訂正有価証券報告書-第179期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
① 会社の経営の基本方針
当社グループは、「北越紀州製紙企業理念」のもと、洋紙、白板紙、特殊紙及び紙加工の主要4事業を核として、魅力ある商品とサービスを広く社会に提供し、顧客、株主、取引先、地域社会をはじめとする総てのステークホルダーの支持と信頼に基づいた企業グループの安定的かつ持続的な成長と企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。
特に環境については、当社グループの環境への取り組みの基本方針である「ミニマム・インパクト」をより深化させ、これからもCO2排出量の削減、海外植林事業及びエコロジー技術などの積極的な取り組みを進め、地球環境の保全に向けた環境重視経営をさらに強化してまいります。
② 目標とする経営指標
当社グループでは、企業としての本来の事業活動の成果を示す売上高及び営業利益を重要な経営指標と位置付け、この向上を通じて、企業価値の拡大を図ってまいります。
③ 中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは、あらゆる事業環境の変化に対応し得る真のグローバル企業を目指し、平成23年4月に、平成32年(2020年)を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2020」を策定しております。その「Vision 2020」における企業の具体像は、環境経営を推進し、あらゆる企業活動において環境を重視する企業、また、高い技術を有し、優れた品質とコスト競争力を持った魅力ある商品を提供する企業、そして、着実な成長とあくなき挑戦を、情熱をもって続ける企業であります。
「Vision 2020」の達成に向けた第1ステップとして平成23年4月より「G-1st」計画、第2ステップとして平成26年4月より「C-next」計画を策定し、取り組んでまいりました。そして、「Vision 2020」へ向けた最終ステップとして、平成29年4月から平成32年3月までの新中期経営計画「V-DRIVE」をスタートさせ、海外事業拡大、工場競争力再強化及び連結経営体制基盤強化を基本方針として様々な経営戦略を実行してまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
① 経営環境認識
当期における我が国経済は、企業収益及び雇用情勢の改善が続く中で各種政策の効果もあって、景気は緩やかに回復基調が続いているものの、米国の政権交代による経済政策の影響、英国のEU(欧州連合)離脱問題など海外経済の不確実性の影響により、経営を取り巻く環境は厳しさを増しております。
国内紙パルプ産業につきましては、出版・情報用紙の需要縮小、販売価格の低迷、原燃料価格の上昇等により一段と厳しい事業環境になってきております。
② 対処すべき課題
イ 洋紙事業戦略
洋紙事業につきましては、少子高齢化やIT化により出版・情報用紙の国内需要が縮小する中、安定的な収益構造を構築するため、国内事業の競争力強化を図ってまいります。主力の新潟工場においては、首都圏からの立地条件を活かし、物流戦略の強化を図るとともに、年間30万tの輸出等により、最適生産体制を維持してまいります。
また、大きく変わる事業環境の中、継続的にあらゆるコスト改善に努めてまいりましたが、円安及び原燃料価格の上昇により、再生産可能な収益を確保するため、本年2月に印刷・情報用紙の製品価格改定を公表いたしました。引き続き、北越紀州販売㈱と一体となった販売戦略を進め、適正な価格の堅持に努めてまいります。
さらに当社は、新たに出版用紙営業部を新設し、お客様のニーズに応じた出版用途の開発を積極的に推進し、出版社向けの塗工紙、上級紙、色上質紙の販売数量のシェア拡大に向け取り組んでまいります。
ロ 白板紙事業戦略
白板紙事業につきましては、食品、医薬品及び日用品等の生活に密着した商品が堅調に推移している中、成長分野である一次容器需要の更なる取り込みを目指すとともに、関東工場と中国の江門星輝造紙有限公司との技術的シナジーを活かしてまいります。
また、当社は、前述の印刷・情報用紙と同様に、白板紙についても本年4月に製品価格改定を公表いたしました。引き続き、北越紀州販売㈱と一体となった販売戦略を進め、適正な価格の堅持に努めてまいります。
さらに、北越紀州販売㈱及びビーエフ&パッケージ㈱との協業によるグループ競争力の強化を図ることにより、お客さまからのニーズに迅速に対応するとともに、新製品開発と顧客満足度の向上に向け取り組んでまいります。
ハ 特殊紙事業戦略
特殊紙事業につきましては、お客様の潜在ニーズを的確に把握し商品開発を進めてまいります。特に機能紙につきましては、スマートフォンの普及や自動車の急速な電子化に伴い、電子部品の需要が急速に拡大したため、電子部品搬送用のチップキャリアテープ原紙は生産・販売ともに大幅な増加となっております。また車載用バッテリーセパレータや空気清浄用フィルターにつきましても安定受注が続くなど、全世界市場を見据え、オンリーワンの商品を拡販してまいります。
さらに、国内販売の更なる強化と、国内外の子会社との連携をはじめとしたグローバル規模の最適生産販売体制の構築に向け取り組んでまいります。
ニ 紙加工事業戦略
紙加工事業につきましては、主力のパッケージング・包装分野において液体容器や食品・菓子用紙器の新規受注や拡販によるシェア拡大を目指すとともに、原紙・素材開発から加工までのグループ一貫生産によるシナジー効果の発現に向け取り組んでまいります。
またビーエフ&パッケージ㈱は、昨年末に食品容器を製造販売するフードチェーンの一企業として、食の安全を求める声に応えるため、食品安全マネジメントシステム「FSSC22000」の認証を取得いたしました。この認証取得を機に、これまで以上に食品包装の安全と安心をお客様にお届けしてまいります。
ホ 海外戦略
当社グループは、「Vision 2020」の達成に向け、更なる発展の礎とすべく、積極的な海外投資を実行し、現在では中国、欧州及び北米と3つの海外生産拠点を確立いたしました。
中国の江門星輝造紙有限公司は、平成27年に営業生産をスタートし、3年目に入りました。現在では、お客様のニーズに合致した製品を提供するとともに、マーケティングの徹底による販売戦略の強化を図ったことにより、広東省を中心に販売が好調であり、大幅な増収となりました。今後は、2号機増設を視野に入れて中国における白板紙事業の更なる拡大成長に向け取り組んでまいります。
フランスのBernard Dumas S.A.S.は、車載用バッテリーセパレータの生産・販売が好調に推移しております。引き続き将来の需要増加やグローバル市場へ向けた供給体制を確立し、既存設備の生産能力の増強を図るとともに、新たな海外生産拠点を設立すべく検討を進めてまいります。
カナダのAlberta-Pacific Forest Industries Inc.につきましては、既存の洋紙、白板紙、特殊紙、紙加工事業に加え第5のコア事業と位置付け、定期修繕方法の見直しや輸送形態の変更等によるコスト改善を進め、競争力の更なる強化を図ってまいります。
また、新中期経営計画「V-DRIVE」においては、海外事業を含め、戦略投資500億円、設備投資400億円、総額900億円の投資計画を予定しております。
ヘ 環境戦略
当社グループは、原料から製品に至るまで、環境へのあらゆる影響を最小限にする「ミニマム・インパクト」を基本方針とし、業界に先駆けた環境対策を積極的に進めてきた結果、CO2排出原単位は紙パルプ業界平均の約半分と業界でもトップに位置しております。新潟工場で導入したガスコージェネレーション設備や黒液濃縮装置の導入により、CO2排出量の削減及びエネルギー効率の改善を進め、先般日本経済新聞社が実施した第20回「企業の環境影響度調査」において、紙パルプ業界においては首位を獲得することができました。また、平成32年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向け、FSC認証紙の拡充も進めるとともに、海外事業においても、中国の江門星輝造紙有限公司において「ISO14001」の認証を取得するなど、環境に優しい製品を提供するとともに、環境経営を積極的に推進してまいります。
ト 研究開発
当社は、木質パルプなどを原料とし、植物繊維をナノレベルに精製した、軽くて丈夫な植物由来の素材CNF (セルロースナノファイバー)の研究開発において、ガラス繊維の隙間にCNFを蜘蛛の巣状に張り巡らした超高性能な空気清浄用フィルター濾材と超低密度で高表面積の多孔質体「エアロゲル」の開発に成功しました。これは、ガラス繊維を使用する空気洗浄用フィルターの研究で培った技術をさらに発展させたものであります。
また、カナダのAlberta-Pacific Forest Industries Inc.は、2010年からアルバータ州の研究機関であるInnoTech AlbertaとCNC(セルロースナノクリスタル)に関する共同研究を進めており、当社及び同社は、昨年11 月、アルバータ州政府とCNCの商用材料開発に向けて協力関係をさらに発展させることについて合意いたしました。
さらに当社は、本年4月に新機能材料開発室を新設し、当社グループ全体で新機能材料の開発を促進する体制を整えました。
以上の取り組みを推進することにより、「V-DRIVE」の経営目標達成を目指すとともに、今後も「北越紀州製紙企業理念」で掲げる「法を遵守し、透明性の高い企業活動により信頼される企業」として、すべてのステークホルダーの皆さまからの信頼をもとに、持続的な成長を目指してまいります。
(株式会社の支配に関する基本方針)
(1) 当社の基本方針の内容の概要
当社は、先進の技術と従業員の強固な信頼関係をベースとして、環境負荷を低減した紙素材の提供を通して、顧客・株主・取引先・地域社会等に貢献できる会社となり、同時に企業価値の長期安定的な向上を図ることを、経営の最重要課題と認識しております。従いまして、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させる者でなければならないと考えております。
当社は、株式の大量買付であっても、当社自身の企業価値を増大させ、株主共同の利益を向上させるものであれば、これを一概に否定するものではありません。会社の支配権の移転については、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと認識しております。
しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て却って企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するもの、株主に株式売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付の条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための充分な時間や情報を提供しないもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なからず見受けられます。
当社の属する製紙産業は、設備の投資から回収まで長期間を要するものであり、中長期的視点での経営判断が必要とされます。当社は適宜・適切な設備投資を実施し、国際競争力を確保して参りましたが、こうした努力が当社の株式の大量買付を行う者により中長期的に確保され、向上させられなくてはなりません。また、当社の競争力の源泉は設備の比較優位性だけでなく、需要家の皆様から当社製品の品質と短期間での納品をはじめとしたお客様の要請に応えるきめ細かなサービスに対して、多くの御支持を頂いていることにあります。さらに、当社グループ従業員の一体感を持った、高いモチベーションや、当社とその事業がなされる地域社会との関係も重要と考えられます。これらが当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上にとって不可欠であると考えております。
当社としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、このような当社の企業価値の源泉を十分に理解したうえで、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させる者でなければならないと考えております。従いまして、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある株式の大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
(2) 基本方針実現に資する特別な取組みの概要
当社グループは、明治40年の創業以来、一貫して紙素材を社会に提供することにより、社会経済の発展と生活文化の向上に努めております。また、国際的な競争力を有し、持続的な成長を可能とすることにより企業価値の長期安定的な向上を図ることを、経営の最重要課題と捉えております。そのため、いかなる事業環境下においても持続的な成長を目指し、さらに企業価値を向上させるため、2020年(平成32年)を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2020」の最終ステップとして、前述のとおり、平成29年4月より新中期経営計画「V-DRIVE」をスタートさせました。ここで掲げた基本方針、経営目標を実現することにより、企業価値、ひいては株主共同の利益の向上に努めてまいります。
(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当該株式会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、平成28年5月13日開催の取締役会において「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」という。)の更新を決議し、同年6月28日開催の第178回定時株主総会において、本プランは株主の皆様のご承認をいただき、更新されました。
本プランは、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、当社株式の20%以上の買付等が行われる場合に、買付者等に対し、事前に意向表明書の提出や当該買付等に関する情報の提供を求め、当社が、当該買付等についての情報収集・検討等を行う期間を確保した上で、株主に対して当社経営陣の計画や代替案等を提示したり、買付者等との交渉等を行っていくための手続を定めるものです。
買付者等が、本プランに定める手続に従うことなく買付等を行う場合や、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等である場合など、買付等が本プランに定められた客観的な発動要件に該当し、対抗措置を発動することが相当であると認められる場合は、当社は、会社法その他の法律及び当社定款が当社取締役会の権限として認める措置(以下「対抗措置」という。)をとり、当該買付等に対抗することがあります。当社取締役会は、具体的にいかなる対抗措置を講じるかについては、その時点で最も適切と当社取締役会が判断したものを選択することとしますが、現時点における具体的な対抗措置としては、新株予約権の無償割当てを行うことを予定しており、その場合には、当該買付者等による権利行使は認められないなどの差別的行使条件及び当該買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得するなどの差別的取得条項が付された新株予約権を、その時点の全ての株主に対して新株予約権無償割当ての方法(会社法第277条以降に規定されます。)により割り当てます。
なお、対抗措置の発動、不発動または中止等の判断については、当社取締役会の恣意的判断を排するため、当社経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会の判断を経るとともに、株主に対して適時に情報開示を行うことにより透明性を確保することとしています。
本プランの有効期間は、平成31年3月期に係る定時株主総会の終結時までとし、本プランの有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランを変更または廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランは当該決議に従いその時点で変更または廃止されます。また、当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されます。
本プランの導入(更新)時点においては、本新株予約権の無償割当て自体は行われませんので、株主及び投資家の皆様の権利に直接具体的な影響が生じることはありません。他方、対抗措置が発動され、新株予約権無償割当てが実施された場合、株主の皆様が新株予約権の行使及び行使価額相当の金銭の払込みを行わないと、他の株主の皆様による新株予約権の行使により、その保有する当社株式が希釈化することになります。ただし、当社は、買付者等以外の株主の皆様から本新株予約権を取得し、それと引換えに当社株式を交付することがあります。当社が係る取得の手続を取った場合、買付者等以外の株主の皆様は、新株予約権の行使及び行使価額相当の金銭の払込みをせずに当社株式を受領することとなり、その保有する当社株式の希釈化は原則として生じません。
(4) 上記の取組みに対する取締役会の判断及びその理由
本プランは、当社株式に対する買付等が行われた場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。従いまして、本プランは、当社の基本方針に沿うものであって、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)も完全に充足しています。
また、本プランは、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえた内容となっております。
当社は、本プランの導入にあたり、当社取締役会の恣意的判断を排除し、株主の皆様のために本プランの発動等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として、独立委員会を設置しております。独立委員会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社の社外取締役もしくは社外監査役または社外の有識者のいずれかに該当する委員3名以上により構成されます。また、独立委員会の判断の概要については株主の皆様に情報開示をすることとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に資する範囲で本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されています。本プランの発動については、予め定められた合理的な客観的発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。
このように、本プランは高度の合理性を有しており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(1) 経営方針
① 会社の経営の基本方針
当社グループは、「北越紀州製紙企業理念」のもと、洋紙、白板紙、特殊紙及び紙加工の主要4事業を核として、魅力ある商品とサービスを広く社会に提供し、顧客、株主、取引先、地域社会をはじめとする総てのステークホルダーの支持と信頼に基づいた企業グループの安定的かつ持続的な成長と企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。
特に環境については、当社グループの環境への取り組みの基本方針である「ミニマム・インパクト」をより深化させ、これからもCO2排出量の削減、海外植林事業及びエコロジー技術などの積極的な取り組みを進め、地球環境の保全に向けた環境重視経営をさらに強化してまいります。
② 目標とする経営指標
当社グループでは、企業としての本来の事業活動の成果を示す売上高及び営業利益を重要な経営指標と位置付け、この向上を通じて、企業価値の拡大を図ってまいります。
③ 中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは、あらゆる事業環境の変化に対応し得る真のグローバル企業を目指し、平成23年4月に、平成32年(2020年)を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2020」を策定しております。その「Vision 2020」における企業の具体像は、環境経営を推進し、あらゆる企業活動において環境を重視する企業、また、高い技術を有し、優れた品質とコスト競争力を持った魅力ある商品を提供する企業、そして、着実な成長とあくなき挑戦を、情熱をもって続ける企業であります。
「Vision 2020」の達成に向けた第1ステップとして平成23年4月より「G-1st」計画、第2ステップとして平成26年4月より「C-next」計画を策定し、取り組んでまいりました。そして、「Vision 2020」へ向けた最終ステップとして、平成29年4月から平成32年3月までの新中期経営計画「V-DRIVE」をスタートさせ、海外事業拡大、工場競争力再強化及び連結経営体制基盤強化を基本方針として様々な経営戦略を実行してまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
① 経営環境認識
当期における我が国経済は、企業収益及び雇用情勢の改善が続く中で各種政策の効果もあって、景気は緩やかに回復基調が続いているものの、米国の政権交代による経済政策の影響、英国のEU(欧州連合)離脱問題など海外経済の不確実性の影響により、経営を取り巻く環境は厳しさを増しております。
国内紙パルプ産業につきましては、出版・情報用紙の需要縮小、販売価格の低迷、原燃料価格の上昇等により一段と厳しい事業環境になってきております。
② 対処すべき課題
イ 洋紙事業戦略
洋紙事業につきましては、少子高齢化やIT化により出版・情報用紙の国内需要が縮小する中、安定的な収益構造を構築するため、国内事業の競争力強化を図ってまいります。主力の新潟工場においては、首都圏からの立地条件を活かし、物流戦略の強化を図るとともに、年間30万tの輸出等により、最適生産体制を維持してまいります。
また、大きく変わる事業環境の中、継続的にあらゆるコスト改善に努めてまいりましたが、円安及び原燃料価格の上昇により、再生産可能な収益を確保するため、本年2月に印刷・情報用紙の製品価格改定を公表いたしました。引き続き、北越紀州販売㈱と一体となった販売戦略を進め、適正な価格の堅持に努めてまいります。
さらに当社は、新たに出版用紙営業部を新設し、お客様のニーズに応じた出版用途の開発を積極的に推進し、出版社向けの塗工紙、上級紙、色上質紙の販売数量のシェア拡大に向け取り組んでまいります。
ロ 白板紙事業戦略
白板紙事業につきましては、食品、医薬品及び日用品等の生活に密着した商品が堅調に推移している中、成長分野である一次容器需要の更なる取り込みを目指すとともに、関東工場と中国の江門星輝造紙有限公司との技術的シナジーを活かしてまいります。
また、当社は、前述の印刷・情報用紙と同様に、白板紙についても本年4月に製品価格改定を公表いたしました。引き続き、北越紀州販売㈱と一体となった販売戦略を進め、適正な価格の堅持に努めてまいります。
さらに、北越紀州販売㈱及びビーエフ&パッケージ㈱との協業によるグループ競争力の強化を図ることにより、お客さまからのニーズに迅速に対応するとともに、新製品開発と顧客満足度の向上に向け取り組んでまいります。
ハ 特殊紙事業戦略
特殊紙事業につきましては、お客様の潜在ニーズを的確に把握し商品開発を進めてまいります。特に機能紙につきましては、スマートフォンの普及や自動車の急速な電子化に伴い、電子部品の需要が急速に拡大したため、電子部品搬送用のチップキャリアテープ原紙は生産・販売ともに大幅な増加となっております。また車載用バッテリーセパレータや空気清浄用フィルターにつきましても安定受注が続くなど、全世界市場を見据え、オンリーワンの商品を拡販してまいります。
さらに、国内販売の更なる強化と、国内外の子会社との連携をはじめとしたグローバル規模の最適生産販売体制の構築に向け取り組んでまいります。
ニ 紙加工事業戦略
紙加工事業につきましては、主力のパッケージング・包装分野において液体容器や食品・菓子用紙器の新規受注や拡販によるシェア拡大を目指すとともに、原紙・素材開発から加工までのグループ一貫生産によるシナジー効果の発現に向け取り組んでまいります。
またビーエフ&パッケージ㈱は、昨年末に食品容器を製造販売するフードチェーンの一企業として、食の安全を求める声に応えるため、食品安全マネジメントシステム「FSSC22000」の認証を取得いたしました。この認証取得を機に、これまで以上に食品包装の安全と安心をお客様にお届けしてまいります。
ホ 海外戦略
当社グループは、「Vision 2020」の達成に向け、更なる発展の礎とすべく、積極的な海外投資を実行し、現在では中国、欧州及び北米と3つの海外生産拠点を確立いたしました。
中国の江門星輝造紙有限公司は、平成27年に営業生産をスタートし、3年目に入りました。現在では、お客様のニーズに合致した製品を提供するとともに、マーケティングの徹底による販売戦略の強化を図ったことにより、広東省を中心に販売が好調であり、大幅な増収となりました。今後は、2号機増設を視野に入れて中国における白板紙事業の更なる拡大成長に向け取り組んでまいります。
フランスのBernard Dumas S.A.S.は、車載用バッテリーセパレータの生産・販売が好調に推移しております。引き続き将来の需要増加やグローバル市場へ向けた供給体制を確立し、既存設備の生産能力の増強を図るとともに、新たな海外生産拠点を設立すべく検討を進めてまいります。
カナダのAlberta-Pacific Forest Industries Inc.につきましては、既存の洋紙、白板紙、特殊紙、紙加工事業に加え第5のコア事業と位置付け、定期修繕方法の見直しや輸送形態の変更等によるコスト改善を進め、競争力の更なる強化を図ってまいります。
また、新中期経営計画「V-DRIVE」においては、海外事業を含め、戦略投資500億円、設備投資400億円、総額900億円の投資計画を予定しております。
ヘ 環境戦略
当社グループは、原料から製品に至るまで、環境へのあらゆる影響を最小限にする「ミニマム・インパクト」を基本方針とし、業界に先駆けた環境対策を積極的に進めてきた結果、CO2排出原単位は紙パルプ業界平均の約半分と業界でもトップに位置しております。新潟工場で導入したガスコージェネレーション設備や黒液濃縮装置の導入により、CO2排出量の削減及びエネルギー効率の改善を進め、先般日本経済新聞社が実施した第20回「企業の環境影響度調査」において、紙パルプ業界においては首位を獲得することができました。また、平成32年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向け、FSC認証紙の拡充も進めるとともに、海外事業においても、中国の江門星輝造紙有限公司において「ISO14001」の認証を取得するなど、環境に優しい製品を提供するとともに、環境経営を積極的に推進してまいります。
ト 研究開発
当社は、木質パルプなどを原料とし、植物繊維をナノレベルに精製した、軽くて丈夫な植物由来の素材CNF (セルロースナノファイバー)の研究開発において、ガラス繊維の隙間にCNFを蜘蛛の巣状に張り巡らした超高性能な空気清浄用フィルター濾材と超低密度で高表面積の多孔質体「エアロゲル」の開発に成功しました。これは、ガラス繊維を使用する空気洗浄用フィルターの研究で培った技術をさらに発展させたものであります。
また、カナダのAlberta-Pacific Forest Industries Inc.は、2010年からアルバータ州の研究機関であるInnoTech AlbertaとCNC(セルロースナノクリスタル)に関する共同研究を進めており、当社及び同社は、昨年11 月、アルバータ州政府とCNCの商用材料開発に向けて協力関係をさらに発展させることについて合意いたしました。
さらに当社は、本年4月に新機能材料開発室を新設し、当社グループ全体で新機能材料の開発を促進する体制を整えました。
以上の取り組みを推進することにより、「V-DRIVE」の経営目標達成を目指すとともに、今後も「北越紀州製紙企業理念」で掲げる「法を遵守し、透明性の高い企業活動により信頼される企業」として、すべてのステークホルダーの皆さまからの信頼をもとに、持続的な成長を目指してまいります。
(株式会社の支配に関する基本方針)
(1) 当社の基本方針の内容の概要
当社は、先進の技術と従業員の強固な信頼関係をベースとして、環境負荷を低減した紙素材の提供を通して、顧客・株主・取引先・地域社会等に貢献できる会社となり、同時に企業価値の長期安定的な向上を図ることを、経営の最重要課題と認識しております。従いまして、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させる者でなければならないと考えております。
当社は、株式の大量買付であっても、当社自身の企業価値を増大させ、株主共同の利益を向上させるものであれば、これを一概に否定するものではありません。会社の支配権の移転については、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと認識しております。
しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て却って企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するもの、株主に株式売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付の条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための充分な時間や情報を提供しないもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なからず見受けられます。
当社の属する製紙産業は、設備の投資から回収まで長期間を要するものであり、中長期的視点での経営判断が必要とされます。当社は適宜・適切な設備投資を実施し、国際競争力を確保して参りましたが、こうした努力が当社の株式の大量買付を行う者により中長期的に確保され、向上させられなくてはなりません。また、当社の競争力の源泉は設備の比較優位性だけでなく、需要家の皆様から当社製品の品質と短期間での納品をはじめとしたお客様の要請に応えるきめ細かなサービスに対して、多くの御支持を頂いていることにあります。さらに、当社グループ従業員の一体感を持った、高いモチベーションや、当社とその事業がなされる地域社会との関係も重要と考えられます。これらが当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上にとって不可欠であると考えております。
当社としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、このような当社の企業価値の源泉を十分に理解したうえで、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させる者でなければならないと考えております。従いまして、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある株式の大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
(2) 基本方針実現に資する特別な取組みの概要
当社グループは、明治40年の創業以来、一貫して紙素材を社会に提供することにより、社会経済の発展と生活文化の向上に努めております。また、国際的な競争力を有し、持続的な成長を可能とすることにより企業価値の長期安定的な向上を図ることを、経営の最重要課題と捉えております。そのため、いかなる事業環境下においても持続的な成長を目指し、さらに企業価値を向上させるため、2020年(平成32年)を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2020」の最終ステップとして、前述のとおり、平成29年4月より新中期経営計画「V-DRIVE」をスタートさせました。ここで掲げた基本方針、経営目標を実現することにより、企業価値、ひいては株主共同の利益の向上に努めてまいります。
(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当該株式会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、平成28年5月13日開催の取締役会において「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」という。)の更新を決議し、同年6月28日開催の第178回定時株主総会において、本プランは株主の皆様のご承認をいただき、更新されました。
本プランは、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、当社株式の20%以上の買付等が行われる場合に、買付者等に対し、事前に意向表明書の提出や当該買付等に関する情報の提供を求め、当社が、当該買付等についての情報収集・検討等を行う期間を確保した上で、株主に対して当社経営陣の計画や代替案等を提示したり、買付者等との交渉等を行っていくための手続を定めるものです。
買付者等が、本プランに定める手続に従うことなく買付等を行う場合や、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等である場合など、買付等が本プランに定められた客観的な発動要件に該当し、対抗措置を発動することが相当であると認められる場合は、当社は、会社法その他の法律及び当社定款が当社取締役会の権限として認める措置(以下「対抗措置」という。)をとり、当該買付等に対抗することがあります。当社取締役会は、具体的にいかなる対抗措置を講じるかについては、その時点で最も適切と当社取締役会が判断したものを選択することとしますが、現時点における具体的な対抗措置としては、新株予約権の無償割当てを行うことを予定しており、その場合には、当該買付者等による権利行使は認められないなどの差別的行使条件及び当該買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得するなどの差別的取得条項が付された新株予約権を、その時点の全ての株主に対して新株予約権無償割当ての方法(会社法第277条以降に規定されます。)により割り当てます。
なお、対抗措置の発動、不発動または中止等の判断については、当社取締役会の恣意的判断を排するため、当社経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会の判断を経るとともに、株主に対して適時に情報開示を行うことにより透明性を確保することとしています。
本プランの有効期間は、平成31年3月期に係る定時株主総会の終結時までとし、本プランの有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランを変更または廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランは当該決議に従いその時点で変更または廃止されます。また、当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されます。
本プランの導入(更新)時点においては、本新株予約権の無償割当て自体は行われませんので、株主及び投資家の皆様の権利に直接具体的な影響が生じることはありません。他方、対抗措置が発動され、新株予約権無償割当てが実施された場合、株主の皆様が新株予約権の行使及び行使価額相当の金銭の払込みを行わないと、他の株主の皆様による新株予約権の行使により、その保有する当社株式が希釈化することになります。ただし、当社は、買付者等以外の株主の皆様から本新株予約権を取得し、それと引換えに当社株式を交付することがあります。当社が係る取得の手続を取った場合、買付者等以外の株主の皆様は、新株予約権の行使及び行使価額相当の金銭の払込みをせずに当社株式を受領することとなり、その保有する当社株式の希釈化は原則として生じません。
(4) 上記の取組みに対する取締役会の判断及びその理由
本プランは、当社株式に対する買付等が行われた場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。従いまして、本プランは、当社の基本方針に沿うものであって、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)も完全に充足しています。
また、本プランは、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえた内容となっております。
当社は、本プランの導入にあたり、当社取締役会の恣意的判断を排除し、株主の皆様のために本プランの発動等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として、独立委員会を設置しております。独立委員会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社の社外取締役もしくは社外監査役または社外の有識者のいずれかに該当する委員3名以上により構成されます。また、独立委員会の判断の概要については株主の皆様に情報開示をすることとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に資する範囲で本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されています。本プランの発動については、予め定められた合理的な客観的発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。
このように、本プランは高度の合理性を有しており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。