有価証券報告書-第152期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、企業価値の追求と、その最大化を通じた人々・社会・経済の発展への貢献を経営理念で掲げており、サステナビリティの実現に貢献し、ステークホルダーの皆様から信頼される企業グループであり続けたいと考えています。「日清オイリオグループビジョン2030」(以下、「ビジョン2030」)では、当社グループが社会課題を解決し価値を創造する重点領域を定め、社会との共有価値を創造することで成長を遂げるための戦略の指針と2030年に目指す姿を示しています。
この考えのもと、当社グループは、ステークホルダーの皆様と良好な関係を築き、信頼の向上に努めるとともに、コーポレート・ガバナンスの充実に努めてまいります。
<2030年に目指す姿>私たちは、“植物のチカラ®”と“油脂をさらに究めた強み”で、食の新たな機能を生み出すプラットフォームの役割を担います。そして多様な価値を創造し、“生きるエネルギー”をすべての人にお届けする企業グループになります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、監査役会設置会社の形態を採用しております。
取締役会は、代表取締役社長を議長とし、取締役9名(うち独立社外取締役3名)で構成し、法令で定められた事項および経営上の重要事項を審議し、決定しております。また、取締役会は、当社の経営に関して豊富な経験を持つ取締役と経営に関する深い知識を持つ、独立性の高い社外取締役により構成され、経営および業務執行についての監督責任を負っております。2023年度は取締役会を全12回開催しており、取締役会の出席状況においては次のとおりです。
2023年度においては、2022年度と同様、取締役会の実効性向上を目的に、集中的な審議の時間を確保する観点から、取締役会メンバー全員が参加し、終日、議論を行うオフサイトミーティングを取締役会とは別に開催しております。
取締役会およびオフサイトミーティングにおける主な取組みについては、「⑤ 取締役会の実効性評価」をご参照下さい。
また、当社は、環境変化に即応した迅速な意思決定を実践するため、執行役員制度を導入しており、執行役員は取締役会から業務執行権限を委譲され、経営計画や取締役会の方針に則り、取締役の監督のもとで業務執行に携わっております。また、社長執行役員を議長とし、全ての執行役員を構成員とする執行役員会を設置しております。執行役員会は、取締役会から委譲された権限範囲内の重要案件に係る意思決定、業務執行状況の報告および確認を行っております。なお、業務執行を監査する目的で常勤監査役が執行役員会に出席しております。
監査役会は、監査役4名(うち独立社外監査役2名)で構成しており、監査役は、取締役会やその他重要な会議への出席、業務および財産の状況調査等を通して、取締役の職務執行、執行役員の業務執行を監査しております。監査役は、会計監査人および内部監査室と緊密な連携を保ち、意見および情報の交換を行い、効果的・効率的な監査を実施しております。また、内部監査室を兼務する監査役スタッフを2名配置して監査役監査業務の補助を行うとともに、内部監査室との連携を強め、監査機能の充実・強化を図っています。監査役会および監査役の具体的な活動状況については、「(3) 監査の状況」をご参照ください。
指名諮問委員会は、委員長である代表取締役社長および社外取締役3名の計4名で構成されており、取締役候補者の検討、評価、原案決定等の審議を行い、取締役会へ答申いたします。
2023年度は指名諮問委員会を全2回開催しました。各回の審議内容は下記のとおりです。
・第1回(2023年9月):
2024年度の社外役員候補について審議
・第2回(2023年12月):
2024年度の社外役員候補と経営体制、サクセッションプランについて審議
報酬諮問委員会は、委員長である代表取締役社長、社外取締役3名および社外監査役2名の計6名で構成されており、主に「取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針」「取締役の個人別の報酬等の内容」「サーベイデータ等を用いた取締役報酬の体系、水準、業績指標等の検証」などについて審議し、取締役会へ答申いたします。
2023年度は報酬諮問委員会を全3回開催しました。各回の審議内容は下記のとおりです。
・第1回(2023年5月):
2022年度の全社業績および期初に設定した目標(単年度業績に対する貢献、将来に向けた貢献(成長、資本効率、ESG))に対する個人評価に基づく個人別賞与額、2022年度株式報酬、および2023年度役員報酬原案(報酬構成比率・水準、賞与業績指標)を決定
・第2回(2023年11月):
当社と規模の近い国内主要企業群に関する外部機関の調査結果等に基づき役員報酬制度の動向を検証するとともに、次期中計に向けた役員報酬制度の点検ポイントについて審議
・第3回(2024年3月):
次期中計に向けた役員報酬制度の在り方(報酬構成比率、報酬水準、業績指標、報酬ガバナンス)や監査役報酬枠について審議
なお、当事業年度における当社の役員の報酬等の額の決定過程ですが、2023年5月31日の報酬諮問委員会の審議に基づく答申を受けて、2023年6月16日開催の取締役会にて2023年度の取締役の固定報酬および賞与支給の条件を決議しております。なお、株式報酬については2022年6月16日開催の取締役会にて決議された株式交付規程に基づき運用しております。監査役の個人別報酬等は2023年6月9日に監査役の協議によって決定しております。
指名諮問委員会および報酬諮問委員会の構成と出席状況は、次のとおりです。
諮問委員会の構成(◎:委員長、〇:委員)
※2024年4月より指名諮問委員会の委員長に山本功氏、報酬諮問委員会の委員長に江藤尚美氏が就任しております。
また、必要に応じて、審議委員会および社長の意思決定支援機関を設置いたします。現在は、以下の審議委員会等を設置しております。
<取締役会が設置する委員会>経営サステナビリティ委員会、リスクマネジメント委員会、投融資委員会、企業倫理委員会、内部統制委員会
<取締役会が設置する協議会>社外役員協議会
<業務執行の審議機関>事業戦略会議
<執行役員会が設置する審議委員会>品質マネジメント委員会
これらをもって経営および業務執行の健全性、アカウンタビリティは確保されていると考え、現在の企業統治の体制を採用しております。2024年3月末時点のコーポレート・ガバナンスおよび内部統制に関する体制の模式図は、次のとおりとなっております。

※常勤監査役は、経営サステナビリティ委員会、リスクマネジメント委員会、内部統制委員会、事業戦略会議にオブザーバーとして出席しております。
※上記以外に常勤監査役とコーポレートスタッフ部門との定期的な情報交換・情報共有化等、監査の実効性確保に向けた会議体を設置しております。
③ 企業統治に関するその他の事項
(a) 内部統制システムの整備の状況
コンプライアンス、リスクマネジメント体制については、リスクマネジメント委員会、企業倫理委員会などの委員会を設置し、必要に応じ顧問弁護士などとの連携を図り、専門的な見地から意見を答申しております。
取締役が遵守すべきコンプライアンスの基本、違反に対する懲罰などを取締役倫理規程に定めております。また、すべての役員および従業員において経営理念を実現するための行動指針である「日清オイリオグループ行動規範」(2022年4月改訂)の浸透を図るとともに、企業倫理ホットラインによる通報の受付を行い、提供された通報については、企業倫理委員会で審議し、再発防止を図っております。当社では、当社グループの役員・従業員を対象に企業倫理講演会を開催し、行動規範のグループ内への浸透およびコンプライアンス推進を図っております。また、当社法務部門は、当社グループの法令遵守状況の確認を行うとともに、法務教育を実施しております。
金融商品取引法に基づく内部統制システムについては、その整備・運用方針等の決定のために内部統制委員会を設置し、その評価を内部監査室が担当しております。また、内部監査室は、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンスの視点から業務が健全かつ適切に執行されることを確保するため、内部監査を実施しております。
取締役の職務の執行および執行役員の業務の執行が効率的に行われることを確保する体制については、当社は執行役員制を採用し、各部門の担当執行役員は、経営計画を構成する部門目標の達成責任を負っており、当社グループの中期経営計画の達成に向け、毎月開催される執行役員会において、経営計画の進捗管理を行っております。
設備投資、M&Aおよび事業再編などの重要な投融資案件については、子会社に関する案件も含め、投融資委員会に諮り、審議しております。
(b) リスク管理体制の整備の状況
リスク管理につきましてはリスクマネジメント委員会が全社的なリスクを総括的に管理しており、リスクが顕在化した場合の緊急体制を整備し、危機対応を図っております。リスクマネジメント委員会ではリスクの棚卸を実施のうえで、影響度合と発生可能性をもとにリスクマップを作成するとともに、個々のリスクに対するリスク対策を管理しております。また、リスクが顕在化した際の影響度を軸とした優先順位付けを行ったうえで、重要なリスクとして選定し、主管部門を中心としたPDCAサイクルによるリスクマネジメントを実施しております。リスクマネジメント委員会は全社的リスクの評価や対応方針・状況などを取締役会に報告しています。なお、2021年度から常勤監査役がリスクマネジメント委員会にオブザーバーとして出席しています。また、経理規程、与信管理規程、情報セキュリティ管理規程等の諸規程の今日的な見直しを恒常的に行い、必要に応じて改訂または新たな規程の整備を行っており、内部監査室は、業務における諸規程の遵守状況を監査しております。
当社の情報管理体制としては、取締役会が執行役員の業務執行状況を確認できる体制を確保する視点から、取締役会規程・同運用基準、執行役員会運営規程、文書管理規程等を整備しており、社外取締役および社外監査役による情報収集の利便性の向上を図るため、社内取締役および執行役員と同様の情報システム環境を提供しております。
リスク管理に関する体制の模式図は、次のとおりとなっております。

(c) 当社ならびに子会社からなる企業集団における業務の適正性の確保
経営サステナビリティ推進室が子会社全体の管理を行い、企業集団としての戦略と各子会社運営の適正性を総合的に評価しております。また、当社の執行役員の中から子会社ごとに担当役員を任命し、経営の責任体制を明確にするとともに、担当役員は子会社の適正な業務遂行を指導・監督しております。内部監査室は定期的に子会社の内部監査を実施しております。
子会社の体制としては、取締役を親会社から選任し、子会社の独立企業としての発展と連結グループにおける企業価値の最大化を共に実現すべく、業務遂行状況を監督しております。また、国内子会社については、親会社から監査役を選任し、当該子会社が監査範囲の限定規定を設けることが可能な場合においても、監査役に業務監査権限を付与しております。海外子会社の会計監査につきましては、日清奥利友(中国)投資有限公司他7社につきましては、当社の監査公認会計士等が所属するDeloitte Touche Tohmatsu Limitedグループの現地事務所に委嘱しており、PT Indoagri Daitocacaoについては、Ernst&Youngの現地事務所が同社の財務諸表関係の監査を行っております。
(d) 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方および整備状況
反社会的な勢力や不当な圧力に対しては、「日清オイリオグループ行動規範」の定めのとおり、必要な場合には法的措置を前提として、屈することなく毅然とした態度で臨んでまいります。
具体的には、人事・総務部を対応統括部署として、警察と連携をとるとともに、公益社団法人警視庁管内特殊暴力防止対策連合会が開催する研修会への参加により定期的な情報収集を行うことなどにより、社内体制の整備に努めております。
(e) その他
当社グループの中長期的な企業価値向上の取組みをお伝えすることを目的に、統合報告書を2021年度から発行しており、本年は9月に発行を予定しております。
<責任限定契約>当社は、社外取締役山本功氏、町田恵美氏および江藤尚美氏、社外監査役草道倫武氏および住田清芽氏との間において、会社法第427条第1項に基づき、会社法第423条第1項の賠償責任について、職務を行うにあたり善意でかつ重大な過失がないときは、金5百万円または会社法第425条第1項に定める最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする契約を締結しております。
<役員等賠償保険契約>当社は役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、株主や第三者から損害賠償請求を提起された場合において、被保険者が負担することとなる損害賠償金および争訟費用等の損害を当該保険契約により填補することとしております。
当該保険契約の被保険者は当社および国内子会社の取締役、監査役、執行役員および管理職従業員であります。
故意または重過失、犯罪行為等に起因する損害賠償金は上記保険契約により填補されません。
④ 取締役に関する事項
(a) 取締役の定数
当社の取締役は20名以内とする旨を定款で定めております。
(b) 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を、また、累積投票によらないものとする旨を定款で定めております。
⑤ 取締役会の実効性評価
当社では取締役会の実効性を担保し、向上させるため、毎年、各取締役・監査役による取締役会の実効性評価を実施しております。アンケートによる自己評価や意見聴取などを実施し、取締役会で審議したうえでその結果を開示しております。
この度、2023年度の取締役会の実効性評価を実施し、その結果を取締役会において報告・審議いたしました。
概要は以下のとおりです。
(a) 実効性向上に向けた2023年度取締役会の取組み
前年度(2022年度)の評価結果を踏まえて、次の取組みを行うことにより、実効性のさらなる改善を図りました。
ⅰ)「重要な経営課題に関する議論の深化」
経営における重要なテーマについて、取締役会で重点的に審議するとともに、オフサイトミーティングを行い、取締役会メンバー全員が出席の上、終日、活発な意見交換を行いました。
[2023年度のオフサイトミーティングのテーマ]
・ マーケティングと技術に立脚した価値創造について
・ 代替脂質への取り組みと関連技術の発展性について
・ 2030年に向けた国内事業領域における価値創造の戦略・取組みについて
・ 食品事業本部の新たなマーケティング創生について
・ 加工用事業部マーケティング戦略について
・ 北米事業構想について
[取締役会の主な審議事項]
・ ROIC目標達成に向けて(2回)
・ 2030年に目指す姿に向けた成長性と収益性についての具体的な検討
・ 2024年度経営計画
・ 当社における「企業価値向上の取り組み」に関する方針・目標と開示内容について
・ 株主還元方針について
・ 2023年度経営計画
・ 北米事業構想の進捗状況について
ⅱ)「取締役会におけるリスクマネジメントをはじめとしたモニタリング機能のさらなる強化」
取締役会のモニタリング機能の強化につながる以下の改善を行いました。
・ 当社グループの持続的な成長と社会の持続的な発展を実現するための基本方針の立案等、重要課題を審議することを目的とし、2023年7月に「経営サステナビリティ委員会」を新設
(主な審議テーマ)
・CSV目標の見直しや2030年度目標の新規設定(複数回審議)
・北米事業構想の実現に向けた具体的取組み
・リスクと機会の重点領域化について
(新たなリスクと機会の抽出や社会課題の再確認、重点領域の検証等)
・ROIC目標達成に向けて(ポートフォリオマネジメントの考え方)
・TCFD提言への対応
・生物多様性方針・水方針の策定について
・持続可能な大豆調達およびカカオ調達・アクションプランについて
・オフサイトミーティングで形成された課題を受けた具体的なテーマの検討
(企業価値向上に向けた成長シナリオ、国内拠点の設備投資計画など)
(b) 2023年度取締役会実効性評価の実施内容
当社では、2023年度の取締役会の実効性評価を、客観性を担保するために外部機関のサポートを受け、取締役会を構成する取締役・監査役(全13名)を対象に、以下の内容について、アンケート形式での調査を実施しました。
・取締役会の構成
・取締役会の運営
・取締役会の議論
・取締役会のモニタリング機能
・社内取締役のパフォーマンス
・社外取締役のパフォーマンス
・取締役・監査役に対する支援体制
・トレーニング
・株主(投資家)との対話
・自身の取組み
・総括
調査結果を踏まえ、代表取締役社長と社外役員全員との議論を行ったうえで、取締役会にて議論を行い、最終的な評価を行いました。
(c) 評価結果
当社の取締役会の実効性については、おおむね確保されていると判断しました。なお、2021年度以降、3回に渡る評価のスコアは毎年上昇しており、取締役会の実効性向上に向けた改善策がスコアの上昇につながっているものと判断しております。
2024年度も引き続き、調査結果で評価が高かった項目と、改善余地のある項目から抽出した重点的に審議・対応すべき課題を以下のとおり整理し、対策を講じていきます。なお、調査結果に関する個別のトピックスは以下のとおりです。
ⅰ)評価の高い項目
・会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の創出と経営戦略や経営計画の整合性を認識したうえで十分に議論を行っている点
・経営陣の報酬制度を設計し、具体的な報酬額を報酬諮問委員会から情報を得て適切に決定している点
・社外取締役は、株主からの付託を受けて、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図る観点から経営を監督する役割を自覚し、その役割を十分に果たせている点
ⅱ)改善余地のある項目から抽出した2024年度に重点的に審議・対応すべき課題
・経営戦略・経営計画のグループ全体の潜在的なリスクとその対処方法についての十分な議論の実施
・PBR向上に向けた方策の継続検討とモニタリング
・グループ全体の事業ポートフォリオの方針決定と定期的な見直しの実施
・グループガバナンス、グループ会社に対する内部統制の強化
・人的資本に関するマネジメント
(d) さらなる実効性向上に向けた取組み
取締役会のさらなる実効性向上に向け、調査結果から抽出した重点的に審議・対応すべき課題に加え、当社事業に影響を与える機会やリスク等についても一層議論を深め、必要な対応を図ってまいります。また、2024年度においても、取締役会メンバーによるオフサイトミーティングを継続し、経営課題の集中審議を行うとともに、社内・社外役員間の意思疎通の深化を図ってまいります。
企業価値の向上を目指し、取締役会の実効性向上に資するこれらの取組みを通じ、グローバルトップレベルの油脂ソリューション企業への飛躍を実現してまいります。
⑥ 株主総会決議に関する事項
(a) 自己の株式の取得
当社は、自己の株式の取得について、経済情勢の変化に対応して財務政策等の経営諸施策を機動的に遂行することを可能とするため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款で定めております。
(b) 中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款で定めております。
⑦ 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」といいます)を定めております。
1.基本方針の内容
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念、企業価値を生み出す源泉、あらゆるステークホルダーとの信頼関係などを十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を持続的に確保し、向上させる者でなければならないと考えております。
上場会社である以上、当社株式の大規模買付行為に対し、売却を行うか否かの判断や会社の経営を委ねることの是非に関する判断は、最終的には個々の株主の皆様に委ねられるべきものであります。しかしながら、株式の大規模買付行為の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を損なうことが明白であるもの、買収に応じることを株主に強要するおそれがあるものなど、当社グループの企業価値ひいては株主の皆様共同の利益が毀損されるおそれのあるものも想定されるため、株主の皆様が十分な情報を得たうえで判断をされることが必要と考えております。
2.具体的取組みの内容の概要
(1) 企業価値・株主の皆様共同の利益の確保・向上に向けた取組み
当社は、当社の企業価値の源泉が、食品からファインケミカルまでの幅広い事業を通じて得た広範な知識と豊富な経験、蓄積された高い技術力、株主の皆様をはじめとするあらゆるステークホルダーからの信頼とご支援など、1907年の創立以来110年以上の永きに亘って培ってきた経営資源に存すると考えております。
この経営資源に基づき、当社グループは中長期的な視野に立ち、企業収益および企業の社会的価値の向上を目指し、総合的に企業価値を高め、株主の皆様の期待にお応えできるよう努めてまいります。
「日清オイリオグループビジョン2030」(以下「ビジョン2030」といいます)では、2030年に目指す姿を「私たちは、“植物のチカラ®”と“油脂をさらに究めた強み”で、食の新たな機能を生み出すプラットフォームの役割を担います。そして多様な価値を創造し、“生きるエネルギー”をすべての人にお届けする企業グループになります」とし、戦略の基本方針を「これまでより『もっとお客さまの近く』でビジネスを展開する」と定めております。この「ビジョン2030」のもと、注力する重点領域における課題解決を通じた社会との多様な共有価値の創造(CSV)を成長のドライバーとし、持続可能な社会「サステナビリティ」の実現に今まで以上に貢献してまいります。
また、2021年度から2024年度までの中期経営計画「Value Up+」では、CSVを成長ドライバーに、マーケティング、テクノロジー、グローバリゼーションを追求のうえ成長戦略を加速し、「ビジョン2030」で目指す姿の実現に向け、企業価値の向上に努めてまいります。
(2) 不適切な者によって支配されることを防止する取組み
当社は、当社株式の大規模買付行為を行う者の意向を慎重に確認したうえで、当該大規模買付行為の是非を株主の皆様に適切に判断していただくために必要かつ十分な情報(独立社外取締役の意見を尊重した当社取締役会の意見を含みます)を提供し、検討のための時間を確保するよう努める等、金融商品取引法、会社法およびその他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
3.具体的取組みに対する取締役会の判断及びその判断に係わる理由
前記の具体的取組みの内容は、当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるものであり、また当社役員の地位の維持を目的とするものではないことから、いずれも前記の基本方針に沿うものと判断しております。
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、企業価値の追求と、その最大化を通じた人々・社会・経済の発展への貢献を経営理念で掲げており、サステナビリティの実現に貢献し、ステークホルダーの皆様から信頼される企業グループであり続けたいと考えています。「日清オイリオグループビジョン2030」(以下、「ビジョン2030」)では、当社グループが社会課題を解決し価値を創造する重点領域を定め、社会との共有価値を創造することで成長を遂げるための戦略の指針と2030年に目指す姿を示しています。
この考えのもと、当社グループは、ステークホルダーの皆様と良好な関係を築き、信頼の向上に努めるとともに、コーポレート・ガバナンスの充実に努めてまいります。
<2030年に目指す姿>私たちは、“植物のチカラ®”と“油脂をさらに究めた強み”で、食の新たな機能を生み出すプラットフォームの役割を担います。そして多様な価値を創造し、“生きるエネルギー”をすべての人にお届けする企業グループになります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、監査役会設置会社の形態を採用しております。
取締役会は、代表取締役社長を議長とし、取締役9名(うち独立社外取締役3名)で構成し、法令で定められた事項および経営上の重要事項を審議し、決定しております。また、取締役会は、当社の経営に関して豊富な経験を持つ取締役と経営に関する深い知識を持つ、独立性の高い社外取締役により構成され、経営および業務執行についての監督責任を負っております。2023年度は取締役会を全12回開催しており、取締役会の出席状況においては次のとおりです。
| 氏名 | 地位 | 出席回数 |
| 久野 貴久 | 代表取締役社長 | 12回/12回 |
| 尾上 秀俊 | 代表取締役 | 12回/12回 |
| 河原﨑 靖 | 取締役 | 12回/12回 |
| 小林 新 | 取締役 | 12回/12回 |
| 三枝 理人 | 取締役 | 12回/12回 |
| 岡野 良治 | 取締役 | 12回/12回 |
| 山本 功 | 社外取締役 | 12回/12回 |
| 町田 恵美 | 社外取締役 | 11回/12回 |
| 江藤 尚美 | 社外取締役 | 12回/12回 |
| 大場 克仁 | 常勤監査役 | 12回/12回 |
| 渡辺 信行 | 常勤監査役 | 12回/12回 |
| 草道 倫武 | 社外監査役 | 12回/12回 |
| 住田 清芽 | 社外監査役 | 11回/12回 |
2023年度においては、2022年度と同様、取締役会の実効性向上を目的に、集中的な審議の時間を確保する観点から、取締役会メンバー全員が参加し、終日、議論を行うオフサイトミーティングを取締役会とは別に開催しております。
取締役会およびオフサイトミーティングにおける主な取組みについては、「⑤ 取締役会の実効性評価」をご参照下さい。
また、当社は、環境変化に即応した迅速な意思決定を実践するため、執行役員制度を導入しており、執行役員は取締役会から業務執行権限を委譲され、経営計画や取締役会の方針に則り、取締役の監督のもとで業務執行に携わっております。また、社長執行役員を議長とし、全ての執行役員を構成員とする執行役員会を設置しております。執行役員会は、取締役会から委譲された権限範囲内の重要案件に係る意思決定、業務執行状況の報告および確認を行っております。なお、業務執行を監査する目的で常勤監査役が執行役員会に出席しております。
監査役会は、監査役4名(うち独立社外監査役2名)で構成しており、監査役は、取締役会やその他重要な会議への出席、業務および財産の状況調査等を通して、取締役の職務執行、執行役員の業務執行を監査しております。監査役は、会計監査人および内部監査室と緊密な連携を保ち、意見および情報の交換を行い、効果的・効率的な監査を実施しております。また、内部監査室を兼務する監査役スタッフを2名配置して監査役監査業務の補助を行うとともに、内部監査室との連携を強め、監査機能の充実・強化を図っています。監査役会および監査役の具体的な活動状況については、「(3) 監査の状況」をご参照ください。
指名諮問委員会は、委員長である代表取締役社長および社外取締役3名の計4名で構成されており、取締役候補者の検討、評価、原案決定等の審議を行い、取締役会へ答申いたします。
2023年度は指名諮問委員会を全2回開催しました。各回の審議内容は下記のとおりです。
・第1回(2023年9月):
2024年度の社外役員候補について審議
・第2回(2023年12月):
2024年度の社外役員候補と経営体制、サクセッションプランについて審議
報酬諮問委員会は、委員長である代表取締役社長、社外取締役3名および社外監査役2名の計6名で構成されており、主に「取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針」「取締役の個人別の報酬等の内容」「サーベイデータ等を用いた取締役報酬の体系、水準、業績指標等の検証」などについて審議し、取締役会へ答申いたします。
2023年度は報酬諮問委員会を全3回開催しました。各回の審議内容は下記のとおりです。
・第1回(2023年5月):
2022年度の全社業績および期初に設定した目標(単年度業績に対する貢献、将来に向けた貢献(成長、資本効率、ESG))に対する個人評価に基づく個人別賞与額、2022年度株式報酬、および2023年度役員報酬原案(報酬構成比率・水準、賞与業績指標)を決定
・第2回(2023年11月):
当社と規模の近い国内主要企業群に関する外部機関の調査結果等に基づき役員報酬制度の動向を検証するとともに、次期中計に向けた役員報酬制度の点検ポイントについて審議
・第3回(2024年3月):
次期中計に向けた役員報酬制度の在り方(報酬構成比率、報酬水準、業績指標、報酬ガバナンス)や監査役報酬枠について審議
なお、当事業年度における当社の役員の報酬等の額の決定過程ですが、2023年5月31日の報酬諮問委員会の審議に基づく答申を受けて、2023年6月16日開催の取締役会にて2023年度の取締役の固定報酬および賞与支給の条件を決議しております。なお、株式報酬については2022年6月16日開催の取締役会にて決議された株式交付規程に基づき運用しております。監査役の個人別報酬等は2023年6月9日に監査役の協議によって決定しております。
指名諮問委員会および報酬諮問委員会の構成と出席状況は、次のとおりです。
諮問委員会の構成(◎:委員長、〇:委員)
| 氏名 | 地位 | 指名諮問委員会 | 報酬諮問委員会 | ||
| 出席回数 | 出席回数 | ||||
| 久野 貴久 | 代表取締役社長 | ◎ | 2回/2回 | ◎ | 2回/3回 |
| 山本 功 | 社外取締役 | 〇 | 2回/2回 | 〇 | 3回/3回 |
| 町田 恵美 | 社外取締役 | 〇 | 2回/2回 | 〇 | 3回/3回 |
| 江藤 尚美 | 社外取締役 | 〇 | 2回/2回 | 〇 | 3回/3回 |
| 草道 倫武 | 社外監査役 | ― | ― | 〇 | 3回/3回 |
| 住田 清芽 | 社外監査役 | ― | ― | 〇 | 3回/3回 |
※2024年4月より指名諮問委員会の委員長に山本功氏、報酬諮問委員会の委員長に江藤尚美氏が就任しております。
また、必要に応じて、審議委員会および社長の意思決定支援機関を設置いたします。現在は、以下の審議委員会等を設置しております。
<取締役会が設置する委員会>経営サステナビリティ委員会、リスクマネジメント委員会、投融資委員会、企業倫理委員会、内部統制委員会
<取締役会が設置する協議会>社外役員協議会
<業務執行の審議機関>事業戦略会議
<執行役員会が設置する審議委員会>品質マネジメント委員会
これらをもって経営および業務執行の健全性、アカウンタビリティは確保されていると考え、現在の企業統治の体制を採用しております。2024年3月末時点のコーポレート・ガバナンスおよび内部統制に関する体制の模式図は、次のとおりとなっております。

※常勤監査役は、経営サステナビリティ委員会、リスクマネジメント委員会、内部統制委員会、事業戦略会議にオブザーバーとして出席しております。
※上記以外に常勤監査役とコーポレートスタッフ部門との定期的な情報交換・情報共有化等、監査の実効性確保に向けた会議体を設置しております。
③ 企業統治に関するその他の事項
(a) 内部統制システムの整備の状況
コンプライアンス、リスクマネジメント体制については、リスクマネジメント委員会、企業倫理委員会などの委員会を設置し、必要に応じ顧問弁護士などとの連携を図り、専門的な見地から意見を答申しております。
取締役が遵守すべきコンプライアンスの基本、違反に対する懲罰などを取締役倫理規程に定めております。また、すべての役員および従業員において経営理念を実現するための行動指針である「日清オイリオグループ行動規範」(2022年4月改訂)の浸透を図るとともに、企業倫理ホットラインによる通報の受付を行い、提供された通報については、企業倫理委員会で審議し、再発防止を図っております。当社では、当社グループの役員・従業員を対象に企業倫理講演会を開催し、行動規範のグループ内への浸透およびコンプライアンス推進を図っております。また、当社法務部門は、当社グループの法令遵守状況の確認を行うとともに、法務教育を実施しております。
金融商品取引法に基づく内部統制システムについては、その整備・運用方針等の決定のために内部統制委員会を設置し、その評価を内部監査室が担当しております。また、内部監査室は、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンスの視点から業務が健全かつ適切に執行されることを確保するため、内部監査を実施しております。
取締役の職務の執行および執行役員の業務の執行が効率的に行われることを確保する体制については、当社は執行役員制を採用し、各部門の担当執行役員は、経営計画を構成する部門目標の達成責任を負っており、当社グループの中期経営計画の達成に向け、毎月開催される執行役員会において、経営計画の進捗管理を行っております。
設備投資、M&Aおよび事業再編などの重要な投融資案件については、子会社に関する案件も含め、投融資委員会に諮り、審議しております。
(b) リスク管理体制の整備の状況
リスク管理につきましてはリスクマネジメント委員会が全社的なリスクを総括的に管理しており、リスクが顕在化した場合の緊急体制を整備し、危機対応を図っております。リスクマネジメント委員会ではリスクの棚卸を実施のうえで、影響度合と発生可能性をもとにリスクマップを作成するとともに、個々のリスクに対するリスク対策を管理しております。また、リスクが顕在化した際の影響度を軸とした優先順位付けを行ったうえで、重要なリスクとして選定し、主管部門を中心としたPDCAサイクルによるリスクマネジメントを実施しております。リスクマネジメント委員会は全社的リスクの評価や対応方針・状況などを取締役会に報告しています。なお、2021年度から常勤監査役がリスクマネジメント委員会にオブザーバーとして出席しています。また、経理規程、与信管理規程、情報セキュリティ管理規程等の諸規程の今日的な見直しを恒常的に行い、必要に応じて改訂または新たな規程の整備を行っており、内部監査室は、業務における諸規程の遵守状況を監査しております。
当社の情報管理体制としては、取締役会が執行役員の業務執行状況を確認できる体制を確保する視点から、取締役会規程・同運用基準、執行役員会運営規程、文書管理規程等を整備しており、社外取締役および社外監査役による情報収集の利便性の向上を図るため、社内取締役および執行役員と同様の情報システム環境を提供しております。
リスク管理に関する体制の模式図は、次のとおりとなっております。

(c) 当社ならびに子会社からなる企業集団における業務の適正性の確保
経営サステナビリティ推進室が子会社全体の管理を行い、企業集団としての戦略と各子会社運営の適正性を総合的に評価しております。また、当社の執行役員の中から子会社ごとに担当役員を任命し、経営の責任体制を明確にするとともに、担当役員は子会社の適正な業務遂行を指導・監督しております。内部監査室は定期的に子会社の内部監査を実施しております。
子会社の体制としては、取締役を親会社から選任し、子会社の独立企業としての発展と連結グループにおける企業価値の最大化を共に実現すべく、業務遂行状況を監督しております。また、国内子会社については、親会社から監査役を選任し、当該子会社が監査範囲の限定規定を設けることが可能な場合においても、監査役に業務監査権限を付与しております。海外子会社の会計監査につきましては、日清奥利友(中国)投資有限公司他7社につきましては、当社の監査公認会計士等が所属するDeloitte Touche Tohmatsu Limitedグループの現地事務所に委嘱しており、PT Indoagri Daitocacaoについては、Ernst&Youngの現地事務所が同社の財務諸表関係の監査を行っております。
(d) 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方および整備状況
反社会的な勢力や不当な圧力に対しては、「日清オイリオグループ行動規範」の定めのとおり、必要な場合には法的措置を前提として、屈することなく毅然とした態度で臨んでまいります。
具体的には、人事・総務部を対応統括部署として、警察と連携をとるとともに、公益社団法人警視庁管内特殊暴力防止対策連合会が開催する研修会への参加により定期的な情報収集を行うことなどにより、社内体制の整備に努めております。
(e) その他
当社グループの中長期的な企業価値向上の取組みをお伝えすることを目的に、統合報告書を2021年度から発行しており、本年は9月に発行を予定しております。
<責任限定契約>当社は、社外取締役山本功氏、町田恵美氏および江藤尚美氏、社外監査役草道倫武氏および住田清芽氏との間において、会社法第427条第1項に基づき、会社法第423条第1項の賠償責任について、職務を行うにあたり善意でかつ重大な過失がないときは、金5百万円または会社法第425条第1項に定める最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする契約を締結しております。
<役員等賠償保険契約>当社は役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、株主や第三者から損害賠償請求を提起された場合において、被保険者が負担することとなる損害賠償金および争訟費用等の損害を当該保険契約により填補することとしております。
当該保険契約の被保険者は当社および国内子会社の取締役、監査役、執行役員および管理職従業員であります。
故意または重過失、犯罪行為等に起因する損害賠償金は上記保険契約により填補されません。
④ 取締役に関する事項
(a) 取締役の定数
当社の取締役は20名以内とする旨を定款で定めております。
(b) 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を、また、累積投票によらないものとする旨を定款で定めております。
⑤ 取締役会の実効性評価
当社では取締役会の実効性を担保し、向上させるため、毎年、各取締役・監査役による取締役会の実効性評価を実施しております。アンケートによる自己評価や意見聴取などを実施し、取締役会で審議したうえでその結果を開示しております。
この度、2023年度の取締役会の実効性評価を実施し、その結果を取締役会において報告・審議いたしました。
概要は以下のとおりです。
(a) 実効性向上に向けた2023年度取締役会の取組み
前年度(2022年度)の評価結果を踏まえて、次の取組みを行うことにより、実効性のさらなる改善を図りました。
ⅰ)「重要な経営課題に関する議論の深化」
経営における重要なテーマについて、取締役会で重点的に審議するとともに、オフサイトミーティングを行い、取締役会メンバー全員が出席の上、終日、活発な意見交換を行いました。
[2023年度のオフサイトミーティングのテーマ]
・ マーケティングと技術に立脚した価値創造について
・ 代替脂質への取り組みと関連技術の発展性について
・ 2030年に向けた国内事業領域における価値創造の戦略・取組みについて
・ 食品事業本部の新たなマーケティング創生について
・ 加工用事業部マーケティング戦略について
・ 北米事業構想について
[取締役会の主な審議事項]
・ ROIC目標達成に向けて(2回)
・ 2030年に目指す姿に向けた成長性と収益性についての具体的な検討
・ 2024年度経営計画
・ 当社における「企業価値向上の取り組み」に関する方針・目標と開示内容について
・ 株主還元方針について
・ 2023年度経営計画
・ 北米事業構想の進捗状況について
ⅱ)「取締役会におけるリスクマネジメントをはじめとしたモニタリング機能のさらなる強化」
取締役会のモニタリング機能の強化につながる以下の改善を行いました。
・ 当社グループの持続的な成長と社会の持続的な発展を実現するための基本方針の立案等、重要課題を審議することを目的とし、2023年7月に「経営サステナビリティ委員会」を新設
(主な審議テーマ)
・CSV目標の見直しや2030年度目標の新規設定(複数回審議)
・北米事業構想の実現に向けた具体的取組み
・リスクと機会の重点領域化について
(新たなリスクと機会の抽出や社会課題の再確認、重点領域の検証等)
・ROIC目標達成に向けて(ポートフォリオマネジメントの考え方)
・TCFD提言への対応
・生物多様性方針・水方針の策定について
・持続可能な大豆調達およびカカオ調達・アクションプランについて
・オフサイトミーティングで形成された課題を受けた具体的なテーマの検討
(企業価値向上に向けた成長シナリオ、国内拠点の設備投資計画など)
(b) 2023年度取締役会実効性評価の実施内容
当社では、2023年度の取締役会の実効性評価を、客観性を担保するために外部機関のサポートを受け、取締役会を構成する取締役・監査役(全13名)を対象に、以下の内容について、アンケート形式での調査を実施しました。
・取締役会の構成
・取締役会の運営
・取締役会の議論
・取締役会のモニタリング機能
・社内取締役のパフォーマンス
・社外取締役のパフォーマンス
・取締役・監査役に対する支援体制
・トレーニング
・株主(投資家)との対話
・自身の取組み
・総括
調査結果を踏まえ、代表取締役社長と社外役員全員との議論を行ったうえで、取締役会にて議論を行い、最終的な評価を行いました。
(c) 評価結果
当社の取締役会の実効性については、おおむね確保されていると判断しました。なお、2021年度以降、3回に渡る評価のスコアは毎年上昇しており、取締役会の実効性向上に向けた改善策がスコアの上昇につながっているものと判断しております。
2024年度も引き続き、調査結果で評価が高かった項目と、改善余地のある項目から抽出した重点的に審議・対応すべき課題を以下のとおり整理し、対策を講じていきます。なお、調査結果に関する個別のトピックスは以下のとおりです。
ⅰ)評価の高い項目
・会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の創出と経営戦略や経営計画の整合性を認識したうえで十分に議論を行っている点
・経営陣の報酬制度を設計し、具体的な報酬額を報酬諮問委員会から情報を得て適切に決定している点
・社外取締役は、株主からの付託を受けて、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図る観点から経営を監督する役割を自覚し、その役割を十分に果たせている点
ⅱ)改善余地のある項目から抽出した2024年度に重点的に審議・対応すべき課題
・経営戦略・経営計画のグループ全体の潜在的なリスクとその対処方法についての十分な議論の実施
・PBR向上に向けた方策の継続検討とモニタリング
・グループ全体の事業ポートフォリオの方針決定と定期的な見直しの実施
・グループガバナンス、グループ会社に対する内部統制の強化
・人的資本に関するマネジメント
(d) さらなる実効性向上に向けた取組み
取締役会のさらなる実効性向上に向け、調査結果から抽出した重点的に審議・対応すべき課題に加え、当社事業に影響を与える機会やリスク等についても一層議論を深め、必要な対応を図ってまいります。また、2024年度においても、取締役会メンバーによるオフサイトミーティングを継続し、経営課題の集中審議を行うとともに、社内・社外役員間の意思疎通の深化を図ってまいります。
企業価値の向上を目指し、取締役会の実効性向上に資するこれらの取組みを通じ、グローバルトップレベルの油脂ソリューション企業への飛躍を実現してまいります。
⑥ 株主総会決議に関する事項
(a) 自己の株式の取得
当社は、自己の株式の取得について、経済情勢の変化に対応して財務政策等の経営諸施策を機動的に遂行することを可能とするため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款で定めております。
(b) 中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款で定めております。
⑦ 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」といいます)を定めております。
1.基本方針の内容
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念、企業価値を生み出す源泉、あらゆるステークホルダーとの信頼関係などを十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を持続的に確保し、向上させる者でなければならないと考えております。
上場会社である以上、当社株式の大規模買付行為に対し、売却を行うか否かの判断や会社の経営を委ねることの是非に関する判断は、最終的には個々の株主の皆様に委ねられるべきものであります。しかしながら、株式の大規模買付行為の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を損なうことが明白であるもの、買収に応じることを株主に強要するおそれがあるものなど、当社グループの企業価値ひいては株主の皆様共同の利益が毀損されるおそれのあるものも想定されるため、株主の皆様が十分な情報を得たうえで判断をされることが必要と考えております。
2.具体的取組みの内容の概要
(1) 企業価値・株主の皆様共同の利益の確保・向上に向けた取組み
当社は、当社の企業価値の源泉が、食品からファインケミカルまでの幅広い事業を通じて得た広範な知識と豊富な経験、蓄積された高い技術力、株主の皆様をはじめとするあらゆるステークホルダーからの信頼とご支援など、1907年の創立以来110年以上の永きに亘って培ってきた経営資源に存すると考えております。
この経営資源に基づき、当社グループは中長期的な視野に立ち、企業収益および企業の社会的価値の向上を目指し、総合的に企業価値を高め、株主の皆様の期待にお応えできるよう努めてまいります。
「日清オイリオグループビジョン2030」(以下「ビジョン2030」といいます)では、2030年に目指す姿を「私たちは、“植物のチカラ®”と“油脂をさらに究めた強み”で、食の新たな機能を生み出すプラットフォームの役割を担います。そして多様な価値を創造し、“生きるエネルギー”をすべての人にお届けする企業グループになります」とし、戦略の基本方針を「これまでより『もっとお客さまの近く』でビジネスを展開する」と定めております。この「ビジョン2030」のもと、注力する重点領域における課題解決を通じた社会との多様な共有価値の創造(CSV)を成長のドライバーとし、持続可能な社会「サステナビリティ」の実現に今まで以上に貢献してまいります。
また、2021年度から2024年度までの中期経営計画「Value Up+」では、CSVを成長ドライバーに、マーケティング、テクノロジー、グローバリゼーションを追求のうえ成長戦略を加速し、「ビジョン2030」で目指す姿の実現に向け、企業価値の向上に努めてまいります。
(2) 不適切な者によって支配されることを防止する取組み
当社は、当社株式の大規模買付行為を行う者の意向を慎重に確認したうえで、当該大規模買付行為の是非を株主の皆様に適切に判断していただくために必要かつ十分な情報(独立社外取締役の意見を尊重した当社取締役会の意見を含みます)を提供し、検討のための時間を確保するよう努める等、金融商品取引法、会社法およびその他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
3.具体的取組みに対する取締役会の判断及びその判断に係わる理由
前記の具体的取組みの内容は、当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるものであり、また当社役員の地位の維持を目的とするものではないことから、いずれも前記の基本方針に沿うものと判断しております。