有価証券報告書-第19期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「『人は変われる。』を証明する」をグループ理念として掲げ、全ての人が、より健康に、より輝く人生を送るための「自己実現産業」を事業領域として様々な商品、サービスを提供しております。当社グループではこのグループ理念をグループ全社で共有し、世界中から必要とされ続ける商品・サービスを提供し続けることを使命として事業を推進しています。
(2)目標とする経営指標
当社は継続的な収益力の指標として「営業利益」を、成長性の観点から「売上収益」を経営指標としております。また、事業毎の収益性の観点から「売上収益営業利益率」を補助指標としております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
2022年3月期は、新型コロナウイルス感染拡大の収束時期が依然として不透明であった中で、2021年3月期に引き続き「新型コロナウイルス危機対応」として、グループ各社の共通機能の統合を進め、スケールメリットを最大化し、グループ全体のコスト最適化を行うとともに、非対面・非接触事業の開発を通じた新たな収益源の確保を進め、さらに安定した財務運営を目指してまいりました。これらによって、営業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益において2年連続の黒字化を達成しております。
2023年3月期につきましては、過去2期において実行したコスト構造改革を中心とした経営改革や、「BPX(ビジネス・プロセス・トランスフォーメーション)」プロジェクトの継続によるグループ内のあらゆる業務の再設計とより付加価値の高い領域への経営資源の再配置の推進に加え、当社グループのコア事業であるRIZAPボディメイク事業における戦略的な成長投資なども検討しております。
主な重点施策は以下のとおりです。
① グループ管理体制の強化およびグループ機能統合
当社グループは当社および連結子会社70社で構成されており、今後の持続的成長のためには、各社の経営管理体制を整備し、経営の機動性および計画実行の確実性を向上させていくことが必要と考えております。
2022年3月には新たに「事業管理基準」を制定、全事業を対象に四半期ごとに定量・定性の基準をもって判定し、基準を満たさない場合は取締役会・経営会議等にて継続的にモニタリングを行うこととしております。
また、「新型コロナウイルス危機対応」の一環として、グループ各社の共通機能の統合を目的とした「One RIZAP」プロジェクトを開始、現在も機能強化のためにグループ会社間での人材の流動化を進めるとともに、グループ各社の営業、人事、マーケティング等の共通機能の統合を加速し、既存事業のビジネスモデル変革による収益力の強化を継続しております。
② 新規事業の創出
足元、消費者の購買行動はコロナ禍で急速に変化しつつあり、これまで「対面・接触型」で行っていたあらゆるビジネスが「非対面・非接触」に移行することが求められています。当社グループでも、全グループ会社でEC(電子商取引)化の加速を経営の重点施策の一つとしています。
具体的には、小売業を営むグループ会社において、自社オンラインショップの充実やマーケティング施策の拡充を進めております。また、パーソナルトレーニングジム「RIZAP」において、オンライントレーニングの拡充やトレーニング関連動画の配信を拡充しているほか、今後はウエアラブル端末などを用いた遠隔での健康維持・ダイエットサポートサービスの充実を計画しております。
③ BPX(ビジネス・プロセス・トランスフォーメーション)の推進
益々不透明性を増す経済環境下で、当社グループが今後も安定的に成長し続けるためには、グループ全体でさらに踏み込んだ経営改革が必要であると認識しております。そのため、2021年4月に「BPX(ビジネス・プロセス・トランスフォーメーション)=BPR(業務プロセス改革)の上位概念」プロジェクトを開始いたしました。グループ内のあらゆる業務を再設計することで、より付加価値の高い領域へ経営資源を再配置することを目指してまいります。
④ 海外事業の推進
当社グループでは、以前より、パーソナルトレーニングジム「RIZAP(ライザップ)」やパーソナルゴルフジム「RIZAP GOLF」を、主に中国や台湾等の東アジアで事業を展開してきました。今後、新型コロナウイルス感染拡大収束後に、当社グループの海外事業を東アジアから北米・欧州に拡大し、現在海外事業を行っていないグループ会社の海外進出も加速いたします。
⑤ キャッシュ・フロー経営の強化
当社グループが今後持続的成長を実現するには、継続的に既存事業及び新規事業に投資を行っていく必要があり、そのためには、投資の原資となるキャッシュ・フローをより改善していく必要があると考えております。
その実現のため、当社グループ各社に対し重点経営管理指標を設定するとともに、グループ横断でのコスト削減・在庫最適化・売上金および買掛金の最適化等のプロジェクトを立ち上げ、キャッシュ・フローの改善を図ってまいります。
(4)経営環境
① 全般
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、2020年より感染が急拡大している新型コロナウイルス感染症の影響などによる雇用環境の悪化や、消費者マインドの低下など、いまだ先行き不透明の状況にあります。また、2021年は新型コロナワクチンの普及に伴い、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動への制限が徐々に緩和されたものの、足元では円安の継続、資源高、材料高による物価上昇等から、依然として厳しい経営環境が続いております。
また、我が国においては、業界・業態を超えた企業間の競争が激化していることに加え、少子高齢化や人口減少といった構造的な問題の他、生活様式及び購買行動の変化など、当社グループを取り巻く今後の消費マーケットが大きく変化し、当社グループを取り巻く経営環境に大きな影響を与えることが想定されております。
② ヘルスケア・美容セグメント
ヘルスケア・美容セグメントの主要事業であるフィットネスクラブ業界においては、2019年に3,347億円だった市場規模が、2020年は2,235億円まで減少、2021年も2,450億円にとどまっております(出典元:経済産業省「特定サービス産業動態統計調査 18 表 フィットネスクラブの売上高、利用者数、会員数、事業所数、従業者数及び指導員数」)。また、2022年4月において、26ヶ月連続でフィットネスクラブの会員数が減少しており(出典元:経済産業省「フィットネスクラブの動向(特定サービス産業動態統計速報(2021年12月))」)、足元においても、依然として厳しい経営環境が続いております。RIZAP株式会社のパーソナルトレーニングジム「RIZAP(ライザップ)」においては、従業員の日々の体温チェックやマスクの着用及びPCR検査の実施に加え、店舗の除菌や清掃など、新型コロナウイルス感染症対策を徹底した上で店舗営業は継続しておりますが、社会全体として経済活動の自粛を余儀なくされていることから、新規顧客獲得において引き続き一定の影響を受けることが予想されます。そのほか、パーソナルゴルフレッスン「RIZAP GOLF」やRIZAP ENGLISH株式会社が提供しているパーソナル英語レッスン「RIZAP ENGLISH」、その他MRKホールディングス株式会社や健康コーポレーション等のヘルスケアおよび美容関連の小売を展開する事業においても同様の影響を受けており、新型コロナウイルス拡大前の需要に回復するまでには至っておりません。
③ ライフスタイルセグメント
ライフスタイルセグメントが属する小売業界においては、従前より、消費者行動の多様化、根強い節約志向及び人件費や物流費の上昇等により先行き不透明な状況が続いておりました。ライフスタイルセグメントの主要事業であるアパレル業界においては、2019年に91,732億円だった市場規模が、2020年は75,158億円まで下がっております(出典元:矢野経済研究所「2021 アパレル産業白書」)。当社においても2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、更なる消費者行動の変化や、緊急事態宣言発出中はテナントビルの休業及び時短営業に伴い当社グループが運営するほぼ全店において休業や時短営業を余儀なくされるなど、営業活動に多大な影響が生じており、依然として集客の戻りが鈍い状況が常態化しつつあります。一方で、新たな収益源の柱として注力しているEC事業においては、国内のBtoCのEC化率が2019年は6.76%だったのが、2020年は8.08%まで上がっており(出典元:経済産業省「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」)、今後も新しい生活様式に即したサービス形態として、成長が見込める領域であると捉えております。
④ インベストメントセグメント
インベストメントセグメントにおいては、ヘルスケア・美容セグメントまたはライフスタイルセグメントに資する事業を行っております。主要子会社で見ると、SDエンターテイメント株式会社ではフィットネスクラブを運営しておりヘルスケア・美容セグメントと同様に足元も厳しい経営環境が続いております。また、夢展望株式会社および堀田丸正株式会社においてはアパレル事業を営んでおり、ライフスタイルセグメントと同様に、新型コロナウイルスの影響を大きく受けております。一方で、国内のBtoCのEC化率は伸長するなどしており、今後も成長が期待できる市場環境となっております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 持続的成長に向けた経営基盤の強化
当社グループは、2019 年3月期に構造改革を開始し、主に在庫や不採算事業の減損に係る構造改革関連費用を含む非経常的損失が発生したことから、営業損失および親会社の所有者に帰属する当期損失を計上いたしました。また、2020 年3月期は主に新型コロナウイルス感染拡大等の影響があったことから、2期連続となる営業損失および親会社の所有者に帰属する当期損失を計上いたしました。これにより、金融機関との間で締結した金銭消費貸借契約における財務制限条項に抵触している状況にあることから、2019 年3月期有価証券報告書より、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在する旨を記載しており、その後、2020 年3月期および 2021 年3月期の有価証券報告書においてもその旨の記載を行っておりました。
一方、当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大により不透明な経営状況が続く中、グループ機能統合プロジェクト「One RIZAP」の方針の下、新たな収益の柱としてのEC事業の成長、グループ横断的なコスト最適化などの経営合理化策を実行した結果、収益構造が大きく改善し、2021 年3月期決算では、営業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益において3年ぶりの黒字化を達成し、2022 年3月期も同様に、営業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益において2年連続の黒字化を達成しております。これら当社グループの収益が改善し黒字化を達成していること、安定的な財務基盤が構築できている点を鑑み、金融機関との間で締結している重要な借入金における金銭消費貸借契約において、財務制限条項に抵触していた状態は、現在解消されております。
これらの状況から、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は現時点において存在し ないものと判断し、有価証券報告書の「2 事業等のリスク」に記載していた「継続企業の前提に関する重要事象について」の記載を解消しております。
当社では、引き続き持続的成長に向けた経営基盤の強化のための構造改革施策を実施してまいります。具体的には、グループ横断的なコスト最適化や業務合理化、在宅勤務常態化による本社家賃の低減をはじめとする固定費の削減、不採算店舗の統廃合などを進め、収益力の向上を目指してまいります。加えて、事業売却やグループ資金の活用等により事業活動に必要な資金を確保するための施策を講じており、当面の資金状況は安定して推移する見通しです。
② 人材の確保及び管理体制の強化
当社グループは、人材の確保が経営の重要課題の一つであると認識しております。今後の業績拡大のため、エンジニアを含むDX(デジタルトランスフォーメーション)人材を確保するとともに、引き続き、商品企画開発、マーケティング、営業等の事業成長に直結する能力を有する人材、そして業績管理やコンプライアンス等グループ全体を適切に管理できる能力を有する人材の確保が重要と考えております。グループ内での機能統合や人材の活用、外部からの採用等を行うことで、経営基盤の強化を着実に進めたいと考えております。
③ 消費者ニーズの変化に対応する新商品・新サービスの開発
今後当社グループが業績を伸ばしていくためには、新型コロナウイルス感染拡大で急速に変化している消費者の購買行動やニーズに合致した新商品や新サービスの企画開発に努める必要があります。また、そのような消費者ニーズの変化に対応しながら、特にPB商品やその他商品・サービスのラインアップの充実とライフサイクルの段階に応じた新商品や新サービスの投入の強化を図ってまいります。
④ リピート顧客の育成
当社グループが安定的な利益を生み出すためには、新規顧客だけでなく継続的に商品やサービスをご購入いただくリピート顧客の獲得が重要となります。当社グループは、新規にご購入いただいたお客様にリピートしていただくため、コールセンターによるフォローコールや、コミュニケーションツールとしてのショッピングサイトの構築等、顧客満足度の向上に努め、リピート顧客=ファン顧客の獲得・拡大に取り組んでまいります。
⑤ マーケティングの強化
当社グループのヘルスケア・美容事業において、売上に対する広告宣伝費の割合は高く、新規顧客獲得のための広告宣伝活動は非常に重要であります。当社グループは、広告宣伝活動の強化を推進するとともに、費用対効果の高い広告宣伝媒体・手法を常に開拓し、顧客獲得コストの最適化を図ってまいります。
⑥ グループシナジーの活用
当社グループは、グループ内の事業との親和性の高い事業を運営する企業を子会社化し、グループを拡大してまいりました。今後は個々の事業会社の強みを活かしながら、グループ会社間でのシナジーを最大限に発揮するための企業間連携を更に強め、グループ全体での売上・利益拡大の実現に向け取り組んでまいります。
⑦ コンプライアンス体制の強化
当社グループは、各種事業を営むにあたり、大量に個人情報を収集・保有しております。個人情報保護を徹底するため、引き続き管理体制の強化に努めてまいります。
また、当社グループは「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「食品衛生法」、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」、「製造物責任法(PL法)」、「特定商取引に関する法律」等、多くの法的規制を受けており、関係部門で関係諸法令のチェック体制を常に整備しておく必要があります。
当社は、当社およびグループ会社の財務報告の信頼性を確保するために内部統制システムの構築を行い、その仕組みが適正に機能することを継続的に評価し、不備があれば必要な是正を行うことにより、「金融商品取引法」およびその他関係法令等を遵守する体制を整備してまいります。
今後も、コンプライアンス体制の充実に積極的に取り組んでまいります。
⑧ 決算業務における体制強化
当社は2021年11月26日に「過年度の有価証券報告書等および決算短信等の訂正に関するお知らせ」にて公表いたしましたとおり、過年度において、IFRS第16 号「リース」の適用開始時点での会計処理を検討する際に、当社の連結子会社であった株式会社ワンダーコーポレーション(現在、当社連結子会社 REXT株式会社の子会社)から提出されたリース契約に関する報告から、一部の賃貸借契約が漏れていたこと等が判明したため、過年度において決算訂正をしております。
当社は、本事案を受け、当社グループの連結子会社における経理部門社員の RIZAPビジネスイノベーション株式会社(当社連結子会社:企業のバックオフィス業務の受託等)への集約による経理機能の強化、経理部門のさらなる専門知識の向上、IFRS第16号を中心とした連結決算手続きにおける業務手順の見直しを図り、再発防止の徹底に努めてまいります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「『人は変われる。』を証明する」をグループ理念として掲げ、全ての人が、より健康に、より輝く人生を送るための「自己実現産業」を事業領域として様々な商品、サービスを提供しております。当社グループではこのグループ理念をグループ全社で共有し、世界中から必要とされ続ける商品・サービスを提供し続けることを使命として事業を推進しています。
(2)目標とする経営指標
当社は継続的な収益力の指標として「営業利益」を、成長性の観点から「売上収益」を経営指標としております。また、事業毎の収益性の観点から「売上収益営業利益率」を補助指標としております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
2022年3月期は、新型コロナウイルス感染拡大の収束時期が依然として不透明であった中で、2021年3月期に引き続き「新型コロナウイルス危機対応」として、グループ各社の共通機能の統合を進め、スケールメリットを最大化し、グループ全体のコスト最適化を行うとともに、非対面・非接触事業の開発を通じた新たな収益源の確保を進め、さらに安定した財務運営を目指してまいりました。これらによって、営業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益において2年連続の黒字化を達成しております。
2023年3月期につきましては、過去2期において実行したコスト構造改革を中心とした経営改革や、「BPX(ビジネス・プロセス・トランスフォーメーション)」プロジェクトの継続によるグループ内のあらゆる業務の再設計とより付加価値の高い領域への経営資源の再配置の推進に加え、当社グループのコア事業であるRIZAPボディメイク事業における戦略的な成長投資なども検討しております。
主な重点施策は以下のとおりです。
① グループ管理体制の強化およびグループ機能統合
当社グループは当社および連結子会社70社で構成されており、今後の持続的成長のためには、各社の経営管理体制を整備し、経営の機動性および計画実行の確実性を向上させていくことが必要と考えております。
2022年3月には新たに「事業管理基準」を制定、全事業を対象に四半期ごとに定量・定性の基準をもって判定し、基準を満たさない場合は取締役会・経営会議等にて継続的にモニタリングを行うこととしております。
また、「新型コロナウイルス危機対応」の一環として、グループ各社の共通機能の統合を目的とした「One RIZAP」プロジェクトを開始、現在も機能強化のためにグループ会社間での人材の流動化を進めるとともに、グループ各社の営業、人事、マーケティング等の共通機能の統合を加速し、既存事業のビジネスモデル変革による収益力の強化を継続しております。
② 新規事業の創出
足元、消費者の購買行動はコロナ禍で急速に変化しつつあり、これまで「対面・接触型」で行っていたあらゆるビジネスが「非対面・非接触」に移行することが求められています。当社グループでも、全グループ会社でEC(電子商取引)化の加速を経営の重点施策の一つとしています。
具体的には、小売業を営むグループ会社において、自社オンラインショップの充実やマーケティング施策の拡充を進めております。また、パーソナルトレーニングジム「RIZAP」において、オンライントレーニングの拡充やトレーニング関連動画の配信を拡充しているほか、今後はウエアラブル端末などを用いた遠隔での健康維持・ダイエットサポートサービスの充実を計画しております。
③ BPX(ビジネス・プロセス・トランスフォーメーション)の推進
益々不透明性を増す経済環境下で、当社グループが今後も安定的に成長し続けるためには、グループ全体でさらに踏み込んだ経営改革が必要であると認識しております。そのため、2021年4月に「BPX(ビジネス・プロセス・トランスフォーメーション)=BPR(業務プロセス改革)の上位概念」プロジェクトを開始いたしました。グループ内のあらゆる業務を再設計することで、より付加価値の高い領域へ経営資源を再配置することを目指してまいります。
④ 海外事業の推進
当社グループでは、以前より、パーソナルトレーニングジム「RIZAP(ライザップ)」やパーソナルゴルフジム「RIZAP GOLF」を、主に中国や台湾等の東アジアで事業を展開してきました。今後、新型コロナウイルス感染拡大収束後に、当社グループの海外事業を東アジアから北米・欧州に拡大し、現在海外事業を行っていないグループ会社の海外進出も加速いたします。
⑤ キャッシュ・フロー経営の強化
当社グループが今後持続的成長を実現するには、継続的に既存事業及び新規事業に投資を行っていく必要があり、そのためには、投資の原資となるキャッシュ・フローをより改善していく必要があると考えております。
その実現のため、当社グループ各社に対し重点経営管理指標を設定するとともに、グループ横断でのコスト削減・在庫最適化・売上金および買掛金の最適化等のプロジェクトを立ち上げ、キャッシュ・フローの改善を図ってまいります。
(4)経営環境
① 全般
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、2020年より感染が急拡大している新型コロナウイルス感染症の影響などによる雇用環境の悪化や、消費者マインドの低下など、いまだ先行き不透明の状況にあります。また、2021年は新型コロナワクチンの普及に伴い、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動への制限が徐々に緩和されたものの、足元では円安の継続、資源高、材料高による物価上昇等から、依然として厳しい経営環境が続いております。
また、我が国においては、業界・業態を超えた企業間の競争が激化していることに加え、少子高齢化や人口減少といった構造的な問題の他、生活様式及び購買行動の変化など、当社グループを取り巻く今後の消費マーケットが大きく変化し、当社グループを取り巻く経営環境に大きな影響を与えることが想定されております。
② ヘルスケア・美容セグメント
ヘルスケア・美容セグメントの主要事業であるフィットネスクラブ業界においては、2019年に3,347億円だった市場規模が、2020年は2,235億円まで減少、2021年も2,450億円にとどまっております(出典元:経済産業省「特定サービス産業動態統計調査 18 表 フィットネスクラブの売上高、利用者数、会員数、事業所数、従業者数及び指導員数」)。また、2022年4月において、26ヶ月連続でフィットネスクラブの会員数が減少しており(出典元:経済産業省「フィットネスクラブの動向(特定サービス産業動態統計速報(2021年12月))」)、足元においても、依然として厳しい経営環境が続いております。RIZAP株式会社のパーソナルトレーニングジム「RIZAP(ライザップ)」においては、従業員の日々の体温チェックやマスクの着用及びPCR検査の実施に加え、店舗の除菌や清掃など、新型コロナウイルス感染症対策を徹底した上で店舗営業は継続しておりますが、社会全体として経済活動の自粛を余儀なくされていることから、新規顧客獲得において引き続き一定の影響を受けることが予想されます。そのほか、パーソナルゴルフレッスン「RIZAP GOLF」やRIZAP ENGLISH株式会社が提供しているパーソナル英語レッスン「RIZAP ENGLISH」、その他MRKホールディングス株式会社や健康コーポレーション等のヘルスケアおよび美容関連の小売を展開する事業においても同様の影響を受けており、新型コロナウイルス拡大前の需要に回復するまでには至っておりません。
③ ライフスタイルセグメント
ライフスタイルセグメントが属する小売業界においては、従前より、消費者行動の多様化、根強い節約志向及び人件費や物流費の上昇等により先行き不透明な状況が続いておりました。ライフスタイルセグメントの主要事業であるアパレル業界においては、2019年に91,732億円だった市場規模が、2020年は75,158億円まで下がっております(出典元:矢野経済研究所「2021 アパレル産業白書」)。当社においても2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、更なる消費者行動の変化や、緊急事態宣言発出中はテナントビルの休業及び時短営業に伴い当社グループが運営するほぼ全店において休業や時短営業を余儀なくされるなど、営業活動に多大な影響が生じており、依然として集客の戻りが鈍い状況が常態化しつつあります。一方で、新たな収益源の柱として注力しているEC事業においては、国内のBtoCのEC化率が2019年は6.76%だったのが、2020年は8.08%まで上がっており(出典元:経済産業省「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」)、今後も新しい生活様式に即したサービス形態として、成長が見込める領域であると捉えております。
④ インベストメントセグメント
インベストメントセグメントにおいては、ヘルスケア・美容セグメントまたはライフスタイルセグメントに資する事業を行っております。主要子会社で見ると、SDエンターテイメント株式会社ではフィットネスクラブを運営しておりヘルスケア・美容セグメントと同様に足元も厳しい経営環境が続いております。また、夢展望株式会社および堀田丸正株式会社においてはアパレル事業を営んでおり、ライフスタイルセグメントと同様に、新型コロナウイルスの影響を大きく受けております。一方で、国内のBtoCのEC化率は伸長するなどしており、今後も成長が期待できる市場環境となっております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 持続的成長に向けた経営基盤の強化
当社グループは、2019 年3月期に構造改革を開始し、主に在庫や不採算事業の減損に係る構造改革関連費用を含む非経常的損失が発生したことから、営業損失および親会社の所有者に帰属する当期損失を計上いたしました。また、2020 年3月期は主に新型コロナウイルス感染拡大等の影響があったことから、2期連続となる営業損失および親会社の所有者に帰属する当期損失を計上いたしました。これにより、金融機関との間で締結した金銭消費貸借契約における財務制限条項に抵触している状況にあることから、2019 年3月期有価証券報告書より、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在する旨を記載しており、その後、2020 年3月期および 2021 年3月期の有価証券報告書においてもその旨の記載を行っておりました。
一方、当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大により不透明な経営状況が続く中、グループ機能統合プロジェクト「One RIZAP」の方針の下、新たな収益の柱としてのEC事業の成長、グループ横断的なコスト最適化などの経営合理化策を実行した結果、収益構造が大きく改善し、2021 年3月期決算では、営業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益において3年ぶりの黒字化を達成し、2022 年3月期も同様に、営業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益において2年連続の黒字化を達成しております。これら当社グループの収益が改善し黒字化を達成していること、安定的な財務基盤が構築できている点を鑑み、金融機関との間で締結している重要な借入金における金銭消費貸借契約において、財務制限条項に抵触していた状態は、現在解消されております。
これらの状況から、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は現時点において存在し ないものと判断し、有価証券報告書の「2 事業等のリスク」に記載していた「継続企業の前提に関する重要事象について」の記載を解消しております。
当社では、引き続き持続的成長に向けた経営基盤の強化のための構造改革施策を実施してまいります。具体的には、グループ横断的なコスト最適化や業務合理化、在宅勤務常態化による本社家賃の低減をはじめとする固定費の削減、不採算店舗の統廃合などを進め、収益力の向上を目指してまいります。加えて、事業売却やグループ資金の活用等により事業活動に必要な資金を確保するための施策を講じており、当面の資金状況は安定して推移する見通しです。
② 人材の確保及び管理体制の強化
当社グループは、人材の確保が経営の重要課題の一つであると認識しております。今後の業績拡大のため、エンジニアを含むDX(デジタルトランスフォーメーション)人材を確保するとともに、引き続き、商品企画開発、マーケティング、営業等の事業成長に直結する能力を有する人材、そして業績管理やコンプライアンス等グループ全体を適切に管理できる能力を有する人材の確保が重要と考えております。グループ内での機能統合や人材の活用、外部からの採用等を行うことで、経営基盤の強化を着実に進めたいと考えております。
③ 消費者ニーズの変化に対応する新商品・新サービスの開発
今後当社グループが業績を伸ばしていくためには、新型コロナウイルス感染拡大で急速に変化している消費者の購買行動やニーズに合致した新商品や新サービスの企画開発に努める必要があります。また、そのような消費者ニーズの変化に対応しながら、特にPB商品やその他商品・サービスのラインアップの充実とライフサイクルの段階に応じた新商品や新サービスの投入の強化を図ってまいります。
④ リピート顧客の育成
当社グループが安定的な利益を生み出すためには、新規顧客だけでなく継続的に商品やサービスをご購入いただくリピート顧客の獲得が重要となります。当社グループは、新規にご購入いただいたお客様にリピートしていただくため、コールセンターによるフォローコールや、コミュニケーションツールとしてのショッピングサイトの構築等、顧客満足度の向上に努め、リピート顧客=ファン顧客の獲得・拡大に取り組んでまいります。
⑤ マーケティングの強化
当社グループのヘルスケア・美容事業において、売上に対する広告宣伝費の割合は高く、新規顧客獲得のための広告宣伝活動は非常に重要であります。当社グループは、広告宣伝活動の強化を推進するとともに、費用対効果の高い広告宣伝媒体・手法を常に開拓し、顧客獲得コストの最適化を図ってまいります。
⑥ グループシナジーの活用
当社グループは、グループ内の事業との親和性の高い事業を運営する企業を子会社化し、グループを拡大してまいりました。今後は個々の事業会社の強みを活かしながら、グループ会社間でのシナジーを最大限に発揮するための企業間連携を更に強め、グループ全体での売上・利益拡大の実現に向け取り組んでまいります。
⑦ コンプライアンス体制の強化
当社グループは、各種事業を営むにあたり、大量に個人情報を収集・保有しております。個人情報保護を徹底するため、引き続き管理体制の強化に努めてまいります。
また、当社グループは「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「食品衛生法」、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」、「製造物責任法(PL法)」、「特定商取引に関する法律」等、多くの法的規制を受けており、関係部門で関係諸法令のチェック体制を常に整備しておく必要があります。
当社は、当社およびグループ会社の財務報告の信頼性を確保するために内部統制システムの構築を行い、その仕組みが適正に機能することを継続的に評価し、不備があれば必要な是正を行うことにより、「金融商品取引法」およびその他関係法令等を遵守する体制を整備してまいります。
今後も、コンプライアンス体制の充実に積極的に取り組んでまいります。
⑧ 決算業務における体制強化
当社は2021年11月26日に「過年度の有価証券報告書等および決算短信等の訂正に関するお知らせ」にて公表いたしましたとおり、過年度において、IFRS第16 号「リース」の適用開始時点での会計処理を検討する際に、当社の連結子会社であった株式会社ワンダーコーポレーション(現在、当社連結子会社 REXT株式会社の子会社)から提出されたリース契約に関する報告から、一部の賃貸借契約が漏れていたこと等が判明したため、過年度において決算訂正をしております。
当社は、本事案を受け、当社グループの連結子会社における経理部門社員の RIZAPビジネスイノベーション株式会社(当社連結子会社:企業のバックオフィス業務の受託等)への集約による経理機能の強化、経理部門のさらなる専門知識の向上、IFRS第16号を中心とした連結決算手続きにおける業務手順の見直しを図り、再発防止の徹底に努めてまいります。