有価証券報告書-第188期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 15:27
【資料】
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【項目】
193項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
① 会社の経営の基本方針
当社グループは、「北越グループ企業理念」のもと、紙パルプ事業及びパッケージング・紙加工事業を核として、魅力ある商品とサービスを広く社会に提供し、顧客、株主、取引先、地域社会をはじめとする総てのステークホルダーの支持と信頼に基づいた企業グループの安定的かつ持続的な成長と企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。
また、「北越グループ企業理念」に掲げる「自然との共生」を達成するため、原料から製品に至るまでの環境へのあらゆる影響を最小限にとどめることにより、持続可能な社会の実現に貢献することを目的に「北越グループサステナビリティ基本方針」を制定しております。特に環境については、2050年までにCO2排出実質ゼロに挑戦するなど、気候変動問題に対する取組みを積極的かつ能動的に推進してまいります。
② 目標とする経営指標
当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益に加え、資本効率、財務健全性の観点からROE、ネットD/Eレシオを重要な経営指標として位置付け、これらの向上を通じて、企業価値の持続的な拡大を図ってまいります。
③ 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは長期経営ビジョン「Vision 2030」に基づき、グローバル企業としての持続的な成長を目指してまいります。「Vision 2030」における企業グループイメージは、環境経営を基軸として、持続可能な社会の発展に貢献する企業グループ、多様な労働力と最新技術を活用し、時代に適応した新たな事業領域に挑戦する企業グループ、夢・希望・誇りが持てる働きがいのある企業グループであります。
また、長期経営ビジョン「Vision 2030」の企業グループイメージ実現に向けた最終ステップとして2026年4月より「中期経営計画 2030」をスタートさせました。「中期経営計画 2030」では、事業ポートフォリオシフトの加速、競争力強化による優位性の確立、サステナビリティ経営による価値創造の3つを基本方針としております。事業ポートフォリオシフトの加速については、輸出拡大の加速のための洋紙輸出営業本部、新規事業開発専門の組織として新規事業開発室をそれぞれ設置し、体制を整えております。今後も紙パルプの事業基盤に、環境経営、新規商品開発及びM&Aなどによる事業領域の拡大を加えて強力に推進していくことにより、継続的な企業価値の向上を目指してまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
① 経営環境認識
世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢の緊張が依然として継続する中、主要国における金融政策や通商政策を巡る不透明感も相まって、先行きの不確実性が高い状況が続いております。加えて、資源・エネルギー価格の変動や為替相場の不安定な動きなどが、各国経済や企業活動に影響を及ぼしております。
このような環境下、国内紙パルプ産業においては、デジタル化の進展や人口構造の変化を背景とした需要構造の変化が引き続き進むとともに、エネルギー・原材料価格の高止まりや物流費の上昇、人手不足の深刻化など、引き続き厳しい事業環境が継続しております。
② 対処すべき課題
イ 事業ポートフォリオシフトの加速
当社グループは、北米のパルプ事業や欧州の機能材事業などを展開しており、それらの強化を図るとともに、輸出製品の販売拡大も進め、事業ポートフォリオシフトを積極的に実行してまいりました。
「中期経営計画 2030」では、主にパッケージング事業の拡大、白板紙再構築、輸出の拡大、戦略投資の4つの分野に注力してまいります。
パッケージング事業の拡大については、伸長している包材事業の受注拡大に対応するため、グループ内製化や新商品開発等、生産能力の拡張を図ります。また、食品用高機能紙容器「ハロパック」の拡販・収益化を推進します。
白板紙再構築については、食品一次容器やトレーディングカード等の成長分野への製品シフトを推進します。また、生産拠点の見直しにより、新潟工場及び関東工場で最適な生産体制の構築を検討してまいります。
輸出の拡大については、2026年4月に新設した洋紙輸出営業本部のもと、安定した需要と十分な市場規模を有する海外市場への販売強化に取り組みます。具体的には、米国やインドをターゲットに、洋紙輸出比率を2025年度の27%から2030年度には38%まで高める方針であります。
戦略投資については、2026年4月に新設した新規事業開発室のもと、当社グループの将来の持続的成長を支える新規事業の開拓を進めます。具体的には、機能材分野や紙加工分野などをターゲットに、国内外のM&A案件を検討してまいります。
これらを通じて事業ポートフォリオの最適化を加速し、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。
ロ 競争力強化による優位性の確立
当社グループは、国内紙パルプ業界をリードする環境競争力を有する製品をお客様に提供することにより、多くのご支持をいただいております。
今後も「中期経営計画 2030」においてさらなる企業価値の向上を果たし、国内紙パルプ業界において揺るぎない地位の確立を目指し、既存事業の基盤強化と、環境事業への取り組みを重点戦略として推進してまいります。
既存事業の基盤強化としては、当社グループのコア事業である洋紙事業のコスト競争力の徹底強化と品質確保、国内シェア拡大など、競争力強化を図ることで業界優位のポジション確立を目指すと共に、国内最大規模の基幹工場である新潟工場の高効率操業を活かしつつ、併せて製品全般について適時かつ適正な価格改定のアクションをとってまいります。
また、当社は2024年5月に大王製紙㈱との戦略的業務提携基本契約を締結し、生産技術、製品物流、原材料購買におけるコストダウン施策において一定の収益改善効果を発現してきています。具体的には、当社において提携1年目である2024年度に13億円、2年目の2025年度には30億円を上回る収益改善効果を積み上げております。また、2026年3月には戦略的業務提携の深化を公表しており、両社が対等な資本関係を構築することで取り得る施策の範囲を拡大し、企業価値の一層の向上を目指してまいります。
環境事業の取り組み推進については、当社グループが先進的に進めてきた燃料転換や省エネ活動、CO2削減などの環境投資に加え、排出量取引制度への対応や、国内外CCS事業、紙・パルプの再生可能資源としての価値創造、北米の広大な森林資源の活用などを将来の新たな事業として位置付けて取り組みを進め、成長させてまいります。特に国内CCS事業については、紙パルプ業界で唯一の参画企業であり、これまでの環境事業への取り組みを活かして積極的に推進していきます。
ハ サステナビリティ経営による価値創造
当社グループは、「Vision 2030」に掲げる「環境経営を基軸として、持続可能な社会の発展に貢献する企業グループ」の実現に向けて、サステナビリティを競争力の源泉と位置づけております。
その中核となるのが、環境経営戦略の実践、人的資本経営、コーポレートガバナンスの強化であります。
(a) 環境経営戦略の実践
当社は、「北越グループ ゼロCO2 2050」の達成に向けて、CO2排出量削減を着実に進めるとともに、環境負荷の低い輸送や生産体制の構築を推進しております。例えば、鉄道貨物輸送を活用したモーダルシフトの拡大や、異業種とのラウンドマッチング輸送の開始など、物流面でのCO2排出量削減を具体的に進めております。さらに、CDPでは、フォレスト、水セキュリティの両分野で最高評価の「A」、気候変動で「A-」と、全ての分野で最上位のリーダーシップレベルを獲得するなど、当社の環境対応は外部からも高く評価されております。今後も、燃料転換やCCS事業、環境配慮型製品の展開など、環境事業の可能性を広げ、社会のカーボンニュートラル実現に貢献してまいります。
(b) 人的資本経営
当社は、社員一人ひとりが能力を発揮できる環境を構築することこそが、組織の創造性と競争力の源泉であると考えております。そのため、多様な人材の活躍を後押しし、働きがいのある職場づくり、健康経営、安全衛生活動に取り組んでおります。また、株式給付信託(従業員持株会処分型)の導入や、持株会奨励金の引き上げを通じて、従業員が自らの成長を企業価値の向上として実感できる仕組みも整えてまいりました。加えて、人権方針のもと、サプライチェーンも含めた人権尊重の取り組みを進め、外部環境の変化に柔軟に対応できるレジリエントな組織を構築してまいります。
(c) コーポレートガバナンスの強化
当社は、経営の監督と執行の役割を明確にし、透明性と実効性を高めることで、意思決定のスピードと質を両立させてまいります。取締役の任期短縮や、会長 グループCEOと社長 COOによる経営体制への移行もその一環であります。こうしたガバナンスの強化を通じて、資本効率を意識した経営を徹底し、稼ぐ力の最大化と企業価値の向上を実現してまいります。

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