有価証券報告書-第102期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 16:09
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【項目】
182項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものですが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について当社が保証するものではありません。
(1)経営理念
当社グループは、1873年に抄紙会社として創立以降、「森林」を核とした事業を展開し、発展させ、グローバル企業へと成長しました。次の経営理念の下、変わり続ける時代のニーズを充足し、新しい未来を支えるモノづくりを、そして持続可能な社会の発展を目指して、王子グループは進み続けます。
「革新的価値の創造」
当社グループが今後大きく飛躍していくためには、イノベーションが不可欠です。画期的な新製品の開発と、それを導く研究・技術開発、また、組織の仕組みや従業員一人ひとりの行動に変革が求められています。斬新な発想で「チャレンジングなモノづくり」を行い、社会の潜在ニーズを充足していきます。
「未来と世界への貢献」
当社グループは多種多様な事業を抱え、アジア、北米、南米、欧州、オセアニアに事業拠点をもつグローバル企業へと成長しました。今後もグローバル展開を通じ、あらゆる国、地域、社会に「革新的価値」を提供し、新しい未来を創造する企業であり続けます。
「環境・社会との共生」
森林資源を核とする資源循環は、当社グループの基盤です。国内外に保有する広大な社有林の多方面での活用、各製造現場における環境負荷低減策の追求などを通じ、当社グループの事業そのものが持続可能な社会に貢献できるよう、取り組みを発展させていきます。
(2)パーパス(存在意義)
「森林を健全に育て、その森林資源を活かした製品を創造し、社会に届けることで、希望あふれる地球の未来の実現に向け、時代を動かしていく」
健全に育て管理された森林は、二酸化炭素を吸収、固定するだけではなく、洪水緩和、水質浄化等の水源涵養、防災という機能の他に、生物多様性や人間の癒し、健康増進等にも貢献する効果があります。
そして、森林資源を活かした木質由来の製品は、その原料が再生可能であり、化石資源由来のプラスチック、フィルムや燃料等を置き換えていくことができます。
1911年から1938年の間、当社社長を務めた藤原銀次郎は「木を使うものは、木を植える義務がある」と説き、現在では「持続可能な森林経営」や「再生可能な資源の循環的利用」は当社グループの「強み」となっています。森林を健全に育て管理し、その森林資源を活かした製品を創造し、社会に届けることで、地球の温暖化や環境問題に取り組み、希望あふれる地球の未来の実現に向け、時代を動かしていきます。
(3)長期ビジョン・中期経営計画
①長期ビジョン2035
当社グループは、2035年までの長期ビジョン「長期ビジョン2035」において、「資本効率向上」「ポートフォリオ転換」「サステナビリティ促進」を基本方針に掲げ、企業価値の最大化と社会課題解決に向けた取り組みを通じて、「サステナビリティへの貢献」を実現する企業グループを目指します
・資本効率向上
非コア資産の売却や投資基準の厳格化、自己株式の取得などを通じて、資産のスリム化と資本構成の見直しを進め、成長投資と株主還元の両立を図り、ROEの向上を目指します。
・ポートフォリオ転換
成長性のある事業やエリアへの進出を加速させるとともに、低収益性事業の撤退基準を厳格化し、構造改革を断行することを通じて、健全で強靭な事業ポートフォリオへの転換を進めます。当社グループでは、将来の事業ポートフォリオの中核として、「木質バイオマスビジネス」「サステナブルパッケージ」の2つを掲げています。木質バイオマスビジネスでは、木質から医薬・ヘルスケア領域を含む付加価値の高い新たな素材を生み出し、将来的に多くの製品を事業化し、当社グループの新たな柱に育てていきます。サステナブルパッケージでは、木質由来でリサイクル性の高いサステナブルな素材である紙の強みを活かし、社会と顧客の環境負荷低減に貢献する高付加価値製品を拡充してまいります。
これら重点領域における既存事業のさらなる拡大と、新たな事業の早期事業化を加速させるべく、当社グループが創業から紙づくりや森づくりで培ってきたコア技術と、豊富な森林資源を活用し、「(ⅰ) 木質由来新素材の開発」「(ⅱ) 未利用バイオマス資源の有価物化」「(ⅲ) 医薬・ヘルスケア領域への本格参入」「(ⅳ) サステナブルパッケージ(環境配慮型製品)の展開」の4つの軸を中心に研究開発を推進、事業領域の拡大を図り、持続可能な社会への貢献を目指します。
(ⅰ) 木質由来新素材の開発
化石資源に依存した燃料やプラスチック原料を、バイオマス由来原料に転換するため、木質由来の「糖液」「エタノール」「ポリ乳酸」「半導体レジスト」「セルロースナノファイバー(CNF)」の技術開発を推進しています。
製紙工場のインフラを活用したバイオものづくりの実証拠点として、王子製紙米子工場内に国内最大級の木質由来糖液・エタノール実証プラントを立ち上げ、事業性評価を進めています。また、木質由来ポリ乳酸についても商業化に向けた生産技術確立に取り組んでいます。今後は、製造条件の最適化やユーザーワーク拡大を通じ、事業化に向けた検討をより一層加速させてまいります。
そして、半導体レジスト(最先端半導体向けの木質由来バイオマスレジスト)は、今後さらなる成長が見込まれる半導体市場において、高性能化に伴い微細加工技術の進化が求められているなか、独自技術によりPFAS不使用(有機フッ素化合物を含まない)かつ次世代EUV(極端紫外線)露光装置にも対応可能な性能を実現しました。さらに、常温保存を可能とすることで、従来の課題であった輸送・保管時のコスト削減や環境負荷低減にも寄与します。環境配慮と高性能を両立したレジストで顧客ニーズに沿った開発に取り組み、事業化を目指します。
セルロースナノファイバー(CNF)は、透明で軽くて丈夫、変形にも強く、高い増粘効果を有する優れた材料として多種多様な分野での活躍が期待されています。中でも高機能化が期待できるCNFゴム複合材の開発を強化しています。具体的には軽量化や耐久性など機能面での要求水準の高いタイヤ用途への本格採用を見据え、実用化が先行する他用途での実績を通じて品質及び生産技術のさらなる向上を図ります。また、燃料電池用高分子電解質膜の開発やポリカーボネート樹脂との複合材のロボット部材等への展開にも取り組んでおり、今後も様々な用途で社会実装を進めます。
(ⅱ) 未利用バイオマス資源の有価物化
バイオ炭によるCO2削減と土壌改良に取り組んでいます。木質バイオマスを炭化してバイオ炭にすることで、炭素を長期間固定し、大気中のCO2を削減することにより地球温暖化の緩和に寄与します。また、土壌改良剤として、土壌の保水性や通気性を向上させ、植物の生育を促進する効果も期待されています。2025年度より、植林木の未利用樹皮を原料としたバイオ炭をベトナム社有林にて施用する実証試験を開始しました。
(ⅲ) 医薬・ヘルスケア領域への本格参入
パルプ製造時の副産物であるヘミセルロースから得られる「硫酸化ヘミセルロース」を原薬とした医薬品の事業化を推進しています。木質由来の原料を使用することで、人畜共通感染症のリスク低減、環境負荷の低減、トレーサビリティ向上といった優位性を有します。現在、動物用とヒト用の両面で研究開発を並行しており、2025年9月には豪州で動物用医薬品原薬の製造・輸出に関する承認を取得しました。ヒト用医薬品においても、2026年2月に希少疾患であるホモシスチン尿症治療薬の後発医療用医薬品の国内における製造販売承認を取得しました。同年3月には血液透析の体外循環装置使用時の血液凝固防止を対象疾患として開発中のOJI-220について、第Ⅰ相臨床試験を開始するため、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ治験計画届出書を提出いたしました。また同年2月には医療用医薬品の製造・販売事業会社であるLTLファーマ株式会社に出資し、同社が有する専門的な知見や医薬品事業運営ノウハウとの連携を通じ、事業化のさらなる加速を図ります。
さらに、薬用植物「甘草(カンゾウ)」の大規模栽培技術を確立しました。輸入品に依存せずに国産化することで、高いトレーサビリティと安全・安心を確保した持続可能なビジネスを進めていきます。2025年度には甘草成分が国内化粧品ブランドに採用されるなど、具体的な成果を得ました。あわせて国産甘草を配合した漢方薬の商品化や、王子ネピアのスキンケアラインへの甘草エキスの活用など、グループシナジーを活かした取り組みも進めています。今後も医薬・化粧品、食品分野へのさらなる展開を推進していきます。
(ⅳ) サステナブルパッケージ(環境配慮型製品)の展開
ポリ乳酸のラミネート紙やポリ乳酸フィルムなどのサステナブル素材、モノマテリアルに適したフィルムの商品化を進めています。ポリ乳酸フィルムは2024年度に続き、2025年度も株式会社伊藤園のティーバッグフィルターに採用されました。その他、具体的な開発・事業展開については、後述の事業別の取り組みに記載します。
・サステナビリティ促進
カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーに向けた取り組みを発展させ、持続可能な社会の実現に向けて環境負荷低減の取り組みを強化しています。また、自然資本会計の時代へ向け、ネイチャーポジティブ経営を進化させます。
2025年9月には、従来の紙のリサイクルから、さらに一歩踏み込んだ資源循環の取り組みとして、紙コップやアルミ付き紙パックといった難処理古紙のマテリアルリサイクルなど、当社グループが推進する様々なリサイクルの取り組みを象徴するブランドとして「Renewa(リニューワ)」を新たに策定しました。今後は本ブランドのもと、様々な企業・団体と連携し、これまでリサイクルが難しかった素材のマテリアルリサイクルを推進することで、サーキュラーエコノミーの実現により一層貢献していきます。
②中期経営計画2027
2025年度から2027年度を対象とする「中期経営計画2027」は、「長期ビジョン2035」 実現に向けた基盤を固める「準備期」と位置づけ、資本効率の改善に重点を置いた取り組みを進めます。
・資本効率向上への取り組み
長期ビジョンの資本効率向上の取り組みは、中期経営計画期間中に集中的に実施します。資本効率向上のための「資産のスリム化」の施策として、2024年度から2030年度までに保有株式を総額1,200億円(政策保有株式 850億円、退職給付信託株式 350億円)縮減することを計画しており、2025年度までに990億円を縮減しました。「株主還元」につきましては、1株当たりの年間配当24円を下限として配当性向を50%に引き上げました。2025年度の配当実績は1株当たり年間36円です。長期的な企業価値向上に向けた成長投資に備えるための内部留保を勘案しつつ、収益力に応じた安定的な配当を継続していきます。また、自己株式についても2024年度から2027年度までに1,500億円の取得を計画しており、2025年度までに770億円取得しました。自己資本と有利子負債のバランスを見直し、成長投資と株主還元の充実を図ります。
・事業戦略
外部環境の変化によるコスト高の着実な価格転嫁、製造拠点の安定操業及び競争力強化、グループ営業体制の強化、高付加価値品へのシフトなどを通じて、既存事業の収益力を強化します。また、低収益事業については撤退を含めた構造改革を断行し、サステナブルパッケージなどの戦略事業や、高い経済成長が見込まれるインド・東南アジアなどの戦略エリアに成長投資を集中させることで、事業ポートフォリオの転換を推進します。将来の進化に向けた研究開発投資も継続して実行していきます。
これらの取り組みを通じて資本効率向上を実現し、2027年度に、連結営業利益1,200億円、親会社株主に帰属する当期純利益800億円を達成することでROE8%を目指します。将来的には、木質バイオマスビジネスなど新事業の拡大により、さらなる利益の拡大及びROE10%を目指します。
中期経営計画 数値目標

(事業別の取り組み)
(a) 生活産業資材
・産業資材(段ボール原紙・段ボール加工事業、白板紙・紙器事業、包装用紙・製袋事業、サステナブルパッケージング事業、液体紙容器事業)
国内市場では、グループ横断的な営業体制を強化しており、当社グループが持つ多様なパッケージング製品の品揃えから、お客様のニーズに応える製品を提供することで、販売拡大に努めます。生産体制の効率化や原紙加工一貫生産化を進めるとともに、M&Aや生産拠点再編により、需要に見合った最適生産体制の構築を進めます。
海外市場のうち東南アジアでは、当社グループの多様な生産拠点が連携し、お客様に最適化したソリューションを提供することでさらなる販売拡大を目指します。段ボール需要の伸びが期待されるインドでは、さらなる事業拡大を目指すとともに、他の包装資材への展開も進めます。ベトナムにおいては液体紙容器事業での新工場の建設を進める一方、ニュージーランドのOji Fibre Solutionsでは、事業環境の変化を受け、段ボール原紙事業及び豪州パッケージング事業から撤退するなど、ポートフォリオの転換を進めています。また欧州では、脱プラスチック包装の分野で最先端の原料加工技術を保有するフィンランドのWalki社、液体紙容器用加工紙や充填機を製造販売するイタリアのIPI社を中心に、サステナブルパッケージをグローバルに拡大していきます。
・生活消費財(ホームケア事業、ウェルネスケア事業、ヘルスケア事業)
王子ネピアは、主力である「ネピア ティシュ」「ネピア トイレットロール」シリーズにおいて、イメージキャラクターとして目黒蓮さん、桜田ひよりさんを起用し、ブランド価値の向上に向けたマーケティング施策を展開しています。2026年4月からは、TVCM第三弾「ネピア営業目黒くん 森を育てる篇」の放映を開始し、ネピア製品が「王子の森」で育成された木材を原料としていることなど、当社の森林資源への取り組みを発信しています。「人と地球に、ここちいい。」というブランドメッセージのもと、環境とくらしの両立を目指した製品づくりを推進しています。
一方、生産体制の最適化を目的として、2025年8月に江戸川工場、2026年1月に富士宮工場、同年3月に苫小牧工場を閉鎖し、収益力および競争力の強化に取り組んでいます。
ホームケア事業では、2026年3月に大容量かつコンパクトな「ネピネピ ソフトパックティシュ」を発売し、主力商品群とあわせて製品ラインアップの充実を図りました。ウェルネスケア事業では、2026年1月に「ネピアテンダー」パッドシリーズを刷新し、「共創介護」の理念のもと、介護・看護の現場に配慮した製品の提供に努めています。さらにヘルスケア事業では、2026年3月に「鼻セレブ SKINLISM 美容液マスク」を発売し、スキンケア分野を新たな事業領域として展開しています。
今後も、お客様のニーズに的確に対応するとともに、製品の差別化等を通じて、既存市場における競争力の維持・強化および成長市場での事業拡大に取り組んでいきます。
(b) 機能材(特殊紙事業、感熱事業、粘着事業、フィルム事業)
サステナブル素材及び製品の開発を進めるとともに、市場ニーズを先取りし、お客様の期待に応える製品やサービスを迅速に提供します。また、今後も市場拡大が期待されるような新たな事業領域で高付加価値製品を展開することにも積極的に取り組んでいます。
国内では、高機能なサステナブル製品の積極的な開発に継続的に取り組んでいます。王子エフテックスから販売している、非フッ素タイプの耐油紙「O-hajiki(オハジキ)」や、農業用紙製マルチシート「OJIサステナマルチ」は、高い評価をいただいており、2025年4月にはFDA(米国食品医薬品局)の規格に適合した新製品の「O-hajiki(W)FDA CoC」を発売しました。今後も販売拡大に努めてまいります。また、王子エフテックス滋賀工場で、電動車のモーター駆動制御装置のコンデンサに用いられるポリプロピレンフィルムの生産設備増設を進め、2025年1月に4台目の製造設備が稼働しました。同社中津工場では、変圧器用セルロース系プレスボードの需要拡大に対応し、生産能力を約3倍に増強する増設工事を実施します。今後も需要の動向を見極め、生産体制の増強や高品質化への取り組みを進めていきます。
海外では、感熱製品の世界市場での拡販と印刷・加工を含めた競争力強化を進めています。より高品質で付加価値の高い感熱紙やラベル製品を開発し、製品の差別化を通じて、既存市場での競争力強化、成長市場での販売拡大を目指していきます。
(c) 資源環境ビジネス(植林・木材加工事業、パルプ事業、エネルギー事業)
当社グループの経営基盤である持続可能な森林経営を推進し、植林事業の拡大を図るとともにその資源を活用したパルプ事業、木材加工事業、再生可能エネルギー事業など、総合的なビジネスを展開しています。既存事業の競争力強化を図りつつ、新規事業投資によるポートフォリオ転換も押し進め、豊富な森林資源から様々な価値を生み出し、収益力向上を進めていきます。
植林事業では、持続可能な森林資源の拡大を推進しています。2025年3月にはNew Forests社との提携により、森林投資ファンド「Future Forest Innovations ファンド」を設立し、本ファンドを通じた約7万haの植林地取得を目指しています。また、2025年5月にはブラジルの植林会社を買収しました。植林地では、森林の成長性改善や森林施業の効率化を図り事業の価値向上を進めるとともに、新規製材工場、林地残材を活用した前述のバイオ炭生産など、新たな事業の検討も進めています。
パルプ事業では、事業基盤強化のため、海外主要拠点での戦略的な収益対策を継続して実施するとともに、高付加価値品の開発や新規事業展開によるポートフォリオ転換を進めます。2026年1月には、ブラジルのVALE社との合弁により、バイオカーボン事業を行うBionow社への49.9%出資を行いました。国内では、成長性のある溶解パルプ事業で、高付加価値品の生産拡大による収益力向上を図っています。後述する、2026年1月に王子グループ傘下となったオーストリアのAustroCel社の、溶解パルプ事業でのシナジー発現にも取り組んでいきます。
エネルギー事業では、既存のバイオマス発電事業に加えた新たな再生可能エネルギー事業として、社有林地を活用した風力発電事業の検討を進めています。
(d) 印刷情報メディア(新聞用紙事業、印刷・出版・情報用紙事業)
需要動向を見極め、引き続きコストダウンを徹底すると同時に、当社グループ全体としての最適生産体制再構築等を通じて、収益力・競争力の強化に取り組んでいます。構造的な環境変化から、2025年3月には塗工紙・微塗工紙生産設備1台、2026年3月には新聞用紙生産設備1台を停止しました。今後も需要に見合った生産体制の最適化を進め、キャッシュ・フロー経営を徹底していきます。
さらに、保有するパルプ生産設備・バイオマス発電設備等の資産を最大限有効活用し、森林資源や既存事業のリソースを有効活用した事業ポートフォリオへの転換を進め、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。その一環として、王子製紙米子工場では、既存のパルプ生産設備の改造等により、高品質な溶解パルプの生産を行っています。
(e) その他(商事、物流、エンジニアリング、不動産事業、コーポレート関連業務、他)
当社グループは持続可能な社会の構築に貢献すべく、サステナブルな素材である木質資源の有効活用や新規事業の開発を推進し、新しいビジネスモデルの創出に取り組んでいます。
2026年1月に、欧州の先進的なバイオリファイナリー企業であるオーストリアのAustroCel社の全株式を取得しました。同社は様々なバイオ化学品に使用される特殊溶解パルプを製造するほか、バイオ燃料(次世代バイオエタノール)や土壌保水材も製造しています。また、2026年1月に革新的なセルロース加工技術を有するNordic Bioproducts社に出資を行いました。これにより、パルプ事業の下流工程を強化し、一貫生産体制を確立するとともに、グループ内の技術融合を加速しています。このように、幅広くバイオマス技術を取り入れ、イノベーションと事業ポートフォリオ転換を加速させ、木質バイオマスビジネスの中核化を図っていきます。
また、資産スリム化の取り組みとして、賃貸不動産の売却を進めており、コア事業への経営資源の集中を図っています。

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