有価証券報告書-第59期(2023/05/01-2024/04/30)
②戦略
当社グループは、気候変動の主要因であるGHG排出量の削減に向け、「伊藤園グループ中長期環境目標」において「2050年度カーボンニュートラル」を目標として掲げ、2030年度までに2018年度のCO₂排出量に対し、Scope1・2で総量50%削減、Scope3で総量20%削減の実現に向け、取り組みを推進しております。
具体的には、2020年度から毎年対象範囲を拡充しながらTCFD提言に基づくシナリオ分析を実施することで、事業活動に影響を与える気候変動関連の重要なリスクと機会を特定し、対応策の検討と取り組みの強化を進めてきました。2020年度は、主力製品の原料である国内緑茶原料を対象に、気候変動に関する政府間パネル(以下、IPCC)の代表的濃度経路シナリオに基づき、各条件下での茶葉収穫量と品質への影響を定量的・定性的に分析しました。2021年度は、IPCC及び国際エネルギー機関(IEA)によるシナリオに基づく「1.5/2℃」、「4℃」の2つのシナリオを設定したうえで、対象を当社事業のバリューチェーン全体へと拡大し、2030年、2050年を対象時点とした中長期の気候変動による事業への影響を分析しました。2022年度はリーフ・ドリンク関連事業に関わるグループ会社、2023年度は自社及び国内の外部委託物流倉庫に対象範囲を拡大して分析を行いました。
各シナリオにおける気候変動に伴うリスクと機会の項目を特定し、リスク・機会の顕在化が想定される時期を「発生時期」、事業へのインパクトを「影響度」として事業インパクト評価を行った結果、「1.5/2℃」シナリオでは低炭素社会への移行リスクとして、Scope1・2のGHG排出量に応じて2030年度には14.2億円、2050年度には25.4億円の炭素税導入によるコスト増加の影響があると試算しました(2023年時点)。また「4℃」シナリオでは、気候変動がもたらす物理的リスクとして気温上昇等による原料農作物の調達リスク、 渇水・洪水による操業停止等の水リスクが特に重要な影響を及ぼす可能性が高いことを認識しました。詳細は伊藤園統合レポートや当社ホームページ等に掲載しております。今後もリスクの回避・緩和、機会獲得に向け、バリューチェーン全体の脱炭素化やBCPの強化を対応策として推進してまいります。
<シナリオ分析結果の概要>・1.5/2℃シナリオ:社会全体が脱炭素に向けて変革を遂げ、温度上昇の抑制に成功するシナリオ
(※1)炭素税価格(1tCO₂当たりの価格)は、IEA「World Energy Outlook 2022」のNZEシナリオの先進国の単価予想より独自に推計、設定しています。また、炭素税の試算の範囲は、当社及び当社の代表的なグループ会社である伊藤園産業㈱、タリーズコーヒージャパン㈱、チチヤス㈱のScope1・2を対象としています。
・4℃シナリオ:経済発展を優先し、世界の温度上昇とその影響が悪化し続けるシナリオ
発生時期(リスク・機会の顕在化が想定される時期)
短期:2023年~2025年、中期:2026年~2030年、長期:2031年~2050年
影響度(当該リスク・機会が顕在化した場合に、事業に与えるインパクトの大きさ)
大:事業に大きなインパクトを与え、顕在化している事象や顕在化に備えた対応が必須な事項
中:事業に与えるインパクトは大きくはないが、顕在化している事象や顕在化に備えた対応が必須な事項
それぞれシナリオ群の定義に沿って、影響度が中以上のリスク・機会を記載しています。
当社グループは、気候変動の主要因であるGHG排出量の削減に向け、「伊藤園グループ中長期環境目標」において「2050年度カーボンニュートラル」を目標として掲げ、2030年度までに2018年度のCO₂排出量に対し、Scope1・2で総量50%削減、Scope3で総量20%削減の実現に向け、取り組みを推進しております。
具体的には、2020年度から毎年対象範囲を拡充しながらTCFD提言に基づくシナリオ分析を実施することで、事業活動に影響を与える気候変動関連の重要なリスクと機会を特定し、対応策の検討と取り組みの強化を進めてきました。2020年度は、主力製品の原料である国内緑茶原料を対象に、気候変動に関する政府間パネル(以下、IPCC)の代表的濃度経路シナリオに基づき、各条件下での茶葉収穫量と品質への影響を定量的・定性的に分析しました。2021年度は、IPCC及び国際エネルギー機関(IEA)によるシナリオに基づく「1.5/2℃」、「4℃」の2つのシナリオを設定したうえで、対象を当社事業のバリューチェーン全体へと拡大し、2030年、2050年を対象時点とした中長期の気候変動による事業への影響を分析しました。2022年度はリーフ・ドリンク関連事業に関わるグループ会社、2023年度は自社及び国内の外部委託物流倉庫に対象範囲を拡大して分析を行いました。
各シナリオにおける気候変動に伴うリスクと機会の項目を特定し、リスク・機会の顕在化が想定される時期を「発生時期」、事業へのインパクトを「影響度」として事業インパクト評価を行った結果、「1.5/2℃」シナリオでは低炭素社会への移行リスクとして、Scope1・2のGHG排出量に応じて2030年度には14.2億円、2050年度には25.4億円の炭素税導入によるコスト増加の影響があると試算しました(2023年時点)。また「4℃」シナリオでは、気候変動がもたらす物理的リスクとして気温上昇等による原料農作物の調達リスク、 渇水・洪水による操業停止等の水リスクが特に重要な影響を及ぼす可能性が高いことを認識しました。詳細は伊藤園統合レポートや当社ホームページ等に掲載しております。今後もリスクの回避・緩和、機会獲得に向け、バリューチェーン全体の脱炭素化やBCPの強化を対応策として推進してまいります。
<シナリオ分析結果の概要>・1.5/2℃シナリオ:社会全体が脱炭素に向けて変革を遂げ、温度上昇の抑制に成功するシナリオ
| 分類 | 特定した内容 | 当社への影響 | 発生 時期 | 影響度 | 対応策の検討 |
| 移行 リスク | 炭素税の導入 | 自社工場等からの燃料、電気使用への賦課(価格転嫁含む)による費用の増加 炭素税財務影響額(試算) 14.2億円(2030年度) 25.4億円(2050年度)(※1) | 中期 長期 | 大 | 「伊藤園グループ中長期環境目標」に基づくGHG排出量削減の取り組み推進 Scope1・2のGHG排出量削減目標を達成した場合の節税効果 約7.1億円(2030年度) 約25.4億円(2050年度) |
| GHG排出抑制 | ペットボトルへのリサイクル 素材等の使用、電力再エネ化、電動車導入による費用の増加 | 短期 中期 | 大 | 資材の軽量化、省エネの推進、エコドライブの実施によるコスト削減 | |
| 機会 | 環境配慮製品の需要増 | 消費者の環境配慮への意識向上に伴った製品づくりや取り組みによる売上の増加 | 中期 | 中 | 環境配慮型製品や認証製品の 取り組み強化、営業販売の強化と拡充 |
(※1)炭素税価格(1tCO₂当たりの価格)は、IEA「World Energy Outlook 2022」のNZEシナリオの先進国の単価予想より独自に推計、設定しています。また、炭素税の試算の範囲は、当社及び当社の代表的なグループ会社である伊藤園産業㈱、タリーズコーヒージャパン㈱、チチヤス㈱のScope1・2を対象としています。
・4℃シナリオ:経済発展を優先し、世界の温度上昇とその影響が悪化し続けるシナリオ
| 分類 | 特定した内容 | 当社への影響 | 発生 時期 | 影響度 | 対応策の検討 |
| 物理的 リスク | 平均気温の上昇 | 農作物への影響として収量、品質低下による調達費用の増加 | 中期 | 大 | 「茶産地育成事業」の推進 環境配慮型農業推進 産地開発、調達産地の複線化 |
| 降水・気象 パターンの変化 | 渇水、風水害による工場、 事業所の操業停止等による 販売機会逸失・復旧費用の発生 | 中期 | 中 | 水リスクの調査及びBCP対応 サプライヤーへのリスク共有、対応 水源地保全活動の実施 豪雨、防水対策の実施 | |
| 風水害の激甚化 | 短期 中期 | 大 | |||
| 機会 | 環境変化に伴う 需要増 | 暑さ対策、健康志向の需要増による販売機会の増加 | 中期 | 中 | 熱中症対策製品、機能性表示製品の 販売拡充 |
発生時期(リスク・機会の顕在化が想定される時期)
短期:2023年~2025年、中期:2026年~2030年、長期:2031年~2050年
影響度(当該リスク・機会が顕在化した場合に、事業に与えるインパクトの大きさ)
大:事業に大きなインパクトを与え、顕在化している事象や顕在化に備えた対応が必須な事項
中:事業に与えるインパクトは大きくはないが、顕在化している事象や顕在化に備えた対応が必須な事項
それぞれシナリオ群の定義に沿って、影響度が中以上のリスク・機会を記載しています。