコープ1・2において)」を目標としております。
また、環境問題に関連するKPI(評価指標)として、以下の2点を定めております。
・水資源排出量の削減
2030年度までに水資源排出量を2015年度比で20%削減
・廃棄物排出量の削減
2030年度までに廃棄物ゼロエミッションを達成
※ゼロエミッションを廃棄物再資源化率98%以上と定義
当社グループでは、これらの目標達成により持続可能な社会を実現するべく、取り組みを進めてまいります。
なお、2021年度における当社グループにおけるCO2排出量は、以下のとおりであり、2015年度比で11%削減しております。
・スコープ1・2のCO2排出量(2021年度)
当社グループの主な排出元であるDM三井製糖㈱、北海道糖業㈱、関門製糖㈱のCO2排出量
:303,917トン-CO2
(3)人的資本
① 人材育成方針や社内環境整備方針
当社グループでは、2022年5月に策定した中期経営計画において、基盤となる国内砂糖事業の強靭化を推進するとともに、経営資源の再配分により、成長分野であるライフ・エナジー事業及び海外事業の成長と拡大を目指すことを基本方針としておりますが、持続的成長、企業価値向上の実現には、更なる多様な視点と価値観の尊重が重要であると認識しております。今後の中長期の戦略となる成長分野である海外等への事業領域の拡大やコーポレート機能の充実に対応していくために、外国人やキャリア採用を含めた様々な知見のある多様な人材を確保し、これらの測定可能な目標設定と併せ、体系整備を含めた人材育成や多様な人材が活躍できる職場環境整備を推進してまいります。
a. 人材育成方針
当社グループは、従業員の「自立×自律」をキーワードに、主体的に業務に取り組む自立した人材の育成を目指し、教育体系を整えております。近年、「グローバル化」や「連結経営」の展開とともに国内外を問わず様々な場所で働く機会が増えており、専門知識や語学などの個の実力アップ、階層に則した現場でのマネジメント力の発揮が更に求められてきております。
このため、階層別、ビジネススキルと社外参加型の研修も組み合わせて将来を担う人材の育成を図っております。これに加えて、新たな成長分野を構築するため社内プロジェクトを複数立ち上げて組織横断的に自らチャレンジできる体制も整えました。グローバルの観点では、語学スキルの向上を支援する仕組みを整備するとともに、海外への若手従業員の派遣等、グローバルマインド醸成の機会を増やしております。
また、通信教育やe-ラーニング、資格取得の奨励金制度等、従業員の自発的な成長を後押しできる幅広い教育機会の提供にも取り組んでおります。
b. 社内環境整備
当社グループは、働き方改革や健康で健全な環境作り、ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、全ての従業員が多様性を受け入れて尊重しあい、仕事と家庭の両立を図りつつ、それぞれの能力を最大限発揮して活躍できる職場環境を整備し、会社の成長につなげてまいります。
1.働き方改革
当社及び主要な事業会社であるDM三井製糖㈱では、兼業・副業を含む場所や時間に左右されない働き方を支援し、テレワーク勤務制度(在宅勤務、サテライトオフィス利用)及びフレックス勤務制度を導入しております。個人の状況に応じた多様な働き方の選択により時間を有効活用し、仕事とプライベートの充実に加えて、業務の生産性向上につなげております。
2.健康で健全な環境作り
全ての従業員が心身ともに健康であるために、様々な取り組みを実践しております。日頃の「健康管理」においては、保健師(看護師)による日々の健康管理や健診後のフォロー、インフルエンザ予防接種、ストレスチェック・メンタルヘルス研修を含むEAP(従業員支援プログラム)の運用を効果的に実施し、eラーニングや女性特有の健康管理に関する動画配信等を通じて従業員自身がこころやからだの状況について気付きを得られる取り組みを行っております。「健康経営」においては、健康経営度調査への参加や健康保険組合と連携して歯科検診補助をはじめとした各種施策を行うなど、社内の課題を速やかに把握し、対応を行っております。今後も従業員の心身の健康維持・向上に努めてまいります。
3.ダイバーシティ&インクルージョンの推進
キャリア採用・障がい者採用を含め、様々な知見やポテンシャルを持つ方や性別・国籍など属性の違いを超えた多様な人材の採用に努めております。また、介護離職防止に向けた「仕事介護の両立セミナー」を定期的に開催しております。制度面では、育児や介護、仕事との両立をサポートするため、法定を上回る内容の短時間勤務制度や介護休暇制度、家族の介護または配偶者の転勤を理由に退職した従業員が、一定の期間を空けて再び会社への就業を希望した場合に、雇用の機会を提供するジョブ・リターン制度等を設けております。
今後は、ダイバーシティ&インクルージョンに関する社内教育を実施していくと共に、コミュニティーの中でマイノリティの従業員が孤立せずに相談しやすくするため、既にあるヘルプラインを拡大し、相談窓口の設置に取り組んでまいります。また、エリアを限定した勤務地での就業や60歳以上従業員の柔軟な就業環境整備をはじめ、ダイバーシティに配慮した人事制度を順次導入し、従業員のエンゲージメントサーベイを実施するなど、性別・年齢・障害・国籍を問わず多様な人材が生き生きと働けるよう、様々な取り組みを行ってまいります。
② 人材育成方針や社内環境整備方針に関する指標の内容、当該指標による目標・実績
a. 女性の活躍推進
管理職手前の階層の女性従業員を対象としたキャリアアップ意欲の喚起ならびに管理職に必要なマネジメント能力付与のための研修実施等により、キャリア開発、職場風土醸成に取り組んでおります。当社グループの目標として女性管理職比率10%(2026年3月末まで)を掲げております。主要な連結子会社では、DM三井製糖㈱、㈱タイショーテクノス及びニュートリー㈱は女性管理職比率の目標である10%を達成しておりますが、今後は次世代女性管理職候補者の育成にも注力をし、さらに女性の管理職比率を向上させるよう、グループで取り組みを推進してまいります。
b. 男性従業員の育児休業の取得
男性も育児に参画し、仕事と子育ての両立ができるよう、育児休業を取得しやすい環境の整備に努めてまいります。2023年3月期は、主要な連結子会社では、DM三井製糖㈱の男性育児休業取得率は87.5%に達しましたが、2028年3月期に連結ベースでの男性育児休業取得率100%を目標に、グループ全体でも取得率向上に取り組んでまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当社グループが本報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)サステナビリティ戦略
① ガバナンス
| 当社グループでは、気候変動問題・人権問題等のサステナビリティに関する課題への対応がリスクの低減かつ企業の成長にもつながる重要な経営課題の一つだと認識しており、サステナビリティ経営推進体制を右図のように構築しております。 サステナビリティ委員会で検討・審議された内容を経営会議に答申し、経営会議や取締役会でさらに検討・審議を重ねております。 | ![]() |
(サステナビリティに関する各組織の役割・機能)
[取締役会]
取締役会では、経営会議を通じてサステナビリティ委員会から定期的(年4回)に報告を受け、サステナビリティ基本方針や重要課題、重要課題に対する目標の最終決定、気候変動に関するリスク及び機会への対応方針の決定を行うとともに、気候変動対応を含めサステナビリティ全般に関する執行側の取り組みを監督しております。
[サステナビリティ委員会]
当社では、経営会議の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会は、定期的(年4回)に開催され、代表取締役社長を委員長とし、委員長が任命する取締役、主要な事業会社であるDM三井製糖㈱の執行役員、外部有識者で構成され、以下の役割を担っております。
・グループ推進体制及び運営方針策定
・当社グループとしてのサステナビリティに関する基本方針及び活動テーマ等の方針策定
・気候変動に関するリスク及び機会に関する方針策定
・気候変動を含むサステナビリティに関する重要課題のKPI設定
・進捗状況のモニタリング
[サステナビリティ推進室]
当社グループのサステナビリティへの取り組みを推進するため、当社及び主要な事業会社であるDM三井製糖㈱にサステナビリティ推進室を設置しております。当社グループの各子会社と連携を図り、サステナビリティ経営上の基本方針や重要課題、目標設定、戦略、アクションプラン等の立案や、具体的な活動の推進、サステナビリティに関する研修企画や啓発活動、対外的な情報発信を行っております。
なお、実施した活動と今後の計画についてはサステナビリティ委員会及び経営会議を通じて定期的に当社の取締役会にて報告を行い、持続的な成長に資するよう取締役会で議論のうえ、評価・改善を行ってまいります。
② リスク管理
当社のサステナビリティ戦略上のリスク管理体制の整備状況については、全社的なリスク管理体制の下でリスク管理規則に基づき、代表取締役社長をリスク管理最高責任者、各部門の担当執行役員等をリスク管理部門責任者、当社グループの各子会社については、原則として、当該会社の代表取締役社長をリスク管理部門責任者とした上で、リスク管理事務局である法務・コンプライアンスグループを中心に、定期的なリスク評価や規程類の整備などに努めております。
(当社に関する重要課題の特定結果)
持続可能な社会の実現への貢献とグループの持続的な成長のために、10項目を重要課題として特定いたしました。

(重要課題の特定プロセス)
重要課題の特定にあたっては、以下の3つのステップで検討いたしました。当社のサステナビリティ推進室メンバーによるワークショップを中心に文献調査、社外有識者に対するヒアリングを通じて当社グループを取り巻く課題を抽出し、ステークホルダーの関心度・当社グループへの影響度分析を行うなど、幅広い視点から検討を行いました。
1.わが国及び当社グループを取り巻く課題の抽出・分析
当社のサステナビリティ推進室メンバー9名によるワークショップ、文献調査、社外有識者に対するヒアリングを通じて20項目の課題を抽出し、各課題の具体的なリスク及び機会やその影響例について分析いたしました。
2.ステークホルダーの関心・当社グループへの影響度分析
ステークホルダーの関心度、当社グループが生じさせる好影響と悪影響、当社グループの操業・業績への影響度を分析いたしました。
3.重要課題の特定
1、2の結果を勘案し、当社グループが重点的に取り組むべき課題の優先順位付けを行い、重要課題を特定いたしました。
③ 戦略及び④ 指標と目標
当社グループは、サステナビリティ基本方針に掲げる5つの「寄り添い」を通じて、持続可能な社会の実現を目指します。事業の源である自然への感謝を忘れずに、その恵みを様々な姿かたちで広く社会に届け、企業を取り巻く地球環境や社会の課題に真摯に向き合い、その解決を図りながら新たな価値を生み出します。
また、特定した重要課題に対しては、指標と目標を設定することで、サステナビリティ戦略の方向性を明確にし、各目標の進捗状況をモニタリングし、取り組みに反映しております。
5つの「寄り添い」を通じた重要課題への取り組みと目標
| 1.環境に寄り添う 気候変動・水資源問題への取り組み、廃棄物の削減をとおして環境改善に貢献します。
| |||||||||||
| 気候変動問題 | リスク(●) 機会(○) | ●気候変動の助長、生産・輸送過程でのCO2排出、地球温暖化による原料農産物の作柄への影響、気象災害激甚化による工場など生産設備への被害、炭素税導入による費用負担 〇CO2排出削減のための生産プロセスイノベーション、環境負荷に配慮した包装資材の開発・促進 | |||||||||
| 2023年3月期の主な取り組み | ・環境マネジメントシステムISO14001の運用 ・省エネルギーな生産方法への転換、省エネルギー機器の導入 ・CO2削減に向けた生産技術部門のグループ企業横断的な取り組みの推進 ・最適生産方法・物流体制検討プロジェクトの推進 ・環境配慮資材の調達 | ||||||||||
| KPI(評価指標) | 2030年度までにCO2排出量46%削減(2015年度比) (2021年度 CO2排出量削減実績:2015年度比△11%減少) | ||||||||||
| 2050年度までにカーボンニュートラル達成 | |||||||||||
| バウンダリー:DM三井製糖㈱、北海道糖業㈱、関門製糖㈱ | |||||||||||
| 水資源問題 | リスク(●) 機会(○) | ●水資源枯渇による原料農産物の作柄への影響、水質悪化、水不足による生産部門(工場)の安定操業への影響 ○水使用量低減のための生産プロセスイノベーション | |||||||||
| 2023年3月期の主な取り組み | ・工場排水の水質検査・排水処理場での処理等による適正管理 | ||||||||||
| KPI(評価指標) | 2030年度までに水資源排出量20%削減(2015年度比) (2021年度 水資源排出量削減実績:2015年度比+3%増加(北海道の一部製糖所における原料となるてん菜の処理量の増加等に伴い操業日数が延びたこと等による。)) | ||||||||||
| バウンダリー:DM三井製糖㈱、北海道糖業㈱、関門製糖㈱ | |||||||||||
| 廃棄物問題 | リスク(●) 機会(○) | ●廃棄物による水質・土壌汚染(農業・生産部門への悪影響)、産業廃棄物の処理コスト増大 ○廃棄物の削減(リデュース)・リユース・リサイクル促進によるコスト・ダウン、環境負荷に配慮した包装資材の開発・促進、副産物の有効利用による新たなビジネスの創出 | |||||||||
| 2023年3月期の主な取り組み | ・廃棄物等の分別の徹底・適正処理 ・生産に伴う副産物・廃棄物の資源化 ・製糖副産物(バガス)を活用した商品開発への取り組み促進 | ||||||||||
| KPI(評価指標) | 2030年度までに廃棄物ゼロエミッションを達成 (2021年度リサイクル率87%) | ||||||||||
| バウンダリー:DM三井製糖㈱、北海道糖業㈱、関門製糖㈱ | |||||||||||
| 2.人に寄り添う 労働安全衛生を強化し、ダイバーシティ&インクルージョン(人財の多様性と包摂性)への配慮をつうじて、人権が尊重される社会の実現に貢献します。
| |||||||
| 人権の尊重 | リスク(●) 機会(○) | ●当社グループ内における人権侵害の発生と企業価値の毀損、サプライチェーン上での人権侵害の発生による原材料調達及び製品販売への影響 ○当社グループ内における人権の尊重による従業員のモチベーションアップ・生産性の向上・イノベーションの誘発・優良人材の獲得、サプライチェーン全体での人権尊重強化による企業価値や商品価値の向上 | |||||
| 2023年3月期の主な取り組み | ・人権方針の策定に向けた準備・検討、人権に関する社内研修の実施 (2023年4月1日付でDM三井グループ人権方針及びDM三井グループ調達方針を制定) | ||||||
| KPI(評価指標) | 人権に関する教育や取り組みの社内研修を実施 (従業員への研修受講率100%) | ||||||
| サプライチェーンにおける原材料調達責任をはたすため、人権デューデリジェンスを実施(2025年度まで) | |||||||
| バウンダリー:DM三井製糖㈱のほか、連結子会社16社及び持分法適用関連会社10社 | |||||||
| 労働安全衛生の強化 | リスク(●) 機会(○) | ●重篤な労災事故発生による従業員への影響及び企業価値の毀損 ○安全文化の醸成による企業文化の向上及びステークホルダーからの信頼獲得、労働安全衛生の徹底による従業員の心理的安全性確保とそれによる生産性の向上 | |||||
| 2023年3月期の主な取り組み | ・労働安全衛生マネジメントシステムISO45001の運用 ・当社グループ全社を対象にした労働安全研修「安全の日」の実施(1月19日) ・活発なコミュニケーションによる課題抽出(スピークアップ活動) ・確実なコロナ対策の実施による安定的な生産継続 ・設備(監視カメラの設置等)や作業手順に対する導入・変更前の社内安全審査の実施 | ||||||
| KPI(評価指標) | 労働災害「ゼロ(休業災害1日以上を対象)」の達成 (2022年度休業災害実績3件/DM三井製糖㈱) | ||||||
| バウンダリー:DM三井製糖㈱のほか、連結子会社16社 | |||||||
| ダイバーシティ&インクルージョン | リスク(●) 機会(○) | ●性差別等による企業文化の劣化と採用難による人材不足、新たな発想力の低下 ○多様な価値観を受け入れる企業風土の醸成、多様な人材の活躍による従業員のワークエンゲージメントの向上及びイノベーションの誘発、従業員の心理的安全性向上による生産性の向上、人材獲得機会の増加 | |||||
| 2023年3月期の主な取り組み | ・ダイバーシティ&インクルージョンに関する研修等の実施 詳細は「(3)人的資本」をご参照ください。 | ||||||
| KPI(評価指標) | 女性管理職比率10%達成(2025年度まで) | ||||||
| 障がい者雇用率3%以上 | |||||||
| 男性従業員の育児休業取得率100% | |||||||
| 出産した従業員等及び出産予定で退職した従業員等の合計数のうち、子の1歳誕生日まで継続して在職している者の割合が70%以上 | |||||||
| ダイバーシティ&インクルージョンの社内教育を実施(従業員の研修受講率100%) | |||||||
| ダイバーシティ&インクルージョンに関する相談窓口を設置 | |||||||
| 国籍/性別(性的マイノリティー・LGBT)/年齢/障がいの有無に配慮した人事制度の導入 | |||||||
| 従業員意識調査(働きやすさの調査)実施 | |||||||
| バウンダリー:DM三井製糖㈱のほか、連結子会社16社 | |||||||
| 3.幸せの時に寄り添う 「適糖」生活を広げ、食の基盤づくりをとおして皆さまの幸せな未来に貢献します。
| |||||||
| 糖分過不足による健康阻害 | リスク(●) 機会(○) | ●不正確な情報による糖類過不足の発生とそれによる健康阻害 ○正しい知識の啓発による適正な糖分摂取とそれによる商品提供機会の増大・新たな需要の創造 | |||||
| 2023年3月期の主な取り組み | ・小児糖尿病患者とその家族の会である「つぼみの会」の講習会(年2回開催)に協賛企業として参加 ・小学校での食育授業の実施 ・正しい砂糖の知識に関する社内データベースの構築及び各種メディアや学生向けの教育授業を通しての正しい砂糖知識の啓発活動の実施 ・栄養摂取に関する専門家との意見交換会及び学会・業界団体を通しての講演会・勉強会等の開催 | ||||||
| KPI(評価指標) | 糖分過不足による弊害についてのエビデンスに基づいた知見の蓄積 | ||||||
| 糖分過不足による弊害の解消=「適糖生活」の概念構築に向けた勉強会、外部専門家との意見交換の実施 | |||||||
| 日本人一人ひとりの生活実態・健康状態に合わせた「適糖生活」モデルの構築 | |||||||
| バウンダリー:DM三井製糖㈱ | |||||||
| 4.健康に寄り添う 食品安全の徹底とともに、健康寿命の延伸、栄養ニーズの充実、美味しさの革新をとおして、皆さまの健やかな生活に貢献します。
| |||||||
| 食品安全の徹底 | リスク(●) 機会(○) | ●食品安全衛生上の重篤な問題による顧客(消費者)への健康被害発生及び企業価値の毀損 ○食品安全の徹底による顧客(消費者)の信頼獲得とブランド価値・企業価値の向上 | |||||
| 2023年3月期の主な取り組み | ・FSSC22000等のGFSI認証規格のほか、ISO9001やJFS-Bといった国際的な品質や食品安全に関する認証を継続し、品質向上・食品安全の強化を実施 ・品質保証部門による食品生産現場への定期監査実施 | ||||||
| KPI(評価指標) | 自社製造製品での重篤な健康危害(食中毒等)発生ゼロ (2022年度重篤な健康危害発生ゼロ/DM三井製糖) | ||||||
| バウンダリー:DM三井製糖㈱のほか、連結子会社10社及び持分法適用関連会社2社 | |||||||
| KPI(評価指標) | DM三井グループの国内外精製糖製造工場:GFSI認証規格を取得・継続 | ||||||
| 他の国内食品製造工場:HACCPを含む食品安全に関する国際規格の取得拡大推進 | |||||||
| バウンダリー:DM三井製糖㈱のほか、連結子会社9社及び持分法適用関連会社7社 | |||||||
| 健康促進・栄養改善 | リスク(●) 機会(○) | ●顧客の健康促進・栄養改善に資する商品の欠如による売り上げの減少、少子高齢化による市場縮小 ○顧客の健康促進・栄養改善に資する新たな商品の開発、顧客の健康志向や拡大するヘルスケアマーケットへの対応による売り上げの増大・企業価値の向上 | |||||
| 2023年3月期の主な取り組み | ・DM三井製糖㈱にDM三井グループ研究所を設置(グループ研究開発体制の構築) ・パラチノースを配合した新商品「ZUNOUP(ズノアップ)」の販売開始 ・エネルギー源となる機能性糖質・タンパク質の開発 詳細は「5[研究開発活動]」をご参照ください。 | ||||||
| KPI(評価指標) | 健康関連分野(ライフ・エナジー分野)の売上高を500億円まで拡大(2025年度まで) (2022年度ライフ・エナジー事業売上高223億円) | ||||||
| バウンダリー:DM三井製糖㈱のほか、連結子会社3社 | |||||||
| 5.地域社会に寄り添う 産業の振興をとおして、地域社会の維持・発展に貢献します。
| |||||||||
| 地域経済の発展 | リスク(●) 機会(○) | ●国内地方経済の衰退による生産拠点での人材確保問題、国内原料農産物の生産減少 ○地域経済活性化による人口増加と人材獲得機会及び消費拡大、地域農業の活性化による生産性向上と原料農産物の安定供給 | |||||||
| 2023年3月期の主な取り組み | ・石垣島さとうきび生産体験研修実施 ・小学校での食育授業実施 ・徳之島での生物多様性保全活動(NPO法人)支援 ・地域の子供食堂・養護施設等への食品寄附活動 ・地域の清掃活動への参加 | ||||||||
| KPI(評価指標) | 砂糖原料生産地(沖縄/鹿児島/北海道)の地域経済・自然環境保護に貢献する活動を、毎年合計3件以上実施 | ||||||||
| バウンダリー:北海道糖業㈱、生和糖業㈱、石垣島製糖㈱ | |||||||||
| KPI(評価指標) | 地域に貢献するサステナビリティ関連活動を継続的実施 | ||||||||
| バウンダリー:DM三井製糖㈱のほか、連結子会社12社 | |||||||||
(2)気候変動への対応(TCFD提言への取り組み)
当社は、2023年6月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同を表明し、TCFDコンソーシアムに参加いたしました。
自然の恵みを大切に使わせて頂きながら主力事業を行う当社グループにとって、気候変動による様々な影響は、優先の高い課題であると認識しております。
TCFD提言に沿ってシナリオ分析に基づいたリスク・機会の検討を進めており、識別されたリスク・機会を事業推進上のリスクマネジメント及び経営戦略に反映するとともに、今後その進捗を積極的に開示してまいります。そして社会全体の脱炭素化に貢献しながら、さらなる成長を目指してまいります。
① ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティ戦略のガバナンスに組み込まれております。詳細については、「(1)サステナビリティ戦略 ① ガバナンス」をご参照ください。
② リスク管理
気候変動に関するリスク管理は、サステナビリティ戦略のリスクに含めて管理しております。詳細については、「(1)サステナビリティ戦略 ② リスク管理」をご参照ください。
③ 戦略
当社グループの事業は、原材料の大半が気候変動リスクの影響を大きく受ける農産物であること、また製造・加工・販売の過程において多くのエネルギーを消費しており低炭素社会への移行リスクの影響を大きく受けることから、気候変動を重要なリスクと認識しております。
当社グループでは、当社の中期経営計画との時期整合性、またパリ協定、日本政府の掲げる目標年といった外部環境要素を踏まえ、気候変動による影響について時間的範囲を、2050年度をゴールとし、その中間目標年を2030年度と定めております。
(重要リスクの特定)
気候変動に関するリスク及び機会については、当社の主力事業である国内製糖事業を対象に、農林水産省が公開している資料を基に網羅的なリストアップを行いました。さらに、当社事業への財務的影響の大きさ等に鑑み、「気象災害の激甚化による当社グループ工場等の被害額増大」を短期及び中期の物理的リスクとして、「炭素税の導入による費用増加」を長期の移行リスクとして、特に重要なリスクとして特定いたしました。
重要なリスクについては、シナリオに基づく評価を行いました。物理的リスクについては、当社グループの精製糖工場が沿岸域に位置することから4℃シナリオにおける日本沿岸域の被害想定額増加率、移行リスクについては、1.5℃シナリオにおける炭素価格を、それぞれWRI(世界資源研究所)、IEA(国際エネルギー機関)が公開している資料からパラメーターとして設定し、当社における影響額を推計しております。
また当社グループでは、既に取り組んでいる対応策も含め、リスクの最小化に向けて体制を整備しております。
なお、気候変動が及ぼす農作物の収穫量の変化や、異常気象等に伴う原材料の調達への影響については、今後、分析してまいります。
(識別した重要リスクへの対応策)
「気象災害の激甚化による当社グループ工場等の被害額増大」については、過去に国内工場で高潮被害を受けている他、大型台風による設備への風害も発生しております。
気候変動によるリスク顕在化の不確実性に対応するため、当社グループでは、予防の観点で設備の定期メンテナンスを実施し、自社工場の千葉、神戸、福岡に加えて、製糖委託工場を含む6工場による供給網の他、定期的なBCP訓練やその見直し、原材料調達先との連携や複数購買など、当該事象発生時において主要事業の早期復旧を図るための体制を整備しております。さらには、緊急時の供給体制を構築し、基礎調味料であり重要なエネルギー源でもある砂糖の安定供給を確かにすることで、サプライヤーとしての信頼を構築することは気候変動における機会になりうると考えております。
「炭素税の導入による費用増加」については、当社の中核である精製糖事業では主に生産プロセスで大量のエネルギーを必要とすることから、創エネ、省エネ、脱炭素エネルギーの採用(グリーン電力の購入、バイオマス燃料等)による2050年CO2排出量実質ゼロに向けた取り組みを推進する他、サプライヤーや顧客と連携したCO2削減や商品及び価格体系の見直しによって、財務リスクの最小化に取り組んでまいります。
今後は、重要なリスクについての更なる精査や、他の気候変動にかかるリスクと機会の検証を進め、当社グループの気候変動に対するレジリエンス強化に取り組んでまいります。
④ 指標と目標
サステナビリティ委員会では、リスクについて方針を策定、あるいは気候変動を含むサステナビリティに関するKPI(評価指標)を設定し、進捗状況をモニタリングしております。これらの検討、審議された内容は経営会議及び取締役会に報告し、取締役会からの意見や助言を反映しております。
今後、当社グループではCO2排出量について「2030年度までに2015年度比で46%削減」し、さらに「2050年度までにカーボンニュートラル達成(スコープ1・2において)」を目標としております。
また、環境問題に関連するKPI(評価指標)として、以下の2点を定めております。
・水資源排出量の削減
2030年度までに水資源排出量を2015年度比で20%削減
・廃棄物排出量の削減
2030年度までに廃棄物ゼロエミッションを達成
※ゼロエミッションを廃棄物再資源化率98%以上と定義
当社グループでは、これらの目標達成により持続可能な社会を実現するべく、取り組みを進めてまいります。
なお、2021年度における当社グループにおけるCO2排出量は、以下のとおりであり、2015年度比で11%削減しております。
・スコープ1・2のCO2排出量(2021年度)
当社グループの主な排出元であるDM三井製糖㈱、北海道糖業㈱、関門製糖㈱のCO2排出量
:303,917トン-CO2
(3)人的資本
① 人材育成方針や社内環境整備方針
当社グループでは、2022年5月に策定した中期経営計画において、基盤となる国内砂糖事業の強靭化を推進するとともに、経営資源の再配分により、成長分野であるライフ・エナジー事業及び海外事業の成長と拡大を目指すことを基本方針としておりますが、持続的成長、企業価値向上の実現には、更なる多様な視点と価値観の尊重が重要であると認識しております。今後の中長期の戦略となる成長分野である海外等への事業領域の拡大やコーポレート機能の充実に対応していくために、外国人やキャリア採用を含めた様々な知見のある多様な人材を確保し、これらの測定可能な目標設定と併せ、体系整備を含めた人材育成や多様な人材が活躍できる職場環境整備を推進してまいります。
a. 人材育成方針
当社グループは、従業員の「自立×自律」をキーワードに、主体的に業務に取り組む自立した人材の育成を目指し、教育体系を整えております。近年、「グローバル化」や「連結経営」の展開とともに国内外を問わず様々な場所で働く機会が増えており、専門知識や語学などの個の実力アップ、階層に則した現場でのマネジメント力の発揮が更に求められてきております。
このため、階層別、ビジネススキルと社外参加型の研修も組み合わせて将来を担う人材の育成を図っております。これに加えて、新たな成長分野を構築するため社内プロジェクトを複数立ち上げて組織横断的に自らチャレンジできる体制も整えました。グローバルの観点では、語学スキルの向上を支援する仕組みを整備するとともに、海外への若手従業員の派遣等、グローバルマインド醸成の機会を増やしております。
また、通信教育やe-ラーニング、資格取得の奨励金制度等、従業員の自発的な成長を後押しできる幅広い教育機会の提供にも取り組んでおります。
b. 社内環境整備
当社グループは、働き方改革や健康で健全な環境作り、ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、全ての従業員が多様性を受け入れて尊重しあい、仕事と家庭の両立を図りつつ、それぞれの能力を最大限発揮して活躍できる職場環境を整備し、会社の成長につなげてまいります。
1.働き方改革
当社及び主要な事業会社であるDM三井製糖㈱では、兼業・副業を含む場所や時間に左右されない働き方を支援し、テレワーク勤務制度(在宅勤務、サテライトオフィス利用)及びフレックス勤務制度を導入しております。個人の状況に応じた多様な働き方の選択により時間を有効活用し、仕事とプライベートの充実に加えて、業務の生産性向上につなげております。
2.健康で健全な環境作り
全ての従業員が心身ともに健康であるために、様々な取り組みを実践しております。日頃の「健康管理」においては、保健師(看護師)による日々の健康管理や健診後のフォロー、インフルエンザ予防接種、ストレスチェック・メンタルヘルス研修を含むEAP(従業員支援プログラム)の運用を効果的に実施し、eラーニングや女性特有の健康管理に関する動画配信等を通じて従業員自身がこころやからだの状況について気付きを得られる取り組みを行っております。「健康経営」においては、健康経営度調査への参加や健康保険組合と連携して歯科検診補助をはじめとした各種施策を行うなど、社内の課題を速やかに把握し、対応を行っております。今後も従業員の心身の健康維持・向上に努めてまいります。
3.ダイバーシティ&インクルージョンの推進
キャリア採用・障がい者採用を含め、様々な知見やポテンシャルを持つ方や性別・国籍など属性の違いを超えた多様な人材の採用に努めております。また、介護離職防止に向けた「仕事介護の両立セミナー」を定期的に開催しております。制度面では、育児や介護、仕事との両立をサポートするため、法定を上回る内容の短時間勤務制度や介護休暇制度、家族の介護または配偶者の転勤を理由に退職した従業員が、一定の期間を空けて再び会社への就業を希望した場合に、雇用の機会を提供するジョブ・リターン制度等を設けております。
今後は、ダイバーシティ&インクルージョンに関する社内教育を実施していくと共に、コミュニティーの中でマイノリティの従業員が孤立せずに相談しやすくするため、既にあるヘルプラインを拡大し、相談窓口の設置に取り組んでまいります。また、エリアを限定した勤務地での就業や60歳以上従業員の柔軟な就業環境整備をはじめ、ダイバーシティに配慮した人事制度を順次導入し、従業員のエンゲージメントサーベイを実施するなど、性別・年齢・障害・国籍を問わず多様な人材が生き生きと働けるよう、様々な取り組みを行ってまいります。
② 人材育成方針や社内環境整備方針に関する指標の内容、当該指標による目標・実績
a. 女性の活躍推進
管理職手前の階層の女性従業員を対象としたキャリアアップ意欲の喚起ならびに管理職に必要なマネジメント能力付与のための研修実施等により、キャリア開発、職場風土醸成に取り組んでおります。当社グループの目標として女性管理職比率10%(2026年3月末まで)を掲げております。主要な連結子会社では、DM三井製糖㈱、㈱タイショーテクノス及びニュートリー㈱は女性管理職比率の目標である10%を達成しておりますが、今後は次世代女性管理職候補者の育成にも注力をし、さらに女性の管理職比率を向上させるよう、グループで取り組みを推進してまいります。
b. 男性従業員の育児休業の取得
男性も育児に参画し、仕事と子育ての両立ができるよう、育児休業を取得しやすい環境の整備に努めてまいります。2023年3月期は、主要な連結子会社では、DM三井製糖㈱の男性育児休業取得率は87.5%に達しましたが、2028年3月期に連結ベースでの男性育児休業取得率100%を目標に、グループ全体でも取得率向上に取り組んでまいります。


















