有価証券報告書-第121期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 16:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
144項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により激変しました。年度前半には、国内で緊急事態宣言が発出されたことにより経済活動が停滞し、景気が急速に悪化いたしました。また、当社グループの海外拠点においてもロックダウンによる操業停止を余儀なくされました。年度後半においては、景気は徐々に持ち直しの動きが見られたものの、新型コロナウイルス感染症の再拡大もあり、引き続き先行き不透明な状況が続くものと見込まれます。このような情勢のなかで当社グループは、作業効率化による原価低減や間接経費の削減に取り組むとともに、収益や成長が見込まれる分野・地域への拡販を推進し、収益の確保に努めてまいりました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を挽回するには至らず、当連結会計年度の売上高は51,248百万円となり、前年度比7,046百万円の大幅な減収となりました。 損益面については、年度後半では大きく改善したものの、海外連結子会社において売上債権の貸倒引当金繰入額を計上したことにより、営業利益は359百万円と前年度比240百万円の減益、経常利益は419百万円と前年度比232百万円の減益となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は433百万円で、土地売却益を2,872百万円計上した前年度比2,479百万円の大幅な減益となり、極めて厳しい結果となりました。
以下、各事業セグメント別に概況をご報告申し上げます。
当社は、事業本部制を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「自動車安全部品事業」「機能製品事業」の2つを報告セグメントとしております。
a.自動車安全部品事業
当連結会計年度においては、特に年度前半に国内及び海外現地法人ともに新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、主要顧客の生産調整に伴いシートベルト関連、エアバッグ関連、内装品関連とも販売が低迷しました。また、製造拠点の操業度の大幅な低下、商品構成の変化や物流単価の上昇等により、採算が大幅に悪化したことに加え、海外連結子会社において売上債権の貸倒引当金繰入額を計上したことも業績を押し下げました。この結果、当事業の売上高は33,594百万円と前年度比5,677百万円の減収となり、営業損失は1,278百万円となりました。
b.機能製品事業
パルテム関連は、農業用水分野や電力分野の受注が増加したものの、新型コロナウイルス感染症の影響もあり主力の下水道分野が伸び悩み、売上・利益ともに減少しました。
防災関連は、消防用ホースの販売が低迷しましたが、災害対策用排水ホースが期を通じて順調に推移し、売上・利益ともに増加しました。
産業資材関連は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けロープの販売が低調に推移したほか、高機能資材織物(タイミングベルト関連)の需要が減少し、売上・利益ともに減少しました。
この結果、当事業の売上高は17,621百万円と前年度比1,377百万円の減収となり、営業利益につきましては2,845百万円と前年度比417百万円の減益となりました。
c.その他
当事業の売上高は32百万円、営業利益は7百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は5,574百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,262百万円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は3,487百万円(前連結会計年度は46百万円の使用)となりました。主な内訳は、減価償却費2,057百万円、たな卸資産の減少1,077百万円、売上債権の減少465百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,019百万円(前連結会計年度は480百万円の使用)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出1,552百万円、有形固定資産の売却による収入169百万円、投資有価証券の売却による収入109百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は221百万円(前連結会計年度は928百万円の獲得)となりました。主な内訳は、長期借入れによる収入3,530百万円、短期借入金の減少2,321百万円、長期借入金の返済による支出1,254百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
自動車安全部品事業(百万円)32,57580.9
機能製品事業(百万円)17,68593.6
合計(百万円)50,26184.9

(注)1.金額表示の基準は、販売価額によります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
機能製品事業7,02369.21,94466.6

(注)1.機能製品事業のパルテム部門以外は主として見込生産を行っており、受注に基づく生産は、ほとんど行っておりません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
自動車安全部品事業(百万円)33,59485.5
機能製品事業(百万円)17,62192.8
その他(百万円)32130.7
合計(百万円)51,24887.9

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
マツダ(株)23,03439.519,25837.6
スズキ(株)5,3439.24,6589.1

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、自動車安全部品事業においては年度後半から回復が見られましたが年度前半の落ち込みを埋めきれず、機能製品事業においては防災関連の災害対策用排水ホースが期を通じて順調に推移したものの主力のパルテム関連工事が伸び悩み、前連結会計年度比7,046百万円減少し、51,248百万円となりました。
営業利益は、自動車安全部品事業においては原価低減を推し進めたものの、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた生産拠点の操業度の大幅な低下、商品構成の変化や物流単価の上昇等、さらに、海外連結子会社において売上債権の貸倒引当金繰入額を計上したことにより大幅な採算の改善には至らず、機能製品事業においては防災関連の災害対策用排水ホースが利益に貢献したものの主力のパルテム関連工事が伸び悩み、前連結会計年度比240百万円減少し、359百万円となりました。
経常利益は、営業利益の減少に加え為替差損益が差損に転じましたが金融関連支出の改善もあり前連結会計年度比232百万円減少し、419百万円となりました。
特別利益で本社・大阪工場土地の一部売却による土地売却益2,872百万円の計上がなくなったこと、特別損失に新型コロナウイルス感染症による損失246百万円と製品保証損失223百万円を計上したことから、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比3,423百万円減少し、178百万円となりました。
翌連結会計年度から連結納税制度を導入いたしますが、当連結会計年度は個別会社ごとの納税のため芦森工業単体の欠損で連結グループ会社の利益を相殺できず、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比2,479百万円減少し、433百万円の損失となりました。
当連結会計年度末の総資産は、新型コロナウイルス感染症に伴う事業環境の不確実性対策として手元資金を厚めに保有したため現金及び預金が1,989百万円増加しましたが、売上債権が477百万円、棚卸資産が1,199百万円、有形固定資産が840百万円減少したこと等により46,855百万円と前連結会計年度末に比べ1,029百万円減少しました。
負債は仕入債務が172百万円、未払金が82百万円、未払法人税等が180百万円減少したこと等により30,564百万円と前連結会計年度末に比べ515百万円減少しました。
純資産は親会社株主に帰属する当期純損失433百万円の計上により利益剰余金が586百万円減少し16,290百万円と前連結会計年度末に比べ513百万円減少しました。自己資本比率は34.7%と、前連結会計年度末の35.0%から0.3%下落しました。
セグメントごとの経営成績の詳細は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性について
キャッシュ・フローの分析については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当連結会計年度では1,545百万円の設備投資を行っております。うち、自動車安全部品事業に875百万円を支出しております。生産拠点拡大のための工場建設といった大型投資は一巡しましたが、商品力向上のための金型投資や国内の老朽化した生産設備の更新等は継続して行ってまいりますので、資金需要は今後も続き、資金調達については借入で賄ってまいります。
一方、当連結会計年度末の有利子負債は長期短期合わせて14,226百万円と総資産46,855百万円の30%弱を占めておりますので、財務内容悪化の懸念から個々の投資案件につきまして採算性や将来の財務内容への影響等を十分検討して実施してまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う事業環境の不確実性を鑑み、機動的かつ安定的な資金調達手段確保のため、取引金融機関と新たに総額5,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。詳細につきましては「第2 事業の状況 4.経営上の重要な契約 1.コミットメントライン契約の締結」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載しておりますが、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目は以下のとおりであります。
(a)貸倒引当金
当社グループの保有する債権に係る損失が見込まれる場合、その損失に充てる必要額を見積り、引当金を計上しております。一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
貸倒懸念債権等特定の債権の回収可能性の評価は、将来の不確実な経済条件の変動などによる影響を受け、債務者の財務状況等が悪化した場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する貸倒引当金及び貸倒引当金繰入額の金額に影響を与える可能性があります。
(b)固定資産の減損
当社グループでは、固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合は、減損の要否を判定しております。この判定は、連結グループ個社単位で行うこととしており、事業用資産については、製品グループを考慮して資産グループを決定し、共用資産については、会社全体をグルーピングの単位として将来キャッシュ・フローの見積りを行い、この見積りに基づいて行っております。また、事業の用に供していない遊休資産については、個別物件ごとにグルーピングを行っており、個別に比較可能な正味売却価額に基づいて行っております。将来キャッシュ・フローの見積りについては、合理的に算定された事業計画及び回収可能価額に基づいて行っておりますが、将来の予測不能な予算策定上の前提条件等の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
(c)繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税負担を軽減する効果を有するかどうかで判断しており、当該判断にあたっては、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性があるかどうかを判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたり、一時差異解消見込年度における課税所得を見積っておりますが、この課税所得は、過去の推移を基礎として、合理的に算定された事業計画に基づいて、見積りを行っております。
当該見積りについて、将来の予測不能な前提条件の変動等により見直しが必要となった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。
④ 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について
当社グループでは、創業150周年となる2028年に向けた「Vision2028」を作成し、基本方針として、収益性を重視、事業の基盤固めを行うこととし、徹底したコストダウンの実施・責任の明確化と収益の見える化・生産性・コストを意識した部門間連携の強化を進めています。また、経営資源の集中と開発・営業戦略の強化を図るため、ターゲット顧客・ターゲット商品の絞り込みや小回りの利く顧客対応力・製造力の強化に取り組んでいます。
「ウィズ・コロナ」「ポスト・コロナ」において消費動向が大きく変化することが確実で、事業を取り巻く環境が見通しづらい状況となっていることから、「Vision2028」の基本方針は継続するものの中期経営計画(2020年3月期から2022年3月期まで)で掲げた数値目標はいったん取り下げ、2022年3月期については単年度計画とし、当社事業への影響を見極めたうえで新たな事業戦略を構築し2023年3月期からの新たな3ヶ年中期経営計画を策定することとしております。
欧米諸国で新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進み、明るい兆しは見えてきたものの、国内ではワクチン接種の遅れにより、収束は未だ見通せない状況にあります。また、自動車業界においては、世界的な半導体不足を背景とした生産の落ち込みもあり、自動車販売の回復過程は長期化が予想されます。
次期につきましては、売上高54,000百万円、営業利益580百万円、経常利益530百万円、親会社株主に帰属する当期純利益220百万円を見込んでおります。
(単位:百万円)
2021年3月期
実績
2022年3月期
計画
増減増減率(%)
売上高51,24854,0002,7515.4
営業利益35958022061.5
(営業利益率)0.7%1.1%-0.4
経常利益41953011026.2
親会社株主に対する当期純利益△433220653-

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。