有価証券報告書-第110期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 9:11
【資料】
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【項目】
154項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、永続的発展のため、ひたむきに人を大切にしたものづくりに努め、国際競争を勝ち抜く、強い企業創りを目指しております。
その実現のため、経営理念に“愛され信頼される企業に”を第一に掲げ、コンプライアンスに徹し、真摯で誠実な企業活動を旨として、品質第一主義と弛まざる技術革新で顧客満足を希求するとともに、地域社会との共存共栄を図ってまいります。さらに企業の社会的責任の視点に立って、環境と社会に貢献し、向上心あふれる働きがいのある会社づくりに励み、企業価値を高めてまいります。
(2) 目標とする経営指標
① 2030年度までに、営業利益80億円、ROE8%の収益を確保します。
② 製造工程における化石燃料由来のCO₂排出量を2030年度までに2013年度比55%削減することを目標として掲げ、達成に向けて取り組んでまいります。
(3) 会社の経営戦略
当社グループは、外部環境に対応する営業活動の展開と事業構造転換による企業価値向上、その後の新規事業領域への展開を見据え、「紙パルプ事業の基盤強化」「新規事業」「GX推進」を3本の柱とした施策を基本方針とし、企業価値の向上を目指しております。
また、DX・人的資本経営の推進により、組織全体の効率性と持続的成長を実現し、各施策の実行力を高めてまいります。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループを取り巻く経済環境は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加等により、国内経済は緩やかな回復基調を辿りました。一方で、中東情勢の緊迫化等地政学リスクの高まり、米国の通商政策動向など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況のなか当社グループは、アジア地域を中心とした市況悪化影響を最小限に抑えるため、新設した家庭紙マシンのフル稼働に取り組むとともに、既存マシンの安定操業、効率生産による原価低減に努めました。
① 『中期経営計画2025』(2021年度〜2025年度)の振り返り
『中期経営計画2025』では「既存事業の構造転換」と「森林資源を活用した環境投資、環境ビジネス推進」を柱として、収益目標と環境目標を定めて各施策を進めてまいりました。グラフィック用紙の売上比率が高い事業構造からの転換を図るために、グラフィック用紙の生産集約による抄紙機の停機や、堅調な需要が見込まれる衛生用紙分野への参入、外販パルプの販売数量の拡大を図りました。また、関連会社においては、子会社の三善製紙株式会社が株式会社巴川コーポレーションの超軽量印刷用紙の営業権等を譲受するとともに、文具事業についてはショウワノートホールディングス株式会社に事業を譲渡するなど、収益力強化に取り組みました。この他、セルロースナノファイバー事業や脱化石燃料の取り組みなど、環境投資、環境ビジネスにも注力してまいりました。
その一方で、減少が予想されるグラフィック用紙の補完に向けた構造転換として、脱プラスチック需要の取り込みを狙ったMAPKA®事業の中断など、課題を残す結果のものもありました。これら継続課題については、『中期経営計画2030』において引き続き検討してまいります。
上記の取り組みのほか、コスト上昇を背景とした価格改定やコストダウンの取り組みを進め、計画期間の半ばで営業利益、ROEともに目標をクリアしましたが、その後の海外パルプ市況の急激な悪化や、原燃料価格や固定費、物流費などのコスト上昇を補いきれなかった結果、最終年度の収益は、目標を達成できませんでした。環境目標については、石炭などの化石燃料の使用量削減や省エネなどを推進した結果、2030年度より前倒しで達成できる見通しとなったため、『中期経営計画2030』で目標を更新しております。
② 『中期経営計画2030』(2026年度〜2030年度)の概要
2026年度から2030年度の5か年計画として、『中期経営計画2030』を策定しました。原燃料価格や人件費、物流費等のコスト上昇に加え、グラフィック用紙を中心とした紙需要の減少、環境対応の高まりといった外部環境の変化に対応するため、「紙パルプ事業基盤強化」「新規事業」「GX推進」を三つの柱に掲げ、事業構造の転換による企業価値向上、新規事業領域への展開を見据えた新たな事業戦略の策定を行ってまいります。
・紙パルプ事業基盤強化
紙製品の需要減少への対応として、脱プラスチック需要の取り込みが見込めるパッケージング用紙など既存製品の販売促進や、新規製品開発、セルロースナノファイバーの早期事業化に取り組みます。また、エネルギーソースの最適化を目的として、抄紙機の改造や生産集約等を行うことで、事業構造の転換を図っていきます。
・GX推進
新たな環境目標として「製造工程における化石燃料由来CO₂排出量を2030年度までに2013年度比55%削減」を設定し、省エネルギーの推進や脱化石燃料に向けて化石燃料以外の燃料転換等の取り組みを加速させるとともに、植林の推進や、排出量取引制度の活用等による収益確保を目指します。
・新規事業
JV・M&A等による共創ビジネスの検討を進めるとともに、外販パルプの高付加価値化やバイオリファイナリー事業の検討ではパルプの用途拡大を目指した事業展開を模索していきます。
2026年度は、国内紙需要の構造的な変化、ドライバー不足による輸送能力不安、円安、物価上昇などによる原燃料や鋼材費等のコスト上昇に加え、中東情勢悪化の影響を受け、厳しい事業環境が予想されますが、グループ一丸となって、『中期経営計画2030』に掲げた2030年度の定量目標「連結営業利益80億円」「ROE8%」の達成に向け事業基盤の強化に取り組んでまいります。
③ MAPKA®事業の今後について
MAPKA®事業については、共同出資先の株式会社環境経営総合研究所が破産手続に入ったことにより、当初予定していた合弁事業の継続が困難となったことから、MAPKA®製造事業を手がけていた共同出資会社である中越エコプロダクツ株式会社を、2026年3月31日をもって解散いたしました。今後は、当社内に新設した脱プラスチック関連事業推進室で、MAPKA®事業を継承し、脱プラスチック関連事業の可能性の模索および事業化に向けた検討を行ってまいります。
④ サステナビリティの取り組み
a.気候変動対応
『中期経営計画2025』にて掲げた2030年度までの環境目標を更新し、引き続き省エネルギーの推進や石炭使用量の削減を行い、化石燃料由来CO₂排出量削減の取り組みを進めていきます。また、環境負荷がより低く、大量輸送が可能な輸送手段を活用するモーダルシフトを推進しており、内航コンテナ船でのコンテナ輸送の運用をスタートし、当社川内工場と連結子会社の中越物産株式会社が、令和6年度の「エコシップマーク*」優良事業者に認定されました。
*エコシップマーク:「エコシップ・モーダルシフト事業実行委員会」において、貨物輸送における海上貨物輸送を一定以上利用し、モーダルシフトの推進および環境負荷の低減等に資するものと認められた事業者に認定されるもの。
b.人的資本の取り組み
人材は企業価値を高める源泉と考え、人材育成と多様な人材の確保を目的として教育や職場環境の整備を進めており、有給休暇制度やリフレッシュ休暇制度等、福利厚生制度の見直しを実施しました。今後は、個々のスキルアップを図るために資格取得奨励制度の見直しや、従業員のエンゲージメント向上施策などを検討し、従業員のキャリア形成と優秀な人材の獲得に繋がる施策を推進してまいります。

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