有価証券報告書-第113期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/27 13:23
【資料】
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【項目】
157項目
c.戦略
当社グループでは、2021年度に分析した宝酒造株式会社、2022年度に分析した宝酒造インターナショナル株式会社の海外酒類事業に加え、2023年度は宝酒造インターナショナル株式会社の海外日本食材卸事業に対象を広げ、気候変動リスク・機会による事業への影響の把握、対応策の検討のためのシナリオ分析を実施しました。
なお、この分析にあたり、物理的リスクではIPCC(気候変動に関する政府間パネル)のAR5によるRCP2.6(2℃未満シナリオ)およびRCP8.5(4℃シナリオ)、移行リスクではIEA(国際エネルギー機関)のWEOによるAPSシナリオ(2℃未満シナリオ)、SDSシナリオ(2℃未満シナリオ)、NZE2050シナリオ(1.5℃シナリオ)を参照し、気候変動による影響を分析・検討しました。
・移行リスク
気温上昇が2℃未満に抑えられ、カーボンニュートラル達成に向け厳しい環境規制が導入されるなかで、炭素税の導入による、製造コストや運営コスト、保管コスト、容器・包装材価格の増加により事業が影響を受けます。
・物理的リスク
気温上昇が4℃程度となり、海面上昇による高潮や洪水の被害は操業に大きな影響を与えます。さらに、気温上昇により、原材料である農作物の収量が大きな影響を受けることがわかりました。
・機会
省エネ設備の導入等省エネ推進によって操業コストが低減することや、エシカル消費需要やエコ商品需要の高まりは、当社にとって機会になると考えています。
今後は、継続的にリスク・機会の見直しや対策の具体化を進め、中長期の経営戦略に反映させることで戦略のレジリエンス向上に努めます。
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