有価証券報告書-第21期(2022/01/01-2022/12/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
1.会社の経営の基本方針
当社グループは「暮らしと社会の明日を紡ぐトーア紡」を経営理念とし、トーア紡クオリティの追求と新しい
価値の創造、環境負荷の低減に積極的に取り組むことを通じて、モノづくりの伝統を未来へつなげることを基本
方針としております。
そして社会に貢献し、必要な存在として認められる企業集団となり、常に自らも成長・発展し続ける「暮らし
と社会の明日を紡ぐ企業」として、事業の永続性を確かなものとする努力をしております。
2.経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(1)目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略
当社グループを取り巻く経営環境は、コロナ禍を契機としたデジタル化の加速、SDGsによる世界的な規
模での環境や人権リスクへの意識の高まり、原燃料高などによるコスト増など、様々な要素が複雑に絡み合
い、困難かつ柔軟なかじ取りが必要になってきております。そのような環境背景に対応すべく、既存の基幹
5事業(衣料・インテリア産業資材・エレクトロニクス・ファインケミカル・不動産)については新領域へ
の展開も視野に入れた効率的かつ持続可能な仕組みの再構築を行い、一方で次世代を見据えた新事業の創出を
喫緊の課題と捉え、令和4年度を初年度とする中期経営計画(令和4年12月期~令和6年12月期)を策定し、実行しております。
当社グループでは、中期経営計画の達成に向け下記の5点を重点施策とし取り組んでおります。
1.強み、成長分野を見据えたポートフォリオの再構築
ウィズコロナ、アフターコロナを見据えた環境変化に対応するため、衣料事業・インテリア産業資材事
業・エレクトロニクス事業・ファインケミカル事業・不動産事業の基幹5事業については、新領域への展開
も含めたセグメント内での選択と集中を行い、収益基盤を確実なものにしてまいります。
2.持続的な成長に資する重点的な設備投資
この3か年を持続的な成長へ向けた準備期間と位置づけ、新規事業創出と育成に注力するとともに、環境
負荷低減を実現する投資を積極的に行います。
3.環境に配慮したバリューチェーンの構築などサステナビリティへの取り組み
原材料から製品までのサプライチェーン全体で快適な製品の供給と環境負荷低減の両立を実現させる仕組
み「TOABO GREEN VALUE CHAIN」の構築を足掛かりに、サステナビリティへの取り
組みを加速させます。
4.SDGs、機能性を切り口にした新領域への展開
持続可能な環境に配慮した事業活動と快適性を追求した機能素材開発を通じて、新たな価値を生み出し、新領域への展開を目指します。
5.DXによる業務改善、改革の継続的推進
モノづくりを始め、あらゆるシーンでITの活用を推進し、ビジネスモデルや組織を変革、企業の優位性
を高めます。
これらの施策により、安定的な事業基盤の確立を目指してまいります。
なお、中期経営計画の詳細につきましては、令和4年2月15日に発表いたしました「中期経営計画の策定に
関するお知らせ」をご覧ください。
当社グループの目標値を次のように設定しております。
(単位:百万円)
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
世界的な半導体不足、ウクライナ情勢や更なるインフレ懸念等により、不透明な経営環境が続くものと予想
されますが、このような状況下、中期経営計画の2年目となる令和5年度は、各事業分野において以下の取り
組みを進めてまいります。
・衣料事業
地政学リスクの高まりや原材料、エネルギーコストの上昇等激変する経済環境の中、中期経営計画2年目と
なる今年は、その最重要課題である盤石な事業体制の構築へ向けて以下の施策を進めていきます。
1. 持続可能なバリューチェーンの構築
メーカーとして、自社グループをはじめ、協力会社を含めた持続可能で強固なバリューチェーンを構築
し、環境負荷低減と経済合理性の両立を実現していきます。
2. DXの推進
FAの計画的導入も含めた工程、業務フローの見直し等、生産効率の向上、業務変革を徹底的に推し進め
ます。
3. 海外拠点の活用
既存の中国、東南アジアの拠点について、部門の枠を超えた視点で、製造拠点としてのみならず、商品開
発、それに伴った市場創造の側面から有効活用し総合力を高めます。
4. 毛糸部門の販売強化
国内の梳毛紡績会社の集約が進む中、国内外に生産工場・拠点を持つという背景、強みを活かして販売網
の構築に取り組みます。
・インテリア産業資材事業
インテリア産業資材事業は以下の3つの戦略を推し進めていきます。
1. 生産の効率化
国内、中国子会社とも新規商材の立ち上げ、および効率化を図るため既存設備の改修、改造および工程の見える化による生産の効率化を進めていきます。
2. 品質へのプライド・ものづくりへのこだわり
すべての分野で新規商材の受注獲得のための新規開発を進めていきます。
ポリプロファイバーでは、高機能綿の開発・販売、カーペット不織布では、高付加価値機能商材の開発・販売を目指します。
3. 環境に配慮したものづくり
導入済みの環境に配慮した排水処理設備の適切な運用と更新を実施するとともに、工場で使用するエネルギーの低炭素排出へのシフトを実現し、環境負荷低減を推し進めます。また、リサイクル事業では、産官学共同研究による「リサイクル炭素繊維の連続繊維化および製布化」に取り組んでおり、リサイクルカーボンファイバーの高付加価値製品化を目指します。
・エレクトロニクス事業
昨年度前半は、一昨年から続く半導体不足による大幅な受注増により増収・増益となりましたが、後半に入
りロシアによるウクライナ侵攻や高インフレによる景気後退の影響が見られ、受注が減少しました。今年度も国際秩序の不安定化が続くことが予想され、厳しい経営環境の見通しです。
主要分野において以下の重要施策を推進していきます。
1. ACコントローラー分野
DXを活用し、生産管理、品質管理を向上させます。生産ラインについては自動はんだ付け装置導入など省力化を推進し、下期の受注回復時には速やかに量産対応できるように生産効率向上を目指します。
2. 電子デバイス分野
半導体デバイスにおいては、引き続き産業機器向け製品は供給不足の状況にありますが、いくつかのカテゴリーでは供給不足が解消されています。そのため、逼迫部品と在庫過多部品の調整を行いながら、サプライヤーと協力関係を維持して安定確保を図ります。
その上で、今まで参入できていない事務機、フェムテック分野への積極的な営業を進めます。
3. 成長期待分野
ロボットに使用される減速機は、生産数量を拡大して国内外の販売を強化していきます。
電子棚札や個人向けビールサーバーは、昨年度は生産部材の確保ができず販売遅延となりましたが、今年は部材確保の見通しが立っているため、販売増を目指します。
4. 新規案件開発
大阪工場主体で国内外注先と提携して国産品の開発・製造をスタートさせ、海外情勢の変化に対応できるような生産基盤作りを目指します。
・ファインケミカル事業
ウクライナ情勢やインフレが止まらない欧米の経済情勢下、不確実性がさらに高まる混沌とした事業環境で
はありますが、将来の成長軌道を確かなものとするために、今年度も中期経営計画に沿った以下の重要戦略を推進していきます。
1. 世界的な調整局面に入った電子材料分野ですが、中長期的には市場拡大が見込まれると捉え、一昨年来よ
り進めてきた能力増強投資の成果を売上利益拡大につながるように取り組みを強化します。また、需要の旺盛な半導体プロセス材料向け生産能力増強ならびに品質力の向上にも努め需要家の要望にしっかり応える体制に注力します。
2. ヘルスケア分野はオーソライズド・ジェネリック品との厳しい競争が予想されますが、地道なコスト低減
策を講じて競争力の向上に努めます。また、中国製から国内品に切り替わる多様な受託ニーズを的確に捉え、新規受託材料獲得に向け積極的な営業活動を展開します。
3. DXのさらなる推進で業務効率化・生産性向上をより確かなものとし収益力を高めます。省エネ・サーキ
ュラーエコノミー推進やプロセス改善に継続的に取り組むことで地球環境保全という人類共通の課題解決に貢献し、持続可能かつ社会に必要とされるファインケミカル事業の発展を追求します。
・不動産事業
資産の有効活用と安定収益確保のため、以下の4つの重点施策を進めていきます。
1. 事務所賃貸については、オフィス環境の満足度を高めるため、今後も設備のリニューアルを継続してい
きます。
2. 商業施設については、稼働率と収益性を高めるため、計画的に修繕を行い付加価値の維持向上を図りま
す。
3. 老朽化した施設については、新規テナント誘致のため、建て替えなど新たなスキームを検討していきま
す。
4. 保有森林の維持管理など SDGsを意識した資産の活用を促進し、環境負荷低減への貢献を図ります。
当社グループは、創業者の訓示である「顧客満足」「重点主義」「公平性」を脈々と受け継ぎ、人々そして暮
らしの「アメニティ=快適・ここちよさ」を追求する「暮らしと社会の明日を紡ぐ」企業グループであり続けるという理念のもと、以上のような取り組みを通じて持続的な成長と企業価値の向上に尽力していきます。
また、法令順守や危機管理を一層徹底するため、「トーア紡グループ企業行動憲章」のさらなる定着と実践を
推進し、より実効性のある内部統制の整備、運用に取り組んでまいります。
1.会社の経営の基本方針
当社グループは「暮らしと社会の明日を紡ぐトーア紡」を経営理念とし、トーア紡クオリティの追求と新しい
価値の創造、環境負荷の低減に積極的に取り組むことを通じて、モノづくりの伝統を未来へつなげることを基本
方針としております。
そして社会に貢献し、必要な存在として認められる企業集団となり、常に自らも成長・発展し続ける「暮らし
と社会の明日を紡ぐ企業」として、事業の永続性を確かなものとする努力をしております。
2.経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(1)目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略
当社グループを取り巻く経営環境は、コロナ禍を契機としたデジタル化の加速、SDGsによる世界的な規
模での環境や人権リスクへの意識の高まり、原燃料高などによるコスト増など、様々な要素が複雑に絡み合
い、困難かつ柔軟なかじ取りが必要になってきております。そのような環境背景に対応すべく、既存の基幹
5事業(衣料・インテリア産業資材・エレクトロニクス・ファインケミカル・不動産)については新領域へ
の展開も視野に入れた効率的かつ持続可能な仕組みの再構築を行い、一方で次世代を見据えた新事業の創出を
喫緊の課題と捉え、令和4年度を初年度とする中期経営計画(令和4年12月期~令和6年12月期)を策定し、実行しております。
当社グループでは、中期経営計画の達成に向け下記の5点を重点施策とし取り組んでおります。
1.強み、成長分野を見据えたポートフォリオの再構築
ウィズコロナ、アフターコロナを見据えた環境変化に対応するため、衣料事業・インテリア産業資材事
業・エレクトロニクス事業・ファインケミカル事業・不動産事業の基幹5事業については、新領域への展開
も含めたセグメント内での選択と集中を行い、収益基盤を確実なものにしてまいります。
2.持続的な成長に資する重点的な設備投資
この3か年を持続的な成長へ向けた準備期間と位置づけ、新規事業創出と育成に注力するとともに、環境
負荷低減を実現する投資を積極的に行います。
3.環境に配慮したバリューチェーンの構築などサステナビリティへの取り組み
原材料から製品までのサプライチェーン全体で快適な製品の供給と環境負荷低減の両立を実現させる仕組
み「TOABO GREEN VALUE CHAIN」の構築を足掛かりに、サステナビリティへの取り
組みを加速させます。
4.SDGs、機能性を切り口にした新領域への展開
持続可能な環境に配慮した事業活動と快適性を追求した機能素材開発を通じて、新たな価値を生み出し、新領域への展開を目指します。
5.DXによる業務改善、改革の継続的推進
モノづくりを始め、あらゆるシーンでITの活用を推進し、ビジネスモデルや組織を変革、企業の優位性
を高めます。
これらの施策により、安定的な事業基盤の確立を目指してまいります。
なお、中期経営計画の詳細につきましては、令和4年2月15日に発表いたしました「中期経営計画の策定に
関するお知らせ」をご覧ください。
当社グループの目標値を次のように設定しております。
(単位:百万円)
| 令和5年12月期 | 令和6年12月期 | |
| 売上高 | 16,500 | 17,000 |
| 営業利益 | 550 | 630 |
| 経常利益 | 480 | 550 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 280 | 330 |
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
世界的な半導体不足、ウクライナ情勢や更なるインフレ懸念等により、不透明な経営環境が続くものと予想
されますが、このような状況下、中期経営計画の2年目となる令和5年度は、各事業分野において以下の取り
組みを進めてまいります。
・衣料事業
地政学リスクの高まりや原材料、エネルギーコストの上昇等激変する経済環境の中、中期経営計画2年目と
なる今年は、その最重要課題である盤石な事業体制の構築へ向けて以下の施策を進めていきます。
1. 持続可能なバリューチェーンの構築
メーカーとして、自社グループをはじめ、協力会社を含めた持続可能で強固なバリューチェーンを構築
し、環境負荷低減と経済合理性の両立を実現していきます。
2. DXの推進
FAの計画的導入も含めた工程、業務フローの見直し等、生産効率の向上、業務変革を徹底的に推し進め
ます。
3. 海外拠点の活用
既存の中国、東南アジアの拠点について、部門の枠を超えた視点で、製造拠点としてのみならず、商品開
発、それに伴った市場創造の側面から有効活用し総合力を高めます。
4. 毛糸部門の販売強化
国内の梳毛紡績会社の集約が進む中、国内外に生産工場・拠点を持つという背景、強みを活かして販売網
の構築に取り組みます。
・インテリア産業資材事業
インテリア産業資材事業は以下の3つの戦略を推し進めていきます。
1. 生産の効率化
国内、中国子会社とも新規商材の立ち上げ、および効率化を図るため既存設備の改修、改造および工程の見える化による生産の効率化を進めていきます。
2. 品質へのプライド・ものづくりへのこだわり
すべての分野で新規商材の受注獲得のための新規開発を進めていきます。
ポリプロファイバーでは、高機能綿の開発・販売、カーペット不織布では、高付加価値機能商材の開発・販売を目指します。
3. 環境に配慮したものづくり
導入済みの環境に配慮した排水処理設備の適切な運用と更新を実施するとともに、工場で使用するエネルギーの低炭素排出へのシフトを実現し、環境負荷低減を推し進めます。また、リサイクル事業では、産官学共同研究による「リサイクル炭素繊維の連続繊維化および製布化」に取り組んでおり、リサイクルカーボンファイバーの高付加価値製品化を目指します。
・エレクトロニクス事業
昨年度前半は、一昨年から続く半導体不足による大幅な受注増により増収・増益となりましたが、後半に入
りロシアによるウクライナ侵攻や高インフレによる景気後退の影響が見られ、受注が減少しました。今年度も国際秩序の不安定化が続くことが予想され、厳しい経営環境の見通しです。
主要分野において以下の重要施策を推進していきます。
1. ACコントローラー分野
DXを活用し、生産管理、品質管理を向上させます。生産ラインについては自動はんだ付け装置導入など省力化を推進し、下期の受注回復時には速やかに量産対応できるように生産効率向上を目指します。
2. 電子デバイス分野
半導体デバイスにおいては、引き続き産業機器向け製品は供給不足の状況にありますが、いくつかのカテゴリーでは供給不足が解消されています。そのため、逼迫部品と在庫過多部品の調整を行いながら、サプライヤーと協力関係を維持して安定確保を図ります。
その上で、今まで参入できていない事務機、フェムテック分野への積極的な営業を進めます。
3. 成長期待分野
ロボットに使用される減速機は、生産数量を拡大して国内外の販売を強化していきます。
電子棚札や個人向けビールサーバーは、昨年度は生産部材の確保ができず販売遅延となりましたが、今年は部材確保の見通しが立っているため、販売増を目指します。
4. 新規案件開発
大阪工場主体で国内外注先と提携して国産品の開発・製造をスタートさせ、海外情勢の変化に対応できるような生産基盤作りを目指します。
・ファインケミカル事業
ウクライナ情勢やインフレが止まらない欧米の経済情勢下、不確実性がさらに高まる混沌とした事業環境で
はありますが、将来の成長軌道を確かなものとするために、今年度も中期経営計画に沿った以下の重要戦略を推進していきます。
1. 世界的な調整局面に入った電子材料分野ですが、中長期的には市場拡大が見込まれると捉え、一昨年来よ
り進めてきた能力増強投資の成果を売上利益拡大につながるように取り組みを強化します。また、需要の旺盛な半導体プロセス材料向け生産能力増強ならびに品質力の向上にも努め需要家の要望にしっかり応える体制に注力します。
2. ヘルスケア分野はオーソライズド・ジェネリック品との厳しい競争が予想されますが、地道なコスト低減
策を講じて競争力の向上に努めます。また、中国製から国内品に切り替わる多様な受託ニーズを的確に捉え、新規受託材料獲得に向け積極的な営業活動を展開します。
3. DXのさらなる推進で業務効率化・生産性向上をより確かなものとし収益力を高めます。省エネ・サーキ
ュラーエコノミー推進やプロセス改善に継続的に取り組むことで地球環境保全という人類共通の課題解決に貢献し、持続可能かつ社会に必要とされるファインケミカル事業の発展を追求します。
・不動産事業
資産の有効活用と安定収益確保のため、以下の4つの重点施策を進めていきます。
1. 事務所賃貸については、オフィス環境の満足度を高めるため、今後も設備のリニューアルを継続してい
きます。
2. 商業施設については、稼働率と収益性を高めるため、計画的に修繕を行い付加価値の維持向上を図りま
す。
3. 老朽化した施設については、新規テナント誘致のため、建て替えなど新たなスキームを検討していきま
す。
4. 保有森林の維持管理など SDGsを意識した資産の活用を促進し、環境負荷低減への貢献を図ります。
当社グループは、創業者の訓示である「顧客満足」「重点主義」「公平性」を脈々と受け継ぎ、人々そして暮
らしの「アメニティ=快適・ここちよさ」を追求する「暮らしと社会の明日を紡ぐ」企業グループであり続けるという理念のもと、以上のような取り組みを通じて持続的な成長と企業価値の向上に尽力していきます。
また、法令順守や危機管理を一層徹底するため、「トーア紡グループ企業行動憲章」のさらなる定着と実践を
推進し、より実効性のある内部統制の整備、運用に取り組んでまいります。