四半期報告書-第91期第3四半期(平成26年7月1日-平成26年9月30日)
有報資料
(1)業績
当第3四半期連結累計期間(平成26年1月1日~9月30日)における世界経済は、米国において民間需要を中心に緩やかに景気が回復したことに加え、ユーロ圏における生産活動の持ち直しと輸出の底堅い動きなどにより、全体として先進国を中心に回復傾向となりました。
わが国経済におきましては、消費税率引上げ前の駆け込み需要の反動や天候不順などの影響がありましたが、設備投資の増加や個人消費の持ち直しにより、緩やかな回復が続きました。
こうした状況のなかアサヒグループは、厳しさを増す経営環境の変化やステークホルダーのニーズの多様化などに対応するため、平成25年度からスタートした「中期経営計画2015」のもとで“バリュー&ネットワーク経営”を推進し、これまで育成・獲得してきたブランド・技術・コスト競争力などの「強み」への集中やそれを活かした新たな価値創造・革新に加え、国内外のネットワークの更なる拡大を図ることなどにより、企業価値の向上に努めました。
その結果、アサヒグループの当第3四半期連結累計期間の売上高は1兆2,950億4千6百万円(前年同期比3.0%増)となりました。また、利益につきましては、営業利益は881億1千1百万円(前年同期比5.2%増)、経常利益は910億4千4百万円(前年同期比7.8%増)となりました。四半期純利益は544億5百万円(前年同期比16.4%増)となりました。
当四半期のセグメントごとの概況 (単位:百万円)
酒類事業
酒類事業につきましては、夏場における天候不順などにより、ビール類の販売数量は、ほぼ前年並みとなりましたが、アルコールテイスト清涼飲料や洋酒などが好調に推移したことなどにより、売上高は、前年同期比0.4%増の6,757億4千4百万円となりました。営業利益は、ブランド強化に向けて広告販促費を積極的に投入しましたが、原材料費の削減や減価償却費の低減などにより、前年同期比0.6%増の815億8百万円となりました。
(アサヒビール株式会社)
「アサヒビール株式会社」は、お客様に「選択される」企業を目指して、お客様の潜在的なニーズや市場のトレンドを的確に捉えたブランド育成、商品づくりに取り組みました。
ビール類については、2月から本格展開した『アサヒスーパードライ ドライプレミアム』が好調に推移したことに加え、新ジャンル『クリアアサヒ』『クリアアサヒ プライムリッチ』が、テレビCMと連動した消費者キャンペーンの実施などにより、前年同期の実績を上回る販売数量となりました。また、“プリン体ゼロ”と“糖質ゼロ”の発泡酒『アサヒスーパーゼロ』を9月に発売するなど、市場の活性化に取り組みました。
ビール類以外の酒類については、洋酒において、ニッカウヰスキー創業80周年及びその創業者である竹鶴政孝生誕120周年にあたり、創業者の名を冠した『竹鶴』ブランドを中心にマーケティング活動を強化しました。また、チリワイン『サンタ・ヘレナ アルパカ』やスペインワイン『ヴィニャ・アルバリ・サングリア』を中心に輸入ワインが好調に推移したことなどにより、全体でも前年同期の売上を上回りました。
アルコールテイスト清涼飲料については、ビールテイスト清涼飲料『アサヒドライゼロ』が、昨年に実施したリニューアルの効果や派生商品『アサヒドライゼロブラック』の発売などにより、全体でも前年同期の実績を大きく上回りました。
利益面では、減価償却費の低減や、缶蓋などの包装資材のコスト削減などにより、収益性の向上を推進しました。
飲料事業
飲料事業につきましては、「アサヒ飲料株式会社」と「株式会社エルビー」が堅調に推移したことにより、売上高は、前年同期比1.8%増の3,591億7千3百万円となりました。営業利益は、固定費全般の効率化やグループ内の協業シナジーの創出などにより、前年同期比15.7%増の171億8千5百万円となりました。
(アサヒ飲料株式会社)
「アサヒ飲料株式会社」は、「確固たるブランドの育成」と「強靭な収益構造の確立」に取り組むことで、事業基盤の更なる強化を図りました。
成長戦略の根幹をなす商品戦略として、新商品の発売や販売促進の強化など主力ブランドにマーケティング投資を集中し、ブランドの強化・育成に取り組みました。なかでも、130周年を迎えた『三ツ矢』ブランドにおいては、復刻商品の発売や特定保健用食品『三ツ矢サイダープラス』のリニューアルなど、ブランドの活性化に努めました。また、『アサヒ十六茶』ブランドにおいては、特定保健用食品『アサヒ 食事と一緒に十六茶W(ダブル)』の発売やご当地キャラクターを起用した販売促進活動などにより、市場における存在感を高めました。さらに、『Welch’s(ウェルチ)』ブランドにおいて、新商品を積極的に発売したことにより、前年同期の実績を大幅に上回りました。その結果、同社全体の販売数量でも前年同期を上回りました。
利益面では、グループ購買の推進などによる原材料のコストダウンや操業度の向上に加え、広告販促費などの固定費全般におけるコストコントロールを強化するなど、より一層の収益構造改革を推進しました。
(株式会社エルビー)
「株式会社エルビー」は、主力のお茶・清涼飲料カテゴリーにおける商品開発などを通じて、新鮮さ・おいしさといったチルド飲料ならではの付加価値の提案を強化いたしました。
『カルピス』ブランドにおいて、果汁などさまざまな素材を組み合わせた新商品を発売したほか、アサイーや豆乳を原料に使用したシリーズの商品など乳飲料カテゴリーが大きく伸びたことにより、前年同期を上回る売上となりました。
利益面では、グループ購買の推進を中心とした原材料コストや物流費の削減、販促費の効率化などに取り組みました。
食品事業
食品事業につきましては、「アサヒフードアンドヘルスケア株式会社」「和光堂株式会社」「天野実業株式会社」が売上を堅調に拡大したことにより、売上高は、前年同期比4.2%増の790億5千3百万円となりました。営業利益は、増収効果に加えて、広告販促費の抑制や製造原価の低減などに取り組んだ結果、前年同期比25.5%増の33億8千7百万円となりました。
(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社)
「アサヒフードアンドヘルスケア株式会社」は、「着実で健全な成長」「お客様の変化に対応できる組織・基盤の整備」「企業ブランド向上と風土改革」に取り組み、競合他社にない独自の強みをつくりだすことで、成長と収益性の向上に取り組みました。
食品事業においては、タブレット菓子『ミンティア』が4月から『ミンティアブリーズ』を本格展開したことなどにより、好調に推移しました。また、ヘルスケア事業において、サプリメント『ディアナチュラ』や指定医薬部外品『エビオス錠』の積極的な広告販促活動の実施などにより、同社全体で前年同期を上回る売上となりました。
利益面では、広告販促費の抑制や製造原価の低減などを推進し、収益性の向上を図りました。
(和光堂株式会社)
「和光堂株式会社」は、既存事業における堅実な成長と収益性の強化を図るとともに、成長分野において次の柱となる事業の育成に努めました。
主力のベビーフードにおいては、レトルトパウチの『1食分の野菜が摂れるグーグーキッチン』や簡単合わせ調味料『おやこdeごはん』、容器入りレトルトの『BIGサイズの栄養マルシェ』などの新たな付加価値商品を発売したことなどにより、好調に推移しました。また、育児用ミルクにおいて店頭活動の強化を図ったことなどにより、同社全体でも前年同期の売上を上回りました。
利益面では、原材料費や物流費が高騰しましたが、製造固定費の削減により収益性の強化を図りました。
(天野実業株式会社)
「天野実業株式会社」は、「食品市場における存在感の向上」「収益構造の改革」「お客様の生活を豊かにする創造企業」を基本方針として、事業基盤の強化に取り組みました。
流通販売事業においては、3月に発売した『いつものおみそ汁』が好調に推移したことや量販店における採用商品数が増加したことなどにより、売上が拡大しました。また、法人向けの業務用販売事業において、即席麺の具材を中心とした製造受託の営業活動を強化したことなどにより、同社全体でも前年同期の売上を上回りました。
利益面では、原材料の見直しや省エネルギーによる製造原価の低減などに取り組み、収益性の向上を推進しました。
国際事業
国際事業につきましては、オセアニア事業や中国事業が堅調に推移したことに加え、インドネシアとマレーシアにおける飲料事業の上乗せ効果などにより、売上高は、前年同期比19.0%増の1,599億1千7百万円となりました。営業損失は、主にオセアニア事業と中国事業の収益性が改善したことやのれん等償却費が減少したことなどにより、前年同期比で30億3千5百万円改善し、32億3千3百万円となりました。
(オセアニア事業)
オセアニア事業については、地域統括会社である「Asahi Holdings (Australia) Pty Ltd」を中心に、各地域事業会社の主力ブランドの育成や成長分野における事業展開に加え、グループ内でのシナジーの創出などにより、飲料・酒類を合わせた総合飲料事業としての成長に取り組みました。
飲料事業においては、『Schweppes』『Solo』『Pepsi』ブランドといった主力の炭酸飲料カテゴリーを強化するとともに、成長カテゴリーであるミネラルウォーターカテゴリーを中心に、新商品の発売や積極的な販売促進活動を推進いたしました。また、酒類事業においては、主力の低アルコール飲料が回復したことや、市場が急拡大しているサイダー(りんご酒)や『アサヒスーパードライ』が好調に推移したことなどにより、オセアニア事業全体で前年同期を上回る売上となりました。
さらに、豪州における事業会社間の組織統合を通じて、間接部門の機能の最適化や生産・物流拠点の統廃合、原材料の共同調達などを推進し、収益基盤の更なる強化を図りました。
(中国事業)
中国事業については、『アサヒ』ブランドの売上拡大による市場での地位の向上を図るとともに、生産拠点の集約化を更に進めることで、品質の向上と収益性の改善に取り組みました。
主要都市の日本料理店などを中心に『アサヒスーパードライ』の取扱店舗数が拡大したことに加え、インターネット通信販売業態やコンビニエンスストアなどの家庭用市場への営業活動を強化したことなどにより、前年同期を大きく上回る売上となりました。
また、「煙台啤酒青島朝日有限公司」において製造受託量が増加したことや、「北京啤酒朝日有限公司」において販売体制の見直しなどに取り組んだことにより、収益性が大幅に改善しました。
(東南アジア事業)
東南アジア事業については、マレーシアの「Permanis Sdn. Bhd.」における主力ブランドの強化に加え、インドネシアにおける飲料事業基盤を強化していくことで、東南アジアの事業ネットワークの拡大を図りました。
マレーシアでは、「Permanis Sdn. Bhd.」において、当社との共同開発商品『ワンダ』が好調に推移したことや、主力の炭酸飲料の販売促進キャンペーンを積極的に展開したことなどにより、前年同期を上回る売上となりました。また、7月から「Etika Dairies Sdn. Bhd.」他15社を新たに連結子会社に加え、同地域における事業基盤の更なる強化を推進しました。
インドネシアでは、「PT.Indofood CBP Sukses Makmur Tbk」との合弁会社において、同社の開発商品『ICHI OCHA GREEN TEA』や『Cafela Latte』の認知度向上のため積極的な販売促進活動を実施しました。また、『Pepsi』やミネラルウォーター『Club』ブランドの間口拡大に取り組むなど、事業基盤の拡大に努めました。
その他の事業
その他の事業については、売上高は前年同期比0.8%減の211億5千6百万円となりました。営業損失は前年同期比8億2千8百万円悪化し、7千1百万円となりました。
(2)資産、負債及び純資産の状況
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて444億7千1百万円増加しております。これは、アサヒグループの売上高が季節により変動するため、売上債権は最も多い会計年度末に比べ減少する一方で、「Etika International Holdings Limited」(現:Envictus International Holdings Limited)の乳製品関連事業各社を新規連結したことによる資産の増加や当該企業結合により発生したのれんの増加、設備投資増加による有形固定資産の増加、株式市況の回復に伴う投資有価証券の増加などがあったことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べて189億9千6百万円増加しております。これは、主に新規事業投資、設備投資や自己株式取得のための資金需要増加により、金融債務(短期借入金、1年内償還予定の社債、コマーシャル・ペーパー、社債、長期借入金の合計)が増加したことなどによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ254億7千5百万円増加しております。自己株式を取得した一方で、四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したことや、その他有価証券評価差額金及び為替換算調整勘定が増加したことなどによるものです。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の45.7%から45.8%に増加しました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、アサヒグループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(会社法施行規則第118条第3号本文に規定される事項)を定めており、その内容等は次の通りであります。
①基本方針の内容
当社では、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者とは、アサヒグループの企業価値の源泉である“魅力ある商品づくり”“品質・ものづくりへのこだわり”“お客様へ感動をお届けする活動”や有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果、その他アサヒグループの企業価値を構成する事項等、さまざまな事項を適切に把握したうえで、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者でなければならないと考えています。
当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、当社取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」であっても、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えています。
しかしながら、株式の大量買付のなかには、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との交渉を必要とするものなど、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
このように当社株式の大量買付を行う者が、アサヒグループの企業価値の源泉を理解し、中長期的に確保し、向上させられる者でなければ、アサヒグループの企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
そこで当社は、このような大量買付に対しては、アサヒグループの企業価値ひいては株主共同の利益を守る必要があると考えます。
②基本方針実現のための取組み
(a) 基本方針の実現に資する特別な取組み
当社では、「『食の感動(おいしさ・喜び・新しさ)』を通じて、世界で信頼される企業グループを目指す」ことを掲げた「長期ビジョン2020」を策定するとともに、その実現に向け “バリュー&ネットワーク経営” を推進することによる企業価値の向上を目指した3か年計画として「中期経営計画2015」の取組みをグループ全体で開始いたしました。
この「中期経営計画2015」では、これまで育成・獲得してきたブランド・技術・コスト競争力などの「強み」への集中やそれを活かした新たな価値創造・革新に加え、国内外のネットワークを更に拡大することで、長期安定的な成長を図ります。また、売上と利益の成長を最優先に、株主還元の充実などによって資本効率を高めることで、重要業績評価指標であるROE(自己資本利益率)とEPS(1株当たり当期純利益)の持続的な向上に取り組んでいます。
「長期ビジョン2020」の達成に向けた「中期経営計画2015」をグループ全体で着実に実行していくことが、アサヒグループとステークホルダーとの信頼関係を一層強固に築き上げ、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上につながるものであると考えております。
なお、当社は、前記の諸施策のため、コーポレートガバナンスの更なる強化を図っています。
当社においては、平成12年3月30日に執行役員制度を導入したことにより、経営の意思決定と業務執行機能を分離し、業務の迅速な執行を図るとともに、取締役会における監督機能の強化に努めてまいりました。これに加え、3名の社外取締役と3名の社外監査役を、東京証券取引所の定める独立役員として指定し、同取引所に届け出ております。
また、当社取締役会の諮問機関であり社外取締役も委員となっている「指名委員会」及び「報酬委員会」の設置により、社外役員によるチェックが機能しやすい体制としております。
さらに、株主の皆様に対する経営陣の責任をより一層明確にするため、平成19年3月27日開催の第83回定時株主総会において、取締役の任期を2年から1年に短縮いたしました。
平成23年7月1日には純粋持株会社制へ移行することで、各事業部門の権限と責任の明確化や専門性の追求により事業基盤の強化を図るとともに、企業価値の向上を目指した国内外の事業ネットワークの拡大を推進いたしました。
(b) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、大量取得行為を行おうとする者に対しては、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
③具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
② (a)に記載した各取組みは、①に記載した基本方針に従い、当社をはじめとするアサヒグループの企業価値ひいては株主共同の利益に沿うものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は、74億9千万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、アサヒグループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間(平成26年1月1日~9月30日)における世界経済は、米国において民間需要を中心に緩やかに景気が回復したことに加え、ユーロ圏における生産活動の持ち直しと輸出の底堅い動きなどにより、全体として先進国を中心に回復傾向となりました。
わが国経済におきましては、消費税率引上げ前の駆け込み需要の反動や天候不順などの影響がありましたが、設備投資の増加や個人消費の持ち直しにより、緩やかな回復が続きました。
こうした状況のなかアサヒグループは、厳しさを増す経営環境の変化やステークホルダーのニーズの多様化などに対応するため、平成25年度からスタートした「中期経営計画2015」のもとで“バリュー&ネットワーク経営”を推進し、これまで育成・獲得してきたブランド・技術・コスト競争力などの「強み」への集中やそれを活かした新たな価値創造・革新に加え、国内外のネットワークの更なる拡大を図ることなどにより、企業価値の向上に努めました。
その結果、アサヒグループの当第3四半期連結累計期間の売上高は1兆2,950億4千6百万円(前年同期比3.0%増)となりました。また、利益につきましては、営業利益は881億1千1百万円(前年同期比5.2%増)、経常利益は910億4千4百万円(前年同期比7.8%増)となりました。四半期純利益は544億5百万円(前年同期比16.4%増)となりました。
当四半期のセグメントごとの概況 (単位:百万円)
| 売上高 | 前年同期増減 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期増減 | 前年同期比 | |
| 酒類 | 675,744 | 3,006 | 0.4% | 81,508 | 498 | 0.6% |
| 飲料 | 359,173 | 6,457 | 1.8% | 17,185 | 2,336 | 15.7% |
| 食品 | 79,053 | 3,221 | 4.2% | 3,387 | 688 | 25.5% |
| 国際 | 159,917 | 25,491 | 19.0% | △3,233 | 3,035 | - |
| その他 | 21,156 | △164 | △0.8% | △71 | △828 | - |
| 調整額 | - | - | - | △10,664 | △1,390 | - |
| 合計 | 1,295,046 | 38,013 | 3.0% | 88,111 | 4,340 | 5.2% |
酒類事業
酒類事業につきましては、夏場における天候不順などにより、ビール類の販売数量は、ほぼ前年並みとなりましたが、アルコールテイスト清涼飲料や洋酒などが好調に推移したことなどにより、売上高は、前年同期比0.4%増の6,757億4千4百万円となりました。営業利益は、ブランド強化に向けて広告販促費を積極的に投入しましたが、原材料費の削減や減価償却費の低減などにより、前年同期比0.6%増の815億8百万円となりました。
(アサヒビール株式会社)
「アサヒビール株式会社」は、お客様に「選択される」企業を目指して、お客様の潜在的なニーズや市場のトレンドを的確に捉えたブランド育成、商品づくりに取り組みました。
ビール類については、2月から本格展開した『アサヒスーパードライ ドライプレミアム』が好調に推移したことに加え、新ジャンル『クリアアサヒ』『クリアアサヒ プライムリッチ』が、テレビCMと連動した消費者キャンペーンの実施などにより、前年同期の実績を上回る販売数量となりました。また、“プリン体ゼロ”と“糖質ゼロ”の発泡酒『アサヒスーパーゼロ』を9月に発売するなど、市場の活性化に取り組みました。
ビール類以外の酒類については、洋酒において、ニッカウヰスキー創業80周年及びその創業者である竹鶴政孝生誕120周年にあたり、創業者の名を冠した『竹鶴』ブランドを中心にマーケティング活動を強化しました。また、チリワイン『サンタ・ヘレナ アルパカ』やスペインワイン『ヴィニャ・アルバリ・サングリア』を中心に輸入ワインが好調に推移したことなどにより、全体でも前年同期の売上を上回りました。
アルコールテイスト清涼飲料については、ビールテイスト清涼飲料『アサヒドライゼロ』が、昨年に実施したリニューアルの効果や派生商品『アサヒドライゼロブラック』の発売などにより、全体でも前年同期の実績を大きく上回りました。
利益面では、減価償却費の低減や、缶蓋などの包装資材のコスト削減などにより、収益性の向上を推進しました。
飲料事業
飲料事業につきましては、「アサヒ飲料株式会社」と「株式会社エルビー」が堅調に推移したことにより、売上高は、前年同期比1.8%増の3,591億7千3百万円となりました。営業利益は、固定費全般の効率化やグループ内の協業シナジーの創出などにより、前年同期比15.7%増の171億8千5百万円となりました。
(アサヒ飲料株式会社)
「アサヒ飲料株式会社」は、「確固たるブランドの育成」と「強靭な収益構造の確立」に取り組むことで、事業基盤の更なる強化を図りました。
成長戦略の根幹をなす商品戦略として、新商品の発売や販売促進の強化など主力ブランドにマーケティング投資を集中し、ブランドの強化・育成に取り組みました。なかでも、130周年を迎えた『三ツ矢』ブランドにおいては、復刻商品の発売や特定保健用食品『三ツ矢サイダープラス』のリニューアルなど、ブランドの活性化に努めました。また、『アサヒ十六茶』ブランドにおいては、特定保健用食品『アサヒ 食事と一緒に十六茶W(ダブル)』の発売やご当地キャラクターを起用した販売促進活動などにより、市場における存在感を高めました。さらに、『Welch’s(ウェルチ)』ブランドにおいて、新商品を積極的に発売したことにより、前年同期の実績を大幅に上回りました。その結果、同社全体の販売数量でも前年同期を上回りました。
利益面では、グループ購買の推進などによる原材料のコストダウンや操業度の向上に加え、広告販促費などの固定費全般におけるコストコントロールを強化するなど、より一層の収益構造改革を推進しました。
(株式会社エルビー)
「株式会社エルビー」は、主力のお茶・清涼飲料カテゴリーにおける商品開発などを通じて、新鮮さ・おいしさといったチルド飲料ならではの付加価値の提案を強化いたしました。
『カルピス』ブランドにおいて、果汁などさまざまな素材を組み合わせた新商品を発売したほか、アサイーや豆乳を原料に使用したシリーズの商品など乳飲料カテゴリーが大きく伸びたことにより、前年同期を上回る売上となりました。
利益面では、グループ購買の推進を中心とした原材料コストや物流費の削減、販促費の効率化などに取り組みました。
食品事業
食品事業につきましては、「アサヒフードアンドヘルスケア株式会社」「和光堂株式会社」「天野実業株式会社」が売上を堅調に拡大したことにより、売上高は、前年同期比4.2%増の790億5千3百万円となりました。営業利益は、増収効果に加えて、広告販促費の抑制や製造原価の低減などに取り組んだ結果、前年同期比25.5%増の33億8千7百万円となりました。
(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社)
「アサヒフードアンドヘルスケア株式会社」は、「着実で健全な成長」「お客様の変化に対応できる組織・基盤の整備」「企業ブランド向上と風土改革」に取り組み、競合他社にない独自の強みをつくりだすことで、成長と収益性の向上に取り組みました。
食品事業においては、タブレット菓子『ミンティア』が4月から『ミンティアブリーズ』を本格展開したことなどにより、好調に推移しました。また、ヘルスケア事業において、サプリメント『ディアナチュラ』や指定医薬部外品『エビオス錠』の積極的な広告販促活動の実施などにより、同社全体で前年同期を上回る売上となりました。
利益面では、広告販促費の抑制や製造原価の低減などを推進し、収益性の向上を図りました。
(和光堂株式会社)
「和光堂株式会社」は、既存事業における堅実な成長と収益性の強化を図るとともに、成長分野において次の柱となる事業の育成に努めました。
主力のベビーフードにおいては、レトルトパウチの『1食分の野菜が摂れるグーグーキッチン』や簡単合わせ調味料『おやこdeごはん』、容器入りレトルトの『BIGサイズの栄養マルシェ』などの新たな付加価値商品を発売したことなどにより、好調に推移しました。また、育児用ミルクにおいて店頭活動の強化を図ったことなどにより、同社全体でも前年同期の売上を上回りました。
利益面では、原材料費や物流費が高騰しましたが、製造固定費の削減により収益性の強化を図りました。
(天野実業株式会社)
「天野実業株式会社」は、「食品市場における存在感の向上」「収益構造の改革」「お客様の生活を豊かにする創造企業」を基本方針として、事業基盤の強化に取り組みました。
流通販売事業においては、3月に発売した『いつものおみそ汁』が好調に推移したことや量販店における採用商品数が増加したことなどにより、売上が拡大しました。また、法人向けの業務用販売事業において、即席麺の具材を中心とした製造受託の営業活動を強化したことなどにより、同社全体でも前年同期の売上を上回りました。
利益面では、原材料の見直しや省エネルギーによる製造原価の低減などに取り組み、収益性の向上を推進しました。
国際事業
国際事業につきましては、オセアニア事業や中国事業が堅調に推移したことに加え、インドネシアとマレーシアにおける飲料事業の上乗せ効果などにより、売上高は、前年同期比19.0%増の1,599億1千7百万円となりました。営業損失は、主にオセアニア事業と中国事業の収益性が改善したことやのれん等償却費が減少したことなどにより、前年同期比で30億3千5百万円改善し、32億3千3百万円となりました。
(オセアニア事業)
オセアニア事業については、地域統括会社である「Asahi Holdings (Australia) Pty Ltd」を中心に、各地域事業会社の主力ブランドの育成や成長分野における事業展開に加え、グループ内でのシナジーの創出などにより、飲料・酒類を合わせた総合飲料事業としての成長に取り組みました。
飲料事業においては、『Schweppes』『Solo』『Pepsi』ブランドといった主力の炭酸飲料カテゴリーを強化するとともに、成長カテゴリーであるミネラルウォーターカテゴリーを中心に、新商品の発売や積極的な販売促進活動を推進いたしました。また、酒類事業においては、主力の低アルコール飲料が回復したことや、市場が急拡大しているサイダー(りんご酒)や『アサヒスーパードライ』が好調に推移したことなどにより、オセアニア事業全体で前年同期を上回る売上となりました。
さらに、豪州における事業会社間の組織統合を通じて、間接部門の機能の最適化や生産・物流拠点の統廃合、原材料の共同調達などを推進し、収益基盤の更なる強化を図りました。
(中国事業)
中国事業については、『アサヒ』ブランドの売上拡大による市場での地位の向上を図るとともに、生産拠点の集約化を更に進めることで、品質の向上と収益性の改善に取り組みました。
主要都市の日本料理店などを中心に『アサヒスーパードライ』の取扱店舗数が拡大したことに加え、インターネット通信販売業態やコンビニエンスストアなどの家庭用市場への営業活動を強化したことなどにより、前年同期を大きく上回る売上となりました。
また、「煙台啤酒青島朝日有限公司」において製造受託量が増加したことや、「北京啤酒朝日有限公司」において販売体制の見直しなどに取り組んだことにより、収益性が大幅に改善しました。
(東南アジア事業)
東南アジア事業については、マレーシアの「Permanis Sdn. Bhd.」における主力ブランドの強化に加え、インドネシアにおける飲料事業基盤を強化していくことで、東南アジアの事業ネットワークの拡大を図りました。
マレーシアでは、「Permanis Sdn. Bhd.」において、当社との共同開発商品『ワンダ』が好調に推移したことや、主力の炭酸飲料の販売促進キャンペーンを積極的に展開したことなどにより、前年同期を上回る売上となりました。また、7月から「Etika Dairies Sdn. Bhd.」他15社を新たに連結子会社に加え、同地域における事業基盤の更なる強化を推進しました。
インドネシアでは、「PT.Indofood CBP Sukses Makmur Tbk」との合弁会社において、同社の開発商品『ICHI OCHA GREEN TEA』や『Cafela Latte』の認知度向上のため積極的な販売促進活動を実施しました。また、『Pepsi』やミネラルウォーター『Club』ブランドの間口拡大に取り組むなど、事業基盤の拡大に努めました。
その他の事業
その他の事業については、売上高は前年同期比0.8%減の211億5千6百万円となりました。営業損失は前年同期比8億2千8百万円悪化し、7千1百万円となりました。
(2)資産、負債及び純資産の状況
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて444億7千1百万円増加しております。これは、アサヒグループの売上高が季節により変動するため、売上債権は最も多い会計年度末に比べ減少する一方で、「Etika International Holdings Limited」(現:Envictus International Holdings Limited)の乳製品関連事業各社を新規連結したことによる資産の増加や当該企業結合により発生したのれんの増加、設備投資増加による有形固定資産の増加、株式市況の回復に伴う投資有価証券の増加などがあったことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べて189億9千6百万円増加しております。これは、主に新規事業投資、設備投資や自己株式取得のための資金需要増加により、金融債務(短期借入金、1年内償還予定の社債、コマーシャル・ペーパー、社債、長期借入金の合計)が増加したことなどによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ254億7千5百万円増加しております。自己株式を取得した一方で、四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したことや、その他有価証券評価差額金及び為替換算調整勘定が増加したことなどによるものです。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の45.7%から45.8%に増加しました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、アサヒグループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(会社法施行規則第118条第3号本文に規定される事項)を定めており、その内容等は次の通りであります。
①基本方針の内容
当社では、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者とは、アサヒグループの企業価値の源泉である“魅力ある商品づくり”“品質・ものづくりへのこだわり”“お客様へ感動をお届けする活動”や有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果、その他アサヒグループの企業価値を構成する事項等、さまざまな事項を適切に把握したうえで、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者でなければならないと考えています。
当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、当社取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」であっても、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えています。
しかしながら、株式の大量買付のなかには、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との交渉を必要とするものなど、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
このように当社株式の大量買付を行う者が、アサヒグループの企業価値の源泉を理解し、中長期的に確保し、向上させられる者でなければ、アサヒグループの企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
そこで当社は、このような大量買付に対しては、アサヒグループの企業価値ひいては株主共同の利益を守る必要があると考えます。
②基本方針実現のための取組み
(a) 基本方針の実現に資する特別な取組み
当社では、「『食の感動(おいしさ・喜び・新しさ)』を通じて、世界で信頼される企業グループを目指す」ことを掲げた「長期ビジョン2020」を策定するとともに、その実現に向け “バリュー&ネットワーク経営” を推進することによる企業価値の向上を目指した3か年計画として「中期経営計画2015」の取組みをグループ全体で開始いたしました。
この「中期経営計画2015」では、これまで育成・獲得してきたブランド・技術・コスト競争力などの「強み」への集中やそれを活かした新たな価値創造・革新に加え、国内外のネットワークを更に拡大することで、長期安定的な成長を図ります。また、売上と利益の成長を最優先に、株主還元の充実などによって資本効率を高めることで、重要業績評価指標であるROE(自己資本利益率)とEPS(1株当たり当期純利益)の持続的な向上に取り組んでいます。
「長期ビジョン2020」の達成に向けた「中期経営計画2015」をグループ全体で着実に実行していくことが、アサヒグループとステークホルダーとの信頼関係を一層強固に築き上げ、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上につながるものであると考えております。
なお、当社は、前記の諸施策のため、コーポレートガバナンスの更なる強化を図っています。
当社においては、平成12年3月30日に執行役員制度を導入したことにより、経営の意思決定と業務執行機能を分離し、業務の迅速な執行を図るとともに、取締役会における監督機能の強化に努めてまいりました。これに加え、3名の社外取締役と3名の社外監査役を、東京証券取引所の定める独立役員として指定し、同取引所に届け出ております。
また、当社取締役会の諮問機関であり社外取締役も委員となっている「指名委員会」及び「報酬委員会」の設置により、社外役員によるチェックが機能しやすい体制としております。
さらに、株主の皆様に対する経営陣の責任をより一層明確にするため、平成19年3月27日開催の第83回定時株主総会において、取締役の任期を2年から1年に短縮いたしました。
平成23年7月1日には純粋持株会社制へ移行することで、各事業部門の権限と責任の明確化や専門性の追求により事業基盤の強化を図るとともに、企業価値の向上を目指した国内外の事業ネットワークの拡大を推進いたしました。
(b) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、大量取得行為を行おうとする者に対しては、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
③具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
② (a)に記載した各取組みは、①に記載した基本方針に従い、当社をはじめとするアサヒグループの企業価値ひいては株主共同の利益に沿うものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は、74億9千万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、アサヒグループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。