有価証券報告書-第188期(2025/04/01-2026/03/31)
当社グループは2021年2月に、TCFDの提言に賛同を表明し、1.5℃~2℃シナリオ(IEAのSDS等)や4℃シナリオ(IPCCのRCP8.5等)をベースとした気候変動がもたらすリスクや機会、その影響の定量評価に基づいた取り組みを開示しております。2025年度の取り組みは、国際的な非営利団体CDPの「気候変動」、「フォレスト」「水セキュリティ」の各分野において、最上位レベルの評価を獲得しました。当社グループは、引き続き環境経営の取り組みを通じ、社会のカーボンニュートラルの実現と、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みに貢献してまいります。
「1.5℃~2℃シナリオ(IEAのSDS等)や4℃シナリオ(IPCCのRCP8.5等)をベースとした気候変動がもたらすリスクや機会の分析」
「1.5℃~2℃シナリオ(IEAのSDS等)や4℃シナリオ(IPCCのRCP8.5等)をベースとした気候変動がもたらすリスクや機会の分析」
| 分類 | リスク | リスクの詳細 | 影響度 | リスク低減に向けた戦略・対応策 | |
| 移行 リスク | 政策・ 法規制 | CO2排出に関する規制強化 | ・炭素税や排出量取引制度等、カーボンプライシングの導入・強化 | 大 | ・「北越グループ ゼロCO2 2050」「北越グループ環境目標2030」の実現 ・省エネルギーのさらなる推進 ・パルプ製造工程で発生する黒液等のバイオマスエネルギーの積極的な活用 ・カーボンニュートラル燃料の活用 ・CO2排出量の少ない鉄道等へのモーダルシフトの推進 ・高効率なチップ専用船の導入 ・木材由来のCO2を分離回収することによる、ネガティブエミッションとなる先進的CCS導入検討 |
| 再生可能エネルギー普及に向けた規制強化 | ・再生可能エネルギーの発電促進に向けた賦課金の単価上昇 | 中 | |||
| 市場 | 化石エネルギーの価格高騰 | ・脱炭素社会実現に向けた石油開発投資減少等による化石燃料由来のエネルギー価格の高騰 | 小 | ||
| 評判 | 環境配慮不足に対する非難の高まり | ・気候変動対策や森林保全等における環境配慮不足に対する、消費者等からの非難の高まりや製品の不買運動 | 小 | ・上記の気候変動対策の推進 ・「北越グループ原材料調達基本方針」「木材原料調達の基本方針」実行 ・非認証材の排除やトレーサビリティーシステムの活用、第三者機関による監査、当社社員による現地調査等を通じた、合法性、持続可能性が証明された木材原料の調達 ・工場見学の積極的な受け入れ、環境活動通信誌「KINKON」の発行、環境等をテーマにした出張講義等を通じた、当社グループの環境保全活動の情報発信 | |
| 投資家からの評価低下 | ・気候変動への取り組み遅れによるESG投資における評価低下や投資撤退(ダイベストメント) | 小 | |||
| 物理的 リスク | 急性 | 異常気象増加による事業への影響 | ・豪雨や洪水、巨大台風等の異常気象による自社の工場、設備の損壊 ・異常気象による電力や水等のインフラ損壊によるサービス供給停止 ・異常気象による道路、鉄道、港湾設備損壊によるサプライチェーンの寸断 | 中 | ・工場における自然災害リスクの評価と対策 ・「緊急事態対応規程」に基づいたBCP(事業継続計画)の見直し ・サプライヤーの多様化等による有利購買・安定調達の推進 |
| 慢性 | 気象パターン変化による原料調達への影響 | ・気温の上昇や山火事の頻発、病虫害の発生等による、紙パルプ原料樹木の生育悪化、調達への悪影響 | 中 | ・森林の多面的機能の向上を目指した山林経営の推進 ・サプライヤーの多様化等による有利購買・安定調達の推進 | |
| 分類 | 機会 | 機会の詳細 | 影響度 | 機会活用に向けた戦略・対応策 | |
| 機会 | 製品と サービス | 環境配慮型製品・サービスへのニーズ拡大 | ・消費者の意識高まりに伴う、環境配慮型製品・サービスへのニーズ拡大 | 大 | ・FSC®認証製品(FSC-C005497)の提供 ・脱プラスチックに向けた紙素材等のプラスチック代替材料の開発と拡販 ・最先端のバイオマス素材であるセルロースナノファイバーと炭素繊維の複合材料開発 ・バッテリーセパレーターの開発と拡販 |
| 先進的な環境配慮に対する共感 | ・気候変動対策や森林保全等における環境配慮に対する、消費者や取引先からの共感の高まりや製品の積極的な購入 | 大 | ・上記の環境配慮型製品・サービスの積極的な展開や、気候変動対策や森林保全等の取り組みの推進 ・工場見学の積極的な受け入れ、環境活動通信誌「KINKON」の発行、環境等をテーマにした出張講義等を通じた、当社グループの環境保全活動の情報発信 | ||
| 投資家からの評価向上 | ・先進的な気候変動への取り組みによるESG投資における評価向上や投資誘引 | 中 | |||
| 市場 | CO2排出量取引制度の普及 | ・e-メタンなど化学製品へのバイオマス由来、カーボンネガティブCO2導入機運の高まり | 中 | ・木材由来のCO2を分離回収することによる、ネガティブエミッションとなる先進的CCS導入検討 | |
| エネルギー源 | 再生可能エネルギーへのニーズ拡大 | ・カーボンニュートラル実現に向けた再生可能エネルギーへのニーズ拡大 | 中 | ・太陽光、バイオマス等の再生可能エネルギー発電事業の展開 | |
| 資源効率 | 森林資源への関心の高まり | ・CO2を吸収・固定し、気候変動問題に貢献する、森林吸収源に対する関心の高まり | 中 | ・植林事業や森林認証取得を通じた持続可能な森林経営の推進 ・森林経営計画に基づく間伐の実施 ・建築や合板、燃料用チップ等における間伐材の有効活用 | |
| 水資源への関心の高まり | ・気候変動等により水量減少・水質悪化が懸念される水資源への関心の高まり | 小 | ・水処理にあたり、強度を増すために使用するシートである分離膜支持体の提供 ・製紙事業で培った排水処理技術を活用した水処理事業の検討 | ||