有価証券報告書-第112期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/29 13:12
【資料】
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【項目】
147項目
④ 株式会社の支配に関する基本方針について
イ.当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容
当社は、上場会社として、当社株式の売買は原則として市場における株主及び投資家の皆様の自由な判断に委ねるべきものであると考えており、当社株式を取得することにより当社の経営支配権を獲得しようとする者に対して、株主の皆様が、当社株式の売却を行うか否かについても、最終的には当社株式を保有する株主の皆様の判断によるものと考えております。
また、当社は、特定の株主グループが当社の経営支配権を取得することになったとしても、そのこと自体により直ちに企業価値、ひいては、株主の皆様の共同の利益(以下、単に「株主共同の利益」といいます。)が害されるということはなく、反対に、それが結果的に当社の株主共同の利益の最大化に資することもあり得るため、そのような場合であれば、特定の株主グループが当社の経営支配権を取得することを拒むものではありません。
一方で、当社および当社グループ(以下、総称して「当社グループ」といいます。)は、「自然との調和を大切に、発酵やバイオの技術を通じて人間の健康的な暮らしと生き生きとした社会づくりに貢献します」という企業理念のもと、日本伝統の酒造りの発酵技術と最先端のバイオ技術の革新を通じて、食生活や生活スタイル、ライフサイエンスにおける新たな可能性を探求し、新たな価値を創造し続けることによって、社会への貢献を果たしています。
また、グループとしての企業価値の向上を一層追求するために2002年に持株会社体制に移行し、当社は持株会社として、それぞれの事業会社グループの独自性と自立性を確保しながら、グループ全体の経営を調整、統括することにより、最大限の事業成果を追求しております。2020年には当社グループ創立100周年を迎える2026年3月期を最終年度とする長期経営構想「TaKaRa Group Challenge for the 100th」を策定し、当社グループとしての「ありたい姿」である「おいしさを追求する技術と革新的なバイオ技術によって、和酒・日本食とライフサイエンスにおける多様な価値を安全・安心に提供し続ける企業グループとして、世界中の暮らしを、命を、人生を、笑顔で満たすために挑戦し続ける」ことを通じて、当社グループの企業価値の向上を目指しております。
以上のような状況において、当社は、当社グループの経営にあたっては、それぞれの事業会社が営む異なるビジネスモデルを持つ各事業に関する高度な専門知識と豊富な経験が必要であり、また、当社グループを取り巻く国内外のあらゆるステークホルダーとの間に築かれた信頼関係が不可欠であると考えております。これらの諸要素こそが、当社グループの企業価値の源泉となっているため、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、将来にわたる株主共同の利益の確保、向上を追求する前提において、このような関係性を十分理解する必要があると考えております。
ロ.基本方針の実現に資する取組みおよび基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
a.基本方針の実現に資する取組み
当社は、前記イのとおり長期経営構想「TaKaRa Group Challenge for the 100th」を策定して当社グループとしての「ありたい姿」の実現を目指すとともに、その実行計画の第2ステップとして「宝グループ中期経営計画2025」を策定し、これらに従った取組みを進めております。(これらの概要等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略、経営環境、優先的に対処すべき事業上・財務上の課題および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。)
当社は、こうした経営構想・経営計画を着実に実行していくとともに、信頼される企業グループであり続けるために、株主の皆様をはじめとするあらゆるステークホルダーとの適切なコミュニケーションに努めることを通じて、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上ひいては株主共同の利益の向上に取り組んでおります。
b.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、2019年6月27日開催の当社第108回定時株主総会終結の時をもって「当社株券等の大規模な買付行為に対する対応方針(買収防衛策)」を継続せず、廃止しておりますが、当社株式を大規模に買い付け、当社の経営支配権を獲得しようとする者に対しては、当社の株主の皆様が、その是非を適切に判断できるよう、必要かつ十分な情報の提供を求め、併せて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努める等、関係諸法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
ハ.前記ロの取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由
前記ロに記載した各取組みは、前記イ記載の基本方針に従い、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に沿うものであり、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。