有価証券報告書-第120期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/08/07 16:02
【資料】
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【項目】
153項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社を取り巻く事業環境は、雇用・所得環境の改善継続等による緩やかな回復があったものの、海外においては中国・インド経済の失速による下振れが顕在化したほか、2020年1月以降の新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大の影響により景気は大幅に下押しされ、先行きは厳しい状況が続くものと見込まれます。 このような情勢のなかで当社グループは、生産性向上による製造コストの削減、品質の向上に取り組むとともに、収益や成長が見込まれる分野への開発強化や拡販活動を推進し、経営成績の向上に努めてまいりました。
当連結会計年度の売上高は、機能製品事業の受注は好調でしたが、自動車安全部品事業において売上が伸び悩んだことから、58,295百万円となり、前連結会計年度比2,683百万円の減収となりました。 損益面については、自動車安全部品事業で受注車種の販売低迷や海外人件費の上昇等により収益率が低下したため、営業利益は599百万円と前連結会計年度比1,638百万円の減益、経常利益は652百万円と前連結会計年度比1,668百万円の減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては土地売却益を2,872百万円計上したこと等により2,045百万円と、前連結会計年度比800百万円の増益となりました。 なお、当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症による業績への影響は限定的でありましたが、2020年4月以降、自動車安全部品事業では取引先の生産調整による影響から受注が激減し、出荷の落ち込みと生産拠点の一部稼働停止が発生しております。また、機能製品事業においても、パルテム関連で管更生工事が一部施工中止となる等の影響が出ております。生産は徐々に回復に転じているものの、新型コロナウイルス感染症の収束時期は不透明であり、2021年3月期の一定期間にわたり当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。影響額については、現時点において合理的に算定することが困難であります。
以下、各事業セグメント別に概況をご報告申し上げます。
当社は、事業本部制を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「自動車安全部品事業」「機能製品事業」の2つを報告セグメントとしております。
a.自動車安全部品事業
シートベルト関連は、国内及び中国・メキシコの現地法人において新規車種の立ち上がりにより売上が若干増加したものの、商品構成の変化により採算が大幅に悪化しました。エアバッグ関連は、国内及びタイ・中国・インド・韓国の現地法人において受注車種の販売低迷・海外人件費の上昇により売上・利益ともに減少しました。内装品関連は、国内及びタイ・中国・メキシコの現地法人において受注車種の販売低迷により売上が減少、また、新商品の製造コスト上昇により採算が悪化しました。
この結果、当事業の売上高は39,271百万円と、前連結会計年度比3,002百万円の減収となり、営業損失は1,356百万円と、前連結会計年度比1,995百万円の大幅な減益となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、インドの連結子会社は2020年3月下旬から操業停止となりましたが、2020年6月上旬より一部製品の生産を再開しており、2020年3月期の連結業績への影響は限定的でした。
当事業においては、収益力の改善のため、収益改善プロジェクトの立ち上げや、内製化・FA化の推進、芦森工業山口株式会社第三工場を活用し生産性の向上を推進する等、諸施策に取り組んでおります。
b.機能製品事業
パルテム関連は、下水道向けが好調に推移し、売上が増加しました。
防災関連は、災害対策用の大口径ホースや排水ホース、防災関連資機材の需要が増加し、売上が増加しました。
産業資材関連は、トラック物流省力化分野と建築資材分野の売上が増加しましたが、前連結会計年度は、連結子会社のオールセーフ株式会社の決算期変更による売上増があったことから、売上は減少しました。
この結果、当事業の売上高は18,998百万円と、前連結会計年度比301百万円の増収となり、営業利益は3,262百万円と、前連結会計年度比333百万円の増益となりました。
当事業においては、収益力の向上のため、特に防災関連の消防用・消火栓用ホースのシェア拡大と大口径システム・防災資機材の積極的な拡販活動に取り組んでおります。
c.その他
当事業の売上高は24百万円、営業利益は3百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益3,601百万円、減価償却費2,209百万円、土地売却益2,872百万円、売上債権の減少787百万円、棚卸資産の増加1,178百万円、仕入債務の減少1,706百万円、法人税等の支払865百万円等により、前連結会計年度に比べ3,812百万円減少して46百万円の支出となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出3,065百万円、有形固定資産の売却による収入2,824百万円等により、前連結会計年度に比べ3,338百万円減少して480百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増額3,368百万円、長期借入の返済による支出2,392百万円、配当金の支払額269百万円等により、前連結会計年度に比べ367百万円増加して928百万円の収入となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ、370百万円増加して3,312百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
自動車安全部品事業(百万円)40,27788.9
機能製品事業(百万円)18,894101.2
合計(百万円)59,17192.5

(注)1.金額表示の基準は、販売価額によります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
機能製品事業10,155132.22,920153.0

(注)1.機能製品事業のパルテム部門以外は主として見込生産を行っており、受注に基づく生産は、ほとんど行っておりません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
自動車安全部品事業(百万円)39,27192.9
機能製品事業(百万円)18,998101.6
その他(百万円)24351.3
合計(百万円)58,29595.6

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
マツダ(株)24,08139.523,03439.5
スズキ(株)6,41310.55,3439.2

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の売上高は、機能製品事業は好調に推移しましたが自動車安全部品事業における受注車種の販売低迷により前連結会計年度比2,683百万円減少し58,295百万円となりました。
営業利益は自動車安全部品事業における受注車種の販売低迷と商品構成の変化や海外人件費の上昇等により収益性が悪化し前連結会計年度比1,638百万円減少し599百万円となりました。
経常利益は為替差益の計上はあるものの営業利益の減少により前連結会計年度比1,668百万円減少し652百万円となりました。
本社・大阪工場土地の一部売却による土地売却益2,872百万円の計上により税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比1,536百万円増加し3,601百万円となりました。
芦森工業単体の業績悪化により繰延税金資産を取り崩し法人税等調整額594百万円を計上しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比800百万円増加し2,045百万円となりました。
当連結会計年度末の総資産は棚卸資産が1,193百万円増加、上場株式の時価の下落により投資その他の資産が678百万円減少したこと等により47,884百万円と前連結会計年度末に比べ217百万円増加しました。
負債は有利子負債が1,123百万円増加しましたが仕入債務が1,694百万円、未払金が722百万円減少したこと等により31,080百万円と前連結会計年度末に比べ1,193百万円減少しました。
純資産は親会社株主に帰属する当期純利益2,045百万円の計上により利益剰余金が1,772百万円増加し16,804百万円と前連結会計年度末に比べ1,410百万円増加しました。自己資本比率は35.0%と、前連結会計年度末の32.2%から上昇しました。
セグメントごとの経営成績の詳細は「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性について
キャッシュ・フローの分析については「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当連結会計年度では2,817百万円の設備投資を行っております。うち、自動車安全部品事業に2,369百万円を支出しております。生産拠点拡大のための工場建設といった大型投資は一巡しましたが、商品力向上のための金型投資や国内の老朽化した生産設備の更新等は継続して行ってまいりますので、資金需要は今後も続き、資金調達については借入で賄ってまいります。
一方、当連結会計年度末の有利子負債は長期短期合わせて14,246百万円と総資産47,884百万円の30%弱を占めておりますので、財務内容悪化の懸念から個々の投資案件につきまして採算性や将来の財務内容への影響等を十分検討して実施してまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う事業環境の不確実性を鑑み、機動的かつ安定的な資金調達手段確保のため、取引金融機関と新たに総額5,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載しておりますが、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目は以下のとおりであります。
(a)固定資産の減損
当社グループでは、固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合は、減損の要否を判定しております。この判定は、連結グループ各社単位で行うこととしており、事業用資産については、製品グループを考慮して資産グループを決定し、共用資産については、会社全体をグルーピングの単位として将来キャッシュ・フローの見積りを行い、この見積りに基づいて行っております。また、事業の用に供していない遊休資産については、個別物件ごとにグルーピングを行っており、個別に比較可能な正味売却価額に基づいて行っております。将来キャッシュ・フローの見積りについては、合理的に算定された事業予算及び回収可能額に基づいて行っておりますが、将来の予測不能な予算策定上の前提条件等の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フロー及び回収可能額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
(b)繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税負担を軽減する効果を有するかどうかで判断しており、当該判断にあたっては、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性があるかどうかを判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたり、一時差異解消見込年度における課税所得を見積っておりますが、この課税所得は、過去の推移を基礎として、合理的に算定された予算に基づいて、見積りを行っております。
当該見積りについて、将来の予測不能な前提条件の変動等により見直しが必要となった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。
(c)たな卸資産の評価
当社グループは、たな卸資産の評価について原則として総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。正味売却価額が簿価よりも下落しているたな卸資産については、正味売却価額まで簿価の切下げを行っております。また、営業循環から外れたたな卸資産及び仕入から一定期間を経過したたな卸資産等について、長期滞留資産として、期末日における在庫数量及び過去1年間の払出数量を元に算出した在庫回転率を使用して簿価の切下げを行っております。
当該見積比率の算定は合理的に行っていると判断しておりますが、将来の予測不能な前提条件の変動等により追加的な簿価の切下げが必要になる可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
④ 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について
当社グループでは、創業150周年となる2028年に向けた「Vision2028」を作成し、「第120-122期 芦森グループ中期経営計画」の達成に取り組んでおります。基本方針として、収益性を重視、事業の基盤固めを行うこととし、徹底したコストダウンの実施・責任の明確化と収益の見える化・生産性・コストを意識した部門間連携の強化を進めます。また、経営資源の集中と開発・営業戦略の強化を図るため、ターゲット顧客・ターゲット商品の絞り込みや小回りの利く顧客対応力・製造力の強化に取り組みます。
現況、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せず、世界経済の低迷、雇用情勢の悪化、金融市場の変動、さらには国際秩序の不安定化リスク等、極めて厳しい状況が続くと予想されること、また、「ウィズ・コロナ」、「ポスト・コロナ」における消費様式の変容も先行き不透明で、自動車販売の回復過程は長期化することも予想されるため、環境変化による影響を合理的に算定することが困難なことから、基本方針は継続するものの中期経営計画(2020年3月期から2022年3月期まで)で掲げた数値目標は、いったん取り下げることとします。
[参考:中期経営計画数値]
(単位:百万円)
2020年3月期
計画
2020年3月期
実績
増減2021年3月期
計画
2022年3月期
計画
売上高63,00058,295△4,70566,50070,000
営業利益2,200599△1,6012,4502,800
(営業利益率)3.5%1.0%△2.5%3.7%4.0%
経常利益2,250652△1,5982,5002,900
親会社株主に対する当期純利益3,4002,045△1,3551,6501,900
ROA7.1%4.3%△2.8%3.5%4.0%

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