有価証券報告書-第81期(平成28年10月1日-平成29年9月30日)

【提出】
2017/12/21 12:32
【資料】
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【項目】
128項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善の効果もあり緩やかな回復基調が続いていますが、個人消費の低迷や人手不足の顕在化等の影響により、国内景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。
食品業界におきましては、依然として企業間競争が激しく、景気の先行き不安による消費者の節約・低価格志向も継続していることから、厳しい経営環境となりました。
このような状況の中、当社グループは平成28年10月1日から食品類・酒類事業の中心である盛田㈱の営業組織を2支社・4事業部制にすることで、各事業部の専門性を高め営業力強化に努めました。グループ全体の取り組みとしては、新商品の開発・導入、既存顧客の深耕、新規顧客の開拓、輸出の拡大等を掲げるとともに、更なるコストの削減を推進し利益の向上を図りました。
また、平成29年3月1日付で業務用総合食品商社業を主業務とする東洋商事㈱及び医療・介護用食品卸売事業を営む小林産業㈱を、平成29年4月1日付で酒類製造販売事業を営む千代菊㈱及び常楽酒造㈱を連結子会社化し、事業規模の拡大を図りました。
この結果、当連結会計年度の売上高は26,851百万円(前期比12.6%増)、営業利益は345百万円(前期比47.0%減)、経常利益は56百万円(前期比76.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は116百万円(前期比3.6%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
なお、平成29年3月1日付にて、東洋商事㈱及び小林産業㈱を連結子会社化したことにより、「国内食品類・酒類卸売事業」を新たに報告セグメントに追加しております。
(食品類・酒類事業)
醤油類につきましては、家庭用のPB商品や業務用が堅調に推移したものの、家庭用の主力商品「マルキン こいくちしょうゆ 1L」「マルキン うすくちしょうゆ 1L」が苦戦したこと等により前期の売上を下回りました。
つゆ・たれ類につきましては、業務用が苦戦したものの、家庭用の「イチミツボシ ごまドレッシングゆず果汁入り 500ml」「盛田 国産紅ずわい蟹だしうま鍋つゆ 750g」が好調だった他、新商品の「盛田 国産にんにく焼肉のたれ 240g」「マルキン 合わせつゆ 500ml」が順調に推移したこと等により、前期並みの売上となりました。
みりん風調味料及び料理酒につきましては、リニューアルした高付加価値商品「盛田 国産米100%純米料理酒 500ml/1L」が売上を伸ばしたものの、業務用が苦戦したこと等により、前期並みの売上となりました。
漬物につきましては、なら漬けは主力商品の「忠勇 あっさり味なら漬(胡瓜) 120g」が好調を維持し、「忠勇 あじわいなら漬(胡瓜) 100g」も順調に推移したこと等により前期の売上を上回りましたが、その他の漬物が苦戦したこと等により全体としては前期並みの売上となりました。
飲料につきましては、主力商品の「ハイピース 加賀棒茶ほうじたて 330ml」や新商品の「ハイピース 有機むぎ茶 500ml」「ハイピース さくら緑茶京都産宇治抹茶入り 350ml」が順調に売上を伸ばすとともに、PB商品も順調に推移しました。また、「忠勇 国産五穀あまざけ 250g」等、あま酒シリーズも好調だったこと等により前期の売上を大きく上回りました。
日本酒及び焼酎につきましては、主力商品の「尾張常滑郷の鬼ころし 2L」「尾張男山 2L」が苦戦しましたが、平成29年4月より連結子会社になった千代菊㈱及び常楽酒造㈱の寄与もあり前期の売上を上回りました。
本みりんにつきましては、主力商品の「盛田 蔵出し本みりん 1L/1.8L」が好調だった他、業務用の新規開拓が順調に進んだこと等により、前期の売上を大きく上回りました。
この結果、当事業の売上高は12,996百万円(前期比0.1%増)、セグメント利益(営業利益)は486百万円(前期比19.5%増)となりました。
(輸入食品類・酒類販売事業)
業務用食材につきましては、ブルガリア産及びハンガリー産のフォアグラが堅調に推移し、フランス産キャビアや冷凍パンが新規顧客開拓等により売上を伸ばした他、フランスのジュース・ジャムブランドの「アラン・ミリア」もホテルや婚礼宴会での売上を伸ばし順調に推移しました。また、新商品のオーストラリア産黒トリュフも売上に貢献しました。しかしながら、フランスで発生した鳥インフルエンザの影響が長期化している中、主力商品のフランス産フォアグラ・肉類の調達が滞り、全体としては前期の売上を下回りました。
製菓用食材につきましては、主力商品「Kiriクリームチーズ」を使用した新商品が既存取引先から発売された他、新規顧客開拓も堅調に推移したものの、全体としては前期の売上を下回りました。
小売用商品につきましては、スペイン産の高級ポテトチップス「トーレス」が国内産ポテトチップス不足の影響もあり大きく売上を伸ばしました。またフランスを代表するビスケット「サンミッシェル」や、新商品のジャム「コント・ド・プロヴァンス」が順調に売上を伸ばしたものの、主力商品であった「ボンヌママンジャム」の取り扱いがなくなったこと等により、前期の売上を下回りました。
ワイン類につきましては、ホテル・レストランへの新規拡販、高級クラブ他のナイトマーケットや地方量販店の開拓等に取り組み、スペインワインやチリワインは売上を伸ばしたものの主力商品の一つであるシャンパーニュ「アヤラ」が苦戦したこと等により、前期の売上を下回りました。
この結果、当事業の売上高は8,697百万円(前期比17.3%減)、セグメント利益(営業利益)は159百万円(前期比72.6%減)となりました。
(国内食品類・酒類卸売事業)
業務用食材につきましては、廃業店の増加等で既存顧客への売上が苦戦したものの、海老カツ、釜揚げシラス、芋焼酎等のPB商品や牡蠣等のNB商品が売上を伸ばし、また新規顧客開拓も順調に進みました。
デリカにつきましては、既存顧客の新規出店や新規顧客開拓により、堅調に推移しました。
外食につきましては、新規顧客獲得が売上に大きく貢献しました。またスイーツ業態は、既存顧客の新規出店等により順調に推移しました。
通販につきましては、業務用食品のインターネット通販で既存顧客との取引が減少し苦戦しました。
医療・介護食品につきましては、既存顧客への売上は堅調だったものの、新規顧客の開拓が進まなかったこと等により苦戦しました。
この結果、当事業の売上高は4,801百万円、セグメント利益(営業利益)は9百万円となりました。
(注) 当社は消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)の処理方法は税抜方式によっているため、記載されている金額には消費税等は含まれておりません。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び預金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,873百万円増加し4,608百万円となりました。
当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローは次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の増加額が1,249百万円並びに未払費用の増加額が432百万円あったこと等から1,563百万円の収入となりました。なお、前連結会計年度と比べては、仕入債務が増加したこと等から809百万円の収入増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が759百万円、有形固定資産の取得による支出が452百万円あったこと等から1,261百万円の支出となりました。なお、前連結会計年度と比べては、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が増加したこと等から847百万円の支出増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行による収入が2,000百万円並びに社債の発行による収入が1,199百万円あったこと等から2,383百万円の収入となりました。前連結会計年度と比べては、株式の発行による収入並びに社債の発行による収入が増加したこと等から3,250百万円の収入増加となりました。