有価証券報告書-第100期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/10 10:40
【資料】
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【項目】
157項目
(2)人的資本
1.人的資本経営の取組み
トヨタ紡織グループは2030年目指す姿を「インテリアスペースクリエイターとして快適な移動空間を実現し、製品、顧客の幅を広げながら社会課題の解決に貢献している会社」としています。今後、自動車市場の変化や顧客ニーズの多様化に対応し、ものづくりの競争力を磨き続けることに加え、お客さまへの提供価値の拡大を図り、車室空間全体を企画・提案できるインテリアスペースクリエイターへ成長していくことが必要です。
これを実現するためには、多様なアイデンティティを持つ人材がトヨタ紡織グループに魅力を感じて集まり、自由に意見を出し合い尊重し合うことで、これまでにない新しい価値やアイデアを創出し続けられる環境をつくっていくことが重要です。このため、事業戦略と整合した人材戦略が必要であり、2023年には人的資本経営のフレームワークとして7つの人材戦略を策定するとともに、それぞれの達成度をモニタリングするためのKPIを設定しました。2024年からは人材戦略の実行とKPIを用いた評価によりPDCAサイクルを回し、2030年に向けて必要な人づくりを体系的に進めています。
私たちのありたい姿の実現に向け、人的資本経営のサイクルを確立しレベルアップすることにより、すべての社員、その家族、さらにはお客さまのWell-beingの実現につなげたいと考えています。
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2.取り組むべき人材戦略
0102010_008.png※ 人的資本に関する取り組み・KPIの詳細は、「人的資本レポート」をご参照ください。https://www.toyota-boshoku.com/_assets/dl/company/library/human_capital_2024.pdf
1)必要な人材の明確化
人材ポートフォリオに基づく採用・育成と、人材の活躍状況をモニタリングする仕組みを構築し、活躍の3領域における必要な人材の適時かつ効率的な確保を目指します。2030年に向けて必要な専門スキル別に、必要人数と現在のスキル保有者数を見える化するため、全社員の専門スキルの保有状況を調査しました。その結果、将来においてDX系スキルなど一部のスキルについて人材が不足する可能性があることが分かったため、人材確保に向けた取り組みを立案、推進しています。適性検査などで人員構成を見える化し、各組織へフィードバックを実施した後、スキル別や人材のタイプ別に必要数を達成するためのアクションプランを策定し、人材育成につなげていきます。
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また、日本本社との連携のために海外に派遣している多くの日本人コーディネーター(非ライン長)を適正化し、帰任者が新領域で活躍できるよう、日本以外の国の拠点長・統括会社機能トップポストのローカル化も推進しています。
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2)優秀な人材の確保
インテリアスペースクリエイターの実現・グローバル拡大に向けて、活躍の3領域に必要なスキルや経験を具体的に明示し、それにマッチする優秀な人材を積極的に迎え入れることで、事業戦略の実現につなげていきます。
入社後は、新入社員一人ひとりに職場先輩をつけ、OJTサポートを行っています。具体的には、定期的な面談や成果の発表会を通じて、新入社員の成長を支援します。さらに、月に1回、新入社員の心理状態や上司からの評価をアンケートで確認することで、必要に応じて適切なサポートを提供しています。また、ダイバーシティの観点から、外国籍者や障がい者を積極採用しています。インターンシップなどの機会を提供し、外国籍者に対して2ヶ月半の職場実習、障がい者に対して1DAYイベントを行いました。実際の業務を経験するプログラムを通じて、採用候補者と職場の双方が互いに理解を深め、納得したうえでの採用に努めています。今後も採用を強化していきます。
0102010_012.png※1.正社員、ICT(Intra Company Transferee)の人数
3)成長への支援
活躍の3領域それぞれで活躍できる人材育成に注力し、幹部人材や経営者層を育成するとともに、専門分野を超えた教育やキャリア機会の提供、デジタル人材の育成を進めています。社員一人ひとりがキャリアを主体的に考え、挑戦を後押しする制度を拡充し、成長への支援を促進しています。トヨタ紡織グループの将来を担う若手・女性・外国籍社員を中心とした「Next100」を選抜し、グローバル幹部教育プログラムの受講や、人材育成・最適配置の観点でGSC・RSC(※2)においてグループ企業・部門を超えた議論を通じて、計画的な人材育成を実施しています。
2023年度からは、越境学習を目的とした「TBシェアプロ活動」(※3)を開始し、業務革新につながる挑戦を促進しています。2024年度には参加者8人が3チームに分かれ、日頃取引関係のない企業3社さまと協力して企業さまが目指す理想の状態を実現できるよう、個人向け商品販売やイベントを企画しました。新たな知見を得るとともに自身の成長を実感し活動後も主体的に自己成長に励み続けています。
さらに、事業領域の拡大や新規ビジネス創出を目指した「Re:act」「We:ave」プログラムを実施し、アイデア創出ワークショップを開催しました。社員の専門分野を超えた挑戦を後押しするため、社内公募制度の対象を若手社員に拡大し、2024年度には30人の異動を実現しました。また、他部門業務経験を通じてキャリアを広げるため、対象部門限定で社内副業制度の試行運用にも取り組んでいます。これらの取り組みにより、社員の成長とキャリア形成を促進しています。
※2.GSC:Global Succession Committee RSC:Regional Succession Committee
※3.地域の中小企業・団体の事業推進・経営革新プロジェクトに期間限定で取り組む、越境学習をベースとした実践型人材育成プログラム
4)ダイバーシティ&インクルージョンの浸透
2022年、社員の生の声を把握し、経営陣に伝えて問題解決につなげるための従業員ネットワークグループ、ENRG(Employee Network Resources Group)を設立しました。「女性」「若手」「外国人」「シニア」「障がい者」の5つのグループに分かれて総勢100人が活動しています。2023年からは年1回、ENRGが主体となり「D&Iウィーク」を開催しています。妊婦体験、車いす体験、手話体験、多国籍料理紹介、育児休職取得者(男性・女性)の経験談紹介、先進他社の方をお招きしてD&Iに関するパネルディスカッションなどを行いました。
女性社員のキャリア支援では、重点育成対象者を登録し、個別育成計画を立案して各職場で育成しています。女性社員のさらなる活躍促進のため、育休後の復職を見据えた、上司・女性社員・配偶者向けのセミナー、女性主任職を対象としたキャリアセミナー、アンコンシャスバイアス研修などを行っています。
0102010_013.pngそして、性別に限らず、育児や介護などさまざまなライフイベントに直面した社員に多様な選択肢を与えることでキャリアとの両立を図れるよう、各種制度の見直しも行ってきました。2024年4月から、家族のケア(育児・介護・配偶者の妊娠サポート)・不妊治療で取得できる「ライフサポート休暇」を新設しました。この休暇は時間単位での取得も可能なため、フレックスタイムの利用ができない技能職場でも、家庭の事情に合わせたフレキシブルな働き方が可能です。また、社員のさまざまな事情に配慮し、名称の問題から取得しがたかった生理休暇やつわり休暇といった女性特有の休暇を統合し、名称を「F(Female)ケア休暇」へと変更しました。育児理由の短時間勤務制度もフレックスやテレワークが可能なことに加え、選択できる勤務時間を拡充し、子どもの年齢が18歳まで利用できます。
仕事と家庭を両立できる環境整備が、社員のモチベーション向上や業務の進め方の見直しにつながると考え、男性の育休への意識向上と職場の理解を推進しています。2023年からは、育児休業給付金の受給後も減少する収入を補填する支援金制度を開始し、育休中の経済面でのサポートを行い、取得を後押ししています。
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5)働きやすさの追求
2024年4月に人材戦略部、総務部の関連機能を統合し、専門組織としてウェルビーイング推進室を設置しました。ウェルビーイング推進室では、社会貢献活動、企業スポーツ推進、会社イベントを通じたWell-beingの実現を追求しつつ、中長期的なロードマップを描き、持続的な活動となるよう取り組みを進めています。
また、働き方改革として、テレワークガイドラインの見直し、遠隔地における長期リモートワークの導入、会議体の見直しやノー会議デーの設定など、より柔軟で効率的かつ創造的に働けるよう、環境整備を行っています。同時に、誰もが自分の考えを気兼ねなくオープンにできる「風通しのよい職場風土」を醸成するため、社長との職場懇談会、職場対話会、思いやりコミュニケーション研修、いきいきコミュニケーション活動(コミュニケーション費用を会社が補助)を実施しました。
2024年度より、従来の従業員サーベイから各職場での分析や他社とのベンチマークが可能なトヨタ紡織EX(Employee Experience)サーベイに刷新し、従業員エンゲージメントの肯定回答率を重要なKPIとして捉えていくことにしました。従業員の声を人材戦略・施策・職場改善へ効果的に繋げ、従業員エンゲージメント(組織や業績目標に自発的に貢献しようとする意欲)の向上に向けて、多様な価値観や考え方を持つ社員が協力し合い、ともに成長できる職場づくりを推進します。
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6)健康・安全の増進
「安全衛生基本方針」に基づいて、「社員の健康と安全はすべてに優先する」という企業風土の確立のため、健康経営および安全衛生マネジメントを推進しています。
健康経営では、社員の健康増進を経営課題の一つと捉え、「トヨタ紡織 健康宣言」のもと、一人ひとりが心身ともに健康にいきいきと働くことで、持てる能力を最大限発揮できる会社づくりを進めています。CEOを最高責任者とした関係部署と推進体制を構築し、戦略マップをもとに取り組んでいます。当社の活動が評価され、4年連続で2024年度「健康経営優良法人2025(ホワイト500)」に認定されました。安全衛生では、労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)に沿った活動をグローバルに行っており、安全な職場環境を地域や職種を問わず当社のあらゆる職場で実現できるよう、生産トップによる安全防火点検や安全防火クロスチェックなどを実施しています。
7)コンプライアンス・倫理の遵守
「よき企業市民として社会との調和ある成長を目指す」ことを基本理念に掲げ、経営トップの強いリーダーシップのもとで、グローバルにコンプライアンスのあり方、推進体制、活動内容・目標を明確にし、各地域の法務担当者が課題を共有しながらコンプライアンス活動の強化を図っています。コンプライアンスを重視した倫理的な職場づくりとして、ハラスメント防止活動を強化し、2023年度は全ライン長にフォローアップ研修を実施、2024年度はアニメを活用した動画教材を新たに制作して全従業員に展開しました。
また、経営に関わるリスクや外部環境に起因するリスクにも迅速に対応するため、リスクマネジメントの強化とリスク低減にも積極的に取り組んでいます。

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