有価証券報告書-第103期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要、生産、受注及び販売の状況並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、物価上昇や為替変動の影響を受け、生活コストの高止まりが続きました。また、ウクライナ情勢の長期化や中東地域における紛争の激化により、原油価格が上昇するなど資源・エネルギー価格を巡る不透明感が高まっており、経済の先行きについては引き続き不透明感が意識される状況となっております。
このような環境下、当社グループでは、2024年4月に中期経営計画「CHANGE 2028」を策定し、1.東南アジアでの事業拡大、2.フードサイエンス領域の事業創出、3.M&Aを軸とした成長投資、4.ビジョン実現に向けた強い組織づくり、5.IRの強化と株主還元の5つの重点テーマで策定した計画を推進し、実績は堅調に推移しております。
当連結会計年度の業績は、売上高28,443百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益3,554百万円(同9.9%増)、経常利益3,773百万円(同3.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,220百万円(同13.2%増)の増収増益となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。なお、当社は、2025年4月1日付で組織変更を実施し経営管理区分を変更いたしました。これに伴い当連結会計年度より、従来「その他」に含まれていたFUJI NIHON(Thailand) Co.,Ltd.の営む事業等を「機能性素材事業」セグメントに移管しております。また、当連結会計年度よりセグメント名称を従来の「精糖事業」から、「糖類事業」に変更しております。
セグメントごとの比較情報については、上記セグメント変更後の報告セグメントの区分に組み替えた数値で比較しております。報告セグメントの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)1 報告セグメントの概要」に記載のとおりであります。
(糖類事業)
海外原糖市況は、期初に¢18.89(1ポンド当たり)で始まり、ブラジルにおける乾燥懸念を背景に一時¢19.63まで上昇しました。その後、貿易摩擦への懸念や世界的な供給増加観測を受け、下落基調に転じ、6月末には¢15.48を付けました。以降も軟調に推移する中、ブラジル中南部の天候不順を背景に一時的に持ち直しましたが、インドおよびタイの生産回復見通しや原油安を受けて再び下落し、¢15前後で推移しました。年明け以降もインドやタイの生産増加見通しを受けて上値の重い展開が続き、一時¢13台まで下落する場面も見られました。中東情勢の緊張を背景とした原油価格の上昇や投機筋の売りポジション解消の動きから相場は一時¢16近くまで上昇したものの、ブラジルにおける砂糖生産増加の影響により上値は限定的となり、¢15.52で当会計年度末を迎えました。
一方、国内製品市況は、期初東京現物相場(日本経済新聞掲載)249円~251円(上白大袋1キログラム当たり)で始まり、11月26日に241円~243円(上白大袋1キログラム当たり、小袋は対象外)と約7年ぶりの値下げ改定となりました。大阪万博が10月中旬に閉幕しましたが、訪日客は継続して増加傾向が続き、インバウンド需要により外食関連や土産を含む菓子向けの出荷は好調に推移しました。物価高による節約志向の影響もあり、飲料関連の販売が低調となったものの通期では前年同期比増で販売を終了しました。コスト面では営業体制の強化を図り、品質管理を徹底して製品の安定供給に取り組むことで顧客満足度を高め、堅実で安定した原料調達を図り、コスト削減に努めましたが物流費の上昇が想定以上となり収益を抑えました。
以上の結果、売上高は13,444百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益2,507百万円(同0.9%減)の減収減益となりました。
(機能性素材事業)
機能性食品素材「イヌリン」は、原材料コストの上昇や為替変動による影響を受けるなか、国内販売では加工食品向けが苦戦したものの、機能性表示食品など健康機能商品への採用増により、販売数量は前年同期比増となりました。連結子会社Fuji Nihon Thai Inulin Co.,Ltd.では、タイ国および東南アジア各国において大手ユーザー向けの販売が好調に推移し、新たな販売国も増えたことにより、販売数量が前年同期比で大幅増となり、増収増益となりました。
連結子会社ユニテックフーズ株式会社は、コラーゲンを中心に売上数量を伸ばし、ODM・商品開発コンサルティング事業にも注力した結果、増収増益となりました。
以上の結果、機能性素材事業全体で売上高14,121百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益1,646百万円(同28.1%増)の増収増益となりました。
(不動産事業)
不動産事業は、2023年9月旧本社跡地に「東横INN茅場町駅」を建設し、賃貸を開始し収益貢献したものの、2025年3月期第4四半期に資産効率向上の一環として東京都、神奈川県、長野県所在の3物件を売却したことに伴い、売上高633百万円(前年同期比2.7%減)、営業利益581百万円(同0.2%増)の減収増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ598百万円増加し、7,243百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、3,213百万円(前年同期比3.3%減)となりました。これは主として法人税等の支払額があったものの、税金等調整前当期純利益の計上があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,738百万円(前年同期比12.4%増)となりました。これは主として投資有価証券の売却及び償還による収入があったものの、長期貸付金による支出、定期預金の預入による支出及び有形固定資産の取得による支出があったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、962百万円(前年同期比155.5%増)となりました。これは主として長期借入れによる収入があったものの、短期借入金の純増減額の減少及び配当金の支払による支出などによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しているため、前期比については変更後のセグメント区分の数値と比較しております。報告セグメントの変更の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
(A) 生産実績
当連結会計年度における生産実績及び商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(a) 生産実績
(注) 上記の金額は、販売価格によっております。
(b) 商品仕入実績
(注)1 糖類事業において仕入実績に著しい変動がありました。これは液糖商品の出荷が減少したことにより、仕入実績が減少したことによるものであります。
2 その他において仕入実績に著しい変動がありました。これは仕入商品の販売実績が減少したことによるものであります。
(B) 受注実績
当社グループは受注生産を行っておりません。
(C) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額は、セグメント間取引を相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度は、中期経営計画において成長を目指した基盤固めと新規事業の更なる育成を重点課題として位置づけ、以下の戦略を掲げ、事業活動を推進してまいりました。
(A)収益力の向上
糖類事業においては、減少する消費のなか、営業体制を強化し、顧客との関係強化を図り、商権の維持に取り組むこととし、また、原料糖の効率的な仕入や生産の集約などで採算性の改善に努めてまいりました。
また、機能性食品素材イヌリンの安定生産を実現し、日本国内だけでなく海外での販路開拓も推進いたしました。
(B)事業の多角化の展開
当社グループにおいて、新しい顧客ニーズを吸い上げ、それに伴った新たな販路を開拓し、事業拡大を図ってまいりました。機能性食品素材イヌリンは、整腸作用・血糖値の上昇抑制効果・血中中性脂肪の低減効果の機能性表示だけでなく、更なる機能性を訴求し、販売活動を行ってまいりました。
(C)海外展開への更なる挑戦
当社グループは、日本国内のみならず、海外での事業活動を積極的に展開してまいりました。タイにおいては機能性食品素材イヌリンの拡販を図り、タイ国上場企業であるThai Wah Public Company Ltd.と提携し、Thai Wah Fuji Nihon Company Ltd.の株式49%を取得してキャッサバでん粉製造販売事業及びその周辺事業への参入を進めております。また、製パン事業会社 DAY PLUS (THAILAND) Co.,Ltd.の採算性の向上を目指し、海外での積極的な事業拡大を図ってまいりました。
(a)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ233百万円増加し、28,443百万円(前年同期比0.8%増)となりました。これは精製糖製品は減収となった一方で、機能性素材「イヌリン」の国内外における販売数量増加及び連結子会社ユニテックフーズ株式会社の主力商品である天然添加物素材の販売が好調に推移したことによるものであります。報告別セグメントの売上高の連結売上高に占める割合は、糖類事業47.3%、機能性素材事業49.6%、不動産事業2.2%となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ554百万円増加し、8,159百万円(前年同期比7.3%増)となりました。売上高売上総利益率は、前連結会計年度に比べ1.7%増加し、28.7%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ321百万円増加し、3,554百万円(前年同期比9.9%増)となりました。売上高営業利益率は、前連結会計年度に比べ1.0%増加し、12.5%となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ171百万円減少し、307百万円(前年同期比35.8%減)となりました。営業外費用は、前連結会計年度に比べ26百万円増加し、87百万円(前年同期比44.4%増)となりました。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ122百万円増加し、3,773百万円(前年同期比3.4%増)となりました。売上高経常利益率は、前連結会計年度に比べ0.3%増加し、13.3%となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ50百万円増加し、518百万円(前年同期比10.7%増)となりました。特別損失は、前連結会計年度に比べ400百万円減少し、1百万円(前年同期比99.7%減)となりました。法人税等合計は、前連結会計年度に比べ166百万円増加し、1,074百万円(前年同期比18.3%増)となりました。さらに非支配株主に帰属する当期純損失は、前連結会計年度に比べ32百万円減少し、△3百万円(前年同期比89.9%減)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ374百万円増加し、3,220百万円(前年同期比13.2%増)となりました。売上高に対する親会社株主に帰属する当期純利益率は、前連結会計年度と比べ1.2%増加し、11.3%となりました。
(b)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度における資産は、流動資産で前連結会計年度末に比べ9.2%増加し、19,317百万円となりました。これは主として、現金及び預金が増加したことなどによるものであります。
また、固定資産では、前連結会計年度末に比べ20.9%増加し、19,414百万円となりました。これは主として、連結子会社Fuji Nihon Thai Inulin Co., Ltd.において、主力製品イヌリンの製造能力拡大のための工場増設による建設仮勘定の増加及び時価の上昇に伴い投資有価証券が増加したことなどによるものであります。
(負債)
当連結会計年度における負債は、流動負債で前連結会計年度末に比べ4.6%減少し、5,528百万円となりました。これは主として、買掛金は増加したものの、短期借入金が減少したことなどによるものであります。
また、固定負債では、前連結会計年度末に比べ28.5%増加し、5,260百万円となりました。これは主として、繰延税金負債及び成長投資の為の長期借入金が増加したことなどによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産は、前連結会計年度末に比べ17.0%増加し、27,944百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及びその他有価証券評価差額金が増加したことなどによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(A)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(B)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要の主なものは、原材料及び商品の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資などであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを重点事項と考えております。
短期運転資金、設備投資や長期運転資金の調達は、ともに自己資金とし、不足が発生した場合には金融機関からの借入をすることを基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は4,933百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は7,243百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。当該連結財務諸表の作成について、一部見積りや仮定によることがあります。採用する見積りや仮定は、連結決算日において、入手可能な情報を総合的に勘案し、合理的であると考えられるものを継続的に使用しております。連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりであります。
(A)繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(B)固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(C)棚卸資産の評価
当社グループの保有している棚卸資産は、設定されている賞味期限内での予定販売数量を用いて販売可能性を評価しております。用いている予定販売数量は、取締役会にて承認された計画でありますが、市場環境の変化などにより、予定販売数量の見込みに変更が生じた場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要、生産、受注及び販売の状況並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、物価上昇や為替変動の影響を受け、生活コストの高止まりが続きました。また、ウクライナ情勢の長期化や中東地域における紛争の激化により、原油価格が上昇するなど資源・エネルギー価格を巡る不透明感が高まっており、経済の先行きについては引き続き不透明感が意識される状況となっております。
このような環境下、当社グループでは、2024年4月に中期経営計画「CHANGE 2028」を策定し、1.東南アジアでの事業拡大、2.フードサイエンス領域の事業創出、3.M&Aを軸とした成長投資、4.ビジョン実現に向けた強い組織づくり、5.IRの強化と株主還元の5つの重点テーマで策定した計画を推進し、実績は堅調に推移しております。
当連結会計年度の業績は、売上高28,443百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益3,554百万円(同9.9%増)、経常利益3,773百万円(同3.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,220百万円(同13.2%増)の増収増益となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。なお、当社は、2025年4月1日付で組織変更を実施し経営管理区分を変更いたしました。これに伴い当連結会計年度より、従来「その他」に含まれていたFUJI NIHON(Thailand) Co.,Ltd.の営む事業等を「機能性素材事業」セグメントに移管しております。また、当連結会計年度よりセグメント名称を従来の「精糖事業」から、「糖類事業」に変更しております。
セグメントごとの比較情報については、上記セグメント変更後の報告セグメントの区分に組み替えた数値で比較しております。報告セグメントの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)1 報告セグメントの概要」に記載のとおりであります。
(糖類事業)
海外原糖市況は、期初に¢18.89(1ポンド当たり)で始まり、ブラジルにおける乾燥懸念を背景に一時¢19.63まで上昇しました。その後、貿易摩擦への懸念や世界的な供給増加観測を受け、下落基調に転じ、6月末には¢15.48を付けました。以降も軟調に推移する中、ブラジル中南部の天候不順を背景に一時的に持ち直しましたが、インドおよびタイの生産回復見通しや原油安を受けて再び下落し、¢15前後で推移しました。年明け以降もインドやタイの生産増加見通しを受けて上値の重い展開が続き、一時¢13台まで下落する場面も見られました。中東情勢の緊張を背景とした原油価格の上昇や投機筋の売りポジション解消の動きから相場は一時¢16近くまで上昇したものの、ブラジルにおける砂糖生産増加の影響により上値は限定的となり、¢15.52で当会計年度末を迎えました。
一方、国内製品市況は、期初東京現物相場(日本経済新聞掲載)249円~251円(上白大袋1キログラム当たり)で始まり、11月26日に241円~243円(上白大袋1キログラム当たり、小袋は対象外)と約7年ぶりの値下げ改定となりました。大阪万博が10月中旬に閉幕しましたが、訪日客は継続して増加傾向が続き、インバウンド需要により外食関連や土産を含む菓子向けの出荷は好調に推移しました。物価高による節約志向の影響もあり、飲料関連の販売が低調となったものの通期では前年同期比増で販売を終了しました。コスト面では営業体制の強化を図り、品質管理を徹底して製品の安定供給に取り組むことで顧客満足度を高め、堅実で安定した原料調達を図り、コスト削減に努めましたが物流費の上昇が想定以上となり収益を抑えました。
以上の結果、売上高は13,444百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益2,507百万円(同0.9%減)の減収減益となりました。
(機能性素材事業)
機能性食品素材「イヌリン」は、原材料コストの上昇や為替変動による影響を受けるなか、国内販売では加工食品向けが苦戦したものの、機能性表示食品など健康機能商品への採用増により、販売数量は前年同期比増となりました。連結子会社Fuji Nihon Thai Inulin Co.,Ltd.では、タイ国および東南アジア各国において大手ユーザー向けの販売が好調に推移し、新たな販売国も増えたことにより、販売数量が前年同期比で大幅増となり、増収増益となりました。
連結子会社ユニテックフーズ株式会社は、コラーゲンを中心に売上数量を伸ばし、ODM・商品開発コンサルティング事業にも注力した結果、増収増益となりました。
以上の結果、機能性素材事業全体で売上高14,121百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益1,646百万円(同28.1%増)の増収増益となりました。
(不動産事業)
不動産事業は、2023年9月旧本社跡地に「東横INN茅場町駅」を建設し、賃貸を開始し収益貢献したものの、2025年3月期第4四半期に資産効率向上の一環として東京都、神奈川県、長野県所在の3物件を売却したことに伴い、売上高633百万円(前年同期比2.7%減)、営業利益581百万円(同0.2%増)の減収増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ598百万円増加し、7,243百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、3,213百万円(前年同期比3.3%減)となりました。これは主として法人税等の支払額があったものの、税金等調整前当期純利益の計上があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,738百万円(前年同期比12.4%増)となりました。これは主として投資有価証券の売却及び償還による収入があったものの、長期貸付金による支出、定期預金の預入による支出及び有形固定資産の取得による支出があったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、962百万円(前年同期比155.5%増)となりました。これは主として長期借入れによる収入があったものの、短期借入金の純増減額の減少及び配当金の支払による支出などによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しているため、前期比については変更後のセグメント区分の数値と比較しております。報告セグメントの変更の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
(A) 生産実績
当連結会計年度における生産実績及び商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(a) 生産実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度(百万円) | 前年同期比(%) |
| 糖類 | 11,967 | 96.3 |
| 機能性素材 | 3,745 | 96.2 |
| その他 | 259 | 100.4 |
| 合計 | 15,973 | 96.4 |
(注) 上記の金額は、販売価格によっております。
(b) 商品仕入実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度(百万円) | 前年同期比(%) |
| 糖類 | 43 | 27.0 |
| 機能性素材 | 7,998 | 109.6 |
| その他 | 0 | 24.6 |
| 合計 | 8,042 | 107.8 |
(注)1 糖類事業において仕入実績に著しい変動がありました。これは液糖商品の出荷が減少したことにより、仕入実績が減少したことによるものであります。
2 その他において仕入実績に著しい変動がありました。これは仕入商品の販売実績が減少したことによるものであります。
(B) 受注実績
当社グループは受注生産を行っておりません。
(C) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度(百万円) | 前年同期比(%) |
| 糖類 | 13,444 | 97.4 |
| 機能性素材 | 14,121 | 104.7 |
| 不動産 | 633 | 97.3 |
| その他 | 243 | 93.7 |
| 合計 | 28,443 | 100.8 |
(注) 1 上記の金額は、セグメント間取引を相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| 双日食料㈱ | 11,046 | 39.2 | 10,786 | 37.9 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度は、中期経営計画において成長を目指した基盤固めと新規事業の更なる育成を重点課題として位置づけ、以下の戦略を掲げ、事業活動を推進してまいりました。
(A)収益力の向上
糖類事業においては、減少する消費のなか、営業体制を強化し、顧客との関係強化を図り、商権の維持に取り組むこととし、また、原料糖の効率的な仕入や生産の集約などで採算性の改善に努めてまいりました。
また、機能性食品素材イヌリンの安定生産を実現し、日本国内だけでなく海外での販路開拓も推進いたしました。
(B)事業の多角化の展開
当社グループにおいて、新しい顧客ニーズを吸い上げ、それに伴った新たな販路を開拓し、事業拡大を図ってまいりました。機能性食品素材イヌリンは、整腸作用・血糖値の上昇抑制効果・血中中性脂肪の低減効果の機能性表示だけでなく、更なる機能性を訴求し、販売活動を行ってまいりました。
(C)海外展開への更なる挑戦
当社グループは、日本国内のみならず、海外での事業活動を積極的に展開してまいりました。タイにおいては機能性食品素材イヌリンの拡販を図り、タイ国上場企業であるThai Wah Public Company Ltd.と提携し、Thai Wah Fuji Nihon Company Ltd.の株式49%を取得してキャッサバでん粉製造販売事業及びその周辺事業への参入を進めております。また、製パン事業会社 DAY PLUS (THAILAND) Co.,Ltd.の採算性の向上を目指し、海外での積極的な事業拡大を図ってまいりました。
(a)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ233百万円増加し、28,443百万円(前年同期比0.8%増)となりました。これは精製糖製品は減収となった一方で、機能性素材「イヌリン」の国内外における販売数量増加及び連結子会社ユニテックフーズ株式会社の主力商品である天然添加物素材の販売が好調に推移したことによるものであります。報告別セグメントの売上高の連結売上高に占める割合は、糖類事業47.3%、機能性素材事業49.6%、不動産事業2.2%となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ554百万円増加し、8,159百万円(前年同期比7.3%増)となりました。売上高売上総利益率は、前連結会計年度に比べ1.7%増加し、28.7%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ321百万円増加し、3,554百万円(前年同期比9.9%増)となりました。売上高営業利益率は、前連結会計年度に比べ1.0%増加し、12.5%となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ171百万円減少し、307百万円(前年同期比35.8%減)となりました。営業外費用は、前連結会計年度に比べ26百万円増加し、87百万円(前年同期比44.4%増)となりました。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ122百万円増加し、3,773百万円(前年同期比3.4%増)となりました。売上高経常利益率は、前連結会計年度に比べ0.3%増加し、13.3%となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ50百万円増加し、518百万円(前年同期比10.7%増)となりました。特別損失は、前連結会計年度に比べ400百万円減少し、1百万円(前年同期比99.7%減)となりました。法人税等合計は、前連結会計年度に比べ166百万円増加し、1,074百万円(前年同期比18.3%増)となりました。さらに非支配株主に帰属する当期純損失は、前連結会計年度に比べ32百万円減少し、△3百万円(前年同期比89.9%減)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ374百万円増加し、3,220百万円(前年同期比13.2%増)となりました。売上高に対する親会社株主に帰属する当期純利益率は、前連結会計年度と比べ1.2%増加し、11.3%となりました。
(b)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度における資産は、流動資産で前連結会計年度末に比べ9.2%増加し、19,317百万円となりました。これは主として、現金及び預金が増加したことなどによるものであります。
また、固定資産では、前連結会計年度末に比べ20.9%増加し、19,414百万円となりました。これは主として、連結子会社Fuji Nihon Thai Inulin Co., Ltd.において、主力製品イヌリンの製造能力拡大のための工場増設による建設仮勘定の増加及び時価の上昇に伴い投資有価証券が増加したことなどによるものであります。
(負債)
当連結会計年度における負債は、流動負債で前連結会計年度末に比べ4.6%減少し、5,528百万円となりました。これは主として、買掛金は増加したものの、短期借入金が減少したことなどによるものであります。
また、固定負債では、前連結会計年度末に比べ28.5%増加し、5,260百万円となりました。これは主として、繰延税金負債及び成長投資の為の長期借入金が増加したことなどによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産は、前連結会計年度末に比べ17.0%増加し、27,944百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及びその他有価証券評価差額金が増加したことなどによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(A)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(B)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要の主なものは、原材料及び商品の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資などであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを重点事項と考えております。
短期運転資金、設備投資や長期運転資金の調達は、ともに自己資金とし、不足が発生した場合には金融機関からの借入をすることを基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は4,933百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は7,243百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。当該連結財務諸表の作成について、一部見積りや仮定によることがあります。採用する見積りや仮定は、連結決算日において、入手可能な情報を総合的に勘案し、合理的であると考えられるものを継続的に使用しております。連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりであります。
(A)繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(B)固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(C)棚卸資産の評価
当社グループの保有している棚卸資産は、設定されている賞味期限内での予定販売数量を用いて販売可能性を評価しております。用いている予定販売数量は、取締役会にて承認された計画でありますが、市場環境の変化などにより、予定販売数量の見込みに変更が生じた場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。